JP6066587B2 - 基板の検査方法、検査プログラム、および検査装置 - Google Patents

基板の検査方法、検査プログラム、および検査装置 Download PDF

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Description

本発明は、検査手順データにしたがい、基板の検査対象範囲を撮像して画像データを求め、画像データを画像認識して基板の合否を判定する検査方法、検査プログラム、および検査装置に関する。
多数の部品が実装された基板を生産する基板用作業装置として、はんだ印刷装置、部品装着装置、リフロー装置、基板検査装置などがあり、これらを基板搬送装置で連結して基板生産ラインを構築する場合が多い。このうち基板検査装置には、基板のはんだ印刷パターンを検査するはんだ印刷検査装置や、基板の部品実装状態を検査する基板外観検査装置などが有る。これらの基板検査装置は、検査カメラを備えて検査対象基板を撮像し、画像データを画像認識して合否判定するのが一般的である。検査項目および検査順序は、検査手順データとして予め設定されており、検査に必要とされる他の事項も検査手順データに含まれている。
さらに、基板の検査対象範囲が広い場合や、精細な分解能が必要とされる場合には、検査対象範囲を複数の撮像範囲に分割する画面割りデータを検査手順データに含み、複数の画像データを用いて合否判定することも一般的になっている。また、はんだ印刷検査装置では、印刷されたはんだの配置や、その許容誤差範囲などの判定基準が検査手順データに含まれる。一方、基板外観検査装置では、基板に既に実装された各部品の形状、配置、検査項目、および判定基準などが検査手順データに含まれる。
このような検査手順データは、既知のデータに基づき、コンピュータのプログラムにより自動生成されるようになってきている。既知のデータとしては、生産する基板や部品の大きさおよび形状、基板上のはんだや部品の配置などの設計で定まるデータや、予め初期設定した許容誤差範囲などの判定基準などがある。検査手順データの自動生成に際しては、検査所要時間が短くなるように最適化のシミュレーションを行っている場合が多い。
この種の検査手順データを設定する技術の例が、特許文献1のプリント基板の検査プログラム設定方法に開示されている。特許文献1の検査プログラム設定方法は、複数の検査プログラム(本発明の検査手順データに類似)により所定数のプリント基板について検査を実行して、検査結果の統計処理から検査内容に最適の検査プログラムを決定することを特徴としている。また、合格および不合格が判定済みの所定数のプリント基板の計測値の分布パターンから、合格と不合格とが最も分離している検査プログラムを決定することが好ましいとされている。さらに、各分布パターンの間の特定位置に合否判定の閾値を設定することが好ましいとされている。これにより、検査プログラムの決定を自動的に実行させることができ、オペレータの勘に左右されず経験に頼ることもなく、検査プログラムの設定の時間を短縮できる、と記載されている。
また、本願出願人は、対基板作業結果検査装置の技術例を特許文献2に開示している。この検査装置は、検査作業装置と、決定された作業手順(検査手順)にしたがって検査作業装置を作動させる検査制御装置とを含み、回路基板に対して行われた作業の情報に基づいて作業手順(検査手順)を決定することを特徴としている。これにより、検査対象や検査順序を含む作業手順(検査手順)を変更でき、効率的でフレキシブルな検査作業を行うことができる。例えば、装着不良率の高い装着ノズルを用いて部品を装着した基板や、長期にわたり使用しているフィーダ式部品供給装置が関与した基板などを部品装着不良のおそれがある検査対象に選定することにより、短時間で効率良く検査作業を行える。
特開平10−327000号公報 特開2003−124699号公報
ところで、基板の検査対象範囲を複数の撮像範囲に分割して複数の画像データにより基板の合否を判定する場合に、分割方法の巧拙により検査所要時間が大きく変化する。つまり、撮像カメラによる撮像動作と判定部による画像認識動作とは並行動作が可能であるため、両動作が時間的に無駄なく並行して行われると検査所要時間が短縮される。このためには、各撮像範囲の画像認識時間が均一に揃っていることが好ましい。仮に、判定部が特定の画像データの認識に極端な長時間を要すると、撮像カメラは撮像動作により次の画像データを得ても判定部に転送できず、画像認識の終了を待つ状態に陥る。また仮に、判定部が特定の画像データの認識を極端に短時間で済ませてしまうと、撮像カメラの撮像動作が終了していないため、次の画像データの転送を待つ状態に陥る。
これに対して、特許文献1の技術は、検査の合否判定精度を向上することを目的としており、検査所要時間についての考慮はなされていない。また、基板生産ラインの現場では合格および不合格が判定済みの所定数のプリント基板が常に確保されているとは限らず、適用範囲が限定される。さらに、特許文献2の技術においても、基板の検査対象範囲を複数の撮像範囲に分割する点に関しての技術開示はしていない。
また、既知のデータを与えることで検査所要時間が短くなるように検査手順データを自動生成するプログラムでは、実際には厳密なシミュレーションを行うことが難しい。この原因として、部品の背景となる基板の色のばらつきや、部品の色のばらつき、部品の寸法公差、リード部の変形などが挙げられる。このため、基板生産ラインで検査を実行してみると、検査手順データが必ずしも最適でなく、予想以上に検査所要時間がかかってしまう場合がある。このような場合、実行結果に基づいて、検査員が検査手順データを修正することになる。
また、厳密なシミュレーションが難しい原因の一つとして、画像認識時間が撮像範囲の広狭だけで決まらない点を挙げることができる。撮像カメラによる撮像動作では、カメラの移動時間や撮像時の露光時間、データ転送時間などに大きなばらつきは生じないが、判定部による画像認識では、画像データの複雑さにより画像認識時間が大きく変化する。特に、基板外観検査装置では、各部品の複雑さに依存して部品認識時間が大きく変化し、シミュレーション精度を低下させている。また、はんだ印刷検査装置でも、印刷のムラなどがシミュレーション精度を低下させる要因になっている。
さらに、基板外観検査装置では、部品ごとの検査項目を行って合否を判定するために、可変の画像認識パラメータを検査手順データの一部に設定するのが一般的であり、この設定の巧拙によって部品ごとの認識時間(部品認識時間)が変化する。したがって、検査手順データの一部として検査員に初期設定された画像認識パラメータが適正でないと、検査手順データを自動生成するプログラムが十分な性能を発揮できなくなる。画像認識パラメータとしては、部品の形状データおよび許容誤差、部品および基板の色情報、画像認識アルゴリズム、極性検査設定方法などがある(これらは実施形態にて詳述する)。
上述した画像認識パラメータの設定が適正でないと、特定の部品の認識時間が長引いて検査所要時間のボトルネック(隘路)になってしまう。ただし、例えばCPUの機能を果たすLSI部品などのように部品自体が大形かつ複雑な形状をしていて、当然に大きな部品認識時間が必要となっている場合もあり、改善余地の有無を判別することが難しい。また、どのように画像認識パラメータを変更したら改善効果が大きくなるかという点に関しては、ノウハウ的な要素が大きい。したがって、画像認識パラメータを適正化するために熟練の検査員に頼る面があり、これに適した検査手順データの設定方法を用いることが重要である。
本発明は、上記背景技術の問題点に鑑みてなされたもので、基板の検査対象範囲を複数の撮像範囲に分割して複数の画像データにより基板の合否を判定する場合に、現実に則して検査所要時間を短縮化できる基板の検査方法、検査プログラム、および検査装置を提供することを解決すべき第1の課題とする。加えて、基板外観検査装置で各部品の合否を判定するために可変の画像認識パラメータを設定する場合に、部品認識時間を効率的に短縮し、これをもって基板の検査所要時間を短縮する基板の検査方法を提供することを第2の課題とする。
上記課題を解決する請求項1に係る基板の検査方法の発明は、検査対象となる基板の少なくとも検査項目および検査順序を設定した検査手順データにしたがい、前記基板の検査対象範囲を撮像カメラにより撮像して画像データを求め、前記画像データを画像認識して前記基板の合否を判定する基板の検査方法であって、前記基板の検査対象範囲を複数の撮像範囲に分割する画面割りデータを含んだ初期の検査手順データを設定する初期設定ステップと、前記初期の検査手順データにしたがい、前記基板の前記複数の撮像範囲をそれぞれ撮像して画像データを求め画像認識する試行検査を行うとともに、各前記撮像範囲の画像データの画像認識にそれぞれ要した画像認識時間を記憶する試行検査ステップと、記憶した画像認識時間に基づいて、各前記撮像範囲の画像認識時間を均一化するように、前記初期の検査手順データを修正して最終的な検査手順データを決定する最終決定ステップとを有する。
請求項2に係る発明は、請求項1において、前記基板に複数の部品が既に実装され、前記初期の検査手順データに各前記部品の形状、配置、および検査項目が含まれており、前記初期設定ステップで、前記複数の部品を前記複数の撮像範囲に割り振る画面割りデータを含んだ初期の検査手順データを設定し、前記試行検査ステップで、各前記撮像範囲の画像認識時間を前記部品ごとの部品認識時間に細分して記憶し、前記最終決定ステップで、記憶した部品認識時間に基づいて、前記画面割りデータを修正して前記最終的な検査手順データを決定する。
請求項3に係る発明は、請求項2において、前記最終決定ステップは、前記記憶した部品認識時間に基づいて、前記複数の部品の前記複数の撮像範囲への割り振りを修正して各前記撮像範囲の画像認識時間をシミュレーションするシミュレーション実施ステップと、各前記撮像範囲の画像認識時間が最も均一化された最適なシミュレーション結果に基づいて、前記最終的な検査手順データを決定するシミュレーション反映ステップとを含む。
請求項4に係る発明は、請求項2または3において、前記初期設定ステップは、各前記部品の検査項目を行うために必要となる可変の画像認識パラメータを前記初期の検査手順データの一部に設定するパラメータ設定ステップを含み、前記試行検査ステップは、前記部品認識時間が長い順番にしたがい前記複数の部品の名称を並べ替えて提示するボトルネック提示ステップを含み、前記最終決定ステップは、前記部品認識時間が長い部品について、前記画像認識パラメータを変更し、あるいは前記検査項目を変更または削除することで前記部品認識時間を短縮する部品認識改善ステップを含む。
請求項5に係る発明は、請求項4において、前記ボトルネック提示ステップで、前記部品の名称および前記部品認識時間に連動させて前記部品の形状、配置、検査項目、および前記画像認識パラメータの少なくとも一部を検査員に向けて表示する。
請求項6に係る発明は、請求項2〜5のいずれか一項において、前記試行検査ステップを複数回行って、前記複数の部品のそれぞれについて複数個の部品認識時間を記憶し、前記最終決定ステップで、記憶した複数個の部品認識時間に基づいて、前記複数の部品の前記複数の撮像範囲への割り振りを修正して前記最終的な検査手順データを決定する。
請求項7に係る発明は、請求項1において、前記試行検査ステップで用いる基板は、検査員によって合格と判定された正常基板である。
請求項8に係る発明は、請求項2〜6のいずれか一項において、前記試行検査ステップで用いる基板は、検査員によって合格と判定された正常基板であり、前記試行検査ステップと前記最終決定ステップとの間にティーチングステップをさらに有し、前記試行検査ステップで、前記正常基板の前記撮像範囲の画像データから各前記部品単位の部品画像データを求め、前記ティーチングステップで、正常な実装状態を画像認識できた部品の前記部品画像データを判定基準として検査手順データに登録し、正常な実装状態を画像認識できない部品が生じた場合には画像認識ができるように前記部品画像データを編集し判定基準として検査手順データに登録する。
請求項9に係る発明は、請求項1〜8のいずれか一項において、前記試行検査ステップから前記最終決定ステップまでを繰返して複数回行う。
請求項10に係る発明は、請求項1〜9のいずれか一項に記載した前記各ステップをコンピュータに実行させるための基板の検査プログラムである。
請求項11に係る基板の検査装置の発明は、検査対象となる基板の少なくとも検査項目および検査順序を設定した検査手順データにしたがい、前記基板の検査対象範囲を撮像カメラにより撮像して画像データを求め、前記画像データを画像認識して前記基板の合否を判定する基板の検査装置であって、前記基板の検査対象範囲を複数の撮像範囲に分割する画面割りデータを含んだ初期の検査手順データを設定する初期設定手段と、前記初期の検査手順データにしたがい、前記基板の前記複数の撮像範囲をそれぞれ撮像して画像データを求め画像認識する試行検査を行うとともに、各前記撮像範囲の画像データの画像認識にそれぞれ要した画像認識時間を記憶する試行検査手段と、記憶した画像認識時間に基づいて、各前記撮像範囲の画像認識時間を均一化するように、前記初期の検査手順データを修正して最終的な検査手順データを決定する最終決定手段とを有する。
請求項1に係る基板の検査方法の発明では、画面割りデータを含んだ初期の検査手順データにしたがって試行検査を行い、各撮像範囲の画像データの画像認識にそれぞれ要した画像認識時間に基づいて、各撮像範囲の画像認識時間を均一化するように最終的な検査手順データを決定する。したがって、試行検査における現実の検査所要時間に則して、画面割りデータを始めとする初期の検査手順データを修正し、基板の量産に使用する最終的な検査手順データを決定できる。これにより、各撮像範囲の実際の画像認識時間を均一化できるので、撮像カメラによる撮像動作と判定部による画像認識動作とを並行して効率よく実施でき、基板量産時の検査所要時間を短縮化できる。
請求項2に係る発明では、基板に複数の部品が既に実装されており、画面割りデータは複数の部品を複数の撮像範囲に割り振るデータとされており、試行検査における現実の部品認識時間に則して画面割りデータを修正する。したがって、試行検査における各撮像範囲の画像認識時間のばらつきに対応して複数の部品の割り振り方を適切に修正し、ばらつきを解消した最終的な検査手順データを決定できる。これにより、基板量産時の各撮像範囲の実際の画像認識時間を均一化でき、部品を実装した基板の検査所要時間を短縮化できる。
請求項3に係る発明では、部品認識時間に基づいて複数の部品の割り振りを修正する際に、各撮像範囲の画像認識時間をシミュレーションして最終的な検査手順データを決定する。したがって、複数の部品の割り振り方が確実に適正化され、最終的な検査手順データが最適化される。これにより、基板量産時の各撮像範囲の画像認識時間を最適に均一化でき、検査所要時間を顕著に短縮化できる。
請求項4に係る発明では、各部品の検査項目を行うために必要となる可変の画像認識パラメータを初期設定し、試行検査で部品認識時間が長い順番にしたがい複数の部品の名称を並べ替えて提示し、部品認識時間が長い部品について画像認識パラメータを変更し、あるいは検査項目を変更または削除することで部品認識時間を短縮する。これにより、基板外観検査装置で、ボトルネック(隘路)になっている部品に着目して部品認識時間を効率的に短縮できる。ひいては、基板量産時の検査所要時間を短縮化できる。
請求項5に係る発明では、ボトルネックになっている部品の名称および部品認識時間に連動させて部品の形状、配置、検査項目、および画像認識パラメータの少なくとも一部を検査員に向けて表示する。これにより、熟練した検査員のノウハウが十分に活用され、短時間で効率よく画像認識パラメータを適正化できる。
請求項6に係る発明では、試行検査を複数回行い、複数の部品のそれぞれの複数個の部品認識時間に基づいて、複数の部品の複数の撮像範囲への割り振りを修正する。試行検査を複数回繰返して行い、部品認識時間の統計的なばらつきを把握することで、最終的な検査手順データの適正化を確実に行える。なお、複数の基板を用いた試行検査では基板の個体差を把握でき、同じ基板を複数回用いた試行検査では、撮像から画像認識を経て合否判定に至るプロセスの繰り返し誤差を把握できる。
請求項7に係る発明では、試行検査ステップで、検査員によって合格と判定された正常基板を用いる。したがって、基板量産時に大多数を占める正常基板に対して最終的な検査手順データが適正化され、検査所要時間を顕著に短縮化できる。仮に、不合格と判定された異常基板、あるいは判定されていない未判定基板を用いた場合には、異常箇所に対するイレギュラーな画像認識などで画像認識時間や部品認識時間が例外的なものとなり、最終的に検査手順データを適正化できないおそれが生じる。
請求項8に係る発明では、ティーチングステップにより、部品の正常な実装状態を示す部品画像データに基づいて、合否の判定基準を検査手順データに登録する。したがって、試行検査以前の既知データのみにより設定した判定基準と比較して、現実に則した好ましい判定基準を用いることができ、合否の判定精度が向上する。
請求項9に係る発明では、試行検査ステップから最終決定ステップまでを繰返して複数回行うので、検査手順データが漸次改善され、確実に適正化できる。
請求項10に係る発明では、請求項1〜9のいずれか一項に記載した各ステップがコンピュータにより実行されるので、検査員の手間を煩わせることなく最終的な検査手順データを適正化できる。
請求項11に係る基板の検査装置の発明では、請求項1と同様に、各撮像範囲の実際の画像認識時間を均一化でき、基板量産時の検査所要時間を短縮化できる。本発明は、検査方法および検査装置のいずれでも実施することができる。
第1実施形態の基板の検査方法を実施する基板生産ラインを模式的に示した図である。 第1実施形態の基板の検査方法を説明するフローチャートの図である。 画面割りデータを例示説明する基板の平面図である。 第2実施形態の基板の検査方法を説明するフローチャートの図である。 第3実施形態の基板の検査方法を説明するフローチャートの図である。 第4実施形態の基板の検査方法を説明するフローチャートの図である。 第5実施形態の基板の検査方法を説明するフローチャートの図である。 第5実施形態で検査対象になる基板の一例を示す平面図である。 ボトルネック提示ステップで、ライン管理用PCに提示された内容を例示した図である。 ボトルネック提示ステップで、ライン管理用PCに表示されている特定の部品の上にマウスポインタを置いたときの表示内容を例示した図である。
本発明の第1実施形態の基板の検査方法について、図1〜図3を参考にして説明する。図1は、第1実施形態の基板の検査方法を実施する基板生産ライン1を模式的に示した図である。基板生産ライン1は、基板用作業装置としてのはんだ印刷装置2、はんだ印刷検査装置3、部品装着装置4、基板外観検査装置5、リフロー装置6、およびライン管理用PC7により構成されている。はんだ印刷装置2からリフロー装置6までは、記載した順番に列設配置されており、基板を下流側に搬送する基板搬送装置81〜84で連結されている。
はんだ印刷装置2は、搬入された基板の所定位置にペースト状のはんだを印刷する。はんだ印刷検査装置3は、はんだ印刷装置2から搬送された基板のはんだ印刷状態を検査する。部品装着装置4は、はんだ印刷検査装置3から搬送された基板のはんだ上に部品を装着する。基板外観検査装置5は、部品装着装置4から搬送された基板の部品実装状態を検査する。リフロー装置6は、基板外観検査装置5で正常と判定された基板のはんだを再び溶融させた後に固化して、最終的に部品の実装を完了させる。
ライン管理用PC7は、CPUを内蔵してプログラムで動作するコンピュータであり、上述した各装置2〜6と通信線71で接続されて、各装置2〜6の動作状況を総括的に管理する。ライン管理用PC7の設置箇所は、各装置2〜6の傍らであってもよく、離れた別の場所であってもよい。なお、通信線71に代えて、無線通信手段を用いるようにしてもよい。また、図示される基板生産ライン1の構成は一例であって、公知の様々な形態のライン構成、例えば複数の部品装着装置を備えるライン構成であっても本発明を実施できる。
本発明の第1実施形態の基板の検査方法は、基板外観検査装置5を用いて行われる。基板外観検査装置5の検査動作は、内蔵するコンピュータとライン管理用PC7との協業により実行制御される。基板外観検査装置5は、例えば、所定の部品が所定の座標位置に装着されているか、部品は逆向きや傾斜していないか、部品ボディに対するリード部の相対位置は適正かなどを検査する。基板外観検査装置5は、検査手順データにしたがって動作し、撮像カメラを用いて検査対象範囲を撮像し画像データを得る撮像動作と、コンピュータが画像データを画像認識する画像認識動作とを並行して行い、自動で合否を判定する。
図2は、第1実施形態の基板の検査方法を説明するフローチャートの図である。第1実施形態の基板の検査方法は、初期設定ステップS1、試行検査ステップS2、シミュレーション実施ステップS31、およびシミュレーション反映ステップS32を含んでいる。なお、シミュレーション実施ステップS31およびシミュレーション反映ステップS32は、本発明の最終決定ステップS3に相当する。
初期設定ステップS1では、検査対象となる基板の種類に応じて初期の検査手順データを設定する。この初期設定は、基板外観検査装置5のコンピュータまたはライン管理用PC7にインストールされた自動生成プログラムによって行われ、必要に応じて検査員がマニュアル操作で修正できるようになっている。検査手順データは、少なくとも基板の検査項目および検査順序を含み、基板の検査対象範囲を複数の撮像範囲に分割する画面割りデータを含む他に、次のような事項を含んでいる。
すなわち、検査手順データは、基板の設計により定まる既知データを含み、具体的には基板の寸法および形状、基板上の位置決めマーカの形状および座標位置、実装される各部品の種類、個数、および配置(座標位置)、各部品の形状および寸法などを含んでいる。これらの既知データは、生産する基板の種類が決まるとライン管理用PC7に入力される。入力方法としては、設計用PCからオンラインでデータ転送する方法や、CD(コンパクトディスク)やスティックメモリなどの記憶媒体を利用する方法や、検査員が手入力する方法などを利用できる。また、検査手順データには、部品実装状態の良否を判定する許容誤差範囲などの判定基準のデータや、第5実施形態で説明する画像認識パラメータも含まれる。
自動生成プログラムは、基板内のすべての部品を検査できるように、基板の検査対象範囲を複数の撮像範囲に分割する画面割りデータを自動生成する。このとき、基板の寸法および各部品の配置に加え、撮像カメラの撮像範囲を考慮する。図3は、画面割りデータを例示説明する基板Kの平面図である。図示される例では、基板Kの寸法に対して撮像カメラの撮像範囲が狭く、基板Kの検査対象範囲は4個の撮像範囲Ar1〜Ar4に分割されている。なお、分割個数は4個に限定されず、2個や3個、6個、9個などの場合も生じる。また、基板Kの検査対象範囲の全体が撮像カメラの撮像範囲に含まれていれば、画面割りデータは生成されず、1個の画像データで検査が行われる。
自動生成プログラムは、各部品の形状が少なくとも1個の撮像範囲の内部に完全に含まれるように撮像範囲Ar1〜Ar4を分割し、図示される例のように相互にオーバラップする部分が有ってもよい。また、自動生成プログラムは、各撮像範囲Ar1〜Ar4に割り振られた部品を画像認識するのに要する部品認識時間t1〜t31を推定し、これを足し合わせて各撮像範囲Ar1〜Ar4の画像認識時間T1〜T4を推定する。部品認識時間の推定値は、例えば、既知データ中の部品の種類と大きさをパラメータとする一覧表で保持したり、大きさをパラメータとする関数式で保持したりすることができる。
さらに、自動生成プログラムは、各撮像範囲Ar1〜Ar4の画像認識時間T1〜T4ができるだけ均一になるように、各撮像範囲Ar1〜Ar4を変更したり、各撮像範囲Ar1〜Ar4への部品の割り振り方を変更したりするシミュレーションを行って、画面割りデータを初期設定する。
図3には、シミュレーションを行った後に初期設定された画面割りデータが例示されている。図示されるように、基板Kの左上側の第1撮像範囲Ar1(破線示)には、大形のLSI部品P1および2個のコンデンサ部品P2、P3、中形のIC部品P4、および小形のチップ部品P5が割り振られている。また、これらの部品の表面には、部品の方向(極性)を示す矢印状のマーカが印刷されており、マーカの方向を認識することも一つの検査項目になっている。第1撮像範囲Ar1の画像認識時間T1は、5個の部品P1〜P5の部品認識時間t1〜t5の総和で推定されている。同様に、基板Kの右上側の第2撮像範囲Ar2(一点鎖線示)には、大形の部品P6、および6個の小形の部品P7〜P12が割り振られている。第2撮像範囲Ar2の画像認識時間T2は、合計7個の部品P6〜P12の部品認識時間t6〜t12の総和で推定されている。
また、基板Kの右下側の第3撮像範囲Ar3(二点鎖線示)の内部には、大形の部品P13、および8個の小形の部品P14〜P21と、大形の部品P22の一部が存在している。基板Kの下側中央の第4撮像範囲Ar4(点線示)の内部には、2個の大形の部品P22、P23、および8個の小形の部品P24〜P31が存在している。ここで、大形の部品P22は、一部が存在するだけの第3撮像範囲Ar3では画像認識できないので、第4撮像範囲Ar4に割り振られる。また、6個の小形の部品P16〜P21は、第3撮像範囲Ar3および第4撮像範囲Ar4のどちらでも画像認識でき、本例では第3撮像範囲Ar3に割り振られている。
整理すると、第3撮像範囲Ar3に9個の部品P13〜P21が割り振られ、画像認識時間T3はこれらの部品認識時間t13〜t21の総和で推定されている。また、第4撮像範囲Ar4に10個の部品P22〜P31が割り振られ、画像認識時間T4はこれらの部品認識時間t22〜t31の総和で推定されている。そして、推定された4個の画像認識時間T1〜T4は、概ね均一化されている。
画面割りデータを含む初期の検査手順データの設定が終了すると、試行検査ステップS2に進む。試行検査ステップS2では、検査員によって合格と判定された正常基板を用いて、実際に基板を生産するときと同じ条件で試行検査を行う。また、これととともに、4個の撮像範囲Ar1〜Ar4の画像データの画像認識に実際に要した画像認識時間T1R〜T4Rを測定して記憶する。さらに、実際に要した画像認識時間T1R〜T4Rだけでなく、部品P1〜P31ごとに実際に要した部品認識時間t1R〜t31Rを測定し、細分して記憶する。記憶の方法としては、例えばログファイルの形態を採用することができ、明示的なファイルの手段によらず画像認識時間T1R〜T4Rおよび部品認識時間t1R〜t31を常時収集して保持するシステム構成としてもよい。
試行検査が終了すると、最終決定ステップS3中のシミュレーション実施ステップS31に進む。まず、試行検査ステップS2で記憶した実際の画像認識時間T1R〜T4Rが概ね均一になっていた場合には、シミュレーション実施ステップS31および次のシミュレーション反映ステップS32は省略される。つまり、初期設定された検査手順データが適正であるので修正の必要が無く、そのまま最終的な検査手順データとして採用する。実際の画像認識時間T1R〜T4Rが均一になっていない場合には、これらを均一化するシミュレーションを実施する。このシミュレーションは、初期設定ステップS1のときと異なり、現実の部品認識時間t1R〜t31Rに則して行うので精度が極めて高い。
例えば、図3の例で第3撮像範囲Ar3の実際の画像認識時間T3Rが他よりも突出して大きい場合を想定する。この場合に、第3撮像範囲Ar3に割り振られていながら第4撮像範囲Ar4にも存在する部品P16〜P21の一部を、第4撮像範囲Ar4に割り振り変更する修正案が考えられる。割り振り変更すべき部品の選定に際しては、各部品P16〜P21の実際の部品認識時間t16R〜t21Rを考慮するのは当然である。また、第2撮像範囲Ar2を図中の下方に移動して2個の部品P14、P15を範囲内に収め、この2個の部品P14、P15を第2撮像範囲Ar2に割り振り変更する修正案も考えられる。
4個の実際の画像認識時間T1R〜T4Rが初期設定された画像認識時間T1〜T4と異なる場合は、その大小関係を考慮して複数の修正案を立案できる場合が多い。シミュレーション実施ステップS31では、部品の割り振りを変更し必要に応じて撮像範囲を変更するすべての修正案についてシミュレーションすることで、画像認識時間が最も均一化された最適なシミュレーション結果を得ることができる。
最終決定ステップS3中のシミュレーション反映ステップS32では、最適なシミュレーション結果に基づいて画面割りデータを最終決定し、基板の量産に用いる最終的な検査手順データを決定する。
以上説明した第1実施形態の基板の検査方法によれば、試行検査ステップS2における現実の画像認識時間T1R〜T4Rおよび現実の部品認識時間t1R〜t31Rに則して、シミュレーション実施ステップS31およびシミュレーション反映ステップS32で画面割りデータを始めとする初期の検査手順データを修正し、基板の量産に使用する最終的な検査手順データを決定できる。これにより、各撮像範囲Ar1〜Ar4の実際の画像認識時間を均一化できるので、撮像カメラによる撮像動作とコンピュータによる画像認識動作とを並行して効率よく実施でき、基板量産時に部品を実装した基板の検査所要時間を短縮化できる。
さらに、初期設定ステップS1およびシミュレーション実施ステップS32で、合計2回のシミュレーションを実施して最終的な検査手順データを決定するので、複数の部品P1〜P31の割り振り方が確実に適正化され、最終的な検査手順データが最適化される。これにより、基板量産時の各撮像範囲Ar1〜Ar4の画像認識時間を最適に均一化できる。また、試行検査ステップS2で、検査員によって合格と判定された正常基板を用いるので、基板量産時に大多数を占める正常基板に対して最終的な検査手順データが適正化される。これらの総合的な効果で、検査所要時間を顕著に短縮化できる。
次に、ティーチングステップS4をさらに有する第2実施形態の基板の検査方法について、図4を参考にして説明する。図4は、第2実施形態の基板の検査方法を説明するフローチャートの図である。第2実施形態の基板の検査方法は、第1実施形態で説明した基板生産ライン1の基板外観検査装置5で実施でき、換言すれば、装置構成(ハードウェア)は同一で、コンピュータのプログラム(ソフトウェア)が異なる。図4と図2とを比較すれば分かるように、第2実施形態では、試行検査ステップS2Aとシミュレーション実施ステップS31との間にティーチングステップS4が追加され、試行検査ステップS2Aの内容も一部変更されている。
第2実施形態の試行検査ステップS2Aでは、正常基板の撮像範囲の画像データから各部品単位の部品画像データを求める。ここで、検査員に合格と判定された正常基板を用いているので、部品画像データは部品の正常な実装状態を示している。このため、初期の検査手順データが適正であれば、すべての部品について良好な部品画像データを得ることができる。
次のティーチングステップS4では、正常な実装状態を画像認識できた部品の部品画像データを判定基準として検査手順データに登録する。これにより、初期設定ステップS1で既知データに基づいて判定基準を設定する場合よりも、確実性の高い判定を行える。例えば、部品の端面の面取り形状や撮像光の入射角度などの影響で、試行検査時に認識する部品寸法が設計上の既知データよりも若干小さくなることが生じ得る。この場合、現実に認識された部品寸法を判定基準に用いると、合否の判定精度が向上する。
また、仮に、正常な実装状態を画像認識できない部品が生じた場合には、判定基準となる良好な部品画像データが得られていないので、画像認識ができるように検査員が部品画像データを編集し判定基準として検査手順データに登録する。例えば、初期設定された検査手順データ中の部品の色(明度)に対して、試行検査時の実際の部品の色(明度)が異なる場合に、基板との区別が不明瞭になって正常な実装状態を画像認識できない場合が考えられる。この場合に、検査員は、部品と基板面とを区別する閾値を修正して検査手順データを編集し、良好な画像認識を行えることを確認する。
第2実施形態の基板の検査方法によれば、ティーチングステップS4により、部品の正常な実装状態の画像データ(部品画像データ)に基づいて合否の判定基準を検査手順データに登録する。したがって、試行検査以前の既知データのみにより設定した判定基準と比較して、現実に則した好ましい判定基準を用いることができ、合否の判定精度が向上する。
次に、試行検査ステップS2を複数回行う第3実施形態の基板の検査方法について、図5を参考にして説明する。図5は、第3実施形態の基板の検査方法を説明するフローチャートの図である。第3実施形態の基板の検査方法は、第1実施形態で説明した基板生産ライン1の基板外観検査装置5で実施でき、換言すれば、装置構成(ハードウェア)は同一で、コンピュータのプログラム(ソフトウェア)が異なる。図5と図2とを比較すれば分かるように、第3実施形態では、ステップS22で試行検査ステップS2を所定回数実施したか否かを判定する点が異なる。
第3実施形態の試行検査ステップS2で行う内容は第1実施形態と同様であり、複数の部品のそれぞれについて所定回数分の部品認識時間を記憶する。これにより、次のシミュレーション実施ステップS31で、所定回数分の部品認識時間に則して、複数の部品の複数の撮像範囲への割り振りを修正することができる。所定回数分の部品認識時間に則すとは、例えば、その平均値や、ばらつきの程度を表す標準偏差、現実に発生した最大値や最小値などの諸量を参考にすることを意味する。
なお、試行検査ステップS2を所定回数実施するに際して、所定回数に相当する数量の正常基板を用いてもよく、1枚の正常基板を所定回数だけ繰返して用いてもよい。前者では、複数の正常基板に内包された生産上の正常範囲のばらつき、いわば個体差を把握できる。また後者では、撮像から画像認識を経て合否判定に至るプロセスの繰り返しによるばらつき、いわば繰り返し誤差を把握できる。
第3実施形態の基板の検査方法によれば、試行検査を所定回数行い、複数の部品のそれぞれの複数個の部品認識時間に基づいて、複数の部品の複数の撮像範囲への割り振りを修正する。したがって、部品認識時間の統計的なばらつきを把握することができ、最終的な検査手順データの適正化を確実に行える。
次に、試行検査ステップS2からシミュレーション反映ステップS32(最終決定ステップS3)までを繰返して複数回行う第4実施形態の基板の検査方法について、図6を参考にして説明する。図6は、第4実施形態の基板の検査方法を説明するフローチャートの図である。第4実施形態の基板の検査方法は、第1実施形態で説明した基板生産ライン1の基板外観検査装置5で実施でき、換言すれば、装置構成(ハードウェア)は同一で、コンピュータのプログラム(ソフトウェア)が異なる。図6と図2とを比較すれば分かるように、第3実施形態では、シミュレーション反映ステップS32の次のステップS33で所定回数に達していないときに試行検査ステップS2に戻る点が異なる。
第4実施形態で、試行検査ステップS2からシミュレーション反映ステップS32の間で繰返して行う内容は第1実施形態と同様である。したがって、所定回数の繰り返しにより、検査手順データが漸次改善され、確実に適正化できる。
なお、第3実施形態または第4実施形態の繰り返しによる検査手順データの適正化は、第2実施形態のティーチングステップS4による判定精度の向上と併用することができる。また、第1〜第4実施形態において、複数の撮像範囲Ar1〜Ar4の画像認識時間T1〜T4を均一化することで検査所要時間を短縮化できるものと考えたが、撮像カメラ側の条件をも考慮することができる。例えば、撮像カメラの移動やコンピュータへの画像データ転送に要した実際の時間を試行検査ステップS2で測定および記憶し、現実の画像認識時間T1R〜T4Rと比較して検査手順データを適正化することができる。
次に、第2の課題として提示した部品認識時間を効率的に短縮する第5実施形態の基板の検査方法について、図7〜図10を参考にして説明する。第1〜第4実施形態では、実際に要する部品認識時間t1R〜t31Rはあまり変動しないもの考えていた。しかしながら、現実には、可変の画像認識パラメータを検査手順データの一部に設定したときに、設定の巧拙によって部品認識時間が変化する。第5実施形態では、第1実施形態で説明した複数の撮像範囲の画像認識時間を均一化することと、熟練した検査員のノウハウを活用して部品認識時間を効率的に短縮することの両方を行う。
図7は、第5実施形態の基板の検査方法を説明するフローチャートの図である。第5実施形態の基板の検査方法は、初期設定ステップS1にパラメータ設定ステップS6を含み、試行検査ステップS2にボトルネック提示ステップS7を含み、最終決定ステップS3に部品認識改善ステップS8を含んでいる。初期設定ステップS1、試行検査ステップS2、および最終決定ステップS3の主要な内容は、第1実施形態と同様であるので説明は省略する。
パラメータ設定ステップS6では、各部品の検査項目を行うために必要となる可変の画像認識パラメータを初期の検査手順データの一部に設定する。画像認識パラメータとしては、部品の形状データおよび許容誤差、部品および基板の色情報、画像認識アルゴリズム、極性検査設定方法などがある。また、撮像時に複数ある光源のうちどれを使用するかという設定や光量の設定、露光時間の設定なども可変の画像認識パラメータの一部である。
上記のうち部品の形状データおよび許容誤差では、部品ボディの形状データは一律であってもリード部の位置ずれの許容範囲の設定などで巧拙が生じる。色情報には、グレー値(白黒の明度情報)やRGB値(三原色の情報)などがあり、撮像時の光源の設定や露光時間の設定、判定時の部品と基板面とを区別する閾値の設定が重要になる。これらのパラメータの設定が適正でないと、例えば、部品の面取り部で光が反射したりして明度が変化し、判定に手間取るようなことが生じる。画像認識アルゴリズムとは、例えば、まず部品のリード部を認識し次に部品ボディを認識するか、あるいは逆の順序で認識するかといった各種の認識手法の選択を意味する。極性検査設定方法は、例えば、部品の上面に印刷されて方向(極性)を示す矢印状のマーカや矩形部品の特定のコーナーに配設されたマーカなどを認識する複数の方法の選択を意味する。
画像認識パラメータの初期設定が終了すると、ボトルネック提示ステップS7で、部品認識時間が長い順番にしたがい複数の部品の名称を並べ替えて提示する。ここで、部品認識時間は、試行検査ステップS2で実際に測定して記憶した値である。図8は、第5実施形態で検査対象になる基板K2の一例を示す平面図である。また、図9は、ボトルネック提示ステップS7で、ライン管理用PC7に提示された内容を例示した図である。さらに、図10は、ボトルネック提示ステップS7で、ライン管理用PC7に表示されている特定の部品の上にマウスポインタを置いたときの表示内容を例示した図である。
図8に示される基板K2は、右縁に沿い基板K2の種類を特定するバーコードBCDが印刷されており、多数の部品が装着されている。具体的に、基板K2のほぼ中央の図中の上下方向に3個並んでコンデンサ部品B1が装着されている。基板K2の中心から左に寄った位置に大形で24本のリード部を有するLSI部品B2が装着され、中心から右に寄った位置に8本のリード部を有するIC部品B3が3個装着されている。また、LSI部品B2の図中の下側からコンデンサ部品B1に近づく方向に、6本のリード部を有するIC部品B4が3個列設されて装着されている。
基板K2のIC部品B3の図中の上側には3本のリード部を有するトランジスタ部品B5が3個装着され、LSI部品B2の右方には3本のリード部を有するトランジスタ部品B6が2個装着されている。LSI部品B2と基板K2の上縁との間にはチップ部品B7が5個装着され、基板K2の右下寄りにはチップ部品B8が8個装着されている。また、基板K2の上縁の右寄りから基板外に突出するように横向きにコネクタ部品C1が装着されている。さらに、基板K2の下縁の左寄りにコネクタ部品C2が立てて装着され、基板K2の左縁に2個のコネクタ部品C3、C4が立てて装着されている。
図9に示されるように、ボトルネック提示ステップS7で提示される内容は、横軸が部品名称で縦軸が部品認識時間の棒グラフであり、左から右へと部品認識時間が長い順番に表示されている。つまり、左側に表示された部品ほど部品認識時間が長く、基板K2の検査所要時間を長引かせるボトルネックになっている。当然ながら部品B1〜B8、C1〜C4の寸法が大きくて形状が複雑なほど、部品認識時間は長くなる傾向を示している。図の例では、LSI部品B2が最も左に表示され、以下IC部品B3、IC部品B4、トランジスタ部品B6……の順番に並んで表示されている。
そして、図10に示されるように、検査員がライン管理用PC7に表示されているLSI部品B2の上にマウスポインタ(図中の白抜き矢印)を置くと、当該のLSI部品B2に関する各種データが表示されるようになっている。部品名称および部品認識時間に連動させて表示する各種データは、部品の形状、配置、検査項目、および画像認識パラメータの少なくとも一部とすることができる。図の例では、形状を示す縦および横の寸法(20000μm×5000μm)、ならびに、画像認識パラメータのうちの画像認識アルゴリズム(B)が表示されている。なお、各種データの表示は、全ての部品で行われるようになっている。
したがって、検査員は、部品認識時間のみでなく各種データを参考にしてボトルネックになっている部品を判断し、さらに部品認識時間を短縮する具体的な方法を検討することができる。例えば、部品が小さいにも関わらず部品認識時間が長くかかっていれば改善の余地が大きく、部品認識時間が長くとも部品自体が大形で複雑であれば改善の余地は小さいと検討できる。また例えば、汎用性が高い画像認識アルゴリズムを使用している場合には、部品の特徴に特化したアルゴリズムに変更することで改善の可能性がある、といった検討を行える。
次の部品認識改善ステップS8では、検査員は、部品認識時間が長い部品について、画像認識パラメータを変更し、あるいは検査項目を変更または削除するように検査手順データを修正する。これにより、当該の部品の部品認識時間を短縮することができる。検査項目の変更または削除の例として、例えば、検査で不合格になった前例が少なく、かつ基板生産後の性能検査と重複する項目を削除するようにしてもよい。
第5実施形態の基板の検査方法によれば、部品認識時間が長い順番に部品名称を並べ替えて提示し、部品認識時間が長い部品について画像認識パラメータを変更し、あるいは検査項目を変更または削除することで部品認識時間を短縮する。これにより、基板外観検査装置5で、ボトルネック(隘路)になっている部品に着目して部品認識時間を効率的に短縮できる。ひいては、基板量産時の検査所要時間を短縮化できる。さらに、部品名称および部品認識時間に連動させて部品の形状および画像認識アルゴリズムを検査員に向けて表示するので、熟練した検査員のノウハウが十分に活用され、短時間で効率よく画像認識パラメータを適正化できる。
第5実施形態の基板の検査方法は、基板の検査対象範囲が撮像カメラの撮像範囲に収まり1個の画像データで検査を行う場合でも、検査所要時間を短縮できる。この場合、検査手順データ中の画面割りデータに関する処理は不要になる。また、ボトルネック提示ステップS7における提示方法は、図9および図10に例示した棒グラフに限定されず、例えば、部品認識用の部品画像データそのものを表示して検査員のノウハウを活用できるようにすることもできる。
なおまた、第1〜第5実施形態で説明した検査方法はコンピュータのプログラムで実現されており、本発明は検査装置として実施することもできる。さらに、本発明は、はんだ印刷検査装置3におけるはんだ印刷状態の検査にも応用できる。本発明は、その他にも様々な応用や変形が可能である。
1:基板生産ライン
2:はんだ印刷装置 3:はんだ印刷検査装置 4:部品装着装置
5:基板外観検査装置 6:リフロー装置 7:ライン管理用PC
81〜84:基板搬送装置
K、K2:基板 Ar1〜Ar4:撮像範囲
P1〜P31、B1〜B8、C1〜C4:部品

Claims (11)

  1. 検査対象となる基板の少なくとも検査項目および検査順序を設定した検査手順データにしたがい、前記基板の検査対象範囲を撮像カメラにより撮像して画像データを求め、前記画像データを画像認識して前記基板の合否を判定する基板の検査方法であって、
    前記基板の検査対象範囲を複数の撮像範囲に分割する画面割りデータを含んだ初期の検査手順データを設定する初期設定ステップと、
    前記初期の検査手順データにしたがい、前記基板の前記複数の撮像範囲をそれぞれ撮像して画像データを求め画像認識する試行検査を行うとともに、各前記撮像範囲の画像データの画像認識にそれぞれ要した画像認識時間を記憶する試行検査ステップと、
    記憶した画像認識時間に基づいて、各前記撮像範囲の画像認識時間を均一化するように、前記初期の検査手順データを修正して最終的な検査手順データを決定する最終決定ステップとを有する基板の検査方法。
  2. 請求項1において、前記基板に複数の部品が既に実装され、前記初期の検査手順データに各前記部品の形状、配置、および検査項目が含まれており、
    前記初期設定ステップで、前記複数の部品を前記複数の撮像範囲に割り振る画面割りデータを含んだ初期の検査手順データを設定し、
    前記試行検査ステップで、各前記撮像範囲の画像認識時間を前記部品ごとの部品認識時間に細分して記憶し、
    前記最終決定ステップで、記憶した部品認識時間に基づいて、前記画面割りデータを修正して前記最終的な検査手順データを決定する基板の検査方法。
  3. 請求項2において、前記最終決定ステップは、
    前記記憶した部品認識時間に基づいて、前記複数の部品の前記複数の撮像範囲への割り振りを修正して各前記撮像範囲の画像認識時間をシミュレーションするシミュレーション実施ステップと、
    各前記撮像範囲の画像認識時間が最も均一化された最適なシミュレーション結果に基づいて、前記最終的な検査手順データを決定するシミュレーション反映ステップとを含む基板の検査方法。
  4. 請求項2または3において、
    前記初期設定ステップは、各前記部品の検査項目を行うために必要となる可変の画像認識パラメータを前記初期の検査手順データの一部に設定するパラメータ設定ステップを含み、
    前記試行検査ステップは、前記部品認識時間が長い順番にしたがい前記複数の部品の名称を並べ替えて提示するボトルネック提示ステップを含み、
    前記最終決定ステップは、前記部品認識時間が長い部品について、前記画像認識パラメータを変更し、あるいは前記検査項目を変更または削除することで前記部品認識時間を短縮する部品認識改善ステップを含む基板の検査方法。
  5. 請求項4において、前記ボトルネック提示ステップで、前記部品の名称および前記部品認識時間に連動させて前記部品の形状、配置、検査項目、および前記画像認識パラメータの少なくとも一部を検査員に向けて表示する基板の検査方法。
  6. 請求項2〜5のいずれか一項において、
    前記試行検査ステップを複数回行って、前記複数の部品のそれぞれについて複数個の部品認識時間を記憶し、
    前記最終決定ステップで、記憶した複数個の部品認識時間に基づいて、前記複数の部品の前記複数の撮像範囲への割り振りを修正して前記最終的な検査手順データを決定する基板の検査方法。
  7. 請求項1において、前記試行検査ステップで用いる基板は、検査員によって合格と判定された正常基板である基板の検査方法。
  8. 請求項2〜6のいずれか一項において、前記試行検査ステップで用いる基板は、検査員によって合格と判定された正常基板であり、
    前記試行検査ステップと前記最終決定ステップとの間にティーチングステップをさらに有し、
    前記試行検査ステップで、前記正常基板の前記撮像範囲の画像データから各前記部品単位の部品画像データを求め、
    前記ティーチングステップで、正常な実装状態を画像認識できた部品の前記部品画像データを判定基準として検査手順データに登録し、正常な実装状態を画像認識できない部品が生じた場合には画像認識ができるように前記部品画像データを編集し判定基準として検査手順データに登録する基板の検査方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項において、前記試行検査ステップから前記最終決定ステップまでを繰返して複数回行う基板の検査方法。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載した前記各ステップをコンピュータに実行させるための基板の検査プログラム。
  11. 検査対象となる基板の少なくとも検査項目および検査順序を設定した検査手順データにしたがい、前記基板の検査対象範囲を撮像カメラにより撮像して画像データを求め、前記画像データを画像認識して前記基板の合否を判定する基板の検査装置であって、
    前記基板の検査対象範囲を複数の撮像範囲に分割する画面割りデータを含んだ初期の検査手順データを設定する初期設定手段と、
    前記初期の検査手順データにしたがい、前記基板の前記複数の撮像範囲をそれぞれ撮像して画像データを求め画像認識する試行検査を行うとともに、各前記撮像範囲の画像データの画像認識にそれぞれ要した画像認識時間を記憶する試行検査手段と、
    記憶した画像認識時間に基づいて、各前記撮像範囲の画像認識時間を均一化するように、前記初期の検査手順データを修正して最終的な検査手順データを決定する最終決定手段とを有する基板の検査装置。
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