JP6068585B1 - ボトム衣類 - Google Patents

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【課題】左右のヒップが明確に分かれた二つの膨らみを持ち、理想的なヒップラインを演出できるボトム衣類を提供することを目的とする。【解決手段】前身頃と、後身頃と、クロッチとを有するボトム衣類であって、前記クロッチの前後方向の中心線に沿ってダーツが設けられているボトム衣類に関する。前記クロッチの後端縁は、後端縁の左右端から後中心線に向かって上方に延びる先突状の形態であることが好ましい。また前記後身頃の後中心線沿いに、長さ方向に伸縮性のある細幅テープが伸長可能な状態で取り付けられていることが好ましい。【選択図】図1

Description

本発明は、ガードル、ショーツ、水着等のクロッチを有するボトム衣類に関する。
ガードル等のボトム衣類において、左右ヒップの膨らみを独立させ、かつ、ヒップアップ効果を得て理想的なヒップラインを演出するための様々な構成が提案されている。
例えば特許文献1には、下着の裏面における臀裂に沿う後中心線から股布(クロッチ)の両後端縁にかけて、逆Y字型のストレッチテープ片を沿設したことを特徴とするガードルが開示されている。特許文献1の下着では、クロッチの後端縁は、従来のような外方に向かって円弧状に湾曲した辺ではなく、逆V字型に突出する形状を有している。特許文献1には、逆Y字型のストレッチテープ片によって左右ヒップを明瞭かつ立体的に区画せしめ、逆Y字の短辺によってヒップ下部が人体の中心方向斜め上に持ち上げられるためヒップアップ機能が出現することが、開示されている。
特許文献2には、モールディング等の工程無しにヒップ部を突出させるガードルが開示されており、クロッチの背面部の縁(後端縁)は、左右両側から後中心線の上方に向かう三角形状に形成されている。また、後身頃の中央上縁からクロッチに至る縫着線の内側に伸縮テープを引き伸ばした状態で縫着してなるものが開示されている。特許文献2の発明によれば、モールディング等の工程無しにヒップ部が突出したガードルを製造できるとともに、ヒップアップ効果があり、ヒップへのフィット性もよいガードルが得られることが開示されている。
また特許文献3は、ヒップアップ機能と運動容易性、着用感に優れたフィットタイプのボトム衣類を提供するものである。特許文献3には、股部を有するフィットタイプの衣類において、上端は少なくともヒップラインを越え、また下端は少なくとも臀溝近傍まで到達し、ヒップの頂点部から後正中線寄りの左右の大殿筋の縁近傍に沿って延在する比較的緊締力の強いヒップ引上げ部が形成されているものが開示されている。
上述のように、ガードル等の衣類において補整機能やヒップアップ機能を得るために、クロッチの後端縁を左右両端から後中心線に向かう突状とすることが公知であった。また、ヒップの頂点部から後正中線寄りの左右の大殿筋の縁近傍に沿って延在するように緊締力の強い部材を取り付けることで、ヒップアップ効果が得られ、運動性にも優れることが公知であった。
特開平4−163302号公報 実開平6−51210号公報 特開平8−158109号公報
しかしながら、理想的なシルエットのヒップラインを演出するために、さらなる工夫が求められていた。すなわち、本発明の課題は、理想的なヒップラインを演出できる、ボトム衣類の部材及びボトム衣類を提供することである。
発明者は検討を重ねた結果、ヒップラインを美しく見せるためには、左右それぞれのヒップが独立して丸い膨らみを有することに加えて、股下から後中心線沿いに切れ上がる明確なラインを作り出すことが重要であることを見出した。そして、このようなラインを得るために、クロッチを身体にフィットしやすい形状とすることに着想し、さらに検討を重ねた結果、クロッチの前後方向の中心線に沿うダーツを設けることによって、身体へのフィット性がより高いボトム衣類が得られ、自然で美しいヒップラインを作り出せることを見出して、本発明を完成した。
すなわち本発明は、前身頃と、後身頃と、クロッチとを有するボトム衣類であって、前記クロッチは、前後方向の中心線に沿ってダーツが設けられているボトム衣類に関する。前記クロッチの後端縁は、後端縁の左右端から後中心線に向かって上方に延びる先突状の形態であることが好ましい。
また前記のボトム衣類は、前記後身頃の後中心線沿いに、長さ方向に伸縮性のある細幅テープが伸長可能な状態で取り付けられていることが好ましい。当該細幅テープは、後中心線に沿って、少なくとも前記クロッチの後端縁から後身頃の上端に至るテープであることが好ましい。
さらに、前記のボトム衣類は、前記クロッチの後端縁の左右それぞれから上方に延び、尾てい骨近傍から斜め脇方向に延在し、ウエストラインよりも下で脇から前身頃に回り込むサポート部を備えることが好ましい。
また前記のボトム衣類は、前記後身頃の中央上端部に、前記後身頃の上縁を一辺とする下向き三角形の弱力パネル部が設けられていることが好ましい。
また前記のボトム衣類は、ガードル又はショーツであることが好ましい。
本発明のボトム衣類によれば、左右両ヒップがそれぞれ丸い膨らみを有し、かつ、股下から後中心線沿いに切れ上がったラインが明確に演出されるため、若々しく美しいヒップラインを作り出すことができる。
本発明の実施例のガードルを示す。 本発明に用いられるクロッチのパーツを示す。 本発明の実施例のショーツを示す。 本発明に用いられるクロッチのパーツを示す。
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態をより詳しく説明するが、示された実施例は一例に過ぎず、本発明はここに示す実施例に限定されるものではない。
図1は本発明の実施例であるガードル1を示し、上図は前面(腹部側)、下図は後面(ヒップ側)を示している。また図1では、上図、下図ともガードルの内側面(肌側)を示している。なお、図1では理解容易のために主な構成部材を明示しているが、実際の製品では、装飾目的や肌当たりを良くするために、構成部材の一部又は全体の表面に布帛やレース等が重ねられて、各構成部材が視認できないようになっていてもよい。
ガードル1は、後身頃2、前身頃3及びクロッチ4を備える。ガードル1の略全体は縦及び横方向に伸縮可能な生地、例えばサテンネット、トリスキン(登録商標)等からなる。ガードル1の上縁5は、後身頃2及び前身頃3の全周にわたる、細幅ないし中幅(巾5mm〜5cm程度)の伸縮テープで補強されている。また、伸縮テープを用いるほかに、ヘム仕様、折り返し仕様等としてもよい。
後身頃2には、サポート部である上側サポート部材6、下側サポート部材7が備えられている。また後中心線に沿って、伸縮性の細幅テープ8が取り付けられている。図1の実施例では、細幅テープ8はクロッチ4の前端縁からクロッチ4の中心線を通り、後身頃2の上端まで至っている。また別の態様として、細幅テープ8を、クロッチ4の後端縁から後身頃2の上端まで取り付けることも好ましい。細幅テープ8は、幅5mm〜15mm程度で、少なくとも長さ方向に伸縮性のあるテープであることが好ましい。細幅テープ8は伸長可能な状態で取り付けられていることが好ましい。また、細幅テープ8を引き伸ばしながらガードル1に取り付けることによって、自然状態では、自然長に戻った細幅テープ8によってクロッチ4にギャザーができるようにすることも好ましい。そのようにすることによって、着用時には身体に沿って細幅テープ8が伸長し、その復元力によってヒップアップ効果を得られるとともに左右のヒップの谷間(左右ヒップを区画する、股下から臀溝に切れ上がるライン)をより明確に見せることができる。また、細幅テープ8がクロッチ4にかからず、クロッチの後端から後身頃2の上端まで取り付けられた場合であっても、クロッチ4にはダーツがあり立体的に形成されているため、身体へのフィット性が高く美しいヒップラインが得られる。
クロッチ4は前身頃3から後身頃2にわたっており、その後端縁は、左右端から後中心線(細幅テープ8)に向かって上方に延び、尾てい骨の下付近で終止する先突状になっている。またクロッチ4は、左右対称の2部材を接ぎ合わせることによって形成されており、前後方向の中心線に沿うダーツが設けられている。クロッチ4の詳しい形態は後述するが、ダーツが設けられることによってクロッチ部分が立体的に形成され、身体へのフィット性が高まる。
上側サポート部材6は、クロッチ4の後端縁の左右それぞれから後中心線に沿って上方に延び、尾てい骨近傍からそれぞれ左右斜め上方、脇方向に向けて延在している。上側サポート部材6の素材は特に限定されるものではないが、従来のガードル等のサポート部に使用されるパワーネット等の素材、編みや加工によるパワー変化等を用いることができる。上側サポート部材6はヒップを引き上げるとともに、上方では左右に分かれているため、明瞭に分割した左右ヒップを作り出すことができる。
また上側サポート部材6は、左右脇のウエストよりも下で前身頃3に回り込み、前身頃3においては、左右脇から前中心線に向かって斜め下方向に延在して、前身頃の中央パネル9に接する箇所で終止している。
下側サポート部材7は、クロッチ4の左右の後端縁それぞれから、ヒップの下部を支持するようにヒップライン下部に沿って左右方向に延在している。上側サポート部材6と下側サポート部材7とによって左右のヒップがそれぞれ囲まれ、上側サポート部材6によって引上げ及び左右を区画する効果が得られ、また、下側サポート部材7によってヒップラインの下部が支持されるため、優れたヒップアップ効果が得られる。
また下側サポート部材7は、脇部で下方に鋭角に屈曲し、前身頃3では、ウエストの下から腰部の側面に沿ってガードル1の下縁まで延在している。この構造によってヒップが必要以上に左右に流れてしまうことを防止し、引き締まった腰のラインを出すことができる。下側サポート部材7の素材は、上側サポート部材6と同様のものを用いることができ、特に制限されない。
後身頃2の中央上端部には、後身頃の上縁を一辺とする下向き三角形の弱力パネル部10が設けられている。弱力パネル部10は伸縮性があり、かつ、後身頃2の他の部分よりも緊締力(パワー)の低い素材からなっている。弱力パネル部10を設けることによって、着用時の身体へのフィット性が良好になり、ずれが少なく着用感の良いガードルが得られる。
図2は本発明に用いられるクロッチのパーツを示す。クロッチ20は左右対称の二つのパーツからなり、前端縁22は、左右のパーツを継ぎ合わせた状態で緩い弧状となる。クロッチ20の前面21、21は中心線に沿って直線的に継ぎ合わせが可能になっている。一方、クロッチ20の後面23、23は、股下部(一点鎖線部)から後方に向かって外側に膨らみPを有し、後端は中心線に向けて先突状に細くなる形状である。また、膨らみPの中央部では左右のパーツが互いに離間しており、これらを継ぎ合わせることによってダーツが形成され、体に沿う立体感のあるクロッチを作り出すことができる。
図3は本発明の別の実施例であるショーツ30を示し、上図は前面(腹部側)、下図は後面(ヒップ側)を示している。図3も図1と同様に、上図、下図ともショーツの内側面(肌側)を示している。図3では理解容易のために主な構成部材を明示しているが、実際の製品では、装飾目的や肌当たりを良くするために、構成部材の一部又は全体の表面に布帛やレース等が重ねられて、構成部材が視認できないようになっていてもよい。
ショーツ30は前身頃31、後身頃32、クロッチ33を備える。ショーツ30の素材は、通常ショーツに用いられる素材であれば特に制限されないが、例えばベア天竺、ツーウェイトリコット等を用いることができる。ショーツ30の上縁34は、前身頃31及び後身頃32の全周にわたる、細幅ないし中幅(巾5mm〜5cm程度)の伸縮テープやゴムが取り付けられている。
後身頃32には、上側サポート部35、下側サポート部36が備えられている。また後中心線に沿って、伸縮性の細幅テープ37が取り付けられている。図3の実施例では、細幅テープ37はクロッチ33の前端縁38からクロッチ33の中心線を通り、後身頃32の上端まで至っている。また別の実施態様として、細幅テープ37をクロッチ33の後端縁39から後身頃32の上端までとすることも好ましい。細幅テープ37がクロッチ33にかからず、クロッチの後端から後身頃32の上端まで取り付けられた場合であっても、クロッチ33にはダーツがあり立体的に形成されているため、身体へのフィット性が高く美しいヒップラインが得られる。
細幅テープ37は、幅5mm〜15mm程度で、少なくとも長さ方向に伸縮性のあるテープであることが好ましい。細幅テープ37は伸長可能な状態で取り付けられていることが好ましい。また、細幅テープ37を引き伸ばしながらショーツ30に取り付けることによって、自然状態では、自然長に戻った細幅テープ37によってクロッチ33にギャザーができるようにすることも好ましい。こうすることによって、着用時には身体に沿って伸長し、その復元力によってヒップアップ効果を得られるとともに左右のヒップの谷間をより明確に見せることができる。
クロッチ33は前身頃31と後身頃32とをつなぐように取り付けられており、その後端縁39は、左右両端から後中心線(細幅テープ37)に向かって上方に延び、尾てい骨の下付近で終止する先突状になっている。またクロッチ33は、前後方向の中心線に沿ってダーツが設けられている。クロッチ33の詳しい形態は後述する。
上側サポート部材35は、クロッチ33の後端縁39の左右それぞれから後中心線に沿って上方に延び、尾てい骨近傍からそれぞれ左右斜め上方、脇方向に向けて延在している。上側サポート部材35の素材は特に限定されるものではないが、従来のガードル等のサポート部に使用される、パワーネット等の素材や、編みや加工によるパワー変化等を用いることができる。上側サポート部材35はヒップを上に引き上げるとともに、上方では左右に分かれているため、明瞭に分割した左右ヒップを作り出すことができる。
また上側サポート部材35は、左右腰部で前身頃31に回り込み、前身頃31においては、左右腰部から前中心線に向かって斜め下方向に延在して前身頃の中央パネル40に接する箇所で終止している。
下側サポート部材36の下辺は後身頃32の下縁に沿い、中心側の辺はクロッチ33の後端縁39から後中心線にわたっている。下側サポート部材36はヒップラインの下側に沿って左右方向に延在し、腰部の近傍で鋭角に下側に屈折している。下側サポート部材36は前身頃31に回り込んだところで終止している。
上側サポート部材35と下側サポート部材36とによって左右のヒップがそれぞれ囲まれ、上側サポート部材35によって引上げ及び左右を区画する効果が得られ、また、下側サポート部材36によってヒップラインの下部が支持されるため、優れたヒップアップ効果が得られる。
また後身頃32の中央上端部には、後身頃の上縁を一辺とする下向き三角形の弱力パネル部41が設けられている。弱力パネル部41は、伸縮性があり、かつ、後身頃32の他の部分よりも緊締力(パワー)の低い素材であれば特に制限されない。弱力パネル部41を設けることによって、着用時の身体へのフィット性が良好になり、ずれが少なく着用感の良いショーツが得られる。
図4に前記ショーツ等に用いられるクロッチのパーツを示す。クロッチ42は左右対称の二つのパーツからなり、前端縁44は略直線状、ないし、僅かに弧状である。クロッチ42の股下辺46は、前面43、43から股下部(一点鎖線部)を経て後面45、45の途中まで外向きに弧状に拡幅している。クロッチ42の後端縁47(図3の後端縁39に相当)は左右端から後方へ中心線に向かって先突状に細くなっている。また、各パーツの中心側辺は略弧状であって互いに離間しており、これらを継ぎ合わせることによって、中心線に沿ったダーツが形成されたクロッチを得ることができる。
本発明のボトム衣類は、ガードル、ショーツ、ボディスーツ、レギンス、スパッツ、タイツ、スポーツ用タイツ、水着、レオタード等のように、クロッチを有するボトム衣類のあらゆるものが含まれる。なお、アウター衣類に本発明を適用する場合、本発明のボトム衣類を内側に内蔵するようにしてもよい。
1 ガードル
2、31 前身頃
3、32 後身頃
4、20、33、42 クロッチ
5、34 上縁
6、35 上側サポート部材
7、36 下側サポート部材
8、37 細幅テープ
9、40 前面パネル
21、43 クロッチ前面
22、38、44 クロッチ前端縁
23、45 クロッチ後面
30 ショーツ
39、47 クロッチの後端縁
46 クロッチの股下辺

Claims (5)

  1. 前身頃と、後身頃と、クロッチとを有するボトム衣類であって、前記クロッチの前後方向の中心線に沿ってダーツが設けられており、前記クロッチの前端縁から前記クロッチの中心線を通り、後中心線に沿って前記後身頃の上端に至る伸縮性のある細幅テープが取り付けられている、ボトム衣類。
  2. 前記クロッチの後端縁は、後端縁の左右端から後中心線に向かって上方に延びる先突状の形態である、請求項1に記載のボトム衣類。
  3. 前記ボトム衣類がさらに、前記クロッチの後端縁の左右それぞれから後ろ中心線沿いに上方に延び、尾てい骨近傍から斜め脇方向に延在し、ウエストラインよりも下で脇から前身頃に回り込むサポート部を備える、請求項1又は2に記載のボトム衣類。
  4. 前記後身頃の中央上端部に、前記後身頃の上縁を一辺とする下向き三角形の弱力パネル部が設けられている、請求項1〜3のいずれか1項に記載のボトム衣類。
  5. ガードル又はショーツである、請求項1〜4のいずれか1項に記載のボトム衣類。
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