軽度認知機能障害は、臨床像および軽度認知機能障害を示す患者が経時的にアルツハイマー認知症に進行することに基づき、アルツハイマー病と関連した認知症の潜在前駆期として定義されている。(Morris, et al., Arch. Neurol., 58, 397−405(2001);Petersen, et al., Arch. Neurol., 56, 303−308(1999))。「軽度認知機能障害がアルツハイマー病に進行するのを防ぐ」という用語は、患者の軽度認知機能障害がアルツハイマー病に進行するのを、遅くする、停止させる、または逆行させることを含む。
本明細書中使用される場合、「C1−C3アルキル」という用語は、C1−C3アルキル基を示し、この用語には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、およびシクロプロピルが含まれる。好適なC1−C3アルキル基は、エチル、イソプロピル、およびシクロプロピルである。
本明細書中使用される場合、「治療」または「治療する」という用語は、既存の症候または障害の進行または重篤化を、阻止する、制限する、遅くする、停止させる、または逆行させることを含む。
本明細書中使用される場合、「有効量」という用語は、本発明の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を患者に単回または複数回で投与した際に、診断または治療下で、患者に所望の効果を提供する量または用量を示す。
有効量は、既知技術を用いて、類似状況下で得られる結果を観察することで、当業者である担当診断医により容易に決定することができる。ある患者にとっての有効量を決定するにあたり、担当診断医は多数の要因を考慮する。そのような要因として以下が挙げられるが、それらに限定されない:ほ乳類の種;患者の大きさ、年齢、および全体的な健康;関係する具体的な疾患または症状;疾患または症状の関与または重篤度の程度;個別の患者の反応;投与される特定化合物;投与様式;投与される製剤の生体利用特性;選択された投薬レジメン;併用医薬の使用;および他の関連する状況。
式Iの化合物は、幅広い投薬量範囲にわたって、概して有効である。例えば、1日あたりの投薬量は、通常、約0.01〜約20mg/体重1kgの範囲にある。場合によっては、上記範囲の下限よりも低い投薬量のレベルの方が適切であるかもしれないし、また他の場合によっては、副作用が許容可能であるので用量をもっと増やしてもよく、したがって、上記の投薬量範囲は、決して、本発明の範囲を制限することを意図しない。
本発明の化合物は、任意の経路で投与される、化合物を生体利用可能にする薬学的組成物として配合されることが好ましく、経路としては経口経路および非経口経路が挙げられる。特に好ましくは、そのような組成物は、経口投与用である。そのような薬学的組成物、およびその調製プロセスは、当該分野で既知である。(例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy (D.B. Troy, Editor, 21st Edition, Lippincott, Williams & Wilkins, 2006)を参照)。
式Iの化合物は、本発明の治療法において特に有用であるが、式Iの化合物でも特定の基、置換基、および立体配置であることが好ましい。以下の段落では、そのような好適な基、置換基、および立体配置を記載する。当然ながら、そうした選好性は、本発明の治療法にも新規化合物にも当てはまる。
さらに特別に好適な化合物は、以下:(4aR,7aR)−6−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−7a−イソチアゾール−5−イル−4,4a,5,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン、およびそれらの薬学的に許容可能な塩である。
当業者にはお分かり頂けるだろうが、本発明の化合物は、スキームAに示すとおり、互変異性型で存在し得る。本明細書中、本発明の化合物の具体的な互変異性体のうちの1つについて述べる場合はどのような場合でも、その記述が互変異性型の両方およびそれらのあらゆる混合物を包含するものとする。
本発明の化合物またはその塩は、当該分野で既知の多様な手順により調製することができ、そのような手順のいくつかを、以下のスキーム、調製例、および実施例に示す。記載される経路それぞれの具体的な合成工程を、異なるやり方で組み合わせるか、他のスキームの工程と併用することで、式Iの化合物またはその塩を調製することもできる。以下のスキームの各工程の生成物は、従来方法により回収することが可能であり、そのような方法として、抽出、蒸発、沈殿、クロマトグラフィー、濾過、溶解分離(trituration)、結晶化が挙げられる。
以下のスキームでは、明快にするため、および決してスキームの教示を制限しないという意図で、特定しないままにした不斉中心および記載しなかった置換基がある。そのうえさらに、個別の異性体、鏡像異性体、またはジアステレオマーは、選択的結晶化技術またはキラルクロマトグラフィーなどの方法(例えば、J.Jacques, et al., “Enantiomers, Racemates, and Resolutions”, John Wiley and Sons, Inc., 1981, and E.L. Eliel and S.H. Wilen, ”Stereochemistry of Organic Compounds”, Wiley−Interscience,1994を参照)により、式Iの化合物の合成の任意の好都合な時点で、当業者により分離または分割することができる。「異性体1」および「異性体2」という指定は、それぞれ、キラルクロマトグラフィーで1番目および2番目に溶出する化合物を示し、キラルクロマトグラフィーが合成の初期に行なわれる場合には、同じ指定がその後の中間体および実施例にも適用される。加えて、以下のスキームで記載される中間体は、多数の窒素保護基を含有する。変更可能な保護基は、特定の反応条件および行なおうとする特定の変換に依存して、存在する場合それぞれにおいて同一であっても異なっていてもよい。保護条件および脱保護条件は、当業者に周知であり、文献に記載されている(例えば,“Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis”, Fourth Edition, by Peter G.M. Wuts and Theodora W. Greene, John Wiley and Sons, Inc. 2007を参照)。
本発明は、本化合物の個別の鏡像異性体、ならびに本化合物のラセミ体を始めとする鏡像異性体混合物を全て構想に入れているものの、1および2と付番した原子がスキームBに示すとおりの絶対配置である化合物が、本発明の好適な化合物である。
本明細書中使用される略称は、Aldrichimica Acta, Vol.17, No.1, 1984に従って定義される。他の略称は、以下のとおり定義される:「APP」は、アミロイド前駆体タンパク質を示す;「BOC」は、tert−ブチルオキシカルボニルを示す;「CSF」は、脳脊髄液を示す;「DCC」は、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミドを示す;「DCM」は、ジクロロメタンを示す;「DIC」は、ジイソプロピルカルボジイミドを示す;「DMEM」は、ダルベッコ改変イーグル培地を示す;「DMSO」は、ジメチルスルホキシドを示す;「EDCI」は、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩を示す;「ee」は、鏡像異性体過剰率を示す;「EtOAc」は、酢酸エチルを示す;「Ex」は実施例を示す;「F12」は、ハムF12培地を示す;「FBS」は、ウシ胎児血清を示す;「FRET」は、蛍光共鳴エネルギー移動を示す;「HEK」は、ヒト胎児由来腎臓を示す;「HOAc」は、酢酸を示す;「HOAt」は、1−ヒドロキシ−7−アゾベンゾトリアゾールを示す;「HOBt」は、1−ヒドロキシルベンゾトリアゾール水和物を示す;「HPLC」は、高速液体クロマトグラフィーを示す;「hr」は、時間単位であることを示す;「IC50」は、ある作用剤がその作用剤にとって可能な最大阻害反応の50%をもたらす場合の濃度を示す;「IPA」は、イソプロピルアルコールすなわちイソプロパノールを示す;「MeOH」は、メチルアルコールすなわちメタノールを示す;「min」は、分単位であることを示す;「MTBE」は、メチルtert−ブチルエーテルを示す;「PDAPP」は、血小板由来アミロイド前駆体タンパク質を示す;「Prep」は、調製例を示す;「RFU」は、相対蛍光単位を示す;「Rt」は、保持時間を示す;「RT」は、室温を示す;「SCX」は、強カチオン交換を示す;「THF」は、テトラヒドロフランを示す;および「TLC」は、薄層クロマトグラフィーを示す。
以下のスキームでは、特に記載がない限り、置換基は全て、先に定義したとおりである。試薬および出発物質は、通常、当業者が容易に入手できるものである。他のものは、同様な構造の既知化合物の合成に類似する有機化学および複素環化学の標準技法ならびに任意の新規手順を含む以下の調製例および実施例で記載される手順により作ることができる。
スキーム1は、ワインレブアミド(2)の形成、ワインレブアミド(2)を用いたケトン(3)の形成、次いでケトン(3)からオキシムへの変換を示す。このオキシムを用いて二環式イソキサゾール(9)を形成することができる。(A)基は、スキーム1に示すのとは異なる合成段階で挿入することができる。「PG」は、アミノ基用に開発された保護基(カルバミン酸基およびアリルなど)である。そのような保護基は、当分野で周知であり重宝されている。
アミドカップリングの効率を上げるため有機塩基(ジイソプロピルエチルアミンまたはトリエチルアミンなど)およびカップリング試薬類(カルボジイミド、およびHOBtまたはHOAtなど)を用いて、式(1)の化合物をN,O−ジメチルヒドロキシルアミド塩酸塩でワインレブアミドに変換する(工程1、化合物2)。当業者にはお分かり頂けるだろうが、カルボン酸とアミンの反応からアミドを形成する方法および試薬は多数存在する。例えば、有用なカルボジイミドには、DCC、DIC、EDCIがある。
あるいは、カルボン酸は、酸クロリドに変換することができ、有機塩基およびN,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩を用いてワインレブアミドを形成することができる。
続いてワインレブアミドを有機金属試薬(複素環グリニャール試薬または有機リチウム試薬など)で処理することにより、化合物3とする(工程2)。例えば、複素環ハライドおよびアルキルグリニャールまたは有機リチウム試薬を用いて、所望の(A)基が結合したケトン(3)を形成させることができる(工程2)。ついで、ケトン(3)を用いて、極性プロトン性溶媒(エタノールまたは水など)中、ヒドロキシルアミン塩酸塩および無機塩基(酢酸ナトリウム三水和物もしくは酢酸ナトリウムなど)または有機塩基(ピリジンなど)でオキシムを形成させ、化合物6とすることができる(工程3)。あるいは、2工程反応で、βハロゲンを持つケトンを、保護したアリルアミンでアルキル化し、次いでヒドロキシルアミン塩酸塩で処理して、オキシム(6)とすることができる(工程4)。次いで、オキシム(6)を、複数の方法、例えばオキシム(6)を無極性溶媒(トルエンまたはキシレンなど)中で加熱して化合物9を形成する(工程5)、または無極性溶媒(トルエンまたはキシレンなど)中で加熱しながら次亜塩素酸ナトリウム水溶液またはチタン(IV)エトキシド水溶液を用いて、化合物9とする(工程5)または化合物8とする(工程6)などにより、3+2の環化で二環式イソキサゾール(9)に変換することができる。次いで、芳香族もしくはヘテロ芳香族有機リチウム試薬またはグリニャール試薬を用いて、化合物8をアルキル化し、化合物9とすることができる(工程7)。
スキーム2は、オキシムをin situで形成し、続けて変換して二環式イソキサゾールを形成させることで化合物(10)とする、工程8を示す。チタン(IV)エトキシドを加えた有機塩基(トリエチルアミンなど)中で加熱しながら、N−[(4−メトキシフェニルメチル]ヒドロキシルアミン塩酸塩を化合物(3)で処理することで、化合物10とする。二環式イソキサゾールのBOC保護したピロリジンは、当該分野で既知である酸性条件下で脱保護する。アリル保護したピロリジンは、酸(N,N−ジメチルバルビツール酸など)に触媒(テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムなど)を併用して脱保護することができる。カルボキシベンジル保護したピロリジンは、ヨードトリメチルシランを用いて脱保護することができる。次いで、有機塩基(ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、またはN,N,N’,N’−テトラメチルグアニジンなど)を用いて、脱保護したピロリジンを置換もしくは無置換の芳香族ピリミジンと芳香族求核置換反応(SNAr)で反応させることで、所望の置換保護した二環式イソキサゾールとする(工程9の第1段階および第2段階)。二環式イソキサゾールの保護基、すなわち4−メトキシルベンジル(PMB)を、引き続き、酸性条件下で脱保護して、化合物11とする(工程9の第3段階)。化合物11を、極性非プロトン性溶媒(THFなど)中、イソチオシアン酸ベンゾイルで処理して、チオウレア(12)とする(工程10)。イソキサゾール環は、HOAc中で粉末亜鉛を用いて、または水素化条件下ラネーニッケルを用いて開環させることができる(13、工程11)。次いで、ヒドロキシ化合物(13)を、1−クロロ−N,N,2−トリメチルプロペニルアミンまたは1,1’ −カルボニルジイミダゾールで処理して、ピロリジン縮合保護チアジン(14)を形成する(工程12)。このチアジンアミドは、工程13で、極性非プロトン性溶媒(エタノールなど)中で有機塩基(ピリジンなど)およびメチルヒドロキシルアミン塩酸塩を用いて、またはメタノール中で有機塩基(水酸化リチウムなど)を用いて、脱保護することにより、式Iの化合物とすることができる。
スキーム3には、保護二環式イソキサゾール(9)を図示するが、これはベンゾチオイソシアナートで処理して化合物(15)とし(工程14)、HOAc中にて粉末亜鉛で処理して化合物(17)とし(工程15)、次いでスキーム2の工程12で記載したとおりにチアジン環を形成して化合物18とする(工程18)ことができる。工程19では、ピロリジン(18)を、スキーム2(工程9の第1段階および第2段階)に記載したとおりに脱保護およびヘテロアリール化して、ピロリジン縮合保護チアジン(化合物14、スキーム2)とする。次いで、チアジンアミドを、スキーム2(工程13)に記載したとおりに脱保護して、式Iの化合物とすることができる。あるいは、保護二環式イソキサゾールを、最初に、HOAc中で粉末Znを用いて、または水素化条件下でラネーニッケルを用いて処理し(16、工程16)、続いてベンゾチオイソシアナートで処理して化合物17とすることができる(工程17)。次いで、上記のとおり工程18および工程19で、式Iの化合物を調製することができる。
任意追加工程において、標準条件下、適切な溶媒中、適切な式Iの遊離塩基を適切な薬学的に許容可能な酸と反応させることにより、式Iの化合物の薬学的に許容可能な塩を形成させることができる。さらに、そのような塩の形成は、窒素保護基の脱保護反応と同時に起こることが可能である。そのような塩の形成は、当分野で周知であり、重宝されている。例えば、Gould, P.L., “Salt selection for basic drugs,” International Journal of Pharmaceutics, 33: 201−217 (1986); Bastin, R.J., et al.“Salt Selection and Optimization Procedures for Pharmaceutical New Chemical Entities,” Organic Process Research and Development, 4: 427−435 (2000); and Berge, S.M., et al., “Pharmaceutical Salts,” Journal of Pharmaceutical Sciences, 66: 1−19, (1977)を参照。当業者にはおわかり頂けるだろうが、式Iの化合物は、薬学的に許容可能な塩(塩酸塩など)に容易に変換され、薬学的に許容可能な塩として単離することができる。
調製例および実施例
以下の調製例および実施例により、本発明をさらに説明する。そうではないと記載されないかぎり、本明細書中示される化合物は、Symyx(登録商標)Drawバージョン3.2(Symyx Solutions、Inc.)またはIUPACNAME ACDLABSを用いて命名および付番している。
調製例1
2−クロロ−5−フルオロ−4−イソプロピル−ピリミジン
5−フルオロ−2−クロロピリミジン(5.00g、37.7mmol)を1,2−ジメトキシエタン(25mL)に溶解させ、温度を15℃に保ちながら、この溶液を2Mの塩化イソプロピルマグネシウムのテトラヒドロフラン溶液(28.3mL、56.6mmol)で処理する。得られる溶液を、窒素下で1時間撹拌し、次いで0℃に冷却して、トリエチルアミン(5.76mL、37.7mmol)のテトラヒドロフラン(5mL)溶液を滴下して処理する。ヨウ素(9.58g、37.7mmol)のテトラヒドロフラン(20mL)溶液を加える。反応を水および飽和重炭酸ナトリウム溶液でクエンチし、飽和重硫酸ナトリウム溶液を加える。混合物を酢酸エチルで3回抽出する。有機層を1つにまとめて硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧除去する。粗生成物を、ジクロロメタン/ヘキサンで30分かけて勾配(5%から100%へ)をつけて、シリカゲルから精製し、表題化合物(2.55g、39%)を得る。GC/MS(m/e):174。
エチルマグネシウムブロミド(3.0Mのジエチルエーテル溶液)を用いて、基本的に調製例1の方法により、以下の化合物を調製する。
調製例3
1−(2−クロロ−5−フルオロ−ピリミジン−4−イル)エタノン
5−フルオロ−2,4−ジクロロ−ピリミジン(20g、119.8mmol)および(1−エトキシエテニル)トリメチルスタンナン(43.26g、119.8mmol)をジメチルホルムアミド(200mL)に溶解させ、室温で、この溶液を窒素でパージし、次いでビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド(1.70g、2.40mmol)を加える。得られる混合物を、窒素下、70℃で2時間加熱する。反応物を50℃に冷却し、5Nの塩化水素水溶液(100mL)を加える。反応物を50℃でさらに2時間撹拌する。反応物を冷却し、水(200mL)およびブラインで希釈する。この溶液をジエチルエーテルで5回抽出する。有機層を1つにまとめて硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮する。粗生成物を、5%から50%への勾配をつけた酢酸エチル含有ヘキサンで30分かけて、シリカゲルから精製し、表題化合物(19.2g、92%)を得る。GC/MS(m/e):(35Cl/37Cl)174/176。
調製例4
2−(2−クロロ−5−フルオロ−ピリミジン−4−イル)プロパン−2−オール
1−(2−クロロ−5−フルオロ−ピリミジン−4−イル)エタノン(10.06g、57.6mmol)をテトラヒドロフラン(100mL)に溶解させ、窒素下、−78℃で撹拌しながら、この溶液を、3Mのメチルマグネシウムブロミドのジエチルエーテル溶液(124mL、72.04mmol)と反応させ、得られる混合物を、−78℃で20分間撹拌する。反応物を飽和塩化アンモニウム水溶液でクエンチし、混合物を室温に昇温させる。反応混合物を酢酸エチルで3回抽出する。有機層を1つにまとめて硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮する。粗生成物を、5%から100%への勾配をつけた酢酸エチル含有ヘキサンで30分かけて、シリカゲルから精製し、表題化合物を得る(7.06g、64%)。ES/MS(m/e):(35Cl/37Cl)191/193(M+H)。
調製例5
2−(2−クロロ−5−フルオロ−ピリミジン−4−イル)プロパン−2−オール
メチルマグネシウムブロミド(3.0Mのジエチルエーテル溶液、2.20mL、6.60mmol)のTHF(5.0mL)溶液に、0℃で、2−(2−クロロ−5−フルオロ−ピリミジン−4−イル)プロパン−2−オール(510mg、2.68mmol)の1,2−ジメトキシエタン(4.0mL)溶液を4分かけて滴下する。5分後、氷浴を取り外す。室温で40分間撹拌してから、追加のメチルマグネシウムブロミド(3.0Mのジエチルエーテル溶液、1.10mL、3.30mmol)を加え、溶液を再び0℃に30分間冷却し、続いてトリエチルアミン(400μL、2.87mmol)およびヨウ素(700mg、2.74mmol)のTHF(2.7mL)溶液を加える。溶液を室温で20時間撹拌し、半飽和NaHCO3溶液(40mL)でクエンチし、CHCl3(2×20mL)で抽出する。有機層を1つにまとめて硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、乾固するまで濃縮する。残渣を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで、酢酸エチル/ジクロロメタンを用いて勾配をつけて(0%から30%へ)溶出させることで精製し、表題化合物(200mg、37%)を得る。19F−NMR(CDCl3):δ(ppm)−137.6.1H−NMR(CDCl3):δ(ppm)4.39(s,1H),2.55(s,3H),1.59(s,6H)。
調製例6
2−クロロ−5−フルオロ−4−(1−フルオロ−1−メチル−エチル)ピリミジン
2−(2−クロロ−5−フルオロ−ピリミジン−4−イル)プロパン−2−オール(4.825g、25.31mmol)をジクロロメタン(70mL)に溶解させ、窒素下、−78℃で、この溶液にジエチルアミノ硫黄トリフルオリド(6.53g、40.5mmol)を滴下する。反応物を、窒素下、−78℃で30分間撹拌し、次いで飽和重炭酸ナトリウム水溶液でクエンチして、室温に昇温させる。反応混合物を、酢酸エチルで3回抽出する。有機層を1つにまとめて硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮する。得られる粗生成物を、5%から100%への勾配をつけた酢酸エチル含有ヘキサンで40分かけて、シリカゲルから精製し、表題化合物(4.23g、87%)を得る。ES/MS(m/e):(35Cl/37Cl)193/195(M+H)。
調製例7
(2−クロロ−5−フルオロ−ピリミジン−4−イル)メタノール
5−フルオロ−2−クロロピリミジン(500μL、5.24mmol)のメタノール(50mL)溶液に、過酸化ベンゾイル(1.5g、6.0mmol)およびトリフルオロ酢酸(450μL、5.95mmol)を加える。得られる無色透明溶液に、5分間くまなく窒素を吹き込んで脱気し、次いで溶液を65℃で18.5時間加熱する。次いで、溶液を冷却し濃縮する。得られる残渣を、クロロホルム(50mL)で希釈し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(50mL)で洗い、層を分離させる。水層をクロロホルム(50mL)で再抽出する。有機層を1つにまとめて硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、乾固するまで減圧濃縮する。残渣を、フラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィーで、酢酸エチル/ジクロロメタンに勾配をつけて(0%から30%へ)用いて溶出させることで精製し、表題化合物を得る(210mg、25%)。1H−NMR(CDCl3):δ(ppm)8.42(s、1H)、4.85(s、2H)、3.57(br、1H)。
調製例8
5−フルオロ−N−メトキシ−N−メチルチオフェン−2−カルボキサミド
5−フルオロチオフェン−2−カルボン酸(33.95g、232.3mmol)をテトラヒドロフラン(465mL)に溶解させ、窒素下、0℃で撹拌しながら、この溶液に、N,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(45.32g、464.6mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物(53.36g、348.5mmol)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(89.1g、464.6mmol)、およびジイソプロピルエチルアミン(162mL、929mmol)を加える。混合物を18時間かけて室温まで昇温させる。混合物を、水(500mL)で希釈し、酢酸エチル(500mL)で抽出する。水相を、酢酸エチル(300mL)で2回、再抽出する。有機抽出物を1つにまとめて硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮する。液状残渣を、シリカゲルクロマトグラフィーで、ヘキサン/酢酸エチル(3:1)を用いて溶出させることで精製し、表題化合物(38.28g、87%)を淡黄色液体として得る。ES/MS(m/e):190(M+H)。
適切なチアゾールカルボン酸を用いて、基本的に調製例8の方法により、以下の化合物を調製する。
調製例10
1−(5−フルオロチオフェン−2−イル)エタノン
5−フルオロ−N−メトキシ−N−メチルチオフェン−2−カルボキサミド(12.34g、65.2mmol)をテトラヒドロフラン(163mL)に溶解させ、窒素下、0℃で撹拌しながら、この溶液に、メチルマグネシウムブロミド(3Mのテトラヒドロフラン溶液、32.6mL、97.8mmol)を25分かけて加え、その間、内部温度は10℃未満に維持する。冷却浴を外し、溶液を1時間かけて室温まで昇温させる。飽和塩化アンモニウム溶液(200mL)を加え、混合物を10分間撹拌する。混合物をジエチルエーテル(200mL)で希釈し、相を分離させる。水相を、ジエチルエーテル(2×150mL)で再抽出し、有機抽出物を1つにまとめて硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して(水浴を25℃未満に維持しながら)、粗表題化合物(9.70g、103%)を淡こはく色液体として得る。1H NMR(CDCl3)δ2.47(s,3H),6.53(dd,J=1.2,4.3Hz,1H),7.38(t,J=4.0Hz,1H)。
調製例11
2−ブロモ−1−(5−フルオロチオフェン−2−イル)エタノン
1−(5−フルオロチオフェン−2−イル)エタノン(9.70g、67.3mmol)をジクロロメタン(224mL)に溶解させ、窒素下、0℃で撹拌しながら、この透明こはく色溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(14.7mL、84.1mmol)を加え、続いてトリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(13.8mL、74.0mmol)を10分かけて滴下し、その間、内部温度は5℃未満に維持する。得られる溶液を0℃で90分間撹拌する。N−ブロモスクシンイミド(13.17g、74.0mmol)を一度に加え、得られる橙色溶液を0℃で1時間撹拌する。希重炭酸ナトリウム水溶液(水/飽和重炭酸ナトリウム水溶液を1:1で200mL)およびジクロロメタン(50mL)を加える。相を分離させ、水相をジクロロメタン(150mL)で再抽出する。有機抽出物を1つにまとめて硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して、赤色油状/無定形残渣を得る。残渣をヘキサン(50mL)およびジクロロメタン(5mL)で希釈し、濾過して固体を除去する。固体を、ヘキサン/ジクロロメタン(約50mL、7:3)溶液で洗う。濾液を1つにまとめて減圧濃縮し、残渣を、シリカゲルクロマトグラフィーで、ヘキサン/ジクロロメタン(2段階の勾配、70:30から60:40へ、そして50:50へ)を用いて溶出させることで精製し、表題化合物(13.33g、89%)を得る。1H NMR(CDCl3)δ4.27(s,2H),6.58(dd,J=1.3,4.4Hz,1H),7.52(dd,J=1.5,4.2Hz,1H)。
調製例12
1−(4−ブロモ−2−チエニル)−2−(ジアリルアミノ)エタノン
1−(4−ブロモチオフェン−2−イル)エタノン(10g、48.8mmol)を、メタノール(98mL)とジクロロメタン(163mL)の混合液に加え、これにテトラ−n−ブチルアンモニウムトリブロミド(28.8g、58.5mmol)を加える。反応混合物を50℃で減圧濃縮して残渣を得、これを、シリカゲルクロマトグラフィーで、ジクロロメタンを用いて溶出させることで精製し、粗2−ブロモ−1−(4−ブロモ−2−チエニル)エタノンを得る。粗2−ブロモ−1−(4−ブロモ−2−チエニル)エタノンのアセトニトリル(200ml)溶液に、炭酸カリウム(20.2g、146mmol)およびジアリルアミン(9.48g、97.5mmol)を加える。反応物を、室温で2時間撹拌する。水を加え、溶液を酢酸エチルで抽出する。有機相を1つにまとめ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して、粗表題化合物を得る。ES/MS(m/e):(79Br/81Br)300/302(M+H)。
調製例13
2−(ジアリルアミノ)−1−(5−フルオロ−2−チエニル)エタノン
2−ブロモ−1−(5−フルオロチオフェン−2−イル)エタノン(13.28g、59.53mmol)をアセトニトリル(298mL)に溶解させ、窒素下、0℃で撹拌しながら、この溶液に、炭酸カリウム(10.70g、77.39mmol)およびジアリルアミン(9.54mL、77.39mmol)を加える。混合物を、撹拌しながら、16時間かけてゆっくりと室温まで昇温させ、次いで、酢酸エチル(500mL)および水(200mL)で希釈する。相を分離させ、水相を酢酸エチル(100mL)で2回抽出する。有機抽出物を1つにまとめて硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮する。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィーで、ヘキサン/酢酸エチル(9:1)を用いて溶出させることで精製し、表題化合物(12.45g、87%)を黄色油状物として得る。ES/MS(m/e):240(M+H)。
適切なエタノンを用い、炭酸カリウムは無使用にて、基本的に調製例13の方法により、以下の化合物を調製する。
調製例15
2−(ジアリルアミノ)−1−(4−フルオロフェニル)エタノン
2−クロロ−1−(4−フルオロフェニル)エタノン(10g、57.4mmol)をアセトニトリル(400mL)に溶解させる。溶液を0℃に冷却して、ジアリルアミン(15.6mL、126.2mmol)を加える。1時間後、混合物を水(500mL)に注ぎ、酢酸エチル(400mL)で2回抽出する。有機抽出物を1つにまとめ、ブライン(1×200mL)で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗表題化合物を得る(15.84g、118%)。ES/MS(m/e):234(M+H)。
調製例16
2−(ジアリルアミノ)−1−(4−フルオロフェニル)エタノンオキシム
2−(ジアリルアミノ)−1−(4−フルオロフェニル)エタノン(13.38g、57.36mmol)をエタノール(250mL)に溶解させ、酢酸ナトリウム(5.7g)を加え、続いてヒドロキシルアミン塩酸塩(5.23g、74.6mmol)を加える。反応物を2.5時間、70℃に温め、次いで、室温で16時間撹拌する。混合物を濃縮し、得られる残渣を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで、酢酸エチル/ヘキサン(勾配は0−100%)を用いて溶出させることで精製する。単離した物質を再精製し、2回目で表題化合物(7.76g、54.5%)を得る。ES/MS(m/e):249(M+H)。
調製例17
2−(アリル(tert−ブトキシカルボニル)アミノ)酢酸
エルレンマイヤーフラスコに、炭酸カリウム(100g、724mmol)、ヨウ化ナトリウム(110g、727mmol)、ジメチルホルムアミド(300mL)、トリエチルアミン(200mL、1.44mol)、および2−プロペン−1−アミン(24g、426mmol)を入れ、0℃で、このフラスコに、2−ブロモ酢酸エチル(60.2g、360mmol)のジメチルホルムアミド(40mL)溶液を滴下する。反応物を周辺温度に昇温させ、一晩撹拌する。混合物を濾過し、ジエチルエーテル(200mL)で洗い、濃縮する。濾液にブライン(1L)を加え、層を分離させる。水層を、ジエチルエーテル(3×500mL)で抽出する。有機相を1つにまとめ、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧除去して、残渣を得る。粗残渣をエタノール(500ml)およびトリエチルアミン(40g、395mmol)の混合液に溶解させ、0℃で、この溶液にジカルボン酸ジ−t−ブチル(105g、467mmol)を一度に加える。反応物を室温に昇温させ、一晩撹拌する。反応物を、減圧濃縮し、水(200mL)および飽和重炭酸ナトリウム溶液(200mL)で希釈し、酢酸エチル(2×200mL)およびジクロロメタン(200mL)で抽出する。有機相を1つにまとめ、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して、粗残渣を得る。粗残渣をメタノール(200mL)に移し入れ、2Nの水酸化ナトリウム溶液(500mL)を加え、混合物を室温で約3時間撹拌する。溶液を減圧濃縮し、得られる水溶液を12Nの塩酸でpH4まで酸性にする。生じる沈殿を濾過して集め、水で洗い、乾燥させて、表題化合物(50g、65%)を得る。1H NMR(CDCl3)2種の回転異性体の混合物(50:50)δ1.43,1.45(s,9H),3.86−3.99(m,4H),5.10−5.20(m,2H),5.71−5.83(m,1H)。
調製例18
tert−ブチルN−アリル−N−[2−(メトキシ(メチル)アミノ)−2−オキソ−エチル]カルバマート
エルレンマイヤーフラスコに、2−(アリル(tert−ブトキシカルボニル)アミノ)酢酸(49.6g、156mmol)、テトラヒドロフラン(600mL)、およびトリエチルアミン(36.3g、359mmol)を入れ、混合物を0℃に冷却する。塩化ピバロイル(31g、253mmol)を滴下し、反応物を室温で3時間撹拌し、次いで0℃に冷却する。次いで、N,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(28g、283mmol)、トリエチルアミン(33mL、237mmol)、およびテトラヒドロフラン(400mL)を加える。氷浴を外して、反応物を室温で3時間撹拌する。混合物を減圧濃縮する。得られる残渣を水(300mL)に溶解させ、酢酸エチル(2×300mL)で抽出する。有機相を1つにまとめ、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して、残渣を得る。残渣を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで、ヘキサン/アセトン(1:0)からヘキサン/アセトン(1:1)までを用いて溶出させることで精製し、表題化合物(32g、54%)を得る。1H NMR(CDCl3)2種の回転異性体の混合物(60:40)δ1.42,1.44(s,9H),3.16,3.17(s,3H),3.66,3.69(s,3H),3.88−3.98(m,2H),4.01,4.11(s,2H),5.10−5.18(m,2H),5.73−5.85(m,1H)。
調製例19
tert−ブチルN−アリル−N−フェナシル−カルバマート
tert−ブチルN−アリル−N−[2−(メトキシ(メチル)アミノ)−2−オキソエチル]カルバマート(4.0g、15.5mmol)をTHF(54mL)に溶解させ、−20℃に冷却して、この溶液にフェニルマグネシウムブロミド(10.3ml、3Mのジエチルエーテル溶液)を滴下する。反応をTLCで追跡し、注意しながら飽和塩化アンモニウム水溶液(20mL)でクエンチし、水(100mL)で希釈し、ジクロロメタンで抽出する。有機層を1つにまとめ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して、残渣を得る。残渣を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで、ヘキサン/酢酸エチル(1:0)からヘキサン/酢酸エチル(5:1)までを用いて溶出させることで精製し、表題化合物(3.2g、75%)を得る。1H NMR(CDCl3)2種の回転異性体の混合物(51:49)δ1.47,1.35(s,9H),3.91,3.99(d,2H),4.52,4.65(s,2H),5.07−5.16(m,2H),5.72−5.87(m,1H),7.41−7.50(m,2H),7.52−7.60(m,1H),7.88−7.95(m,2H)。
調製例20
tert−ブチルN−アリル−N−(2−イソチアゾール−5−イル−2−オキソ−エチル)カルバマート
ジイソプロピルアミン(9.01mL、64.01mmol)をテトラヒドロフラン(80mL)に溶解させ、窒素下、−78℃で、この溶液に、n−ブチルリチウム(30.78mL、49.24mmol、1.6Mのヘキサン溶液)を加える。得られる溶液を−78℃で20分間撹拌し、次いでイソチアゾール(4.19g、49.24mmol)のテトラヒドロフラン(10mL)溶液を滴下する。得られる白色スラリーを、−78℃で30分間撹拌する。次いで、スラリーに、tert−ブチルN−アリル−N−[2−(メトキシ(メチル)アミノ)−2−オキソ−エチル]カルバマート(6.36g、24.62mmol)のテトラヒドロフラン(50mL)溶液を15分かけて加える。次いで、反応物を−78℃で30分間撹拌し、周辺温度に昇温させ、30分間撹拌する。次いで、飽和塩化アンモニウム溶液(200mL)を加える。得られる溶液を酢酸エチルで3回抽出する。有機層を1つにまとめて硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮する。粗生成物を、5%から100%への勾配をつけた酢酸エチル含有ヘキサンを用いて35分でシリカゲルから精製し、表題化合物(6.00g、21.25mmol、86%)を得る。ES/MS(m/e):283.0(M+H)。
代替調製例20
ジイソプロピルアミン(852.89mL、6.06mol)をテトラヒドロフラン(6.02L)に溶解させ、溶液を−40℃に冷却する。混合物に、ブチルリチウム(2.5Mのヘキサン溶液、1.86L、4.66mol)を60分かけて滴下する。黄色透明溶液を、窒素下、−40℃で45分間撹拌する。イソチアゾール(396.78g、4.66mol)のテトラヒドロフラン(1.20L)溶液を、30分かけて滴下する。得られる褐色スラリーを−40℃で45分間撹拌する。スラリーを、−40℃で、tert−ブチルN−アリル−N−[2−[メトキシ(メチル)アミノ]−2−オキソ−エチル]カルバマート(602g、2.33mol)のテトラヒドロフラン(2.41L)溶液で40分かけて処理する。反応物を40分かけて0℃に昇温させ、この温度で0分間撹拌する。反応物を飽和NH4Cl溶液(4.0L)でクエンチし、混合物を一晩撹拌する。酢酸エチル(3.0L)を加え、混合物を分離させる。水相を、酢酸エチル(3×1.5L)で抽出し、有機層を1つにまとめて水(2×3L)、ブラインで洗い、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧除去して、粗生成物である暗褐色油状物を得る。粗物質を、シリカゲル(3Kg)で、0%から10%までの酢酸エチル含有DCMを用いて溶出させることで精製する。生成物を、こはく色油状物として単離する(610.1g、92.7%)。ES/MS(m/e):283(M+H)。
調製例21
tert−ブチルN−アリル−N−[2−オキソ−2−(2−チエニル)エチル]カルバマート
tert−ブチルN−アリル−N−[2−(メトキシ(メチル)アミノ)−2−オキソ−エチル]カルバマート(25g、96.8mmol)のテトラヒドロフラン(339mL)溶液に、−78℃で、2−チエニルリチウム(145ml、1Mのテトラヒドロフラン溶液)を20分かけて滴下する。反応物を、注意して、塩化アンモニウム水溶液(20mL)でクエンチし、水(100mL)で希釈し、ジクロロメタンで抽出する。有機層を1つにまとめ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残渣を得る。残渣を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで、ヘキサン/酢酸エチル(1:0)からヘキサン/酢酸エチル(5:1)までを用いて溶出させることで精製し、表題化合物(15.2g、56%)を得る。ES/MS(m/e):182(M+H−100)。
調製例22
ベンジルN−(2,2−ジメトキシエチル)カルバマート
アミノアセトアルデヒドジメチルアセタール(25mL、229mmol)のトルエン(120mL)溶液を、0℃で、4.85Mの水酸化ナトリウム溶液(70.8mL、343.5mmol)で処理する。混合物を0℃で10分間撹拌し、クロロギ酸ベンジル(33.8mL、229mmol)を加え、その間、内部温度は20℃未満に維持する。混合物を、4時間かけて室温に昇温させる。有機層を分離し、ブラインで洗い、硫酸ナトリウムで乾燥させ、乾固するまで濃縮して、表題化合物(54g、98%)を得る。ES/MS(m/e):240(M+H)。
調製例23
ベンジルN−アリル−N−(2,2−ジメトキシエチル)カルバマート
ベンジルN−(2,2−ジメトキシエチル)カルバマート(50g、208.9mmol)のトルエン(180mL)溶液を、窒素下、固形水酸化カリウム(51.6g、919.69mmol)で処理する。10分後、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム(0.8g、3.1mmol)を加える。さらに10分後、臭化アリル(33g、272.8mmol)のトルエン(50mL)溶液を10分かけて滴下する。得られる混合物を、50℃で48時間撹拌する。混合物を室温に冷却し、水でクエンチする。有機層を分離し、ブラインで洗い、硫酸マグネシウムで乾燥させ、乾固するまで濃縮して、表題化合物(44g、75%)を得る。ES/MS(m/e):280(M+H)。
調製例24
ベンジルN−アリル−N−(2−オキソエチル)カルバマート
ベンジルN−アリル−N−(2,2−ジメトキシエチル)カルバマート(30g、107mmol)をギ酸(36.8mL、860mmol)と水(4.84mL)の混合液に溶解させ、この溶液を室温で一晩撹拌する。混合物を濃縮し、ヘキサン/酢酸エチル(1:2)および水で希釈する。有機層を分離し、溶液がpH=6になるまでブラインで洗い、硫酸ナトリウムで乾燥させる。溶媒をエバポレートして、表題化合物(25g、99%)を得る。ES/MS(m/e):234(M+H)。
調製例25
ベンジルN−アリル−N−[2−ヒドロキシイミノエチル]カルバマート
ベンジルN−アリル−N−(2−オキソエチル)カルバマート(25g、107mmol)のアセトニトリル(150mL)溶液を、ヒドロキシルアミン塩酸塩(9.68g、139mmol)、および酢酸ナトリウム三水和物(16g、117.9mmol)の水(75mL)溶液で処理する。混合物を室温で一晩撹拌する。アセトニトリルをエバポレートし、水溶液を酢酸エチルで抽出する。有機層を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧濃縮して、表題化合物(24g、90%)を得る。ES/MS(m/e):249(M+H)。
調製例26
ベンジル3,3a,4,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]イソキサゾール−5−カルボキシレート
ベンジルN−アリル−N−[(2E)−2−ヒドロキシイミノエチル]カルバマート(24g、96.6mmol)のジクロロメタン(338mL)溶液に、5%w/wの次亜塩素酸ナトリウム水溶液(106.08mmol、143.06mL)を10分かけて滴下して処理する。得られる混合物を室温で一晩撹拌する。反応物を40%重亜硫酸ナトリウム水溶液(7g)でクエンチする。有機層を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧濃縮する。粗生成物を、シリカゲルから、5%酢酸エチル含有ヘキサンを用いて溶出させることで精製し、表題化合物(18g、75%)を得る。ES/MS(m/e):247(M+H)。
調製例27
5−アリル−6a−フェニル−3,3a,4,6−テトラヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]イソキサゾール
アセトニトリル(1L)溶液を0℃で迅速に撹拌しながらα−ブロモアセトフェノン(77.5g、389.36mmol)を加える。この溶液に、ジアリルアミン(98.40mL、798.18mmol)を10分かけて滴下する。混合物を室温に昇温させ、96時間撹拌する。溶媒を減圧除去して、残渣をエタノール(778.71mL)に溶解させる。溶液に、ピリジン(110.20mL、1.36mmol)を加え、続いてヒドロキシルアミン塩酸塩(67.64g、973.39mmol)を加える。反応物を4時間70℃に加熱し、次いでRTで一晩撹拌する。溶媒を減圧除去して、残渣をトルエン(1L)に溶解させる。反応物を120℃に加熱して、一晩撹拌する。溶媒を減圧除去する。生成物を、シリカゲルクロマトグラフィーで、0−100%酢酸エチル/ヘキサンで溶出させることで精製し、表題化合物を明赤色油状物として得る(71.2g、79.4%)。これは、それ以上精製することなく用いる。EI/MS(m/e):231.0(M+H)。
調製例28
5−アリル−6a−(2−フルオロフェニル)−3,3a,4,6−テトラヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]イソキサゾール
2−ブロモ−1−(2−フルオロフェニル)エタノン(10.0g、46.1mmol)のエタノール(460.8mL)溶液に、ジアリルアミン(9.4g、96.8mmol)のエタノール(460.8mL)溶液を滴下する。反応物を2時間撹拌する。次いで、反応物(11.2mL、138.2mmol)にピリジンを加え、続いてヒドロキシルアミン塩酸塩(4.8g、69.1mmol)を加える。反応物を4時間還流させ、次いで、乾固するまで濃縮する。残渣をトルエン(230.4mL)に溶解させ、8時間還流させる。混合物を室温に冷却して、飽和重炭酸ナトリウム溶液で抽出する。次いで、水相をDCMで抽出する。有機相を濃縮し、混合物を、シリカゲルクロマトグラフィーで、ヘキサンから1:1ヘキサン/酢酸エチルまでを用いて溶出させることで精製し、表題化合物(6.6g、58%)を得る。ES/MS(m/e):248(M+H)。
調製例29
ベンジル6a−フェニル−3,3a,4,6−テトラヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]イソキサゾール−5−カルボキシレート
ベンジル3,3a,4,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]イソキサゾール−5−カルボキシレート(40g、162mmol)をテトラヒドロフラン(200mL)に溶解させ、−50℃で、この溶液に三フッ化ボロン(30.8mL、244mmol)を加える。混合物を10分間撹拌し、−50℃で、溶液をフェニルマグネシウムブロミド(325mL、325mmol、1Mのテトラヒドロフラン溶液)に加え、0℃に昇温させ、4時間撹拌する。反応物を飽和塩化アンモニウム溶液(200mL)でクエンチし、水層を分離する。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を減圧除去する。粗生成物を、5%から50%へ勾配をつけた酢酸エチル/ヘキサンを用いて、シリカゲルから精製し、表題化合物(31g、59%)を得る。ES/MS(m/e):325(M+H)。
調製例30
ベンジル6a−(2−チエニル)−3,3a,4,6−テトラヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]イソキサゾール−5−カルボキシレート
チオフェン(17g、203mmol)のテトラヒドロフラン(250mL)溶液に、窒素下、−78℃で、n−ブチルリチウム(81mL、203mmol、1.6Mのヘキサン溶液)を滴下して処理し、反応物を−78℃で10分間撹拌する。別のフラスコ中、窒素下、−78℃で、ベンジル3,3a,4,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]イソキサゾール−5−カルボキシレート(25g、101mmol)のテトラヒドロフラン(500mL)溶液を、三フッ化ホウ素エーテル錯体(19mL、152mmol)で処理し、混合物を10分間撹拌する。この溶液を、先に生成させた有機リチウム溶液に、−78℃で、カニューレを通して加え、得られる混合物を−78℃で1時間撹拌する。反応物を飽和塩化アンモニウム溶液でクエンチし、室温に昇温させる。水層を分離し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を減圧除去する。粗生成物を、5−50%の勾配をつけた酢酸エチル/ヘキサンを用いて、シリカゲルから精製し、表題化合物(22g、65%)を得る。ES/MS(m/e):331(M+H)。
チオフェンのかわりに適切な置換フェニルを用いて、基本的に調製例30の方法により、以下の化合物を調製する。
調製例32
ベンジル6a−(2−トリメチルシリルチアゾール−5−イル)−3,3a,4,6−テトラヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]イソキサゾール−5−カルボキシレート
2−トリメチルシリルチアゾール(383mg、2.44mmol)のテトラヒドロフラン(3mL)溶液に、−78℃で、n−ブチルリチウム溶液(1.52mL、2.44mmol、1.6Mのヘキサン溶液)を滴下して処理し、反応物を−78℃で10分間撹拌して、粘稠な橙色スラリーを得る。スラリーを三フッ化ホウ素エーテル錯体(205μL、1.62mmol)で処理して、赤色混合物を得、この混合物に直ちにベンジル(3aR)−3,3a,4,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]イソキサゾール−5−カルボキシレート(200mg、812μmol)のトルエン(2mL)溶液を加える。得られる混合物を、窒素下、−78℃で20分間撹拌する。反応物を飽和塩化アンモニウム溶液でクエンチし、室温に昇温させる。水および飽和重炭酸ナトリウム溶液を加え、混合物を酢酸エチル(3×)で抽出する。有機層を1つにまとめて硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧除去する。粗生成物を、シリカゲルから、5%から100%への勾配をつけた酢酸エチル含有ヘキサンを用いて溶出させて、精製し、表題化合物(245mg、75%)を得る。ES/MS(m/e):404(M+H)。
調製例33
tert−ブチルN−アリル−N−[−2−ヒドロキシイミノ−2−フェニル−エチル]カルバマート
tert−ブチルN−アリル−N−フェナシル−カルバマート(3.2g、11.6mmol)、ヒドロキシルアミン塩酸塩(1.2g、17.4mmol)、および酢酸ナトリウム(1.4g、17.4mmol)をエタノール(46mL)に加えた混合物を、70℃で18時間撹拌する。反応物を冷却し、水で希釈し、ジクロロメタンで抽出する。有機層を1つにまとめ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して、表題化合物をE異性体とZ異性体の混合物として得る。これは、それ以上精製することなく用いる(3.16g、94%)。ES/MS(m/e):191(M+H−100)。
調製例34
N−[2−(5−フルオロチオフェン−2−イル)−2−(ヒドロキシイミノ)エチル]−N−(プロパ−2−エン−1−イル)プロパ−2−エン−1−アミン
2−(ジアリルアミノ)−1−(5−フルオロ−2−チエニル)エタノン(4.051g、16.93mmol)のエタノール(34mL)溶液を、窒素下、撹拌しながら、そこに、ピリジン(4.8mL、59.2mmol)およびヒドロキシルアミン塩酸塩(2.94g、42.3mmol)を加える。混合物を4時間70℃に加熱する。混合物を放冷し、次いで減圧濃縮する。残渣を酢酸エチル(100mL)および水(50mL)で希釈する。相を分離させ、水相を酢酸エチル(50mL)で抽出する。有機抽出物を1つにまとめて硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、表題化合物(4.25g、99%)を得る(1H−NMR(CDCl3)によれば、オキシム異性体の約1.4:1混合物)。ES/MS(m/e):255(M+H)。
出発物質に、2−ブロモ−1−チアゾール−5−イル−エタノンを用いて、基本的に調製例34の方法により、以下の化合物を調製する。
調製例36
tert−ブチルN−アリル−N−[2−ヒドロキシイミノ−2−イソチアゾール−5−イル−エチル]カルバマート
tert−ブチルN−アリル−N−(2−イソチアゾール−5−イル−2−オキソエチル)カルバーマート(5.93g、21.00mmol)のエタノール(70mL)溶液に、室温で、ピリジン(5.94mL、73.50mmol)およびヒドロキシルアミン塩酸塩(3.65g、52.50mmol)を加える。混合物を4時間加熱還流させる。混合物を室温まで放冷し、次いで、減圧濃縮する。得られる粗生成物を、酢酸エチル(200mL)で希釈し、飽和重炭酸ナトリウム溶液(150mL)で洗う。水層を酢酸エチル(2×100mL)で再抽出する。有機層を1つにまとめて硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧除去する。粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで、15分で0%から20%への勾配をつけた酢酸エチル含有ジクロロメタンを用いて精製し、表題化合物をE異性体とZ異性体の混合物として得る(5.62g、18.90mmol、90%)。ES/MS(m/e):298(M+H)。
調製例37
tert−ブチルN−アリル−N−[2−ヒドロキシイミノ−2−(2−チエニル)エチル]カルバマート
tert−ブチルN−アリル−N−[2−オキソ−2−(2−チエニル)エチル]カルバマート(15.2g、54.0mmol)、ヒドロキシルアミン塩酸塩(5.63g、81.0mmol)、および酢酸ナトリウム(6.65g、81.0mmol)をエタノール(216mL)に加えた混合物を、70℃で18時間撹拌する。反応物を冷却し、溶媒を減圧除去する。残渣を水(100mL)で希釈し、ジクロロメタンで抽出する。有機層を1つにまとめ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して、粗表題化合物をE異性体とZ異性体の混合物として得る。これは、それ以上精製することなく用いる(16g、>98%):ES/MS(m/e):197(M+H−100)。
出発物質に、1−(4−ブロモ−2−チエニル)−2−(ジアリルアミノ)エタノンを用いて、基本的に調製例37の方法により、以下の化合物を調製する。
調製例39
6a−フェニル−1,3,3a,4,5,6−ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]イソキサゾール
5−アリル−6a−フェニル−3,3a,4,6−テトラヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]イソキサゾール(3.89g、16.89mmol)をクロロホルム(168mL)に溶解させ、この溶液を乾燥窒素で10分間脱気する。溶液に、N,N−ジメチルバルビツール酸(13.19g、84.45mmol)を加え、溶液を窒素でさらに5分間脱気する。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(1.95g、1.69mmol)を加え、反応物を18時間撹拌する。1Nの塩酸(50mL)を加え、混合物を20分間撹拌する。溶液を塩酸水溶液(3×75mL)で抽出し、HCl溶液を1つにまとめてジクロロメタンで洗う。5Nの水酸化ナトリウム溶液でpHを約13に調整する。混合物を、ジクロロメタン(3×75mL)で抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物を得る(3.21g、92%)。EI/MS(m/e):191.3(M+H)。
基本的に調製例39に記載されるとおりに、以下の化合物を調製する。
調製例42
tert−ブチル−6a−フェニル−3,3a,4,6−テトラヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]イソキサゾール−5−カルボキシレート
E異性体とZ異性体の混合物のままのtert−ブチルN−アリル−N−[−2−ヒドロキシイミノ−2−フェニル−エチル]カルバマート(3.2g、10.9mmol)のキシレン(100mL)溶液を、100℃で2時間、130℃で6時間、100℃で12時間、そして130℃で2時間撹拌する。反応物を冷却し、減圧濃縮して、残渣を得る。残渣を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで、ヘキサン/酢酸エチル(1:0)からヘキサン/酢酸エチル(0:1)までを用いて溶出させて精製し、表題化合物(1.5g、48%)を得る。ES/MS(m/e):291(M+H)。
調製例42の代替調製例
tert−ブチル−6a−フェニル−3,3a,4,6−テトラヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]イソキサゾール−5−カルボキシレート
6a−フェニル−1,3,3a,4,5,6−ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]イソキサゾール(100mg、525.64mmol)に、ジクロロメタン(5.26mL)を加える。混合物に、ジカルボン酸ジ−t−ブチル(108.98mg、499.36mmol)、続いてトリエチルアミン(0.146mL、1.05mmol)を加え、混合物を2時間撹拌する。溶媒を減圧除去する。生成物を、シリカゲルクロマトグラフィーで、0−100%酢酸エチル/ヘキサンを用いて溶出させて精製し、表題化合物を透明油状物として得る(143mg、94%)。EI/MS(m/e):291.0(M+H)。
基本的に調製例42の代替調製例に記載されるとおりに、以下の化合物を調製する。
調製例45
tert−ブチル6a−(2−チエニル)−3,3a,4,6−テトラヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]イソキサゾール−5−カルボキシレート
E異性体とZ異性体の混合物のままのtert−ブチルN−アリル−N−[(2−ヒドロキシイミノ−2−(2−チエニル)エチル]カルバマート(16g、54.0mmol)のキシレン(500mL)溶液を、130℃で10時間撹拌する。反応物を冷却し、減圧濃縮して、残渣を得る。残渣を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで、ヘキサン/酢酸エチル(1:0)からヘキサン/酢酸エチル(0:1)までを用いて溶出させて精製し、表題化合物(7.26g、45%)を得る。ES/MS(m/e):297.2(M+H)。
適切なオキシムを用いて、基本的に調製例45について記載された方法により、以下の化合物を調製する。
調製例47
5−アリル−6a−(5−フルオロ−2−チエニル)−3,3a,4,6−テトラヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]イソキサゾール
窒素下、N−[2−(5−フルオロチオフェン−2−イル)−2−(ヒドロキシイミノ)エチル]−N−(プロパ−2−エン−1−アミン(4.23g、16.6mmol)にトルエン(208mL)を加え、溶液を22.5時間加熱還流させる。溶液を放冷し、減圧濃縮して残渣を得る。残渣を、HPLC(シリカゲル)で、ヘキサン/酢酸エチル(80:20から70:30への1段階勾配)を用いて溶出させて精製し、表題化合物(1.949g、46%)を得る。ES/MS(m/e):255(M+H)。
適切なオキシムを用いて、基本的に調製例47について記載された方法により、以下の化合物を調製する。
調製例51
ベンジル1−(ベンゾイルカルバモチオイル)−6a−(2−トリメチルシリルチアゾール−5−イル)−3,3a,4,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]イソキサゾール−5−カルボキシレート
ベンジル(3aS)−6a−(2−トリメチルシリルチアゾール−5−イル)−3,3a,4,6−テトラヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]イソキサゾール−5−カルボキシレート(0.218g、0.54mmol)をTHF(3.60mL)に加え、この混合物にイソイチオシアン酸ベンゾイル(0.088g、0.54mmol)を加える。混合物を室温で1時間撹拌し、追加のイソイチオシアン酸ベンゾイル(0.044g、0.27mmol)を加える。反応物を室温で3時間撹拌し、減圧濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで、5%から100%への勾配をつけた酢酸エチル含有ヘキサンを用いて溶出させて精製し、表題化合物(0.204g、67%)を得る。ES/MS(m/e):404(M+H)。
適切なカルボン酸ベンジルを用いて、基本的に調製例51の方法により、以下の化合物を調製する。
調製例53
tert−ブチル3−アミノ−4−(ヒドロキシメチル)−3−フェニル−ピロリジン−1−カルボキシレート
tert−ブチル6a−フェニル−3,3a,4,6−テトラヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]イソキサゾール−5−カルボキシレート(142mg、489.04mmol)をメタノール(10mL)に溶解させる。溶液を、ラネー/Ni触媒床を備えた流通式水素化装置に、1気圧のH2圧および20℃で、流速1mL/分にて通す。反応原液が全て通過し終わってから、触媒床を10mL超のMeOHで洗う。溶媒を減圧除去して、表題化合物を透明油状物として得る(168mg、117%)。EI/MS(m/e):293.3(M+H)。
調製例54
ベンジル3−アミノ−4−(ヒドロキシメチル)−3−フェニル−ピロリジン−1−カルボキシレート
ベンジル6a−フェニル−3,3a,4,6−テトラヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]イソキサゾール−5−カルボキシレート(31g、96mmol)の酢酸(310mL)溶液に、粉末亜鉛(43.7g、669mmol)を加え、混合物を30分間撹拌する。酢酸エチル(500mL)を加え、混合物を珪藻土で濾過する。溶媒を減圧除去し、粗生成物を酢酸エチルに再溶解させる。溶液に水を加え、2MのNaOHでpHを10に調整する。溶液を珪藻土で濾過し、層を分離させ、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮して、表題化合物を得る(31g、99%)。ES/MS(m/e):327(M+H)。
調製例55
tert−ブチル3−アミノ−3−(2−フルオロフェニル)−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボキシレート
tert−ブチル6a−(2−フルオロフェニル)−3,3a,4,6−テトラヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]イソキサゾール−5−カルボキシレート(5g、16.2mmol)と亜鉛末(10.6g0.16mol)の混合物を、窒素下、室温で、酢酸(65mL)で一度に処理する。得られる混合物を0.5時間撹拌し、酢酸エチルで希釈し、珪藻土で濾過する。濾液を、飽和重炭酸ナトリウム水溶液に過剰の固形重炭酸ナトリウム(84g、1mol)が入った混合物に滴下する。混合物を酢酸エチルで抽出し、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を減圧除去する。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィーで、酢酸エチルを用いて溶出させて精製し、表題化合物(4.4g、87%)を得る。ES/MS(m/e):311(M+H)。
基本的に調製例55の方法により、以下の化合物を調製する。
調製例57
ベンジル3−アミノ−4−(ヒドロキシメチル)−3−(2−チエニル)ピロリジン−1−カルボキシレート
酢酸(2.56L)溶液を激しく撹拌しながら、そこに亜鉛(398.33g、6.092mol)を約30分かけて少しずつ加え、その間温度は30℃以下に維持する。内部温度を45℃に維持しながら、反応混合物に、ベンジル6a−(2−チエニル)−3,3a,4,6−テトラヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]イソキサゾール−5−カルボキシレート(366g、1.107mol)の酢酸(915mL)溶液をゆっくりと加える。混合物を45℃で1時間撹拌する。反応物を室温に冷却し、MTBE(3.63L)で希釈し、珪藻土で濾過する。濾液をエバポレートし、残渣を重量一定になるまで真空乾燥させる。残渣にトルエン(4×742mL)を加え、混合物を再度濃縮して酢酸をできる限り除去して、橙色油状残渣を得る(476.8g)。残渣を水、(2.928L)、MTBE(2.928L)、続いてHCl(5M、664.63mL)で希釈し、10分間撹拌する。混合物を分液装置に移し、水層を分離する。有機層をHCl(1M、3×742.36mL)で再抽出する。水相を1つにまとめ、撹拌しながら氷水で冷却し、NaOH水溶液でpHを10に調整する。MTBE(2.969L)を加え、混合物を撹拌する。白色固体が沈殿するので、これを珪藻土で濾別する。混合物を分液装置に移し、有機層を分離する。水層をMTBE(2×500mL)で洗い、有機物を1つにまとめ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過する。濾液を減圧濃縮して、表題化合物を明褐色油状物として得る(240g、65%)。ES/MS(m/e):333(M+H)。
代替調製例57
窒素下、室温で、ベンジル6a−(2−チエニル)−3,3a,4,6−テトラヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]イソキサゾール−5−カルボキシレート(22g、66.6mmol)の酢酸(220mL)溶液を、亜鉛末(34.8g0.53mol)で処理する。得られる混合物を2時間撹拌し、次いで酢酸エチルで希釈し、珪藻土で濾過する。溶媒をエバポレートし、残渣を酢酸エチルおよび水に溶解させ、2Mの水酸化ナトリウム溶液でpHを10に調整する。有機層を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥させ溶媒を減圧除去して、表題化合物を得る(21g、94%)。ES/MS(m/e):333(M+H)。
基本的に調製例57の代替方法により、以下の化合物を調製する。
調製例61
ベンジル3−(ベンゾイルカルバモチオイルアミノ)−4−(ヒドロキシメチル)−3−(2−チエニル)ピロリジン−1−カルボキシレート
0℃で、ベンジル3−アミノ−4−(ヒドロキシメチル)−3−(2−チエニル)ピロリジン−1−カルボキシレート(21g、63mmol)のテトラヒドロフラン(210mL)溶液を、イソチオシアン酸ベンゾイル(8.95mL、66.3mmol)で処理する。得られる溶液を0℃で2時間撹拌し、塩化ナトリウム水溶液およびメチル−t−ブチルエーテルを加えてクエンチする。有機層を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒をエバポレートして、表題化合物(30g、95%)を得る。ES/MS(m/e):496(M+H)。
調製例62
tert−ブチル3−(ベンゾイルカルバモチオイルアミノ)−3−(2−フルオロフェニル)−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボキシレート
3つの反応容器それぞれに、ラセミ体のtert−ブチル3−アミノ−3−(2−フルオロフェニル)−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボキシレート(0.142g、4.58mmol)およびテトラヒドロフラン(18mL)を入れ、そこにイソチオシアン酸ベンゾイル(0.784g、4.80mmol)を加える。3つの溶液を22℃で撹拌し、15時間撹拌する。溶媒を窒素流下で除去し、残渣を1つにまとめて濃縮し、粗表題化合物とする。これは、それ以上精製することなく用いる。ES/MS(m/e):474(M+H)。
調製例63
tert−ブチル3−(ベンゾイルカルバモチオイルアミノ)−3−(4−ブロモ−2−チエニル)−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボキシレート
0℃で、tert−ブチル3−アミノ−3−(4−ブロモ−2−チエニル)−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボキシレート(8.5g、22.5mmol)のテトラヒドロフラン(100mL)溶液に、イソチオシアン酸ベンゾイル(3.24mL、24mmol)を加える。得られる溶液を室温に昇温させ、窒素下室温で2時間撹拌する。溶液を濃縮し、残渣を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで、ヘキサン/酢酸エチル(30分かけて100:0から0:100への勾配)を用いて溶出させることで精製し、表題化合物を得る。ES/MS(m/e):(79Br/81Br)538/540(M+H)。
調製例64
ベンジル3−(ベンゾイルカルバモチオイルアミノ)−4−(ヒドロキシメチル)−3−フェニル−ピロリジン−1−カルボキシレート
0℃で、ベンジル3−アミノ−4−(ヒドロキシメチル)−3−フェニル−ピロリジン−1−カルボキシレート(34.7g、106mmol)のテトラヒドロフラン(347mL)溶液に、イソチオシアン酸ベンゾイル(15mL、112mmol)を加える。混合物を室温に昇温させ、1時間撹拌する。ブライン(300mL)を加え、水層を分離し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮して、表題化合物を得る(51g、98%)。ES/MS(m/e):390(M+H)。
調製例65
N−[[1−アリル−3−(4−ブロモ−2−チエニル)−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル]カルバモイル]ベンズアミド
[1−アリル−4−アミノ−4−(4−ブロモ−2−チエニル)ピロリジン−3−イル]メタノール(4g、12.6mmol)のテトラヒドロフラン(180mL)溶液に、ビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミド(3.2g、12.6mmol)を加え、反応物を室温で1時間撹拌する。イソチオシアン酸ベンゾイル(2.5g、15.1mmol)を一度に加え、室温で1時間撹拌し、次いで1Nの塩酸(20mL)でクエンチする。1時間撹拌してから、飽和重炭酸ナトリウム溶液で反応物のpHを>8に調整し、ジクロロメタンで抽出する。有機相を1つにまとめ、減圧濃縮し、ヘキサン/酢酸エチル(4:1)で溶解分を除去して、表題化合物を得る(5.9g、>95%)。ES/MS(m/e)(79Br/81Br)480/482(M+H)。
調製例66
N−[5−アリル−6a−(5−フルオロ−2−チエニル)−3,3a,4,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]イソキサゾール−1−カルボチオイル]ベンズアミド
5−アリル−6a−(5−フルオロ−2−チエニル)−3,3a,4,6−テトラヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]イソキサゾール(4.22g、16.59mmol)のテトラヒドロフラン(83mL)溶液を撹拌しながら、そこにイソチオシアン酸ベンゾイル(2.7mL、19.9mmol)を加える。得られる溶液を窒素下室温で19時間撹拌する。溶液を濃縮し、残渣を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで、ヘキサン/酢酸エチル(80:20から70:30へ、そして60:40への2段階勾配)を用いて溶出させることで精製し、表題化合物(6.92g、100%)を得る。ES/MS(m/e):418(M+H)。
適切なイソキサゾールを用いて、基本的に調製例66の方法により、以下の化合物を調製する。
調製例68
N−[[1−アリル−3−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル]カルバモチオイル]ベンズアミド
[1−アリル−4−アミノ−4−(4−フルオロフェニル)ピロリジン−3−イル]メタノール(4.03g、16.11mmol)のテトラヒドロフラン(107.4mL)溶液に、イソチオシアン酸ベンゾイル(2.63g、16.11mmol)を加え、反応物を窒素下で2時間撹拌し、次いで−20℃で2.5日間撹拌する。反応物を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで、0−100%の勾配をつけた酢酸エチル含有ヘキサンを用いて溶出させることで精製し、表題化合物(2g、30%)を得る。EI/MS:414(M+H)。
調製例69
N−[[1−アリル−3−(5−フルオロ−2−チエニル)−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル]カルバモチオイル]ベンズアミド
N−[5−アリル−6a−(5−フルオロ−2−チエニル)−3,3a,4,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]イソキサゾール−1−カルボチオイル]ベンズアミド(6.91g、16.5mmol)に酢酸(110mL)を加え、続いて粉末亜鉛(10.8g)を加える。得られる灰色混合物を、室温で40分間、速く撹拌する。混合物を珪藻土で濾過し、この間メタノール(約250mL)ですすぐ。濾液を減圧濃縮し、メタノール(200mL)で希釈し、減圧濃縮する。残渣をジクロロメタン(300mL)に溶解させ、1Mの炭酸カリウム溶液(200mL)で処理する。得られる乳濁液を珪藻土で濾過し、この間水(約40mL)およびジクロロメタン(200mL)ですすぐ。相を分離させ、水相をさらにジクロロメタン(100mL)で抽出する。ジクロロメタン抽出物を1つにまとめて硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して、表題化合物を得る(6.65g、96%)。ES/MS(m/e):420(M+H)。
適切なベンズアミドを用いて、基本的に調製例69の方法により、以下の化合物を調製する。
調製例71
tert−ブチル−1−(ベンゾイルカルバモチオイル)−6a−フェニル−3,3a,4,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]イソキサゾール−5−カルボキシレート
tert−ブチル−6a−フェニル−3,3a,4,6−テトラヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]イソキサゾール−5−カルボキシレート(1.5g、5.2mmol)をテトラヒドロフラン(34mL)に加えた混合物に、イソチオシアン酸ベンゾイル(0.84g、5.17mmol)を加える。反応物を室温で1時間撹拌し、減圧濃縮し、ヘキサン/酢酸エチル(1:1)で溶解分を除去して、表題化合物(1.84g)を得る。溶質を集め、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで、ヘキサン/酢酸エチル(1:0)からヘキサン/酢酸エチル(0:1)までを用いて溶出させることで精製し、表題化合物を得る。これを先に溶解精製で得た物質と1つにまとめる(2.12g、90%)。ES/MS(m/e):454(M+H)。
調製例72
tert−ブチル1−(ベンゾイルカルバモチオイル)−6a−(2−チエニル)−3,3a,4,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]イソキサゾール−5−カルボキシレート
tert−ブチル6a−(2−チエニル)−3,3a,4,6−テトラヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]イソキサゾール−5−カルボキシレート(7.16g、24.2mmol)をTHF(161mL)に加えた混合物に、イソチオシアン酸ベンゾイル(3.94g、24.2mmol)を加える。反応物を室温で1時間撹拌し、減圧濃縮し、ヘキサン/酢酸エチル(1:1)で溶解分を除去して、表題化合物を得る。ES/MS(m/e):459(M+H)。
基本的に調製例72の方法により、以下の化合物を調製するが、反応物は室温で3日間撹拌する。
調製例73a
tert−ブチル6a−イソチアゾール−5−イル−1−[(4−メトキシフェニル)メチル]−3,3a,4,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]イソキサゾール−5−カルボキシレート
窒素雰囲気下、tert−ブチルN−アリル−N−(2−イソチアゾール−5−イル−2−オキソ−エチル)カルバマート(610.1g、2.16mol)を、トルエン(6.10L)に溶解させる。N−[(4−メトキシフェニル)メチル]ヒドロキシルアミン(532.68g、2.81mol)を加え、続いてジイソプロピルエチルアミン(489.86mL、2.81mol)を加える。Ti(OEt)4(640.78g、2.81mol)を加え、黄色反応溶液を、2時間撹拌しながら100℃に加熱する。反応物を室温に冷却し、酢酸エチル(3.05L)で希釈する。50%w/wのクエン酸水溶液(5.49L)を加える。固体が沈殿するが、これは撹拌するうちに再溶解する。二相系混合物を分離させ、水層を酢酸エチル(2×1L)で抽出する。有機層を1つにまとめて水(2×2L)、ブラインで洗い、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、乾固するまで濃縮する。残渣を酢酸エチル(3L)に溶解させ、再度減圧濃縮する。粗生成物を、酢酸エチル(1.2L)およびイソヘキサン(4.8L)に40分間加えて、溶解分を除去する。懸濁液を濾過し、ヘキサン(4L)で洗う。固体を、減圧で3時間乾燥させ、そして真空オーブン中40℃で16時間乾燥させて、表題生成物(741.51g、82.2%)を得る。ES/MS(m/e):418(M+H)。溶解精製の母液を減圧濃縮して、褐色固体を得、これをメタノール(150mL)から再結晶させて、生成物の二番作をオフホワイト色固体として得る(26.02g、62.32mmol、収率2.9%)。
調製例73b
tert−ブチル6a−イソチアゾール−5−イル−3,3a,4,6−テトラヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]イソキサゾール−5−カルボキシレート
イソプロピルアルコール(5.66L)を5℃に冷却し、塩化アセチル(941.23mL、13.23mol)を滴下する(発熱性)。混合物を45℃に加熱し、反応器に、tert−ブチル6a−イソチアゾール−5−イル−1−[(4−メトキシフェニル)メチル]−3,3a,4,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]イソキサゾール−5−カルボキシレート(460.17g、1.10mol)を少しずつ加える。得られる白色懸濁液を45℃で1時間撹拌する。溶媒の大部分をエバポレートして、湿ったオフホワイト色固体を得る。これをトリフルオロ酢酸(2.76L、36.52mol)に溶解させる。得られる暗色溶液を70℃に加熱し、この温度で1時間撹拌する。反応混合物を室温に冷却し、減圧濃縮する。残渣をトルエン(2×2.5L)と共沸させ、明褐色固体を得る。残渣を2MのHCl水溶液(4.6L)とDCM(4.6L)の混合液に溶解させ、完全に溶解するまで40℃で30分間激しく撹拌する。混合物を室温に冷却し、分離させる。水層をDCM(2×500mL)で洗う。酸性の水層を5℃に冷却し、50%wt/wtのNaOH水溶液を加えてpHを10.5に調整する。混合物を10℃に冷却しBOC2O(252.57g、1.16mol)のテトラヒドロフラン(2.30L)溶液をゆっくりと加える。混合物を5分間撹拌し、25℃に温め、次いでさらに1時間撹拌する。MTBE(2L)を加え、得られる相を分離させる。水層をMTBE(2×1L)で抽出し、有機層を1つにまとめてブライン溶液(2L)で洗い、MgSO4で乾燥させ、濾過し、減圧エバポレートして、粗生成物をオフホワイト色固体(347.2g)として得る。粗固体を、沸騰した7:3v/vのイソヘキサン/酢酸エチル(2.8L)に溶解させ、得られる透明溶液を室温までゆっくりと放冷させ、次いで氷浴で冷却する。得られる白色懸濁液を濾過し、冷却した7:3のイソヘキサン:酢酸エチルで洗う。白色固体を減圧下窒素中で2日間乾燥させ、表題化合物を白色固体として得る(291.30g、88.9%)。ES/MS(m/e):298(M+H)。
調製例73c
tert−ブチル3−アミノ−4−(ヒドロキシメチル)−3−イソチアゾール−5−イル−ピロリジン−1−カルボキシレート
tert−ブチル6a−イソチアゾール−5−イル−3,3a,4,6−テトラヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]イソキサゾール−5−カルボキシレート(400.0g、1.35mol)、酢酸(4.00L)、および亜鉛(439.78g、6.73mol)を加え合わせる。反応混合物を40℃に加熱し、40℃で8時間撹拌し、次いで室温に冷却する。反応混合物を酢酸エチル(4L)で希釈し、珪藻土で濾過し、酢酸エチルで洗い、減圧エバポレートする。黄色油状残渣をトルエン(2L)に溶解させ、濃縮する。トルエンを用いた溶解プロセスを3回繰り返す。発泡性油状残渣を10%w/wのクエン酸水溶液(3.2L)に懸濁させ、MTBE(4L)を加え、混合物を室温で15分間撹拌する。二相系混合物を珪藻土で濾過(濾過は遅い)し、ゲル様固体を除去する。層を分離させ、水層をMTBE(4×600mL)で洗う。水層(pH4.0)を酢酸エチル(3.0L)に加え、混合物を50%w/wのNaOH溶液で中和して、pH=9.0〜9.5に調整し、混合物を激しく撹拌する。有機層を分離し、水層を酢酸エチル(3×1L)で抽出する。有機層を1つにまとめ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧エバポレートし、表題化合物を白色固体として得る(262.00g、65.1%)。ES/MS(m/e):300(M+H)。
調製例73d
(2R,3R)−2,3−ビス[(4−メチルベンゾイル)オキシ]ブタン二酸;tert−ブチル(3R,4R)−3−アミノ−4−(ヒドロキシメチル)−3−イソチアゾール−5−イル−ピロリジン−1−カルボキシレート
tert−ブチル3−アミノ−4−(ヒドロキシメチル)−3−イソチアゾール−5−イル−ピロリジン−1−カルボキシレート(262.00g、875.10mmol)とイソプロピルアルコール(1.83L)を加え合わせ、溶液を70℃に加熱する。ジ−p−トルオイル−L−酒石酸(338.10g、875.10mmol)を加え、固体添加用漏斗を追加のイソプロピルアルコール(262.00mL)ですすぐ。追加すると完全な溶解が観測される。10〜15分すると、白色固体が晶出する。混合物を70℃で30分間撹拌し、次いで一晩室温に冷却する。黄色懸濁液を濾過し、固体をイソプロピルアルコール(524.0mL)で洗う。白色生成物を、重量一定になるまで真空乾燥させ、次いで真空オーブン中45℃で18時間乾燥させ、表題化合物を白色結晶固体として得る(304.47g、46.7%)。ES/MS(m/e):300(アミンのM+H)、ee=98.6%。
調製例73e
tert−ブチル(3R,4R)−3−アミノ−4−(ヒドロキシメチル)−3−イソチアゾール−5−イル−ピロリジン−1−カルボキシレート
(2R,3R)−2,3−ビス[(4−メチルベンゾイル)オキシ]ブタン二酸;tert−ブチル(3R,4R)−3−アミノ−4−(ヒドロキシメチル)−3−イソチアゾール−5−イル−ピロリジン−1−カルボキシレート(389.5g、522.55mmol)、水(1.56L)、酢酸エチル(1.56L)、および2Mの塩化水素水溶液(261.28mL、522.55mmol)を加え合わせ、反応混合物を、室温で15分間撹拌する(pH=2.0を記録する)。混合物を5Lの分液漏斗に移し、水層を分離し、酢酸エチル(2×350mL)で洗う。50%w/wのNaOH水溶液で水層のpHを10に調整し、次いで酢酸エチル(4×584mL)で抽出し、その都度2MのNaOH水溶液を水層に追加して、pHを10に維持する。有機層を1つにまとめ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧エバポレートし、真空乾燥させ、表題化合物として白色固体を得る(171.2g、109.43%)。ES/MS(m/e):300(M+H)。ee=97.8%。
調製例74
tert−ブチル(3S,4R)−3−(ベンゾイルカルバモチオイルアミノ)−4−(ヒドロキシメチル)−3−フェニル−ピロリジン−1−カルボキシレート
tert−ブチル−1−(ベンゾイルカルバモチオイル)−6a−フェニル−3,3a,4,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]イソキサゾール−5−カルボキシレート(2.3g、5.1mmol)、酢酸(20mL)、および粉末亜鉛(3.3g、50mmol)を混合し、この混合物を40℃で1時間激しく撹拌し、続いてさらに1時間45〜50℃で激しく撹拌する。反応物を減圧濃縮する。残渣に珪藻土および水を加え、続いて飽和重炭酸ナトリウム溶液を加える。混合物を濾過し、酢酸エチルで洗う。濾液を酢酸エチルで抽出する。有機層を1つにまとめ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して、残渣を得る。残渣を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで、ヘキサン/酢酸エチル(1:0)からヘキサン/酢酸エチル(0:1)までを用いて溶出させることで精製し、表題化合物(1.6g、70%)を得る。ES/MS(m/e):456(M+H)。
調製例74の代替調製例
tert−ブチル3−(ベンゾイルカルバモチオイルアミノ)−4−(ヒドロキシメチル)−3−フェニル−ピロリジン−1−カルボキシレート
tert−ブチル3−アミノ−4−(ヒドロキシメチル)−3−フェニル−ピロリジン−1−カルボキシレート(0.168g、574.60mmol)のテトラヒドロフラン(2.3mL)溶液に、0℃で、イソチオシアン酸ベンゾイル(81.37μL、603.33mmol)を加える。混合物を室温に昇温させ、一晩撹拌する。イソチオシアン酸ベンゾイル(15.50μL、114.92mmol)を加え、混合物を2時間撹拌する。重炭酸ナトリウム溶液およびジクロロメタンを加え、水層を分離し、水性混合物をジクロロメタン(3×25mL)で抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、乾固するまで濃縮する。粗生成物を、シリカゲルクロマトグラフィーで、0−100%酢酸エチル/ヘキサンを用いて溶出させることで精製し、表題化合物を得る(0.178g、68%)。ES/MS(m/e):454.3(M−1)。
調製例75
tert−ブチル3−(ベンゾイルカルバモチオイルアミノ)−4−(ヒドロキシメチル)−3−(2−チエニル)ピロリジン−1−カルボキシレート
tert−ブチル−1−(ベンゾイルカルバモチオイル)−6a−(2−チエニル)−3,3a,4,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]イソキサゾール−5−カルボキシレートに、酢酸(104mL)を加え、続いて粉末亜鉛(17.1g、261mmol)を加え、得られる懸濁液を40℃で7時間激しく撹拌し、続いてさらに1時間45〜50℃で激しく撹拌する。反応物を減圧濃縮する。粗反応混合物に、珪藻土および水を加え、飽和重炭酸ナトリウム溶液を加える。混合物を濾過し、酢酸エチルで洗う。濾液を酢酸エチルで抽出する。有機層を1つにまとめ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して、残渣を得る。残渣を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで、ヘキサン/酢酸エチル(1:0)からヘキサン/酢酸エチル(0:1)までを用いて溶出させることで精製し、表題化合物(3.8g、32%)を得る。ES/MS(m/e):460(M−1)。
基本的に調製例75の方法により、以下の化合物を調製するが、反応物は室温で1時間5分撹拌する。
調製例77
ラセミ体のベンジル2−ベンズアミド−7a−(3−ブロモフェニル)−4,4a,5,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−6−カルボキシレート
ベンジル1−(ベンゾイルカルバモチオイル)−6a−(3−ブロモフェニル)−3,3a,4,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]イソキサゾール−5−カルボキシレート(1.9g、3.3mmol)の酢酸(30mL)溶液に、粉末亜鉛(2.0g、30mmol)を加える。得られる懸濁液を、2時間、超音波処理してから、珪藻土パッドで濾過する。珪藻土パッドを酢酸エチルで洗う。濾液を1つにまとめ、乾固するまで濃縮し、次いで酢酸エチル(100mL)で希釈し、飽和重炭酸ナトリウム溶液(100mL)で洗う。水層を酢酸エチル(50mL)およびクロロホルム(50mL)で再抽出する。有機層を1つにまとめて硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮する。次いで、残渣をジクロロメタン(30mL)に溶解させ、1−クロロ−N,N,2−トリメチルプロペニルアミン(1.0mL、7.6mmol)で処理する。得られる溶液を、周辺温度で3.3時間撹拌し、乾固するまで濃縮する。残渣を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで、酢酸エチル/ジクロロメタンに勾配をつけて(0−40%)用いて溶出させることで精製し、表題化合物(1.86g、100%)を得る。ES/MS(m/e):(79Br/81Br)550/552(M+H)。
調製例78
ラセミ体のN−[7a−(2−フルオロフェニル)−4a,5,6,7−テトラヒドロ−4H−ピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド
ラセミ体のtert−ブチル3−(ベンゾイルカルバモチオイルアミノ)−3−(2−フルオロフェニル)−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボキシレート(2.1g、4.39mmol)をジクロロメタン(75mL)に溶解させ、3つの反応容器に等分して入れる。3つの反応容器を0℃に冷却し、各容器に1−クロロ−N,N,2−トリメチルプロペニルアミン(2.0mL、15mmol)を滴下する。3つの反応物を22℃に温め、4時間撹拌する。各容器の内容物を10gのシリカゲルプラグで濾過し、メタノール(30ml)で洗い、溶媒を減圧除去する。3つの残渣を逆相HPLCで、5%メタノール含有10mMの重炭酸アンモニウム溶液(pH10.0)に5−100%の勾配でアセトニトリルを加えて用いて溶出させることで精製し、表題化合物(3.1g)を得る。ES/MS(m/e):356(M+H)。
調製例79
ラセミ体のtert−ブチル−2−ベンズアミド−7a−フェニル−4,4a,5,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−6−カルボキシレート
0℃で、tert−ブチル−3−(ベンゾイルカルバモチオイルアミノ)−4−(ヒドロキシメチル)−3−フェニル−ピロリジン−1−カルボキシレート(1.6g、3.5mmol)のジクロロメタン(87mL)溶液を、1−クロロ−N,N,2−トリメチルプロペニルアミン(0.94mg、7.0mmol)で処理する。混合物を室温まで昇温させ、窒素下で4時間撹拌する。飽和重炭酸ナトリウム溶液を加え、溶液をジクロロメタンで抽出する。有機層を1つにまとめて硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残渣を得る。残渣を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで、ヘキサン/酢酸エチル(1:0)からヘキサン/酢酸エチル(0:1)までを用いて溶出させることで精製し、表題化合物を得る。これは、それ以上精製することなく用いる(1.6g、104%)。ES/MS(m/e):438(M+H)。
基本的に調製例79の方法により、以下の化合物を調製する。
調製例82
tert−ブチル(4aR,7aR)−2−ベンズアミド−7a−イソチアゾール−5−イル−4,4a,5,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−6−カルボキシレート
ラセミ体のtert−ブチル−2−ベンズアミド−7a−イソチアゾール−5−イル−4,4a,5,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−6−カルボキシレートを、キラルSFC(カラム:Chiralpak IC、50×150mm;溶離液:40%メタノール:60%CO2;流速:300mL/分、UV240nm)により、その構成鏡像異性体に分割する。2番目に溶出する異性体(カラム:Chiralpack IC、4×150mm;溶離液:40%メタノール:60%CO2;流速:5.000mL/分、UV240nm)の分析から、一方の鏡像異性体に偏った(>98.8%ee)Rt=3.60分の鏡像異性体(652.5mg、34%)であることを確認する。
調製例82a
tert−ブチル(4aR,7aR)−2−ベンズアミド−7a−イソチアゾール−5−イル−4,4a,5,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−6−カルボキシレート
tert−ブチル(3R,4R)−3−アミノ−4−(ヒドロキシメチル)−3−イソチアゾール−5−イル−ピロリジン−1−カルボキシレート(148.10g、494.67mmol)およびテトラヒドロフラン(1.48L)を加え合わせ、溶液を0℃に冷却する。イソチオシアン酸ベンゾイル(82.34g、504.56mmol)を5分かけて加え、反応混合物を0℃で30分間撹拌し、次いで1時間かけて室温に昇温させる。1,1’−カルボニルジイミダゾール(92.24g、568.87mmol)を加え、反応混合物を室温で2時間撹拌する。混合物を65℃に加熱し、さらに12時間撹拌する。反応混合物を減圧濃縮し、油状残渣を水(1.5L)と酢酸エチル(1.5L)で分配する。50%w/wのクエン酸水溶液でpHを4.0に調整し、有機層を分離する。水層をMTBE(2×500mL)で抽出し、有機物を1つにまとめ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧エバポレートする。粗生成物を60℃でMTBE(740.50mL)に加えてスラリーとし、次いで45分間室温でスラリー状に維持する。固体を集め、MTBE(4×150mL)で洗い、一晩真空乾燥させ、表題化合物をオフホワイト色固体として得る(162.68g、74.0%)。ES/MS(m/e):445(M+H)、ee=99.5%。
調製例83
tert−ブチル(4aR,7aS)−2−(ベンゾイルアミノ)−7a−フェニル−4a,5,7,7a−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−6(4H)−カルボキシレート
ラセミ体のtert−ブチル−2−ベンズアミド−7a−フェニル−4,4a,5,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−6−カルボキシレート(1.6g、3.66mmol)をエタノール/クロロホルム(30ml/14ml)に溶解させ、キラルSFC(超臨界流体クロマトグラフィー)(Chiralpak AD、8×40.5cm(20μm);溶離液:CO2中、100%エタノール;流速:350mL/分、UV280nm;0.4g/注入量)で、その構成鏡像異性体に分割する。最初に溶出する異性体が表題化合物(593mg、37%)である。この異性体のキラル分析:(Chiralpak AD−H、4.6×150mm;溶離液:CO2中、100%エタノール(0.2%イソプロピルアミンを添加);流速1mL/分、UV225nm)Rt=3.03to(>98%ee)。ES/MS(m/e):438(M+H)。
代替調製例83
ラセミ体のtert−ブチル−2−ベンズアミド−7a−フェニル−4,4a,5,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−6−カルボキシレート(5.23g、11.9mmol)を、SFC:(カラム:Chiralpak IC、2.1×25cm;溶離液:40%メタノールCO2;流速:300mL/分、UV284nm)によりキラル精製する。2番目に溶出する異性体が表題化合物(1.7、34%、>98%ee)である。単離した異性体2のキラル分析:Chiralpak IC、0.46×10cm、5um;溶離液:CO2中、40%メタノール;流速:5mL/分、UV215nm。Rt=1.48分。[α]D 20=−88(C=1.0、メタノール)、ES/MS(m/e):438.3(M+H)。
調製例84
tert−ブチル(4aR,7aR)−2−ベンズアミド−7a−(2−チエニル)−4,4a,5,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−6−カルボキシレート
ラセミ体のtert−ブチル3−(ベンゾイルカルバモチオイルアミノ)−4−(ヒドロキシメチル)−3−(2−チエニル)ピロリジン−1−カルボキシレート(3.8g、8.23mmol)のジクロロメタン(206mL)溶液を0℃に冷却し、そこに1−クロロ−N,N,2−トリメチルプロペニルアミン(2.18mL、16.46mmol)を滴下する。反応物を室温に温め、2時間撹拌する。反応混合物に、飽和重炭酸ナトリウム溶液およびジクロロメタンを加える。混合物をジクロロメタンで抽出する。有機層を1つにまとめ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残渣を得る。残渣を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで、ヘキサン/酢酸エチル(1:0)からヘキサン/酢酸エチル(0:1)までを用いて溶出させることで精製し、表題化合物(3.30g、90%)を得る。ES/MS(m/e):444(M+H)。ラセミ体のtertブチル−3−(ベンゾイルカルバモチオイルアミノ)−4−(ヒドロキシメチル)−3−フェニル−ピロリジン−1−カルボキシレート(3.2g、7.4mmol)をメタノール/クロロホルム(36ml/25ml)に溶解させ、キラルSFC(Chiralpak OJ−H、50×250mm;溶離液:75%CO2中、25%メタノール;流速300g/分、UV240nm;カラム温度−40℃;0.64g/注入)により、その構成鏡像異性体に分割する。単離した鏡像異性体の分析(Chiralpak OJ−H、4.6×150mm;溶離液:75%CO2中、25%メタノール;流速5mL/分、UV240nm、カラム温度−35℃)により、Rt=1.5分の表題化合物、異性体1を得た(1.27g、39%、>99%ee)。
調製例85
ラセミ体のN−[6−アリル−7a−(5−フルオロ−2−チエニル)−4,4a,5,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド
窒素下、0℃で、ラセミ体のN−[[1−アリル−3−(5−フルオロ−2−チエニル)−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル]カルバモチオイル]ベンズアミド(320mg、0.763mmol)のジクロロメタン(7.6mL)溶液に、1−クロロ−N,N,2−トリメチルプロペニルアミン(0.2mL、1.53mmol)を加える。溶液を撹拌しながら、2時間かけてゆっくりと10℃に昇温させる。氷浴を外し、反応物をさらに2時間かけて室温に昇温させる。溶液をジクロロメタン(約40mL)で希釈し、希重炭酸ナトリウム溶液(水(20mL)と飽和重炭酸ナトリウム溶液(20mL)で調製した40mL)で洗う。水相をジクロロメタン(40mL)で再抽出する。有機抽出物を1つにまとめて硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮する。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィーで、ヘキサン/酢酸エチル(60:40から50:50への2段階勾配)を用いて溶出させることで精製し、表題化合物(186mg、61%)を得る。ES/MS(m/e):402(M+H)。
適切なベンズアミドを用いて、基本的に調製例85の方法により、以下の化合物を調製する。
調製例88
N−[(4aR,7aR)−6−アリル−7a−(4−ブロモ−2−チエニル)−4,4a,5,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド、異性体2
ラセミ体のN−[6−アリル−7a−(4−ブロモ−2−チエニル)−4,4a,5,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(2.24g、4.84mmol)を、キラルHPLC:(Chiralpak AD、8×40.5cm;溶離液:100%エタノール(0.2%ジメチルエチルアミン添加);流速:400mL/分、UV270nm)で精製する。分析条件:Chiralpak AD−H、0.46×15cm;溶離液:100%エタノール(0.2%イソプロピルアミン);流速:0.6mL/分、UV320nm;Rt=3.03分。2番目に溶出する異性体を単離して、表題化合物(1.08g、48%、>99%ee)を得る。ES/MS(m/e)(79Br/81Br)462/464(M+H)。
調製例89
N−[(4aR,7aR)−7a−(5−フルオロチオフェン−2−イル)−6−(プロパ−2−エン−1−イル)−4、4a,5,6,7、7a−ヘキサヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド
ラセミ体のN−[6−アリル−7a−(5−フルオロ−2−チエニル)−4,4a,5,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(4.71g、11.73mmol)を、1:1のMeOH/CHCl3(20mg/mL)に溶解させ、キラルHPLC(カラム:Chiralcel OD、8×32cm(20μM);移動相:60:40のIPA/ヘプタン;流速385mL/分、UV290nm;0.320g/注入)により、その構成鏡像異性体に分割する。2番目に溶出する異性体の分析(カラム:Chiralcel OD−H、4.6×150mm;移動相:60:40のIPA/ヘプタン;流速0.6mL/分、UV290nm)により、Rt=8.2分の表題化合物を得た(2.01g、43%、96.1%ee)。ES/MS(m/e):402.0(M+H)。
調製例90
ラセミ体のN−(6−アリル−7a−チアゾール−5−イル−4,4a,5,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル)ベンズアミド
N−[[1−アリル−4−(ヒドロキシメチル)−3−チアゾール−5−イル−ピロリジン−3−イル]カルバモチオイル]ベンズアミド(60mg、150μモル)のテトラヒドロフラン(1mL)溶液に、0℃で、トリフェニルホスフィン(80mg、30μモル)およびアゾジカルボン酸ジ−t−ブチル(88mg、30μモル)を加える。混合物を0℃で30分間撹拌し、室温に昇温させて、1時間撹拌する。混合物を濃縮しシリカゲルから、メタノール/ジクロロメタン(0−5%)を用いて溶出させることで精製し、表題生成物(26mg、70μモル、45%)を得る。ES/MS(m/e):385(M+H)。
調製例91
ラセミ体のベンジル2−ベンズアミド−7a−フェニル−4,4a,5,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−6−カルボキシレート
ラセミ体のベンジル3−(ベンゾイルカルバモチオイルアミノ)−4−(ヒドロキシメチル)−3−フェニルピロリジン−1−カルボキシレート(51g、104mmol)のジクロロメタン(459mL)溶液に、0℃で、1−クロロ−N,N,2−トリメチルプロペニルアミン(17.9mL、135mmol)を加え、室温で2時間撹拌する。飽和炭酸水素ナトリウム溶液(300mL)を加え、層を分離させる。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶液を濃縮する。粗生成物を、シリカゲルから、ジクロロメタンから5%酢酸エチル/ジクロロメタンまでを用いて溶出させることで精製し、表題化合物(31g、63%)を得る。ES/MS(m/e):372(M+H)。
調製例92
ラセミ体のベンジル2−ベンズアミド−7a−(2−チエニル)−4,4a,5,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−6−カルボキシレート
ラセミ体のベンジル3−(ベンゾイルカルバモチオイルアミノ)−4−(ヒドロキシメチル)−3−(2−チエニル)ピロリジン−1−カルボキシレート(30g、60.5mmol)の塩化メチレン(300mL)溶液に、0℃で、1−クロロ−N,N,2−トリメチルプロペニルアミン(9.61mL、72.6mmol)の塩化メチレン溶液(20mL)を加える。得られる溶液を0℃で30分間撹拌し、次いで、室温に昇温させる。溶液を飽和重炭酸ナトリウム溶液でクエンチし、有機層を単離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮する。粗混合物を、シリカゲルから精製し、5%−50%の勾配をつけた酢酸エチル含有ヘキサンを用いて溶出させることで精製し、表題化合物(24g、83%)を得る。ES/MS(m/e):478(M+H)。
適切なベンズアミドを用いて、基本的に調製例92の方法により、以下の化合物を調製する。
調製例94
ラセミ体のベンジル2−ベンズアミド−7a−チアゾール−5−イル−4,4a,5,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−6−カルボキシレート
ラセミ体のベンジル2−ベンズアミド−7a−(2−トリメチルシリルチアゾール−5−イル)−4,4a,5,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−6−カルボキシレート(117mg、212μモル)のテトラヒドロフラン(4mL)溶液に、1Nのテトラブチルアンモニウムフルオリド(1Nのテトラヒドロフラン溶液)(425μL、425μモル)を加え、混合物を窒素下で1時間撹拌する。溶液を水で希釈し、酢酸エチル(3×)で抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮する。粗生成物を、シリカゲルから、酢酸エチル/ヘキサン(5%−100%)を用いて溶出させることで精製し、表題化合物を得る(89mg、88%)。ES/MS(m/e):479(M+H)。
調製例95
ベンジル(4aR,7aR)−2−ベンズアミド−7a−チアゾール−5−イル−4,4a,5,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−6−カルボキシレート、異性体1
ラセミ体のベンジル2−ベンズアミド−7a−チアゾール−5−イル−4,4a,5,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−6−カルボキシレート(1.173g、2.45mmol)を、キラルHPLC:(カラム:Chiralpak AS、8×33cm;溶離液:100%メタノール;流速:400mL/分、UV240nm)により精製して、表題生成物を、Rt=3.43分の最初の溶出異性体として得る(422mg、36%、>99%ee)。分析カラム:Chiralpak AS−H、4.6×150mm;溶離液:99.8%メタノールに0.2%イソプロピルアミン添加;流速:1.0mL/分、UV225nm)。ES/MS(m/e):479(M+H)。
調製例96
ベンジル(4aR,7aS)−2−ベンズアミド−7a−フェニル−4,4a,5,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−6−カルボキシレート
ラセミ体のベンジル2−ベンズアミド−7a−フェニル−4,4a,5,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−6−カルボキシレート(30g、63mmol)を、SFC:(カラム:Chiralpak IC、2.1×25cm;溶離液:CO2中、40%メタノール/アセトニトリル(8/2)に0.2%ジメチルエチルアミンを添加;流速:70mL/分、UV284nm)によりキラル精製する。2番目に溶出する異性体が、表題化合物である(11.1g、37%、>98%ee)。単離した異性体2のキラル分析:Chiralpak IC、0.46×10cm、5μm;溶離液:CO2中、40%メタノール/アセトニトリル(8/2)に0.2%ジメチルエチルアミン添加;流速:5mL/分、UV215nm。Rt=3.2分。[α]D 20=−88(C=1.0、メタノール)、ES/MS(m/e)372(M+H)
調製例97
ベンジル(4aR,7aR)−2−ベンズアミド−7a−(2−チエニル)−4,4a,5,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−6−カルボキシレート
ラセミ体のベンジル2−ベンズアミド−7a−(2−チエニル)−4,4a,5,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−6−カルボキシレート(34g、63mmol)を、SFC(カラム:Chiralpak IC(5μ)、2×250mm;溶離液:CO2中、40%メタノール/アセトニトリル(8/2)に0.2%ジエチルメチルアミン添加;流速:65mL/分、UV260nm)によりキラル精製する。2番目に溶出する異性体が、表題化合物である(14g、42%、>98%ee):[α]D 20=−30(C=1.0、メタノール)、ES/MS(m/e)478(M+H)。
調製例98
ベンジル(4aR,7aR)−2−(ベンゾイルアミノ)−7a−(5−ブロモチオフェン−2−イル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−6(4H)−カルボキシレート
ベンジル(4aR,7aR)−2−ベンズアミド−7a−(2−チエニル)−4,4a,5,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−6−カルボキシレート(1.67g、3.50mmol)をジメチルホルムアミド(35mL)に溶解させ、窒素雰囲気下、室温で撹拌しながら、この無色透明溶液に、N−ブロモスクシンイミド(747mg、4.20mmol)を加える。得られる淡黄色溶液を、室温で50分間撹拌する。溶液を酢酸エチル(150mL)で希釈し、水(3×50mL)およびブライン(50mL)で洗う。有機相を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮する。残渣を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで、ヘキサン/酢酸エチル(80:20から0:100への勾配)を用いて溶出させることで精製し、表題化合物(1.79g、92%)を白色固体として得る:ES/MS(m/z):557.8(M+H)。
調製例99
ベンジル(4aR,7aR)−2−(ベンゾイルアミノ)−7a−(5−シアノチオフェン−2−イル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−6(4H)−カルボキシレート
撹拌棒を備えた60mLのガラス製耐圧管に、ベンジル(4aR,7aR)−2−(ベンゾイルアミノ)−7a−(5−ブロモチオフェン−2−イル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−6(4H)−カルボキシレート(3.88g、6.97mmol)、無水ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム(2.57g、6.97mmol)(Schareina, T.; et al Synthesis, 2008, 20, 3351−3355に記載のとおりに調製)、ヨウ化銅(I)(398mg、2.09mmol)、1−ブチルイミダゾール(2.8mL、20.9mmol)、およびトルエン(23mL)を投入する。混合物に、窒素流を数分間吹き込み、次いで耐圧管を密閉する。混合物を、撹拌しながら、145℃で18時間加熱する。得られる暗色混合物を室温に冷却する。混合物を、酢酸エチル(100mL)および水(15mL)で希釈し、珪藻土パッドで吸引濾過し、濾過する間、酢酸エチル(100mL)および水(15mL)ですすぐ。濾液の層を分離させ、有機層をさらに水(2×30mL)およびブライン(30mL)で洗う。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮する。残渣を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで、ヘキサン/酢酸エチル(80:20から0:100への勾配)を用いて溶出させることで精製し、表題化合物(2.59g、74%)を白色発泡物として得る:ES/MS(m/z):503.2(M+H)。
調製例100
N−[(4aR,7aS)−7a−フェニル−4a,5,6,7−テトラヒドロ−4H−ピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド塩酸塩
tert−ブチル(4aR,7aS)−2−(ベンゾイルアミノ)−7a−フェニル−4a,5,7,7a−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−6(4H)−カルボキシレート(590mg、1.35mmol)および塩化水素(4Mの1,4−ジオキサン溶液、5mL)を、周辺温度で5時間撹拌する。反応物を濃縮し、表題化合物を得る、これは、それ以上精製することなく用いる(0.505g、94%)。ES/MS(m/e):338(M+H)。
調製例101
N−[(4aR,7aR)−7a−(2−チエニル)−4a,5,6,7−テトラヒドロ−4H−ピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド塩酸塩
tert−ブチル(4aR,7aR)−2−ベンズアミド−7a−(2−チエニル)−4,4a,5,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−6−カルボキシレート(1.3g、2.93mmol)の1,4−ジオキサン(60mL)溶液に、4Nの塩化水素の1,4−ジオキサン溶液(14.6mL、58.6mmol)を滴下する。反応物を4時間撹拌する。溶液を濃縮し、表題化合物を得る(1.1g、99%)。ES/MS(m/e):344(M+H)。
基本的に調製例101の方法により、以下の化合物を調製する。
調製例103
N−[(4aR,7aR)−7a−イソチアゾール−5−イル−4a,5,6,7−テトラヒドロ−4H−ピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド
tert−ブチル(4aR,7aR)−2−ベンズアミド−7a−イソチアゾール−5−イル−4,4a,5,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−6−カルボキシレート、異性体2(1.26g、2.83mmol)のジクロロメタン(25mL)溶液に、室温で、トリフルオロ酢酸(4.29mL、56.68mmol)を滴下する。得られる溶液を、周辺温度で18時間撹拌する。溶媒を減圧除去する。混合物を酢酸エチル、続いて飽和重炭酸ナトリウム溶液で希釈する。層を分離させ、水相を酢酸エチル(3×)で再抽出する。有機層を1つにまとめて硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧除去して、表題化合物を得る(850mg、2.46mmol、87%)。ES/MS(m/e):345(M+H)。
調製例103a
N−[(4aR,7aR)−7a−イソチアゾール−5−イル−4a,5,6,7−テトラヒドロ−4H−ピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド塩酸塩
tert−ブチル(4aR,7aR)−2−ベンズアミド−7a−イソチアゾール−5−イル−4,4a,5,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−6−カルボキシレート(200g、449.9mol)の2−プロパノール(1.6L)溶液に、22℃で、6Mの塩化水素の2−プロパノール溶液(1.65L、9.9mol)を加え、18時間撹拌する。混合物を濃縮して、白色固体を得る。固体をMTBE(1L)で希釈し、22℃で1時間撹拌し、濾過し、一定重量になるまで真空乾燥させ、表題化合物を得る(170g、98%)。ES/MS(m/e):345.0(M+H)。
調製例104
N−[(4aR,7aR)−7a−(5−フルオロチオフェン−2−イル)−4,4a,5,6,7,7a−ヘキサヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド、異性体2
N−[(4aR,7aR)−7a−(5−フルオロチオフェン−2−イル)−6−(プロパ−2−エン−1イル)−4,4a,5,6,7,7a−ヘキサヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド、異性体2(1.44g、3.59mmol)をクロロホルム(36mL)に溶解させ、撹拌しながら、この淡黄色溶液に15分間窒素流を吹き込む。N,N−ジメチルバルビツール酸(3.36g、21.5mmol)を加え、脱気をさらに5分間続ける。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(622mg、538μmol)を加え、混合物を、窒素雰囲気下、周辺温度で75分間撹拌する。混合物を、ジクロロメタン(約30mL)で希釈し、1Mの塩酸(2×75mL)で抽出する。酸性抽出水を1つにまとめ、5Mの水酸化ナトリウム溶液(32mL)で塩基性pHに調整する。水溶液を、ジクロロメタン(3×75mL)で抽出し、ジクロロメタン抽出物を1つにまとめて、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して、表題化合物を淡黄色固体として得る(1.22g、94%)。ES/MS(m/e):362.0(M+H)。
調製例105
ラセミ体のN−[7a−(5−フルオロ−2−チエニル)−4a,5,6,7−テトラヒドロ−4H−ピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド
ラセミ体のN−[6−アリル−7a−(5−フルオロ−2−チエニル)−4,4a,5,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(163mg、0.406mmol)をクロロホルム(4.1mL)に溶解させ、撹拌しながら、この溶液に、20分間窒素流を吹き込む。N,N−ジメチルバルビツール酸(380mg、2.44mmol)を加え、脱気をさらに5分間続ける。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(70mg、0.061mmol)を加え、混合物を、窒素下、室温で45分間撹拌する。混合物をジクロロメタン(約15mL)で希釈し、1Mの塩酸(10mL)で2回抽出する。酸性抽出水を1つにまとめ、5Mの水酸化ナトリウム(5mL)でpHを調整する。水溶液を、ジクロロメタン(20mL)で3回抽出し、ジクロロメタン抽出物を1つにまとめて、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、表題化合物(135mg、92%)を得る。ES/MS(m/e):361(M+H)。
適切なアリル中間体を用いて、基本的に調製例105の方法により、以下の化合物を調製する。
調製例110
N−[(4aR,7aS)−7a−フェニル−4a,5,6,7−テトラヒドロ−4H−ピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド、
ベンジル(4aR,7aS)−2−ベンズアミド−7a−フェニル−4,4a,5,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−6−カルボキシレート(11g、23mmol)のアセトニトリル(165mL)溶液に、ヨードトリメチルシラン(10mL、70mmol)を加え、室温で2時間撹拌し、濃縮する。混合物を、水(100mL)および酢酸エチル(150mL)で希釈し、1Mの塩酸でpHを4に調整する。水層を集める。次いで、2Mの水酸化ナトリウム溶液で、集めた水層のpHを10に調整する。次いで、得られる溶液を酢酸エチル(100mL)で抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮し、表題化合物(31g、63%)を得る。ES/MS(m/e):338(M+H)。
調製例111
N−[(4aR,7aR)−7a−(5−シアノチオフェン−2−イル)−4,4a,5,6,7,7a−ヘキサヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド
ベンジル(4aR,7aR)−2−(ベンゾイルアミノ)−7a−(5−シアノチオフェン−2−イル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−6(4H)−カルボキシレート(405mg、0.806mmol)をアセトニトリル(16mL)に溶解させ、窒素雰囲気下、室温で、撹拌しながら、この無色透明溶液に、ヨードトリメチルシラン(345μL、2.42μmol)を加える。得られる淡黄色溶液を、室温で70分間撹拌する。メタノール(391μL、9.67mmol)を加え、淡黄色混合物を5分間撹拌し、次いで減圧濃縮する。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィーで、ジクロロメタン/メタノール(99:1から90:10への勾配)を用いて溶出させることである程度精製し、表題化合物(349mg、118%)を淡黄色固体として得る(定量的収率とみなし、ある程度精製した物質を次の工程に用いる)。MS/ES(m/z)369.0(M+H)。
調製例112
N−[(4aR,7aR)−7a−(2−チエニル)−4a,5,6,7−テトラヒドロ−4H−ピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド
室温で、ベンジル(4aR,7aR)−2−ベンズアミド−7a−(2−チエニル)−4,4a,5,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−6−カルボキシレート(14g、29.3mmol)のアセトニトリル(210mL)溶液を、ヨードトリメチルシラン(7.53mL、52.7mmol)で処理する。溶液を1時間撹拌し、溶媒をエバポレートする。残渣を、1Mの塩酸および酢酸エチルでクエンチし、得られる混合物を珪藻土で濾過する。水層を分離し、50%w/wの水酸化ナトリウム水溶液で中和し、酢酸エチルで抽出する。有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、表題化合物(7.9g、78%)を得る。ES/MS(m/e):344(M+H)。
適切なカルボキシベンジル保護した中間体を用いて、基本的に調製例112について記載したとおりに、以下の化合物を調製する。
調製例114
ラセミ体のN−[7a−(3−ブロモフェニル)−6−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−4,4a,5,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド
ラセミ体のベンジル2−ベンズアミド−7a−(3−ブロモフェニル)−4,4a,5,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−6−カルボキシレート(1.6g、2.9mmol)のアセトニトリル(60mL)溶液に、ヨードトリメチルシラン(1.3mL、9.1mmol)を加える。得られる溶液を周辺温度で3時間撹拌し、乾固するまで濃縮する。残渣を、イオン交換クロマトグラフィー(最初にMeOH/CH2Cl2(1/4、50mL)で溶出させ、続いて7NのNH3含有MeOH/CH2Cl2(1/4、50mL)で溶出させる)により精製し、溶媒をエバポレートして、中間体、N−[7a−(3−ブロモフェニル)−4a,5,6,7−テトラヒドロ−4H−ピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミドを1.7g得る。次いで、この中間体を、1,4−ジオキサン(30mL)に溶解させ、ジイソプロピルエチルアミン(2.0mL、11mmol)および5−フルオロ−2−クロロピリミジン(850μL、8.90mmol)を順に加える。得られる溶液を110℃で1時間加熱してから、追加のジイソプロピルエチルアミン(1.0mL、5.7mmol)を加え、加熱をさらに17時間続け、それから溶液を室温に冷却して、乾固するまで濃縮する。残渣を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで、酢酸エチル/ジクロロメタンに勾配をつけて(0%−30%)用いて溶出させることで精製し、表題化合物(1.1g、73%)を得る。ES/MS(m/z):(79Br/81Br)512/514(M+H)。
調製例115
N−[(4aR,7aS)−6−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−7a−フェニル−4,4a,5,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド
N−[(4aR,7aS)−7a−フェニル−4a,5,6,7−テトラヒドロ−4H−ピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(250mg、0.629mmol)、5−フルオロ−2−クロロピリミジン(167mg、1.26mmol)、1,4−ジオキサン(10mL)、およびトリエチルアミン(318mg、3.14mmol)を混合した溶液を、110℃で4時間撹拌する。反応物を冷却し、水で希釈し、ジクロロメタンで抽出する。有機層を1つにまとめ、乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して、残渣を得る。残渣を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで、ヘキサン/酢酸エチル(1:0)からヘキサン/酢酸エチル(0:1)までを用いて溶出させることで精製し、表題化合物を得る(0.217g、80%)。ES/MS(m/e):434(M+H)。
調製例116
N−[(4aR,7aS)−6−(5−フルオロ−4−イソプロピル−ピリミジン−2−イル)−7a−フェニル−4,4a,5,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド
N−[(4aR,7aS)−7a−フェニル−4a,5,6,7−テトラヒドロ−4H−ピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド塩酸塩(285mg、7.62μmol)、ジイソプロピルエチルアミン(798μL、4.57mmol)、および2−クロロ−5−フルオロ−4−イソプロピル−ピリミジン(0.798g、4.57mmol)を1,4−ジオキサン(15mL)に溶解させ、この溶液を、窒素下で8時間、100℃に加熱する。反応混合物を冷却し、水および飽和重炭酸ナトリウム水溶液で希釈する。混合物を酢酸エチル(3×)で抽出する。有機層を1つにまとめて硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧除去する。粗生成物を、シリカゲルから、5%から100%への勾配をつけた酢酸エチル含有ヘキサンを用いて溶出させることで精製し、表題化合物を得る(112mg、31%)。ES/MS(m/e):476(M+H)。
調製例117
N−[(4aR,7aS)−6−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−7a−フェニル−4,4a,5,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド
N−[(4aR,7aS)−7a−フェニル−4a,5,6,7−テトラヒドロ−4H−ピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(7.5g、22mmol)および5−フルオロ−2−クロロピリミジン(3.5g、27mmol)をジメチルスルホキシド(75mL)に溶解させ、この溶液にN,N,N’,N’−テトラメチルグアニジン(3.4mL、27mmol)を加える。反応物を、100℃で2時間撹拌し、室温に冷却し、水を加える(225mL)。沈殿した生成物を濾過して単離し、真空オーブンに入れて45℃で乾燥させ、表題化合物(9.5g、99%)を得る。ES/MS(m/e):434(M+H)。
調製例118
N−[7a−(2−フルオロフェニル)−6−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−4,4a,5,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド
ラセミ体のN−[7a−(2−フルオロフェニル)−4a,5,6,7−テトラヒドロ−4H−ピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(1.0g、2.9mmol)および5−フルオロ−2−クロロピリミジン(0.46g、3.5mmol)をジメチルスルホキシド(10mL)に溶解させ、この溶液にN,N,N’,N’−テトラメチルグアニジン(0.44mL、3.5mmol)を加える。反応物を、100℃で2時間撹拌し、室温に冷却する。粗反応物に、酢酸エチル(7.5ml)および水(2.5ml)を加え、混合物を珪藻土(10g)で濾過し、溶媒を減圧除去する。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィーで、40%から60%への勾配をつけた酢酸エチル含有ヘキサンを用いて溶出させることで精製し、表題化合物を得る(560mg、43%)。ES/MS(m/e):452(M+H)。
調製例119
N−[(4aR,7aR)−7a−(5−フルオロチオフェン−2−イル)−6−(ピリミジン−2−イル)−4,4a,5,6,7,7a−ヘキサヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド、異性体2
N−[(4aR,7aR)−7a−(5−フルオロチオフェン−2−イル)−4,4a,5,6,7,7a−ヘキサヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド、異性体2(411mg、1.14mmol)を1,4−ジオキサン(23mL)に加え、撹拌しながら、この混合物に、ジイソプロピルエチルアミン(595μL、3.41mmol)および2−クロロピリミジン(1.30g、11.4mmol)を加える。混合物を2.5時間加熱還流させる。溶液を放冷し、酢酸エチル(120mL)で希釈し、希重炭酸ナトリウム水溶液(100mL、飽和重炭酸ナトリウム水溶液50mLと水50mLで調製)、水(50mL)、およびブライン(50mL)で洗う。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮する。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィーで、ヘキサン/酢酸エチル(60:40から0:100への勾配)を用いて溶出させることで精製し、表題化合物(465mg、93%)を白色発泡物として得る。ES/MS(m/e):440.2(M+H)。
調製例120
N−[(4aR,7aR)−6−(5−フルオロピリミジン−2−イル)7a−(5−フルオロチオフェン−2−イル)−4,4a,5,6,7,7aヘキサヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド
N−[(4aR,7aR)−7a−(5−フルオロチオフェン−2−イル)−4,4a,5,6,7,7a−ヘキサヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(415mg、1.15mmol)を1,4−ジオキサン(23mL)に加え、撹拌しながら、この混合物に、ジイソプロピルエチルアミン(601μL、3.44mmol)および2−クロロ−5−フルオロピリミジン(1.10mL、11.5mmol)を加える。溶液を3時間加熱還流させる。淡黄色溶液を放冷し、酢酸エチル(120mL)で希釈し、希重炭酸ナトリウム水溶液(100mL、飽和重炭酸ナトリウム溶液50mLと水50mLで調製)、水(50mL)、およびブライン(50mL)で洗う。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮する。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィーで、ヘキサン/酢酸エチル(60:40から30:70への勾配)を用いて溶出させることで精製し、表題化合物(435mg、83%)を白色発泡物として得る。ES/MS(m/e):458.0(M+H)。
調製例121
N−[7a−(5−フルオロ−2−チエニル)−6−ピリミジン−2−イル−4,4a,5,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド
N−[7a−(5−フルオロ−2−チエニル)−4a,5,6,7−テトラヒドロ−4H−ピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(127mg、0.351mmol)を1,4−ジオキサン(7.0mL)に加え、撹拌しながら、この混合物に、ジイソプロピルエチルアミン(0.184mL、1.05mmol)および2−クロロピリミジン(402mg、3.51mmol)を加える。溶液を2時間加熱還流させ、次いで冷却し、酢酸エチル(60mL)で希釈し、希重炭酸ナトリウム溶液(30mL、飽和重炭酸ナトリウム溶液(15mL)と水(15mL)で調製)、水(30mL)、およびブライン(30mL)で洗う。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮する。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィーで、ジクロロメタン/メタノール(99:1から96:4への勾配)を用いて溶出させることで精製し、濃縮して、残渣を得る。これをさらにシリカゲルクロマトグラフィーで、ヘキサン/酢酸エチル(60:40から30:70への勾配)を用いて溶出させることで精製し、表題化合物(107mg、69%)を得る。ES/MS(m/e):440(M+H)。
調製例122
N−{(4aR,7aR)−7a−(5−シアノチオフェン−2−イル)−6−[5−フルオロ−4−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)ピリミジン−2−イル]−4,4a,5,6,7,7a−ヘキサヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル}ベンズアミド
N−[(4aR,7aR)−7a−(5−シアノチオフェン−2−イル)−4,4a,5,6,7,7a−ヘキサヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(0.806mmol)を1,4−ジオキサン(16mL)に溶解させ、撹拌しながら、この無色透明溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(422μL、2.42mmol)および2−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)プロパン−2−オール(1.54g、8.06mmol)を加える。溶液を14時間加熱還流させる。淡黄色溶液を放冷し、酢酸エチル(80mL)およびヘキサン(20mL)で希釈し、希重炭酸ナトリウム水溶液(30mL、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(15mL)と水(15mL)で調製)、水(2×20mL)、およびブライン(20mL)で洗う。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮する。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィーで、ヘキサン/ジエチルエーテル(80:20から0:100への勾配)を用いて溶出させることで精製し、表題化合物(374mg、2工程全体で89%)を淡黄色ガラス状物として得る。MS/ES(m/z)523.2(M+H)。
調製例123
N−[(4aR,7aR)−6−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−7a−(2−チエニル)−4,4a,5,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド
N−[(4aR,7aR)−7a−(2−チエニル)−4a,5,6,7−テトラヒドロ−4H−ピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(7.7g、22.4)およびN,N,N’,N’−テトラメチルグアニジン(3.39mL、26.9mmol)をジメチルスルホキシド(61mL)に溶解させ、この溶液を5−フルオロ−2−クロロピリミジン(2.25mL、23.54mmol)で処理し、得られる溶液を50℃で4時間加熱する。溶液を室温に冷却し、水(500mL)に加える。粗生成物を、シリカゲルから、5%から50%へ勾配をつけた酢酸エチル/ヘキサンを用いて溶出させることで精製し、表題化合物(7g、71%)を得る。ES/MS(m/e):440(M+H)。
代替調製例123
N−[(4aR,7aR)−7a−(2−チエニル)−4a,5,6,7−テトラヒドロ−4H−ピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド塩酸塩(600mg、1.58mmol)、5−フルオロ−2−クロロピリミジン(418mg、3.16mmol)、1,4−ジオキサン(30mL)、およびトリエチルアミン(799mg、7.90mmol)を混合した溶液を、110℃で4時間撹拌する。反応物を冷却し、水で希釈し、ジクロロメタンで抽出する。有機層を1つにまとめ、乾燥させ、濾過し、濃縮して、残渣を得る。残渣を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで、ヘキサン/酢酸エチル(1:0)からヘキサン/酢酸エチル(0:1)までを用いて溶出させることで精製し、表題化合物(0.65g、98%)を得る。ES/MS(m/e):440(M+H)。
2〜10当量の適切な置換2−クロロピリミジンに塩基としてトリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミンを用いて、基本的に調製例123の代替法により、以下の化合物を調製する。加熱は3〜24時間と変化する。
調製例147
N−[(4aR,7aR)−6−(ピリミジン−2−イル−7a−(2−チエンフェン−2−イル)−4,4a,5,6,7,7a−ヘキサヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド
N−[(4aR,7aR)−7a−(4−ブロモ−2−チエニル)−6−ピリミジン−2−イル−4,4a,5,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(775mg、1.55mmol)、10%Pd/C(1.65g、1.6mmol)、ギ酸アンモニウム(0.977g、15.5mmol)、およびエタノール(31ml)を混合したスラリーをスクリューキャップバイアルに入れて密閉し、40℃で1時間撹拌する。反応物に、珪藻土、飽和重炭酸ナトリウム溶液(1mL)、および酢酸エチルを加える。二相系スラリーを珪藻土で濾過し、珪藻土パッドを酢酸エチルで洗う。濾液を、酢酸エチルで抽出する。有機層を1つにまとめ、乾燥させ、濾過し、濃縮し、表題化合物(0.57g、87%)を得る。ES/MS(m/e):422(M+H)。
調製例148
ラセミ体のN−[6−ピリミジン−2−イル−7a−(2−チエニル)−4,4a,5,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド
ラセミ体のN−7a−(4−ブロモ−2−チエニル)−6−ピリミジン−2−イル−4,4a,5,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(40mg、0.0799mmol)、10%Pd/C(85.06mg、0.0799mmol)、酢酸アンモニウム(61.61mg、0.799mmol)、およびエタノール(2ml)を混合したスラリーを容器に入れて密閉し、室温で一晩撹拌する。反応物を、エタノールで希釈し、珪藻土で濾過し、2Nのアンモニアのメタノール溶液(80mL)で洗う。溶液を濃縮し、飽和重炭酸ナトリウム溶液で希釈し、酢酸エチル(3×)で抽出する。有機層を1つにまとめ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、表題化合物を得る(20mg、59%)。ES/MS(m/e):422(M+H)。
調製例149
ラセミ体のN−[7a−(3−シアノフェニル)−6−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−4,4a,5,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド
ラセミ体のN−[7a−(3−ブロモフェニル)−6−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−4,4a,5,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(310mg、605μmol)およびシアン化亜鉛(170mg、1.42mmol)をジメチルホルムアミド(6.0mL)に溶解させ、この溶液にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(200mg、171μmol)を加える。得られる混合物を、N2下、100℃で16.5時間加熱してから、室温に冷却し、珪藻土で濾過し、酢酸エチル(30mL)で洗う。濾液を1つにまとめ、半飽和重炭酸ナトリウム溶液(50mL)で洗い、酢酸エチル(30mL)、およびクロロホルム(30mL)で抽出する。有機層を1つにまとめて硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、乾固するまで濃縮する。残渣を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで、酢酸エチル/ジクロロメタンで勾配をつけて(0−30%)溶出させることで精製し、表題化合物(187mg、67%)を得る。EI/MS(m/e):459.0(M+H)。
基本的に調製例149の方法により、以下の化合物を調製する。
調製例151
N−[(4aR,7aR)−6−[5−フルオロ−4−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−6−メチル−ピリミジン−2−イル]−7a−イソチアゾール−5−イル−4,4a,5,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド
2−(2−クロロ−5−フルオロ−6−メチル−ピリミジン−4−イル)プロパン−2−オール(104mg、0.51mmol)を1,4−ジオキサン(3mL)に溶解させる。N−[(4aR,7aR)−7a−イソチアゾール−5−イル−4a,5,6,7−テトラヒドロ−4H−ピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(125mg、0.36mmol)を加え、続いてジイソプロピルエチルアミン(158μL、0.91mmol)を加える。反応物をマイクロ波用容器に密閉し、1時間マイクロ波を照射して110℃に加熱する。反応物を濃縮して、粗生成物を得る。粗生成物を、HPLCで、Waters XBridgeカラム(5μm、C18 OBD、30×75mm)を用い、36%一定濃度のBを3分間、続いて5分かけて36−51%のBという勾配(溶媒Aは、10mMの重炭酸アンモニウム水溶液に5%のMeOHを添加したもの、および溶媒Bはアセトニトリルである)で溶出させて精製する。所望の画分を1つにまとめて、飽和NaHCO3溶液(水溶液、100mL)で希釈する。混合物を、4:1のCHCl3:イソプロパノール(3×100mL)で抽出する。有機層を1つにまとめ、ブラインで洗い(1×50mL)、MgSO4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、表題化合物(33mg、0.064mmol)を得る:EZ/MS(m/z):513(M+H)。
調製例152
N−[(4aR,7aR)−6−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−7a−イソチアゾール−5−イル−4,4a,5,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド
N−[(4aR,7aR)−7a−イソチアゾール−5−イル−4a,5,6,7−テトラヒドロ−4H−ピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−6−イウム−2−イル]ベンズアミドクロリド(174.2g、434.5mol)のN−メチルピロリドン(1.4L)溶液に、22℃で、5−フルオロ−2−クロロピリミジン(58mL、608.3mol)およびジイソプロピルエチルアミン(227mL、1.30mol、227.3mL)を加え、撹拌する。反応物を100℃で4時間加熱し、次いで室温に冷却する。粗混合物を水(14L)に加え、次いで1時間撹拌する。白色固体を濾過して集め、一定重量になるまで真空乾燥させる。粗生成物を、シリカゲルクロマトグラフィーで、酢酸エチル:塩化メチレン(3/1)を用いて溶出させることで精製し、表題化合物(139g、72%)を得る。ES/MS(m/e):441.0(M+H)。
実施例A
(4aR,7aS)−6−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−7a−フェニル−4,4a,5,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン
N−[(4aR,7aS)−6−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−7a−フェニル−4,4a,5,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(9.5g、22mmol)、O−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩(15g、175mmol)をエタノール(85mL)に加え、この混合物にピリジン(20mL、197mmol)を加え、混合物を60℃で2時間撹拌する。混合物を周辺温度に冷却し、濃縮する。混合物を、水(100mL)および酢酸エチル(100mL)で希釈し、1Mの塩酸を用いてpHを2にする。水層を分離し、2Mの水酸化ナトリウム溶液を用いて、pHを10に調整する。得られる水溶液を、酢酸エチル(2×100mL)で抽出する。有機層を1つにまとめ、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮する。粗生成物を、2Mのアンモニア含有メタノールに5%ジクロロメタンを添加した溶液を用いて、シリカゲルから精製する。生成物のキラル分析;カラム:Chiralpak AD、0.46×15cm、5μm;溶離液:100%(メタノールに0.2%ジメチルエチルアミン添加);流速:0.75mL/分、UV254nm;Rt=6.9分。(4.6g、64%、>98%ee)。ES/MS(m/e):330(M+H)。
実施例B
(4aR,7aR)−6−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−7a−(2−チエニル)−4,4a,5,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン
ガラス製耐圧容器中、N−[(4aR,7aR)−6−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−7a−(2−チエニル)−4,4a,5,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(6g、13.6mmol)のエタノール(240mL)溶液を、ピリジン(11mL)で処理する。O−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩(11.4g、136.5mmol)を加え、混合物を50℃で4時間加熱する。溶液を濃縮し、1Mの塩酸および酢酸エチルで希釈する。水層を分離し、50%w/wの水酸化ナトリウム水溶液で中和して、pHを9に調整する。白色沈殿物を濾過し、真空乾燥させる。粗生成物を熱メチル−t−ブチルエーテルに完全に溶解させてから溶液を室温に冷却して晶出させる。固体沈殿物を濾過し、真空乾燥させ、表題化合物(3.5g、76%)を得る。ES/MS(m/e):336(M+H)。
基本的に実施例Bの方法により、以下の化合物を調製する。
実施例Bの粉末X線回折測定
Bruker D4 Endeavor粉末X線回折装置に、CuKα線源(λ=1.54060Å)およびVantec検出器を搭載させ、35kVかつ50mAで操作して、結晶固体のXRDパターンを得る。0.6mmの発散スリット、5.28の固定非散乱スリット、および9.5mmの検出スリットを用い、走査範囲4〜40°(2θ)、ステップ幅0.009°(2θ)、走査速度0.5秒/ステップで、試料を走査する。乾燥粉末を石英試料ホルダーに充填し、スライドグラスを被せて滑らかな表面とする。結晶の回折パターンは、周辺温度および相対湿度で測定する。どのような結晶形でも、結晶形態および結晶癖などの要因による選択配向があるため、散乱ピークの相対強度は変化する可能性があることが、結晶学の分野では周知である。選択配向の影響がある場合、ピーク強度は変化するが、多形の特性ピークの位置は変化しない。例えば、The United States Pharmacopeia #23, National Formulary #18, pages 1843−1844, 1995を参照。そのうえさらに、どのような結晶形でも、ピークの角度位置はわずかに変化する可能性があることが、結晶学の分野では周知である。例えば、ピーク位置は、試料を分析する際の温度または湿度の違い、試料のずれ、あるいは内部標準の有無によって、移動し得る。本実施例の場合、±0.2(2θ)というピーク位置の変動幅は、示される結晶形の明確な同定を妨げることなく、こうした変動の可能性を考慮に入れることができる。結晶形の確認は、識別ピーク(°(2θ)単位)、典型的にはより高く突き出ているピークの任意の独特な組み合わせに基づいて行なうことができる。周辺温度および相対湿度で測定された、結晶形の回折パターンは、National Bureau of Standards (NBS) 675の8.853°および26.774°(2θ)の標準ピークに基づいて調整される。
実施例Bの結晶
20mLバイアルに、(4aR,7aR)−6−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−7a−(2−チエニル)−4,4a,5,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン(76mg)を入れ、アセトン(88%、1.9mL)に溶解させる。非溶媒として、遊離塩基の結晶核を含有する水(1mL)を一定分量ずつ加える。非溶媒2mLを加えると、溶液は白濁し、非溶媒4mLを加えると、試料は、明白色固体の粘稠なスラリーになる。この白色固体を、吸引濾過で単離し、フィルターに乗せたまま10分間吸引して、空気流で乾燥させる。得られる白色固体のケーキ(73mg、96%)を粉末X線回折で特性決定する。
実施例Bの結晶で調製した試料は、CuKα線を用いた粉末X線回折パターンにより、以下の表26に記載するとおりの散乱ピーク(2θ値)を有する、特に17.64°のピークを、20.37°、21.89°、および5.84°からなる群より選択される1つ以上のピークと組み合わせて有するとして、特性決定される(散乱角度の許容差は0.2°)。
実施例E
5−[(4aR,7aR)−2−アミノ−6−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−4a,5,6,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−7a(4H)−イル]チオフェン−2−カルボニトリル
N−[(4aR,7aR)−7a−(5−シアノチオフェン−2−イル)−6−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−4,4a,5,6,7,7a−ヘキサヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(442mg、0.951mmol)をエタノール(19mL)に加え、そこにピリジン(752.6mg、9.5mmol)およびO−メチルヒドロキシルアミン・HCl(794.6mg、9.5mmol)を加える。混合物を、窒素雰囲気下、12時間、55℃に加熱する。混合物を濃縮し、ジクロロメタンに溶解させ、再度濃縮する。残渣を酢酸エチルおよび水の混合液に溶解させ、飽和NaHCO3水溶液で洗う。相を分離させ、水相を酢酸エチル(30mL)で抽出する。有機相を1つにまとめ、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮する。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィーで、70:30から0:100への勾配をつけたヘキサン/酢酸エチルを用いて溶出させることで精製する。単離した生成物を、シリカゲルクロマトグラフィーで、ジクロロメタン/酢酸エチルを用いて70:30で20分間、次いで0:100に勾配をつけて溶出させることで精製し、表題生成物(294mg、86%)を得る。ES/MS(m/e):361(M+H)。
実施例F
[(4aR,7aR)−7a−(5−フルオロチオフェン−2−イル)−6−(ピリミジン−2−イル)−4,4a,5,6,7,7a−ヘキサヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン
N−[(4aR,7aR)−7a−(5−フルオロチオフェン−2−イル)−6−(ピリミジン−2−イル)−4,4a,5,6,7,7a−ヘキサヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(456mg、1.04mmol)に、メタノール(10.4mL)および水酸化リチウム(218mg、5.19mmol)を加える。溶液を、窒素雰囲気下2.5時間加熱還流させる。得られる溶液を数分間放冷し、次いで減圧濃縮する。残渣をジクロロメタン(30mL)および水(30mL)で抽出する。相を分配し、水相をさらにジクロロメタン(1×30mL)で抽出する。ジクロロメタン抽出物を1つにまとめて硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮する。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィーで、ジクロロメタン/メタノール(99:1から90:10への勾配)を用いて溶出させることで精製し、表題化合物(330mg、95%)を無定形白色固体として得る。ES/MS(m/e):335.8(M+H)。
実施例G
[(4aR,7aR)−6−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−7a−(5−フルオロチオフェン−2−イル)−4,4a,5,6,7,7aヘキサヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン
N−[(4aR,7aR)−6−(5−フルオロピリミジン−2−イル)7a−(5−フルオロチオフェン−2−イル)−4,4a,5,6,7,7a−ヘキサヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(391mg、855μmol)に、メタノール(8.5mL)および水酸化リチウム(179mg、4.27mmol)を加える。溶液を、窒素雰囲気下2.5時間加熱還流させる。得られる溶液を数分間放冷し、次いで減圧濃縮する。残渣を、ジクロロメタン(30mL)および水(30mL)で抽出する。相を分配し、水相をさらにジクロロメタン(1×30mL)で抽出する。ジクロロメタン抽出物を1つにまとめて硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮する。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィーで、ジクロロメタン/メタノール(99:1から90:10への勾配)を用いて溶出させることで精製し、表題化合物(263mg、87%)を無定形白色発泡物として得る。ES/MS(m/e):354.0(M+H)。
実施例H
ラセミ体の7a−(2−フルオロフェニル)−6−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−4,4a,5,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン
ラセミ体のN−[7a−(2−フルオロフェニル)−6−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−4,4a,5,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(560mg、1.24mmol)、メタノール(12ml)、および水酸化リチウム(208mg、4.95mmol)を、窒素雰囲気下、18時間、50℃に加熱する。ほぼ乾固するまで窒素流でメタノールを除去する。反応物に、酢酸エチル(7.5ml)および水(2.5ml)を加える。混合物を珪藻土10gで濾過し、溶媒を減圧除去する。溶液をXL−C固相抽出(SPE)カラム8gに通して、塩基性メタノール洗液を集め、溶媒を減圧除去して、粗表題化合物(370mg、86%)を得る。ES/MS(m/e):348(M+H)。
実施例I
(4aR,7aS)−7a−(2−フルオロフェニル)−6−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−4,4a,5,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン、異性体2
ラセミ体の7a−(2−フルオロフェニル)−6−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−4,4a,5,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン(361mg、1.04mmol)を、キラルHPLC(カラム:Chiralpak AD−H(5u)、3×25cm;溶離液:100%メタノール(0.2%イソプロピルアミン);流速30mL/分、UV225nm)で精製する。2番目に溶出する異性体が表題化合物である(114mg、32%、99%ee)。Rt=4.887分;カラム:Chiralpak AD−H、0.46×15cm;溶離液:CO2中、100%メタノール(0.2%イソプロピルアミン);流速:1mL/分、UV225nm。
実施例J
6(4aR,7aR)−6−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−7a−チアゾール−5−イル−4,4a,5,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン、異性体1
ラセミ体の6−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−7a−チアゾール−5−イル−4,4a,5,7テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン(122mg、285μmol)を、SFC(カラム:Chiralpak AD−H、2.1×15cm;溶離液:CO2中、40%メタノール(0.2%イソプロピルアミン);流速:70mL/分、UV225nm)によりキラル精製する。最初に溶出する異性体が表題化合物である(40mg、33%、99%ee)。Rt=1.51分;カラム:Chiralpak AD−H、0.46×15cm;溶離液:CO2中、40%メタノール(0.2%イソプロピルアミン);流速:5mL/分、UV225nm。
実施例K
5−[(4aR,7aR)−2−アミノ−6−[5−フルオロ−4−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)ピリミジン−2−イル]−4a,5,6,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−7a(4H)−イル]チオフェン−2−カルボニトリル
N−{(4aR,7aR)−7a−(5−シアノチオフェン−2−イル)−6−[5−フルオロ−4−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)ピリミジン−2−イル]−4,4a,5,6,7,7a−ヘキサヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル}ベンズアミド(364mg、0.697mmol)をエタノール(14mL)に溶解させ、撹拌しながら、この溶液に、ピリジン(563μL、6.96mmol)およびO−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩(582mg、6.96mmol)を加える。溶液を、窒素雰囲気下、21時間、55℃に加熱する。得られる溶液を数分間放冷し、次いで減圧濃縮する。ジクロロメタン(30mL)を加え、再び溶液を減圧濃縮する。残渣を、酢酸エチル(50mL)、水(25mL)、および飽和重炭酸ナトリウム水溶液(10mL)で希釈する。相を分離させ、酢酸エチル相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮する。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィーで、ジクロロメタン/酢酸エチルを用いて、70:30で20分間、次いで0:100への勾配をつけて溶出させることで精製し、表題化合物(261mg、90%)を白色発泡物として得る。MS/ES(m/z)419.0(M+H)。
実施例L
(4aR,7aR)−6−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−7a−イソチアゾール−5−イル−4,4a,5,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン
水酸化リチウム(530mg、12.6mmol)をメタノール(50mL)に加え、22℃で、そこに、N−[(4aR,7aR)−6−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−7a−イソチアゾール−5−イル−4,4a,5,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(5g、11.5mmol)を加える。反応混合物を3時間還流させ、次いで22℃に冷却する。2Mの塩化水素水溶液(20.3mL)を加え、次いで溶媒をエバポレートする。溶液をMTBE(50mL)で洗う。水溶液を炭(500mg)で処理し、22℃で30分間撹拌する。混合物を珪藻土で濾過し、水酸化ナトリウム(2Mの水溶液)で濾液のpHをpH=9に調整する。白色固体が沈殿するので、これを集める。固体を一定重量になるまで真空乾燥させ、表題化合物(1g、30%)を得る。ES/MS(m/e):337(M+H)。
実施例1
(4aR,7aS)−6−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−7a−フェニル−4,4a,5,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン塩酸塩
N−[(4aR,7aS)−6−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−7a−フェニル−4,4a,5,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(215mg、0.496mmol)、O−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩(207mg、2.48mmol)、およびピリジン(392mg、4.96mmol)をエタノール(5ml)に溶解させ、この溶液を55℃で4時間撹拌する。混合物を、飽和重炭酸ナトリウム水溶液でクエンチし、酢酸エチルで抽出する。有機層を1つにまとめ、乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して、残渣を得る。残渣を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで、ヘキサン/酢酸エチル(1:0)からヘキサン/酢酸エチル(0:1)までを用いて溶出させることで精製し、残渣を表題化合物の遊離塩基として得る。残渣を1Nの塩酸(4ml)に溶解させ、窒素流により溶媒を除去する。得られる固体を、1/1のアセトニトリル/メタノール(4ml)に溶解させ、エチルエーテル(2〜3ml)で沈殿させることにより、さらに精製する。固体を集め、減圧下50℃で乾燥させて、表題化合物(0.10g、55%)を得る。ES/MS(m/e):330(M+H)。
基本的に実施例1の方法により、以下の実施例化合物を調製するが、ただし遊離塩基が表示されている場合は、塩化水素による処理を行なっていない。
実施例1の代替手順
(4aR,7aS)−6−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−7a−フェニル−4,4a,5,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン塩酸塩
(4aR,7aS)−6−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−7a−フェニル−4,4a,5,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン(4.6g、14mmol)の酢酸エチル(46mL)溶液に、塩化水素溶液(1Mのジエチルエーテル溶液)(17mL、17mmol)を加え、1時間撹拌する。溶媒を減圧除去して、表題化合物(5g、98%)を得る。ES/MS(m/e):330(M+H)。
基本的に実施例1の代替手順により、以下の実施例化合物を調製するが、ただし反応溶媒としてジクロロメタンを用いる。
実施例13
ラセミ体の7a−(5−フルオロ−2−チエニル)−6−ピリミジン−2−イル−4,4a,5,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン
N−[7a−(5−フルオロ−2−チエニル)−6−ピリミジン−2−イル−4,4a,5,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(100mg、0.228mmol)をエタノール(4.6mL)に溶解させ,撹拌しながら、この溶液に、ピリジン(0.184mL、2.28mmol)およびO−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩(190mg、2.28mmol)を加える。得られる混合物を58℃で15時間加熱する。溶液を室温まで放冷し、酢酸エチル(25mL)で希釈し、希重炭酸ナトリウム溶液((20mL)、水(10mL)と飽和重炭酸ナトリウム溶液(10mL)で調製)で洗う。水相を酢酸エチル(25mL)で抽出する。有機抽出物を1つにまとめて硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮する。残渣を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで、ジクロロメタン/7Mのアンモニア含有メタノール(99:1から95:5への勾配)を用いて溶出させることで精製し、表題化合物(65mg、0.194mmol、85%)を白色固体として得る。ES/MS(m/e):336(M+H)。
実施例14
(4aR,7aS)−6−(5−フルオロ−4−メトキシ−6−メチル−ピリミジン−2−イル)−7a−フェニル−4,4a,5,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン塩酸塩
N−[(4aR,7aS)−6−(5−フルオロ−4−メトキシ−6−メチル−ピリミジン−2−イル)−7a−フェニル−4,4a,5,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(68mg、0.14mmol)のエタノール(5.0mL)溶液に、ピリジン(0.115mL、1.42mmol)およびO−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩(118mg、1.42mmol)を加える。混合物を、16時間55℃に加熱し、周辺温度に冷却し、乾固するまで濃縮する。残渣を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで、0−100%の勾配をつけたヘキサン/酢酸エチル:10%イソプロピルアミンを用いて溶出させることで精製し、遊離塩基形の表題化合物を無色油状物として得る。この残渣をジクロロメタン(3mL)に溶解させ、4NのHClのジオキサン溶液(2mL)を加えて、5分間撹拌する。次いで、溶液を濃縮して、表題化合物をオフホワイト色固体として得る(50mg、86%)。ES/MS(m/e)374.0(M+H)。
実施例15
5−[(4aR,7aR)−2−アミノ−6−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−4,4a,5,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−7a−イル]チオフェン−3−カルボニトリル、異性体1
ラセミ体のN−[7a−(4−シアノ−2−チエニル)−6−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−4,4a,5,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(1.01g、2.17mmol)、ピリジン(2.64mL、32.6mmol)、およびO−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩(1.82g、21.7mmol)をエタノール(250mL)に加えて、60℃で24時間撹拌する。混合物を周辺温度に冷却し、濃縮する。混合物を水で希釈し、DCMで抽出し、続いて3:1のクロロホルム:イソプロピルアルコールで抽出する。有機層を1つにまとめ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮する。粗生成物を、ヘキサン:酢酸エチルで勾配をつけて(30分かけて1:0から0:1へ)用いてシリカゲルから精製する。生成物を、SFC(カラム:Chiralpak AS−H、2.1×15cm;5μ;溶離液:CO2中、30%メチルアルコール(0.2%イソプロピルアミンを添加);流速:70mL/分、225nm)でキラル分割する。最初に溶出する異性体が表題化合物である(99%ee)。分析カラム:Chiralpak AS−H、4.6×150mm;溶離液:CO2中、30%メチルアルコール(0.2%イソプロピルアミンを添加);流速:5.0mL/分、UV225nm、RT=1.08分)。ES/MS(m/e):361(M+H)。
実施例16
(4aR,7aR)−6−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−7a−(2−チエニル)−4,4a,5,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン塩酸塩
N−[(4aR,7aR)−6−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−7a−(2−チエニル)−4,4a,5,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(645mg、1.47mmol)、O−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩(613mg、7.34mmol)、およびピリジン(1.16g、14.7mmol)をエタノール(10mL)に溶解させ、この溶液を55℃で4時間撹拌する。混合物を、飽和重炭酸ナトリウム水溶液でクエンチし、酢酸エチルで抽出する。有機層を1つにまとめ、乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して、残渣を得る。残渣を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで、ヘキサン/酢酸エチル(1:1)からヘキサン/酢酸エチル(0:1)までを用いて溶出させることで精製する。残渣を、酢酸エチルと1Nの塩酸で分配することによりさらに精製する。酸性の水相を集め、5Nの水酸化ナトリウム溶液でpHを>8に調整する。塩基性の水相を、ジクロロメタンで抽出し、乾燥させ、濃縮し、表題化合物を遊離塩基として得る。遊離塩基をジクロロメタンに溶解させる。この溶液に、飽和塩化水素ジクロロメタン溶液を加え、続いてジエチルエーテル(10mL)を加える。得られる白色固体を濾過して集め、表題化合物(0.40g、74%)を得る。ES/MS(m/e):336(M+H)。
基本的に実施例16の方法により、以下の実施例化合物を調製する。
実施例16の結晶
バイアルに、(4aR,7aR)−6−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−7a−(2−チエニル)−4,4a,5,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン(177mg)を入れる。固体を、1000rpmで撹拌しながらアセトン(3mL)と混合し、無色透明溶液とする。HCl(1MのEtOAc溶液、600μL)を滴下すると、スラリーになり白色沈殿物が生じる。白色固体を吸引濾過し、フィルターに乗せたまま10分間吸引して、空気流で乾燥させ、白色固体(186mg、94.8%)を得る。
調製した実施例16の試料は、CuKα線を用いた粉末X線回折パターンにより、以下の表30に記載するとおりの散乱ピーク(2θ値)を有する、特に21.00°のピークを、18.11°,22.76°、および19.96°からなる群より選択される1つ以上のピークと組み合わせて有するとして、特性決定される(散乱角度の許容差は0.2°)。
実施例16の代替手順
(4aR,7aR)−6−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−7a−(2−チエニル)−4,4a,5,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン塩酸塩
メチル−t−ブチルエーテル(50mL)と酢酸エチル(10mL)の混合液に(4aR,7aR)−6−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−7a−(2−チエニル)−4,4a,5,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン(3.8g、11.33mmol)を溶解させ、この溶液を塩化水素(1Mのジエチルエーテル溶液)(13.6mL、13.6mmol)で処理する。混合物を10分間撹拌し、濃縮して、生成物を真空乾燥させ、表題化合物(4.1g、97%)を得る。ES/MS(m/e):336(M+H)。キラル分析:(カラム:Chiralpak AS(5u)、C18、4.6×100mm;溶離液:CO2中、25%メタノール(0.2%ジメチルエチルアミン添加);流速2.5mL/分、UV220nm)により、表題化合物であることを確認する(>99%ee、Rt=1.44分)。
実施例20
(4aR,7aS)−7a−(4−フルオロフェニル)−6−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−4,4a,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン塩酸塩
ラセミ体の7a−(4−フルオロフェニル)−6−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−4,4a,5,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン(437mg、1.26mmol)を、SFC(カラム:Chiralpak AD−H(5u)、2.1×15cm;溶離液:CO2中、40%イソプロピルアルコール(0.2%イソプロピルアミン);流速70mL/分、UV225nm)によりキラル精製する。2番目に溶出する異性体をジクロロメタン15mLに溶解させ、溶液に塩化水素ガスを約15秒間吹き込み、濃縮して、表題化合物を白色固体として得る(194mg、40%、>99%ee)。ES/MS(m/e)348(M+H)。
実施例21
3−[(4aR,7aS)−2−アミノ−6−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−4,4a,5,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−7a−イル]ベンゾニトリル塩酸塩
ラセミ体のN−[7a−(3−ブロモフェニル)−6−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−4,4a,5,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(180mg、393μmol)のエタノール(8.0mL)溶液に、ピリジン(0.5mL、6.2mmol)およびO−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩(350mg、4.19mmol)を順に加える。混合物を60℃で16時間加熱し、周辺温度に冷却し、乾固するまで濃縮する。残渣を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで、0−10%の勾配をつけたジクロロメタン/2Mのアンモニア含有メタノールを用いて溶出させることで精製し、遊離塩基形の表題化合物を無色油状物として得る。ラセミ物質を、SFC(カラム:Chiralpak AS−H、5μ;溶離液:CO2中、35%イソプロピルアルコール(0.2%イソプロピルアミン添加);流速:70mL/分、225nm)によりキラル分割する。最初に溶出する異性体が遊離塩基の表題化合物である(Rt=0.92分)。EI/MS(m/e):355(M+H)。この異性体をジクロロメタン(1mL)に溶解させ、この溶液に塩化水素ガスを約10秒間吹き込む。次いで、溶液を濃縮して、表題化合物を白色固体として得る(55mg、36%、>99%ee)。
実施例22
N−[(4aR,7aS)−6−[5−フルオロ−4−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−6−メチル−ピリミジン−2−イル]−7a−フェニル−4,4a,5,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド塩酸塩
N−[(4aR,7aS)−7a−フェニル−4a,5,6,7−テトラヒドロ−4H−ピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド塩酸塩(95mg、0.25mmol)および2−(2−クロロ−5−フルオロ−ピリミジン−4−イル)プロパン−2−オール(195mg、0.57mmol)を1,4−ジオキサン(5.0mL)に溶解させ、この溶液にジイソプロピルエチルアミン(150μL、0.86mmol)を加える。得られる溶液を100℃で23時間加熱し、室温に冷却し、濃縮する。残渣をメタノール(5.0mL)に溶解させ、続いて水酸化リチウム(100mg、4.11mmol)を加える。得られる溶液を55℃で16時間加熱し、次いで室温に冷却し、濃縮する。残渣を、SCXカラム5gで、最初にMeOH/DCM(1/4、50mL)を用いて溶出させ、続いてアンモニア含有MeOH(7.0N)/DCM(1/4、50mL)を用いて溶出させることで精製する。塩基性濾液を濃縮し、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで、勾配をつけてアンモニアを加えたMeOH(2.0M)含有ジクロロメタン(0%から10%へ)を用いて溶出させることで、さらに精製して、遊離塩基形の表題化合物を無色油状物として得る。EI/MS(m/e):402.00(M+H)。19F−NMR(CDCl3):δ(ppm)−154.62.1H NMR(CDCl3):δ(ppm)7.38(m,5H),4.11(d,1H),4.01(d,1H),3.83(m,2H),3.05(dd,1H),2.92(dd,1H),2.81(m,1H),2.37(s,3H),1.53(s,6H)。精製した物質をジクロロメタン(2mL)に溶解させ、続いてHCl(1.0Mのジエチルエーテル溶液、60μL、0.06mmol)を加え、次いで濃縮して、表題化合物を白色固体として得る(22mg、20%)。
実施例23
(4aR,7aR)−6−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−7a−イソチアゾール−5−イル−4,4a,5,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン塩酸塩
N−[(4aR,7aR)−6−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−7a−イソチアゾール−5−イル−4,4a,5,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド、異性体2(190mg、0.44mmol)のメタノール(8mL)溶液に、水酸化リチウム(91.45mg、2.18mmol)を加え、3時間加熱還流せる。反応物を室温に冷却し、水で希釈し、酢酸エチルで抽出する。水層を酢酸エチルで2回再抽出する。有機層を1つにまとめ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧除去する。粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで、0%から3%への勾配をつけて7Nのアンモニア含有メタノールを加えたジクロロメタンを用いて溶出させることで精製し、表題化合物を遊離塩基として得る(118mg、82%)。遊離塩基を少量のジクロロメタンに溶解させ、1Nの塩化水素のジエチルエーテル溶液(390μL、390μmol)で5分間処理する。溶媒を減圧除去して、表題生成物を塩化水素塩として得る(130mg、0.34mmol、79%)。ES/MS(m/e):337(M+H)、[α]D 20=−23.1(C=1.0、EtOH)。
基本的に実施例23の方法により、以下の実施例化合物を調製する。
実施例30
[(4aR,7aR)−7a−(5−フルオロチオフェン−2−イル)−6−(ピリミジン−2−イル)−4,4a,5,6,7,7a−ヘキサヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン塩酸塩
[(4aR,7aR)−7a−(5−フルオロチオフェン−2−イル)−6−(ピリミジン−2−イル)−4,4a,5,6,7,7a−ヘキサヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン(318mg、948μmol)をジエチルエーテル(10mL)とジクロロメタン(10mL)の混合液に溶解させ、撹拌しながら、この無色透明溶液に、1MのHClのジエチルエーテル(1.05mL、1.05mmol)溶液を加える。得られる白色混合物を数分間撹拌し、次いで固体を集め、ジエチルエーテル(15mL)で洗い、表題化合物(325mg、92%)を白色固体として得る。ES/MS(m/e):336.0(M+H)。
基本的に実施例30の方法により、以下の実施例化合物を調製する。
実施例32
[(4aR,7aR)−6−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−7a−(5−フルオロチオフェン−2−イル)−4,4a,5,6,7,7a−ヘキサヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン塩酸塩
[(4aR,7aR)−6−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−7a−(5−フルオロチオフェン−2−イル)−4,4a,5,6,7,7a−ヘキサヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン(255mg、722μmol)およびジエチルエーテル(10mL)からなる無色透明溶液を撹拌し、そこに1MのHClのジエチルエーテル溶液(794μL、794μmol)を加える。得られる白色混合物を数分間撹拌し、得られる固体を集め、ジエチルエーテル(10mL)ですすいで、表題化合物(274mg、97%)を白色固体として得る。ES/MS(m/e):354.0(M+H)。
実施例33
5−[(4aR,7aR)−2−アミノ−6−[5−フルオロ−4−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)ピリミジン−2−イル]−4a,5,6,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−7a(4H)−イル]チオフェン−2−カルボニトリル塩酸塩
5−[(4aR,7aR)−2−アミノ−6−[5−フルオロ−4−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)ピリミジン−2−イル]−4a,5,6,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−7a(4H)−イル]チオフェン−2−カルボニトリル(256mg、612μmol)のジエチルエーテル(20mL)溶液を撹拌し、そこに1MのHClのジエチルエーテル溶液(673μL、0.673mmol)を加える。得られる白色混合物を数分間撹拌し、次いで固体を吸引濾過して集め、ジエチルエーテルですすいで、表題化合物(201mg、72%)を白色固体として得る。MS/ES(m/z)419.2(M+H)。
実施例34
(4aR,7aS)−7a−(2−フルオロフェニル)−6−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−4,4a,5,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン塩酸塩、異性体2
(4aR,7aS)−7a−(2−フルオロフェニル)−6−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−4,4a,5,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン、異性体2(100mg、0.29mmol)を1NのHCl(2mL)に溶解させる。溶媒を窒素流下で除去し、50℃で真空乾燥させて、表題化合物(81mg、73%)を得る。ES/MS(m/e)384(M+H)。
実施例35
2−[2−[(4aR,7aR)−2−アミノ−7a−イソチアゾール−5−イル−4,4a,5,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−6−イル]−5−フルオロ−6−メチル−ピリミジン−4−イル]プロパン−2−オール塩酸塩
N−[(4aR,7aR)−6−[5−フルオロ−4−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−6−メチル−ピリミジン−2−イル]−7a−イソチアゾール−5−イル−4,4a,5,7−テトラヒドロピロロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(33mg、0.064mmol)をエタノール(2mL)に溶解させる。この溶液に、ピリジン(0.052mL、0.6mmol)およびO−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩(55mg、0.6mmol)を加える。反応物を4時間70℃に温める。反応物を室温に冷却し、一晩(約16時間)撹拌する。混合物を濃縮して、粗生成物を得る。これを、シリカゲルクロマトグラフィーで、0−10%(7NのNH3含有MeOH)/DCMを用いて精製して、純粋な遊離塩基を得る。遊離塩基をDCM(2mL)に溶解させ、4MのHClのジオキサン(0.3mL、1.2mmol)溶液で処理する。混合物を濃縮して、表題化合物を白色固体として得る(18mg、0.04mmol)。ES/MS(m/z):409(M+H)。[α]D 20=−6.0°(C=1.0、MeOH)。
in vitro試験手順:
in vitroでの酵素試験および細胞試験用に、試験化合物をDMSOに溶解させて、10mMの原液を用意する。原液をDMSOで段階希釈して、96ウェル丸底プレートに、最終化合物濃度を10mM〜1nMの範囲とする10段階希釈曲線を作り、それからin vitroでの酵素試験および全細胞試験を行なう。
in vitroプロテアーゼ阻害試験:
BACE1 FRET試験
上記のとおり、試験化合物の段階希釈液を用意する。化合物をさらにKH2PO4緩衝液で20倍に希釈する。各希釈液10μLを、対応する低タンパク質結合ブラックプレートのA〜H列の各ウェルに添加する。このブラックプレートは、反応混合物(50mMのKH2PO4(pH4.6)、1mMのTRITON(登録商標)X−100、1mg/mLのウシ血清アルブミン、および15μMのFRET基質を含む25μL)(Yang, et. al., J. Neurochemistry, 91(6) 1249−59(2004)を参照)を含有している。内容物を、プレートシェーカーで10分間、十分に混合する。200pMのヒトBACE1(1−460):Fc(Vasser, et al., Science, 286, 735−741(1999)を参照)を含有するKH2PO4緩衝液15μLを、基質および試験化合物を含有するプレートに添加して、反応を開始させる。プレートシェーカーで軽く混合してから、0時点での混合物のRFUを、励起波長355nmおよび発光波長460nmで記録する。反応プレートをアルミニウム箔で覆い、室温の加湿した暗オーブンに16〜24時間入れておく。インキュベーション終了時点のRFUを、0時点で使用したのと同じ励起発光設定で記録する。0時点とインキュベーション終了時点とでのRFUの差が、化合物による処理状況下でのBACE1の活性を表す。RFUの差を、対阻害剤濃度でプロットし、その曲線と4パラメーターロジスティック方程式でカーブフィッティングを行い、EC50値およびIC50値を求める。(Sinha, et al., Nature, 402, 537−540(2000)を参照)。
本明細書中の実施例1〜35の化合物を、基本的に上記のとおりに試験した結果、BACE1に対するIC50値が約1μM未満であることが示された。以下の例示化合物を基本的に上記のとおりに試験した結果、BACE1に対する以下の活性を示した:
これらのデータは、表33の化合物が、in vitroで精製組換えBACE1の酵素活性を強力に阻害することを実証する。
ヒトBACE1の発現
ヒトBACE1(受入番号:AF190725)を、室温PCRにより、脳全長cDNAからクローン化する。アミノ酸配列番号1〜460に対応するヌクレオチド配列を、ヒトIgG1(Fc)ポリペプチドをコードするcDNAに挿入する(Vassar et al. 1999)。このBACE1(1−460)とヒトFcの融合タンパク質を、huBACE1:Fcと命名し、pJB02ベクター中に構築する。ヒトBACE1(1−460):Fc(huBACE1:Fc)は、HEK293細胞で一時的に発現される。各構築物について250μgのcDNAをFugene6と混合し、1リットルのHEK293細胞に添加する。遺伝子導入の4日後、馴化培地を精製用に収穫する。
huBACE1:Fcの精製。
huBACE1:Fcを、タンパク質Aクロマトグラフィーで精製する。酵素は、少量に分割して−80℃で貯蔵する。
β−セクレターゼ活性の阻害を測定するための全細胞試験
HEK293Swe全細胞試験
β−セクレターゼ活性の阻害を測定するための所定全細胞試験には、現在スウェーデン変異型と呼ばれる天然の二重変異であるLys651Met652からAsn651Leu652への変異を含むヒトAPP751cDNAを安定して発現し、Aβを過剰産生することがわかっている(Citron, et al., Nature, 360, 672−674(1992))ヒト胎児由来腎臓細胞株HEK293p(ATCC受入番号CRL−1573)を利用する(HEK293/APP751swと記す)。In vitroでのAβ減少試験は、文献に記載されている(Dovey, et al., Journal of Neurochemistry, 76, 173−181 (2001);Seubert, et al., Nature, 361, 260 (1993);およびJohnson−Wood, et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 94, 1550−1555 (1997)を参照)。
細胞(HEK293/APP751swを細胞3.5×104個/ウェル、培地、すなわち10%FBS含有DMEMを200μL含む)を、所望濃度の阻害剤(DMSOで希釈)の存在下または不在下で、37℃で4〜24時間インキュベートする。インキュベーションの終了時点で、馴化培地を、β−セクレターゼ活性の証明のため、例えば、Aβペプチドを分析することで、分析する。全Aβペプチド(Aβ1−x)を、補足抗体にモノクローナル抗体266を用い報告抗体にビオチン化抗体3D6を用いて、サンドイッチELISAで測定する。あるいは、Aβ1−40およびAβ1−42ペプチドを、Aβ1−40用補足抗体にモノクローナル抗体2G3を用い、Aβ1−42用補足抗体にモノクローナル抗体21F12を用いて、サンドイッチELISAで測定する。Aβ1−40およびAβ1−42のELISAは両方とも、報告抗体にビオチン化抗体3D6を用いる。化合物の処理を受けて馴化培地に放出されたAβ濃度は、そのような条件下でのBACE1活性に対応する。10段階希釈阻害曲線をプロットし、4パラメーターロジスティック方程式とでカーブフィッティングを行い、Aβ減少効果についてEC50値およびIC50値を求める。以下の例示化合物を基本的に上記のとおりに試験した結果、Aβ減少効果について以下の活性が示された:
これらのデータは、表34の化合物が、in vitroで細胞の天然内在ヒトBACE1を阻害することを実証する。
PDAPP一次ニューロン試験
PDAPP遺伝子導入マウス胚から発生させた一次ニューロン培養物で、確認のための全細胞試験も実行する。胎生16日目のPDAPP胚から一次皮質ニューロンを調製し、96ウェルプレートで培養する(細胞15×104個/ウェル、DMEM/F12(1:1)に10%FBSを添加した培地中)。in vitroで2日後、培地を、補充のB27および2μM(最終濃度)のAra−C(Sigma、C1768)を含有する無血清DMEM/F12(1:1)に交換する。in vitroで5日目、ニューロンを、所望濃度の阻害剤(DMSOで希釈)の存在下または不在下で、37℃で24時間インキュベートする。インキュベーションの終了時点で、馴化培地を、β−セクレターゼ活性の証明のため、例えば、Aβペプチドを分析することで、分析する。全Aβペプチド(Aβ1−x)を、補足抗体にモノクローナル抗体266を用い報告抗体にビオチン化抗体3D6を用いて、サンドイッチELISAで測定する。あるいは、Aβ1−40およびAβ1−42ペプチドを、Aβ1−40用補足抗体にモノクローナル抗体2G3を用い、Aβ1−42用補足抗体にモノクローナル抗体21F12を用いて、サンドイッチELISAで測定する。Aβ1−40およびAβ1−42のELISAは両方とも、報告抗体にビオチン化抗体3D6を用いる。化合物の処理を受けて馴化培地に放出されたAβ濃度は、そのような条件下でのBACE1活性に対応する。10段階希釈阻害曲線をプロットし、4パラメーターロジスティック方程式とでカーブフィッティングを行い、Aβ減少効果についてEC50値およびIC50値を求める。以下の例示化合物を基本的に上記のとおりに試験した結果、Aβ減少効果について以下の活性が示された:
これらのデータは、表35の化合物が、in vitroで細胞の天然内在マウスBACE1を阻害することを実証する。
β−セクレターゼのIn vivo阻害
化合物処理を受けてのβ−セクレターゼ活性阻害をin vivoでスクリーニングするために、複数種の動物モデル(マウス、モルモット、イヌ、およびサルなど)を用いることが可能である。本発明で用いられる動物として、野生型動物、遺伝子導入動物、または遺伝子ノックウアウト動物が可能である。例えば、PDAPPマウスモデル(Games et al.,Nature 373, 523−527 (1995)に記載のとおりに調製したもの)および他の非遺伝子導入動物または遺伝子ノックウアウト動物は、阻害化合物の存在下におけるAβおよびsAPPβ産生のin vivo阻害を分析するのに有用である。一般に、2〜12月齢のPDAPPマウス、遺伝子ノックウアウトマウス、または非遺伝子組換え動物に、ビヒクル(コーン油、シクロデキストラン、ホスフェート緩衝液、PHARMASOLVE(登録商標)、または他の適切なビヒクルなど)に配合した化合物を投与する。化合物の投与から1〜24時間後、動物をと殺し、Aβs、C99、およびsAPPフラグメントの分析用に、脳ならびに脳脊髄液および血漿を取り出す。(Dovey, et al., Journal of Neurochemistry, 76, 173−181 (2001);およびJohnson−Wood, et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 94, 1550−1555 (1997)を参照)。
標準的なin vivo薬理学研究の場合、動物は、様々な濃度で化合物を投与され、同時投与でビヒクル処理した対照群と比較される。経時的研究によっては、開始0時点で、選択した動物から脳組織、血漿、または脳脊髄液を採取して、ベースラインを確立させる。化合物または適切なビヒクルを他の群に投与し、投与から様々な時点でと殺する。選択した動物から脳組織、血漿、または脳脊髄液を採取して、APP切断産物(Aβペプチド、sAPPβ、および他のAPPフラグメントなど)の存在について、例えば、特異的サンドイッチELISA試験により分析する。試験期間の終了時点で、動物をと殺し、脳組織、血漿、または脳脊髄液を、必要に応じて適切に、Aβペプチド、C99、およびsAPPβの存在について分析する。APP遺伝子組換え動物の脳組織は、化合物処理を受けてのβ−アミロイドプラーク量についても分析することができる。「Aβ1−xペプチド」は、本明細書で使用される場合、第1残基から始まり第28残基より先のC−末端で終わるAβ種の合計を示す。これは、Aβ種の大部分を検知し、「全Aβ」と呼ばれることが多い。
阻害化合物を投与された動物(PDAPPまたは他のAPP遺伝子導入または非遺伝子導入マウス)は、ビヒクル処理した対照または0時点の対照と比較した場合に、脳組織、血漿、または脳脊髄液中のAβまたはsAPPβの減少、および脳組織中のβアミロイドプラークの減少を示す可能性がある。例えば、若いメスのPDAPPマウスに実施例1の化合物を10mg/kgの経口用量で投与してから3時間後、Aβ1−xペプチドレベル、C99レベル、およびsAPPbレベルは、ビヒクル処理したマウスと比べて、それぞれ、脳海馬において約51%、58%、および37%、脳皮質において約62%、63%、および34%減少する。脳実質における変化と一致して、CSF Aβ1−xレベルは、実施例1の化合物を10mg/kgの用量で経口投与してから3時間後、約80%減少する。実施例1の化合物を10mg/kgの用量で経口投与してから3時間後、CSF sAPPβが22%減少することは、in vivoでのBACE阻害機構と一致する。
実施例23については、実施例23の化合物を30mg/kgの経口用量で投与してから3時間後、Aβ1−xペプチドレベルが、ビヒクル処理したマウスと比べて、脳海馬において約45%、および脳皮質において約52%減少する。
実施例31については、実施例31の化合物を10または30mg/kgの経口用量で投与してから3時間後、Aβ1−xペプチドレベルが、ビヒクル処理したマウスと比べて、脳海馬において約18%および51%、脳皮質において約23%および63%減少する。in vitroでのBACE酵素に対する実施例23および実施例31の化合物活性を考えると、これらのAβ減少効果は、in vivoでのBACE阻害と一致する。
これらの研究から、本発明の化合物は、BACEを阻害し、したがって、Aβレベルを低下させるのに有用であることがわかる。そうであるので、本発明の化合物は、BACEの有効な阻害剤である。