JP6067915B1 - 宿泊施設における複数浴槽遠隔制御システム - Google Patents
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Description
この種の従来の浴槽の遠隔制御システムは、例えば図7に示すように、管理室等に管理端末(管理PC)101を配置し、一部の客室に設けられる浴槽制御用の制御盤102の中に中継器103を組み込み、他の客室の制御盤103を例えばRS−485等のシリアル通信ケーブル104で渡り配線して繋いでいくものである。図示例では、各フロアにおいて任意の一客室の制御盤102内に中継器103を組み込み、各フロアの通信を中継する。
また、特許文献3は、個人の家の1つの浴槽の遠隔制御を対象とするもので、ホテル等の宿泊施設における多数の浴槽を対象とするものとは事情が異なる。
当該宿泊施設には、管理サーバーと各客室毎に設けられる制御基板とが接続されかつインターネットに接続されるローカルエリアネットワークである客室ネットワークが構築され、
各浴槽は水位及び湯温を検知するセンサを備え、かつ、給湯部と排水部と浴槽湯を昇温し循環させる昇温循環装置とを備える浴槽運転機器を備え、
前記制御基板は、前記各浴槽の前記センサから取得したセンサ情報と浴槽運転機器の状態の情報とを客室ネットワークに送信する送信部と、客室ネットワークを介して受信した機器制御要求信号に基づいて、前記浴槽運転機器の運転・停止を行わせる出力制御部とを備え、
前記管理サーバーは、前記制御基板から客室ネットワークを介して送信されたセンサ情報と浴槽運転機器の状態の情報とを受信する受信部と、前記受信されたセンサ情報と浴槽運転機器の状態とを表示する表示部と、設定しようとする水位・湯温、及び前記浴槽運転機器の運転・停止要求を入力する入力装置と、前記入力装置による入力に基づいて前記制御基板に機器制御要求信号を送信する送信部とを備えたことを特徴とする。
また、管理サーバー、各制御基板が、渡り配線ではなくネットワークにより接続されているので、いずれかの客室の浴槽運転や浴槽機器に不具合が発生しても、その箇所を容易に特定でき容易に不具合を発見することができる。また、他の客室に不具合の影響が及ぶことがなく、補修も容易である。
また、宿泊施設に既存のLANがある場合には、その既存のLANを容易に利用することができる。したがって、容易にかつ安価にシステムを構築することができる。
また、図7の従来方式のように管理PC101から各客室の制御盤(制御基板)102に浴槽状態を個別に送信する(問い合わせる)方式と異なり、本発明では各客室の制御基板がそれぞれ個別に客室ネットワークに接続されるシステムであり、各客室の制御基板が個別に管理サーバーへ浴槽状態を送信する(問い合わせる)ので、ネットワークシステム全体が単純化される。
ネットワークシステム全体が複雑であると、システムに不具合が発生した場合にその不具合の発見に手間取ることが生じ易いが、システム全体が単純化されることで、その不具合の発見が容易かつその補修も容易であり、複数浴槽遠隔制御システムとしての信頼性が向上する。
ホテル等の宿泊施設における複数の客室1にそれぞれ浴槽2が設置されている。図では大きく記載した1つの客室1に浴槽遠隔制御システムを構成する要素を記載し、他の客室1にはそれを省略している。
この実施例では浴槽として、部屋の外又は窓際に設置された各客室専用の露天風呂ないし露天風呂的な浴槽を想定している。但し、部屋内に設置される通常の浴槽でもよい。
当該宿泊施設には、管理サーバー3と各客室毎に設けられる制御基板4とこの実施例ではクライアント端末5とが接続されるLAN(ローカルエリアネットワーク)である客室ネットワークが構築され、この客室ネットワークはルーター15を介してインターネットに接続されている。そして、前記制御基板4に浴槽制御が可能なリモコン11が例えば2線式電力通信方式又はRS485シリアル通信方式で有線接続されている。なお、「制御基板」という場合、制御基板本体(制御基板自体)をいう場合だけでなく、その制御基板を収容している制御盤を指す場合もある。
図示例における前記クライアント端末5としては、客室ネットワークに接続された複数のPC(パソコン)、また、インターネットを通じて客室ネットワークに接続可能にされたスマートフォン5’やタブレット等を想定している。
なお、管理サーバー3、クライアント端末5は、客室ネットワークのどこに存在してもよい。インターネットに一方通行で接続可能にされているので、必ずしも宿泊施設の館内に設置しなくても機能する。
図4(ロ)は図4(イ)を通信内容とともに説明する図であり、クライアント端末5から特定の制御基板4への温度設定・水位設定・運転・停止等の要求を行うには、まず管理サーバー3へ要求(運転・停止等)を伝える。
次に、管理サーバー3から制御基板4へ要求(運転・停止等)を行い、制御基板4からの回答(要求実行結果)を、クライアント端末5に伝える。同時に状態をログとして蓄え、クライアント端末5へ公開する。
上記のように、実施例のネットワーク構成では、クライアント端末5から制御基板4への直接アクセスを禁止しているので、複数のクライアント端末5から同時にアクセスがあった場合の制御基板4の負荷が軽減される。
前記制御基板4は、図2にも示すように、前記各浴槽2の前記水位センサ6a、温度センサ6bからのセンサ情報を受けるセンシング部4aと、前記センサ情報と浴槽運転機器の状態の情報とを客室ネットワークに送信する送信部4bと、客室ネットワークを介して受信した機器制御要求信号を受信する受信部4cと、前記受信部4cが受信した前記機器制御要求信号に基づいて、前記浴槽運転機器の運転・停止等を行わせる出力制御部4dとを備えている。
また、前記送受信部(送信部4b及び受信部4c)と出力制御部4dとがハード的に分離されている(回路として分離されている)。
したがって、宿泊施設のスタッフが各客室の浴槽を運転制御する場合、前記管理サーバー3、各クライアント端末5のいずれからも浴槽運転機器の運転制御を行うことができる。また、スマートフォン5’からは、インターネットを経由して行うことができる。
実施例のリモコン11は制御基板4に直接に機器制御要求信号をケーブル送信して、浴槽運転機器の運転制御を行うことができる。
従業員が例えば管理サーバー3から浴槽遠隔制御する場合として説明すると、そのモニター(表示画面)を見ながら、入力装置例えばキーボードで、またタッチパネルモニターであればその画面から、対象とする客室を選択し、その客室の浴槽の例えば運転開始要求の入力操作をする。なお、運転開始前に浴槽の水位、湯温の設定をしておく。
その運転開始要求信号(機器制御要求信号)が客室ネットワークを介して制御基板4に送信され、制御基板4は出力制御部より給湯給水バルブ7を開とし、給湯部から浴槽に給湯される。設定した水位に達すると水位センサ6aがそれを検知し、制御基板4はそのセンサ情報(水位情報)を受けて出力制御部より給湯給水バルブ7を閉とする。
また、浴槽運転中は、循環ポンプ9を作動させて浴槽の湯を循環させ、湯温が設定温度より低くなった時は、熱交換器と熱源機とを有する昇温装置10を作動させて湯温を上昇させ、設定温度に維持する。
また、管理サーバー3で運転停止要求の入力操作をすると、その運転停止要求信号が制御基板4に送信され、その出力制御部より循環ポンプ9を停止させ、給湯給水バルブ7等は強制的に閉とし、排水バルブを開として浴槽の湯を排水する。
上記では管理サーバー3から遠隔制御する場合として述べたが、各クライアント端末5からも同様な操作で任意の浴室の浴槽の遠隔制御を行うことができる。
したがって、例えば、客がフロントでチェックインしたら、従業員は管理サーバー3又は任意のクライアント端末5において浴槽の運転開始の操作をしてお湯張りをし、客がいつでも入浴可能な状態にすることができる。
また、客がチェックアウトしたら、従業員は運転停止の操作をすると、浴槽の湯が排水され、各機器が停止状態となり、清掃員はすぐに清掃作業を行うことができる。
上記の通り、管理サーバー3から遠隔制御できるだけでなく、適宜配置されたパソコン等のクライアント端末からも遠隔制御できるので、種々の場面で遠隔制御を行うことが適切な従業員が遠隔制御を行うことが可能であり、宿泊施設全体として能率的な業務遂行が可能となる。
このリモコン11からは、その客室の浴槽について、クライアント端末5からの操作と同様な操作で浴槽の運転・停止を行うことができる。
実施例ではリモコンを制御基板4に有線接続としたが、勿論、電波又は赤外線による無線接続とすることができる。
したがって、管理サーバー3は、予め管理サーバー3から各制御基板4に状態を返送する通信スケジュール(正常時の回答周期及び緊急時の回答周期)を伝えておく(図5A(イ))。たとえば、通常の温度・水位等の情報は10秒周期、温度異常等のエラー等の緊急通知は3秒周期で行う等のように通信スケジュールを設定する。
各制御基板4は、設定されたスケジュールに従って管理サーバー3に状態を回答する(図5A(ロ))。
管理サーバー3は制御基板4から送信される情報をログとして蓄える。
上述の伝送路アクセス制御方式によれば、図5Bで説明する一般的なポーリング方式と異なり、図5A(ハ)のようにトラフィックに空き時間ができるので、限られた通信リソースを有効に利用できる。
この場合、制御基板4に何も変化がない場合でも一定周期で通信を行うので、制御基板4が増えるほど無駄な通信が増えてしまう。例えば、制御基板4との要求−回答に掛る時間をT、制御基板4の台数をNとすると、N番目の制御基板4の異常を知るまでの間では、最大(N−1)×T時間を無駄にしてしまう。このように常に通信が発生してしまうので、通信リソースが無駄遣いになるが、上述したように、本発明実施例の通信方式では、通信リソースを有効に利用できる。
本発明における客室ネットワークは、インターネットに接続可能なネットワークであり、管理サーバー3、制御基板4、クライアント端末5、スマートフォン5’にはプライベートIPアドレスが割り振られる。ルーター15がそれぞれのプライベートIPアドレスを識別してインターネットとの接続の適否(許可、拒絶)を決定する。
具体的には、ルーター15は、管理サーバー3、クライアント端末5、スマートフォン5’からインターネットへの接続は許可し、制御基板4からインターネットへの接続は拒絶する。
また、管理サーバー3、クライアント端末5、スマートフォン5’はインターネットから客室ネットワークに入ることができる。
また、制御基板4では、客室ネットワークに対する送受信部(送信部・受信部)と浴槽機器制御部(出力制御部・センシング部)とがハード的に分離されているので、制御基板4の機器制御プログラムがネットワークを通して書き換えられる恐れ等の問題は生じない。
2 浴槽
3 管理サーバー
3a 受信部
3b 表示部
3c 入力装置
3d 送信部
4 制御基板
4a センシング部
4b 送信部
4c 受信部
4d 出力制御部
5 クライアント端末
6a 水位センサ
6b 温度センサ
7 給湯給水バルブ
8 排水バルブ
9 循環ポンプ
10 昇温装置
11 リモコン
15 ルーター
16 スマートフォン
Claims (5)
- 複数の客室にそれぞれ設置された浴槽を遠隔制御する宿泊施設における複数浴槽遠隔制御システムであって、
当該宿泊施設には、管理サーバーと各客室毎に設けられる制御基板とが接続されかつインターネットに接続されるローカルエリアネットワークである客室ネットワークが構築され、
各浴槽は水位及び湯温を検知するセンサを備え、かつ、給湯部と排水部と浴槽湯を昇温し循環させる昇温循環装置とを備える浴槽運転機器を備え、
前記制御基板は、前記各浴槽の前記センサから取得したセンサ情報と浴槽運転機器の状態の情報とを客室ネットワークに送信する送信部と、客室ネットワークを介して受信した機器制御要求信号に基づいて、前記浴槽運転機器の運転・停止を行わせる出力制御部とを備え、
前記管理サーバーは、前記制御基板から客室ネットワークを介して送信されたセンサ情報と浴槽運転機器の状態の情報とを受信する受信部と、前記受信されたセンサ情報と浴槽運転機器の状態とを表示する表示部と、設定しようとする水位・湯温、及び前記浴槽運転機器の運転・停止要求を入力する入力装置と、前記入力装置による入力に基づいて前記制御基板に機器制御要求信号を送信する送信部とを備えたことを特徴とする複数浴槽遠隔制御システム。 - 前記各制御基板にリモコン装置が接続され、このリモコン装置は、その客室の浴槽について運転制御を行う機能については、前記管理サーバーと同じ機能を備えていることを特徴とする請求項1記載の複数浴槽遠隔制御システム。
- 前記客室ネットワークが無線のネットワークであり、この客室ネットワークに前記管理サーバーと各客室毎に設けられる制御基板とが接続されたことを特徴とする請求項1又は2記載の宿泊施設における複数浴槽遠隔制御システム。
- 前記制御基板は、客室ネットワークに対する送受信部と機器制御部とがハード的に分離されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1記載の複数浴槽遠隔制御システム。
- インターネットに接続するためのルーターは、前記管理サーバーからインターネットへの接続は許可し、前記制御基板からインターネットへの接続は許可しないように設定されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の複数浴槽遠隔制御システム。
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