JP6066202B2 - 磁性粒子 - Google Patents

磁性粒子 Download PDF

Info

Publication number
JP6066202B2
JP6066202B2 JP2013177970A JP2013177970A JP6066202B2 JP 6066202 B2 JP6066202 B2 JP 6066202B2 JP 2013177970 A JP2013177970 A JP 2013177970A JP 2013177970 A JP2013177970 A JP 2013177970A JP 6066202 B2 JP6066202 B2 JP 6066202B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
magnetic particles
structural unit
copolymer
magnetic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2013177970A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015044956A (ja
Inventor
石原 一彦
一彦 石原
祐貴 井上
祐貴 井上
絵美 石原
絵美 石原
夏子 松下
夏子 松下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
University of Tokyo NUC
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
University of Tokyo NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Gas Chemical Co Inc, University of Tokyo NUC filed Critical Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Priority to JP2013177970A priority Critical patent/JP6066202B2/ja
Publication of JP2015044956A publication Critical patent/JP2015044956A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6066202B2 publication Critical patent/JP6066202B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
  • Compounds Of Iron (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Description

本発明は、磁力により容易に分離し回収することができ、非特異的な吸着が抑制された磁性粒子に関する。
生体分子を特定の粒子に捕捉させることは、生体分子の分離、精製、測定、検出等を行う手段として非常に有用である。生体分子を特定の粒子に捕捉させることによって、例えば、感染症や癌のバイオマーカーやホルモン等の検査対象物質を患者から検出して診断すること、核酸やタンパク質等の特定の生体分子を分離・定量すること、特定の細菌や細胞を分離することができる。
そのため、生体分子を捕捉することができる粒子(生体分子捕捉粒子)について広く検討が行われている。例えば特許文献1には、磁性粒子表面に重合開始基を導入し、当該重合開始基を重合開始源としてリビング重合反応を行い、磁性粒子表面にポリマーをグラフト化して得られた磁性ポリマー粒子が開示されている。磁性粒子をポリマーで被覆することによって、ポリマーの有する各種機能を磁性粒子に付与することができる。
ところで、このような生体分子捕捉粒子について問題となるのが、生体分子捕捉粒子が捕捉することを目的としていない非対象物を捕捉してしまう、非特異的吸着である。非特異的吸着は、非対象物と生体分子捕捉粒子との物理的・化学的な相互作用によって起こる現象である。
このような非特異的吸着により、精製や分離が不十分となったり、測定結果が不正確となる可能性がある。そこで非特異的吸着を低減するために従来行われているのが、ブロッキングと言われる方法である。ブロッキングは、生体分子捕捉物質を粒子上に固定化した後に、夾雑物の吸着量が少ないアルブミンやカゼイン等のバイオ分子系ブロッキング剤で粒子表面を被覆する方法である。しかし、ブロッキング剤の被覆効果が十分得られない場合や、ブロッキング剤の変質等によってその作用が経時的に変化し非特異的吸着が発生する場合がある。このため、ブロッキング剤による非特異的吸着の低減は不十分なものであった。
このような背景のもと、非特異的吸着をさらに低減させるため、粒子を各種機能性ポリマーで処理する技術が開発された。
例えば特許文献2には、非磁性体核粒子を磁性体層で被覆し、さらにその磁性体層を、2,3−ジヒドロキシプロピル基を含むポリマー(その水酸基の一部が、トシルオキシ基又はカルボキシアルキルカルボニルオキシ基に変換されている)層で被覆した磁性粒子が開示されている。2,3-ジヒドロキシプロピル基の存在により非特異的吸着が抑制される。さらに前記ポリマー層における各種官能基を、生体分子捕捉物質と結合させることによって、前記磁性粒子に生体分子捕捉機能を導入することができる。なお、磁性粒子は磁力により容易に分離・回収することができることから、この分野において広く利用されている。
また、ホスホリルコリン基を有するポリマーに非特異的吸着を抑制する作用があることが知られている。例えば特許文献3には、生体分子捕捉物質が固定化されたマイクロ粒子であって、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン基を有する第一単位と、電子求引性の置換基がカルボニル基に結合されてなるカルボン酸誘導基を有する第二単位とを含む高分子が、表面に被覆されていることを特徴とするマイクロ粒子が開示されている。
さらに、ホスホリルコリン基を有するポリマーを利用した技術として、酸化チタン粒子の表面が、下記式(I)で表され、下記式(II)で表される構造単位を含んでもよいホスホリルコリン基含有ポリマーにより被覆されてなる、ポリマー被覆粒子も開発された(特許文献4)。
式(I)におけるトリエトキシシラン基は水酸基を有する酸化チタン粒子とシランカップリング反応を起こし、これによりホスホリルコリン基含有ポリマーが酸化チタンに固定される。このようなポリマー被覆粒子は、核粒子が比重の大きい粒子であるため、分離目的の物質と結合させた後、自然沈降により回収し分析することができ、あるいは自然沈降に代えて又は自然沈降に続いて、遠心分離処理をすることができるとされている。しかしながら自然沈降では回収に時間を要するし、遠心分離処理は大掛かりな装置を必要とするものである。
特開2006−328309号公報 特開2007−288133号公報 特開2006−201091号公報 特開2007−22886号公報
本発明は、非特異的吸着が抑制され、磁力により容易に分離・回収することができる、生体分子捕捉粒子を提供することを目的とする。
本発明者は上記課題を解決するために鋭意検討した結果、超常磁性ナノ粒子と、疎水性ポリマーと、特定の構造単位を有する共重合体とを、例えば乳化を利用して、これらを何らかの相互作用により結びつかせた磁性粒子が、非特異的吸着が抑制され、磁力により容易に分離・回収することができる、生体分子捕捉粒子として利用可能であることを見出し、本発明を完成するにいたった。
すなわち本発明の要旨は、以下の通りである。
1.超常磁性ナノ粒子と、疎水性ポリマーと、下記構造単位(a)〜(c)を有する共重合体Aとを含む磁性粒子:
(a)下記一般式(1)で表される構造単位:
(b)下記一般式(2)で表される構造単位:
(c)下記一般式(3)で表される構造単位:

(式中、R1aは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、mは2〜6の整数である);

(式中、R1bは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、R2bは水素原子又はOR(Rは脂肪族炭化水素基又は芳香族炭化水素基を表す)基であり、nは2〜18の整数である);

(式中、R1cは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、qは2〜10の整数であり、R2cは生体分子固定可能な官能基である)。
2.超常磁性ナノ粒子が、酸化鉄を含有する微粒子である、上記1に記載の磁性粒子。
3.超常磁性ナノ粒子が、Fe及びγ−Feから選択される少なくとも1種のナノ粒子を含む、上記1又は2に記載の磁性粒子。
4.疎水性ポリマーを構成するモノマーが、スチレン、ジビニルベンゼン又はそれらの混合物である、上記1〜3のいずれかに記載の磁性粒子。
5.共重合体Aにおける構造単位(a)の構成割合が35〜95モル%であり、構造単位(b)の構成割合が1〜50モル%であり、構造単位(c)の構成割合が1〜30モル%である、上記1〜4のいずれかに記載の磁性粒子。
6.生体分子固定可能な官能基が、カルボキシル基若しくはその活性エステル基、エポキシ基、トシル基、アミノ基、チオール基又はブロモアセトアミド基である、上記1〜5のいずれかに記載の磁性粒子。
7.疎水性ポリマー及び超常磁性ナノ粒子を含み、水と溶け合わない溶媒と、下記構造単位(a)〜(c)を有する共重合体Aを含む水とを乳化させ:
(a)下記一般式(1)で表される構造単位:
(b)下記一般式(2)で表される構造単位:
(c)下記一般式(3)で表される構造単位:

(式中、R1aは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、mは2〜6の整数である);

(式中、R1bは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、R2bは水素原子又はOR(Rは脂肪族炭化水素基又は芳香族炭化水素基を表す)基であり、nは2〜18の整数である);

(式中、R1cは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、qは2〜10の整数であり、R2cは生体分子固定可能な官能基である);
得られた乳化液から水と溶け合わない溶媒を除去して得られる磁性粒子。
8.水と溶け合わない溶媒が、疎水性ポリマーを溶解する、上記7に記載の磁性粒子。
9.乳化において、超常磁性ナノ粒子100重量部に対して、疎水性ポリマー0.01〜2000重量部と共重合体A 2〜2000重量部とを使用する、上記7又は8に記載の磁性粒子。
本発明によれば、磁力により容易に分離・回収可能で、生体分子を固定化(捕捉)することができ、かつ生体分子の非特異的な吸着が抑制された磁性粒子を提供することができる。
図1は、実施例1で得られた磁性粒子の走査型電子顕微鏡写真を示す。
以下、本発明の磁性粒子について詳細に説明する。
≪磁性粒子≫
本発明の磁性粒子は上記の通り、超常磁性ナノ粒子と、疎水性ポリマーと、特定の構造単位(a)〜(c)を有する共重合体Aとを含む。以下、これら各成分及び本発明の磁性粒子の製造方法等について説明する。
<超常磁性ナノ粒子>
超常磁性ナノ粒子としては、粒径20nm以下、好ましくは粒径5〜20nmの酸化鉄を含有する微粒子が代表的であり、より具体的な例としては、MFe(M=Co、Ni、Mg、Cu、Li0.5Fe0.5等)で表されるフェライト、Feで表されるマグネタイト、あるいはγ−Feが挙げられる。これらの中でも、飽和磁化が強く、かつ残留磁化が少ないγ−Fe及びFeから選択される少なくとも1種のナノ粒子が好ましい。さらにこのような磁性体は、チタンカップリング剤、シランカップリング剤若しくは高級脂肪酸等の公知の疎水化処理剤により処理されたものであってもよい。
このような超常磁性ナノ粒子の存在により、本発明の粒子は磁性を有し、磁力により容易に分離や回収を行うことができる。
本発明の磁性粒子(100重量%中)における超常磁性ナノ粒子の含有量は、前記粒子に十分な磁性を付与する観点から、好ましくは10〜90重量%である。前記超常磁性ナノ粒子の含有量は、磁性粒子についてTG-DTA測定を行い、600℃まで昇温したときの重量減少量(ポリマー成分の重量に対応)を磁性粒子の重量から差し引くことで算出することができる。
<疎水性ポリマー>
疎水性ポリマーは、水性溶媒との親和性に乏しいポリマーであり、疎水性ポリマーをコアに用いることにより、本発明の磁性粒子に機械的強度や耐熱性を付与することができる。疎水性ポリマーを構成するモノマーとしては、例えば、スチレン、α―メチルスチレン、ジビニルベンゼン等の芳香族ビニルモノマー、(メタ)アクリロニトリル等のニトリル基含有モノマー、炭素数4以上のアルキル基を有するメタクリル酸エステル、エチレン及びプロピレン等のα−オレフィン類、ブタジエン等のジエン類等が挙げられる。好ましくは、スチレン、ジビニルベンゼン又はそれらの混合物である。疎水性ポリマーは、一種のモノマーからなるホモポリマーであっても、二種以上のモノマーからなるコポリマーであってもよい。
本発明の磁性粒子の製造において、疎水性ポリマーは超常磁性ナノ粒子の少なくとも一部を被覆し、粒子形態の形成に寄与するものと考えられる。このような点から、疎水性ポリマーは、磁性粒子の製造において、超常磁性ナノ粒子100重量部に対して通常0.01〜2000重量部使用する。
<構造単位(a)〜(c)を有する共重合体A>
本発明の磁性粒子は、上記特定の構造単位(a)〜(c)を有する共重合体Aを含む。
前記構造単位(a)中の、ホスホリルコリン構造が非特異的吸着の低減をもたらし、
前記構造単位(b)は前記共重合体Aに疎水性を付与して、本発明の磁性粒子の製造の際に、共重合体Aが超常磁性ナノ粒子や疎水性ポリマーと相互作用して、これら三成分の複合体である本発明の磁性粒子が形成されやすくし、
前記構造単位(c)は生体分子固定可能な官能基を有しており、本発明の磁性粒子に生体分子捕捉能力を付与することができる。以下、これら各構造単位について説明する。
(構造単位(a))
構造単位(a)は下記一般式(1)で表される:
式中、R1aは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を意味する。炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基又はtert−ブチル基が挙げられる。R1aは、好ましくは水素原子、メチル基又はエチル基であり、より好ましくは水素原子又はメチル基である。
mはアルキレン基の炭素数を意味し、2〜6の整数である。
式(1)で表される構造単位となるモノマーとしては、2−アクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、2−(2−エチルアクリロイルオキシ)エチルホスホリルコリン、2−(2−プロピルアクリロイルオキシ)エチルホスホリルコリン、2−(2−ブチルアクリロイルオキシ)エチルホスホリルコリン等が挙げられる。本発明の磁性粒子の非特異的吸着抑制効果の観点から、好ましくは、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)が用いられる。例えばMPCは、公知の方法(例えば、Polymer Journal, Vol. 22, No. 5,(May 1990), pp. 355−360参照)により調製することにより、あるいは東京化成工業(株)等の試薬供給業者より入手することができる。
本発明の磁性粒子における共重合体Aにおいて、構造単位(a)は1種類であっても、構造の異なる2種類以上が存在していてもよい。
(構造単位(b))
構造単位(b)は下記一般式(2)で表される:
式中、R1bは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を意味する。炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基又はtert−ブチル基が挙げられる。R1bは、好ましくは水素原子、メチル基又はエチル基であり、より好ましくは水素原子又はメチル基である。
2bは水素原子又はOR基を意味する(Rは脂肪族炭化水素基又は芳香族炭化水素基を表す)。脂肪族炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基等があげられ、芳香族炭化水素基としては、フェニル基等が挙げられる。
nはアルキレン基の炭素数を意味し、2〜18の整数である。また、R2bは(CHで表されるアルキレン基における、エステル基から最も離れたメチレン基に結合している必要はなく、アルキレン基を構成するいずれのメチレン基に結合していてもよい。
式(2)で表される構造単位となるモノマーとしては、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ペンチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エトキシエチル、メタクリル酸2−エトキシプロピル、メタクリル酸2−フェノキシエチル、メタクリル酸2−ブトキシエチル等が好ましく挙げられる。
また本発明の磁性粒子における共重合体Aにおいて、構造単位(b)は1種類であっても、構造の異なる2種類以上が存在していてもよい。
(構造単位(c))
構造単位(c)は下記一般式(3)で表される:
式中、R1cは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を意味する。炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基又はtert−ブチル基が挙げられる。R1cは、好ましくは水素原子、メチル基又はエチル基であり、より好ましくは水素原子又はメチル基である。
qはエチレンオキシ基の繰り返し単位数を意味し、2〜10の整数である。
2cは、生体分子固定可能な官能基であり、標的となる生体分子に特異的に相互作用する基であれば特に制限されない。その具体例としては、カルボキシル基若しくはその活性エステル基、エポキシ基、トシル基、アミノ基、チオール基又はブロモアセトアミド基等が挙げられる。
前記活性エステル基とは、カルボニルオキシ基に電子吸引性の基や嵩高い基が結合してなるエステル基である。このようなエステル結合はアミノ基、チオール基及び水酸基などによって容易に求核置換反応等の反応を受けるので、この活性エステル基の部分に生体分子を反応させることにより、本発明の磁性粒子に生体分子を固定することができる。カルボキシル基及びエポキシ基等も同様に反応性の高い基で、この部分に生体分子を反応させることができる。なお、生体分子に活性エステル基、カルボキシル基やエポキシ基等と反応し得る部位が無い場合には、公知の方法で、例えばアミノ基のようなこれらの基と反応し得る基を生体分子に導入すればよい。
前記活性エステル基は、例えば下記式(c)又は(d)の構造で示される基である。
式(c)及び式(d)において、R′およびR″はそれぞれ独立して一価の有機基であり、直鎖状、分岐状又は環状のいずれであってもよい。また、式(d)において、二つのR″はそれらが結合するNとともに環を形成してもよい。
このような活性エステル基の具体例として、下記構造の基が挙げられる。
これらの他に、活性エステル基として、ペンタフルオロフェノールのエステル基、チオフェノールのエステル基;5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド基及びN−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド基等の複素環ヒドロキシ化合物のエステル基;並びにシアノメチルエステル基が挙げられる。
式(3)で表される構造単位となるモノマーとしては、p−ニトロフェニルオキシカルボニル(ポリ)オキシエチレンメタクリレート(MEONP)、N−スクシンイミジルオキシカルボニルジ(エチレングリコール)メタクリレート(N−succinimidyloxycarbonyldi(ethylenegylcol)methacrylate、PENHS)等が好ましく挙げられる。例えばMEONPは、公知の方法(例えば、Biomacromolecules 2004, 5, 342−347参照)により調製することができ、PENHSは、公知の方法(例えば、Biosensors and Bioelectronics38(2012)209−214参照)により調製することができる。
また本発明の磁性粒子における共重合体Aにおいて、構造単位(c)は1種類であっても、構造の異なる2種類以上が存在していてもよい。
(共重合体A)
本発明に使用される共重合体Aは、以上説明した各種構造単位(a)〜(c)を有する共重合体であって、これらのブロック共重合体であってもランダム共重合体であってもよい。
前記共重合体Aにおける構造単位(a)〜(c)について、全構造単位に対する各々の構造単位の構成割合は、構造単位(a)が好ましくは35〜95モル%であり、構造単位(b)が好ましくは1〜50モル%であり、構造単位(c)が1〜30モル%である(ただし、構造単位(a)〜(c)の構成割合の合計は100モル%である)。なお、共重合体Aにおける各構造単位の構成割合は、核磁気共鳴分光法により測定可能である。
以上説明した共重合体Aは、本発明において1種単独で使用しても2種以上を併用してもよい。また、前記共重合体Aは、本発明の磁性粒子に良好な非特異的吸着低減機能及び生体分子捕捉機能を付与し、かつ前記磁性粒子の製造において疎水性ポリマー及び超常磁性ナノ粒子と相互作用して適切に粒子の形態を形成する観点から、磁性粒子の製造において、超常磁性ナノ粒子100重量部に対して2〜2000重量部使用することが好ましい。
(共重合体Aの製造方法)
本発明に使用される共重合体Aは、以上説明した構造単位(a)〜(c)を形成するモノマー化合物を、好ましくは上記した構造単位の構成割合となる量で混合し、ラジカル重合等の公知の重合方法により製造することができる。前記共重合体Aをラジカル重合により製造する場合、たとえば、アルゴン等の不活性ガス雰囲気にて、30〜90℃で溶液重合を行うことができる。
溶液重合に使用される溶媒は適宜選択されるが、たとえば、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコールや、ジエチルエーテル等のエーテル、クロロホルム等の有機溶媒を単独でまたは複数混合して用いることができる。
また、ラジカル重合反応に使用されるラジカル重合開始剤としては、ラジカル重合において通常使用されるものを用いることができる。たとえば、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、アゾビスバレロニトリル等のアゾ系開始剤;及び、過酸化ラウロイル、過酸化ベンゾイル、t−ブチルペルオキシネオデカノエート、t−ブチルペルオキシピバレート等の油溶性の有機過酸化物;などが使用可能である。
ラジカル重合反応により得られた共重合体Aは、例えば当該共重合体の貧溶媒を使用した再沈殿法により回収することができる。
[磁性粒子の製造方法]
本発明の磁性粒子は、例えば以下のような方法により製造することができる。
疎水性ポリマーを水と溶け合わない溶媒に溶解し、このポリマー溶液に公知の疎水化処理剤により処理された超常磁性ナノ粒子を分散する。このようにして得られた油相と、水溶性の乳化剤を含む水とを混合し、公知の乳化機を用いて乳化することにより、油滴が水に分散する水中油型(O/W型)エマルションを形成する。次いで、真空下、ゆっくりと前記水と溶け合わない溶媒を蒸発処理することにより本発明の磁性粒子を得ることができる。この際水の少なくとも一部が蒸発してもよい。
前記溶媒は水と溶け合わないことに加えて、乳化を実施するため、さらに疎水性ポリマーを溶解することができる。そのような溶媒としては、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン等の塩素化脂肪族炭化水素や、トルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素溶媒等の有機溶媒が挙げられる。
上記乳化機としては、ディスパーミキサー、ホモミキサー、高圧ホモジナイザー、超音波分散機等を用いることができる。
上記水溶性の乳化剤としては、共重合体Aを用いる。共重合体Aは構造単位(a)の親水性部分と、構造単位(b)の疎水性の部分を持ち、乳化剤として機能する。
当該乳化に付する疎水性ポリマー、超常磁性ナノ粒子及び共重合体Aの量を調整することによって、得られる本発明の磁性粒子におけるこれら3成分の含有量を調整することができる。例えば乳化における各成分の使用量を、超常磁性ナノ粒子100重量部に対して、疎水性ポリマー0.01〜2000重量部と共重合体A 2〜2000重量部にすることで、好適に本発明の磁性粒子を得ることができる。
[磁性粒子の特性]
例えば上記のごとく乳化を利用して得られる本発明の磁性粒子において、エマルションを形成する際、共重合体Aは親水性の構造単位(a)を外側に、疎水性の構造単位(b)を内側にしたミセルを形成していると考えられる。本発明で得られる磁性粒子では、共重合体Aの構造単位(a)が表面又はその近傍に配置され、構造単位(b)は疎水性ポリマー及び超常磁性ナノ粒子と相互作用しており、共重合体Aが疎水性ポリマー及び超常磁性ナノ粒子の少なくとも一部を被覆した粒子の形態をなしているものと考えられる。
また共重合体Aは、特許文献4の発明のように酸化チタンとのカップリング反応を経ずとも磁性粒子中で十分に固定され、その機能を発揮する。
このような各種成分を含む本発明の磁性粒子は、超常磁性ナノ粒子の存在により磁性を有し、磁力により容易に分離・回収することができる。具体的には、溶媒1mL中に磁性粒子2mg程度が分散しているスケールならば、表面磁力密度約4300ガウスのネオジム−鉄−ボロン磁石を用いて磁場をかけることによって、10〜60秒程度で、水中の特定の個所に磁性粒子を集め、容易に回収することができる。
[磁性粒子の用途]
本発明の磁性粒子は、磁性粒子の表面又はその近傍には共重合Aの構造単位(c)に生体分子固定可能な官能基を有することから、生体分子を固定化することができる。この生体分子固定官能な官能基は、標的となる生体分子に特異的に相互作用する基であれば特に制限されない。前記特異的な相互作用は物理的な相互作用であっても化学的な相互作用であってもよい。また、前記生体分子固定可能な官能基で固定化した生体分子がさらに別の生体分子に特異的に相互作用する分子であれば、前記固定化した生体分子を介して、さらに別の生体分子を固定化することができる。
本発明の磁性粒子は、ホスホリルコリン構造及び生体分子固定可能な官能基を含む共重合体Aが粒子表面又はその近傍に配置されることから、非特異的吸着が抑制されると考えられる。前記磁性粒子を使用した場合には、生体分子と反応せずに残留する官能基もあると考えられるが、このように残留している官能基は不活性化(例えばアルカリ化合物処理やアミノ化合物処理)することで、非特異的吸着の低減効果を貫徹することができる。
本発明の磁性粒子は、標的ではない生体分子の非特異的吸着が生じ難い、優れた生体分子捕捉粒子として利用することができる。より具体的には本発明の磁性粒子を利用して、感染症や癌のバイオマーカーやホルモン等の検査対象物質を患者から検出して診断を行ったり、核酸やタンパク質等の特定の生体分子を分離・定量したり、特定の細菌や細胞を分離することができる。
そのような生体分子の具体例としては、核酸、アプタマー、タンパク質、ペプチド、糖鎖および糖タンパク質が挙げられる。前記タンパク質としては、例えば酵素、抗体、抗原等が挙げられる。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明は何らこれらに限定されるものではない。
<共重合体Aの作製>
以下の実施例で使用した共重合体A1及びA2は、以下の通りにして製造した。
(共重合体A1の製造方法)
溶媒としてエタノール15mLを含むガラス管において、アルゴン置換を行った後、モノマーである2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)、n-ブチルメタクリレート(BMA)及びp-ニトロフェニルオキシカルボニル-ポリオキシエチレンメタクリレート(MEONP、オキシエチレン基の繰り返し単位数は平均値4.5)を仕込み、ラジカル重合開始剤(アゾビスイソブチロニトリル(AIBN))を添加して、60℃で24時間、ラジカル重合を行った。
なお、重合は酸素阻害を防ぐために空気中の酸素が混入しないようにガラス管を密封して行い、ラジカル重合における全モノマー濃度は0.5mol/L(MPC:1.8106g,BMA:0.1140g,MEONP:0.3218g)であり、開始剤濃度は0.0025mol/L(AIBN:5.9mg)であった。
以上のラジカル重合により得られた重合溶液について、クロロホルム-エーテル混合溶媒(2:8)を用いた再沈殿を行った。次いで真空乾燥によって溶媒を除き、共重合体A1を獲得した。仕込み組成MPC:BMA:MEONP=80:10:10(モル比)に対して、共重合体A1中の組成はMPC:BMA:MEONP=92:7:1(モル比)であった。
(共重合体A2の作製方法)
MEONPをN−スクシンイミジルオキシカルボニルジ(エチレングリコール)メタクリレート(N−succinimidyloxycarbonyldi(ethylenegylcol)methacrylate、PENHS)に変更し、ラジカル重合における全モノマー濃度を1.0mol/L(MPC:3.5890g,BMA:0.2152g,PENHS:0.4694g)に、開始剤濃度を0.005mol/L(AIBN:12.1mg)に変更した以外は、上記共重合体A1の製造と同様にして共重合体A2を製造した。
仕込み組成MPC:BMA:PENHS=80:10:10(モル比)に対して、共重合体A2中の組成はMPC:BMA:PENHS=79:16:5(モル比)であった。
[実施例1]磁性粒子の製造
以下に示す方法により、実施例1の磁性粒子を製造した。
クロロホルム4mL中に疎水性コート酸化鉄(粒径約10nm)200.0mg及びポリスチレン(Sigma Aldrich製)203.9mgを添加した溶液と、水20mL中に溶かした共重合体A1 21.1mgの溶液とを混合し、超音波分散機にて乳化させた。得られた乳化液から減圧によりクロロホルムを除去することにより実施例1の磁性粒子を得た。
図1に、得られた磁性粒子の走査型電子顕微鏡写真を示す。直径が50〜500nmの粒子の生成が確認できる。
[実施例2]磁性粒子の製造
ポリスチレンの使用量を200.0mgに変更し、さらに共重合体A1を共重合体A2に変更した以外は実施例1と同様にして、実施例2の磁性粒子を製造した。
[比較例1]
比較例1の磁性粒子として、Dynabeads(MyOneCarboxylic Acid、Life Technologies Co.、親水性ポリマー被覆磁性粒子)を用意した。
<特異的捕捉の評価>
(実施例1及び2の磁性粒子へのプロテインAの結合)
実施例1及び2の磁性粒子2mgをそれぞれ1.2M リン酸水素二カリウム緩衝液(pH8.5)に分散させ、磁性粒子を磁気分離により回収して上澄みを除去し、再度1.2M リン酸水素二カリウム緩衝液(pH8.5)に分散、磁気分離による回収・上清除去を2回繰り返した。
上清と分離した磁性粒子を1mg/mLのプロテインA溶液(Sigma Aldrich製,ProteinA from Staphylococcus aureus Soluble,Cowan strain,recombinant,expressed in E.coli,aqueous solution,≧95%(HPLC)を1.2M リン酸水素二カリウム緩衝液(pH8.5)で希釈したもの)に加え、37℃で回転攪拌機にて一晩攪拌した。
磁性粒子を磁気分離にて回収し、再度1.2M リン酸水素二カリウム緩衝液(pH8.5)に分散、磁気分離による回収・上清除去を2回繰り返した後、0.1M 2−アミノエタノール(溶媒:0.1M Tris−HCl緩衝液(pH9.5))を添加し、室温下、回転攪拌機にて1時間撹拌し、磁性粒子を構成する共重合体A(A1及びA2)におけるMEONP又はPENHSの不活性化を行った。磁気分離にて上清を除去し、磁性粒子をPBS(0.1%Tween20含有)で洗浄後、更にPBS(0.02%Tween20含有)で洗浄を行った。
(比較例1の磁性粒子へのプロテインAの結合)
比較例1の磁性粒子2mgを15mM MES−NaOH緩衝液(pH6.0)に分散させ、磁性粒子を磁気分離により回収して上澄みを除去し、再度15mM MES−NaOH緩衝液(pH6.0)に分散、磁気分離による回収・上清除去を2回繰り返した。
磁気分離により上清と分離した磁性粒子に40mg/mLの水溶性カルボジイミドを加え、室温で回転攪拌機にて20分間攪拌した。磁性粒子を磁気分離にて回収し、上清を除去後、1mg/mLのプロテインA溶液(Sigma Aldrich製,ProteinA from Staphylococcus aureus Soluble,Cowan strain,recombinant,expressed in E.coli,aqueous solution,≧95%(HPLC)を15mM MES−NaOH緩衝液(pH6.0)で希釈)を加え、室温で回転攪拌機にて一晩攪拌した。
(ウサギ抗体IgGの特異的捕捉の評価)
上記処理(磁性粒子へのプロテインAの結合)を行った実施例1及び2の磁性粒子、並びに比較例1の磁性粒子を磁気分離にて回収、上清を除去後、その磁性粒子に5倍希釈したウサギ血清(VECTOR LABORATRIES.INC.seiSerum,Rabbit,NormalをPBS(0.02%Tween20含有)で希釈したもの。ウサギ抗体IgGを含んでいる)を加え、室温で回転攪拌機にて1時間攪拌した。
前記磁性粒子を磁気分離にて回収し、PBS(0.02%Tween20含有)で洗浄後、0.1M グリシン−HCl緩衝液(pH2.8)を加え、室温で回転攪拌機にて15分攪拌した。当該緩衝液は酸性であるため、IgGとプロテインAとの間の結合が切断され、また磁性粒子に非特異的吸着が発生している場合には、非特異的吸着した物質も磁性粒子から分離されていると考えられる。
その後磁性粒子と反応液(主に前記グリシン−HCl緩衝液であり、IgGや、存在する場合には非特異的吸着した物質が含まれている)とを磁気にて分離し、反応液における280nmの吸光度を測定した。吸光度の測定には株式会社日立ハイテクフィールディング製の分光光度計(U−3500)を用いた。この吸光度には主として磁性粒子に特異的に捕捉されたウサギ抗体IgGの量が反映される。この吸光度とウサギ抗体IgGのモル吸光係数(A280(1mg/mL)≒1.4)から反応液中のウサギ抗体IgG量を算出した。算出されたウサギ抗体IgG量(磁性粒子に捕捉された量)を下記表1に示した。
<非特異的吸着の評価>
さらに、上記<特異的捕捉の評価>にて、実施例1及び2の磁性粒子並びに比較例1の磁性粒子について得られた各反応液5μLとサンプルバッファー(4%SDS,20%グリセロール,100mM DTT,0.01% BPB,0.125M Tris−HCl,pH6.8)5μLをボルテックスミキサーにてよく混合し、チューブヒーターにて90℃で3分間加熱した。株式会社バイオクラフト製スラブ電気泳動装置、和光純薬株式会社製プレキャストポリアクリルアミドゲル「スーパーセップTMエース、12.5%、17ウェル」、および泳動バッファー(Tris 3g,グリシン14.3g,SDS 1gを純水で1Lに希釈したもの)を用いて、ゲル1レーンあたり10μlをアプライし、電気泳動を行った。染色は一般的なCBB(クマシーブリリアントブルー)染色法で行った。染色されたゲルをスキャナーでスキャンして画像化した。
染色されたゲルの画像において、実施例1及び2についてはウサギ抗体IgGのサブユニットを構成する蛋白質に相当する分子量約25kDaと50kDa付近にバンドが明瞭に確認され、その他の部分にはバンドが確認されなかったが、比較例1についてはこれらのバンドのほかに60〜75kDa付近にもバンドが確認され、非特異的吸着が起こっていることが確認された。以上の結果を下記表1にまとめた。
<磁気応答性>
実施例1および2の磁性粒子、並びに比較例1の磁性粒子各2mgをPBS緩衝液1mLに分散させ、磁石を近づけてから、液の色が透明になるまでの時間(磁性粒子を完全に回収するまでの時間)を測定した。結果を下記表1に示す。磁石としては、表面磁力密度約4300ガウスのネオジム−鉄−ボロン磁石を用いた。

Claims (16)

  1. 水と、超常磁性ナノ粒子と、疎水性ポリマーと、下記構造単位(a)〜(c)を有する共重合体Aとを含む磁性粒子:
    (a)下記一般式(1)で表される構造単位:
    (b)下記一般式(2)で表される構造単位:
    (c)下記一般式(3)で表される構造単位:

    (式中、R1aは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、mは2〜6の整数である);

    (式中、R1bは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、R2bは水素原子又はOR(Rは脂肪族炭化水素基又は芳香族炭化水素基を表す)基であり、nは2〜18の整数である);

    (式中、R1cは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、qは2〜10の整数であり、R2cは生体分子固定可能な官能基である)
    であって、
    共重合体Aが構造単位(a)を水の側に、構造単位(b)を疎水性ポリマー及び超常磁性ナノ粒子の側にしたミセルを形成していることを特徴とする
    磁性粒子
  2. 疎水性ポリマーが超常磁性ナノ粒子の少なくとも一部を被覆している、請求項1に記載の磁性粒子。
  3. 共重合体Aが疎水性ポリマー及び超常磁性ナノ粒子の少なくとも一部を被覆している、請求項1又は2に記載の磁性粒子。
  4. 超常磁性ナノ粒子が、酸化鉄を含有する微粒子である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の磁性粒子。
  5. 超常磁性ナノ粒子が、Fe 及びγ−Fe から選択される少なくとも1種のナノ粒子を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の磁性粒子。
  6. 超常磁性ナノ粒子が疎水性コートされている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の磁性粒子。
  7. 疎水性ポリマーを構成するモノマーが、スチレン、ジビニルベンゼン又はそれらの混合物である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の磁性粒子。
  8. 共重合体Aにおける構造単位(a)の構成割合が35〜95モル%であり、構造単位(b)の構成割合が1〜50モル%であり、構造単位(c)の構成割合が1〜30モル%である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の磁性粒子。
  9. 生体分子固定可能な官能基が、カルボキシル基若しくはその活性エステル基、エポキシ基、トシル基、アミノ基、チオール基又はブロモアセトアミド基である、請求項1〜8のいずれかに記載の磁性粒子。
  10. 疎水性ポリマー及び超常磁性ナノ粒子を含み、水と溶け合わない溶媒と、下記構造単位(a)〜(c)を有する共重合体Aを含む水とを乳化させる工程:
    (a)下記一般式(1)で表される構造単位:
    (b)下記一般式(2)で表される構造単位:
    (c)下記一般式(3)で表される構造単位:

    (式中、R 1a は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、mは2〜6の整数である);

    (式中、R 1b は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、R 2b は水素原子又はOR(Rは脂肪族炭化水素基又は芳香族炭化水素基を表す)基であり、nは2〜18の整数である);

    (式中、R 1c は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、qは2〜10の整数であり、R 2c は生体分子固定可能な官能基である);及び
    得られた乳化液から水と溶け合わない溶媒を除去する工程
    を含む、磁性粒子の製造方法。
  11. 水と溶け合わない溶媒が、疎水性ポリマーを溶解する、請求項10に記載の磁性粒子の製造方法。
  12. 乳化工程において、超常磁性ナノ粒子100重量部に対して、疎水性ポリマー0.01〜2000重量部と共重合体A 2〜2000重量部とを使用する、請求項10又は11に記載の磁性粒子の製造方法。
  13. 乳化液が水中油型(O/W型)エマルションである、請求項10〜12のいずれか一項に記載の磁性粒子の製造方法。
  14. 水と溶け合わない溶媒を除去する工程が、水の少なくとも一部を残存させる蒸発処理により行われる、請求項10〜13のいずれか一項に記載の磁性粒子の製造方法。
  15. 磁性粒子が請求項1〜9のいずれか一項に記載の磁性粒子である、請求項10〜14のいずれか一項に記載の磁性粒子の製造方法。
  16. 請求項10〜14のいずれか一項に記載の磁性粒子の製造方法で得られる、請求項1〜9のいずれか一項に記載の磁性粒子。
JP2013177970A 2013-08-29 2013-08-29 磁性粒子 Expired - Fee Related JP6066202B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013177970A JP6066202B2 (ja) 2013-08-29 2013-08-29 磁性粒子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013177970A JP6066202B2 (ja) 2013-08-29 2013-08-29 磁性粒子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015044956A JP2015044956A (ja) 2015-03-12
JP6066202B2 true JP6066202B2 (ja) 2017-01-25

Family

ID=52670734

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013177970A Expired - Fee Related JP6066202B2 (ja) 2013-08-29 2013-08-29 磁性粒子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6066202B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108283918B (zh) * 2018-02-13 2020-07-31 上海市刑事科学技术研究院 磁性微球及其发毛检测应用

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004067609A1 (ja) * 2003-01-31 2004-08-12 Trial Corporation 密度を制御した微小粒子
JP4434971B2 (ja) * 2005-01-21 2010-03-17 住友ベークライト株式会社 捕捉ビーズ用マイクロ粒子およびそれを用いた捕捉ビーズならびにバイオチップ
FR2938333A1 (fr) * 2008-11-13 2010-05-14 Galderma Res & Dev Modulateurs de cidea dans le traitement de l'acne, d'une dermatite seborrheique ou de l'hyperseborrhee

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015044956A (ja) 2015-03-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Rahman et al. Multi-stimuli responsive magnetic core–shell particles: synthesis, characterization and specific RNA recognition
Zengin et al. Molecularly imprinted superparamagnetic iron oxide nanoparticles for rapid enrichment and separation of cholesterol
US8084275B2 (en) Magnetic composite body, production method thereof, method for removing substance with mannose on its surface, and method for concentrating substance with mannose on its surface
US20100291224A1 (en) Nanostructures, methods of preparing and uses thereof
WO2010027029A1 (ja) 凍結乾燥可能な温度応答性磁性微粒子
US9494580B2 (en) Polymer particle containing fluorescent molecule and method for producing the same
Huang et al. Magnetic polymer microspheres with polymer brushes and the immobilization of protein on the brushes
Pimpha et al. Preparation of anti-CD4 monoclonal antibody-conjugated magnetic poly (glycidyl methacrylate) particles and their application on CD4+ lymphocyte separation
JP2016529209A (ja) 刺激応答性磁性ナノ粒子
JP5428166B2 (ja) 磁性粒子の凝集及び分散方法並びにこれを用いた分離、検出方法及び検出用キット
JP5565546B2 (ja) 親油性分子で表面修飾された温度応答性磁性微粒子および該微粒子と両親媒性分子を含むリポソーム様構造体を形成する組成物
JP6066202B2 (ja) 磁性粒子
JP2010260877A (ja) 有機ポリマー粒子およびプローブ結合粒子
JP6900207B2 (ja) プローブ結合担体の製造方法、および、標的物質を検出または分離する方法
JP2007022886A (ja) ポリマー被覆粒子
JP6088347B2 (ja) ポリマーブラシ層被覆磁性ナノ粒子
KR102532375B1 (ko) 진단 용도를 위한 고다공성 중합체 입자의 제조 방법
Shukoor et al. Multifunctional polymer-derivatized γ-Fe2O3 nanocrystals as a methodology for the biomagnetic separation of recombinant His-tagged proteins
TWI725424B (zh) Cas9胜肽拓印甲殼素複合奈米粒子及其製造方法
JP4803366B2 (ja) 有機ポリマー粒子およびその製造方法、プローブ結合用有機ポリマー粒子およびその製造方法、ならびにプローブ結合粒子およびその製造方法
JPWO2004056895A1 (ja) ラテックス粒子およびその製造方法
JP4877509B2 (ja) ブロッキング剤ならびにプローブ結合粒子およびその製造方法
EP3773741B1 (en) Nanoparticles with non-covalently bound targeting moieties for use in a therapeutic method and for non-medical use
Rahman et al. Temperature, PH and Diol Tri-Sensing Magnetic Particles for Specific Ribonucleic Acid Recognition
JP2006234417A (ja) 磁性粒子分散体および診断薬用粒子

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20150317

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151014

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20151014

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20160222

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160916

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160927

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161021

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161206

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161214

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6066202

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees