JP6073363B2 - スチームの存在下におけるヘキソース溶液からの5−ヒドロキシメチルフルフラール(hmf)の調製 - Google Patents

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Description

本発明は、5-ヒドロキシメチルフルフラール(HMF)を製造する方法に関し、該方法においては、
a)ヘキソース、及び
沸点が(標準圧力で)200℃を超える有機溶媒(略して、高沸点成分と称する)、
を含む溶液(以後、出発溶液と称する)、並びに
スチームが、反応容器に給送され、
b)反応容器中で、ヘキソースのHMFへの変換が、スチームの存在下で起こり、同時にHMFが蒸留により取り出され、
c)留出物として、HMF含有水溶液(以後、留出物と称する)が得られる。
再生可能な原料から得られて、工業的に使用することができる化合物に化学反応により容易に変換することができる化合物は、化学合成のための重要性が増大している。
この関係で、5-ヒドロキシメチルフルフラール(HMF)が知られており、これは、ヘキソースから種々の方法により製造することができる。例えば、2,5-フランジカルボン酸は、HMFから容易に得ることができて、ポリエステル又はポリウレタンなどのポリマーを製造するためのジカルボン酸として適しており、工業的用途において再生不可能な原料からの他のジカルボン酸を置き換えることができる。
HMFは、一般的には、グルコース又はフルクトースなどのヘキソースの酸触媒脱水により製造される。
得られた反応生成物は、HMFの他に、未反応の出発原料及び/又は副生物を含む、酸性溶液である。副生物の生成を回避するためには、通常、HMF合成中に、出発原料の部分変換を起こすにとどめる。それ故、一般的に、得られた溶液は、ヘキソースなどの未反応の出発原料又はヘキソースで構成されるオリゴマー若しくはポリマーを含む。変換率を高くした場合には、副生物の量が増大する。
出発原料又はHMF合成の副生物を含む反応溶液からHMFを分離して取り出すことは、複雑であり、HMFを利用する可能性を妨げる。
例えば、Feroz Kabir Kazi et al.は、Chem Eng. J. 169 (2011), 329〜338頁に、有機溶媒(ブタノール)を使用する複雑な抽出方法により酸性反応溶液からHMFを分離して取り出すことを記載しており、HMFのブタノール溶液が得られる。
DE-A 3601281には、あらゆる有機溶媒を最初に除去し、イオン交換カラムを使用してHMF水溶液を分離するクロマトグラフ法の分離方法が開示されている。得られたHMF分画は結晶化される。
HMFを反応溶液から分離して取り出すさらなる方法は、分取しやすく、任意選択により、分離された後に引き続いてHMFに逆変換される、HMFのその他の化合物への変換である。例えば、Mark Mascal及びEdward B. Nikitin, 2008 Angew. Chemie vol. 47, 7924〜7926頁によれば、HMFは、より安定な5-クロロメチルフルフラールに変換されて、次に再びHMF又はそれらの誘導体に変換される。あるいは、EP-A 1834950によればHMFのエーテル、又はEP-A 1834951によればエステルが製造され、それらは、分離された後、そのままでさらなる合成に適する。
Haru Kawamoto, Shinya Saitoらは、J. Wood Sci. (2007), 53, 127〜133頁で、スチームの導入を含む種々の条件下で、左旋性のグルコセノン、フルフラール及び/又はHMFの生成を伴うセルロースの熱分解を記載している。
HMFは、さらなる合成のためには、最も純粋な形態で存在すべきである。さらなる合成に特に適当なものは、副生物又は残存出発原料を含まない、又は最大でも非常に少量でそれらを含む、HMFの水溶液である。これまでに知られているHMF又はその水溶液を適切な純度で製造する方法は、極端に複雑である。
それ故、本発明の目的は、HMFをできるだけ簡単で効果的な様式で製造することができて、同時にHMFが可能な最も純粋な形で得られ、それ故、HMFが、反応した出発原料又は合成の副生物からできるだけ完全に直接分離して取り出される方法であった。
それに応じて、冒頭で明らかにした方法が見出された。
本発明による方法において、HMFはスチームの存在下で製造されて、HMF合成の副生物及び未反応の出発原料から直接分離して取り出される。
図1は、薄膜蒸発器(Sambay)及び凝縮器からなる対応する装置を示す。
プロセスステップa)
プロセスステップa)において、
ヘキソース、及び
沸点が(標準圧力で)200℃を超える有機溶媒(略して、高沸点成分と称する)
を含む溶液(以後、出発溶液と称する)、並びに
スチームが、反応容器に給送される。
ヘキソースは、好ましくは、フルクトース、グルコース、又はフルクトースとグルコースの混合物である。それは、特に好ましくは、フルクトース又はフルクトースとグルコースの混合物である。
出発溶液は、ヘキソースの製造からの副生物又は出発原料も含むことができる。例えば、ヘキソースは、セルロース又はデンプンなどのポリマーの分解により得ることができる。出発溶液は、それ故、そのようなポリマー又はそれらのオリゴマー状の分解生成物の残存量も含むことができる。
出発溶液は、出発溶液の全重量に基づいて、好ましくは1から40重量%のヘキソース、特に好ましくは5から30重量%のヘキソースを含む。
好ましくは、出発溶液は、10重量%未満、特に5重量%未満、特に好ましくは1重量%未満のヘキソースの製造からの副生物又は出発原料を含む。特に、出発溶液は、ヘキソースの製造からの副生物及び出発原料を本質的に含まない。
さらに、出発溶液は、沸点が(標準圧力で)200℃を超える、特に250℃を超える有機溶媒(以後、略して、高沸点成分と称する)を含む。
適当な高沸点成分は親水性溶媒であり、それらは、プロトン性の親水性有機溶媒、例えばアルコールであっても、又は非プロトン性の親水性溶媒、例えばエーテル又はケトン、ジメチルスルホキシドなどであってもよい。
本発明の関係で好ましい高沸点成分は、ポリエーテルである。ポリエーテルは、好ましくは60℃未満、特に30℃未満の融点を有し(標準圧力、1バール)、特に好ましいポリエーテルは20℃で液体である(標準圧力)。
ポリエーテルは、少なくとも2個のエーテル基を含む。ポリエーテルは、好ましくは、少なくとも3、特に少なくとも4、特に好ましくは少なくとも6個のエーテル基を含む。一般的に、それらは、40個以下、特に30個以下のエーテル基、特に好ましくは20個以下のエーテル基を含む。
特定の実施形態において、ポリエーテルは、エーテル基及び任意選択のヒドロキシル基の形態にある酸素以外のヘテロ原子を含まない。
特に、それらは脂肪族ポリエーテルであり、特に好ましいポリエーテルは、末端のヒドロキシル基がアルキル基、特にC1-からC4-アルキル基でエーテル化され得るポリアルキレングリコールである。
ポリアルキレングリコールのアルキレン基は、例えば、エチレン、プロピレン又はブチレン基などのC2-からC10-、特にC2-からC4-アルキレン基であってもよい。ポリアルキレングリコールは、異なった、例えばブロックの形態にあるアルキレン基も含むことができる。
それ故、ポリ-C2-からC4-アルキレングリコール、特にポリエチレングリコールが特に非常に好ましく、その末端のヒドロキシル基は、任意選択によりアルキル基によりエーテル化することができる。反復するアルキレンエーテル基の数は、上のエーテル基の数に対応し、特に、反復するアルキレンエーテル基の数は、4から30、特に好ましくは6から20である。ポリアルキレングリコールの末端ヒドロキシル基は、アルキル基、特にC1-からC4-アルキル基によりエーテル化することができる。
出発溶液は、上記の高沸点成分を、唯一の溶媒として含むことができる。この場合に、ヘキソースは高沸点成分に溶解される。
好ましい実施形態において、出発溶液は、高沸点成分の他に少なくとも1種のさらなる溶媒を含む。さらなる溶媒は、特に、水、若しくは使用されるヘキソースが好ましくは可溶であるべき、沸点が200℃未満の親水性有機溶媒(低沸点成分)、又は水と低沸点成分との混合物であってもよい。
さらなる溶媒は、特に好ましくは水である。それ故、出発溶液は、特に好ましくは水溶液である。
特定の一実施形態において、出発溶液は、溶媒として水と高沸点成分のみを含む。
出発溶液は、高沸点成分、特にポリエーテルを、出発溶液の全重量に基づいて、好ましくは5から90重量%、特に30から80重量%、特に好ましくは50から70重量%の量で含む。
好ましくは、出発溶液中の低沸点成分の含有量は、50重量%未満、特に30重量%未満、特に好ましくは20重量%未満である。
出発溶液は、さらにより好ましくは酸を含む。酸は、ヘキソースのHMFへの変換の触媒となる。適当な酸は、出発溶液中に分散される不均一な酸、又は出発溶液中に溶解する均一な酸である。
出発溶液は、好ましくは均一な酸を含む。適当な均一な酸は、任意の所望の無機酸又は有機酸である。例として、パラ-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸(MeOSO3H)、シュウ酸、硫酸、塩酸又はリン酸を挙げることができる。出発溶液は、酸を、好ましくは、0.1から10mol %(ヘキソースに基づいて)、特に好ましくは0.1から5mol %の量で含む。
好ましい出発溶液は、例えば、溶液の全重量に基づいて、
1から40重量%のヘキソース、
5から90重量%の高沸点成分、好ましくはポリエーテル、
1から50重量%の水、
0.1から10mol %の酸(ヘキソースに基づく)、
0から10重量%の他の構成成分、例えばヘキソースの合成からの副生物、
を含む。
特に好ましい出発溶液は、溶液の全重量に基づいて、例えば、
5から30重量%のヘキソース、
30から80重量%の高沸点成分、好ましくはポリエーテル、
10から50重量%の水、
0.1から5mol %の酸(ヘキソースに基づいて)、
0から5重量%の他の構成成分、例えばヘキソースの合成からの副生物
を含む。
上記の出発溶液及びスチームは反応容器に給送される。
プロセスステップb)
プロセスステップb)において、出発溶液のHMFへの変換は、それ自体知られたスチーム蒸留と同時に行われる。この目的のために、出発溶液は反応容器中でスチームと接触させられる。
スチームによる出発溶液の処理は、好ましくは減圧で行われ、特に1から300 mbarの圧力が考えられる。特に、反応容器内の圧力は、1から100 mbar、特に好ましくは1から50 mbarであり、特に非常に好ましい実施形態では、1から40又は1から35 mbarである。
スチームによる出発溶液の処理は、好ましくは100から200℃、特に好ましくは120から180℃、特に好ましくは140から180℃、特に非常に好ましくは150から180℃の出発溶液の温度で行われる。
好ましくは、本発明による方法は、連続的に操業される。
この目的のためには、出発溶液及びスチームを反応容器に連続的に給送して、得られた生成物又は留出物を連続的に引き出す。
体積流は、選択された反応容器のサイズ及び分離効率に依存する。
好ましい実施形態において、供給スチーム体積の供給出発溶液体積に対する比は、出発溶液1体積単位当たりスチーム0.5から2体積単位の範囲内、特に好ましくは出発溶液1体積単位当たりスチーム0.8から1.5体積単位の範囲内、特に出発溶液1体積単位当たりスチーム0.8から1.2体積単位の範囲内である。
適当な反応容器は、出発溶液及びスチームの導入ために、特に上記の連続した手順のために準備された通常の蒸発器である。
好ましい蒸発器は薄膜蒸発器である。これらにおいては、出発溶液は、蒸発器中に液膜として存在する。
垂直な薄膜蒸発器が特に好ましく、このタイプの垂直な薄膜蒸発器は、「Luwa」又は特に「Sambay」などの装置名で知られている。
好ましい垂直な薄膜蒸発器は、つまり、出発溶液を分布させて混合するための内部デバイス及び管壁を加熱するための外部デバイスを備えた垂直管である。
出発溶液は、好ましくは、薄膜蒸発器の上部に給送されて、加熱された管壁上に膜として分布する。スチームは、蒸発器、好ましくは薄膜蒸発器に、出発溶液と一緒に又は蒸発器の任意の他の所望の点に給送することができる。出発溶液及びスチームは、蒸発器に同じ方向(並流)で又は反対方向(向流)で通すことができる。
好ましくは、スチームは、出発溶液に対して向流で給送される。この目的のために、出発溶液は特に蒸発器の上部に給送され、スチームは蒸発器の下部に給送される。
スチームと出発溶液の揮発性構成成分とは、好ましくは、分離器を通して蒸発器の頂部で流出して凝縮される(留出物)。
不揮発性構成成分は、蒸発器を通過して液体の底留分生成物として分離して取り出される。
図1は、薄膜蒸発器(Sambay)及び凝縮器からなる対応する装置を示す。
プロセスステップb)における反応は、ヘキソースのHMFへの変換が部分的にとどまるか又はHMFへのヘキソースの完全変換が起こるか、所望のように実施することができる。部分変換の場合、未変換のヘキソースは、再び反応させることができる。完全変換は、副生物、特にいわゆるフミン、即ちHMFのオリゴマーの生成が増大する結果になり得る。
好ましくは、ヘキソースの少なくとも40重量%、特に少なくとも60重量%、特定の実施形態においては少なくとも80重量%が変換される。
プロセスステップc)
留出物として、HMF含有水溶液が得られる。留出物は、変換中に生成したHMF及びスチーム蒸留からの水を含む。
留出物は、特に、変換中に得られたHMFの60%超、特に80%超を含む。
それに加えて、留出物は、高沸点成分も含むことができる。ポリエーテルが高沸点成分として使用された場合には、留出物は高沸点成分を含まないか又は少量だけ含み、その場合、留出物中のポリエーテルの含有量は、留出物の全重量に基づいて、特に5重量%未満、好ましくは2重量%未満、特に好ましくは1%未満、又は0.5重量%未満である。
ヘキソースのHMFへの変換中に生成した副生物は、特にフミン(HMFのオリゴマー)である。本発明による方法中に、フミンは、本質的に留出物中ではなく、底留分中に生ずる(図1を参照されたい)。
それ故、留出物は、フミンを含まないか又は非常に少量だけ含み、留出物中のフミンの含有量は、一般的に2重量%未満、特に0.5重量%未満、特に好ましくは0.1重量%未満である。留出物は透明であり、淡黄色に着色している。
さらに、留出物は、未反応のヘキソースを含まないか又は少量だけ含む。未反応のヘキソースは、主に底留分中に見出される。
留出物中の未反応のヘキソースの含有量は、一般的に5重量%未満、特に2重量%未満、特に好ましくは1重量%未満である。
HMF合成の副生物、高沸点成分としてのポリエーテル及び未反応のヘキソースが、本質的に底留分中に生ずることは、本発明による方法の利点である。
本発明による製造方法において、HMFは、留出物として高純度で直接得られる。本発明による方法は、それ故、HMFを生成させ、同時にHMFを副生物及び未反応の出発原料から分離して取り出す、簡単で効果的な方法である。
留出物は、HMFが出発原料として使用される化学合成に適する。特に、留出物は、出発原料のHMFが高純度であることが望ましい又は要求される化学合成に適する。例として、ここでは、2,5-フランジカルボン酸又は2,5-ビス(ヒドロキシメチル)フランを製造するための生成物溶液の使用が挙げられる。
[実施例1]
スチーム蒸留によるin situでのフルクトースの脱水とHMFの単離
出発溶液
出発溶液は、純物質を混合することにより得た。
出発溶液は、フルクトース、高沸点成分、酸及び水を含んだ(表を参照)。
使用した高沸点成分は:
DMSO:ジメチルスルホキシド
PEG-600:600の分子量を有するポリエチレングリコール
テトラグリム:テトラエチレングリコールジメチルエーテル
であった。
使用した酸は:
H2SO4:硫酸
p-TSA:パラ-トルエンスルホン酸
MSA:メタンスルホン酸
シュウ酸
であった。
スチーム蒸留の実施
スチーム蒸留は図1のような装置で実施する。装置は向流手順で操作されるガラスのSambayからなる。
出発溶液は頂部に給送し、スチームは下部1/3に給送した。
種々の高沸点成分に対する出発溶液の組成並びに選択された温度及び圧力も表にリストとして示す。
示された温度は管の外壁における熱媒の温度であり、それは、管の内壁における出発溶液の液膜の温度と良好に近似する。
実験は連続的に実施した。新たな温度及び圧力を各々調節した後、定常状態に到達するまでの間、待機した。
組成はHPLCにより決定した。
示したフルクトースの変換率は、底留分及び留出物中のフルクトースの残存量から生じたものであり、フルクトースはHMF及び副生物(フミン)に変換された。
示した酸の触媒量はフルクトースに基づく。HMFの収率は出発溶液中のフルクトース含有量に基づく留出物又は底留分中のHMFの百分率である。
Figure 0006073363
更なる実施形態:
[1]
5-ヒドロキシメチルフルフラール(HMF)を製造する方法であって、
a)ヘキソース、及び
沸点が(標準圧力で)200℃を超える有機溶媒(略して、高沸点成分と称する)
を含む溶液(以後、出発溶液と称する)、並びに
スチームが、反応容器に給送され、
b)反応容器中で、ヘキソースのHMFへの変換が、スチームの存在下で起こり、同時にHMFが蒸留により取り出され、
c)留出物として、HMF含有水溶液(以後、留出物と称する)が得られる方法。
[2]
ヘキソースが、フルクトース、グルコース、又はフルクトースとグルコースの混合物である、実施形態1に記載の方法。
[3]
高沸点成分がポリエーテルである、実施形態1又は2に記載の方法。
[4]
ポリエーテルがポリ-C2〜C4-アルキレングリコールであり、その末端のヒドロキシル基がC1〜C4アルキル基によりエーテル化されていてもよい、実施形態1から3のいずれかに記載の方法。
[5]
出発溶液が高沸点成分を5から90重量%の量で含む、実施形態1から4のいずれかに記載の方法。
[6]
出発溶液が水溶液である、実施形態1から5のいずれかに記載の方法。
[7]
HMFを生ずる反応が、出発溶液に可溶な酸の存在下で行われる、実施形態1から6のいずれかに記載の方法。
[8]
HMFを生ずる反応が100℃から200℃で行われる、実施形態1から7のいずれかに記載の方法。
[9]
HMFを生ずる反応が1から300 mbarの圧力で行われる、実施形態1から8のいずれかに記載の方法。
[10]
出発溶液及びスチームが蒸発器に連続的に給送され、生成物溶液が連続的に引き出されて、連続的に実施される、実施形態1から9のいずれかに記載の方法。
[11]
反応容器が薄膜蒸発器である、実施形態1から10のいずれかに記載の方法。
[12]
スチームが出発溶液に対して向流で給送される、実施形態1から11のいずれかに記載の方法。
[13]
得られたHMFの60%超が留出物中にある、実施形態1から12のいずれかに記載の方法。
[14]
留出物が、2,5-フランジカルボン酸又は2,5-ビス(ヒドロキシメチル)フランを製造するために使用される、実施形態1から13のいずれかに記載の方法。

Claims (16)

  1. 5-ヒドロキシメチルフルフラール(HMF)を製造する方法であって、
    a)ヘキソース、及び
    沸点が(標準圧力で)200℃を超える有機溶媒(略して、高沸点成分と称する)
    を含む溶液(以後、出発溶液と称する)、並びに
    スチームが、反応容器に給送され、
    b)反応容器中で、ヘキソースのHMFへの変換が、スチームの存在下で起こり、同時にHMFが蒸留により取り出され、
    c)留出物として、HMF含有水溶液(以後、留出物と称する)が得られ
    ここで、高沸点成分がポリエーテルである、方法。
  2. 供給スチーム体積の供給出発溶液体積に対する比が、出発溶液1体積単位当たりスチーム0.5から2体積単位の範囲内である、請求項1に記載の方法。
  3. 出発溶液が酸を更に含む、請求項1又は2に記載の方法。
  4. ヘキソースが、フルクトース、グルコース、又はフルクトースとグルコースの混合物である、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
  5. ポリエーテルがポリ-C2〜C4-アルキレングリコールであり、その末端のヒドロキシル基がC1〜C4アルキル基によりエーテル化されていてもよい、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 出発溶液が高沸点成分を5から90重量%の量で含む、請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 出発溶液が水溶液である、請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
  8. HMFを生ずる反応が、出発溶液に可溶な酸の存在下で行われる、請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
  9. HMFを生ずる反応が100℃から200℃で行われる、請求項1から8のいずれか1項に記載の方法。
  10. HMFを生ずる反応が1から300 mbarの圧力で行われる、請求項1から9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 出発溶液及びスチームが蒸発器に連続的に給送され、生成物溶液が連続的に引き出されて、連続的に実施される、請求項1から10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 反応容器が薄膜蒸発器である、請求項1から11のいずれか1項に記載の方法。
  13. スチームが出発溶液に対して向流で給送される、請求項1から12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 得られたHMFの60%超が留出物中にある、請求項1から13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 留出物が、2,5-フランジカルボン酸又は2,5-ビス(ヒドロキシメチル)フランを製造するために使用される、請求項1から14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 2,5-フランジカルボン酸及び/又は2,5-ビス(ヒドロキシメチル)フランを製造する方法であって、
    請求項1から15のいずれか1項に記載の方法を使用して、HMFを含有する生成物溶液を製造する工程、及び
    生成物溶液のHMFの一部又は全てから2,5-フランジカルボン酸及び/又は2,5-ビス(ヒドロキシメチル)フランを製造する工程、
    を含む方法。
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