JP6067533B2 - 地熱タービン - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、地熱タービンに関する。
地熱発電プラントにおいては、地熱で加熱された作動流体を地熱タービンに導入して、地熱タービンを駆動させることによって、発電が行なわれる。
たとえば、地熱貯留層が「熱水卓越型」である場合には、フラッシャーを用いて地熱蒸気が抽出され、その抽出された地熱蒸気が作動流体として地熱タービンに導入される。また、地熱貯留層が「蒸気卓越型」である場合には、地熱蒸気が直接抽出され、ドレンセパレータを介して、その抽出した地熱蒸気が作動流体として地熱タービンに導入される。
地熱タービンは、たとえば、多段式の軸流タービンであって、ノズル翼(静翼)と、そのノズル翼の下流側に位置する動翼とによって構成されるタービン段落が、タービンロータの回転軸方向に沿って、複数段、設けられている。そして、作動媒体として地熱タービンに流入した地熱蒸気は、複数段のタービン段落を順次流れ、その複数段のタービン段落において膨張を繰り返して、タービンロータを回転させる。そして、そのタービンロータの回転によって、発電機が駆動して発電が行われる。
ところで、地熱貯留層は、時間の経過に伴って蒸気の流量が減衰する。たとえば、年率で1〜2%程度、減衰し、これに伴って、発電出力の低下が生ずる。このため、ノズル翼や動翼の変更などの措置が必要になる場合がある。その結果、地熱タービンについて高い効率で運用することが容易でない場合がある。
また、地熱蒸気は、シリカ、カルシウムなどのスケール成分を含んでいるため、スケール成分がノズル翼および動翼の表面に堆積してスロート面積が減少する場合がある。そして、地熱蒸気は、飽和状態、または、飽和状態に近い状態にあり、湿り度が高い状態で地熱タービンに導入されるため、ノズル翼および動翼の表面がエロージョン(侵食)によって粗くなり、内部効率が低下する場合がある。また、地熱蒸気は、砂、泥、酸化鉄などの固体粒子を含むため、固体粒子の付着によりスロート面積が減少すると共に、エロージョンが発生する場合がある。さらに、地熱蒸気は、硫化水素などの腐食性ガスを含むため、湿り蒸気との相乗作用によって、ノズル翼および動翼を腐食させる場合がある。
このような事情により、地熱発電プラントにおいては、性能および信頼性が低下する場合がある。このため、地熱発電プラントでは、地熱タービンを開放して保守を行っている。しかし、地熱タービンを頻繁に開放した場合には、地熱発電プラントの稼働率が低下する。
そこで、地熱タービンの保守を効率的に行うために、さまざまな技術が提案されている。たとえば、予備タービンロータなどの予備部品を別途準備し、その予備タービンロータについて、カップリング寸法等を既設のタービンロータと共通にすること等が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
特開2009−162143号公報
地熱貯留層においては、時間の経過に伴って、蒸気の流量が減ったとしても、プラント効率が著しく低下しないような方策が求められている。
本発明が解決しようとする課題は、高い効率で運用することが可能な地熱タービンを提供することである。
実施形態の地熱タービンは、ノズル翼と、そのノズル翼の下流側に位置する動翼とを含むタービン段落が、ケーシングの内部において、回転軸に沿って複数設けられており、地熱媒体が作動媒体として流入し、当該複数のタービン段落を順次流れる。地熱タービンは、タービンロータと、ノズルダイヤフラムと、予備初段ノズルダイヤフラムとを有する。タービンロータは、ケーシングの内部において動翼が複数のタービン段落に対応して、複数段、配置されている。ノズルダイヤフラムは、ケーシングの内部において複数のタービン段落に対応して複数段が配置されており、ノズル翼が設置されている。予備初段ノズルダイヤフラムは、複数のタービン段落のうち初段に設置された初段ノズルダイヤフラムの予備として準備されている。ここでは、地熱タービンは、初段予備ノズルダイヤフラムを構成するノズル翼のスロート面積が、初段ノズルタイヤフラムを構成するノズル翼のスロート面積よりも小さい。
図1は、第1実施形態に係る地熱タービンについて、要部を模式的に示す図である。 図2は、第1実施形態に係る地熱タービンにおいて、ノズルダイヤフラムを構成するノズル翼と、タービンロータに設置された動翼との関係を示す図である。 図3は、第1実施形態に係る地熱タービンにおいて、予備ノズルダイヤフラムを構成するノズル翼と、タービンロータに設置された動翼との関係を示す図である。 図4は、第1実施形態に係る地熱タービンにおいて、スロート面積比と、反動度DRとの関係を示す図である。 図5は、第1実施形態に係る地熱タービンにおいて、動翼の高さと、反動度との関係を示す図である。 図6は、第2実施形態に係る地熱タービンにおいて、スロート面積比と、相対流量との関係を示す図である。 図7は、第2実施形態に係る地熱タービンにおいて、ノズル翼の間を流出する地熱蒸気が動翼の間に流入するときの様子を示す図である。 図8は、第2実施形態に係る地熱タービンにおいて、動翼に地熱流体が入射する入射角と、プロフィル損失との関係を示す図である。 図9は、第2実施形態に係る地熱タービンにおいて、スロート面積比と、動翼に地熱流体が入射する相対入射角との関係を示す図である。
実施形態について、図面を参照して説明する。
<第1実施形態>
[A]構成
図1は、第1実施形態に係る地熱タービンについて、要部を模式的に示す図である。
図1は、断面図であり、作動流体である地熱蒸気F(地熱媒体)の流れを破線の矢印で併記している。
図1に示すように、地熱タービン1は、ケーシング2、タービンロータ3、および、ノズルダイヤフラム4(タービンノズル)を有する。地熱タービン1は、多段式の軸流タービンであって、ノズル翼42(静翼)と、そのノズル翼42の下流側に位置する動翼31とを含むタービン段落が、ケーシング2の内部において回転軸CLに沿って、複数段、設けられている。
地熱タービン1においては、たとえば、地熱貯留層(地熱井)などの蒸気発生源(図示省略)から、地熱蒸気F(地熱媒体)が、ケーシング2の内部に作動媒体として流入する。そして、地熱蒸気Fは、ケーシング2の内部において、複数のタービン段落を順次流れる。つまり、地熱蒸気Fは、初段のタービン段落から最終段のタービン段落を順次流れ、それぞれのタービン段落において膨張して仕事を行う。これにより、ケーシング2の内部において、タービンロータ3が回転軸CLを中心にして回転する。そして、地熱蒸気Fは、最終段のタービン段落を流出した後に、ケーシング2の内部から外部へ排出される。本実施形態では、地熱タービン1は、地熱発電プラントに設置されており、タービンロータ3の回転により発電機(図示省略)が駆動して、発電が行われる。
以下より、地熱タービン1を構成する各部について、順次説明する。
[A−1]ケーシング2について
ケーシング2は、図1に示すように、内部に蒸気室21を備えると共に、内部の収容空間にタービンロータ3とノズルダイヤフラム4とを収容している。
ケーシング2において、蒸気室21には、入口(図示省略)が形成されており、その入口から蒸気室21の内部に、地熱蒸気Fが流入する。そして、その地熱蒸気Fが、ケーシング2の内部において、タービンロータ3とノズルダイヤフラム4とを収容する収容空間を流れた後に、ケーシング2の出口から排出される。
ケーシング2において、タービンロータ3とノズルダイヤフラム4とを収容する収容空間は、たとえば、円錐台形状であって、水平方向に中心軸が延在しており、地熱蒸気Fの流れ方向に沿って内径が大きくなるように形成されている。
[A−2]タービンロータ3について
タービンロータ3は、図1に示すように、回転軸CLが水平方向に延在しており、ケーシング2を貫通している。タービンロータ3は、ケーシング2の外部において、回転軸CLに沿った方向にて一端側に位置する部分と他端側に位置する部分とのそれぞれに、軸受6が設置されており、その軸受6において回転可能に支持されている。図示を省略しているが、タービンロータ3は、一端に発電機(図示省略)が連結されており、タービンロータ3の回転により発電機が駆動して、発電が行われる。
タービンロータ3において、ケーシング2の内部に収容された部分の外周面には、ディスク部30が径方向の外方に突き出ている。ディスク部30は、複数が回転軸CLに沿って設けられており、そのディスク部30の外周面には、動翼31が植え込まれて支持されている。図示を省略しているが、動翼31は、タービンロータ3の回転方向Rに沿って、複数が等間隔に配列されている。
そして、回転方向Rに配列された複数の動翼31においては、先端にシュラウドリング32が設置されており、その複数の動翼31の間をシュラウドリング32が連結している。
また、回転方向Rに配列された複数の動翼31からなる列は、複数のタービン段落に対応して、複数の段落(列)が設置されており、その複数の段落が、回転軸CLの方向に沿って間を隔てて並ぶように配置されている。動翼31は、タービンロータ3の径方向(ラジアル方向)に延びる動翼31の高さ(翼幅)が、地熱蒸気Fの流れ方向に沿って、順次、大きくなるように配置されている。
[A−4]ノズルダイヤフラム4
ノズルダイヤフラム4は、ケーシング2の内部において、ケーシング2に固定されている。
ノズルダイヤフラム4は、内輪41とノズル翼42と外輪43とを有し、内輪41と外輪43との間にノズル翼42が設置されている。ここでは、ノズル翼42は、内輪41と外輪43との間に形成される環状の流路において、複数が回転方向Rに沿って等間隔に配列されている。
上記のように構成されたノズルダイヤフラム4は、複数のタービン段落に対応して、複数段がケーシング2に設置されている。複数段のノズルダイヤフラム4は、回転軸CLの方向に沿って間を隔てて並ぶように配置されている。複数段のノズルダイヤフラム4の間においては、タービンロータ3の径方向(ラジアル方向)に延びるノズル翼42の長さ(翼幅)が、地熱蒸気Fが流れる方向に沿って順次長くなっている。
図2は、第1実施形態に係る地熱タービンにおいて、ノズルダイヤフラム4を構成するノズル翼42と、タービンロータ3に設置された動翼31との関係を示す図である。
図2では、複数のタービン段落のうち、初段のタービン段落に設けられたノズル翼42と動翼31との翼断面を示している。
図2に示すように、ノズル翼42のスロート幅42H(複数のノズル翼42の間の流路において最小の幅)と、動翼31のスロート幅31H(複数の動翼31の間の流路において最小の幅)とが、予め定められた関係になっている。つまり、動翼31のスロート面積Saをノズル翼42のスロート面積Sbで割ったスロート面積比RS(=Sa/Sb)が、所定の関係になるように、ノズル翼42と動翼31とが設置されている。
上記において、動翼31のスロート面積Saは、動翼31のスロート幅31Hについて、動翼31の高さ(翼幅)全域に渡って積分した値に相当する。同様に、ノズル翼42のスロート面積Sbは、ノズル翼42のスロート幅42Hについて、ノズル翼42の高さ全域に渡って積分した値に相当する。そして、スロート面積比RSは、平均直径における動翼31のスロート幅31Hを、平均直径におけるノズル翼42のスロート幅42Hで割った値に近似される。
詳細については後述するが、本実施形態では、初段のタービン段落におけるスロート面積比RS(=Sa/Sb)が、1.7以下になるように、ノズル翼42と動翼31とが設けられている(Sa/Sb≦1.7)。
[A−5]予備ノズルダイヤフラム5
地熱タービン1は、上記の他に、予備ノズルダイヤフラム5を備える。
本実施形態において、予備ノズルダイヤフラム5は、予備初段ノズルダイヤフラムであって、複数のタービン段落のうち、初段のタービン段落に設置されたノズルダイヤフラム4の予備として準備されている。
予備ノズルダイヤフラム5(予備初段ノズルダイヤフラム)は、たとえば、地熱井から地熱タービン1へ導入される地熱蒸気Fの流量が、経年によって減少したときに利用される。つまり、予備ノズルダイヤフラム5は、定格な蒸気条件から所定条件に流量が低下したときに、ノズルダイヤフラム4から交換される。
図3は、第1実施形態に係る地熱タービンにおいて、予備ノズルダイヤフラム5を構成するノズル翼52と、タービンロータ3に設置された動翼31との関係を示す図である。
図3では、図2と同様に、初段のタービン段落に設置される予備ノズルダイヤフラム5(初段予備ノズルダイヤフラム)のノズル翼52と、初段のタービン段落に既に設置されている動翼31との翼断面を示している。
図3に示すように、予備ノズルダイヤフラム5は、複数のノズル翼52を備えている。図示を省略しているが、複数のノズル翼52は、既設のノズルダイヤフラム4(図1参照)と同様に、内輪(図示省略)と外輪(図示省略)との間に配列されている。
初段のタービン段落に設置される予備ノズルダイヤフラム5において、複数のノズル翼52は、スロート幅52Hが、初段のタービン段落に設置されている動翼31のスロート幅31Hとの間において、予め定められた関係になるように構成されている。つまり、動翼31のスロート面積Saをノズル翼52のスロート面積Sb1で割ったスロート面積比RS(=Sa/Sb1)が、所定の関係になるように、ノズル翼52が設置されている。
本実施形態では、図3に示すように、初段のタービン段落に設置される予備ノズルダイヤフラム5は、ノズル翼52のスロート幅52Hが、初段のタービン段落に既に設けられたノズル翼42のスロート幅42H(図2参照)と異なっていることを除いて、その既設のノズルダイヤフラム4と同様に形成されている。ここでは、交換後に初段のタービン段落に設けられるノズル翼52のスロート幅52Hは、その交換前のノズル翼42のスロート幅42H(図2参照)よりも狭い。すなわち、交換後に初段のタービン段落に設けられるノズル翼52のスロート面積Sb1は、その交換前のノズル翼42のスロート面積Sbよりも小さくなるように設計されている(Sb1<Sb)。
このため、初段のタービン段落において、既設のノズルタイヤフラム4を予備ノズルダイヤフラム5に交換したときには、その交換後のスロート面積比RS(=Sa/Sb1)が、その交換前のスロート面積比RS(=Sa/Sb)よりも大きくなる(Sa/Sb1>Sa/Sb)。
[B]作用
[B−1]スロート面積比RSと反動度DRとの関係
図4は、第1実施形態に係る地熱タービンにおいて、スロート面積比RSと、反動度DRとの関係を示す図である。
図4において、横軸は、スロート面積比RSを示しており、縦軸は、反動度DRを示している。反動度DRは、動翼31における熱落差の割合を表している。反動度DRが正の値の場合には、動翼31を流れる蒸気が増速流であり、この一方で、反動度DRが負の値の場合には、動翼31を流れる蒸気が減速流であって、流れの剥離が生ずる場合がある。
図4に示すように、反動度DRは、スロート面積比RSが大きくなるに伴って減少する。
上記したように、初段のタービン段落において、既設のノズルタイヤフラム4を予備ノズルダイヤフラム5に交換したときには、交換後のスロート面積比RS(=Sa/Sb1)は、交換前のスロート面積比RS(=Sa/Sb)よりも大きい。このため、図4から判るように、初段のタービン段落において、既設のノズルタイヤフラム4を予備ノズルダイヤフラム5に交換すると、スロート面積比RSが大きくなるから、反動度DRが減少する。
その結果、地熱タービン1に作動媒体として供給される地熱蒸気Fの流量が経年によって減少した場合であっても、交換後においては、ノズル翼52における熱落差が、交換前のノズル翼42における熱落差よりも大きくなるので、発電出力の減少を防止することができる。
具体的には、本実施形態では、初段のタービン段落に予め設けられたノズル翼42のスロート幅42H(図2参照)よりも、交換によって初段のタービン段落に設けられるノズル翼52のスロート幅52H(図3参照)の方が狭い。このため、この交換によって、初期にノズル翼42のスロート部を流れる地熱蒸気Fの圧力に近づけることができる。つまり、経年によって地熱タービン1において低下した入口圧力が、定格の圧力に近づき、発電出力の減少を防止することができる。
[B−2]動翼31の高さHと反動度DRとの関係
図5は、第1実施形態に係る地熱タービンにおいて、動翼31の高さHと、反動度DRとの関係を示す図である。
図5において、横軸は、動翼31の高さH(翼幅)を示しており、縦軸は、反動度DRを示している。
図5に示すように、反動度DRは、動翼31の高さHが大きくなるに伴って増加する。
ノズル翼42の出口から出た蒸気の流れは、回転方向Rにおいて大きく旋回する旋回成分を持っている。このため、ノズル翼42の出口では、遠心力の効果によって外周側の方が内周側よりも高い圧力になる。その結果、動翼31での熱落差が外周側の方が内周側よりも高くなるので、図5で示したように、動翼31の高さHに応じて、反動度DRが増える。
このことから判るように、動翼31において、ルート部(根本部)側は、先端部側よりも反動度DRが低くなる。このため、このルート部側の反動度DRが、負の値でなく、正の値になるように設計して、流れの剥離が発生することを防止すると共に、効率の低下を防止することが必要になる。つまり、動翼31の反動度DRが、高さHの減少に応じて減少することを考慮する必要がある。
交換によって初段のタービン段落に設置される予備ノズルダイヤフラム5においては、スロート面積比RSが、たとえば、1.9以下になるように、ノズル翼52を設けることが好ましい。
上記の交換前に初段のタービン段落に設置されているノズルダイヤフラム4においては、動翼31の反動度DRが更に減少することを考慮すると、交換後よりもスロート面積比RSを小さくなるように、ノズル翼42を設けることが必要になる。この場合には、スロート面積比RSが、たとえば、1.7以下になるように、ノズル翼42を設けることが好ましい。
[C]まとめ
以上のように、本実施形態において、初段のタービン段落に設置される予備ノズルダイヤフラム5は、予備のノズル翼52のスロート面積Sb1が、既設のノズルタイヤフラム4に設けられたノズル翼42のスロート面積Sbよりも小さい。このため、初段のタービン段落に設置されているノズルタイヤフラム4を予備ノズルダイヤフラム5に交換したときには、その交換後のスロート面積比RS(=Sa/Sb1)が、その交換前のスロート面積比RS(=Sa/Sb)よりも大きくなる。
その結果、本実施形態では、上述したように、経年によって、地熱井から地熱タービン1に作動媒体として供給される地熱蒸気Fの流量が減少した場合であっても、発電出力の減少を防止することができる。
また、本実施形態では、初段のタービン段落において、ノズルダイヤフラム4を予備ノズルダイヤフラム5に交換する前のスロート面積比RSが、1.7以下である。このように設計することで、ノズルダイヤフラム4を予備ノズルダイヤフラム5に交換した後においても、適正な反動度を保持することができる。その結果、交換後においても、動翼31において流れの剥離が発生することを防止することができると共に、効率の低下を防止することができる。
したがって、本実施形態においては、地熱蒸気Fが経年によって減衰した条件になったときであっても、同一のタービンロータ3や動翼31を使用するので、地熱タービン1を高い効率で容易に運用することができる。
[D]変形例
上記の実施形態においては、予備ノズルダイヤフラム5として、初段のタービン段落に設置されるもの(初段予備ノズルダイヤフラム)を準備する場合について説明したが、これに限らない。
複数のタービン段落のうち、第2段から最終段のそれぞれに設置された第2段から最終段のノズルダイヤフラム4の予備として、第2段から最終段の予備ノズルダイヤフラム5を、別途、準備してもよい。この場合においても、第2段から最終段の予備ノズルダイヤフラム5のスロート面積のそれぞれは、第2段から最終段に既設のノズルダイヤフラム4のスロート面積のそれぞれよりも小さいことが好ましい。
これにより、経年によって地熱蒸気Fの流量が更に減衰したときであっても、同一のタービンロータ3や動翼31を使用し、地熱タービン1を高い効率で容易に運用することができる。
<第2実施形態>
[A]構成等
本実施形態では、初段のタービン段落に設置される予備ノズルダイヤフラム5(初段予備ノズルダイヤフラム)に関して、ノズル翼52のスロート面積Sb1を所定の範囲に規定している。
本実施形態は、上記の点、および、関連する点を除き、第1実施形態の場合と同様である。このため、本実施形態において、上記の実施形態と重複する個所については、適宜、記載を省略している。
[A−1]初段のタービン段落に設置される予備ノズルダイヤフラム5(初段予備ノズルダイヤフラム)のスロート面積Sb1について
初段のタービン段落に設置される予備ノズルダイヤフラム5において、ノズル翼52のスロート面積Sb1は、既に初段のタービン段落に設けられているノズル翼42のスロート面積Sbに対して、75%以上、85%以下にすることが好ましい(0.75*Sb≦Sb1≦0.85*Sb)。
以下より、この理由について説明する。
図6は、第2実施形態に係る地熱タービンにおいて、スロート面積比RSと、相対流量FRとの関係を示す図である。
図6において、横軸は、スロート面積比RSを示しており、縦軸は、相対流量FRを示している。縦軸においては、初段のタービン段落にノズルダイヤフラム4が設置されたときのスロート面積比RSが1.4である場合に、地熱蒸気Fが流れる流量を基準値(1)にしている。
上述したように、地熱井から地熱蒸気Fが供給される流量は、年率で1〜2%程度、減衰する。このため、地熱発電プラントの操業を開始してから、15〜20年程度、経過したときには、初期の定格点に対して、10%以上の流量が減衰する場合がある。
そこで、経年によって減衰した後の地熱蒸気Fの流量が定格点に対して85〜90%になったときには、図6から判るように、ノズルダイヤフラム4を予備ノズルダイヤフラム5に交換することによって、スロート面積比RSを、定格点のときの1.4から、1.7以上、1.85以下に変更して、交換後の相対流量FRを交換前の相対流量FRに近づけることが好ましい。つまり、ノズルダイヤフラム4を予備ノズルダイヤフラム5に交換することによって、スロート面積比RSが、定格点に対して、1.2倍以上であって、1.3倍以下になるようにすることが好ましい。
この関係をノズル翼のスロート面積について換算すると、予備ノズルダイヤフラム5に設けられるノズル翼52のスロート面積Sb1は、既に初段のタービン段落に設けられているノズル翼42のスロート面積Sbに対して、75%以上、85%以下にすることが好ましいことが判る(0.75*Sb≦Sb1≦0.85*Sb)。この範囲から外れた場合には、相対流量が定格点の場合に比べて大きく異なるため、効率が低下する場合がある。
[A−2]初段のタービン段落に設置されているノズルダイヤフラム4のスロート面積Sbについて
初段のタービン段落において、既設のノズルダイヤフラム4のスロート面積Sbに関しては、動翼31に地熱流体Fが入射する入射角θが、−20°程度になるように設定することが好ましい。
以下より、この理由について説明する。
図7は、第2実施形態に係る地熱タービンにおいて、ノズル翼の間を流出する地熱蒸気Fが動翼の間に流入するときの様子を示す図である。
図7(a)は、図2と同様に、初段のタービン段落に既に設置されているノズルダイヤフラム4のノズル翼42と、初段のタービン段落に既に設置されている動翼31との翼断面を示している。ここでは、ノズルダイヤフラム4のノズル翼42の間を流出する地熱蒸気Fについて、速度三角形を併せて図示している。
この一方で、図7(b)は、図3と同様に、初段のタービン段落に交換後に設置される予備ノズルダイヤフラム5(初段予備ノズルダイヤフラム)のノズル翼52と、初段のタービン段落に既に設置されている動翼31との翼断面を示している。ここでは、予備ノズルダイヤフラム5のノズル翼52の間を流出する地熱蒸気Fについて、速度三角形を併せて図示している。
本実施形態では、第1実施形態の場合と同様に、図7(a)に示すように、既設のノズルダイヤフラム4を構成するノズル翼42のスロート幅42Hよりも、図7(b)に示すように、交換後に設置される予備ノズルダイヤフラム5を構成するノズル翼52のスロート幅52Hの方が狭い。このため、既設のノズル翼42のスロートから流出する地熱蒸気Fの絶対速度Ca(図7(a)参照)よりも、交換後に設置されるノズル翼52のスロートから流出する地熱蒸気Fの絶対速度Cb(図7(b)参照)の方が、ベクトル値が大きい。
絶対速度Ca,Cbと動翼31の周速U(回転速度)とによって導かれる相対速度Wa,Wbについては、既設のノズル翼42から流出する地熱蒸気Fの場合(Wa)よりも、交換後に設置されるノズル翼52から流出する地熱蒸気Fの場合(Wb)の方が、周方向(回転方向)に対する角度が小さい。すなわち、動翼31へ地熱蒸気Fが入射する入射角θは、既設のノズル翼42から流出する地熱蒸気Fの場合(Wa)よりも、交換後に設置されるノズル翼52から流出する地熱蒸気Fの場合(Wb)の方が小さい。
図8は、第2実施形態に係る地熱タービンにおいて、動翼31に地熱流体Fが入射する入射角θと、プロフィル損失Lとの関係を示す図である。
図8において、横軸は、動翼31に地熱流体Fが入射する入射角θ(°)を示しており、縦軸は、プロフィル損失Lを示している。入射角θについては、動翼31の幾何学的入射方向(動翼31の前縁における法線方向)を基準にして、腹311の側に入射する方向の角度をプラスとし、背312の側に入射する方向の角度をマイナスで表記している。
図8に示すように、プロフィル損失Lは、入射角θがプラスである場合には、入射角θがマイナスである場合よりも、増加する割合が大きい。つまり、プロフィル損失Lは、入射角θがプラスであるときには、入射角θの増加に伴って急激に増加する。これに対して、入射角θがマイナスであるときには、入射角θの減少に伴って、プロフィル損失が、急激には増加せずに、ならだかに増加する。
このため、プロフィル損失Lを低いレベルに維持するためには、地熱蒸気Fが減衰する前の定格条件では、入射角θがマイナスであって、入射角θの絶対値がより大きい方が好ましい。また、地熱蒸気Fが経時によって減衰した後の条件では、入射角θがプラスであって、入射角θの絶対値がより小さい方が好ましい。
図9は、第2実施形態に係る地熱タービンにおいて、スロート面積比RSと、動翼31に地熱流体Fが入射する相対入射角θsとの関係を示す図である。
図9において、横軸は、スロート面積比RSを示しており、縦軸は、動翼31に地熱流体Fが入射する相対入射角θsを示している。縦軸においては、初段のタービン段落にノズルダイヤフラム4が設置されたときのスロート面積比RSが1.4である場合に、地熱蒸気Fが動翼31に入射する入射角θを基準値(0°)にしている。
上述したように、経年によって地熱蒸気Fの流量が定格点に対して85〜90%に減衰した場合には、初段タービン段落においてノズルダイヤフラム4を予備ノズルダイヤフラム5に交換することによって、スロート面積比RSを1.4から、1.7以上1.85以下程度に変更することが好ましい(図6参照)。
予備ノズルダイヤフラム5への交換により、スロート面積比RSが1.7以上1.85以下に変更されたときには、図9に示すように、動翼31に地熱流体Fが入射する相対入射角θsは、定格点(RS=1.4,θs=0)の場合に対して、+18〜23°程度になる。
このため、動翼31に地熱流体Fが入射する入射角θが−20°程度になるように、交換前のノズルダイヤフラム4のスロート面積を設定することが好ましい。このようにすることで、ノズルダイヤフラム4から予備ノズルダイヤフラム5へ交換した後には、動翼31に地熱流体Fが入射する入射角θが0°近傍になる。したがって、ノズルダイヤフラム4が設置された状態、および、予備ノズルダイヤフラム5へ交換した状態のそれぞれにおいて、プロフィル損失Lを十分に低いレベルにすることができる(図8参照)。
[B]まとめ
以上のように、本実施形態では、初段のタービン段落において、ノズルタイヤフラム4(初段ノズルタイヤフラム)から交換される予備ノズルダイヤフラム5(初段予備ノズルタイヤフラム)は、スロート面積Sb1が、そのノズルタイヤフラム4のスロート面積Sbに対して、75%以上、85%以下である。
このため、上述したように、本実施形態では、地熱井から地熱蒸気Fが供給される流量が減衰したときであっても、効率の低下を防止することができる。
したがって、本実施形態においては、地熱タービン1を高い効率で運用することができる。
<その他>
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…地熱タービン、2…ケーシング、3…タービンロータ、4…ノズルダイヤフラム、5…予備ノズルダイヤフラム、6…軸受、21…蒸気室、30…ディスク部、31…動翼、32…シュラウドリング、41…内輪、42…ノズル翼、43…外輪、52…ノズル翼、F…地熱蒸気

Claims (2)

  1. ノズル翼と前記ノズル翼の下流側に位置する動翼とを含むタービン段落が、ケーシングの内部において回転軸に沿って複数設けられており、地熱媒体が作動媒体として流入し、当該複数のタービン段落を順次流れる地熱タービンであって、
    前記ケーシングの内部において前記動翼が前記複数のタービン段落に対応して、複数段、配置されているタービンロータと、
    前記ケーシングの内部において前記複数のタービン段落に対応して複数段が配置されており、前記ノズル翼が設置されているノズルダイヤフラムと、
    前記複数のタービン段落のうち初段に設置された初段ノズルダイヤフラムの予備として準備されている予備初段ノズルダイヤフラムと
    を有し、
    前記初段予備ノズルダイヤフラムを構成するノズル翼のスロート面積が、前記初段ノズルタイヤフラムを構成するノズル翼のスロート面積よりも小さいことを特徴とする、
    地熱タービン。
  2. 前記複数のタービン段落のうち第2段から最終段のそれぞれに設置された第2段から最終段のノズルダイヤフラムの予備として準備されている、第2段から最終段の予備ノズルダイヤフラム
    を更に有し、
    前記第2段から最終段の予備ノズルダイヤフラムのスロート面積のそれぞれは、前記第2段から最終段のノズルダイヤフラムのスロート面積のそれぞれよりも小さいことを特徴とする、
    請求項1に記載の地熱タービン。
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