JP6069953B2 - スイッチトリラクタンスモータの制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電力変換器によりスイッチトリラクタンスモータ(以下、SRMと略記する)を駆動するための制御装置に関する。
SRMは、回転子鉄心の磁気抵抗の変化によるリラクタンストルクを利用した回転機であり、レアアース磁石を使用せず、構造的に簡単で堅牢かつ安価なモータとして知られている。
図8はSRMの概略的な断面図であり、10は固定子、11は固定子鉄心、12は巻線、20は回転子、21は回転子鉄心、22は突極(ティース)、23は回転軸である。図示例では、固定子10が8極、回転子20が6極であり、固定子10の互いに向かい合う巻線同士が直列接続されて4相(A,B,C,D相)の励磁巻線が形成されている。
このSRMでは、回転子20の突極22が近付いた相の巻線12を励磁して突極22を引き付ける方向にトルクを発生させ、当該突極22及び巻線12が完全に対向する直前で次の相の巻線12に励磁を切り替える動作を繰り返すことにより、回転子20を連続的に回転させる。なお、図示するように回転子20を歯車形状とすることにより、隣り合う突極22間の磁気抵抗の差を大きくしている。
SRMは、その制御方法が一般的な三相交流モータと異なって特殊であるため、現状の汎用インバータでは駆動することができず、専用のインバータからなる駆動装置を必要としている。
図9(a)は、一般的な永久磁石同期モータ41を駆動する汎用インバータ30の回路構成図、図9(b)は、SRM42を駆動する専用インバータ35の回路構成図であり、モータ41,42は何れも3相である。これらの図において、31は直流電源、32はインバータ32,35を構成する半導体スイッチング素子としてのIGBT、33は還流ダイオード、30U,35Uは1相(U相)分のスイッチングユニットを示す。
図9(a),(b)において、IGBT32及び還流ダイオード33によって1個のスイッチ素子が構成されるとすると、図9(a)の汎用インバータ30ではスイッチ素子が6個必要である。これに対し、図9(b)のSRM42用の専用インバータ35では、スイッチ素子が1相あたり4個、3相全体では12個必要になる。
ここで、SRM42の制御では原理的に、1相あたりIGBT32を2個、還流ダイオード33を2個使用すれば済むため(図9(b)において、不使用の素子を破線にて囲んである)、必要となるIGBT32及び還流ダイオード33の数は3相全体で各6個となり、スイッチ素子の数は、専用インバータ35の場合も汎用インバータ30と同じ6個分になる。
専用インバータ35による巻線への通電制御は、汎用インバータ30と同様に各スイッチングユニットの上下アームのIGBT32のゲート信号を制御することにより行われる。
さて、従来のSRMの電流制御方法の一つとして、回転子位置に対するインダクタンスの変化勾配が正となる区間に、巻線にパルス状電流を通流させるパルス電流制御方法が知られている。図10は、このパルス電流制御方法において、回転子位置に対して直線近似したモータのインダクタンスL(θ)、巻線への印加電圧v(θ)及び電流i(θ)を示している。
パルス電流制御方法では、電流立上げ開始のための順電圧印加開始角θ、電流立下げ開始のための逆電圧印加開始角θ、及び、角度θ以降の定電流区間(電流値は変動しているが、便宜的に定電流区間という)に対応する電流波高値指令I maxの3つを制御パラメータとして与える。このような電流波形制御をSRMの各相個別に実行し、励磁相を順次切り替えることによってパルス電流制御を実現している。
なお、図10における(突極完全非対向),(突極完全対向)は、回転子20の突極22と固定子10側の突極(巻線12が巻かれた磁極)との位置関係を表している。
SRMは、ある時点で1相の巻線を励磁してトルクを発生させるため、相間の切り替わりの制御、すなわち、電圧印加開始角及び終了角を精度よく制御することが非常に重要であり、パルス電流制御のもと、特に中高速域では前述したθ,θの正確な制御管理が必要となる。加えて、図10における定電流区間において一般的な瞬時値比較制御方式を採用した場合、高周波のON/OFF制御による高精度な追従制御を実現するためには高速な制御演算処理が必要となり、制御周期が短くなる。
これらの要求が満たされない場合には、電流指令波形に対する実電流波形の追従性が悪くなり、トルク管理精度の低下、運転音や振動の増大、モータ効率の低下などを生じる。更に、高周波のON/OFF制御、すなわち、スイッチング周波数が高くなることはインバータの損失増大を招き、熱設計を困難にする。
一方、図9(a)に示した汎用インバータ30では、通常、4〜20[kHz]程度の低周波数の三角波キャリアに基づいて制御周期を決定し、この制御周期の中で演算した電圧指令とキャリアとを比較してパルス幅変調(PWM)制御を行っている。なお、このPWM制御技術は周知であるため、詳細な説明を省略する。
ここで、図11は特許文献1に記載されたSRM駆動装置のブロック図であり、50は電流波形発生器、51は乗算器、52は電流アンプ、53は電流アンプ52の出力信号を三角波キャリアと比較してPWM信号を生成するPWMゼネレータ、54はインバータを構成するパワー・スイッチング回路、55はSRM42の各相電流を検出する電流検出器、56は回転子位置検出用の整流センサ、57はデコードロジック、58はF/Vコンバータ、59は速度アンプである。
この従来技術では、パワー・スイッチング回路54のスイッチング素子をオン・オフ制御する駆動回路を各相(A,B,C相)の電流ループにより構成し、各電流ループに設けた電流波形発生器50により任意の波形の電流指令信号を発生させて出力電流減衰時の電流波形を上記電流指令信号に追従させることにより、ステータコアの振動による騒音の発生を抑制している。
特開平10−66378号公報(段落[0007]〜[0011]、図1等)
さて、図11に示したようなSRM駆動装置において、汎用インバータの制御周期やPWM制御方式を採用してSRMを駆動した場合、スイッチング周波数が高くなることは避けられるものの、電流指令波形に対する実電流波形の追従性が低下してしまい、トルク管理精度やモータ効率の低下を招く恐れがあった。
そこで、本発明の解決課題は、汎用インバータにおいて使用される比較的長い制御周期にて高精度な電流波高値指令追従制御を実現し、トルク管理精度やモータ効率の低下、運転音及び振動の増大を防止すると共に、インバータ等の電力変換器の熱設計を容易にしたスイッチトリラクタンスモータの制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1に係る制御装置は、電力変換器により駆動されるスイッチトリラクタンスモータの回転子位置及び回転速度を検出する位置・回転速度検出手段と、
前記モータに流れる電流を検出する電流検出手段と、
前記モータに対するトルク指令値、及び、前記位置・回転速度検出手段により検出した回転速度から、テーブルを参照することにより、前記モータに対する電流波高値指令と、前記モータの電流検出値が前記電流指令値に到達する回転子位置としての電流指令値到達角と、前記モータへの逆電圧印加を開始する回転子位置としての逆電圧印加開始角と、を算出する指令値演算手段と、
前記位置・回転速度検出手段により検出した回転子位置及び回転速度、前記電流検出値、前記電流波高値指令、前記電流指令値到達角、前記逆電圧印加開始角を用いて、スイッチトリラクタンスモータの電圧方程式に基づく要求電圧演算により等間隔の制御周期の間に電圧指令値を推定演算する電圧制御手段と、
前記電圧指令値と三角波キャリアとを比較するPWM制御により、前記電力変換器の出力電圧が前記推定された電圧指令値に一致するように前記電力変換器のスイッチング素子を制御するスイッチ制御手段と、を備え、
前記回転子位置に対する前記モータのインダクタンスの変化勾配が正となる区間に前記モータの巻線にパルス状電流を通流させるパルス電流制御を行う制御装置において、
前記電圧制御手段は、前記制御周期を前記キャリアに同期させて管理し、前記モータの相ごとに、前記回転子位置に応じて、前記電流立ち上げ区間、定電流区間、電流立ち下げ区間のそれぞれについて前記制御周期ごとに前記電圧指令値の推定演算を行うものである。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載したスイッチトリラクタンスモータの制御装置において、
前記指令値演算手段は、前記モータへの順電圧印加を開始する回転子位置としての順電圧印加開始角を、前記モータのインダクタンスの変化勾配が前記回転子位置に対して正になり始める前記電流指令値到達角で前記実電流が前記電流波高値指令に到達するように算出し、前記モータへの順電圧印加を終了する回転子位置としての順電圧印加終了角を、前記電流指令値到達角から2制御周期先のサンプル点までの区間において前記実電流を前記電流波高値指令に追従させるために必要な要求電圧から算出するものである。
請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載したスイッチトリラクタンスモータの制御装置において、前記電流立ち上げ区間及び電流立ち下げ区間では、前記PWM制御とは別に、前記電圧指令値、前記電流指令値到達角及び前記逆電圧印加開始角に応じて前記スイッチング素子を特殊なパターンにより制御する特殊スイッチング制御期間を設けたものである。
本発明によれば、電圧制御手段が、SRMの相ごとに、回転子位置に応じてモータ電流の電流立ち上げ区間、定電流区間、電流立ち下げ区間のそれぞれについて制御周期ごとに電圧指令値の推定演算を行うため、汎用インバータで使用される比較的長い制御周期にて高精度な電流波高値指令追従制御を実現することができ、トルク管理精度の低下や運転音及び振動の増大、モータ効率の低下を解消すると共に、電力変換器の熱設計を容易に行うことができる。
本発明の実施形態における電流制御概念を説明するための、回転子位置に対するインダクタンス、巻線の電流及びインバータのキャリアを示す波形図である。 連続系から離散系への変換作用を示す概念図である。 図1の電流立ち上げ区間における、回転子位置に対する巻線の電流、要求電圧、インバータのキャリア、ゲート信号及び出力電圧を示す波形図である。 図1の電流立ち下げ区間における、回転子位置に対する巻線の電流、要求電圧、インバータのキャリア、ゲート信号及び出力電圧を示す波形図である。 本発明の適用前後における実電流の電流指令波形への追従性を示す特性図である。 本発明の適用前後におけるSRMの振動レベルを示す特性図である。 本発明に係る制御装置の実施例を示す構成図である。 SRMの概略的な断面図である。 汎用インバータ及び専用インバータの回路構成図である。 パルス電流制御方法における、回転子位置に対するインダクタンス、巻線への印加電圧及び電流の波形図である。 特許文献1に記載されたSRM駆動装置のブロック図である。
以下、本発明の実施形態を説明する。
まず、この実施形態では、SRM駆動用の専用インバータのスイッチング周波数を管理するために、三角波比較PWM制御方式によりインバータに対する電圧指令値を生成する。この電圧指令値は、磁化特性モデルによるSRMの電圧方程式に基づき、サンプル点nにおける電流値i(n)を次のサンプル点(n+1)において電流値i(n+1)に変化させるために必要な電圧を、要求電圧演算により決定する。そして、速度補間演算により順電圧印加開始角θ及び逆電圧印加開始角θを制御する。
また、本実施形態では、図1に示すように、パルス電流波形を電流立ち上げ区間、定電流区間、電流立ち下げ区間の3区間に分けて制御し、その際の制御パラメータとして、電流指令値到達角θ、逆電圧印加開始角θ、電流波高値指令Imax を与える。ここで、キャリア割込みによる位置検出処理等は三角波キャリアの「山」部分において行い、電圧指令値の読み込みタイミング(更新タイミング)はキャリアの「山」,「谷」部分の両方において行うものとする。
次に、SRMの電圧方程式に基づく要求電圧演算方法について説明する。
まず、磁化特性モデルによるSRMの電圧方程式は、SRMの巻線抵抗R及び鎖交磁束数λを用いて、数式1により表される。数式1において、vは巻線への印加電圧、iは巻線の電流、θは回転子位置である。
Figure 0006069953
この数式1を変形すると、数式2が得られる。数式2において、ωは回転角速度である。
Figure 0006069953
次に、ある電流値i(a)をキャリア周期Tの間に電流値i(b)に変化させるために必要な電圧を要求電圧演算により決定するため、数式2を離散系に変換して数式3を得る。
ここで、図2は、連続系から離散系への変換作用を示す概念図であり、図中のa,bは数式3におけるa,bに等しい。なお、電流値i及び回転子位置θの変化量には平均値を用い、角速度ωは一定とする。
Figure 0006069953
数式3に基づき、サンプル点nにおける電流値(相電流値)i(n)から、次のサンプル点(n+1)における実電流をi(n+1)に追従させるために必要な要求電圧v(n)を求めると、数式4となる。
Figure 0006069953
次に、図1の電流立ち上げ区間におけるSRMへの印加電圧の制御方法について説明する。
図3は、電流立ち上げ区間における印加電圧の制御概念を説明するための波形図であり、回転子位置に対する巻線の電流、要求電圧、インバータのキャリア、ゲート信号及び出力電圧を示している。
図3において、電流指令値到達角(実電流iが電流波高値指令Imax に到達する回転子位置)θの従属制御角パラメータとして、順電圧印加開始角θ及び順電圧印加終了角θが設けられる。
順電圧印加開始角θは、電源電圧の大きさの制約の下で電流を速やかに立ち上げるための制御角パラメータであり、インダクタンスLが回転子位置に対して正勾配を取り始める電流指令値到達角θで実電流iが電流波高値指令Imax に到達するように決定する。SRMの巻線抵抗は小さいため、この巻線抵抗による電圧降下を無視し、突極非対向近傍では回転子位置の変化に対するインダクタンスの変化がないものとすると、順電圧印加開始角θは数式5により決定される。ここで、Vdcはインバータの直流母線電圧、Lminは突極非対向時のインダクタンスである。
Figure 0006069953
また、順電圧印加終了角θは、次の割り込み発生時に実電流iを電流波高値指令Imax に追従させるための制御角パラメータである。この順電圧印加終了角θは、電流指令値到達角θから2制御周期先のサンプル点(回転子位置)θ’n+2までの区間Δθupにおいて実電流iを電流波高値指令Imax に追従させるために必要な要求電圧v’(Δθup)から、数式6により決定する。
Figure 0006069953
ここで、要求電圧v’(Δθup)は、前述した数式4に基づき、数式7により演算する。なお、区間Δθupは、数式8に示すとおりである。
Figure 0006069953
Figure 0006069953
本実施形態では、キャリアに対して、制御角としての順電圧印加開始角θ及び順電圧印加終了角θがどのタイミングで入っていても制御角どおりに電圧を印加する必要がある。図3は、三角波キャリアの山と谷との間に順電圧印加開始角θ及び順電圧印加終了角θが入った場合であり、この場合、通常の正論理PWM、負論理PWMでは制御角どおりに電圧を印加することができない。このため、図3に「特殊SW(スイッチング)」として示すように、回転子位置θ’n+1〜同θ’n+2の区間では、インバータのIGBTに対するゲート信号(上アームIGBTのゲート信号をG上、下アームIGBTのゲート信号をG下として示す)に特殊なパターンを採用している。
次に、図1における定電流区間では、1制御周期先のサンプル点θ’n+1から2制御周期先のサンプル点θ’n+2までの区間において、実電流iを電流波高値指令Imax に追従させるために必要な要求電圧v’n+3/2を演算し、数式9により与えられる印加電圧デューティー指令dutyを毎制御周期ごとに更新してPWM制御下での電圧制御を実現する。
Figure 0006069953
ここで、数式9における要求電圧v’n+3/2は、数式10により求められる。
Figure 0006069953
なお、数式10における電流推定値i’n+3/2,i’n+1は、後述する数式14,数式15によりそれぞれ計算される。
次いで、図1における電流立ち下げ区間におけるSRMへの印加電圧の制御方法について説明する。
図4は、電流立ち下げ区間における印加電圧の制御概念を説明するためのもので、回転子位置に対する巻線の電流、要求電圧、インバータのキャリア、ゲート信号及び出力電圧を示す波形図である。
電流立ち下げ区間では、逆電圧印加開始角θの従属制御角パラメータとして、順電圧印加終了角θを設けている。この順電圧印加終了角θは、逆電圧印加開始角θ到達時に実電流iを電流波高値指令Imax に追従させるための制御角パラメータである。なお、電流立ち下げ区間は、図1に示したように、逆電圧印加開始角θの後のキャリアの「山」の時点から2周期さかのぼった「山」の時点を起点として開始する。
順電圧印加終了角θは、現在のサンプル点θより1制御周期先のサンプル点θ’n+1から逆電圧印加開始角θまでの区間Δθdownにおいて、実電流iを電流波高値指令Imax に追従させるために必要な要求電圧v’(Δθdown)から数式11により決定する。
Figure 0006069953
数式11において、要求電圧v’(Δθdown)及び区間Δθdownは、数式12,数式13により演算する。
Figure 0006069953
Figure 0006069953
数式12における電流推定値i’n+3/2は、数式14により算出し、また、電流推定値i’n+1は、制御周期の間で電流値は一定と仮定して数式15により算出する。
Figure 0006069953
Figure 0006069953
ここで、Kは起電力係数、Lはインダクタンスであり、それぞれ数式16,数式17により求める。なお、数式16,数式17におけるin+1/2,θn+1/2はキャリア一周期の平均をとるものとし、それぞれ数式18,数式19に示すとおりである。また、数式18に関し、キャリア一周期の間に実際は電流が変化しているが、ここでは電流は変化しないものと仮定している。
Figure 0006069953
Figure 0006069953
Figure 0006069953
Figure 0006069953
図4に示すように電流立ち下げ区間では、サンプル点θ’n+1〜θ’n+2の区間で、順電圧印加、還流、逆電圧印加の3つの動作を順に実現する必要がある。また、キャリアに対して、順電圧印加終了角θ及び逆電圧印加開始角θがどのタイミングで入っても制御角どおりに電圧を印加する必要がある。図4は、三角波キャリアの山と谷とに間に順電圧印加終了角θが入り、谷と山との間に逆電圧印加開始角θが入った場合である。この場合、通常の正論理PWM、負論理PWMでは制御角どおりに電圧を印加できないため、図4に「特殊SW(2)」として示すように、サンプル点θ’n+1〜同θ’n+2の区間では、インバータのIGBTに対するゲート信号に特殊なパターンを採用している。
しかし、上記の動作を実現するためには、サンプル点θ’n+1で電圧を印加する必要がある。つまり、サンプル点θ〜θ’n+1の区間において通常の正論理PWMで制御するとスイッチの切り替え動作が必要となる。本実施形態では、キャリアの山部分で電流・回転子位置情報をサンプリングするため、IGBTのON/OFF時に発生する放射ノイズ等を考慮すると、サンプル点でのIGBTのON/OFFは望ましくない。
そこで、図4に「特殊SW(1)」として示す特殊パターンを採用することで、サンプル点でのIGBTのON/OFFを回避している。なお、上記の特殊スイッチングは一例であり、ノイズ等の影響を考えない場合は、区間Δθdownのみ特殊スイッチングを行っても良い。
ここで、図5は本発明の適用前後における電流指令波形への追従性を示す特性図、図6は本発明の適用前後におけるSRMの振動レベルを示す特性図である。
図5は、同一のSRMに対し、従来のPWM制御方式(電圧推定なし)と本実施形態により回転子位置に応じて電圧指令を推定演算する制御方式を用いた場合の、電流指令波形への実電流の追従性を示すシミュレーション結果である。図5によれば、本発明の適用により、電流指令波形に対して実電流が良く追従できていることがわかる。
また、図6は、同じく従来のPWM制御方式(電圧推定なし)と本実施形態による制御方式を用いた場合のSRMの振動測定結果を示しており、本発明の適用によって振動レベルが低減されていることがわかる。
次に、本発明に係るSRMの制御装置の実施例を、図7を参照しつつ説明する。
図7は、この実施例に係る制御装置を主回路と共に示した構成図である。同図の主回路において、3相のSRM101とインバータ102との間には、ホール素子やシャント抵抗を利用した電流検出器104が取り付けられている。また、SRM101には、エンコーダやレゾルバ等の位置・回転速度検出器103が取り付けられている。
制御装置は、位置・回転速度検出手段201と、電流検出手段202と、指令値演算手段203と、電圧制御手段204と、キャリア発生手段205と、スイッチ制御手段206と、を備えており、マイコンやDSP等の制御演算システムにより各手段の演算・制御動作が実行される。
以下、各手段の機能と共に制御装置の動作を説明する。
位置・回転速度検出手段201は、位置・回転速度検出器103から出力されるアナログ信号の位置検出値θ及び角速度検出値ωをディジタル信号に変換し、角速度検出値ωは指令値演算手段203及び電圧制御手段204に入力され、位置検出値θは電圧制御手段204に入力される。
電流検出手段202は、電流検出器104から出力されるアナログ信号の電流検出値iをディジタル信号に変換し、この電流検出値iは電圧制御手段204に入力される。
指令値演算手段203は、トルク及び回転速度に応じた電流波高値指令I max 、電流指令値到達角θ 、逆電圧印加開始角θ の三つの制御パラメータをテーブルデータとして予め保持しており、トルク指令値τと、位置・回転速度検出手段201から入力された角速度検出値ωとに基づいて、電流波高値指令Imax 、電流指令値到達角θ、逆電圧印加開始角θを算出(決定)する。なお、非線形インダクタンス特性を考慮したSRMの数式モデルからこれらのパラメータをリアルタイムで算出することも可能であるものの、演算処理時間が膨大になるため現実的ではない。
電圧制御手段204では、前述したように電流波高値指令Imax 、電流指令値到達角θ、逆電圧印加開始角θ及びキャリア周期Tを用いて、電圧指令値vを演算する。また、前述した特殊スイッチングを行う際は、電流立ち上げ区間及び電流立ち下げ区間において特殊スイッチング制御期間を設け、電圧指令値vを算出する。この特殊スイッチング制御期間における電圧指令値は、制御パラメータθ,θ,θ,θ,θのタイミングにて、所望のスイッチング動作が行われるよう決定する。
スイッチ制御手段206では、電圧制御手段204により算出した電圧指令値vと三角波キャリアとの比較によるPWM制御を行い、スイッチング動作を行わせるためのゲート信号Gを生成してインバータ102に出力する。また、特殊スイッチング制御期間では、制御パラメータθ,θ,θ,θ,θのタイミングにて、所望のスイッチング動作が行われるようにゲート信号Gを生成する。
この実施例では、電圧制御手段204が、2制御周期先の電流指令値に追従するために必要な電圧を推定して電圧指令値vを生成し、この電圧指令値vと三角波キャリアとを比較してPWM制御を行うことにより、制御周期が長くなることによる電流追従性の劣化を抑制し、追従性の良好な電流波形を得ることができる。
10:固定子
11:固定子鉄心
12:コイル
20:回転子
21:回転子鉄心
22:ティース
23:回転軸
31:直流電源
32:IGBT
33:還流ダイオード
30U,35U:スイッチングユニット
101:SRM
102:インバータ
103:位置・回転速度検出器
104:電流検出器
201:位置・回転速度検出手段
202:電流検出手段
203:指令値演算手段
204:電圧制御手段
205:キャリア発生手段
206:スイッチ制御手段

Claims (3)

  1. 電力変換器により駆動されるスイッチトリラクタンスモータの回転子位置及び回転速度を検出する位置・回転速度検出手段と、
    前記モータに流れる電流を検出する電流検出手段と、
    前記モータに対するトルク指令値、及び、前記位置・回転速度検出手段により検出した回転速度から、テーブルを参照することにより、前記モータに対する電流波高値指令と、前記モータの電流検出値が前記電流指令値に到達する回転子位置としての電流指令値到達角と、前記モータへの逆電圧印加を開始する回転子位置としての逆電圧印加開始角と、を算出する指令値演算手段と、
    前記位置・回転速度検出手段により検出した回転子位置及び回転速度、前記電流検出値、前記電流波高値指令、前記電流指令値到達角、前記逆電圧印加開始角を用いて、スイッチトリラクタンスモータの電圧方程式に基づく要求電圧演算により等間隔の制御周期の間に電圧指令値を推定演算する電圧制御手段と、
    前記電圧指令値と三角波キャリアとを比較するPWM制御により、前記電力変換器の出力電圧が前記推定された電圧指令値に一致するように前記電力変換器のスイッチング素子を制御するスイッチ制御手段と、を備え、
    前記回転子位置に対する前記モータのインダクタンスの変化勾配が正となる区間に前記モータの巻線にパルス状電流を通流させるパルス電流制御を行う制御装置において、
    前記電圧制御手段は、前記制御周期を前記キャリアに同期させて管理し、前記モータの相ごとに、前記回転子位置に応じて、前記電流立ち上げ区間、定電流区間、電流立ち下げ区間のそれぞれについて前記制御周期ごとに前記電圧指令値の推定演算を行うことを特徴とするスイッチトリラクタンスモータの制御装置。
  2. 請求項1に記載したスイッチトリラクタンスモータの制御装置において、
    前記指令値演算手段は、
    前記モータへの順電圧印加を開始する回転子位置としての順電圧印加開始角を、前記モータのインダクタンスの変化勾配が前記回転子位置に対して正になり始める前記電流指令値到達角で前記実電流が前記電流波高値指令に到達するように算出し、前記モータへの順電圧印加を終了する回転子位置としての順電圧印加終了角を、前記電流指令値到達角から2制御周期先のサンプル点までの区間において前記実電流を前記電流波高値指令に追従させるために必要な要求電圧から算出することを特徴とするスイッチトリラクタンスモータの制御装置。
  3. 請求項1または2に記載したスイッチトリラクタンスモータの制御装置において、
    前記電流立ち上げ区間及び電流立ち下げ区間では、前記PWM制御とは別に、前記電圧指令値、前記電流指令値到達角及び前記逆電圧印加開始角に応じて前記スイッチング素子を特殊なパターンにより制御する特殊スイッチング制御期間を設けたことを特徴とするスイッチトリラクタンスモータの制御装置。
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