JP6074531B1 - 鉛筆削り - Google Patents
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Abstract
Description
こういった問題を防ぐためには、送りローラーが鉛筆をカッターフレームに送り込む力を最小限にする必要があるが、送り込む力を小さくしすぎると、鉛筆を送り込めなかったり、送り込めた場合であっても、送り込む力が弱いことで効率良く切削ができなかったりすることがあり、送りローラーの調整が非常に困難であった。
さらに、ハンドルを逆回転させることなく、また、蓄勢部材といった複雑な部材を必要とせず、ハンドルを順回転することで鉛筆を排出する排出機構を提案するものである。
まず、鉛筆が削り上がった際に、削り上がったことを確実に検知し、鉛筆の無駄削りを防止できる。特に、色鉛筆等の柔らかい芯の鉛筆であっても、確実に切削を停止することができる。従来の鉛筆削りにおいては、柔らかい芯の鉛筆の場合、削り上がりを感覚で認識するといったことが必要であり、無駄削りを防止することが困難であった。
以下に、本発明に係る鉛筆削りの実施の形態について、図を用いて説明する。尚、以下の実施の形態は、本発明の最適な一例であって、特に本発明をこの一例に限定するものではない。
まず、図1から図3用いて、鉛筆削りの主な構成について説明する。
図1は、鉛筆削りの内部の全体図であり、筐体を取り去った状態における斜視図である。
図2は、鉛筆削りの鉛筆を挿入しない状態での(a)内部上面図と(b)内部側面図である。
また、図3は、鉛筆削りのカッターフレームと芯先検知部の部品図であり、(a)は上面図、(b)はC−C断面図である。
回転軸変換手段と送りローラー5とで、鉛筆を挿入方向、あるいは必要に応じて排出方向に付勢する鉛筆付勢手段を構成する。
なお、本実施の形態においては、鉛筆を挿入する軸に沿って、左向き(図2における白抜き矢印Eの方向)を鉛筆排出方向と呼び、右向き(図2における白抜き矢印Iの方向)を鉛筆挿入方向と呼ぶ。
なお、100は、切削屑を貯めるための切削屑収納空間である。
また、芯先検知部6の一部位である検知部位6bは、鉛筆200の芯先近傍に設けられ、切削が進み、芯先が所定の削り上がり状態になるまで、芯先と接触して挿入方向に押圧される位置にある。
さらに、芯先検知部6の一部位である伝達知部位6cは、上面から見て、左右に突出した位置に、例えば、2か所設けられている。
また、スライドユニット7に支持されたレールガイド7aは、筐体に支持されたレール11に沿って並進する。レールガイド7aの鉛筆挿入側には、レール11に沿って並進するカム10aが設けられている。また、カム10aには、芯先検知部6の伝達部位6cと接触可能な位置に被伝達部位10bが設けられている。この被伝達部位10bを有するカム10aは、スライドユニットロック解除手段を構成し、上述したスライドユニットロック手段によって固定されたスライドユニット7の固定を解除する役割を持つ。スライドユニット弾性手段9は、鉛筆の排出方向にスライドユニット7やカム10aを付勢する。
なお、図5においては、便宜上、芯先検知部6の一方側のみを記すが、芯先検知部6の図5における下方にも同様の構成がある。
また、芯先検知部6は検知部弾性手段6aにより付勢され、鉛筆排出側に寄った位置にある。
この状態においては、被伝達部位10bは伝達部位6cより鉛筆排出側にあり、芯先検知部6が、図5の一点鎖線を回転軸として回転しても接触することは無い。
次に、図6から図15を用いて、本発明の鉛筆削りの動作を、鉛筆挿入前から鉛筆が排出するまで、順を追って詳細に説明する。なお、各図においては、図面が煩雑になるのを避けるため、部品の記号の記載は、説明に必要な最小限の記載としている。
鉛筆の挿入圧力により鉛筆挿入側に移動したスライドユニット7は、図7に示すように、並進位置がロックされる。すなわち、凸部ロック8aと凸部8bとが互いに嵌め合うことで、スライドユニット7がロック状態になる。
また、鉛筆の挿入圧力により、スライドユニット弾性手段9は、弾性エネルギーを蓄積する。
また、芯先検知部6は検知部弾性手段6aにより付勢され、図5と同様、鉛筆排出側に寄った位置にある。
この状態においては、被伝達部位10bは伝達部位6cより鉛筆挿入側に移動し、芯先検知部6が、図9の一点鎖線を回転軸として回転しても接触することは無い。なお、芯先検知部6の回転位置によっては、被伝達部位10bが鉛筆挿入側に移動する際に、伝達部位6cと接触する場合があるが、芯先検知部6やカム10aの形状を工夫することで、接触してもお互いに破損することなく、通過することができる。例えば、図9に示すように、芯先検知部6とカム10aの当接面を当接方向に対して傾いた斜面とすることで、接触したばあいでも、芯先検知部6が回転することで、損傷なく通過できる。また、特に形状の工夫が無くても、芯先検知部6は排出方向に弱い力で付勢されているだけなので、挿入方向に動きながら回転して、カム10aの当接面との接触を躱すことができる。
切削が完了した状態においては、鉛筆の芯先が芯先検知部6の検知部位6bを鉛筆挿入方向に押圧した状態にある。芯先検知部6は検知部弾性手段6aにより鉛筆排出方向に付勢されているが、この付勢力は強いものではないため、芯先検知部6は鉛筆挿入方向にわずかに移動する。また、検知部弾性手段6aにより付勢力は強いものではないため、鉛筆の芯先はほとんど損傷を受けない。
ロック状態が解除されたスライドユニット7は、弾性エネルギーを蓄積したスライドユニット弾性手段9により、鉛筆排出方向に押し出される。スライドユニット7に支持された送りローラー5も鉛筆とともに鉛筆排出方向に押し出される。そして、送りローラー5やスライドユニット7は、図6および図7で示した鉛筆挿入前の状態に復帰する。
第一の動作は鉛筆を挿入する際の動作である。鉛筆を挿入することで、スライドユニット7が鉛筆挿入方向に押し込まれ、ロックされる。押し込まれた際のエネルギーがスライドユニット排出手段であるスライドユニット弾性手段9に蓄積される。また、送りローラー5も押し込まれることで、トルク発生手段1を稼動した際に、回転軸変換手段を介して、カッターフレーム3の回転とともに、鉛筆200をカッターフレーム内へと導入するために回転する。
図7に示すように、レールガイド7aとカム10aとは、当接面が垂直ではなく、斜めの面としている。こうすることにより、伝達部位6cによりカム10aが回転し、凸部ロック8aを押し上げている時を除き、カム10aの回転角度位置は常に一定になり、スライドユニット7のロック機構を邪魔することがなく、また、伝達部位6cとの接触を確実に行うことができる。
それだけではなく、伝達部位6cとの接触の際には、カム10aは回転に伴い、鉛筆挿入方向に動く。これにより、接触している伝達部位6cに対し、鉛筆挿入方向に圧力を与えることができる。したがって、芯先検知部6は、鉛筆200の芯先から離れる方向に動き、芯先への圧力を早期に解放し、芯先を守ることができる。
伝達部位6cと被伝達部位10bとの接触面を、このように斜めの面とすることで、力の伝達を確実に行うことができる。また、伝達部位6cには、図15(a)に白抜き矢印で示す方向に被伝達部位10bから力が働き、したがって、図15(b)に白抜き矢印で示す方向に伝達部位6cに移動する。すなわち、両者が接触するとほぼ同時に、芯先検知部6は鉛筆200の芯先から離れる方向に動き、芯先への圧力を早期に解放できる。
本実施の形態においては、上記のように最適な鉛筆削りの一形態を示したが、本発明はこの実施の形態の構成に限定されることなく、以下に示す異なる構成であっても、同様の顕著な効果が得られる。
また、芯先検知部6本体に対して、検知部位6bあるいは伝達部位6cの位置を、鉛筆の挿入方向あるいは排出方向に相対的に移動させる機構を設けてやれば、鉛筆の削り上がり状態を変えることができる。すなわち、削り上がり状態調節機能を設けることができる。
例えば、芯先検知部6を用いた削り上がり検知手段は、その他の切削停止手段と組合せても良い。可動式のスライドユニットがなく、送りローラーの位置が固定されている場合であれば、送りローラーの回転を逆回転とするギアチェンジの機構にしても良い。本発明における削り上がり検知手段は、芯先の圧力により切削停止手段を駆動するのではなく、芯先検知部6の回転トルク、すなわち、トルク発生手段1により発生する大きな回転トルクにより、切削停止手段を駆動できるため、複雑なギアチェンジ機構を駆動することができるし、それにより、芯先を痛めることもない。
最後に、本発明に係る鉛筆削りの有する多くの優れた特長についてまとめる。
まず、鉛筆が削り上がった際に、削り上がったことを確実に検知し、鉛筆の無駄削りを防止できる。特に、色鉛筆等の柔らかい芯の鉛筆であっても、確実に切削を停止することができる。従来の鉛筆削りにおいては、柔らかい芯の鉛筆の場合、削り上がりを感覚で認識するといったことが必要であり、無駄削りを防止することが困難であった。
2 挿入部
3 カッターフレーム
3a カッター
4 回転軸変換手段(鉛筆付勢手段)
4a、4b 同軸ギア
4aa、4bb 側部トゥース
4c 伝達ギア
4d ローラー用ギア
5 送りローラー(鉛筆付勢手段)
6 芯先検知部(削り上がり検知手段)
6a 検知部弾性手段(検知部付勢手段)
6b 検知部位
6c 伝達部位
7 スライドユニット
7a レールガイド
8 スライドユニットロック手段
8a 凸部ロック
8b 凸部
9 スライドユニット弾性手段(スライドユニット排出手段)
10 スライドユニットロック解除手段
10a カム
10b 被伝達部位
11 レール
100 切削屑収納空間
200 鉛筆
Claims (8)
- 筐体と、
ハンドルの手動回転または電動モータにより回転トルクを発生するトルク発生手段と、
鉛筆を挿入可能な挿入部と、
挿入された鉛筆を切削するカッターを有し上記トルク発生手段が発生するトルクにより回転するカッターフレームと、
当該カッターフレームの回転を、鉛筆を挿入方向に付勢する運動に変換し、鉛筆を挿入方向に付勢する鉛筆付勢手段と、
鉛筆の削り上がり状態を検知する削り上がり検知手段と
を備えた鉛筆削りであって、
上記鉛筆付勢手段は、鉛筆挿入および鉛筆排出方向に並進可能であり、
鉛筆を挿入した際に、上記鉛筆付勢手段を鉛筆挿入方向に移動することで生じたエネルギーを蓄積し、
上記削り上がり検知手段と連動して、上記のエネルギーを解放することで鉛筆を鉛筆排出方向に移動させる
ことを特徴とする鉛筆削り。 - 上記筐体に支持され、鉛筆挿入および鉛筆排出方向に並進するスライドユニットと、
当該スライドユニットが鉛筆挿入方向に並進した際に、当該スライドユニットの並進位置をロックするスライドユニットロック手段と、
上記削り上がり検知手段が鉛筆の削り上がり状態を検知した際に、上記スライドユニットロック手段により上記スライドユニットの並進のロックを解除するスライドユニットロック解除手段と
をさらに備え、
上記スライドユニットは、当該スライドユニットがロック位置まで移動した際に、この移動により蓄積したエネルギーで、当該スライドユニットを排出方向に付勢するスライドユニット排出手段を有し、
上記鉛筆付勢手段は上記スライドユニットに支持された
ことを特徴とする請求項1に記載の鉛筆削り。 - 上記鉛筆付勢手段は、上記カッターフレームの回転を、鉛筆を挿入方向および排出方向に付勢する運動に変換し、
上記鉛筆付勢手段が鉛筆を挿入しない際の並進位置にある際には、当該鉛筆付勢手段は鉛筆を排出方向に付勢し、
鉛筆を挿入した際に、上記鉛筆付勢手段を鉛筆挿入方向に移動した並進位置にある際には、当該鉛筆付勢手段は鉛筆を挿入方向に付勢する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の鉛筆削り。 - 上記鉛筆付勢手段は、回転軸変換機構と一対の送りローラーである
ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の鉛筆削り。 - 上記スライドユニット排出手段は、弾性力または磁力を利用したものである
ことを特徴とする請求項2に記載の鉛筆削り。 - 上記鉛筆付勢手段は、回転軸変換機構と一対の送りローラーであり、
上記鉛筆付勢手段は、回転軸変換手段を有し、
当該回転軸変換手段は、
上記カッターフレームの回転と同軸で回転するふたつの同軸ギアと、
上記ふたつの同軸ギアの回転を連動させるための伝達ギアと、
上記カッターフレームの回転軸に直交した回転軸で回転し、上記送りローラーに
固定されたローラー用ギアと
からなり、
上記ふたつの同軸ギアの一方は、上記送りローラーよりも鉛筆挿入側に設けられ、
上記ふたつの同軸ギアの他方は、上記送りローラーよりも鉛筆排出側に設けられ、
鉛筆が挿入された際の上記スライドユニットの位置においては、上記一方の同軸ギアと上記ローラー用ギアとは回転結合し、
上記削り上がり検知手段により鉛筆の削り上がり状態が検知され、上記スライドユニットが鉛筆排出方向に移動した際には、上記他方の同軸ギアと上記ローラー用ギアとは回転結合する
ことを特徴とする請求項2に記載の鉛筆削り。 - ハンドルの手動回転または電動モータにより回転トルクを発生するトルク発生手段と、
鉛筆を挿入可能な挿入部と、
挿入された鉛筆を切削するカッターを有し上記トルク発生手段が発生するトルクにより回転するカッターフレームと、
鉛筆を挿入方向に付勢する鉛筆付勢手段と、
鉛筆の削り上がり状態に応じて鉛筆の切削を停止する切削停止手段、または/および、切削完了告知手段と
を備えた鉛筆削りであって、
上記カッターフレームには、鉛筆の先端位置を検知するための芯先検知部が設けられ、
当該芯先検知部は上記カッターフレームに連動して回転するとともに、上記カッターフレームに対して、並進移動または角度変化が可能となるように支持され、
上記芯先検知部と上記カッターフレーム間には、上記芯先検知部を鉛筆排出方向に付勢する検知部付勢手段が設けられ、
上記芯先検知部の一部位である検知部位は鉛筆の芯先と接触する位置にあり、
鉛筆の芯先が上記芯先検知部の上記検知部位を押圧することにより、上記芯先検知部は上記カッターフレームに対して並進移動または角度変化を生じ、
それにより、上記芯先検知部の一部位である伝達部位の回転する軌跡が変化し、
当該回転する伝達部位の回転トルクにより、鉛筆が所定の削り上がり状態になったことを上記切削停止手段、または/および、上記切削完了告知手段に伝達する
ことを特徴とする鉛筆削り。 - 上記切削停止手段は、鉛筆を排出方向にスライドさせる機構であることを特徴とする請求項7に記載の鉛筆削り。
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