JP6071363B2 - 距離計測装置及び方法 - Google Patents

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Description

本発明は、対象物体体の三次元計測を行う技術に関する。
工業製品の部品等の物体の三次元計測を行う技術は従来から様々な手法が提案されており、その中の一つとして,計測対象物体に所定の投影パターン(縞模様や格子模様)を投影して計測対象物体を撮像し、その撮像画像から各画像位置(画素)と、投影パターンにおける縞の位置との対応を求め、三角測量に基づいて計測対象物体の高さを算出し、計測対象物体の三次元形状を計測するものが高精度で安定した計測法である。
このような三次元計測手法において、計測対象物体が金属部品などの光沢を有する場合、計測対象物体の形状によっては、他の面に投影されたパターン光が計測対象物体間で複数回の反射、すなわち、多重反射が起こる。計測対象物体の表面で一度反射した光を1次反射、計測対象物体の表面で一度反射した光が再度対象物体で反射されるのを2次反射、さらにもう一度対象物体で反射されるのを3次反射などと言い、2次以上の反射のことを多重反射と言う。多重反射は計測対象物体間で相互に発生するため、相互反射とも呼ばれる。多重反射が起こると計測対象物体中に本来は存在しないはずの映り込みが生じる。このような撮像画像に基づいて、三次元計測処理を適用すると、映り込みがノイズとして作用するため、計測精度が低下するおそれがある。
映り込み対策としては、特許文献1にあるように、被検物の表面で多重反射して撮像される投影パターンの一部を減光もしくは消光させる手法が提案されている。具体的には、2種類の異なるパターン光を投影し、それぞれから三次元形状を求める。そして、2つの三次元計測結果に乖離がある領域を、多重反射が発生した領域であると見なす。そして、光線追跡によって多重反射を引き起こす原因となっている面を見つけ出し、その面に対応する投影パターンを消光し、新たに消光したパターンを計測対象物体に投影して得られた撮像画像に基づいて、三次元計測結果を補正している。
特開2008−309551号公報
特許文献1による方法は、多重反射の原因となっている投影パターンの一部を見つけ出すために光線追跡を行っているため、処理が複雑で時間がかかるという問題がある。また、相互反射した領域に対応する投影パターンは消光するため、相互反射した領域は、計測が行えないという問題もある。
本発明は、以上の課題に鑑みてなされたものであり、簡単な処理の繰り返しによって、多重反射の影響を低減し計測精度を向上させることを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明に係る距離計測装置は、例えば、以下のような構成を備える。即ち、計測対象物体にパターンを投影する、少なくとも一つの投影手段と、前記パターンが投影された計測対象物体を撮像する、少なくとも一つの撮像手段と、前記撮像手段で撮像された画像に基づいて、前記投影手段または前記撮像手段から、前記計測対象物体への距離を計測する計測手段と、前記計測された距離が有効であるかを判断する判断手段と、前記投影されたパターンのうち、前記判断手段によって距離が有効であると判断された領域に投影されたパターンの輝度低下させる制御手段とを備える。
本発明によれば、計測対象物体の多重反射領域への距離を精度よく計測することが可能となる。
第1実施形態の距離計測装置の構成例を示す図。 三角測量法による距離計測の原理説明図。 計測対象物体が多重反射の影響を受けた例を示す図。 多重反射光による計測誤差発生メカニズムの説明図。 パターンの一部を消光して投影した例を示す図。 第1実施形態の処理の流れを示すフローチャート。 第2実施形態の距離計測装置の構成例を示す図。 第3実施形態の距離計測装置の構成例を示す図。 多重反射検出用パターンの例を示す図。
[第1の実施形態]
第1の実施形態では、計測対象物体にパターン光を投影するパターン投影部(プロジェクタ)とパターン光が投影された計測対象物体を撮像する撮像部(カメラ)を用いて、計測対象物体の三次元計測を行う。本実施形態において、計測対象物体の三次元計測とは、撮像部または投影部から計測対象物体までの距離を計測することである。本実施形態では、2つの撮像部と1つの投影部を用いて三次元計測(計測対象物体までの距離計測)を行い、計測された距離が有効であるかを判断する。ここで、距離計測値が有効であるとは、計測された距離値が多重反射や画像ノイズによる影響が小さく、距離計測値として許容できる、すなわち、より正確な距離計測値が計測できている状態を示す。詳しくは後述するが、距離計測は、投影部の有する画素ごとに行われる。そのため、有効であるかの判断は、1画素ごとに行われる。いいかえると、投影部の表示素子の1画素に含まれる計測対象物体の領域ごとに、距離計測が行われ、有効かどうか判断される。そして、有効であると判断された領域は、その領域に対応する投影部の表示素子の画素を消光または減光し、投影部の表示素子の一部を消光または減光したパターンを用いて三次元計測を行うことを繰り返す。また、繰り返しの終了判定条件は任意に回数を指定する。
本実施形態では、投影部の表示素子の1画素ごとに、含まれる計測対象物体の距離計測値の有効性を判断するが、本発明は、これに限定されない。例えば、投影部の表示素子の複数の画素ごとに、含まれる計測対象物体の距離計測値の有効性を判断してもよい。また、撮像部の表示素子の1画素または複数の画素ごとに、含まれる計測対象物体の距離計測値の有効性を判断してもよい。
また、本実施形態では、有効であると判断された領域に対応する投影部の表示素子の1画素ごとに、消光または減光を行うが、本発明はこれに限定されない。例えば、投影部の表示素子の複数の画素ごとに、消光または減光を行ってもよい。
図1は、本実施形態における距離計測装置の構成を示している。同図に示すように、本実施形態における構成では、投影部1、撮像部2Aおよび2B、制御・計算処理部3からなる。
投影部1はパターン光、例えばラインパターン光を計測対象物体4に投影する。撮像部2はパターン光が投影された計測対象物体4を撮像する。制御・計算処理部3は、投影部1と撮像部2とを制御し、撮像された画像データを計算処理して計測対象物体4までの距離を計測する。
投影部1は、光源11と、照明光学系12と、表示素子13と、投影光学系14とを備える。光源11は、例えばハロゲンランプ、LEDなど各種の発光素子である。照明光学系12は、光源11から出射された光を表示素子13へと導く機能を有する。光源から出射された光が表示素子13に入射する際に、入射輝度が均一である方がよい。そのため、照明光学系12には、例えば、ケーラー照明や拡散板など輝度の均一化に適した光学系が用いられる。表示素子13は、例えば透過型LCDや反射型のLCOS・DMDなどである。表示素子13は、照明光学系12からの光を投影光学系14に導く際に、透過率、または、反射率を空間的に制御する機能を有する。投影光学系14は、表示素子13を計測対象物体4の特定位置に結像させるように構成された光学系である。このような構成を満たす例として、DLPプロジェクタや回折タイプのプロジェクタを利用してもよい。本実施形態では表示素子と投影光学系とを備える投影装置の構成を示したが、スポット光と2次元走査光学系とを備える投影装置を用いることも可能である。
撮像部2Aおよび2Bはそれぞれ、撮像レンズ21と、撮像素子22とを備える。撮像レンズ21は、計測対象物体4の特定位置を撮像素子22上に結像させるよう構成された光学系である。撮像素子22は、例えばCMOSセンサ、CCDセンサなど各種光電変換素子である。
制御・計算処理部3は、投影パターン制御部31と、画像取得部32と、距離算出部33と、有効性判断部34と、繰り返し制御部35と、パラメータ記憶部36とを備える。制御・計算処理部3のハードウェアは、CPU、メモリ、ハードディスクなどの記憶装置、入出力用の各種インタフェース等を具備する汎用のコンピュータ(ハードウェア)から構成される。また、制御・計算処理部3のソフトウェアは、本発明に係る距離計測方法をコンピュータに実行させる距離計測プログラムを備える。
CPUが距離計測プログラムを実行することにより、投影パターン制御部31、画像取得部32、距離算出部33、有効性判断部34、繰り返し制御部35およびパラメータ記憶部36の各部を実現している。
投影パターン制御部31は、後述する投影パターンを生成して、記憶装置に予め記憶する。また、必要に応じて記憶した投影パターンのデータおよび後述する有効性判断結果を読み出し、例えば、DVIのような汎用的なディスプレイ用インタフェースを介して投影パターンデータを投影部1に伝送する。さらに、RS232CやIEEE488などの汎用の通信インタフェースを介して投影部1の動作を制御する機能を有する。なお、投影部1では、伝送された投影パターンデータに基づいて表示素子13に投影パターンを表示する。投影する計測用のパターンの例としては、空間符号化法によるグレイコードや、位相シフト法による正弦波パターンなどが挙げられる。
画像取得部32は、撮像部2で標本化ならびに量子化されたデジタルの画像信号を取り込む。さらに、取り込んだ画像信号から各画素の輝度(濃度値)で表される画像データを取得してメモリに記憶する機能を有する。なお、画像取得部32は、RS232CやIEEE488などの汎用の通信インタフェースを介して撮像部2の動作(撮像のタイミングなど)を制御する機能を有する。
画像取得部32と投影パターン制御部31とは互いに連携して動作する。表示素子13へのパターン表示が完了すると、投影パターン制御部31は、画像取得部32に信号を送信する。画像取得部32は、投影パターン制御部31から信号を受信すると撮像部2を動作させ、画像撮像を実施する。画像撮像が完了すると、画像取得部32は投影パターン制御部31に信号を送信する。投影パターン制御部31は画像取得部32から信号を受信すると、表示素子13に表示する投影パターンを次の投影パターンに切り替える。これを順次繰り返すことで、全ての投影パターンの撮像を実施する。
距離算出部33では、距離計測用パターンの撮像画像、パラメータ記憶部36に格納されているパラメータを用いて、投影部1または撮像部2から、計測対象物体4までの距離を算出する。
有効性判断部34は、計測された領域への距離計測値が正しく信頼性のあるものであるかの有効性を各点または領域ごとに判断する。また有効性判断結果をパラメータ記憶部36に送り、これを用いて投影するパターンの更新を行う。
繰り返し制御部35は、計測対象物体にパターンを投影し、それを撮像した結果から距離算出を行い、距離算出結果の有効性を判断し、それに基づいて投影パターンを更新する一連の流れを、終了判定条件を満たすまで繰り返し行うように制御する。第1の実施形態ではユーザが指定した任意回数を繰り返したら終了するものとする。
パラメータ記憶部36は、三次元的な距離を算出するのに必要なパラメータを格納する。パラメータとしては、投影部1と撮像部2Aおよび2Bとの機器パラメータ、投影部1と撮像部2Aおよび2Bとの内部パラメータ、投影部1と撮像部2Aおよび2Bとの外部パラメータ、投影パターンのパラメータがある。また、パラメータ記憶部36は有効性判断部34で得られた有効性判断結果を格納し、投影パターン制御部31で投影パターンを更新する際に用いる。
投影部1と撮像部2Aおよび2Bとの機器パラメータは、表示素子の画素数、撮像素子の画素数である。投影部1と撮像部2Aおよび2Bとの内部パラメータは、焦点距離、画像中心、ディストーションによる画像歪みの係数などである。投影部1と撮像部2Aおよび2Bとの外部パラメータは、投影部1と撮像部2Aおよび2Bとの相対位置関係を表す並進行列と回転行列である。投影パターンのパラメータは、距離計測用パターン、消灯・減光用マスクパターンに関する情報である。有効性判断結果は、表示素子の画素に対して有効か無効かを格納したデータである。
本実施形態では、投影部1、撮像部2Aおよび2Bともにピンホールカメラモデルで近似されるものとして説明する。ただし、本発明が適用できるカメラモデルはピンホールカメラに限られるものではない。
図2を参照して、三角測量法による距離計測の原理を説明する。撮像部のレンズ中心をCc、画像平面をIc、焦点距離をfc、画像中心ccのピクセル座標を(uco,vco)、撮像素子の画素サイズをPscとすると、撮像部の内部行列Acは以下の式(1)のように記述される。
Figure 0006071363
また、投影部のレンズ中心をCp、画像平面をIp、焦点距離をfp、画像中心cpのピクセル座標を(upo,vpo)、表示素子の画素サイズをPspとすると、投影部の内部行列Apは以下の式(2)のように記述される。
Figure 0006071363
撮像部の内部行列Acと投影部の内部行列Apは公知の技術である内部パラメータのキャリブレーション方法を用いることで算出される。
撮像部のカメラ座標系XYZと投影部のカメラ座標系XpYpZp間の相対位置関係を表す外部パラメータは回転行列Rと並進行列Tである。回転行列Rは3×3の行列であり、並進行列Tは3×1の行列である。回転行列Rと並進行列Tとは公知の技術である外部パラメータのキャリブレーション方法を用いることにより算出される。
撮像部のカメラ座標系を原点とする3次元空間中の点Mの座標を(X,Y,Z)とする。点Mを撮像部の画像平面Icに射影した点mcのピクセル座標を(uc,vc)とする。その対応関係は以下の式(3)で記述される。
Figure 0006071363
sはスカラーである。また、同一点Mを投影部の画像平面Ipに射影した点mpのピクセル座標を(up,vp)とする。その対応関係は以下の式(4)で記述される。
Figure 0006071363
s’はスカラーである。上記を式(3)、式(4)を展開すると以下の式(5)で示す4つの連立方程式となる。
Figure 0006071363
点mcのピクセル座標(uc,vc)と点mpのピクセル座標(up,vp)とは、背景技術で説明した種々のパターン投影法を用いることで求められる。また、Cij(i=1〜3、 j=1〜4)、Pij(i=1〜3、j=1〜4)は、内部行列と外部パラメータとから算出されるため、予めキャリブレーションにより求められている。式(5)において点Mの座標値(X、Y、Z)のみが未知数であり、連立方程式を解くことでこれを求めることができる。なお、求める未知数である点Mの座標値は(X,Y,Z)の3つであるため、投影部のピクセル座標値(up,vp)のいずれか一方を求めれば、点Mの座標値を算出することができる。以上が三角測量法に基づく距離計測の原理である。
第1の実施形態では撮像部であるカメラが2台ある場合を想定しているが、投影部1と撮像部2Aおよび2Bのそれぞれに対して上記の三角測量法に基づく距離計測を行う。また、投影部に対応する点mpのピクセル座標(up,vp)の代わりに、もう一方の撮像部のピクセル座標との対応関係を考えることによって、撮像部2Aと2B間における三角測量法に基づいて距離計測を行うことができるため、投影部1と撮像部2A、投影部1と撮像部2B、撮像部2Aと撮像部2Bの合計3つの距離計測結果を得ることができる。ただし、2つの撮像部間のピクセルの対応は、例えば、投影部との対応を介して取ることができる。ただし、これに限るものではなく、以下の文献に示すような二眼ステレオにおける様々なマッチング手法を用いて撮像部2Aと2B間の対応を求めてもよい。
D. Scharstein and R. Szeliski, “A taxonomy and evaluation of dense two−frame stereo correspondence algorithms,”IJCV, vol. 47, no. 1, 2002
多重反射光が発生しない、あるいは、発生しても影響が顕在化しない場合には、上述の三角測量法で計測対象物体の距離計測を行うことができる。しかし、多重反射光が発生して影響が顕在化すると計測誤差を生じる。例えば図3に示すように、計測対象物体4に対して、パターン光Pt1を投影した場合、撮像部ではO1のように観測され、R1の部分に多重反射の影響が見られる。
図4を参照して、多重反射光による計測誤差発生のメカニズムを説明する。図4では、簡単のためにX軸とZ軸の2次元断面図の形式で説明する。
投影部1のレンズ中心Cpから画像平面Ip上の点up1を通過する方向に出射した光線L1は計測対象物体4上の点P1に入射する。点P1で反射された光は撮像部2の画像座標と点uc1で交わり、レンズ中心Ccへと入射する。
投影部1のレンズ中心Cpから画像平面Ip上の点up2を通過する方向に出射した光線L2は計測対象物体4上の点P2に入射する。点P2で反射された光は点P1で2次反射される。その後、撮像部2の画像座標上の点uc1で交わり、撮像部1のレンズ中心Ccへと入射する。2次反射が起こると、本来は投影部1のレンズ中心Cpから出射した光が、点P2から出射したかのように振舞う。
計測対象物体の光沢性が低く、多重反射の影響が少ない場合には、撮像部2で観測される輝度はL1による反射光が支配的となる。ピクセル座標値がup1であると正しく検出されるため、距離計測結果も正しいZtとなる。
一方、計測対象物体の光沢性が高く、入射角と反射角が等しくなるような正反射方向で反射光が観測され、多重反射の影響が大きい場合には、L2による反射光が支配的となる。このとき、ピクセル座標値がup2であると誤検出されるため、計測点がPeにあるものとして計測されてしまう。距離計測結果はZeとなり、ΔZ=Zt−Zeだけの誤差を生じる。
実際には、図4で示した2次反射光だけでなく、3次以上の反射光も存在し、より複雑な計測誤差が発生することある。以上が多重反射光による計測誤差発生のメカニズムの説明である。
これに対し本発明では、有効性判断部によって多重反射の影響を受けず、有効であると判断された領域に対応する投影パターン部分を消光または減光し、更新したパターンで投影・撮像・距離計測・判断を繰り返し行うことで、多重反射の発生を低減させながら計測できる領域を拡大していく。
具体例を図5に示す。V1は図3に示した観測画像O1などを用いて三次元計測を行い、有効性判断部によって、有効であると判断した領域を表している。一方V2は多重反射などの影響により、無効であると判断した領域を表している。投影パターンの更新は、図3のPt1に対して、計測対象物体の有効であると判断されたV1の領域を消光または減光し、図5のPt2にパターンにすることである。Pt2のような更新された投影パターン群を用いて、再び投影、撮像することによって、O2のような観測画像を得ることができ、結果として多重反射の影響を受けない三次元計測が可能となる。
図6のフローチャートを参照して、第1実施形態に係る多重反射領域の計測までの全体の流れを説明する。
(工程S1)
工程S1では投影部1から計測対象物体4に対して計測用のパターン群を投影し、撮像部2Aおよび撮像部2Bによって計測対象物体4を撮像する。各撮像部で撮像が完了すると、計測用の次のパターンが投影されて撮像する。計測用のパターン群が全て投影・撮像されるまで繰り返される。計測用のパターンは例えばグレイコードが挙げられるが、これに限られるものではない。撮像されたデータは画像取得部32に送られる。
(工程S2)
工程S2では撮像画像に基づいて、上述した三角測量法を用いて、領域ごとに投影部1と撮像部2A、投影部1と撮像部2B、撮像部2Aと撮像部2Bの合計3つの距離計測結果が算出される。
(工程S3)
工程S3では3つの距離計測結果に基づいて、各領域における距離計測結果が有効であるかを判断する。各領域における3つの距離計測値が一致していれば、多重反射による影響などがなく、有効な距離計測結果であると判断することができる。なぜなら、光沢性が高い計測対象物体の多重反射の影響は、観測する視点の方向において異なるため、異なる撮像部(異なる視点)で観測すれば、多重反射の影響の有無が判別できるためである。また多重反射以外の影響、例えばランダムに発生した画像ノイズなどで、3つの距離計測値が一致しない場合は、距離計測結果が無効であると見なす。
ただし、たとえ多重反射や画像ノイズなどの影響が全く無い場合でも複数の距離計測系において距離計測値が完全には一致しないことがある。なぜなら理想状態(シミュレーション)でない場合、事前にキャリブレ―ションによって求める投影部や撮像部の内部・外部パラメータが、僅かな誤差を含む可能性があるためである。前述の三角測量の原理で説明したように、投影部や撮像部の内部・外部パラメータを用いて距離値を算出するため、内部・外部パラメータの誤差が距離計測値の誤差として現れてしまう。
キャリブレーションの誤差はキャリブレーションをやり直す以外に、誤差を取り除いたり補正したりすることは難しい。そこで、キャリブレーションの誤差による複数の距離計測系における距離計測値の不一致への対策として、ある投影部と撮像部(例えば投影部1と撮像部2A)の位置姿勢をキャリブレーションの基準として定め、そこからの許容範囲を設定することで解決する。ただし、この基準は、真値とは異なる可能性があるが、キャリブレーションの誤差を取り除いたり補正したりできないため、距離計測値の一致不一致を判定する方法としては最善であると考えられる。具体的には、求めた内部・外部パラメータを用いて、キャリブレーション用のデータに対して再投影を行い、キャリブレーションによる距離計測結果の誤差を算出し、それに基づいて距離計測値が一致していると見なせる基準からの許容範囲を定める。また、この場合、距離が一つの計測値に定まらないため、基準とする系の値を代表値とする。ただし、これに限るものではなく、代表値を平均値や中央値で定めてもよい。
(工程S4)
工程S4では、有効性判断結果に基づいて、投影パターンのうち、距離計測値が有効であると見なされた領域に対応する部分を、消光または減光するように投影パターンを更新する。距離計測値が有効である領域に関しては、所望の距離計測値が得られているため、以降の繰り返し処理の中では処理を行う必要はない。そして、その領域を照らしているパターン光を、消光または減光する。その領域で反射したパターン光が、計測対象物体内の他の面を照らす多重反射の原因となっていた場合には、次の繰り返し処理で更新した投影パターンを投影することで、その多重反射の影響を取り除くことができる。ただし、投影パターンの更新方法は消光や減光に限らず、有効であると見なされた領域を照らす光の影響が、相対的に弱まる方法でありさえすればよい。例えば、距離計測値が有効ではないと判断された領域に対応する投影パターン部を増光させてもよい。
(工程S5)
工程S5では、終了判定条件を満たすかどうかを判定し、満たす場合は工程S6へ進み、満たさない場合は工程S1へ戻り、工程S4で更新した投影パターンを用いて処理を繰り返す。す第1実施形態では終了判定条件を任意の指定回数N回繰り返していることとする。よって繰り返し回数がN−1回以下の場合は工程S1へ戻り、N回の場合は工程S6へ進む。複数回繰り返し処理を行うことによって、3次以上の多重反射の影響を取り除いたり、画像ノイズなどの影響を受けにくくしたりすることが可能である。また任意の回数(1回繰り返しを含む)に指定できるため、現場のタクトタイムに合わせて処理を行うことができる。
繰り返して工程S1へ戻った場合は、工程S4で更新された投影パターン群を投影して撮像を行い、工程S1〜S4の各工程を1回実行し、工程S5の終了判定条件を満たすかどうか判定し、終了判定条件を満たすまで繰り返す。
(工程S6)
工程S6では、距離計測結果の統合を行う。繰り返し処理を行っている間、新たに距離計測値が有効であると見なされた領域における、距離計測値が得られるので、その値を保持しておく。一度有効であると見なされた領域は、その距離計測値を保持して対応付けられた後、繰り返しの間に処理が行われることはない。よってi番目の繰り返しの際に新たに距離計測値が有効であると見なされた領域への距離計測値を保持しておけば、工程S6では、N個の距離計測値のデータを統合すれば、計測対象物体の距離計測値が得られる。ただし、本発明はこれに限られるものではなく、繰り返し処理の間(例えば工程S5の終了判定条件を判定する時など)に、新たに距離計測値が有効であると判断された領域への距離計測値を、距離計測結果のデータに加えていってもよい。その場合は、工程S6に進んだ時点で距離計測結果は既に統合済みとなっている。
以上で処理が終了する。
第1の実施形態によれば、多重反射の影響を受けず有効な距離計測値が得られた領域に対応する投影パターンの画素を消光または減光することで、多重反射の影響を低減しながら、繰り返し処理によって有効な距離計測値が得られる領域を増やしていくことができる。
第1の実施形態では、撮像部を2つ用いる例を紹介した。本発明はこの例に限られるものではなく、撮像部を任意の複数個用いてもよい。その場合は、3つ以上の距離計測結果が得られるが、投影部と撮像部の全ての組合せによって距離計測結果を算出する必要はなく、任意のM通りの組合せで三角測量による距離計測を行ってもよい。また、工程S3の有効性の判断において、M通り全ての距離計測値が一致する必要はなく、一定の個数または割合で一致すれば、それを有効な距離計測値として見なしてよい。
以上が、本発明の第1の実施形態に係る距離計測装置の説明である。
[第2の実施形態]
第2の実施形態では、有効性判断手段として、投影部2つと撮像部1つを用いて三次元計測を行い、計測された領域への距離が有効であるかを判断する。図7は第2の実施形態に係る距離計測装置の概略構成である。第1の実施形態で説明した図1とほぼ同様であるが、本実施形態では、投影部を2つ(投影部1Aおよび1B)、撮像部を1つ(撮像部2)を用いる点が異なる。第2の実施形態のフローチャートは、第1の実施形態で説明した図6とほぼ同様であるため、同様の処理に関しては説明を省略し、差異がある工程S1に関して説明する。
第2の実施形態における工程S1では、投影部1Aおよび1Bから計測対象物体4に対して計測用のパターン群を投影し、撮像部2によって計測対象物体4を撮像する。このとき、投影部1Aと1Bがそれぞれ投影したパターンを撮像部で混同しないように、1つずつ順番に投影を行い撮像する。ただし、これに限らず、パターンを混同しないように、光源の多重化を行い、例えば投影部1Aと1Bから投影するパターン光を別の色にするなどしてもよい。撮像部で撮像が完了した後の流れは第1の実施形態と同様であるため省略する。
三角測量法を適用する範囲の説明に関する補足について説明する。
第2の実施形態では、投影部が2つある場合を想定しているが、投影部1Aおよび1Bと撮像部2のそれぞれに対して上記の三角測量法に基づく距離計測を行う。また、撮像部に対応する点mcのピクセル座標(uc,vc)の代わりに、もう一方の投影部のピクセル座標との対応関係を考えることによって、投影部1Aと1B間における三角測量法に基づいて距離計測を行うことができる。そのため、投影部1Aと撮像部2、投影部1Bと撮像部2、投影部1Aと投影部1Bの合計3つの距離計測結果を得ることができる。ただし、2つの投影部間のピクセルの対応は、例えば、撮像部との対応を介して取ることができる。
このようにして3つの距離計測結果を得ることで、工程S2〜S6の処理は第1実施形態とほぼ同じように行うことができるため、説明を省略する。
第2の実施形態では、投影部を2つ用いる例を紹介した。本発明はこの例に限られるものではなく、第1の実施形態で述べたのと同様に、投影部を任意の複数個用いてもよい。
以上が、本発明の第2の実施形態に係る距離計測装置の説明である。
[第3の実施形態]
第3の実施形態では、有効性判断手段として、投影部1つと撮像部1つを用いて複数の異なる投影パターン群を投影して三次元計測を行い、計測された領域への距離が有効であるかを判断する。図8は第3の実施形態に係る距離計測装置の概略構成である。第1の実施形態で説明した図1および第2の実施形態で説明した図6とほぼ同様であるが、本実施形態では、投影部を1つ(投影部1)、撮像部を1つ(撮像部2)しか用いない点が異なる。第3の実施形態のフローチャートは、第1の実施形態で説明した図6とほぼ同様であるため、同様の処理に関しては説明を省略し、差異がある工程S1や工程S3に関して説明する。
第3の実施形態における工程S1では、投影部1から計測対象物体4に対して複数の異なる計測用のパターン群を順次投影し、撮像部2によって計測対象物体4を順次撮像する。この時、異なる計測用のパターンとは、例えばグレイコードや以下の文献に示すような、XOR−04コードやGray codes with maximum min−SWなどを用いたり、異なる周期の位相シフトパターンを用いたりしてもよい。計測用のパターン群が変われば、多重反射の影響も変化するため、多重反射が発生する領域では投影パターン群に応じて距離計測値が異なる。そして、工程S3の有効性判断部において、それぞれの距離計測値が一致しているかどうかを確認することで、注目している領域への距離計測結果が有効であるかを判断できる
M. Gupta, A. Agrawal, A. Veeraraghavan, and S. G. Narasimhan, “Structured light 3D scanning in the presence of global illumination,” CVPR2011, pp713−720, 2011
工程S3において、第1の実施形態ではキャリブレーション時の誤差によって3つの距離計測値が完全には一致しない場合について説明した。第3の実施形態においては、投影部と撮像部が1つずつしかないため、キャリブレーションの誤差によって一致しない場合は起こり得ない。そのため、算出された距離計測値そのものを用いて有効性の判断を行うことができる。
三角測量法を適用する範囲の説明に関する補足について説明する。
第3の実施形態では投影部と撮像部がそれぞれ1つで、複数の異なる投影パターン群を投影する場合を想定しているが、それらの異なる複数の投影パターン群それぞれに対して上記の三角測量法に基づく距離計測を行う。よって、異なる投影パターン群の数だけ距離計測結果を得ることができる。 このようにして複数の距離計測結果を得ることで、工程S2〜S6の処理は第1の実施形態とほぼ同じように行うことができるため、説明を省略する。
以上が、本発明の第3実施形態に係る距離計測装置の説明である。
[第4の実施形態]
第4の実施形態では、有効性判断手段として、投影部1つと撮像部1つと1組の投影パターン群を投影して三次元計測を行い、計測対象物体の形状に関する情報を利用して、計測された領域への距離計測値が有効であるかを判断する。第4の実施形態に係る距離計測装置の概略構成は、第3の実施形態で説明した図8と同様であるため説明を省略する。第4の実施形態のフローチャートは第3の実施形態で説明した図6とほぼ同様であるため、同様の処理に関しては説明を省略し、差異がある工程S1と工程S3に関して説明する。
第4の実施形態における工程S1では第3の実施形態と同様に投影部と撮像部1つずつの構成であるが、計測用のパターン群は複数ではなく1つ投影するだけでよい。
工程S3において、第1〜3の実施形態では複数の距離計測値が一致するかどうかで有効性の判断を行っていたが、第4の実施形態では、計測対象物体に関する形状の情報を用いて有効性を判断する。例えば計測対象物体のCADモデルが既知であるとして、距離計測値との位置合わせを行い、CADモデルとの誤差が閾値以下である領域への距離計測値が有効であると判断する。ただし、上記の有効性判断方法は距離計測結果に対してCADモデルの位置姿勢ずれがなく、形状計測誤差による影響がある場合のみ用いることができる。もし、CADモデルの位置姿勢のずれが生じている場合には、距離計測結果の信頼度が高い点を用いてCADモデルの位置合わせをやり直して、位置姿勢のずれを可能な限り小さくしてから有効性の判断を行うことが望ましい。信頼度の高い点の選び方は、特定の方法に限定されるものではなく、例えばユーザが任意に指定しても良いし、その点が観測された画像輝度の情報に基づいて選んでも良い。
第4の実施形態では、計測対象物体のCADモデルを用いて有効性を判断する例を紹介した。本発明はこの例に限られるものではなく、計測対象物体が平面ばかりで構成されているならば、距離計測結果に対して領域毎に平面度を検査して有効性を判断してもよい。また、計測対象物体の法線や曲率の分布やエッジ位置などの情報が得られている場合は、それらに基づいて有効性を判断してもよい。
以上が、本発明の第4の実施形態に係る距離計測装置の説明である。
[第5の実施形態]
第5の実施形態では、有効性判断手段として、投影部1つと撮像部1つを用いて計測用投影パターンを投影して三次元計測を行った後、多重反射判定用パターンを投影して、多重反射が起きているかどうかを判定する。そして、計測された領域への距離計測値が有効であるかを判断する。第5の実施形態に係る距離計測装置の概略構成は、第3の実施形態で説明した図8と同様である。第5実施形態のフローチャートは第3実施形態で説明した図6とほぼ同様であるため、同様の処理に関しては説明を省略し、差異がある工程S1と工程S3に関して説明する。
第5の実施形態における工程S1では、1つの計測用パターン群を投影し、さらに、多重反射検出用パターンの投影を行う。ここで、多重反射検出用のパターンとは、例えば投影部と撮像部の幾何配置から求められる投影部の画像平面上のエピポーララインと略平行な縞パターンなどである。図9に示すように、計測用パターンの1つPt1に対して、多重反射検出用パターンとして投影部におけるエピポーララインに略平行な縞パターンPt3を投影した計測対象物体を撮像部で観測すると、O3のように1次反射光は奥行きによらず同じ縞パターンとして観測される特性を持つ。一方で、O3のR2のように、投影した縞パターンが一度物体表面内で反射してから観測される2次以上の反射光は、この縞パターンとは異なる角度のラインとして撮像される。このようなエピポーララインの特性を利用して、工程S3では縞パターンと異なる角度のラインが観測される部分は、多重反射が観測されているとして、対応する距離計測値を無効であると見なす。逆に、縞パターンと同じ角度のラインが観測される部分は、対応する距離計測結果を有効であるとする。
以上が、本発明の第5実施形態に係る距離計測装置の説明である。
[第6の実施形態]
第6の実施形態では、工程S5における終了判定条件として、任意の総計測時間Tを経過していることとする。よって計測時間Tを越えていなければ工程S1へ戻り、工程S4で更新した投影パターンを用いて処理を繰り返し、Tを越えていれば、工程S6へ進む。第6の実施形態に係る距離計測装置の概略構成は第1の実施形態で説明した図1と同様であり、フローチャートも第1の実施形態で説明した図6と同様であるため、説明を省略する。
以上が、本発明の第6の実施形態に係る距離計測装置の説明である。
[第7の実施形態]
第7の実施形態では、工程S5における終了判定条件として、指定された距離計測結果が得られていることとする。例えば、指定された領域の距離計測点の数が一定数を越えていなければ工程S1へ戻り、工程S4で更新した投影パターンを用いて処理を繰り返し、一定数を越えていれば、工程S6へ進む。第7の実施形態に係る距離計測装置の概略構成は第1の実施形態で説明した図1と同様であり、フローチャートも第1の実施形態で説明した図6と同様であるため、説明を省略する。
第7の実施形態では、指定された領域の距離計測点の数を終了判定条件の判定基準とする例を紹介した。本発明はこの例に限られるものではなく、ユーザに距離計測結果を提示して、繰り返しを行うかどうかをインタラクティブに決定してもよいし、距離計測結果が別のシステムの入力として適切であるかどうかで判定してもよい。
以上が、本発明の第7の実施形態に係る距離計測装置の説明である。
[第8の実施形態]
第8の実施形態では、工程S5における終了判定条件として、過去の距離計測結果と今回新たに計測した距離計測結果との比較に基づいて判定を行う。例えば、N回繰り返して得られた距離計測結果において、N−1回目の距離計測結果と比較して、新たに計測できた点の数や割合などが一定の基準を越えていれば工程S1へ戻り、工程S4で更新した投影パターンを用いて処理を繰り返す。一定の基準を下回り収束していると見なされれば、工程S6へ進む。第8の実施形態に係る距離計測装置の概略構成は第1の実施形態で説明した図1と同様であり、フローチャートも第1実施形態で説明した図6と同様であるため、説明を省略する。
第8の実施形態では、N回繰り返して得られた距離計測結果において、N−1回目の距離計測結果と比較する例を紹介した。本発明はこの例に限られるものではなく、過去のいずれかK回目の距離計測結果との比較を行ってもよいし、過去の複数の距離計測結果に基づいて判定してもよい。
以上が、本発明の第8の実施形態に係る距離計測装置の説明である。
[その他の実施形態]
前半に述べた第2〜5の実施形態は、いずれも有効性判断を行う方法に関する変形例である。一方、後半に述べた第6〜8の実施形態は、繰り返し計測における終了判定条件に関する変形例である。これらの有効性判断と終了判定条件は互いに独立に変更させることができるため、第1の実施形態に対して、第2〜5実施形態と第6〜8の実施形態を自由に組み合わせた例として実施してもよい。
また、第1の実施形態と第2の実施形態を組合せて、投影部と撮像部を共に複数備えてもよいし、さらに第3の実施形態とも組合せて、複数の投影部と撮像部と投影パターンを用いてもよい。このように、第1の実施形態と第2〜5の実施形態をいくつか組み合わせて有効性判断を行ってもよいし、第6〜8実施形態を組合せたり、AND条件OR条件などを用いたりして終了判定条件としてもよい。
本発明における第1〜8実施形態において、計測用の投影パターンは例えばグレイコードが挙げられるが、これに限られるものではないことはすでに述べたとおりである。ここでは様々な多重反射への対策という観点で最良の形態となる計測用のパターンについて述べる。光沢性の高い計測対象物体においては、1次反射や2次反射と言っても、その反射方向によって明るさが異なる。例えば光の入射角度と反射角度が等しく正反射方向に反射した光は鏡面反射成分と呼ばれ、他の方向に反射した光(拡散反射成分)に比べ非常に明るく、多重反射した際の影響が大きい。本発明における第1の第2実施形態では他の実施形態と比べて、特にこの多重反射の鏡面反射成分による影響への対処に優れている。なぜなら、第1、第2の実施形態では複数の距離計測系を用いて正反射方向以外の観測を行うことで鏡面反射成分を避けているためである。
一方で、拡散反射成分による多重反射の影響はあまり大きく無いが、計測対象物体の形や投影部、撮像部の位置姿勢関係によっては、三次元計測結果の精度を悪くする恐れがある。多重反射の拡散反射成分への対策としては、以下の文献に示されているように、XOR−04コードのような高周波な(縞の太さが細い)縞パターン群を計測用のパターンとして用いることで、その影響を低減することができる。
M. Gupta, A. Agrawal, A. Veeraraghavan, and S. G. Narasimhan, “Structured light 3D scanning in the presence of global illumination,” CVPR2011, pp713−720, 2011
よって、第1、第2実施形態において、計測用パターン群の最良の形態は、投影する計測用パターンを高周波な縞パターン群とすることである。つまり、多重反射の鏡面反射成分と拡散反射成分の両方の影響を低減しながら計測できる領域を拡大できるため、非常に本発明との相性が良い。
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。また、そのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して提供してもよい。
<実施形態の効果>
第1の実施形態では、投影部と複数の撮像部を用いて、多重反射領域の距離計測を行う。複数の撮像部で計測した結果から距離計測結果を複数求めることで、距離計測結果の有効性を判断する。距離計測値が有効であると判断された領域に対応する投影パターンを消光または減光することによって、次の計測時には、多重反射の影響を低減し、有効な距離計測を行える領域を拡大することができる。特に、第1の実施形態では撮像部を複数用いるため、多くの入力画像が得られ、ロバストかつ計測精度を上げることができる。
第2の実施形態では、撮像部と複数の投影部を用いて、多重反射領域の距離計測を行う。光源の多重化によって複数の投影部で投影することで、計測対象物体をより明るく撮像し、電流ノイズなどの影響を受けにくく、より精度の高い計測を行うことができる。
第3の実施形態では、投影部から異なる計測用パターン群を投影して、多重反射領域の距離計測を行う。このようにすると投影部と撮像部1つずつという少ないハードウェア構成で計測を行うことができる。
第4の実施形態では、計測対象物体の形状に関する情報に基づいて距離計測結果の有効性を判断し、多重反射領域の距離計測を行う。このようにすると投影部と撮像部1つずつという少ないハードウェア構成で計測を行うことができ、一回の計測に必要な投影撮像枚数も計測用パターン群の枚数だけでよい。
第5の実施形態では、多重反射検出用のパターンを投影することで距離計測結果の有効性を判断し、多重反射領域の距離計測を行う。このようにすると投影部と撮像部1つずつという少ないハードウェア構成で計測を行うことができ、一回の計測に必要な投影撮像枚数も計測用パターン群の枚数と多重反射検出用のパターンだけでよい。また、多重反射が検出される領域を容易に視覚的に捉えることができる。
第6の実施形態では、計測にかかる総時間に応じて繰り返しを終了させて、多重反射領域の距離計測を行う。このようにすると、計測にかかる時間を簡単に見積もることができるため、現場のタクトタイムに合わせて、柔軟にシステムを導入することができる。
第7の実施形態では、距離計測結果に基づいて繰り返しを終了させて、多重反射領域の距離計測を行う。このようにすると、必要な部分の計測が終わり次第繰り返しを終了させられるため、計測目的に対して効率よく計測を終えることができる。
第8の実施形態では、過去の計測結果に基づいて繰り返しを終了させて、多重反射領域の距離計測を行う。このようにすると、ある計測環境において本システムを用いて計測対象物体を計測した場合の計測可能な領域の限界を知ることができる。
1 投影部
11 光源
12 照明光学系
13 表示素子
14 投影光学系
2A 撮像部
21A 撮像レンズ
22A 撮像素子
2B 撮像部
21B 撮像レンズ
22B 撮像素子
3 制御・計算処理部
31 投影パターン制御部
32 画像取得部
33 距離算出部
34 有効性判断部
35 繰り返し制御部
36 パラメータ記憶部
4 計測対象物体

Claims (12)

  1. 計測対象物体にパターンを投影する、少なくとも一つの投影手段と、
    前記パターンが投影された前記計測対象物体を撮像する、少なくとも一つの撮像手段と、
    前記撮像手段で撮像された画像に基づいて、前記投影手段または前記撮像手段から、前
    記計測対象物体への距離を計測する計測手段と、
    前記計測された距離が有効であるかを判断する判断手段と、
    前記投影されたパターンのうち、前記判断手段によって距離が有効であると判断された領域に投影されたパターンの輝度低下させる制御手段とを備えることを特徴とする距離計測装置。
  2. 前記投影手段として、第1の投影手段と、該第1の投影手段とは異なる位置から投影を行う第2の投影手段とを備え、
    前記計測手段は、前記第1の投影手段によりパターンが投影された前記計測対象物体を撮像した第1の撮像画像に基づいて前記計測対象物体までの距離を計測し、前記第2の投影手段によりパターンが投影された前記計測対象物体を撮像した第2の撮像画像に基づいて、前記計測対象物体までの距離を計測し、
    前記判断手段は、前記第1の撮像画像に基づいて計測された前記計測対象物体までの距離と前記第2の撮像画像に基づいて計測された前記計測対象物体までの距離が一致しているかに基づいて、前記計測された距離が有効であるかを判断することを特徴とする請求項1に記載の距離計測装置。
  3. 前記撮像手段として、第1の撮像手段及び前記第1の撮像手段とは異なる位置で撮像を行う第2の撮像手段を備え、
    前記計測手段は、前記投影手段によりパターンが投影された前記計測対象物体を前記第1の撮像手段により撮像した第1の撮像画像に基づいて前記計測対象物体までの距離を計測し、前記投影手段によりパターンが投影された前記計測対象物体を前記第2の撮像手段により撮像した第2の撮像画像に基づいて前記計測対象物体までの距離を計測し、
    前記判断手段は、前記第1の撮像画像に基づいて計測された前記計測対象物体までの距離と前記第2の撮像画像に基づいて計測された前記計測対象物体までの距離が一致しているかに基づいて、前記計測された距離が有効であるかを判断することを特徴とする請求項1に記載の距離計測装置。
  4. 前記投影手段は、前記計測対象物体に、複数のパターンを順次投影し、
    前記撮像手段は、前記パターンが順次投影された計測対象物体を、前記パターンごとに順次撮像し、
    前記計測手段は、前記撮像されたそれぞれの画像に基づいて、前記計測対象物体への距離をそれぞれの画像ごとに計測し、
    前記判断手段は、前記撮像されたそれぞれの画像ごとに計測された距離が一致しているかに基づいて、前記計測された距離が有効であるかを判断することを特徴とする請求項1に記載の距離計測装置。
  5. 前記判断手段は、前記計測対象物体の形状に関する情報に基づいて、前記計測対象物体までの距離が有効であるかを判断することを特徴とする請求項1に記載の距離計測装置。
  6. 更に、請求項1に記載の各手段を1回実行した後に、予め定められた終了判定条件を満たすかどうかを判定する終了判定手段を備え、前記終了判定手段によって終了判定条件を満たさないと判定された場合に、前記投影手段、前記撮像手段、前記計測手段、前記判断手段、前記制御手段、の一連の処理を少なくとも1回繰り返して実行することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の距離計測装置。
  7. 前記終了判定手段は、前記投影手段、前記撮像手段、前記計測手段、前記判断手段、前記制御手段、により行われる一連の処理の繰り返し回数に基づいて、判定を行うことを特徴とする請求項6に記載の距離計測装置。
  8. 前記終了判定手段は、前記投影手段、前記撮像手段、前記計測手段、前記判断手段、前記制御手段、により行われる一連の処理に要する時間に基づいて、判定を行うことを特徴とする請求項に記載の距離計測装置。
  9. 前記終了判定手段は、前記投影手段、前記撮像手段、前記計測手段、前記判断手段、前記制御手段、により行われる処理の結果に基づいて、判定を行うことを特徴とする請求項に記載の距離計測装置。
  10. 前記終了判定手段は、前記投影手段、前記撮像手段、前記計測手段、前記判断手段、前記制御手段、により行われた過去の計測結果と、今回の計測結果とに基づいて、判定を行うことを特徴とする請求項に記載の距離計測装置。
  11. 投影手段と、撮影手段と、計測手段と、判断手段と、制御手段とを備える距離計測装置の制御方法であって、
    投影手段が、計測対象物体にパターンを投影する投影工程と、
    撮像手段が、前記パターンが投影された前記計測対象物体を撮像する撮像工程と、
    計測手段が、前記撮像工程において撮像された画像に基づいて、前記計測対象物体までの距離を計測する計測工程と、
    判断手段が、前記計測された距離が、有効であるかを判断する判断工程と、
    制御手段が、前記投影されたパターンのうち、前記判断工程において計測された距離が有効であると判断された領域に投影されたパターンの輝度低下させる制御工程と、を有することを特徴とする距離計測装置の制御方法。
  12. 請求項11に記載の距離計測装置の制御方法の各工程をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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