JP6069928B2 - サスペンション用金属薄板、サスペンション用金属薄板フレーム、サスペンション、素子付サスペンション、ハードディスクドライブおよびサスペンション用金属薄板の製造方法 - Google Patents

サスペンション用金属薄板、サスペンション用金属薄板フレーム、サスペンション、素子付サスペンション、ハードディスクドライブおよびサスペンション用金属薄板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、アクチュエータアームとの接続性および圧電素子との電気的接続安定性に優れたサスペンション用金属薄板に関する。
近年、インターネットの普及等によりパーソナルコンピュータの情報処理量の増大や情報処理速度の高速化が要求されてきており、それに伴って、パーソナルコンピュータに組み込まれているハードディスクドライブ(HDD)も大容量化や情報伝達速度の高速化が必要となってきている。
ハードディスクドライブは磁気記録媒体である磁気ディスク、それを高速回転させるスピンドルモータ、磁気ディスクに対して情報を読取または書込する磁気ヘッド、それを高精度に保持しつつ移動させるための各部品、これらの駆動制御回路および信号処理回路などによって構成されている。
そして、このハードディスクドライブに用いられる磁気ヘッドを支持している磁気ヘッドサスペンションと呼ばれる部品も、従来の金ワイヤ等の信号線を接続するタイプから、ステンレスのばねに直接銅配線等の信号線が形成されている、いわゆるワイヤレスサスペンションと呼ばれる配線一体型のもの(フレキシャー)に移行している。このような構成のサスペンションは少なくともフレキシャー(以下、サスペンション用基板とする場合がある。)を有し、通常は、さらにステンレスの板バネ材によって形成されるロードビームや、これと接続または一体化され、アクチュエータアームとの接続に用いられるボス部を有するサスペンション用金属薄板を有する。
また、ハードディスクドライブ(HDD)の大容量化、すなわち、磁気ディスクの記録密度の向上に伴い、磁気ディスク上の記録トラックは微細化され、それゆえ所望の記録トラックに磁気ヘッドを保たせるためには、より微調整ができるトラッキング動作が必要となってきている。
このような要求に対し、上述のサスペンションにおいて、上記サスペンション用金属薄板に微動アクチュエータである圧電素子を搭載し、この微動アクチュエータによりロードビームの先端のみを動かす方式が提案されている(特許文献1)。
圧電素子は電圧が加えられると伸縮する性質をもつ素子であり、この圧電素子に電圧を与えることで、先端部に実装された磁気ヘッドスライダを微小に動かして、精密なトラッキング動作を行うというものである。
圧電素子は、通常、サスペンション用基板からの電気信号により動作し、さらにサスペンション用金属薄板に接地されている。
また、圧電素子とサスペンション用金属薄板との接続方法としては、通常、銀ペースト等の導電性接着剤を介して行われるが、このサスペンション用金属薄板と導電性接着剤との電気的な接続安定性をより優れたものとすることが要求されている。
特開2002−251853号公報
本発明は、アクチュエータアームとの接続性および圧電素子との電気的接続安定性に優れたサスペンション用金属薄板を提供することを主目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決すべく研究を重ねた結果、サスペンション用金属薄板に含まれるボス部とアクチュエータアームとの接続容易のためにボス部に対して行われる電解研磨を、上記導電性接着剤と接続される圧電素子接続部を含まないように行った場合、電解研磨を行った場合と比較して電気的な接続安定性が向上すること、および、サスペンション用金属薄板の表面組成を検査したところ電解研磨を行わなかった箇所の表面が、電解研磨を行った箇所の表面と比較して鉄に対するクロムの比率が低い傾向があることを見出し、本発明を完成させるに至ったのである。
すなわち、本発明は、金属基材を有し、サスペンション用基板を支持するサスペンション用金属薄板であって、上記金属基材が、オーステナイト系ステンレス鋼を用いて形成されたものであり、上記金属基材には、アクチュエータアームとの接続に用いられるボス部を含む第1領域、および圧電素子接続部を含み上記第1領域より鉄に対するクロムの比率が低い第2領域が形成されていることを特徴とするサスペンション用金属薄板を提供する。
本発明によれば、サスペンション用金属薄板の第2領域を、第1領域より鉄に対するクロムの比率が低いものとすることにより、アクチュエータアームとの接続性および圧電素子との電気的接続安定性に優れたものとすることができる。
本発明においては、上記金属基材が上記第1領域および上記第2領域をそれぞれ1つずつ含むものであり、かつ、両領域の境界が直線状であることが好ましい。上記第1領域および第2領域を、電解研磨液の液面を利用して容易に形成可能なものとすることができるからである。
本発明は、上述したサスペンション用金属薄板を含むことを特徴とするサスペンションを提供する。
本発明によれば、上述したサスペンション用金属薄板を用いることで、動作安定性に優れたサスペンションとすることができる。
本発明は、上述したサスペンションと、上記サスペンションの素子実装領域に実装された素子と、を有することを特徴とする素子付サスペンションを提供する。
本発明によれば、上述したサスペンションを用いることで、動作安定性に優れた素子付サスペンションとすることができる。
本発明は、上述した素子付サスペンションを含むことを特徴とするハードディスクドライブを提供する。
本発明によれば、上述した素子付サスペンションを用いることで、動作安定性に優れたハードディスクドライブとすることができる。
本発明は、上記サスペンション用金属薄板が複数配置されたサスペンション用金属薄板フレームを提供する。
本発明によれば、上記サスペンション用金属薄板が複数配置されていることにより、複数の上記サスペンション用金属薄板の上記第1領域および第2領域を電解研磨液の液面を利用することで容易に同時形成可能なものとすることができる。
本発明は、オーステナイト系ステンレス鋼を用いて形成された金属基材を有し、上記金属基材には、アクチュエータアームとの接続に用いられるボス部を含む第1領域、および圧電素子接続部を含み上記第1領域より鉄に対するクロムの比率が高い第2領域が形成されている、サスペンション用基板を支持するサスペンション用金属薄板の製造方法であって、上記ボス部および上記圧電素子接続部を有する金属基材形成用部材を準備する準備工程と、上記金属基材形成用部材の上記ボス部を含む領域に電解研磨を行うことにより、上記第1領域および上記第2領域を形成する電解研磨工程と、を有することを特徴とするサスペンション用金属薄板の製造方法を提供する。
本発明によれば、上記電解研磨工程を有することにより、アクチュエータアームとの接続性および圧電素子との電気的接続安定性に優れたサスペンション用金属薄板を得ることができる。
本発明においては、上記電解研磨工程が、電解研磨液の液面が上記金属基材形成用部材の上記ボス部および上記圧電素子接続部の間となるように上記金属基材形成用部材を上記電解研磨液に浸漬して電解研磨を行うことが好ましい。上記第1領域および第2領域を、電解研磨液の液面を利用して容易に形成可能できるからである。
本発明においては、アクチュエータアームとの接続性および圧電素子との電気的接続安定性に優れたサスペンション用金属薄板を提供できるという効果を奏する。
本発明のサスペンション用金属薄板を用いたサスペンションの一例を示す概略平面図である。 本発明のサスペンション用金属薄板の一例を示す概略平面図である。 本発明における圧電素子接続部を説明する説明図である。 本発明のサスペンション用金属薄板の他の例を示す概略平面図である。 本発明のサスペンション用金属薄板の他の例を示す概略平面図である。 本発明のサスペンション用金属薄板の他の例を示す概略平面図である。 本発明における第1領域および第2領域を説明する説明図である。 本発明のサスペンション用金属薄板の他の例を示す概略平面図である。 本発明のサスペンション用金属薄板フレームの一例を示す概略平面図である。 本発明のサスペンション用金属薄板の製造方法の一例を示す工程図である。 本発明の素子付サスペンションの一例を示す概略平面図である。 本発明のハードディスクドライブの一例を示す概略平面図である。
本発明は、サスペンション用金属薄板、それを用いたサスペンション、素子付サスペンションおよびハードディスクドライブ、ならびにその製造方法に関するものである。
以下、本発明のサスペンション用金属薄板、サスペンション用金属薄板の製造方法、サスペンション、素子付サスペンションおよびハードディスクドライブについて詳細に説明する。
A.サスペンション用金属薄板
まず、本発明のサスペンション用金属薄板について説明する。
本発明のサスペンション用金属薄板は、金属基材を有し、サスペンション用基板を支持するサスペンション用金属薄板であって、上記金属基材が、オーステナイト系ステンレス鋼を用いて形成されたものであり、上記金属基材には、アクチュエータアームとの接続に用いられるボス部を含む第1領域、および圧電素子接続部を含み上記第1領域より鉄に対するクロムの比率が低い第2領域が形成されていること特徴とするものである。
このような本発明のサスペンション用金属薄板について図を参照して説明する。図1は、本発明のサスペンション用金属薄板が用いられたサスペンションの一例を示す概略平面図であり、図2は、本発明のサスペンション用金属薄板の一例を示す概略平面図である。
図1および図2に例示するように、本発明のサスペンション用金属薄板10は、ロードビーム23およびロードビーム23上に形成されたサスペンション用基板21と共にサスペンション20の形成に用いられるものであり、サスペンション用基板21の先端の素子実装領域22に磁気ヘッドスライダ等の素子が搭載されることにより、ハードディスクから情報を読み取ること等を行うことができる。
また、本発明のサスペンション用金属薄板10は、金属基材1を有し、上述のようにサスペンション用基板20を支持するものであって、上記金属基材1が、オーステナイト系ステンレス鋼を用いて形成されたものであり、上記金属基材1には、アクチュエータアームとの接続に用いられるボス部2を含む第1領域12、および圧電素子との接続に用いられる導電性接着剤が付着する圧電素子接続部3を含み上記第1領域12より鉄に対するクロムの比率が低い第2領域13が形成されているものである。
また、この例において、圧電素子が配置される圧電素子配置部4は、サスペンションを形成した場合にボス部に対して上記素子実装領域側に形成され、さらに、圧電素子接続部3が、圧電素子配置部4の3辺で隣接する圧電素子周辺部のうち、素子実装領域側の圧電素子周辺部内に形成されるものである。
なお、ハードディスクドライブにサスペンション用金属薄板10を含むサスペンションを用いた場合には、サスペンション用金属薄板10の素子実装領域側とは反対側のアクチュエータアーム側に上記ボス部4を介してアクチュエータアームが接続され、さらに、ボイスコイルモータ等に接続される。
本発明によれば、サスペンション用金属薄板の第2領域を、第1領域より鉄に対するクロムの比率(以下、鉄に対するクロムの比率を単にCr/Feと標記する場合がある。)が低いものとすることにより、アクチュエータアームとの接続性および圧電素子との電気的接続安定性に優れたものとすることができる。
ここで、圧電素子接続部を含む第2領域を、第1領域よりCr/Feの低いものとすることによりアクチュエータアームとの接続性および圧電素子との電気的接続安定性に優れたものとすることができる理由については、以下のように推察される。
すなわち、従来、サスペンション用金属薄板の製造方法としては、プレス加工等によりボス部を形成した後の金属基材形成用部材の全表面に対して電解研磨が行われていた。
電解研磨を行う理由は、プレス加工等により形成された場合には、その切断面、すなわち、ボス部の開口部の外周部等には、バリ等が残り、バリの存在によりボールかしめ時に引っ掛かり等が生じるといった問題が生じる可能性があり、このバリを除去するために行われる。また、バリ等の除去方法としては、化学研磨等も使用可能であるが、化学研磨等はバリを含む全表面を溶解するのに対して、電解研磨では凸部、すなわち、バリを選択的に溶解することができ、寸法安定性に優れたものとなるからである。
一方、電解研磨を行った表面では、溶解が進行する一方、不動態皮膜の生成が同時に進行する。ステンレス鋼の主要な成分としてのFeおよびCrは溶解と共に溶出するが、Crは直ちに酸素と結合し、金属基材表面に不動態皮膜として生成される。このような化学反応が繰り返されることにより、電解研磨された箇所の表面では、電解研磨されなかった箇所の表面と比較して、Crの含有率が高い不動態皮膜により覆われたものとなると推察される。また、Crは、ステンレス鋼に含まれるFe等と比較して酸化還元電位が低いことから、Crの含有率が高い不動態皮膜は、Crの含有率の低い不動態皮膜と比較してより安定な絶縁被膜として存在することになると考えられる。
これに対して、本発明においては、ボス部を含む第1領域ではCr/Feの高い領域とすること、すなわち、電解研磨による表面研磨がされたものとすることでボールかしめの容易性を維持し、アクチュエータアームとの接続性に優れたものすることができる。
また、上記圧電素子接続部を含む第2領域については、Cr/Feの低い領域とすること、すなわち、電解研磨による表面研磨が行われていないものとすることで、導電性接着剤との電気的接続安定性に優れたものとすることができ、圧電素子との電気的安定性に優れたものとすることができるのである。
本発明のサスペンション用基板は、上記金属基材を少なくとも有するものである。
以下、本発明のサスペンション用基板の各構成について説明する。
1.金属基材
本発明における金属基材は、オーステナイト系ステンレス鋼を用いて形成されたものであり、かつ、第1領域および第2領域を有するものである。
(1)第1領域および第2領域
本発明における第1領域はボス部を含むものであり、第2領域は圧電素子接続部を含み、上記第1領域より鉄に対するクロムの比率が低い領域である。
本発明における第1領域および第2領域のCr/Feの関係としては、上記第2領域のCr/Feが上記第1領域のCr/Feより低いものであれば特に限定されるものではないが、上記第1領域のCr/Feに対する第2領域のCr/Feの比率((第2領域のCr/Fe)/(第1領域のCr/Fe))が、0.1〜0.5の範囲内であることが好ましく、なかでも、0.15〜0.4の範囲内であることが好ましく、特に0.15〜0.3の範囲内であることが好ましい。上記比率が上述の範囲内であることにより、アクチュエータアームとの接続性および圧電素子との電気的接続安定性に優れたものとすることができるからである。
なお、上記「第1領域のCr/Fe」と「第2領域のCr/Fe」は、金属基材の各領域の表面でのCr/Feをいうものである。また、各領域の表面でのCr/Feの測定方法としては、精度良く元素分析できる方法であれば特に限定されるものではないが、例えば、X線光電子分光装置(ESCA)を用いて、金属基材の表面を構成する元素の種類と構成比を決定する方法を挙げることができる。
本発明における第1領域におけるCr/Feとしては、上記第2領域のCr/Feより高いものであれば特に限定されるものではなく、金属基材を構成する材料等に応じて異なるものであるが、例えば、1.5〜3.0の範囲内であることが好ましく、なかでも、1.5〜2.5の範囲内であることが好ましく、特に、1.5〜2.0の範囲内であることが好ましい。上記Cr/Feが上述した範囲内であることにより、電解研磨が十分にされたものとすることが可能であり、アクチュエータアームとのボールかしめの容易なものとすることができるからである。
本発明における第2領域におけるCr/Feとしては、上記第1領域のCr/Feより低いものであれば特に限定されるものではなく、金属基材を構成する材料等に応じて異なるものであるが、例えば、0.3〜0.8の範囲内であることが好ましく、なかでも、0.3〜0.7の範囲内であることが好ましく、特に、0.3〜0.6の範囲内であることが好ましい。上記Cr/Feが上述した範囲内であることにより、圧電素子との電気的安定性に優れたものとすることができるからである。
本発明における第1領域および第2領域の厚みの差としては、上記Cr/Feの関係を満たすことができるものであれば特に限定されるものではないが、上記第1領域が第2領域より0.1μm〜8μmの範囲内で薄いことが好ましく、なかでも、0.5μm〜6μmの範囲内で薄いことが好ましく、特に、1.0μm〜4μmの範囲内で薄いことが好ましい。上記第1領域を電解研磨により十分に研磨されたものとすることができるからである。また、その結果、アクチュエータアームとのボールかしめを容易なものとすることができるからである。
本発明における第1領域の範囲としては、上記ボス部を含むものであれば良く、より具体的には、上記ボス部の上記アクチュエータアームとのボールかしめ接続に用いられる開口部の内壁(以下、ボール接触面とする。)を含むものであれば特に限定されるものではないが、上記ボール接触面の全表面を含むものであることが好ましい。
本発明におけるボス部とは、アクチュエータアームとの接続に用いられる部位であり、より具体的には、アクチュエータアームとボールかしめにより接続される部位である。
このようなボス部については、ハードディスクドライブに用いられるサスペンション用金属薄板の分野に一般的に用いられるものを使用することができ、具体的には、特開2020−262705号公報等に示されるものとすることができる。
本発明における第2領域の範囲としては、上記圧電素子接続部を含むものであればあれば良いが、上記圧電素子接続部の全表面を含むものであることが好ましい。圧電素子との電気的安定性に優れたものとすることができるからである。なお、圧電素子接続部の全表面を含むか否かについては、圧電素子配置後に、導電性接着剤が付着している箇所のCr/Feを測定等することにより確認することができる。
本発明における圧電素子接続部の面積としては、導電性接着剤等を用いて安定的に圧電素子と接着できるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、0.0050mm〜0.0500mmの範囲内とすることができる。
また、圧電素子接続部は、圧電素子と接続される導電性接着剤が付着する箇所であり、通常、金属基材の圧電素子が配置される圧電素子配置部に隣接する箇所である圧電素子周辺部内に形成されるものである。
このような圧電素子周辺部としては、圧電素子と導電性接着剤を用いて電気的に接続できる箇所であれば良いが、具体的には、圧電素子配置部に隣接する金属基材の端部から100μm以内の領域とすることができる。
本発明における圧電素子接続部としては、上記圧電素子周辺部のなかでもサスペンションに用いた場合に磁気ヘッドスライダ等が配置される素子実装領域側に形成されることが好ましい。
ここで、素子実装領域側が好ましいとは、具体的には、図3に例示するように、金属基材1が圧電素子配置部4を3辺で囲むものであり、その圧電素子配置部4と隣接する圧電素子周辺部内のa、bおよびcを比較した場合に、圧電素子接続部が形成される箇所は、素子実装領域に近い側から順にc、b、aの順で好ましいことをいうものである。第1領域および第2領域を安定的に形成できるからである。
上記圧電素子接着部は、配置される圧電素子毎に形成されるものであっても良いが、1つの圧電素子接続部を2以上の圧電素子との接続に用いられるものであっても良い。
なお、図3中の符号については、図2と同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
上記圧電素子としては、サスペンション用金属薄板において一般的に用いられるものと同様とすることができ、電圧をかけることによりロードビームの向く方向を微小に制御できるものであれば良く、例えばピエゾ素子を挙げることができる。ピエゾ素子としては、例えばPZTからなるものを挙げることができる。ピエゾ素子の伸縮応答を利用することで、サブミクロン単位での位置決めを行うことができる。また、ピエゾ素子には、エネルギー効率が高い、耐荷重が大きい、応答性が速い、摩耗劣化がない、磁場が発生しないという利点がある。また、本発明においては、2極のピエゾ素子を1個用いても良い。1極のピエゾ素子を2個用いても良い。
また、圧電素子配置部はサスペンション用金属薄板において一般的に用いられるものと同様とすることができ、通常、ボス部よりも素子実装領域側に形成されるものである。
本発明における第1領域および第2領域の数としては、両領域を安定的に形成できるものであれば特に限定されるものではないが、既に説明した図2に示すようにそれぞれ1つずつであることが好ましい。上記第1領域および第2領域の形成方法として、電解研磨液の液面を利用した形成方法等を用いて容易形成可能なものとすることができるからである。
なお、第1領域および第2領域が2以上存在する態様としては、例えば、図4に例示するように、圧電素子が2つ配置されるものである場合において、それぞれの上記圧電素子接続部毎に第2領域が形成されている態様や、図5に例示するように、ボス部のアクチュエータアーム側にも第2領域を有する態様等を挙げることができる。
また、図4および図5中の符号については、図2と同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
本発明における第1領域と第2領域との境界形状としては、両領域を安定的に形成できるものであれば特に限定されるものではないが、上記金属基材が上記第1領域および上記第2領域をそれぞれ1つずつ含むものである場合には、図6に例示するように、両領域の境界が円状であっても良いが、既に説明した図2に示すように、両領域の境界が直線状であることが好ましい。上記第1領域および第2領域を、電解研磨液の液面を利用して容易に形成可能なものとすることができるからである。
また、図6中の符号については、図2と同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
また、上記第1領域と第2領域との境界の位置としては、上記金属基材が上記第1領域および上記第2領域をそれぞれ1つずつ含む場合には、上記ボス部および上記圧電素子接続部の間であれば良いが、上記ボス部の素子実装領域側端部と、圧電素子接続部のアクチュエータ側端部とで挟まれた領域間であることが好ましく、なかでも、上記ボス部の素子実装領域側端部と、圧電素子接続部のアクチュエータ側端部との中間近傍であることが好ましい。
ここで、上記ボス部の素子実装領域側端部と、圧電素子接続部のアクチュエータ側端部とで挟まれた領域とは、各端部を通る短手方向に平行な線により挟まれた領域をいうものである。
また、両端部の中間近傍とは、中間線から長手方向に長手方向間距離の±20%の範囲内の領域をいうものであり、なかでも本発明においては、上記中間線から長手方向に長手方向間距離の±10%以内の範囲内であることが好ましく、特に、上記中間線から長手方向に製造上の誤差範囲内、すなわち、両端部の中間であることが好ましい。両領域を安定的に形成できるからである。
なお、中間線とは、各端部を通る短手方向に平行な線間からの距離が等しい線をいうものであり、長手方向間距離とは、各端部を通る短手方向に平行な線間の距離をいうものである。また、長手方向とは素子実装領域側とアクチュエータアーム側とを結ぶ方向をいうものであり、短手方向とは、長手方向に直交する方向をいうものである。
具体的には、図7におけるH1が両端部で挟まれた領域を示し、H2が両端部の中間近傍を示し、Aが中間線を示すものである。
なお、図7中の符号については、図2と同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
本発明における金属基材は、上記第1領域および第2領域に、上記ボス部および圧電素子接続部を有するものであるが、必要に応じて、ロードビーム等の他の構成を有するものとすることができる。
なお、ロードビームを構成として有するとは、図8に例示するように、ロードビームが金属基材と一体で形成されていることをいうものである。このようなロードビームが形成される領域としては、第2領域内であることが好ましい。ロードビームは、通常、ボス部および圧電素子配置部に対して上記素子実装領域側に形成されるからである。
また、図8中の符号については、図2と同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
(2)金属基材
本発明における金属基材は、オーステナイト系ステンレス鋼を用いて形成されたものである。
ここで、オーステナイト系ステンレス鋼としては、常温において、1種以上の元素を含むγ鉄固溶体を有するオーステナイト組織を示すステンレス鋼。熱処理によって硬化せず、一般に非磁性であることが特徴であるステンレス鋼であれば良く、具体的には、SUS302、SUS304、SUS304L、SUS305、SUS316を用いることができ、本発明においてはなかでも、SUS304、SUS304L、SUS305、SUS316等を用いることが好ましい。例えば、他の部材とのレーザー溶接による不具合が生じにくいからである。
本発明における金属基材の厚みとしては、上記サスペンション用基板等を安定的に支持することができ、アクチュエータアームと安定的に接続できるものであれば特に限定されるものではないが、100μm程度とすることができるが、より具体的には、50μm〜300μmの範囲内とすることができ、特に、100μm〜150μmの範囲内とすることが好ましい。上記厚みが上述の範囲内であることにより、支持性等に優れたものとすることができるからである。
2.サスペンション用金属薄板
本発明のサスペンション用金属薄板は、上記金属基材を有するものであるが、必要に応じて他の部材を有するものであっても良い。
このような他の部材としては、例えば、サスペンション用基板を支持するために用いられるロードビーム等を挙げることができる。
上記ロードビームとしては、上述のように上記金属基材と一体形成されたもの、すなわち、金属基材形成用基板からプレス加工等により上記第1領域および第2領域を含む金属基材の一部として形成されたものであっても良く、別体として形成されたものを溶接等により接続したものであっても良い。
B.サスペンション用金属薄板フレーム
次に、本発明のサスペンション用金属薄板フレームについて説明する。
本発明のサスペンション用金属薄板フレームは、上記サスペンション用金属薄板が複数配置されていることを特徴とするものである。
このような本発明のサスペンション用金属薄板フレームを、図を参照して説明する。図9は本発明のサスペンション用金属薄板フレームを示す概略平面図である。図9に例示するように、本発明のサスペンション用金属薄板フレーム30は、複数の上記サスペンション用金属薄板10が複数配置されたものである。なお、この例では、上記サスペンション用金属薄板10が、フレーム31に接続され、フレーム31には、第1領域と同様のCr/Feである高Cr/Fe領域32および、第2領域と同様のCr/Feである低Cr/Fe領域33が形成されている。
本発明によれば、上記サスペンション用金属薄板が複数配置されていることにより、複数の上記サスペンション用金属薄板の上記第1領域および第2領域を電解研磨液の液面を利用することで容易に同時形成可能なものとすることができる。
本発明のサスペンション用金属薄板フレームは、上記サスペンション用金属薄板を有するものである。
以下、本発明のサスペンション用金属薄板フレームについて詳細に説明する。
なお、上記サスペンション用金属薄板フレームについては、上記「A.サスペンション用金属薄板」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
本発明のサスペンション用金属薄板フレームにおけるサスペンション用金属薄板の数としては、2以上であれば特に限定されるものではないが、例えば、2〜60の範囲内とすることができる。
上記サスペンション用金属薄板の配置方向としては、複数のサスペンション用金属薄板が安定的に接続されたものであれば特に限定されるものではないが、既に説明した図9に示すように、隣接する上記サスペンション用金属薄板のボス部の中心間を結ぶボス部間方向と、隣接する上記サスペンション用金属薄板の素子実装領域側の端部とを結ぶ端部間方向と、が平行となる配置方向であることが好ましい。上記第1領域および第2領域を電解研磨液の液面を利用することで容易に同時形成可能なものとすることができるからである。
本発明においては、通常、上記サスペンション用金属薄板と接続するフレームを有する。このようなフレームの構成材料および厚み等については、上記サスペンション用金属薄板に含まれる金属基材と同一であることが好ましく、具体的には、「A.サスペンション用金属薄板」の「1.金属基材」に記載のものと同様とすることができる。
本発明において、上記フレームがサスペンション用金属薄板の第1領域および第2領域と同様のCr/Feの領域(高Cr/Fe領域および低Cr/Fe領域)を有するものであっても良い。
本発明においては、サスペンション用金属薄板の配置方向が上記ボス部間方向と、端部間方向と、が平行となる配置方向である場合には、隣接する上記サスペンション用金属薄板の上記第1領域および第2領域の境界を結ぶ線上に対して、上記第1領域および高Cr/Fe領域が同一側に形成され、上記第2領域および低Cr/Fe領域が同一側に形成されていることが好ましく、さらに、上記第1領域および第2領域の境界を結ぶ線上にフレームが存在する場合には、上記フレームに形成された高Cr/Fe領域および低Cr/Fe領域の境界が、上記第1領域および第2領域の境界を結ぶ線上に形成されていることが好ましい。上記第1領域および第2領域を電解研磨液の液面を利用することで容易に同時形成可能なものとすることができるからである。
C.サスペンション用金属薄板の製造方法
次に、本発明のサスペンション用金属薄板の製造方法について説明する。
本発明のサスペンション用金属薄板の製造方法は、オーステナイト系ステンレス鋼を用いて形成された金属基材を有し、上記金属基材には、アクチュエータアームとの接続に用いられるボス部を含む第1領域、および圧電素子接続部を含み上記第1領域より鉄に対するクロムの比率が高い第2領域が形成されている、サスペンション用基板を支持するサスペンション用金属薄板の製造方法であって、上記ボス部および上記圧電素子接続部を有する金属基材形成用部材を準備する準備工程と、上記金属基材形成用部材の上記ボス部を含む領域に電解研磨を行うことにより、上記第1領域および上記第2領域を形成する電解研磨工程と、を有することを特徴とするものである。
このような本発明のサスペンション用金属薄板の製造方法を、図を参照して説明する。
図10は、本発明のサスペンション用金属薄板の製造方法の一例を示す概略工程図である。
図10に例示するように、本発明のサスペンション用金属薄板の製造方法は、まず、金属基材形成用部材1Xにプレス加工を行うことにより(図10(a))、上記ボス部2および上記圧電素子接続部3を有する金属基材形成用部材1Xを準備し(図10(b))、上記金属基材形成用部材1Xの上記ボス部2を含む領域に電解研磨を行うことにより(図10(c))、上記第1領域12および上記第2領域13を形成するものである(図10(d))。
なお、図10中の(a)〜(b)が、準備工程であり、(c)が電解研磨工程を示すものである。
本発明によれば、上記電解研磨工程を有することにより、圧電素子との電気的接続安定性に優れたサスペンション用金属薄板を得ることができる。
本発明のサスペンション用金属薄板の製造方法は、上記準備工程および電解研磨工程を少なくとも有するものである。
以下、本発明のサスペンション用金属薄板の製造方法を構成する各工程について詳細に説明する。
なお、本発明のサスペンション用金属薄板の製造方法により製造されるサスペンション用金属薄板については、上記「A.サスペンション用金属薄板」の項に記載したものと同様の内容であるため、ここでの説明を省略する。
1.準備工程
本発明における準備工程は、上記ボス部および上記圧電素子接続部を有する金属基材形成用部材を準備する工程である。
本工程における上記ボス部および上記圧電素子接続部を形成する方法としては、上記ボス部および上記圧電素子接続部を安定的に形成できるものであれば特に限定されるものではないが、フォトリソグラフィ法、金型を用いたプレス加工等を挙げることができるが、なかでもプレス加工であることが好ましい。上記方法であることにより、ボス部および圧電素子接続部を低コストで形成できるからである。また、バリ等が発生し易く、本発明の効果をより効果的に発揮できるからである。
本工程に用いられる金属基材形成用部材の構成材料および厚みについては、上記サスペンション用金属薄板に含まれる金属基材と同様であり、具体的には、「A.サスペンション用金属薄板」の「1.金属基材」に記載のものと同様とすることができる。
本工程において準備される金属基材形成用部材は、上記ボス部および圧電素子接続部を含むものであるが、このような金属基材形成用部材としては、個片状であっても良いが、複数の金属基材形成用部材がフレームに接続された金属基材形成用部材フレームであっても良い。なお、この場合には、本発明の製造方法で得られるサスペンション用金属薄板は、上記サスペンション用金属薄板フレームとすることができる。
2.電解研磨工程
本発明における電解研磨工程は、上記金属基材形成用部材の上記ボス部を含む領域に電解研磨を行うことにより、上記第1領域および上記第2領域を形成する工程である。
本工程において、上記金属基材形成用部材の上記ボス部を含む領域に電解研磨を行う方法としては、上記第1領域および上記第2領域を形成可能な方法であれば特に限定されるものではないが、電解研磨液の液面が上記金属基材形成用部材の上記ボス部および上記圧電素子接続部の間となるように上記金属基材形成用部材を上記電解研磨液に浸漬して電解研磨を行う方法であることが好ましい。上記第1領域および第2領域を、電解研磨液の液面を利用して容易に形成可能できるからである。
なお、その他の方法としては、上記第2領域を覆うようにレジストを形成した状態で、上記金属基材形成用部材の全表面に電解研磨を行う方法や、上記金属基材形成用部材の全表面に電解研磨を行った後に、上記第2領域となる領域に物理研磨等を行う方法を挙げることができる。
本工程における電解研磨液としては、上記準備工程において上記ボス部を形成する際に生じたバリを安定的に除去できるものであれば特に限定されるものではなく、一般的な電解研磨液を用いることができる。
例えば、アルカリ電解液や酸電解液等を用いることができ、酸電解液としては、より具体的には、硝酸およびフッ酸の混酸等を挙げることができる。
本工程における電解研磨の条件としては、上記準備工程において上記ボス部を形成する際に生じたバリを安定的に除去できるものであれば特に限定されるものではなく、用いる材料およびサイズ等により異なるものであるが、例えば、上記金属基材形成用部材を上記電解研磨液に浸漬した状態で、温度条件を60℃程度(または45℃〜70℃の範囲内)
電流条件を1.5A〜5Aの範囲内、処理時間を30秒〜60秒の範囲内とすることができる。
本工程は、上記電解研磨を行うものであるが、必要に応じて、電解研磨前に脱脂洗浄処理および水洗処理や、電解研磨後に洗浄処理および乾燥処理等を行うものであっても良い。なお、これらの各処理については、一般的な電解研磨処理の前後に行われる処理と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
3.サスペンション用金属薄板の製造方法
本発明のサスペンション用金属薄板の製造方法は、上記準備工程および電解研磨工程を少なくとも有するものであるが、必要に応じて他の工程を有するものであっても良い。
このような他の工程としては、上記準備工程および電解研磨工程の間に、上記準備工程により生じた加工歪み解消のために熱処理を行う熱処理工程を挙げることができる。また、電流を流さないで酸性溶液等に浸漬する化学研磨を行う化学研磨工程等を行うものであっても良いが、上記準備工程後に行われる研磨工程としては、上記電解研磨工程のみであることが好ましい。プロセスを簡便にでき、また、形状安定性に優れたものとすることができるからである。
なお、このような熱処理工程や化学研磨工程については、ステンレス材料の加工に一般的に用いられる方法であるため、ここでの説明は省略する。
D.サスペンション
次に、本発明のサスペンションについて説明する。本発明のサスペンションは、上述したサスペンション用金属薄板を含むことを特徴とするものである。
本発明によれば、上述したサスペンション用金属薄板を用いることで、動作安定性に優れたサスペンションとすることができる。
このような本発明のサスペンションの一例を示す概略平面図としては、既に説明した図1に示すものを挙げることができる。
本発明のサスペンションは、少なくともサスペンション用金属薄板を有し、通常は、さらにロードビームおよびサスペンション用基板を有する。サスペンション用金属薄板については、上記「A.サスペンション用金属薄板」に記載した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。また、ロードビームおよびサスペンション用基板は、一般的なサスペンションに用いられるロードビーム等と同様のものを用いることができる。
E.素子付サスペンション
次に、本発明の素子付サスペンションについて説明する。本発明の素子付サスペンションは、上述したサスペンションと、上記サスペンションの素子実装領域に実装された素子と、を有することを特徴とするものである。
本発明によれば、上述したサスペンションを用いることで、動作安定性に優れた素子付サスペンションとすることができる。
図11は、本発明の素子付サスペンションの一例を示す概略平面図である。図11に示される素子付サスペンション40は、上述したサスペンション20と、サスペンション20の素子実装領域に実装された素子41とを有するものである。
本発明の素子付サスペンションは、少なくともサスペンションおよび素子を有するものである。サスペンションについては、上記「D.サスペンション」に記載した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。また、素子実装領域に実装される素子としては、例えば、記録再生用素子を挙げることができる。記録再生用素子としては、特に限定されるものではないが、磁気発生素子を有するものが好ましい。具体的には、磁気ヘッドスライダを挙げることができる。
F.ハードディスクドライブ
次に、本発明のハードディスクドライブについて説明する。本発明のハードディスクドライブは、上述した素子付サスペンションを含むことを特徴とするものである。
本発明によれば、上述した素子付サスペンションを用いることで、動作安定性に優れたハードディスクドライブとすることができる。
図12は、本発明のハードディスクドライブの一例を示す概略平面図である。図12に示されるハードディスクドライブ50は、上述した素子付サスペンション40と、素子付サスペンション40がデータの書き込みおよび読み込みを行うディスク51と、ディスク51を回転させるスピンドルモータ52と、素子付サスペンション40の素子を移動させるアクチュエータアーム53およびボイスコイルモータ54と、上記の部材を密閉するケース55とを有するものである。
本発明のハードディスクドライブは、少なくとも素子付サスペンションを有し、通常は、さらにディスク、スピンドルモータ、アクチュエータアームおよびボイスコイルモータを有する。素子付サスペンションについては、上記「E.素子付サスペンション」に記載した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。また、その他の部材についても、一般的なハードディスクドライブに用いられる部材と同様のものを用いることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と、実質的に同一の構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなる場合であっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例を用いて、本発明をさらに具体的に説明する。
[作製例1]
まず、厚さ100μmのSUS304を準備した。
次に、リン酸ナトリウム系溶液にて脱脂洗浄を行い、水洗を行った後、硫酸溶液にて洗浄を行い、水洗を行った。次にドライフィルムレジストを両面にラミネートし、レジストパターンを形成した。次に塩化第二鉄液を用いてエッチングし、エッチング後レジスト剥膜を行った。
その後、50℃の水酸化ナトリウム系溶液にて脱脂洗浄を行い、水洗を行った後、塩酸にて洗浄を行った。次に、硝酸/フッ酸の混酸の電解液を用いて電解処理を実施し、その後、水洗を行った。
第1領域のCr/Feに対する第2領域のCr/Feの比率は、0.2であった。第1領域および第2領域の厚みの差としては、2.5μm〜3μm第1領域が薄かった。
1…金属基材
2…ボス部
3…圧電素子接続部
4…圧電素子配置部
10…サスペンション用金属薄板
12…第1領域
13…第2領域
20…サスペンション
21…サスペンション用基板
22…素子実装領域
23…ロードビーム
30…サスペンション用金属薄板フレーム
31…フレーム
32…高Cr/Fe領域
33…低Cr/Fe領域
40…素子付サスペンション
50…ハードディスクドライブ

Claims (8)

  1. 金属基材を有し、サスペンション用基板を支持するサスペンション用金属薄板であって、
    前記金属基材が、オーステナイト系ステンレス鋼を用いて形成されたものであり、
    前記金属基材には、アクチュエータアームとの接続に用いられるボス部を含む第1領域、および圧電素子接続部を含み前記第1領域より鉄に対するクロムの比率が低い第2領域が形成されていることを特徴とするサスペンション用金属薄板。
  2. 前記金属基材が前記第1領域および前記第2領域をそれぞれ1つずつ含むものであり、かつ、両領域の境界が直線状であることを特徴とする請求項1に記載のサスペンション用金属薄板。
  3. 請求項1または請求項2に記載のサスペンション用金属薄板を含むことを特徴とするサスペンション。
  4. 請求項3に記載のサスペンションと、前記サスペンションの素子実装領域に実装された素子と、を有することを特徴とする素子付サスペンション。
  5. 請求項4に記載の素子付サスペンションを含むことを特徴とするハードディスクドライブ。
  6. 請求項1または請求項2に記載のサスペンション用金属薄板が複数配置されたサスペンション用金属薄板フレーム。
  7. オーステナイト系ステンレス鋼を用いて形成された金属基材を有し、
    前記金属基材には、アクチュエータアームとの接続に用いられるボス部を含む第1領域、および圧電素子接続部を含み前記第1領域より鉄に対するクロムの比率が高い第2領域が形成されている、サスペンション用基板を支持するサスペンション用金属薄板の製造方法であって、
    前記ボス部および前記圧電素子接続部を有する金属基材形成用部材を準備する準備工程と、
    前記金属基材形成用部材の前記ボス部を含む領域に電解研磨を行うことにより、前記第1領域および前記第2領域を形成する電解研磨工程と、
    を有することを特徴とするサスペンション用金属薄板の製造方法。
  8. 前記電解研磨工程が、電解研磨液の液面が前記金属基材形成用部材の前記ボス部および前記圧電素子接続部の間となるように前記金属基材形成用部材を前記電解研磨液に浸漬して電解研磨を行うことを特徴とする請求項7に記載のサスペンション用金属薄板の製造方法。
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