以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明を省略する場合がある。
<比較例>
以下、比較例としての光源制御装置について説明する。図9は、比較例に係る光源制御装置2000の構成を示す図である。光源制御装置2000は、電気的に並列接続された複数の光源を使用した装置である。
図9を参照して、光源制御装置2000は、電流供給部100Nと、光源部110Nと、制御部900Nとを備える。
光源部110Nは、光源21−1,21−2,21−3,21−4,21−5,21−6を含む。光源21−1,21−2,21−3,21−4,21−5,21−6は、電気的に並列接続されている。以下においては、光源21−1,21−2,21−3,21−4,21−5,21−6の各々を、単に、光源21とも表記する。光源21は、例えば、LEDである。
制御部900Nは、電流供給部100Nを制御する。制御部900Nは、例えば、MPU(Micro Processing Unit)等のマイコン(マイクロコンピュータ)である。電流供給部100Nは、制御部900Nからの制御に従って、所定の駆動電流Ifmを光源部110へ供給する定電流回路である。すなわち、電流供給部100Nは、光源21−1,21−2,21−3,21−4,21−5,21−6へ電流を供給する。これにより、光源21−1,21−2,21−3,21−4,21−5,21−6の各々は発光する。
LEDは、供給される電流に応じて、出射する光の輝度が可変する。光源制御装置2000は、所望の輝度を得るために、ユーザ(使用者)はユーザインタフェース等を利用して、制御部900Nを介して駆動電流Ifmを設定する構成を有する。
しかしながら、光源制御装置2000の構成では、前述したように、複数の光源21のうちの1つが故障しただけで、全ての光源21が点灯しなくなるという問題がある。
例えば、光源部110Nに含まれる6個の光源21のうちの1つが短絡故障した場合、短絡故障した光源21に、電流供給部100Nからの駆動電流が集中して供給される。これにより、全ての光源21が不点灯になる。
また、光源部110Nに含まれる6個の光源21のうちの1つが開放故障したとする。この場合、設定されている駆動電流Ifmの電流値によっては、他の正常な光源21に定格を超える電流が流れる場合がある。この場合、さらなる故障を引き起こし、最悪全ての光源21が故障するという重大な問題が発生してしまう。
そこで、以下の実施の形態において、上記比較例で述べた上記問題を解決する。
<実施の形態1>
図1は、本発明の実施の形態1に係る光源制御装置1000の構成を示すブロック図である。光源制御装置1000は、例えば、投写型映像表示装置の光源として使用される装置である。
図1に示すように、光源制御装置1000は、電流供給部100と、光源部110と、スイッチ部120と、検出抵抗13−1〜13−6と、電流検出部140と、スイッチ制御回路15−1〜15−6と、ADコンバータ300と、制御部900とを備える。
なお、光源制御装置1000は、光源部110を備えなくてもよい。すなわち、光源制御装置1000は、外部の光源部110を制御する構成であってもよい。
制御部900は、光源制御装置1000内の各部を制御する。制御部900は、例えば、MPU等のマイコン(マイクロコンピュータ)である。制御部900は、所定のプログラムに従って各種処理を行う。すなわち、制御部900は、マイクロコンピュータが実行するソフトウエア(プログラム)で構成される。
電流供給部100は、電線EL1,EL2と接続される。電流供給部100は、電線EL1を使用して、所定の駆動電流Ifmを光源部110へ供給する定電流回路である。駆動電流Ifmは、後述の光源を発光(点灯)させるための電流である。
光源部110は、光源11−1,11−2,11−3,11−4,11−5,11−6を含む。光源11−1,11−2,11−3,11−4,11−5,11−6は、電気的に並列接続されている。光源11−1,11−2,11−3,11−4,11−5,11−6の各々は、所定の色の光を出射する光源である。
以下においては、光源11−1,11−2,11−3,11−4,11−5,11−6の各々を、単に、光源11とも表記する。すなわち、光源部110は、6個の光源11を含む。光源11は、LEDである。この場合、光源11は、2つの端子を有する。また、光源11は、電流が供給されることにより発光する。光源11は、例えば、赤色光を出射する。
光源11−1,11−2,11−3,11−4,11−5,11−6の一端は、電流供給部100と電気的に接続される。光源11−1,11−2,11−3,11−4,11−5,11−6全体には、電流供給部100から駆動電流Ifmが供給される。言い換えれば、電流供給部100は、複数の光源11へ一括して電流を供給する。
光源11−1,11−2,11−3,11−4,11−5,11−6の各々の仕様および特性は全て同じである。当該仕様は、例えば、定格電流である。当該特性は、例えば、供給される電流に応じて発光する輝度の特性である。また、当該特性は、例えば、光源11が発光する際における順方向の降下電圧(以下、Vfと称す)である。
なお、光源部110に含まれる光源11の数は、6に限定されず、2〜5,7以上であってもよい。なお、光源11は、LEDに限定されず、例えば、レーザであってもよい。
以下においては、電圧における低電圧状態および高電圧状態を、それぞれ、HレベルおよびLレベルともいう。また、HレベルおよびLレベルを、それぞれ、単に、「H」および「L」ともいう。
スイッチ部120は、複数の光源11の各々への電流の供給を停止させる機能を有する。スイッチ部120は、スイッチ12−1,12−2,12−3,12−4,12−5,12−6を含む。スイッチ12−1,12−2,12−3,12−4,12−5,12−6は、それぞれ、光源11−1,11−2,11−3,11−4,11−5,11−6の他端と電気的に接続される。
以下においては、スイッチ12−1,12−2,12−3,12−4,12−5,12−6の各々を、単に、スイッチ12とも表記する。スイッチ12は、外部からの制御により、導通状態(オン状態)および非導通状態(オフ状態)のいずれかの状態になる。スイッチ12は、例えば、パワーMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)である。
スイッチ12−1,12−2,12−3,12−4,12−5,12−6は、それぞれ、制御信号S1,S2,S3,S4,S5,S6を受信する。以下においては、制御信号S1,S2,S3,S4,S5,S6の各々を、単に、制御信号Sn(n:自然数)とも表記する。
各スイッチ12は、受信する制御信号SnがHレベルの場合、オン状態(以下、オンともいう)になる。また、各スイッチ12は、受信する制御信号SnがLレベルの場合、オフ状態(以下、オフともいう)になる。スイッチ12−1,12−2,12−3,12−4,12−5,12−6の各々は、同じ仕様および特性を有する。
検出抵抗13−1,13−2,13−3,13−4,13−5,13−6の一端は、それぞれ、スイッチ12−1,12−2,12−3,12−4,12−5,12−6と電気的に接続される。また、検出抵抗13−1,13−2,13−3,13−4,13−5,13−6の他端は、電線EL2と接続されている。
以下においては、検出抵抗13−1,13−2,13−3,13−4,13−5,13−6の各々を、単に、検出抵抗13とも表記する。各検出抵抗13は、当該検出抵抗13に、スイッチ12を介して電気的に接続される光源11に供給される電流を検出するための抵抗である。検出抵抗13−1,13−2,13−3,13−4,13−5,13−6の各々は、同じ仕様および特性を有する。
電流検出部140は、電流検出回路14−1,14−2,14−3,14−4,14−5,14−6を含む。電流検出回路14−1,14−2,14−3,14−4,14−5,14−6の一端は、それぞれ、検出抵抗13−1,13−2,13−3,13−4,13−5,13−6の一端と電気的に並列接続される。また、電流検出回路14−1,14−2,14−3,14−4,14−5,14−6の他端は、電線EL2と接続されている。
以下においては、電流検出回路14−1,14−2,14−3,14−4,14−5,14−6の各々を、単に、電流検出回路14とも表記する。電流検出回路14は、当該電流検出回路14に接続される検出抵抗13に流れる電流の電流値を検出する。検出抵抗13に流れる電流の電流値は、当該検出抵抗13に対応する光源11に流れる電流の電流値と等しい。すなわち、電流検出部140は、複数の光源11の各々に供給される電流の電流値を検出する。
そして、電流検出回路14は、検出した電流の電流値に応じた電圧レベルの電流検出信号VDn(n:自然数)をADコンバータ300へ送信する。電流検出回路14−1,14−2,14−3,14−4,14−5,14−6の各々は、同じ仕様および特性を有する。
スイッチ制御回路15−1,15−2,15−3,15−4,15−5,15−6は、それぞれ、スイッチ12−1,12−2,12−3,12−4,12−5,12−6と接続される。また、スイッチ制御回路15−1〜15−6は、信号線40により、制御部900と接続される。信号線40は、例えば、IICバスである。
以下においては、スイッチ制御回路15−1,15−2,15−3,15−4,15−5,15−6の各々を、単に、スイッチ制御回路15とも表記する。各スイッチ制御回路15は、制御部900からの命令(指示)により動作する。
各スイッチ制御回路15は、HまたはLレベルの制御信号Snを、対応するスイッチ12のゲート端子へ送信する。制御信号Snは、スイッチ12のオン・オフを制御するための信号である。
例えば、スイッチ12−1をオンする場合、スイッチ制御回路15−1は、Hレベルの制御信号S1を、スイッチ12−1のゲート端子へ送信する。また、例えば、スイッチ12−1をオフする場合、スイッチ制御回路15−1は、Lレベルの制御信号S1を、スイッチ12−1のゲート端子へ送信する。
ADコンバータ300は、電流検出信号VDnの電圧値(電圧レベル)を、所定の規則に基づきデジタル値に変換する。ADコンバータ300は、信号線40により、制御部900と接続される。ADコンバータ300は、制御部900からの要求に従い、当該デジタル値を、制御部900へ送信する。
次に、電流供給部100について詳細に説明する。前述した構成により、光源11−1,11−2,11−3,11−4,11−5,11−6には、それぞれ、電流If1,If2,If3,If4,If5,If6が流れる。以下においては、If1,If2,If3,If4,If5,If6の各々を、Ifnとも表記する。
駆動電流Ifmおよび電流If1〜If6には、以下の式1および式2に示される関係が成立する。
Ifm=If1+If1+If2+If3+If4+Il5+If6 …(式1)
If1=If2=If3=If4=If5=If6 …(式2)
例えば、光源11−1〜11−6の各々の定格電流が6(A)(アンペア)であるとする。この構成の場合、電流供給部100は、最大で、36(A)の駆動電流Ifmを供給することが可能なように構成される。この構成において、制御部900は、駆動電流Ifmの電流値(電流量)を、0〜36(A)の範囲において、可変できるようにプログラミングされている。
光源11−1〜11−6は、前述したように、供給される電流に応じて輝度が可変する。そのため、使用者は、所望の輝度を得るために、ユーザ(使用者)はユーザインタフェース等を利用して、制御部900に命令(指示)を伝え、駆動電流の電流値(設定値)を調整する。
次に、電流検出回路14−1〜14−6について詳細に説明する。電流検出回路14−1〜14−6は電気的に並列接続されている。そのため、各検出抵抗13には、当該検出抵抗13に接続されている光源11に流れる電流の電流値と同じ電流値の電流が供給される。例えば、検出抵抗13−1には、光源11−1に流れる電流If1の電流値と同じ電流値の電流が供給される。
各検出抵抗13は、以下の式3に基づく特性に従って、当該検出抵抗13に流れる電流を、0〜5(V)の電流検出信号VDn(n:1〜6)に変換する機能を有する。
VDn=Ifn/10 (n:1〜6) …(式3)
図2は、式3の特性を示す特性線L1を示す図である。例えば、電流検出回路14が、ADコンバータ300へ送信する電流検出信号VDnの電圧は、式3により、以下のようになる。例えば、電流検出回路14が検出した電流の電流値が0(A)の場合、電流検出信号VDnの電圧は0(V)である。また、例えば、電流検出回路14が検出した電流の電流値が10(A)の場合、電流検出信号VDnの電圧は1.0(V)である。また、例えば、電流検出回路14が検出した電流の電流値が36(A)の場合、電流検出信号VDnの電圧は3.6(V)である。
次に、ADコンバータ300について詳細に説明する。ADコンバータ300は、チャンネルとしての変換部30−1,30−2,30−3,30−4,30−5,30−6を含む。変換部30−1,30−2,30−3,30−4,30−5,30−6は、それぞれ、電流検出回路14−1,14−2,14−3,14−4,14−5,14−6と接続される。
以下においては、変換部30−1,30−2,30−3,30−4,30−5,30−6の各々を、変換部30とも表記する。各変換部30は、当該変換部30に接続される電流検出回路14から、電流検出信号VDnを受信する。すなわち、変換部30−1,30−2,30−3,30−4,30−5,30−6は、それぞれ、電流検出信号VD1,VD2,VD3,VD4,VD5,VD6を受信する。
各変換部30は、受信した電流検出信号VDnをデジタルデータに変換する。具体的には、各変換部30は、以下の式4に基づいて、電流検出信号VDnの電圧レベルを、デジタルデータDDn(n:1〜6)に変換する。デジタルデータDDnは、例えば、0から250を示すデータである。
DDn=250×(VDn/5) …(式4)
ADコンバータ300は、制御部900からの要求に従い、各変換部30が変換したデジタルデータDDnを、信号線40を介して、制御部900へ送信する。
次に、制御部900について詳細に説明する。ここで、前述の式3及び式4から、以下の式5が成り立つ。
Ifn=DDn×(10×5)/250 …(式5)
制御部900は、式5の計算結果に基づいた、DDnおよびIfnの値を示す変換テーブルT10を含む。図3は、一例としての変換テーブルT10を示す図である。変換テーブルT10が示すIfnは、制御部900が、デジタルデータDDnに基づいて計測する計測値である。制御部900は、変換テーブルT10を利用して、デジタルデータDD1〜DD6の値に応じて、光源11−1〜11−6に流れている電流を計測(算出)する。
次に、光源制御装置1000の実際の動作について説明する。まず、制御部900は、電流供給部100に対し、電流供給部100が供給する駆動電流Ifmの設定を行う。その後、制御部900は、スイッチ制御回路15−1〜15−6がそれぞれ送信する制御信号S1〜S6のレベルをHレベルに設定するよう、スイッチ制御回路15−1〜15−6を制御する。このようにして、制御部900は、光源11−1〜11−6に、それぞれ、電流If1〜If6が供給されるように制御する。これにより、制御部900は、使用者が要求する輝度で、各光源11を点灯させている。
また、制御部900は、さらに、一定の間隔で、信号線40を介して、ADコンバータ300からデジタルデータDD1〜DD6を取得(観測)する。これにより、制御部900は、光源11−1〜11−6に流れている電流を、随時、計測(算出)している。
例えば、制御部900が、電流供給部100を利用して、駆動電流Ifmの電流値を24(A)に設定したとする。この場合、光源11−1〜11−6の各々には、式1,2に基づく24÷6の式より、4(A)の電流Ifnが供給される。そのため、各計測値についても4(A)が計測されることになる。すなわち、図3の変換テーブルT10により、光源11−1〜11−6の各々に流れる電流の計測値は、以下のようになる。
この場合、制御部900が、ADコンバータ300から取得する、計測値であるデジタルデータDD1,DD2,DD3,DD4,DD5,DD6の全ては、20を示す。そのため、制御部900は、変換テーブルT10により、If1〜If6の全ての電流値が、20に対応する4(A)であることを計測する。以下においては、計測されたIf1〜If6の値が、4である状態を、状態N1ともいう。また、以下においては、制御部900が、取得したデジタルデータDDnに基づいて、変換テーブルT10を用いて計測したIfnを、計測値Ifn(n:自然数)ともいう。
また、光源部110から最大輝度を得るために、制御部900が、電流供給部100を利用して、駆動電流Ifmの電流値を36(A)に設定したとする。この場合、図3の変換テーブルT10より、光源部110が正常な点灯状態である場合は、光源11−1〜11−6には、式1,2に基づく36÷6の式より、6(A)の電流Ifnが供給される。そのため、制御部900が、ADコンバータ300から取得する、計測値であるデジタルデータDD1,DD2,DD3,DD4,DD5,DD6の全ては、30を示す。そのため、制御部900は、変換テーブルT10により、If1〜If6の全ての電流値が、30に対応する6(A)であることを計測する。以下においては、計測されたIf1〜If6の値が、6である状態を、状態N2ともいう。
すなわち、設定した電流値から計算した各光源11に流れる電流の電流値と、計測した電流値が等しい場合、制御部900は、光源制御装置1000(光源部110)が正常な状態と判断する。この場合、制御部900は、光源制御装置1000がそのまま動作を続けるようにあらかじめプログラミングされている。
ここで、光源11の偶発的な故障形態には、短絡故障および開放故障が存在する。最初に光源11が短絡故障した場合について説明する。短絡故障とは、光源11が有する2つの端子が短絡した故障である。開放故障とは、光源11が有する2つの端子が開放状態となった故障である。
まず、一例として、駆動電流Ifmの電流値が24(A)であり、光源11−1が短絡故障した場合について説明する。この場合、光源11−1の経路には、24(A)の駆動電流が全て流れる。ここで、光源11−1の経路とは、光源11−1から電線EL2までの電流の経路である。また、以下においては、光源部110に含まれる、故障していない光源を、正常光源ともいう。
そのため、正常光源である光源11−2〜11−6へ電流は供給されなくなる。すなわち、制御部900が取得するデジタルデータDD1,DD2,DD3,DD4,DD5,DD6は、それぞれ、120,0,0,0,0,0を示す。そのため、制御部900は、変換テーブルT10により、If1の電流値が、120に対応する24(A)であることと、If2〜If6の電流値が0(A)であることとを計測する。以下においては、計測されたIf1,If2,If3,If4,If5,If6の値が、それぞれ、24,0,0,0,0,0である状態を、状態A1ともいう。
上記計測により、制御部900は光源11−1が短絡故障したと判断(判定)する。この場合、制御部900は、光源11−1の経路に設けられているスイッチ12−1の制御信号S1のレベルを、“H”から“L”にするよう、信号線40を介して、スイッチ制御回路15−1を制御する。
スイッチ12−1は、制御信号S1のレベルが“L”になると、電流を遮断するようにオフ状態となる。これにより、光源11−1の経路には電流は流れなくなる。その結果、電流供給部100から供給される24(A)の電流は、正常光源である光源11−2〜11−6の各々に供給される、4.8(A)(24÷5=4.8)の電流となる。これにより、光源部110を、正常に発光させることができる。
次に、他の例として、駆動電流Ifmの電流値が36(A)であり、光源11−1が短絡故障した場合について説明する。この場合、光源11−1の経路には、36(A)の駆動電流が全て流れる。そのため、正常光源である光源11−2〜11−6へ電流は供給されなくなる。すなわち、制御部900が取得するデジタルデータDD1,DD2,DD3,DD4,DD5,DD6は、それぞれ、180,0,0,0,0,0を示す。そのため、制御部900は、変換テーブルT10により、If1の電流値が、180に対応する36(A)であることと、If2〜If6の電流値が0(A)であることとを計測する。以下においては、計測されたIf1,If2,If3,If4,If5,If6の値が、それぞれ、36,0,0,0,0,0である状態を、状態A2ともいう。
上記計測により、制御部900は光源11−1が短絡故障したと判断(判定)する。前述したように、制御部900は、スイッチ制御回路15−1を利用して、スイッチ12−1をオフ状態にする。これにより、仮に、何も対策をしなければ、正常光源である光源11−2〜11−6の経路に、36(A)の駆動電流が供給されることになる。
ただし、36(A)の駆動電流が、正常光源である5個の光源11に供給される場合、各光源11に供給される電流の電流値は、36÷5より、7.2(A)となる。すなわち、各光源11の定格電流(6(A))を超えてしまい、更なる故障を招いてしまう恐れがある。
このため、制御部900は、正常光源である光源11−2〜11−6の各々に流れる電流の電流値が定格電流以下になるように、電流供給部100を利用して、駆動電流Ifmの再設定を行う。例えば、制御部900は、1個の光源11が不点灯になったことによる光源部110の発光輝度の低下を極力少なくするように制御を行う。
具体的には、制御部900は、駆動電流Ifmを36(A)から30(A)に変更するように、電流供給部100を制御する。これにより、光源11−2〜11−6には、光源11−1の故障前と同程度の定格上限の6(A)(30÷5)の電流が供給される。その結果、さらなる故障を誘発することもなく、正常に光源部110を点灯させることができる。
次に、光源11が開放故障した場合について説明する。まず、駆動電流Ifmの電流値が24(A)であり、光源11−1が開放故障した場合について説明する。この場合、光源11−1の経路には、電流が全く供給されない。そのため、正常光源である光源11−2〜11−6全体に、24(A)の駆動電流が供給される。すなわち、光源11−2〜11−6の各々には、4.8(A)(24÷5)の電流が供給されることになる。
つまり、制御部900が取得するデジタルデータDD1,DD2,DD3,DD4,DD5,DD6は、それぞれ、0,24,24,24,24,24を示す。そのため、制御部900は、変換テーブルT10により、If1の電流値が、0(A)であることと、If2〜If6の電流値が、24に対応する4.8(A)であることとを計測する。以下においては、計測されたIf1,If2,If3,If4,If5,If6の値が、それぞれ、0,4.8,4.8,4.8,4.8,4.8である状態を、状態B1ともいう。
上記計測により、制御部900は光源11−1が開放故障したと判断(判定)する。また、光源11−2〜11−6の各々に流れる電流の電流値は、定格電流6(A)以下の4.8(A)である。そのため、光源部110は、そのまま点灯状態を維持する。
次に、他の例として、駆動電流Ifmの電流値が36(A)であり、光源11−1が開放故障した場合について説明する。この場合、光源11−1の経路には、電流が供給されない。そのため、そのため、正常光源である光源11−2〜11−6全体に、36(A)の駆動電流が供給される。すなわち、光源11−2〜11−6の各々には、7.2(A)(36÷5)の電流が供給されることになる。
つまり、制御部900が取得するデジタルデータDD1,DD2,DD3,DD4,DD5,DD6は、それぞれ、0,36,36,36,36,36を示す。そのため、制御部900は、変換テーブルT10により、If1の電流値が、0(A)であることと、If2〜If6の電流値が、36に対応する7.2(A)であることとを計測する。以下においては、計測されたIf1,If2,If3,If4,If5,If6の値が、それぞれ、0,7.2,7.2,7.2,7.2,7.2である状態を、状態B2ともいう。
上記計測により、制御部900は光源11−1が開放故障したと判断(判定)する。また、光源11−2〜11−6の各々に流れる電流の電流値は、定格電流6(A)より大きい7.2(A)である。そのため、制御部900は、前述の処理と同様、正常光源である光源11−2〜11−6の各々に流れる電流の電流値が定格電流以下になるように、電流供給部100を利用して、駆動電流Ifmの再設定を行う。
例えば、制御部900は、1個の光源11−1が不点灯になったことによる光源部110の発光輝度の低下を極力少なくするように制御を行う。具体的には、制御部900は、例えば、駆動電流Ifmを36(A)から30(A)に変更するように、電流供給部100を制御する。その結果、さらなる故障を誘発することもなく、正常に光源部110を点灯させることができる。
次に、制御部900が、上記処理を行うための処理(以下、駆動電流設定処理ともいう)について説明する。図4は、駆動電流設定処理のフローチャートである。
ステップS110では、計測処理が行われる。計測処理では、制御部900が、ADコンバータ300からデジタルデータDD1〜DD6を取得する(リードする)。
ステップS120では、状態判定処理が行われる。状態判定処理では、制御部900が、デジタルデータDD1〜DD6が示す値から、光源部110の状態が、正常状態、短絡故障発生状態および開放故障発生状態のいずれであるか判定する。デジタルデータDD1〜DD6は、電流検出部140が検出した各電流値に基づくデータである。すなわち、制御部900は、電流検出部140が検出した電流値に基づいて、光源部110に含まれる複数の光源11において故障光源が存在するか否かを判定する故障判定部である。すなわち、状態判定処理は、電流検出部140が検出した電流値に基づいて、光源部110に含まれる複数の光源11において故障光源が存在するか否かを判定する処理である。
正常状態とは、光源11−1〜11−6において、故障している故障光源が存在しない状態である。すなわち、正常状態とは、光源部110に故障光源が存在しない状態である。故障光源とは、故障した光源、すなわち、発光不能な光源である。故障光源は、短絡故障した光源または開放故障した光源である。以下においては、短絡故障した光源を、短絡故障光源ともいう。また、以下においては、開放故障した光源を、開放故障光源ともいう。
具体的には、正常状態とは、変換テーブルT10が示す、デジタルデータDD1〜DD6の値にそれぞれ対応する計測値If1〜If6の値が、0より大きい値であって、かつ、定格電流(6)以下の値である状態である。正常状態は、例えば、前述の状態N1または状態N2である。
短絡故障発生状態とは、光源11−1〜11−6において、短絡故障光源が存在する状態である。具体的には、短絡故障発生状態とは、変換テーブルT10が示す、デジタルデータDD1〜DD6の値にそれぞれ対応する計測値If1〜If6の値の少なくとも1つが、短絡閾値以上である状態である。当該短絡閾値は、短絡故障を判定するための閾値である。短絡閾値は、例えば、20である。短絡故障発生状態は、例えば、前述の状態A1または状態A2である。
開放故障発生状態とは、光源11−1〜11−6において、開放故障光源が存在する状態である。具体的には、開放故障発生状態とは、変換テーブルT10が示す、デジタルデータDD1〜DD6の値にそれぞれ対応する計測値If1〜If6の値の少なくとも1つが0であり、かつ、0以外を示す全ての計測値Ifnが所定範囲値を示す状態である。所定範囲値とは、例えば、0.5〜8までの範囲の値である。開放故障発生状態は、例えば、前述の状態B1または状態B2である。
ステップS120において、光源部110の状態が正常状態であると判定された場合(S130)、再度、ステップS110の処理が行われる。また、ステップS120において、光源部110の状態が短絡故障発生状態であると判定された場合(S131)、処理は、ステップS140に移行する。また、ステップS120において、光源部110の状態が開放故障発生状態であると判定された場合(S132)、処理は、ステップS150に移行する。
ステップS140では、スイッチ制御処理が行われる。スイッチ制御処理では、制御部900が、短絡故障光源に接続されているスイッチ12をオフにする。具体的には、制御部900が、スイッチ制御回路15に対し、短絡故障光源に接続されているスイッチ12へ送信される制御信号SnのレベルをLレベルにする制御を行う。そして、処理はステップS150に移行する。
ここで、一例として、短絡故障光源が光源11−1であるとする。この場合、スイッチ制御処理において、制御部900は、Lレベルの制御信号S1を、スイッチ12−1へ送信するよう、スイッチ制御回路15−1を制御する。スイッチ制御回路15−1は、当該制御に応じて、Lレベルの制御信号S1を、スイッチ12−1へ送信する。スイッチ12−1は、Lレベルの制御信号S1の受信に応じて、オフする。
これにより、短絡故障光源への電流供給が停止されるとともに、電流供給部100は、正常光源である光源11−2〜11−6への電流の供給を維持する。すなわち、短絡故障光源が存在する場合、スイッチ部120は、短絡故障光源への電流供給を停止させるとともに、電流供給部100は、正常光源への持続可能な電流の供給を維持する。
言い換えれば、光源制御装置1000は、故障光源が存在する場合、スイッチ部120を制御することにより、複数の光源11のうち故障光源以外の光源である正常光源への持続可能な電流の供給を維持する。より具体的には、光源制御装置1000は、故障光源が存在し、かつ、該故障光源が所定の故障状態である場合、スイッチ部120を制御することにより、光源部110に含まれる複数の光源11のうち故障光源以外の正常光源への電流の供給を維持する。故障光源が所定の故障状態である場合とは、故障光源が短絡故障している場合である。すなわち、故障光源が所定の故障状態である場合とは、短絡故障光源が存在する場合である。
つまり、スイッチ制御処理は、故障光源が存在し、かつ、該故障光源が所定の故障状態である場合、少なくともスイッチ部120を制御することにより、複数の光源11のうち故障光源以外の光源である正常光源への電流の供給を維持する処理である。すなわち、スイッチ制御処理は、光源制御装置1000が、故障光源が存在する場合、スイッチ部120を制御することにより、光源部110に含まれる複数の光源11のうち故障光源以外の正常光源への持続可能な電流の供給を維持する処理である。
ステップS150では、正常電源に過電流が流れる状態であるか否かが判定される。具体的には、制御部900が、計測した最新の計測値If1〜If6を用いて算出した正常光源の電流値が定格電流より大きいか否かを判定する。ステップS150において、YESならば処理はステップS151へ移行する。一方、ステップS150において、NOならば、再度、ステップS110の処理が行われる。
ここで、一例として、ステップS120において判定された状態が短絡故障発生状態であるとする。また、短絡故障発生状態は、前述の状態A2であるとする。すなわち、短絡故障光源が光源11−1であるとする。この場合、ステップS120において使用された計測値If1,If2,If3,If4,If5,If6の値は、それぞれ、36,0,0,0,0,0である。
この場合、ステップS140によりスイッチ12−1がオフになることにより、制御部900は、正常光源である光源11−2〜11−6の各々に供給される電流の電流値は、36÷5より、7.2(A)と算出する。この場合、正常光源である光源11−2〜11−6の電流値7.2(A)は、定格電流(6(A))より大きい。そのため、ステップS150でYESと判定され、ステップS151の処理が行われる。
ステップS151では、駆動電流再設定処理が行われる。駆動電流再設定処理では、制御部900が、電流供給部100が供給する駆動電流Ifmの電流値を、故障時電流値に設定するように、電流供給部100を制御する。当該故障時電流値は、例えば、定格電流×(故障光源発生時における正常光源の数)で得られる値である。
ここで、故障光源発生時における正常光源の数が5である場合、故障時電流値は、6×5により、30(A)である。この場合、制御部900の制御により、電流供給部100が供給する駆動電流Ifmの電流値は30(A)となり、正常光源である5個の光源11の各々には、6(A)の電流が供給される。すなわち、駆動電流再設定処理により、定格電流を超える電流が正常光源に流れることを防ぐことができる。したがって、正常光源の故障の発生を防止することができる。以上の駆動電流設定処理により、光源制御装置1000は、短絡故障した故障光源が存在し、かつ、正常電源に過電流が流れる状態である場合、スイッチ部120および電流供給部100を制御することにより、光源部110に含まれる複数の光源11のうち故障光源以外の正常光源への電流の供給を維持する。
そして、再度、ステップS110の処理が行われる。
次に、ステップS120において、光源部110の状態が開放故障発生状態であると判定された場合(S132)の処理について説明する。ここで、開放故障発生状態は、前述の状態B2であるとする。すなわち、開放故障光源が光源11−1であるとする。この場合、ステップS120において使用された計測値If1,If2,If3,If4,If5,If6の値は、それぞれ、0,7.2,7.2,7.2,7.2,7.2である。
この場合、正常光源である光源11−2〜11−6の各々に供給される電流の電流値は、7.2(A)であるので、ステップS150でYESと判定され、前述のステップS151の処理が行われる。なお、ステップS151の処理は、前述と同様なので詳細な説明は繰り返さない。ステップS151の処理により、電流供給部100は、正常光源である光源11−2〜11−6への電流の供給を維持する。すなわち、電流供給部100は、開放故障光源が存在する場合、正常光源への電流の供給を維持する。
なお、ステップS150,S151の処理により、電流供給部100は、短絡故障光源または開放故障光源が存在する場合、正常光源へ供給する電流の電流値を所定の定格値(定格電流)以下に制御する。すなわち、光源制御装置1000(制御部900)は、故障光源が存在する場合、電流供給部100を制御することにより、複数の光源11のうち故障光源以外の光源である正常光源への持続可能な電流の供給を維持する。
以上説明したように、本実施の形態によれば、故障判定部としての制御部900が並列接続された複数の光源11において発光不能な故障光源が存在するか否かを判定する。光源制御装置1000は、故障光源が存在する場合、スイッチ部120および電流供給部100の少なくとも一方を制御することにより、複数の光源11のうち故障光源以外の光源である正常光源への持続可能な電流の供給を維持する。
これにより、並列接続された複数の光源11のいずれかが故障しても、光源の発光を維持させることができる。
また、本実施の形態によれば、並列接続された複数の光源11の各々へ電流を供給する経路に、故障検出機能を有する構成と電流を遮断するスイッチ12とを設ける。これにより、故障の検出結果に基づいて、故障した光源11への電流供給の遮断と、正常光源への最適な電流の供給とを実現できる。
また、本実施の形態によれば、並列接続された複数の光源11を含む光源部110において、1個以上の光源11が開放故障しても、他の正常光源に供給する電流を調整する処理が行われる。これにより、使用者に対して良好な状態の光源部を提供することができる。
また、本実施の形態によれば、1個以上の光源11が短絡故障した場合についても、短絡故障した光源11の経路の電流を遮断し、他の正常な光源11に供給する電流を調整する処理が行われる。これにより、使用者に対して良好な状態の光源部を提供することができる。
また、本実施の形態によれば、短絡故障と開放故障が同時に1個以上発生した場合でも、それぞれ上記と同様の制御が行われる。これにより、使用者に対して良好な状態の光源部を提供することができる。
また、本実施の形態によれば、故障検出を行い、故障光源には電流を流さずに、残りの正常光源に最適な電流を供給する。これにより、使用者に故障したことを意識させない、快適な光源制御装置を提供できる。
また、本実施の形態によれば、駆動電流設定処理により、光源11の故障およびその形態を判別され、故障前に供給されていた駆動電流と光源11の定格電流とを考慮した処理が行われる。これにより、光源部110が最適な輝度の光を出射することができる。
そのため、1個以上の光源11が短絡故障した場合でも、短絡故障した光源11の経路への電流を遮断した後、残りの正常光源に適切な電流を供給することができる。そのため、最適な輝度の光源(光源部110)を使用者に提供することができる。また、1個以上の光源11が開放故障した場合でも、残りの正常光源に適切な輝度を得るための電流を供給することができる。したがって、並列接続された複数の光源11の少なくとも1つが故障した場合でも、残りの正常光源の品質を確保しつつ、最適な輝度の光源(光源部110)を使用者に提供することができる。
なお、制御部900が検出した故障情報を、光源制御装置1000を制御する制御用パソコンや液晶表示装置等に、伝達して表示する構成としてもよい。これにより、光源11の故障状態を使用者に開示することができる。その結果、故障した光源11の交換を行うことにより、敏速に、故障する前の光源制御装置1000へ復旧することができる。
なお、前述したように、光源部110に含まれる光源11の数は、6に限定されず、2〜5,7以上であってもよい。
また、本実施の形態では、1個の光源11が、短絡故障または開放故障した場合について説明した。なお、本実施の形態では、2個以上の光源11が故障した場合でも、複数のLEDのうち1個でも正常に動作していれば、同様の効果を得ることができる。さらに、2個以上の光源11の故障形態について、短絡故障が1個、開放故障が2個といったように、2種類の故障形態が同時に複数個発生しても、本実の形態の構成で同様の効果を得ることができる。
なお、前述したように、光源11は、LEDに限定されず、例えば、レーザ等の他の半導体光源であってもよい。
また、本実施の形態で説明した、電流検出回路、ADコンバータの仕様および特性はあくまでも一例であり、同様の効果を得ることができるものであれば、これに限るものではない。また、電流検出回路およびADコンバータの仕様および特性に基づく図3に示した変換テーブルT10の各数値は一例であり、同様の効果を得ることができるのであれば、これに限るものではない。
<実施の形態2>
図5は、本発明の実施の形態2に係る光源制御装置1000Aの構成を示すブロック図である。図5に示すように、光源制御装置1000Aは、図1の光源制御装置1000と比較して、ショート検出部170をさらに備える点と、スイッチ制御回路15−1〜15−6の代わりに電流制限部180を備える点とが異なる。光源制御装置1000Aのそれ以外の構成は、光源制御装置1000と同様なので詳細な説明は繰り返さない。
ショート検出部170は、詳細は後述するが、光源部110に含まれる複数の光源11において短絡故障光源を検出する短絡故障検出部として機能する。ショート検出部170(短絡故障検出部)は、電気回路によるハードウエアで構成される。なお、実施の形態1で説明したように、故障判定部である制御部900は、マイクロコンピュータが実行するソフトウエア(プログラム)で構成される。
ショート検出部170は、ショート検出回路17−1,17−2,17−3,17−4,17−5,17−6を含む。ショート検出回路17−1,17−2,17−3,17−4,17−5,17−6の一端は、それぞれ、光源11−1,11−2,11−3,11−4,11−5,11−6の他端と電気的に接続される。ここで、光源11−1,11−2,11−3,11−4,11−5,11−6の他端の電圧(電圧レベル)を、VC1,VC2,VC3,VC4,VC5,VC6とも表記する。すなわち、ショート検出回路17−1,17−2,17−3,17−4,17−5,17−6は、それぞれ、電圧VC1,VC2,VC3,VC4,VC5,VC6を監視する。
以下においては、ショート検出回路17−1,17−2,17−3,17−4,17−5,17−6の各々を、単に、ショート検出回路17とも表記する。また、以下においては、電圧VC1,VC2,VC3,VC4,VC5,VC6の各々を、単に、電圧VCn(n:自然数)とも表記する。
各ショート検出回路17は、電圧VCnのレベルの変動を監視することにより、当該ショート検出回路17に接続される光源11のショート(短絡故障)を検出する。例えば、ショート検出回路17−1は、電圧VC1に基づいて、光源11−1がショートしている(短絡故障している)か否かを判定(検出)する。
また、ショート検出回路17−1,17−2,17−3,17−4,17−5,17−6は、それぞれ、ショート検出信号SD1,SD2,SD3,SD4,SD5,SD6を出力する。以下においては、ショート検出信号SD1,SD2,SD3,SD4,SD5,SD6の各々を、単に、ショート検出信号SDn(n:自然数)とも表記する。ショート検出回路17は、対応する光源11が正常に動作している場合、ショート検出信号SDのレベルをHレベルとする。ショート検出回路17は、対応する光源11のショート(短絡故障)を検出した場合、ショート検出信号SDnのレベルをLレベルとする。例えば、ショート検出回路17−1は、光源11−1がショート(短絡故障)していることを検出した場合、Lレベルのショート検出信号SD1を出力する。
電流制限部180は、詳細は後述するが、スイッチ部120に対し、複数の光源11へ過電流が供給されることを制限(防止)する制御を行う。少し具体的には、電流制限部180は、正常光源へ供給される電流の電流値が所定の定格値以下になるようスイッチ部120を制御する。
電流制限部180は、電流制限回路18−1,18−2,18−3,18−4,18−5,18−6を含む。電流制限回路18−1,18−2,18−3,18−4,18−5,18−6は、それぞれ、ショート検出信号SD1,SD2,SD3,SD4,SD5,SD6を受信する。
また、電流制限回路18−1,18−2,18−3,18−4,18−5,18−6は、それぞれ、スイッチ12−1,12−2,12−3,12−4,12−5,12−6のゲート端子と接続される。
また、電流制限回路18−1,18−2,18−3,18−4,18−5,18−6は、それぞれ、電流検出回路14−1,14−2,14−3,14−4,14−5,14−6と接続される。これにより、電流制限回路18−1,18−2,18−3,18−4,18−5,18−6は、それぞれ、電流検出信号VD1,VD2,VD3,VD4,VD5,VD6を受信する。
以下においては、電流制限回路18−1,18−2,18−3,18−4,18−5,18−6の各々を、単に、電流制限回路18とも表記する。電流制限回路18は、ショート検出信号SDnおよび電流検出信号VDnに基づいて、対応するスイッチ12のオン・オフ(ゲート電圧)を制御する。例えば、電流制限回路18−1は、ショート検出回路17−1からのショート検出信号SD1と、電流検出回路14−1からの電流検出信号VD1とに基づいて、スイッチ12−1のオン・オフ(ゲート電圧)を制御する。
次に、ショート検出回路17の動作について詳細に説明する。ここで、光源11のアノード(電線EL1)の電位をVAとし、光源11の順方向の降下電圧をVfとする。この場合、電圧VCnは、以下の式6によって表される。
VCn=VA―Vf …(式6)
ここで、仮に、光源11−1が短絡故障したとする。この場合、光源11−1の降下電圧Vf=0となる。そのため、ショート検出回路17−1が検出する電圧VC1は、(VA−Vf)からVAに変化する。ショート検出回路17−1は、電圧VC1が、(VA−Vf)からVAに変化した場合、ショート検出回路17−1に接続される光源11−1が短絡故障したことを検出する。なお、ショート検出回路17−2〜17−6の各々も、上記ショート検出回路17−1と同様に、対応する光源11の短絡故障を検出する。すなわち、ショート検出回路17−1〜17−6を含むショート検出部170は、光源部110に含まれる複数の光源11において短絡故障光源を検出する短絡故障検出部である。
次に、光源制御装置1000Aが行う処理(以下、光源制御処理Aともいう)について説明する。また、実施の形態1で説明した光源制御装置1000が行う処理を、光源制御処理Nともいう。詳細は後述するが、光源制御処理Aは、光源制御処理Nと比較して、光源11が短絡故障した場合、制御部900を利用せず、ハードウェアによる構成でスイッチ12の制御を行う点が異なる。なお、本実施の形態において、開放故障光源が存在するか否かの判定の処理と、開放故障光源が存在する場合における処理等は、実施の形態1の処理と同様に、故障判定部としての制御部900が行う。
故障光源が存在せず、各光源11が正常状態である場合、各光源11には、制御部900からの設定に従った駆動電流Ifnが供給される。そのため、光源11の定格電流6(A)より大きい電流値の電流が、検出抵抗13−1〜13−6に流れることはない。
しかし、少なくとも1つの光源11が短絡故障した場合には、実施の形態1で説明した場合と同様に、短絡故障光源の経路に、電流が集中する。そのため、電流供給部100から供給される駆動電流Ifの電流値によっては、短絡故障光源に6(A)より大きい電流値の電流が流れる場合がある。
例えば、駆動電流Ifmの電流値が36(A)であり、かつ、光源11−1が短絡故障したとする。この場合、検出抵抗13−1には36(A)の電流が流れる。この時、電流制限回路18−1は、電流検出回路14−1から受信する電流検出信号VD1の電圧レベルに応じて、If1が6(A)になるように、スイッチ12−1のゲート電圧を制御する。ここで、If1は、スイッチ12−1のドレイン−ソース間の電流である。
また、ショート検出回路17−1は、電圧VC1のレベルが、(VA−Vf)からVAと変化することにより、光源11−1が短絡故障したと判断する。すなわち、ショート検出回路17−1を含むショート検出部170(短絡故障検出部)は、短絡故障した故障光源を検出する。そして、ショート検出回路17−1は、Lレベルのショート検出信号SD1を、電流制限回路18−1へ送信する。
電流制限回路18−1は、ショート検出信号SD1のレベルが“L”になったことを検知すると、制御信号S1のレベルを“L”に制御し、スイッチ12−1をオフする。これにより、電流制限回路18は、短絡故障した光源11−1の経路への電流の供給を停止(遮断)させる。すなわち、スイッチ12−1を含むスイッチ部120は、ショート検出部170(短絡故障検出部)の検出に応答して短絡故障した故障光源への電流供給を停止させる。
この場合、駆動電流Ifmの電流値は36(A)のため、仮に、電流制限回路18が存在しない場合、残りの各正常光源には、定格電流を超える7.2(A)の電流が供給される。
しかしながら、光源制御装置1000Aには、電流制限回路18が設けられる。これにより、各電流制限回路18の働きにより、各正常光源に流れる電流は、6(A)の電流に制限される。すなわち、電流制限回路18−1を含む電流制限部180は、正常光源へ供給される電流の電流値が所定の定格値(定格電流)以下になるようスイッチ部120を制御する。つまり、電流制限部180は、正常光源へ供給される電流の電流値が所定の定格値以下になるための制御を行う。言い換えれば、電流制限部180は、スイッチ部120に対し、複数の光源11へ過電流が供給されることを制限(防止)する制御を行う。
そのため、各正常光源に定格電流以下の電流値の電流を継続して供給することできる。すなわち、各正常光源に過電流が供給されることを防ぐことができる。したがって、正常光源の故障を防ぐことも可能である。
以上の構成により、短絡故障光源が存在する場合、スイッチ部120は、短絡故障光源への電流供給を停止させるとともに、電流供給部100は、正常光源への電流の供給を維持する。言い換えれば、光源制御装置1000Aは、短絡故障光源が存在する場合、スイッチ部120を制御することにより、光源部110に含まれる複数の光源11のうち故障光源以外の正常光源への持続可能な電流の供給を維持する。
次に、図を用いて、電流制限回路18の動作について説明する。
図6は、電流制限回路18の動作と、検出抵抗13に流れる電流Ifnと、電流検出信号VDnとの関係の一例を示したテーブルT20である。テーブルT20に示すように、Ifnが6(A)以下の場合、すなわち、光源11が正常に動作している場合、電流制限回路18は、スイッチ12のゲート電圧を制御しない。一方、Ifnが6(A)より大きくなった場合、電流制限回路18は、ゲート電圧を制御する。
図7は、電流制限回路18の構成の一例を示す図である。電流制限回路18は、抵抗R10,R11,R12と、トランジスタTR1とを含む。トランジスタTR1は、バイポーラトランジスタである。
抵抗R10は、電源P10と、ノードN1との間に設けられる。ノードN1は、スイッチ12のゲートに接続される。電源P10は、Hレベルの電圧を供給する電源である。
トランジスタTR1は、ノードN1と、電線EL2との間に設けられる。トランジスタTR1のコレクタ端子は、ノードN1と接続される。トランジスタTR1のエミッタ端子は、電線EL2と接続される。
抵抗R11および抵抗R12の一端は、トランジスタTR1のベース端子に接続される。抵抗R11の他端は、電流検出回路14と接続される。トランジスタTR1のベース端子は、電流検出回路14から、抵抗R11を介して、電流検出信号VDnを受信する。
また、抵抗R12の他端は、電線EL2と接続される。
以上の構成により、電流制限回路18は、電流検出信号VDnのレベルに応じて、制御信号Snを、スイッチ12のゲートへ供給する。抵抗R11および抵抗R12の抵抗値は、スイッチ12のドレイン−ソース間に流れる電流の電流値を6(A)以下に制限する値に設定される。すなわち、電流制限回路18は、電流検出信号VDnのレベルに応じて、スイッチ12のドレイン−ソース間に流れる電流の電流値を6(A)以下に制限するよう、スイッチ12のゲート電圧を設定する構成を有する。
また、電流制限回路18は、さらに、ショート検出回路17のショート検出信号SDnのレベルに応じて、スイッチ12のゲート電圧のレベルを“L”にする。これにより、スイッチ12をオフにすることも可能な構成を有する。
すなわち、実施の形態2の光源制御装置1000Aは、制御部900を利用せずに、短絡故障を検知し、当該短絡故障した光源の経路のスイッチ12をオフする機能と、各光源12に対して電流制限回路18を追加した構成を有する。この構成により、短絡故障した光源12に集中して電流が流れることを防ぐとともに、他の正常な光源に継続して定格電流以下の電流を供給することができる。
また、光源制御装置1000Aは、実施の形態1で説明した図4の処理も、他の処理とは独立して行う。これにより、光源制御装置1000Aは、制御部900が、必要に応じて、電流供給部100が供給する電流の電流値を再設定する。これにより、実施の形態1と同様、本実施の形態では、故障光源が発生したとしても、最適な輝度の光を出射する光源(光源部110)を使用者に提供することができる。
さらに、開放故障光源が発生した場合でも、光源制御装置1000Aの構成は有効である。例えば、仮に、電流制限回路18を設けていない構成において、実施の形態1で説明したように、1個の光源11が開放故障して、残りの各正常光源に、定格電流より大きい7.2Aの電流が供給される状況が発生したとする。この場合でも、光源制御装置1000Aは、電流制限回路18を有するため、各電流制限回路18の効果により、正常光源に流れる電流の電流値を、定格電流6(A)以下に制限することができる。したがって、残りの各正常光源の故障を防ぐことができる。
なお、本実施の形態では、開放故障光源が発生した場合でも、短絡故障が発生した場合と同様に、制御部900が、必要に応じて、電流供給部100が供給する電流の電流値を再設定してもよい。これにより、開放故障光源が発生したとしても、最適な輝度の光を出射する光源(光源部110)を、使用者に提供することができる。
実施の形態2に係る光源制御装置1000Aは以上のように構成される。そのため、実施の形態1で説明した電流値を制御部900が常時観測して開放故障を検知して制御する方法と、ハードウェア的に故障を検知して制御する方法とを組み合わせることができる。
これにより、光源の故障が起こった際に即時に故障した光源への電流の供給を遮断すると同時に、電流制限回路18により残りの正常光源に過大な電流が流れることを防ぐことができる。なお、故障検出後は、電流供給部100を制御することにより、各光源11に対する最適な電流を再設定する。これにより、光源11の故障が起こった場合においても、より信頼性が高く、使い勝手の良い光源制御装置を実現することができる。
なお、本実施の形態においても、実施の形態1と同様、光源部110に含まれる光源11の数は、6に限定されず、2〜5,7以上であってもよい。
また、本実施の形態で示した第2のスイッチ制御回路の構成は、あくまでも一例であり、同様の効果を得ることができるのであれば、これに限るものではない。
また、本実施の形態で示した電流制限回路18の仕様は、1個の光源11の定格電流が6(A)の場合を想定した一例であり、同様の効果を得ることができるのであれば、これに限るものではない。また、当然のことながら定格電流が6(A)以外の場合でも、電流制限回路18の仕様を適切に設定することにより、同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態では、1個の光源11が短絡故障した場合について述べたが、2個以上の光源11が短絡故障した場合でも、複数の光源11のうち、少なくとも1個の光源11が正常に動作していれば、同様の効果を得ることができる。さらに、2個以上の光源11の故障形態について、短絡故障が1個、開放故障が2個といったように、2種類の故障形態が同時に複数個発生しても、本実施の形態の構成で同様の効果を得ることができる。
なお、光源制御装置1000Aは、電流制限回路18の代わりに電流制限回路18Aを備えてもよい。電流制限回路18Aは、スイッチ制御回路15の構成と、スイッチ制御回路15によるスイッチ制御の構成とを組み合わせた構成である。
図8は、電流制限回路18Aの構成の一例を示す図である。図8を参照して、電流制限回路18Aは、図7の電流制限回路18と比較して、さらに、スイッチ制御回路15および論理回路50を含む点と、制御信号Snの代わりに制御信号Snaを、スイッチ12のゲートへ与える点とが異なる。それ以外の電流制限回路18Aの構成は、電流制限回路18と同様なので詳細な説明は繰り返さない。
スイッチ制御回路15は、図1の構成と同様に、制御部900と接続される。論理回路50は、ショート検出信号SDnと、制御部900からの制御信号Snとを受信する。論理回路50の出力端子はノードN1と接続される。
論理回路50は、ショート検出信号SDnおよび制御信号Snの少なくとも一方のレベルが“L”である場合、Lレベルの信号を出力する。この場合、スイッチ12のゲートは、Lレベルの制御信号Snaが印加され、スイッチ12はオフする。
一方、論理回路50は、ショート検出信号SDnおよび制御信号Snの少なくとも一方のレベルが“H”である場合、Hレベルの信号を出力する。すなわち、論理回路50が、制御部900からHレベルの制御信号Snを受信している場合、電流制限回路18Aは、図7の電流制限回路18と同様な処理を行う。
以上の構成により、電流制限回路18Aは、制御部900を利用したソフトウェアによる制御と、ハードウェアによる制御の両方で制御を行うように構成されたものである。光源制御装置1000Aが、電流制限回路18の代わりに、上記構成の電流制限回路18Aを備えることにより、当該光源制御装置1000Aは、光源11の短絡故障時の制御を、より精度の良いものとすることができる。
(その他の変形例)
以上、本発明に係る光源制御装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、これら実施の形態に限定されるものではない。本発明の主旨を逸脱しない範囲内で、当業者が思いつく変形を本実施の形態に施したものも、本発明に含まれる。つまり、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
また、光源制御装置1000,1000Aは、図1または図5に示される全ての構成要素を含まなくてもよい。すなわち、光源制御装置1000,1000Aは、本発明の効果を実現できる最小限の構成要素のみを含めばよい。
また、本発明は、光源制御装置1000,1000Aが備える特徴的な構成部の動作をステップとする光源制御方法として実現してもよい。また、本発明は、そのような光源制御方法に含まれる各ステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現してもよい。また、本発明は、そのようなプログラムを格納するコンピュータ読み取り可能な記録媒体として実現されてもよい。また、当該プログラムは、インターネット等の伝送媒体を介して配信されてもよい。
上記実施の形態で用いた全ての数値は、本発明を具体的に説明するための一例の数値である。すなわち、本発明は、上記実施の形態で用いた各数値に制限されない。
また、本発明に係る光源制御方法は、図4の処理の一部または全てに相当する。本発明に係る光源制御方法は、図4における、対応する全てのステップを必ずしも含む必要はない。すなわち、本発明に係る光源制御方法は、本発明の効果を実現できる最小限のステップのみを含めばよい。例えば、本発明に係る光源制御方法は、図4のステップS120、S140のみで構成されてもよい。
また、光源制御方法における各ステップの実行される順序は、本発明を具体的に説明するための一例であり、上記以外の順序であってもよい。また、光源制御方法におけるステップの一部と、他のステップとは、互いに独立して並列に実行されてもよい。
なお、光源制御装置1000,1000Aの各構成要素の一部は典型的には集積回路であるLSI(Large Scale Integration)として実現されてもよい。例えば、光源制御装置1000において、制御部900、スイッチ部120、電流検出部140およびスイッチ制御回路15−1〜15−6は、集積回路として実現されてもよい。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。