JP6074215B2 - 有機エレクトロルミネッセンス表示素子の製造方法 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス表示素子の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6074215B2
JP6074215B2 JP2012225064A JP2012225064A JP6074215B2 JP 6074215 B2 JP6074215 B2 JP 6074215B2 JP 2012225064 A JP2012225064 A JP 2012225064A JP 2012225064 A JP2012225064 A JP 2012225064A JP 6074215 B2 JP6074215 B2 JP 6074215B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
conductive material
substrate
material layer
compound
organic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2012225064A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014078383A (ja
Inventor
彰 結城
彰 結城
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP2012225064A priority Critical patent/JP6074215B2/ja
Publication of JP2014078383A publication Critical patent/JP2014078383A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6074215B2 publication Critical patent/JP6074215B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Electroluminescent Light Sources (AREA)

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス表示素子における電極を導電性粒子により電気的に接続する有機エレクトロルミネッセンス表示素子の製造方法に関する。
有機エレクトロルミネッセンス(以下、有機ELと記載することがある)表示素子は、互いに対応する一対の電極間に、有機発光材料層が挟み込まれた積層体の構造を有する。上記有機発光材料層に一方の電極から電子が注入されるとともに、他方の電極から正孔が注入されることにより、上記有機発光材料層内で電子と正孔とが結合して発光する。上記有機EL表示素子は、自己発光を行うことから、バックライトを必要とする液晶表示素子等と比較して視認性がよく、薄型化が可能であり、しかも直流低電圧で駆動が可能であるという利点を有する。
上記有機EL表示素子の一例として、下記の特許文献1の図9−Aには、有機EL素子を備える有機EL基板の電極と、封止基板の電極とが接着部により接着された有機EL素子が開示されている。上記特許文献1の実施例では、上記接着部を形成するために、異方性導電性粒子を含む熱硬化性エポキシ系接着剤を用いることが記載されている。
特開2009−117214号公報
特許文献1に記載のような異方性導電性粒子を含む熱硬化性エポキシ系接着剤を用いて、上記有機EL基板の電極と上記封止基板の電極とを接着部により接着した後に、接着部にボイドが生じやすいという問題がある。
さらに、電極間を十分に接着させるために、上記熱硬化性エポキシ系接着剤を、120℃を超える温度に加熱しなければならないことがある。しかしながら、上記有機EL素子は、120℃以上に加熱されると、熱劣化しやすいという問題がある。
本発明の目的は、導電材料により形成された接続部にボイドが生じ難い有機EL表示素子の製造方法を提供することである。
本発明の限定的な目的は、有機EL表示素子の電極を電気的に接続するときに、低温で熱硬化させることができる有機EL表示素子の製造方法を提供することである。
本発明の広い局面によれば、有機エレクトロルミネッセンス表示素子用基板である第1の基板の表面に、硬化性成分と導電性粒子とを含む導電材料により導電材料層を配置する工程と、前記導電材料層の前記第1の基板側とは反対側の表面に、有機エレクトロルミネッセンス表示素子用基板である第2の基板を配置する工程と、前記導電材料層に光を照射し、かつ前記導電材料層を加熱して、前記導電材料層を光硬化及び熱硬化させて、前記第1,第2の基板を電気的に接続している接続部を形成する工程とを備える、有機エレクトロルミネッセンス表示素子の製造方法が提供される。
本発明に係る有機EL表示素子の製造方法のある特定の局面では、120℃を超える温度に加熱せずに、120℃以下の温度に加熱して、前記導電材料層を熱硬化させる。
本発明に係る有機EL表示素子の製造方法のある特定の局面では、前記導電材料層に光を照射した後に前記導電材料層を加熱するか、又は前記導電材料層を加熱した後に前記導電材料層に光を照射する。
本発明に係る有機EL表示素子の製造方法のある特定の局面では、前記硬化性成分が、硬化性化合物とカチオン発生剤とを含む。
本発明に係る有機EL表示素子の製造方法のある特定の局面では、前記硬化性成分が、カチオン発生剤を含み、前記カチオン発生剤の作用により、前記導電材料層を熱硬化させる。
本発明に係る有機EL表示素子の製造方法のある特定の局面では、前記第1の基板が表面に第1の電極を有し、前記第2の基板が表面に第2の電極を有し、前記第1の電極と前記第2の電極とを、前記導電性粒子により電気的に接続する。
本発明に係る有機EL表示素子の製造方法のある特定の局面では、前記第1の基板と前記第2の基板とが、有機エレクトロルミネッセンス素子を備える有機エレクトロルミネッセンス基板と封止基板とである。
本発明に係る有機EL表示素子の製造方法のある特定の局面では、100℃を超える温度に加熱せずに、100℃以下の温度に加熱して、前記導電材料層を熱硬化させる。
本発明に係る有機EL表示素子の製造方法では、有機EL表示素子用基板である第1の基板と、有機EL表示素子用基板である第2の基板とを電気的に接続するように、接続部を形成する。
本発明に係る有機EL表示素子の製造方法では、硬化性成分と導電性粒子とを含む導電材料により形成された導電材料層に光を照射し、かつ該導電材料層を加熱して、上記導電材料層を光硬化及び熱硬化させて、上記第1,第2の基板を電気的に接続している接続部を形成するので、導電材料により形成された接続部にボイドを生じ難くすることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る有機EL表示素子の製造方法により得られる有機EL表示素子の一例を模式的に示す正面断面図である。 図2(a)〜(c)は、本発明の一実施形態に係る有機EL表示素子の製造方法の各工程を説明するための正面断面図である。 図3は、導電性粒子の一例を示す断面図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)表示素子の製造方法では、有機EL表示素子用基板である第1の基板と、有機EL表示素子用基板である第2の基板とを電気的に接続するように、接続部を形成する。上記接続部を形成するために、硬化性成分と導電性粒子とを含む導電材料が用いられる。
本発明に係る有機EL表示素子の製造方法は、上記第1の基板の表面に、上記導電材料により導電材料層を配置する工程と、上記導電材料層の上記第1の基板側とは反対側の表面に、上記第2の基板を配置する工程と、上記導電材料層に光を照射し、かつ上記導電材料層を加熱して、上記導電材料層を光硬化及び熱硬化させて、上記第1,第2の基板を電気的に接続している接続部を形成する工程とを備える。
本発明に係る有機EL表示素子の製造方法では、上述した各工程が備えられているので、特に上記導電材料層に光を照射し、かつ該導電材料層を加熱して、上記導電材料層を光硬化及び熱硬化させるので、導電材料により形成された接続部にボイドを生じ難くすることができる。このため、上記第1,第2の基板の上記接続部による接続信頼性を高めることができる。さらに、上記第1,第2の基板の第1,第2の電極間が電気的に接続されている場合に、第1,第2の電極間の導通信頼性を高めることができる。
さらに、熱硬化だけでなく光硬化も行うことによって、上記導電材料層を、120℃を超える温度に加熱しなくても、第1,第2の基板を十分に接続させることが容易になる。有機EL素子は、120℃以上に加熱されると、熱劣化しやすいという問題がある。これに対して、低温で熱硬化を行うことで、有機EL素子の熱劣化を抑制できる。
さらに、熱硬化前の適切な時期に導電材料層に光を照射するか、光の照射前の適切な時期に導電材料層を加熱することで、導電材料層が意図しない領域に濡れ拡がるのを抑制することができる。また、導電材料層中での導電性粒子の過度の流動を抑制できる。この結果、導電材料層による汚染を抑制でき、導電性粒子を所定の領域に効率的に配置することができる。
上記導電材料層を硬化させる方法としては、導電材料層に対する光の照射と加熱とを同時に行う方法、導電材料層に光を照射した後、導電材料層を加熱する方法、並びに導電材料層を加熱した後、導電材料層に光を照射する方法が挙げられる。本発明では、導電材料層に光を照射した後、導電材料層を加熱する方法、又は導電材料層を加熱した後、導電材料層に光を照射する方法が好ましく、導電材料層に光を照射した後、導電材料層を加熱する方法がより好ましい。すなわち、上記導電材料層に光を照射した後に上記導電材料層を加熱するか、又は上記導電材料層を加熱した後に上記導電材料層に光を照射することが好ましく、上記導電材料層に光を照射した後に上記導電材料層を加熱することがより好ましい。
本発明に係る有機EL表示素子の製造方法では、光の照射と加熱とを行う時期は特に限定されない。上記第2の基板を配置する前に光を照射してもよく、上記第2の基板を配置するのと同時に光を照射してもよく、上記第2の基板を配置した後に光を照射してもよい。さらに、上記第2の基板を配置する前に加熱してもよく、上記第2の基板を配置するのと同時に加熱してもよく、上記第2の基板を配置した後に加熱してもよい。
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態及び実施例を説明することにより、本発明を明らかにする。
図1に、本発明の一実施形態に係る有機EL表示素子の製造方法により得られる有機EL表示素子の一例を模式的に正面断面図で示す。
図1に示す有機EL表示素子1は、第1の基板2と、第2の基板4と、第1,第2の基板2,4を電気的に接続している接続部3とを備える。接続部3は、硬化物層であり、硬化性成分と導電性粒子5を含む導電材料を硬化させることにより形成されている。
第1の基板2は表面(上面)に、複数の第1の電極2aを有する。第2の基板4は表面(下面)に、複数の第2の電極4aを有する。第1の電極2aと第2の電極4aとが、1つ又は複数の導電性粒子5により電気的に接続されている。従って、第1,第2の基板2,4が導電性粒子5により電気的に接続されている。
上記第1,第2の基板はそれぞれ、有機EL表示素子用基板であることが好ましい。上記第1の基板と上記第2の基板とが、有機EL素子を備える有機EL基板と封止基板とであることが好ましい。この場合に、上記第1の基板が上記有機EL基板でありかつ上記第2の基板が上記封止基板であってもよく、上記第1の基板が上記封止基板でありかつ上記第2の基板が上記有機EL基板であってもよい。
図1に示す有機EL表示素子1は、例えば、図2(a)〜(c)に示す各工程を経て、以下のようにして得ることができる。
図2(a)に示すように、第1の電極2aを表面(上面)に有する第1の基板2を用意する。次に、第1の基板2の表面に、複数の導電性粒子5を含む導電材料を配置し、第1の基板2の表面に導電材料層3Aを形成する。このとき、第1の電極2a上に、1つ又は複数の導電性粒子5が配置されていることが好ましい。
次に、導電材料層3Aに光を照射することにより、導電材料層3Aの光硬化を進行させる。図2(a)〜(c)では、導電材料層3Aに光を照射して、導電材料層3Aの光硬化を進行させて、導電材料層3AをBステージ化している。すなわち、図2(b)に示すように、第1の基板2の表面に、Bステージ化された導電材料層3Bを形成している。Bステージ化により、第1の基板2とBステージ化された導電材料層3Bとが仮接着される。Bステージ化された導電材料層3Bは、半硬化状態にある半硬化物である。Bステージ化された導電材料層3Bは、完全に硬化しておらず、熱硬化が更に進行され得る。但し、導電材料層3Aを光の照射によりBステージ化させずに、導電材料層3Aを加熱してBステージ化してもよい。なお、Bステージ化のための光の照射又は加熱は、第2の基板の積層時に行ってもよく、第2の基板の積層の後に行ってもよい。
次に、図2(c)に示すように、Bステージ化された導電材料層3Bの第1の基板2側とは反対の表面に、第2の基板4を配置する。第1の基板2の表面の第1の電極2aと、第2の基板4の表面の第2の電極4aとが対向するように、第2の基板4を積層する。
さらに、第2の基板4の積層の後に、Bステージ化された導電材料層3Bを加熱することにより、Bステージ化された導電材料層3Bを更に熱硬化させ、接続部3を形成する。但し、第2の基板4の積層の前に、又は第2の基板4の積層時に、Bステージ化された導電材料層3Bを加熱してもよい。さらに、第2の基板4の積層の後にBステージ化された導電材料層3Bを加熱してもよい。また、Bステージ化された導電材料層3Bが光の照射ではなく加熱により形成されている場合には、Bステージ化された導電材料層3Bに光を照射することで、Bステージ化された導電材料層3Bを光硬化させ、接続部3を形成することができる。
導電材料層3A又はBステージ化された導電材料層3Bの光硬化を効果的に進行させるために、光を照射する際の光照射強度は0.1〜8000mW/cmの範囲内であることが好ましい。積算光量は、0.1〜20000J/cmであることが好ましい。光を照射する際に用いる光源は特に限定されない。該光源としては、例えば、波長420nm以下に充分な発光分布を有する光源等が挙げられる。また、光源の具体例としては、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプ及びLEDランプ等が挙げられる。
加熱により導電材料層3A又はBステージ化された導電材料層3Bを硬化させる際の加熱温度は、好ましくは50℃以上、より好ましくは80℃以上、より一層好ましくは100℃以上、好ましくは200℃以下、より好ましくは150℃以下、更に好ましくは120℃以下、特に好ましくは100℃以下である。有機EL素子は熱劣化しやすいため、導電材料層3A又はBステージ化された導電材料層3Bを硬化させる際の加熱温度は120℃以下であることが好ましく、100℃以下であることがより好ましい。すなわち、上記導電材料層を硬化させるために、120℃を超える温度に加熱せずに、120℃以下に加熱することが好ましく、100℃を超える温度に加熱せずに、100℃以下に加熱することがより好ましい。
Bステージ化された導電材料層3Bを硬化させる際に、加圧することが好ましい。加圧によって第1の電極2aと第2の電極4aとで導電性粒子5を圧縮することにより、第1,第2の電極2a,4aと導電性粒子5との接触面積を大きくすることができる。このため、導通信頼性を高めることができる。さらに、導電性粒子5を圧縮することで、第1,第2の電極2a,4a間の距離が拡がっても、この拡がりに追従するように導電性粒子5の粒子径が大きくなる。
Bステージ化された導電材料層3Bを硬化させることにより、第1の基板2と第2の基板4とが、接続部3を介して接続される。また、第1の電極2aと第2の電極4aとが、導電性粒子5を介して電気的に接続される。このようにして、図1に示す有機EL表示素子1を得ることができる。ここでは、光硬化と熱硬化とが併用されているため、導電材料を短時間で硬化させることができる。
電極幅(第1の電極幅及び第2の電極幅)は、好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm以上、好ましくは3000μm以下、より好ましくは2000μm以下である。電極間幅(第1の電極間幅及び第2の電極間幅)は、好ましくは3μm以上、より好ましくは10μm以上、好ましくは3000μm以下、より好ましくは2000μm以下である。また、電極幅/電極間幅であるL/S(ライン/スペース)は、好ましくは5μm/5μm以上、より好ましくは10μm/10μm以上、好ましくは3000μm/3000μm以下、より好ましくは2000μm/2000μm以下である。
上記導電材料は、硬化性成分と、導電性粒子とを含む。上記導電材料は、光の照射と加熱との双方により硬化可能な導電材料である。上記導電材料は、硬化剤を含む。上記導電材料は、上記硬化剤として、カチオン発生剤を含むことが好ましい。上記硬化性成分は、硬化性化合物とカチオン発生剤とを含むことが好ましい。本発明者は、カチオン発生剤を用いることで、カチオン発生剤以外の熱硬化剤(イミダゾール化合物など)を用いた場合と比べて、導通信頼性を効果的に高めることができることを見出した。
上記硬化性化合物は、加熱により硬化可能な硬化性化合物(熱硬化性化合物、又は光及び熱硬化性化合物)であってもよく、光の照射により硬化可能な硬化性化合物(光硬化性化合物、又は光及び熱硬化性化合物)であってもよい。また、上記導電材料は、加熱により硬化可能な硬化性化合物(熱硬化性化合物、又は光及び熱硬化性化合物)と、光の照射により硬化可能な硬化性化合物(光硬化性化合物、又は光及び熱硬化性化合物)とを含む。上記導電材料は、光の照射と加熱との双方により硬化可能な硬化性化合物(光及び熱硬化性化合物)のみを含んでいてもよい。
上記カチオン発生剤は、加熱によりカチオンを発生するカチオン発生剤(熱カチオン発生剤、又は光及び熱カチオン発生剤)であってもよく、光の照射によりカチオンを発生する光カチオン発生剤(光カチオン発生剤、又は光及び熱カチオン発生剤)であってもよい。上記硬化性化合物は、加熱によりカチオンを発生するカチオン発生剤(熱カチオン発生剤、又は光及び熱カチオン発生剤)であることが好ましい。上記導電材料は、熱カチオン発生剤を含むことが好ましい。上記カチオン発生剤の作用により、上記導電材料層を熱硬化させることが好ましい。上記カチオン発生剤の作用により、上記導電材料層を光硬化させ、かつ上記カチオン発生剤の作用により、上記導電材料層を熱硬化させてもよい。
上記導電材料は、光硬化開始剤を含んでいてもよい。上記導電材料は、上記光硬化開始剤として、光ラジカル発生剤を含むことが好ましい。
上記導電材料は、上記硬化性化合物として、熱硬化性化合物を含み、光硬化性化合物、又は光及び熱硬化性化合物を更に含むことが好ましい。上記導電材料は、上記硬化性化合物として、熱硬化性化合物と光硬化性化合物とを含むことが好ましい。
以下、上記導電材料に好適に用いられる各成分の詳細を説明する。
(硬化性化合物)
上記導電材料に含まれている硬化性化合物は特に限定されない。上記硬化性化合物として、従来公知の硬化性化合物が使用可能である。上記硬化性化合物は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記硬化性化合物は、エポキシ基を有する硬化性化合物を含有することが好ましい。エポキシ基を有する硬化性化合物は、エポキシ化合物である。上記エポキシ基を有する硬化性化合物は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記エポキシ基を有する硬化性化合物は、芳香族環を有することが好ましい。上記芳香族環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、テトラセン環、クリセン環、トリフェニレン環、テトラフェン環、ピレン環、ペンタセン環、ピセン環及びペリレン環等が挙げられる。なかでも、上記芳香族環は、ベンゼン環、ナフタレン環又はアントラセン環であることが好ましく、ベンゼン環又はナフタレン環であることがより好ましく、ナフタレン環であることが更に好ましい。ナフタレン環は、平面構造を有するためにより一層速やかに硬化させることが可能である。
上記導電材料の硬化性を高める観点からは、上記硬化性化合物の全体100重量%中、上記エポキシ基を有する硬化性化合物の含有量は、好ましくは10重量%以上、より好ましくは20重量%以上、100重量%以下である。上記硬化性化合物の全量が上記エポキシ基を有する硬化性化合物であってもよい。上記エポキシ基を有する硬化性化合物と該エポキシ基を有する硬化性化合物とは異なる他の硬化性化合物とを併用する場合には、上記硬化性化合物の全体100重量%中、上記エポキシ基を有する硬化性化合物の含有量は、好ましくは99重量%以下、より好ましくは95重量%以下、更に好ましくは90重量%以下、特に好ましくは80重量%以下である。
上記硬化性化合物は、23℃で液状のエポキシ化合物を含むことが好ましく、23℃で固体のエポキシ化合物を含むことが好ましく、23℃で液状のエポキシ化合物と23℃で固体のエポキシ化合物との双方を含むことが好ましい。
上記エポキシ化合物としては、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、ビスフェノールE型エポキシ化合物、及びビスフェノールS型エポキシ化合物、並びにこれらのエポキシ化合物の水素化物等が挙げられる。なかでも、導電材料の硬化性がより一層高くなり、硬化物のガラス転移温度がより一層高くかつ耐湿性がより一層低くなり、更に耐熱性、耐UV性及び接着性により一層優れた硬化物が得られることから、上記23℃で液状のエポキシ化合物は、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、水素化ビスフェノールA型エポキシ化合物又は水素化ビスフェノールF型エポキシ化合物であることが好ましい。
上記23℃で液状のエポキシ化合物の重量平均分子量は、好ましくは150以上、より好ましくは200以上、好ましくは1200以下、より好ましくは1000以下である。上記重量平均分子量が上記下限以上であると、硬化物のガラス転移温度がより一層高くなり、硬化物の耐湿性がより一層高くなる。上記重量平均分子量が上記上限以下であると、導電材料の塗工性及び硬化性がより一層良好になる。
上記硬化性化合物の全体100重量%中、上記23℃で液状のエポキシ化合物の含有量は好ましくは30重量%以上、より好ましくは40重量%以上、好ましくは90重量%以下、より好ましくは80重量%以下である。上記液状のエポキシ化合物の含有量が上記下限以上であると、導電材料の塗工性がより一層高くなる。上記液状のエポキシ化合物の含有量が上記上限以下であると、導電材料の塗工性がより一層高くなり、硬化物の耐湿性がより一層高くなる。
上記23℃で固体のエポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、ビスフェノールE型エポキシ化合物、ビスフェノールS型エポキシ化合物、並びにこれらのエポキシ化合物の水素化物等が挙げられる。なかでも、導電材料の硬化性がより一層高くなり、硬化物のガラス転移温度がより一層高くかつ耐湿性がより一層低くなり、更に耐熱性、耐UV性及び接着性に優れることから、上記23℃で液状のエポキシ化合物は、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、水素化ビスフェノールA型エポキシ化合物又は水素化ビスフェノールF型エポキシ化合物であることが好ましい。
上記23℃で固体のエポキシ化合物の重量平均分子量は、好ましくは200以上、より好ましくは250以上、好ましくは5000以下、より好ましくは4500以下である。上記重量平均分子量が上記下限以上であると、硬化物の耐湿性及び接着性がより一層高くなる。上記重量平均分子量が上記上限以下であると、導電材料の硬化性がより一層良好になり、上記導電材料の軟化点が適度になり、上記液状のエポキシ化合物と上記固体のエポキシ化合物との相溶性がより一層高くなる。
上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定されたポリスチレン換算での値である。上記重量平均分子量の測定に用いるカラムとしては、例えば、昭和電工社製「Shodex LF−804」等が挙げられる。
上記硬化性化合物の全体100重量%中、上記23℃で固体のエポキシ化合物の含有量は好ましくは10重量%以上、より好ましくは15重量%以上、好ましくは40重量%以下、より好ましくは35重量%以下である。上記固体のエポキシ化合物の含有量が上記下限以上であると、硬化物の耐湿性がより一層高くなる。上記固体のエポキシ化合物の含有量が上記上限以下であると、導電材料の塗工性がより一層高くなる。
また、上記硬化性化合物は、脂環式エポキシ化合物を含むことが好ましい。該脂環式エポキシ化合物は、上記液状のエポキシ化合物であることが好ましく、上記固体のエポキシ化合物であることが好ましく、上記液状のエポキシ化合物と上記固体のエポキシ化合物との双方であることがより好ましい。上記脂環式エポキシ化合物の重量平均分子量は好ましくは100以上、より好ましくは150以上、好ましくは1000以下、より好ましくは800以下である。脂環式エポキシ化合物の使用により、又は重量平均分子量が上記下限以上及び上記上限以下である脂環式エポキシ化合物の使用により、導電材料の硬化性がより一層良好になる。上記脂環式エポキシ化合物の重量平均分子量が上記下限以上であると、脂環式エポキシ化合物の揮発性が低下し、ガスの発生の問題が生じ難くなる。上記脂環式エポキシ化合物の重量平均分子量が上記上限以下であると、導電材料の粘度が適度になり、導電材料の塗工性がより一層高くなる。
上記脂環式エポキシ樹脂の市販品としては、セロキサイド2021P、セロキサイド2081P、セロキサイド2000、セロキサイド2083、セロキサイド2085及びセロキサイド3000(いずれもダイセル社製)等が挙げられる。なかでも、粘度が低く、硬化性に優れていることから、セロキサイド2021Pが好ましい。
上記硬化性化合物の全体100重量%中、上記脂環式エポキシ化合物の含有量は好ましくは5重量%以上、好ましくは30重量%以下、より好ましくは25重量%以下である。上記脂環式エポキシ化合物の含有量が上記下限以上であると、導電材料の硬化性がより一層高くなる。上記脂環式エポキシ化合物の含有量が上記上限以下であると、導電材料の塗工性がより一層高くなる。
また、上記硬化性化合物は、フェノールノボラック型エポキシ化合物を含むことが好ましい。
上記硬化性化合物は、エポキシ基を有する硬化性化合物とは異なる他の硬化性化合物を更に含有していてもよい。該他の硬化性化合物としては、不飽和二重結合を有する硬化性化合物、フェノール硬化性化合物、アミノ硬化性化合物、不飽和ポリエステル硬化性化合物、ポリウレタン硬化性化合物、シリコーン硬化性化合物及びポリイミド硬化性化合物等が挙げられる。上記他の硬化性化合物は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記導電材料の硬化を容易に制御したり、有機EL表示素子における導通信頼性をより一層高めたりする観点からは、上記硬化性化合物は、不飽和二重結合を有する硬化性化合物を含有することが好ましい。上記導電材料の硬化を容易に制御したり、電極間の導通信頼性を更に一層高めたりする観点からは、上記不飽和二重結合を有する硬化性化合物は、(メタ)アクリロイル基を有する硬化性化合物であることが好ましい。上記(メタ)アクリロイル基を有する硬化性化合物の使用により、Bステージ化した導電材料全体(光が直接照射された部分と光が直接照射されなかった部分とを含む)で硬化率を好適な範囲に制御することが容易になり、電極間の導通信頼性がより一層高くなる。
Bステージ化した導電材料層の硬化率を容易に制御し、更に電極間の導通信頼性をより一層高める観点からは、上記(メタ)アクリロイル基を有する硬化性化合物は、(メタ)アクリロイル基を1個又は2個有することが好ましい。
上記(メタ)アクリロイル基を有する硬化性化合物としては、エポキシ基を有さず、かつ(メタ)アクリロイル基を有する硬化性化合物、及びエポキシ基を有し、かつ(メタ)アクリロイル基を有する硬化性化合物が挙げられる。
上記(メタ)アクリロイル基を有する硬化性化合物として、(メタ)アクリル酸と水酸基を有する化合物とを反応させて得られるエステル化合物、(メタ)アクリル酸とエポキシ化合物とを反応させて得られるエポキシ(メタ)アクリレート、又はイソシアネートに水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体を反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート等が好適に用いられる。上記「(メタ)アクリロイル基」は、アクリロイル基とメタクリロイル基とを示す。上記「(メタ)アクリル」は、アクリルとメタクリルとを示す。上記「(メタ)アクリレート」は、アクリレートとメタクリレートとを示す。
上記硬化性化合物は、エポキシ(メタ)アクリレートを含むことが好ましい。上記エポキシ(メタ)アクリレートは、エポキシ化合物中の全てのエポキシ基を(メタ)アクリル酸と反応させた化合物である。
上記エポキシ(メタ)アクリレートの市販品としては、EBECRYL860、EBECRYL3200、EBECRYL3201、EBECRYL3412、EBECRYL3600、EBECRYL3700、EBECRYL3701、EBECRYL3702、EBECRYL3703、EBECRYL3800、EBECRYL6040及びEBECRYLRDX63182(いずれもダイセル・サイテック社製)、EA−1010、EA−1020、EA−5323、EA−5520、EA−CHD及びEMA−1020(いずれも新中村化学工業社製)、エポキシエステルM−600A、エポキシエステル40EM、エポキシエステル70PA、エポキシエステル200PA、エポキシエステル80MFA、エポキシエステル3002M、エポキシエステル3002A、エポキシエステル1600A、エポキシエステル3000M、エポキシエステル3000A、エポキシエステル200EA及びエポキシエステル400EA(いずれも共栄社化学社製)、並びにデナコールアクリレートDA−141、デナコールアクリレートDA−314及びデナコールアクリレートDA−911(いずれもナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記(メタ)アクリル酸と水酸基を有する化合物とを反応させて得られるエステル化合物は特に限定されない。該エステル化合物として、単官能のエステル化合物、2官能のエステル化合物及び3官能以上のエステル化合物のいずれも使用可能である。
上記エポキシ基を有し、かつ(メタ)アクリロイル基を有する硬化性化合物は、エポキシ基を2個以上有する化合物の一部のエポキシ基を、(メタ)アクリロイル基に変換することにより得られる硬化性化合物であることが好ましい。この硬化性化合物は、部分(メタ)アクリレート化エポキシ化合物である。
上記硬化性化合物は、エポキシ基を2個以上有する化合物と、(メタ)アクリル酸との反応物を含有することが好ましい。この反応物は、エポキシ基を2個以上有する化合物と(メタ)アクリル酸とを、常法に従って触媒の存在下で反応させることにより得られる。エポキシ基の20%以上が(メタ)アクリロイル基に変換(転化率)されていることが好ましい。転化率は、より好ましくは30%以上、好ましくは80%以下、より好ましくは70%以下である。エポキシ基の40%以上、60%以下が(メタ)アクリロイル基に変換されていることが最も好ましい。
上記部分(メタ)アクリレート化エポキシ化合物としては、ビスフェノール型エポキシ部分(メタ)アクリレート、クレゾールノボラック型エポキシ部分(メタ)アクリレート、カルボン酸無水物変性エポキシ部分(メタ)アクリレート、及びフェノールノボラック型エポキシ部分(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記硬化性化合物として、エポキシ基を2個以上有するフェノキシ樹脂の一部のエポキシ基が(メタ)アクリロイル基に変換された変性フェノキシ樹脂を用いてもよい。すなわち、エポキシ基と(メタ)アクリロイル基とを有する変性フェノキシ樹脂を用いてもよい。
また、上記硬化性化合物は、架橋性化合物であってもよく、非架橋性化合物であってもよい。
上記架橋性化合物の具体例としては、例えば、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、グリセリンメタクリレートアクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸ビニル、ジビニルベンゼン、ポリエステル(メタ)アクリレート、及びウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記非架橋性化合物の具体例としては、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート及びテトラデシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
熱硬化性化合物と光硬化性化合物とを併用する場合には、光硬化性化合物と熱硬化性化合物との配合比は、光硬化性化合物と熱硬化性化合物との種類に応じて適宜調整される。上記導電材料は、光硬化性化合物と熱硬化性化合物とを重量比で、1:99〜90:10で含むことが好ましく、5:95〜60:40で含むことがより好ましく、10:90〜40:60で含むことが更に好ましい。
(硬化剤)
上記導電材料は、硬化剤を含む。該硬化剤は、熱硬化剤を含んでいてもよく、光硬化開始剤を含んでいてもよい。該硬化剤は、カチオン発生剤を含む。該カチオン発生剤として従来公知のカチオン発生剤が使用可能である。また、本発明では、カチオン発生剤は、導電材料を光硬化のみさせるための光カチオン発生剤として用いるのではなく、導電材料を少なくとも熱硬化させるための熱カチオン発生剤として用いることが好ましい。さらに、本発明では、カチオン発生剤は、導電材料を光硬化させるための光カチオン発生剤として用いるのではなく、導電材料を熱硬化させるための熱カチオン発生剤として用いることがより好ましい。上記カチオン発生剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記カチオン発生剤として、ヨードニウム塩及びスルフォニウム塩が好適に用いられる。例えば、上記カチオン発生剤の市販品としては、三新化学社製のサンエイドSI−45L、SI−60L、SI−80L、SI−100L、SI−110L、SI−150L、並びにADEKA社製のアデカオプトマーSP−150、SP−170等が挙げられる。
好ましいカチオン発生剤のアニオン部分としては、PF、BF、及びB(Cが挙げられる。
また、上記カチオン発生剤の他の具体例としては、2−ブテニルジメチルスルフォニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、2−ブテニルジメチルスルフォニウムテトラフルオロボレート、2−ブテニルジメチルスルフォニウムヘキサフルオロホスフェート、2−ブテニルテトラメチレンスルフォニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、2−ブテニルテトラメチレンスルフォニウムテトラフルオロボレート、2−ブテニルテトラメチレンスルフォニウムヘキサフルオロホスフェート、3−メチル−2−ブテニルジメチルスルフォニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、3−メチル−2−ブテニルジメチルスルフォニウムテトラフルオロボレート、3−メチル−2−ブテニルジメチルスルフォニウムヘキサフルオロホスフェート、3−メチル−2−ブテニルテトラメチレンスルフォニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、3−メチル−2−ブテニルテトラメチレンスルフォニウムテトラフルオロボレート、3−メチル−2−ブテニルテトラメチレンスルフォニウムヘキサフルオロホスフェート、4−ヒドロキシフェニルシンナミルメチルスルフォニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−ヒドロキシフェニルシンナミルメチルスルフォニウムテトラフルオロボレート、4−ヒドロキシフェニルシンナミルメチルスルフォニウムヘキサフルオロホスフェート、α−ナフチルメチルテトラメチレンスルフォニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、α−ナフチルメチルテトラメチレンスルフォニウムテトラフルオロボレート、α−ナフチルメチルテトラメチレンスルフォニウムヘキサフルオロホスフェート、シンナミルジメチルスルフォニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、シンナミルジメチルスルフォニウムテトラフルオロボレート、シンナミルジメチルスルフォニウムヘキサフルオロホスフェート、シンナミルテトラメチレンスルフォニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、シンナミルテトラメチレンスルフォニウムテトラフルオロボレート、シンナミルテトラメチレンスルフォニウムヘキサフルオロホスフェート、ビフェニルメチルジメチルスルフォニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ビフェニルメチルジメチルスルフォニウムテトラフルオロボレート、ビフェニルメチルジメチルスルフォニウムヘキサフルオロホスフェート、ビフェニルメチルテトラメチレンスルフォニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ビフェニルメチルテトラメチレンスルフォニウムテトラフルオロボレート、ビフェニルメチルテトラメチレンスルフォニウムヘキサフルオロホスフェート、フェニルメチルジメチルスルフォニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、フェニルメチルジメチルスルフォニウムテトラフルオロボレート、フェニルメチルジメチルスルフォニウムヘキサフルオロホスフェート、フェニルメチルテトラメチレンスルフォニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、フェニルメチルテトラメチレンスルフォニウムテトラフルオロボレート、フェニルメチルテトラメチレンスルフォニウムヘキサフルオロホスフェート、フルオレニルメチルジメチルスルフォニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、フルオレニルメチルジメチルスルフォニウムテトラフルオロボレート、フルオレニルメチルジメチルスルフォニウムヘキサフルオロホスフェート、フルオレニルメチルテトラメチレンスルフォニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、フルオレニルメチルテトラメチレンスルフォニウムテトラフルオロボレート、及びフルオレニルメチルテトラメチレンスルフォニウムヘキサフルオロホスフェート等が挙げられる。
上記カチオン発生剤は、加熱により無機酸イオンを放出するか、又は加熱によりホウ素原子を含む有機酸イオンを放出することが好ましい。上記カチオン発生剤は、加熱により無機酸イオンを放出する成分であることが好ましく、加熱によりホウ素原子を含む有機酸イオンを放出する成分であることも好ましい。
加熱により無機酸イオンを放出するカチオン発生剤は、アニオン部分としてSbF6−又はPF6−を有する化合物であることが好ましい。上記カチオン発生剤は、アニオン部分としてSbF6−を有する化合物であることが好ましく、アニオン部分としてPF6−を有する化合物であることも好ましい。
上記カチオン発生剤のアニオン部分がB(C で表されることが好ましい。ホウ素原子を含む有機酸イオンを放出するカチオン発生剤は、下記式(1)で表されるアニオン部分を有する化合物であることが好ましい。
Figure 0006074215
上記式(1)中、Xはハロゲン原子を表す。上記式(1)中のXは、塩素原子、臭素原子又はフッ素原子であることが好ましく、フッ素原子であることがより好ましい。
上記カチオン発生剤のアニオン部分がB(C で表されることが好ましい。上記ホウ素原子を含む有機酸イオンを放出するカチオン発生剤は、下記式(1A)で表されるアニオン部分を有する化合物であることがより好ましい。
Figure 0006074215
また、上記カチオン発生剤の種類は、イオン性光酸発生型であってもよく、非イオン性光酸発生型であってもよい。上記カチオン発生剤は、アンチモン錯体、6フッ化リンイオンを有する塩、又は下記式(2)で表される塩であることが好ましい。
Figure 0006074215
上記式(2)中、nは1〜12の整数を表し、mは1〜5の整数を表し、Rfは、アルキル基の全部又は一部の水素原子がフッ素原子に置換されたフルオロアルキル基を表す。
上記アンチモン錯体は特に限定されないが、スルホニウム塩であることが好ましい。上記アンチモン錯体であるスルホニウム塩としては、テトラフェニル(ジフェニルスルフィド−4,4’−ジイル)ビススルホニウム・ジ(六フッ化アンチモン)、テトラ(4−メトキトフェニル)[ジフェニルスルフィド−4,4’−ジイル]ビススルホニウム・ジ(六フッ化アンチモン)、ジフェニル(4−フェニルチオフェニル)スルホニウム・六フッ化アンチモン、並びにジ(4−メトキシフェニル)[4−フェニルチオフェニル]スルホニウム・六フッ化アンチモン等が挙げられる。
上記アンチモン錯体の市販品としては、例えば、アデカオプトマーSP170(ADEKA社製)等が挙げられる。
上記6フッ化リンイオンを有する塩の市販品としては、例えば、WPI−113(和光純薬工業社製)、並びにCPI−100P(サンアプロ社製)等が挙げられる。
上記カチオン発生剤の含有量は特に限定されない。上記硬化性化合物100重量部に対して、上記カチオン発生剤の含有量は、好ましくは0.01重量部以上、より好ましくは0.05重量部以上、更に好ましくは5重量部以上、特に好ましくは10重量部以上、好ましくは40重量部以下、より好ましくは30重量部以下、更に好ましくは20重量部以下である。上記硬化性化合物に対する上記カチオン発生剤の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、導電材料が充分に硬化する。
上記加熱により硬化可能な硬化性化合物100重量部に対して、上記カチオン発生剤の含有量は、好ましくは0.01重量部以上、より好ましくは0.05重量部以上、更に好ましくは5重量部以上、特に好ましくは10重量部以上、好ましくは40重量部以下、より好ましくは30重量部以下、更に好ましくは20重量部以下である。上記加熱により硬化可能な硬化性化合物に対する上記カチオン発生剤の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、導電材料が充分に熱硬化する。
電極間の導通信頼性及び有機EL表示素子の高湿下での接続信頼性をより一層高める観点からは、上記導電材料は、上記カチオン発生剤と、熱ラジカル発生剤との双方を含むことが好ましい。上記熱ラジカル発生剤は特に限定されない。上記熱ラジカル発生剤として、従来公知の熱ラジカル発生剤を用いることができる。上記熱ラジカル発生剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。ここで、「熱ラジカル発生剤」とは、加熱によってラジカル種を生成する化合物を意味する。
上記熱ラジカル発生剤としては、特に限定されず、アゾ化合物及び過酸化物等が挙げられる。上記過酸化物としては、ジアシルパーオキサイド化合物、パーオキシエステル化合物、ハイドロパーオキサイド化合物、パーオキシジカーボネート化合物、パーオキシケタール化合物、ジアルキルパーオキサイド化合物、及びケトンパーオキサイド化合物等が挙げられる。
上記熱硬化剤の他の例としては、ヒドラジド化合物、イミダゾール化合物、酸無水物、ジシアンジアミド、グアニジン化合物、変性脂肪族ポリアミン、アミン化合物とエポキシ化合物との付加生成物等が挙げられる。
上記ヒドラジド化合物としては特に限定されず、例えば、1,3−ビス[ヒドラジノカルボノエチル−5−イソプロピルヒダントイン]等が挙げられる。
上記イミダゾール化合物としては特に限定されず、例えば、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、N−[2−(2−メチル−1−イミダゾリル)エチル]尿素、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、N,N’−ビス(2−メチル−1−イミダゾリルエチル)尿素、N,N’−(2−メチル−1−イミダゾリルエチル)−アジポアミド、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール等が挙げられる。
上記酸無水物としては特に限定されず、例えば、テトラヒドロ無水フタル酸、エチレングリコール−ビス(アンヒドロトリメリテート)等が挙げられる。
上記熱硬化剤の含有量は特に限定されない。上記硬化性化合物中の上記加熱により硬化可能な硬化性化合物100重量部に対して、上記熱硬化剤の含有量は、好ましくは0.01重量部以上、より好ましくは0.05重量部以上、更に好ましくは5重量部以上、特に好ましくは10重量部以上、好ましくは40重量部以下、より好ましくは30重量部以下、更に好ましくは20重量部以下である。上記熱硬化剤の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、導電材料を充分に熱硬化させることができる。上記熱硬化剤の含有量は、上記熱硬化剤が熱カチオン発生剤のみである場合には、カチオン発生剤の含有量を示し、上記熱硬化剤がカチオン発生剤と他の熱硬化剤(熱ラジカル発生剤など)との双方を含む場合には、カチオン発生剤と他の熱硬化剤との合計の含有量を示す。
上記硬化剤が熱ラジカル発生剤を含む場合に、上記硬化性化合物中の上記加熱により硬化可能な硬化性化合物100重量部に対して、上記熱ラジカル発生剤の含有量は、好ましくは0.01重量部以上、より好ましくは0.05重量部以上、好ましくは10重量部以下、より好ましくは5重量部以下である。上記熱ラジカル発生剤の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、導電材料を充分に熱硬化させることができる。
上記導電材料は、上記硬化剤として、光硬化開始剤を含んでいてもよい。光硬化開始剤には、上述した光カチオン発生剤(光カチオン発生剤、又は光及び熱カチオン発生剤)が含まれる。上記光硬化開始剤は特に限定されない。上記光硬化開始剤として、従来公知の光硬化開始剤を用いることができる。電極間の導通信頼性及び有機EL表示素子の接続信頼性をより一層高める観点からは、上記導電材料は、光ラジカル発生剤を含むことが好ましい。上記光硬化開始剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記カチオン発生剤以外の他の光硬化開始剤としては、特に限定されず、アセトフェノン光硬化開始剤(アセトフェノン光ラジカル発生剤)、ベンゾフェノン光硬化開始剤(ベンゾフェノン光ラジカル発生剤)、チオキサントン、ケタール光硬化開始剤(ケタール光ラジカル発生剤)、ハロゲン化ケトン、アシルホスフィノキシド及びアシルホスフォナート等が挙げられる。
上記光硬化開始剤の含有量は特に限定されない。上記硬化性化合物中の上記光の照射により硬化可能な硬化性化合物100重量部に対して、上記光硬化開始剤の含有量は、好ましくは0.1重量部以上、より好ましくは0.2重量部以上、好ましくは2重量部以下、より好ましくは1重量部以下である。上記光硬化開始剤の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、導電材料を適度に光硬化させることができる。導電材料に光を照射し、Bステージ化することにより、導電材料の流動を抑制できる。上記光硬化開始剤の含有量は、上記光硬化開始剤がカチオン発生剤のみである場合には、カチオン発生剤の含有量を示し、上記光硬化開始剤がカチオン発生剤と他の光硬化開始剤との双方を含む場合には、カチオン発生剤と他の光硬化開始剤との合計の含有量を示す。
(導電性粒子)
上記導電性粒子は、導電性の表面に導電部を有していればよい。該導電部は導電層であることが好ましい。図3に、導電性粒子の一例を断面図で示すように、導電性粒子11は、基材粒子12と、基材粒子12の表面上に配置された導電層13とを備えていてもよい。導電性粒子は、全体が導電部である金属粒子であってもよい。なかでも、コストを低減したり、導電性粒子の柔軟性を高くして、電極間の導通信頼性を高めたりする観点からは、基材粒子と、基材粒子の表面上に配置された導電層とを有する導電性粒子が好ましい。
上記基材粒子としては、樹脂粒子、金属粒子を除く無機粒子、有機無機ハイブリッド粒子及び金属粒子等が挙げられる。上記基材粒子は、金属粒子を除く基材粒子であることが好ましく、樹脂粒子、金属粒子を除く無機粒子又は有機無機ハイブリッド粒子であることが好ましい。
上記基材粒子は、樹脂により形成された樹脂粒子であることが好ましい。導電性粒子を用いて電極間を接続する際には、導電性粒子を電極間に配置した後、圧着することにより導電性粒子を圧縮させる。基材粒子が樹脂粒子であると、上記圧着の際に導電性粒子が変形しやすく、導電性粒子と電極との接触面積が大きくなる。このため、電極間の導通信頼性がより一層高くなる。
上記樹脂粒子を形成するための樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリアセタール、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ジビニルベンゼン重合体、並びにジビニルベンゼン系共重合体等が挙げられる。上記ジビニルベンゼン系共重合体等としては、ジビニルベンゼン−スチレン共重合体及びジビニルベンゼン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。上記樹脂粒子の硬度を好適な範囲に容易に制御できるので、上記樹脂粒子を形成するための樹脂は、エチレン性不飽和基を有する重合性単量体を1種又は2種以上重合させた重合体であることが好ましい。
上記無機粒子を形成するための無機物としては、シリカ及びカーボンブラック等が挙げられる。上記有機無機ハイブリッド粒子としては、例えば、架橋したアルコキシシリルポリマーとアクリル樹脂とにより形成された有機無機ハイブリッド粒子等が挙げられる。
上記基材粒子が金属粒子である場合に、該金属粒子を形成するための金属としては、銀、銅、ニッケル、ケイ素、金及びチタン等が挙げられる。
上記導電部を形成するための金属は特に限定されない。さらに、導電性粒子が、全体が導電部である金属粒子である場合、該金属粒子を形成するための金属は特に限定されない。該金属としては、例えば、金、銀、パラジウム、銅、白金、亜鉛、鉄、錫、鉛、アルミニウム、コバルト、インジウム、ニッケル、クロム、チタン、アンチモン、ビスマス、タリウム、ゲルマニウム、カドミウム、ケイ素及びこれらの合金等が挙げられる。また、上記金属としては、錫ドープ酸化インジウム(ITO)及びはんだ等が挙げられる。なかでも、電極間の接続抵抗がより一層低くなるので、錫を含む合金、ニッケル、パラジウム、銅又は金が好ましく、ニッケル又はパラジウムが好ましい。
上記導電層は、1つの層により形成されていてもよい。導電層は、複数の層により形成されていてもよい。すなわち、導電層は、2層以上の積層構造を有していてもよい。導電層が複数の層により形成されている場合には、最外層は、金層、ニッケル層、パラジウム層、銅層又は錫と銀とを含む合金層であることが好ましく、金層であることがより好ましい。最外層がこれらの好ましい導電層である場合には、電極間の接続抵抗がより一層低くなる。また、最外層が金層である場合には、耐腐食性がより一層高くなる。
上記基材粒子の表面に導電層を形成する方法は特に限定されない。導電層を形成する方法としては、例えば、無電解めっきによる方法、電気めっきによる方法、物理的蒸着による方法、並びに金属粉末もしくは金属粉末とバインダーとを含むペーストを基材粒子の表面にコーティングする方法等が挙げられる。なかでも、導電層の形成が簡便であるので、無電解めっきによる方法が好ましい。上記物理的蒸着による方法としては、真空蒸着、イオンプレーティング及びイオンスパッタリング等の方法が挙げられる。
上記導電性粒子の平均粒子径は、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1μm以上、好ましくは500μm以下、より好ましくは100μm以下、更に好ましくは80μm以下、特に好ましくは70μm以下である。導電性粒子の平均粒子径が上記下限以上及び上記上限以下であると、導電性粒子を用いて電極間を接続した場合に、導電性粒子と電極との接触面積を充分に大きくなり、かつ導電層を形成する際に凝集した導電性粒子が形成されにくくなる。また、導電性粒子を介して接続された電極間の間隔が大きくなりすぎず、かつ導電層が基材粒子の表面から剥離し難くなる。
上記導電性粒子の「平均粒子径」は、数平均粒子径を示す。導電性粒子の平均粒子径は、任意の導電性粒子50個を電子顕微鏡又は光学顕微鏡にて観察し、平均値を算出することにより求められる。
上記導電層の厚みは、好ましくは0.005μm以上、より好ましくは0.01μm以上、好ましくは10μm以下、より好ましくは1μm以下、更に好ましくは0.3μm以下である。導電層の厚みが上記下限以上及び上記上限以下であると、充分な導電性が得られ、かつ導電性粒子が硬くなりすぎずに、電極間の接続の際に導電性粒子が充分に変形する。
上記導電層が複数の層により形成されている場合に、最外層の導電層の厚みは、特に最外層が金層である場合の金層の厚みは、好ましくは0.001μm以上、より好ましくは0.01μm以上、好ましくは0.5μm以下、より好ましくは0.1μm以下である。上記最外層の導電層の厚みが上記下限以上及び上記上限以下であると、最外層の導電層による被覆が均一になり、耐腐食性が充分に高くなり、かつ電極間の接続抵抗が充分に低くなる。また、上記最外層が金層である場合の金層の厚みが薄いほど、コストが低くなる。
上記導電層の厚みは、例えば透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、導電性粒子又は導電性粒子の断面を観察することにより測定できる。
電極と導電性粒子との接触面積を大きくし、電極間の導通信頼性をより一層高める観点からは、上記導電性粒子は、樹脂粒子と、該樹脂粒子の表面上に配置された導電層(第1の導電層)とを有することが好ましい。
上記導電性粒子の含有量は特に限定されない。上記導電材料100重量%中、上記導電性粒子の含有量は、好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは0.5重量%以上、更に好ましくは1重量%以上、好ましくは40重量%以下、より好ましくは30重量%以下、更に好ましくは19重量%以下である。上記導電性粒子の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、接続されるべき上下の電極間に導電性粒子を容易に配置できる。さらに、接続されてはならない隣接する電極間が複数の導電性粒子を介して電気的に接続され難くなる。すなわち、隣り合う電極間の短絡をより一層防止できる。
(他の成分)
上記導電材料は、有機粒子を含むことが好ましい。該有機粒子はゲル化剤として作用する。上記有機粒子は、常温において導電材料中で膨潤し、導電材料の粘度を適度に向上させる。さらに、上記有機粒子は、導電材料の硬化中に粘度の低下を抑制する作用を有する。また、上記有機粒子を無機フィラーと組み合わせて用いることにより、基板を減圧雰囲気下で貼り合わせる場合でも、硬化物にボイドが生じ難くなる。上記有機粒子は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記有機粒子は、コアと、該コアの表面上に配置されたシェルとを有するコアシェル粒子であることがより好ましい。上記コアは、第1の(メタ)アクリル樹脂により形成されていることが好ましい。上記シェルは、第2のアクリル樹脂により形成されていることが好ましい。上記第1の(メタ)アクリル樹脂のガラス転移温度は23℃以下であることが好ましい。上記第2の(メタ)アクリル樹脂のガラス転移温度は、上記第1の(メタ)アクリル樹脂のガラス転移温度よりも高いことが好ましい。上記第2の(メタ)アクリル樹脂のガラス転移温度は23℃以上であることが好ましい。
上記有機粒子の市販品としては、例えば、ガンツ化成社製のコアシェルアクリレート共重合体微粒子「F351」等が挙げられる。
上記有機粒子の平均粒子径は好ましくは0.05μm以上、より好ましくは0.1μm以上、好ましくは1μm以下、より好ましくは0.9μm以下である。なお、上記有機粒子の平均粒子径は、体積平均粒子径である。上記平均粒子径は、レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置等を用いて測定可能である。
上記有機粒子の含有量は特に限定されない。上記硬化性化合物100重量部に対して、上記有機粒子の含有量は好ましくは1重量部以上、より好ましくは5重量部以上、好ましくは30重量部以下、より好ましくは20重量部以下である。上記有機粒子の含有量が上記下限以上であると、導電材料の粘度が適度になり、硬化物にボイドが生じ難くなる。上記有機粒子の含有量が上記上限以下であると、導電材料の塗工性がより一層高くなる。
上記導電材料は、増感剤を含むことが好ましい。該増感剤は、下記式(11)で表されるベンゾフェノン誘導体であることが好ましい。上記増感剤は、上記カチオン発生剤による重合開始効率をより向上させて、導電材料の硬化反応を適度に促進させる役割を有する。
Figure 0006074215
上記式(11)中、R1及びR2はそれぞれ、水素原子、下記式(11a)で表される置換基、又は、下記式(11b)で表される置換基を表す。上記R1と上記R2とは同一であってもよく、異なっていてもよい。
Figure 0006074215
Figure 0006074215
上記式(11a)及び上記式(11b)中、R3は、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシル基、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、又は、炭素数1〜20のカルボン酸アルキルエステル基を表す。上記アルキル基は、直鎖状であってもよく、分枝状であってもよい。
上記式(11)で表されるベンゾフェノン誘導体としては、ベンゾフェノン、2,4−ジクロロベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン及び4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド等が挙げられる。
上記増感剤の含有量は特に限定されない。上記硬化性化合物100重量部に対して、上記増感剤の含有量は好ましくは0.05重量部以上、より好ましくは0.1重量部以上、好ましくは3重量部以下、より好ましくは1重量部以下である。上記増感剤の含有量が上記下限以上であると、増感効果が充分に得られる。上記増感剤の含有量が上記上限以下であると、光吸収が適度になって導電材料層の深部まで光が伝わりやすくなる。
上記導電材料は、無機フィラーを含むことが好ましい。上記無機フィラーは、導電材料の硬化中の粘度の低下を抑制し、硬化物の耐湿性をより一層高める作用を有する。上記無機フィラーは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記無機フィラーの平均粒子径は好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.2μm以上、好ましくは1μm以下、より好ましくは0.9μm以下である。上記平均粒子径が上記下限以上及び上記上限以下である無機フィラーは、硬化物の耐湿性をより一層向上させる。上記無機フィラーの平均粒子径が上記上限以下であると、硬化物にボイドがより一層生じ難くなる。なお、上記無機フィラーの平均粒子径は、体積平均粒子径である。上記平均粒子径は、レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置等を用いて測定可能である。
上記無機フィラーとしては、タルク、石綿、シリカ、スメクタイト、ベントナイト、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、モンモリロナイト、珪藻土、酸化マグネシウム、酸化チタン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ガラスビーズ、硫酸バリウム、石膏、珪酸カルシウム及びセリサイト活性白土等が挙げられる。なかでも、ブロッキング性が良くなり、耐湿性が向上するため、タルクが好ましい。
上記無機フィラーは、板状であることが好ましい。上記無機フィラーの平均アスペクト比は、1以上、好ましくは2以上、より好ましくは3以上、好ましくは100以下、より好ましくは50以下である。上記無機フィラーの平均アスペクト比が上記上限以下であると、電極と導電性粒子との間に無機フィラーが挟み込まれ難くなる結果、電極間の接続抵抗がより一層低くなる。さらに、低圧でも無機フィラーを良好に配向できる結果、導電性粒子により形成された接続部の厚みがより一層均一になる。上記平均アスペクト比は、無機フィラーの長径/無機フィラーの短径の平均値を意味する。
上記無機フィラーの含有量は特に限定されない。上記硬化性化合物100重量部に対して、上記無機フィラーの含有量は好ましくは1重量部以上、より好ましくは2重量部以上、好ましくは30重量部以下、より好ましくは28重量部以下である。上記無機フィラーの含有量が上記下限以上であると、硬化物にボイドがより一層生じ難くなる。上記無機フィラーの含有量が上記上限以下であると、導電材料の塗工性がより一層高くなる。
上記導電材料は、シランカップリング剤を含むことが好ましい。上記シランカップリング剤は、導電材料の硬化物と有機EL表示素子用基板との接着性を向上させる。
上記シランカップリング剤としては、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン及びγ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
上記シランカップリング剤の含有量は特に限定されない。上記硬化性化合物100重量部に対して、上記シランカップリング剤の含有量は好ましくは0.1重量部以上、より好ましくは0.5重量部以上、好ましくは10重量部以下、より好ましくは5重量部以下である。上記シランカップリング剤の含有量が上記下限以上であると、接着性の向上効果が効果的に得られる。上記シランカップリング剤の含有量が上記上限以下であると、余剰のシランカップリング剤がブリードアウトし難くなる。
上記導電材料は、硬化遅延剤を含んでいてもよい。上記硬化遅延剤の使用により、導電材料のポットライフが長くなる。
上記硬化遅延剤としては特に限定されず、ポリエーテル化合物等が挙げられる。上記ポリエーテル化合物としては特に限定されず、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール及びクラウンエーテル化合物等が挙げられる。なかでも、クラウンエーテル化合物が好適である。
上記クラウンエーテル化合物は特に限定されず、12−クラウン−4、15−クラウン−5、18−クラウン−6、24−クラウン−8、及び、下記式(12)で表される化合物等が挙げられる。
Figure 0006074215
上記式(12)中、R1〜R12はそれぞれ、水素原子又は炭素数1〜20の置換又は無置換アルキル基を表す。但し、R1〜R12の内の少なくとも1つは炭素数1〜20のアルキル基を表す。上記置換又は無置換アルキル基は、炭素数1〜20のアルコキシル基、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、及び、炭素数1〜20のカルボン酸アルキルエステル基からなる群より選択される1以上の官能基で置換されていてもよく、更に、隣接するRn及びRn+1(但し、nは、1〜12の偶数を表す)は、共同して環状アルキル骨格を形成していてもよい。上記炭素数1〜20のアルコキシル基は、直鎖状であってもよく、分枝状であってもよい。
上記式(12)で表される化合物のなかでも、少なくとも1つのシクロヘキシル基を有する化合物が好適である。上記シクロヘキシル基の存在により、クラウンエーテルの骨格が安定し、遅延効果が高まる。
シクロヘキシル基を有し、かつ上記式(12)で表される化合物としては、具体的には下記式(12A)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0006074215
上記化学式(12A)で表される化合物は、18−クラウン−6−エーテル分子の中央を通る線に対して線対称となる位置に2個のシクロヘキシル基を有する。このため、18−クラウン−6−エーテル分子の骨格に歪み等を生じさせることなく、遅延効果が高くなると考えられる。
上記硬化遅延剤の含有量は特に限定されない。上記硬化性化合物100重量部に対して、上記硬化遅延剤の含有量は好ましくは0.05重量部以上、より好ましくは0.1重量部以上、好ましくは5重量部以下、より好ましくは3重量部以下である。上記硬化遅延剤の含有量が上記下限以上であると、遅延効果が充分に得られる。上記硬化遅延剤の含有量が上記上限以下であると、導電材料を硬化させる際にアウトガスが発生し難くなる。
上記導電材料は、素子電極などの耐久性を向上させるために、硬化物中に発生した酸と反応する化合物又はイオン交換体を含んでいてもよい。
上記発生した酸と反応する化合物としては、酸と中和する物質、例えば、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の炭酸塩又は炭酸水素塩等が挙げられる。上記発生した酸と反応する化合物の具体例としては、炭酸カルシウム、炭酸水素カルシウム、炭酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウム等が挙げられる。
上記イオン交換体として、陽イオン交換型、陰イオン交換型、両イオン交換型のいずれも使用することができる。特に、塩化物イオンを吸着可能な陽イオン交換型又は両イオン交換型が好適である。
上記導電材料は、溶剤を含んでいてもよい。該溶剤の使用により、導電材料の粘度を容易に調整できる。上記溶剤としては、例えば、酢酸エチル、メチルセロソルブ、トルエン、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、テトラヒドロフラン及びジエチルエーテル等が挙げられる。
上記電材料は、必要に応じて、補強剤、軟化剤、可塑剤、紫外線吸収剤及び酸化防止剤等の公知の各種添加剤を含んでいてもよい。
(導電材料の他の詳細)
上記導電材料を製造する方法は特に限定されず、例えば、ホモディスパー、ホモミキサー、万能ミキサー、プラネタリウムミキサー、ニーダー、3本ロール等の混合機を用いて、硬化性成分と導電性粒子と必要に応じて他の成分とを混合する方法が挙げられる。
上記導電材料は、異方性導電材料であることが好ましい。上記導電材料は、電極の電気的な接続に用いられる。上記導電材料は、ペースト状又はフィルム状の導電材料であり、ペースト状の導電材料であることが好ましい。ペースト状の導電材料は、導電ペーストである。フィルム状の導電材料は、導電フィルムである。導電材料が導電フィルムである場合、該導電性粒子を含む導電フィルムに、導電性粒子を含まないフィルムが積層されてもよい。上記導電ペーストは、異方性導電ペーストであることが好ましい。上記導電フィルムは、異方性導電フィルムであることが好ましい。
また、上記導電材料は、有機EL表示素子用基板の電極間の電気的な接続に用いられる。上記有機EL表示素子用基板としては、有機EL素子を備える有機EL基板及び封止基板等が挙げられる。上記封止基板は、有機EL素子を封止するための基板である。上記導電材料は、有機EL素子を備える有機EL基板の電極と、封止基板の電極との電気的な接続により好適に用いられる。
接続対象部材の熱劣化を抑制するために、上記導電材料は、120℃を超える温度に加熱せずに、120℃以下の温度に加熱して、熱硬化されて用いられることが好ましい。接続対象部材の熱劣化をより一層抑制する観点からは、上記導電材料は、100℃を超える温度に加熱せずに、100℃以下の温度に加熱して、熱硬化されて用いられることがより好ましい。有機EL素子用基板では、120℃を超える温度に加熱されると、熱劣化がかなり問題となりやすい傾向がある。
上記導電ペーストの25℃での粘度は、好ましくは20Pa・s以上、より好ましくは100Pa・s以上、好ましくは700Pa・s以下、より好ましくは300Pa・s以下である。上記粘度が上記下限以上であると、導電ペースト中での導電性粒子の沈降を抑制できる。上記粘度が上記上限以下であると、導電性粒子の分散性がより一層高くなる。塗布前の上記導電ペーストの上記粘度が上記範囲内であれば、有機EL表示素子用基板上に導電ペーストを塗布した後に、硬化前の導電ペーストの流動をより一層抑制でき、更にボイドがより一層生じ難くなる。なお、ペースト状には液状も含まれる。
以下、本発明について、実施例及び比較例を挙げて具体的に説明する。本発明は、以下の実施例のみに限定されない。
(実施例1)
(1)導電材料の調製:
ビスフェノールA変性エポキシ樹脂(DIC社製「EPICLON EXA−4850−150」)40重量部、及びビスフェノールFエポキシ樹脂(DIC社製「EXA−835LV」)30重量部に、カチオン発生剤であるSI−60L(三新化学社製のサンエイド)3重量部と、光硬化性化合物であるエポキシアクリレート(ダイセル・サイテック社製「EBECRYL3702」)20重量部と、光硬化開始剤であるアシルホスフィンオキサイド系化合物(チバ・ジャパン社製「DAROCUR TPO」)1重量部と、フィラーである平均粒子径0.25μmのシリカ10重量部と、平均粒子径10μmの導電性粒子A4重量部とを添加し、遊星式攪拌機を用いて2000rpmで5分間攪拌することにより、導電ペーストを得た。
なお、用いた導電性粒子Aは、ジビニルベンゼン樹脂粒子の表面にニッケルめっき層が形成されており、かつ該ニッケルめっき層の表面に金めっき層が形成されている導電層を有する導電性粒子である。
(2)有機EL表示素子の作製:
有機EL素子を備えており、L/Sが50μm/50μm、長さ1mmのアルミニウム電極パターンが上面に形成された有機EL基板(第1の基板)を用意した。また、L/Sが50μm/50μm、長さ2mmのアルミニウム電極パターンが下面に形成された封止基板(第2の基板)を用意した。
上記第1の基板上に、作製直後の導電ペーストを幅1.5mm、厚さ40μmとなるようにディスペンサーを用いて塗工し、導電ペースト層を形成した。次に、導電ペースト層上に上記第2の基板を、電極同士が対向するように積層した。365nmの紫外線を光照射強度が3000mW/cmとなるように3秒間照射し、光重合によって導電ペースト層を半硬化させ、Bステージ化した。この積層体を、貼り合せ装置を用いて、0.3MPaの圧力をかけて100℃で15分間導電ペースト層を硬化させ、有機EL表示素子を得た。
(実施例2)
導電ペースト層の加熱温度を100℃から120℃に変更したこと以外は実施例1と同様にして、有機EL表示素子を得た。
(実施例3)
上記第2の基板を積層する前に光の照射を行い、光の照射後に速やかに上記第2の基板を積層したこと以外は実施例1と同様にして、有機EL表示素子を得た。
(実施例4)
熱硬化性化合物の種類を、ビスフェノールA変性エポキシ樹脂(DIC社製「EPICLON EXA−4850−150」)から、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(DIC社製「EPICLON N−770」)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、導電ペーストを得た。得られた導電ペーストを用いて、実施例1と同様にして、有機EL表示素子を得た。
(実施例5)
カチオン発生剤の種類を、SI−60L(三新化学社製のサンエイド)から、CXC−1612(K−pure社製のK−pure CXC)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、導電ペーストを得た。得られた導電ペーストを用いて、実施例1と同様にして、有機EL表示素子を得た。
参考例6)
カチオン発生剤であるSI−60Lを添加せずに、熱硬化剤(イミダゾール化合物、四国化成工業社製「2P−4MZ」)15重量部を添加したこと以外は、実施例1と同様にして、異方性導電ペーストを得た。得られた導電ペーストを用いて、実施例1と同様にして、有機EL表示素子を得た。
(実施例7)
導電性粒子Aの粒子径を60μmに変更ししたこと以外は実施例1と同様にして、導電ベーストを得た。また、上記第1の基板の電極をL/Sが500μm/500μm、長さ20mmのアルミニウム電極パターンに変更し、封止基板(第2の基板)の電極を、L/Sが500μm/500μm、長さ20mmのITO電極パターンに変更し、上記第1の基板上に、作製直後の導電ペーストを幅1.5mm、厚さ120μmとなるようにディスペンサーを用いて塗工したこと以外は、実施例1と同様にして、有機EL表示素子を得た。
(比較例1)
(1)導電材料の調製:
光硬化性化合物であるエポキシアクリレート(ダイセル・サイテック社製「EBECRYL3702」)と、光硬化開始剤であるアシルホスフィンオキサイド系化合物(チバ・ジャパン社製「DAROCUR TPO」)とを配合しなかったこと以外は実施例1と同様にして、導電ペーストを得た。
(2)有機EL表示素子の作製:
実施例1と同じ第1,第2の基板を用意した。上記第1の基板上に、作製直後の導電ペーストを幅1.5mm、厚さ40μmとなるようにディスペンサーを用いて塗工し、導電ペースト層を形成した。次に、導電ペースト層上に上記第2の基板を、電極同士が対向するように積層した。その後、大橋製作所社製「BD−02」を用い、導電ペースト層の温度が100℃(本圧着温度)となるように加熱圧着ヘッドの温度を調整しながら、上記第2の基板の上面に加圧圧着ヘッドを載せ、1MPaの圧力をかけて100℃で15分間導電ペースト層を硬化させ、有機EL表示素子を得た。比較例1では、光の照射を行わなかった。
(評価)
(1)ボイドの有無
得られた有機EL表示素子において、導電材料層が硬化した接続部にボイドが生じているか否かを観察した。ボイドの有無を下記の基準で判定した。
[ボイドの有無の判定基準]
○:ボイドなし
△:ボイドはあるものの、電極幅及び電極間幅よりも大きいボイドはない
×:電極幅又は電極間幅よりも大きいボイドがある
(2)導通信頼性(接続抵抗値)
得られた有機EL表示素子の上下の電極間の接続抵抗をそれぞれ、4端子法により測定した。100箇所の接続抵抗の平均値を算出した。なお、電圧=電流×抵抗の関係から、一定の電流を流した時の電圧を測定することにより接続抵抗を求めることができる。得られた有機EL表示素子における電極間の導通信頼性を下記の基準で判定した。
[導通信頼性の判定基準]
○○:3Ω未満
○:3Ω以上、4Ω未満
△:4Ω以上、5Ω未満
×:5Ω以上
結果を下記の表1に示す。
Figure 0006074215
また、導電ペースト層の加熱温度を100℃から130℃に変更したこと以外は実施例1と同様にして、有機EL表示素子を得て、該有機EL表示素子の上記(2)導通信頼性の評価における接続抵抗値を測定した結果、加熱温度を100℃にした実施例1の有機EL表示素子及び加熱温度を120℃にした実施例2の有機EL表示素子における接続抵抗値よりも高かった。
1…有機EL表示素子
2…第1の基板
2a…第1の電極
3…接続部
3A…導電材料層
3B…Bステージ化された導電材料層
4…第2の基板
4a…第2の電極
5…導電性粒子
11…導電性粒子
12…基材粒子
13…導電層

Claims (6)

  1. 有機エレクトロルミネッセンス表示素子用基板である第1の基板の表面に、硬化性成分と導電性粒子とを含む導電材料により導電材料層を配置する工程と、
    前記導電材料層の前記第1の基板側とは反対側の表面に、有機エレクトロルミネッセンス表示素子用基板である第2の基板を配置する工程と、
    前記導電材料層に光を照射し、かつ前記導電材料層を加熱して、前記導電材料層を光硬化及び熱硬化させて、前記第1,第2の基板を電気的に接続している接続部を形成する工程とを備え
    前記硬化性成分が、硬化性化合物とカチオン発生剤とを含み、
    前記カチオン発生剤の作用により、前記導電材料層を熱硬化させる、有機エレクトロルミネッセンス表示素子の製造方法。
  2. 120℃を超える温度に加熱せずに、120℃以下の温度に加熱して、前記導電材料層を熱硬化させる、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示素子の製造方法。
  3. 前記導電材料層に光を照射した後に前記導電材料層を加熱するか、又は前記導電材料層を加熱した後に前記導電材料層に光を照射する、請求項1又は2に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示素子の製造方法。
  4. 前記第1の基板が表面に第1の電極を有し、
    前記第2の基板が表面に第2の電極を有し、
    前記第1の電極と前記第2の電極とを、前記導電性粒子により電気的に接続する、請求項1〜のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示素子の製造方法。
  5. 前記第1の基板と前記第2の基板とが、有機エレクトロルミネッセンス素子を備える有機エレクトロルミネッセンス基板と封止基板とである、請求項1〜のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示素子の製造方法。
  6. 100℃を超える温度に加熱せずに、100℃以下の温度に加熱して、前記導電材料層を熱硬化させる、請求項1〜のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示素子の製造方法。
JP2012225064A 2012-10-10 2012-10-10 有機エレクトロルミネッセンス表示素子の製造方法 Expired - Fee Related JP6074215B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012225064A JP6074215B2 (ja) 2012-10-10 2012-10-10 有機エレクトロルミネッセンス表示素子の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012225064A JP6074215B2 (ja) 2012-10-10 2012-10-10 有機エレクトロルミネッセンス表示素子の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014078383A JP2014078383A (ja) 2014-05-01
JP6074215B2 true JP6074215B2 (ja) 2017-02-01

Family

ID=50783543

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012225064A Expired - Fee Related JP6074215B2 (ja) 2012-10-10 2012-10-10 有機エレクトロルミネッセンス表示素子の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6074215B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023209492A1 (ja) * 2022-04-29 2023-11-02 株式会社半導体エネルギー研究所 発光デバイスおよび発光装置の作製方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003066859A (ja) * 2001-08-28 2003-03-05 Sharp Corp 表示装置およびその製造方法
CN101930990B (zh) * 2010-03-09 2013-08-07 电子科技大学 一种有源驱动有机电致发光器件及其制备方法
JP2012175048A (ja) * 2011-02-24 2012-09-10 Sekisui Chem Co Ltd 接続構造体の製造方法及び接続構造体
JP5965666B2 (ja) * 2011-02-25 2016-08-10 積水化学工業株式会社 接続構造体の製造方法及び異方性導電材料
CN102208558B (zh) * 2011-04-18 2013-07-10 电子科技大学 一种柔性发光器件用基板及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014078383A (ja) 2014-05-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6364191B2 (ja) 導電材料、接続構造体及び接続構造体の製造方法
JP6114557B2 (ja) 導電材料及び接続構造体の製造方法
TWI528383B (zh) Conductive material and connecting structure
JP4472779B2 (ja) 硬化性組成物、異方性導電材料及び接続構造体
JP2013058412A (ja) 絶縁材料、積層体、接続構造体、積層体の製造方法及び接続構造体の製造方法
JP5011804B2 (ja) 回路接続材料、接続体及び回路部材の接続方法
JP5883679B2 (ja) 接続構造体の製造方法、異方性導電材料及び接続構造体
JP5820312B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス表示素子用上下導通材料及び有機エレクトロルミネッセンス表示素子
JP6518100B2 (ja) 光硬化性導電材料、接続構造体及び接続構造体の製造方法
JP6074215B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス表示素子の製造方法
JP5965666B2 (ja) 接続構造体の製造方法及び異方性導電材料
JP2013028726A (ja) 異方性導電材料及び接続構造体
JP6518101B2 (ja) 光硬化性導電材料、接続構造体及び接続構造体の製造方法
JP6002566B2 (ja) 導電材料、接続構造体及び接続構造体の製造方法
JP5508480B2 (ja) 異方性導電ペースト、接続構造体及び接続構造体の製造方法
JP4075409B2 (ja) 接着フィルム及びそれを用いた電極の接続構造
JP3856213B2 (ja) 表面処理配線板、それを用いた電極の接続方法並びに電極の接続構造
JP6438305B2 (ja) 光硬化性導電材料、接続構造体及び接続構造体の製造方法
JP6145004B2 (ja) 接続構造体の製造方法、bステージ化された異方性導電材料及び接続構造体
JP6145003B2 (ja) 接続構造体の製造方法、bステージ化された異方性導電材料及び接続構造体
JP2015048457A (ja) 接続材料、接続構造体及び接続構造体の製造方法
JP2015048456A (ja) 接続材料、接続構造体及び接続構造体の製造方法
JP2015185490A (ja) 接続構造体の製造方法、及び接続構造体
JP2012175048A (ja) 接続構造体の製造方法及び接続構造体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150703

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160511

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160524

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160714

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161220

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170106

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6074215

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees