JP6064686B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、運転者のステアリング操作を補助する電動パワーステアリング装置に関する。
車両の操舵機構にモータの動力を付与することにより、運転者のステアリング操作を補助する電動パワーステアリング装置が知られている。特許文献1の電動パワーステアリング装置は、一対のプーリと、この一対のプーリ間に掛け渡されたベルトを有する減速機構を備えている。これら一対のプーリ及びベルトは、それぞれ歯を有しており、互いに噛合している。一対のプーリの一方はモータ軸に、他方は操舵機構に、それぞれ連結されている。減速機構は、モータの動力を一対のプーリ及びベルトを介して操舵機構に付与する。この電動パワーステアリング装置は、ステアリングシャフトの中間部分に設けられたトーションバーのねじれ量に基づき操舵トルクを検出するトルクセンサと、車速を検出する車速センサと、を備えている。電動パワーステアリング装置の制御部は、トルクセンサの検出結果及び車速センサの検出結果に基づき操舵機構に付与するアシストトルクを算出し、当該アシストトルクに基づいてモータに供給する電流を調整する。また、電動パワーステアリング装置は、ステアリングホイールの操舵角度を検出する操舵角センサと、モータ軸の回転速度を検出する回転速度センサと、を備えている。制御部は、操舵角センサの検出結果と回転速度センサの検出結果との比較に基づいて一対のプーリとベルトとの滑り、正確には、噛合する歯面同士がどの程度ずれているかを検出して、そのずれの分だけモータに供給する電流を調整する。
特開2008−105604号公報
ところで、特許文献1の電動パワーステアリング装置の制御部は、一対のプーリとベルトとの滑りを検出し、その分だけモータに供給する電流を調整するが、先の滑りが大きく歯がかみ合っていた部分がずれる、いわゆる歯飛びが発生しても、これを認識することができない。従って、制御部は、歯飛びが発生してもモータに供給する電流を調整しない。このため、モータの動力を操舵機構に付与するタイミングや付与する動力の大きさがずれて、ステアリングの操舵に違和感を覚えるおそれがある。
本発明は、こうした実状に鑑みてなされたものであり、その目的は、歯飛びが発生しても、良好な操作フィーリングを得られる電動パワーステアリング装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、電動パワーステアリング装置は、車両の操舵機構に付与する操舵補助力を生成するモータと、前記モータの出力軸に取り付けられる原動車と、前記操舵機構に取り付けられる従動車と、前記原動車及び従動車に噛合し、前記原動車の回転を前記従動車に伝える伝達部材と、前記モータの回転角を算出するモータ回転角センサと、前記モータ回転角センサの検出結果に基づいて車両の転舵輪の転舵角を推定するとともに、当該推定した転舵角、及び車両のステアリング操作に基づき前記モータを制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記モータ回転角センサの検出結果を時間で2回微分したものが第1の設定値よりも大きい場合、前記原動車と前記伝達部材との間、及び前記従動車と前記伝達部材との間の少なくとも一方における歯飛びが発生する可能性があるため、モータ回転角センサの検出結果と転舵角とが対応するように再演算することを要旨とする。
原動車と伝達部材との間、及び従動車と伝達部材との間の少なくとも一方に歯飛びが発生した場合、歯飛び発生前まで対応していたモータ回転角センサの検出結果と車両の転舵輪の転舵角とが対応しなくなる。制御装置は、転舵角に基づいてモータを制御するので、モータ回転角センサの検出結果と転舵角とが一致しない場合には、適切な操舵補助力を生成するようにモータを制御できない。ひいては、ユーザがステアリングホイールの操作に違和感を覚えるおそれがある。
その点、同構成によれば、制御装置は、歯飛びが発生する可能性がある場合には、モータ回転角センサの検出結果と転舵角とが対応するように再演算するので、適切な操舵補助力を生成するようにモータを制御することができる。これにより、歯飛びが発生しても、ユーザは、良好な操作フィーリングを得られる。
なお、歯飛びが発生する条件は、モータが付与する操舵補助力が大きい場合に限られる。操舵補助力は、モータ回転角センサの検出結果を時間で2回微分して得られるいわゆるモータの回転加速度に対応している。すなわち、モータの回転加速度を通じて、歯飛びが発生する可能性の有無を判断することができる。
上記構成において、前記操舵機構は、ステアリングホイールの回転をラックハウジングに収容されるラック軸の軸方向運動に変換するラックアンドピニオン機構を備え、前記制御装置は、前記モータ回転角センサの検出結果を時間で1回微分したものが第2の設定値よりも大きい場合に、前記モータ回転角センサの検出結果を時間で2回微分したものと第1の設定値とを比較することが好ましい。
ラックアンドピニオン機構を備える車両における歯飛び発生する状況は、ラック軸のラックエンドが高速でラックハウジングの内壁に当接するいわゆるラックエンド衝突時に限られる。この構成によれば、制御装置は、ラック軸の移動速度と相関があるモータ回転角センサの検出結果を時間で1回微分したもの(モータの回転速度)が第2の設定値よりも大きい場合に、ラックエンド衝突時が発生する可能性があるとして、モータ回転角センサの検出結果を時間で2回微分したもの(モータの回転加速度)と第1の設定値とを比較する。従って、制御装置は、ラックエンド衝突の可能性の有無を検出しないもの、すなわち、モータの回転加速度と第1の設定値との比較しか行なわない電動パワーステアリング装置と比較して、無駄にモータ回転角センサの検出結果と転舵角とが対応するように再演算することが減る。モータ回転角センサの検出結果と転舵角とが対応するように再演算しているときの制御装置は、モータの制御ができない、ひいては、操舵補助力を操舵機構に付与することができないので、ユーザがステアリングホイールの操作に違和感を覚えるおそれがある。
その点、同構成によれば、ラックエンド衝突の可能性の有無を検出しないものと比較して、モータ回転角センサの検出結果と転舵角とが対応するように再演算する回数が減る、すなわち、操舵補助力の付与が中断される回数が減るので、ユーザは、良好な操作フィーリングを得られる。
上記構成において、前記操舵機構は、前記従動車と前記ラック軸との間を繋ぐボールねじ機構を備えることが好ましい。
同構成によれば、ボールねじ機構によって従動車の回転は、スムーズにラック軸の軸方向移動に変換される。
本発明の電動パワーステアリング装置によれば、歯飛びが発生しても、良好な操作フィーリングを得られる。
電動パワーステアリング装置の概略構成を示すブロック図。 ボールねじ機構及び減速機構を示す一部断面を含む側面図。 ECUの概略構成を示すブロック図。 歯飛び発生可能性判断部の処理を示すフローチャート。
以下、電動パワーステアリング装置の一実施形態について説明する。
<電動パワーステアリング装置の概要>
図1に示すように、電動パワーステアリング装置(EPS)1は、運転者のステアリング操作に基づいて転舵輪を転舵させる操舵機構2、および運転者のステアリング操作を補助する操舵補助機構3、および操舵補助機構3の作動を制御するECU(電子制御装置)22を備えている。
操舵機構2は、運転者により操作されるステアリングホイール4、およびステアリングホイール4と一体回転するステアリングシャフト5を備えている。ステアリングシャフト5は、ステアリングホイール4の中心に連結されたコラムシャフト6、コラムシャフト6の下端部に連結されたインターミディエイトシャフト7、およびインターミディエイトシャフト7の下端部に連結されたピニオンシャフト8からなる。ピニオンシャフト8は、入力軸15と出力軸16とに分割されている。これら入力軸15及び出力軸16は、同一軸線上に設けられており、トーションバー17を介して連結されている。ピニオンシャフト8の下端部、正確には出力軸16の下端部は、出力軸16に交わる方向へ延びるラック軸12(正確には、ラック歯が形成された部分11)に噛合されている。したがって、ステアリングシャフト5の回転運動は、ピニオンシャフト8およびラック軸12からなるラックアンドピニオン機構10によりラック軸12の往復直線運動に変換される。当該往復直線運動は、ラック軸12の両端(ラックエンド)にそれぞれ連結されたタイロッド13を介して左右の転舵輪14,14にそれぞれ伝達される。これにより、これら転舵輪14,14の転舵角θtaが変更される。転舵輪14,14の転舵角θtaが変更されることにより車両の進行方向が変更される。なお、ラック軸12は、車体に支持されるラックハウジング9に収容されている。このため、転舵輪14,14の転舵は、ラック軸12のラックエンドがラックハウジング9に当接(ラックエンド衝突)することにより規制される。
操舵補助機構3は、操舵補助力の発生源であるモータ19を備えている。モータ19としては、ブラシレスモータなどの三相交流モータが採用される。モータ19は、減速機構21及びボールねじ機構20を介してラック軸12に連結されている。減速機構21はモータ19の回転を減速する。なお、減速機構21については、後に詳述する。ボールねじ機構20は、減速機構21によって減速されたモータ19の回転をラック軸12に伝達する。すなわち、ラック軸12にモータトルクが操舵補助力(アシスト力)として付与されることにより、運転者のステアリング操作が補助される。
図2に示すように、減速機構21は、入力プーリ35と、出力プーリ36と、ベルト37と、を備えている。
入力プーリ35は、歯付きのプーリである。また、入力プーリ35は、モータ19のモータ軸18に継手を介して連結された入力軸32と連結されており、当該入力軸32、及びモータ軸18と一体で回転する。
出力プーリ36は、入力プーリ35と同様に歯付きのプーリであって、入力プーリ35よりも大径とされている。また、出力プーリ36は、ボールねじ機構20に連結されている。
ベルト37は、歯付きベルトであって、入力プーリ35と出力プーリ36との間に掛け渡されている。これにより、モータ19の動力、すなわち、モータ軸18の回転は、入力プーリ35、ベルト37、及び出力プーリ36を介してボールねじ機構20に伝達される。なお、出力プーリ36は、入力プーリ35よりも大径であることから、入力プーリ35よりも低速で回転する。また、入力プーリ35が原動車に、出力プーリ36が従動車に、ベルト37が伝達部材に、それぞれ相当する。
ボールねじ機構20は、ボールナット38と、ラック軸12の外周に形成されるボールねじ溝39と、多数のボール40と、を備えている。ボールナット38は、出力プーリ36と一体で回転する。また、ボールナット38は、出力プーリ36に内嵌されていて、ボールねじ溝39にボール40を介して螺合している。ボールナット38の回転は、ボール40及びボールねじ溝39により、スムーズにラック軸12の軸方向移動に変換される。
図1に示すように、ECU22は、車両に設けられる各種のセンサの検出結果を運転者の要求あるいは走行状態を示す情報として取得し、これら取得される各種の情報に応じて、モータ19を制御する。各種のセンサとしては、たとえば車速センサ26、トルクセンサ25、及びモータ回転角センサ23がある。車速センサ26は、車速(車両の走行速度)Vを検出する。トルクセンサ25は、トーションバー17を介してピニオンシャフト8の入力軸15と出力軸16との間の相対回転変位量により操舵トルクTを検出する。モータ回転角センサ23は、モータ19の回転角θを検出する。ECU22は、これらセンサを通じて取得される車速V、操舵トルクT、及びモータ回転角θに基づき、モータ19を制御する。
<ECU>
つぎに、ECU22について説明する。
図3に示すように、ECU22は、アシストトルク演算部51と、トルク補正部52と、目標電流演算部53と、出力電流制御部54と、モータ駆動回路55と、モータ電流検出回路56と、を備えている。
アシストトルク演算部51は、トルクセンサ25及び車速センサ26により取得される操舵トルクT及び車速Vに基づいてアシストトルクTasを演算する。
トルク補正部52は、モータ回転角θ、及び転舵輪14,14の転舵角θtaが0(零)となる中点モータ回転角θm0に基づき転舵輪14,14の転舵角θtaを算出し、当該転舵角θtaに基づきアシストトルクTasを補正した補正アシストトルクTasrを算出する。中点モータ回転角θm0は、後述の中点演算部64により算出され、トルク補正部52のメモリ52aに記憶されている。トルク補正部52は、中点演算部64により中点モータ回転角θm0が算出される度に、メモリ52aに記憶するデータを書き換える。
目標電流演算部53は、補正アシストトルクTasrに基づいてモータ19に供給する電流指令値Iを演算する。電流指令値Iは、モータ19に供給するべき電流を示す指令値である。
出力電流制御部54は、電流指令値I及び実際にモータ19に供給する電流Iを、それぞれ取り込み、これら取り込まれる情報に基づき実際の電流Iが電流指令値Iに追従するようにフィードバック制御を行い、補正電流指令値I を出力する。
モータ駆動回路55は、補正電流指令値I に基づいてPMW(Pluse Width Modulation)制御することにより、モータ19に供給する電流Iを制御する。
モータ電流検出回路56は、実際にモータ19に供給される電流Iを検出し、検出される電流Iを出力電流制御部54に送る。
また、ECU22は、モータ角速度演算部61と、モータ角加速度演算部62と、判断部63と、中点演算部64と、を備えている。
モータ角速度演算部61は、モータ回転角θに基づいてモータ角速度ω(モータ回転角θを時間で1回微分したもの)を演算する。
モータ角加速度演算部62は、モータ回転角センサ23が検出するモータ19の回転角θに基づいてモータ角加速度α(モータ回転角θを時間で2回微分したもの)を演算する。
判断部63は、モータ角速度ω及びモータ角加速度αに基づいて、入力プーリ35とベルト37との間、及びベルト37と出力プーリ36との間における歯飛びが発生する可能性が有るか否かついて判断する。なお、歯飛びが発生する条件は、ユーザのステアリングホイール4の操作によってラック軸12が高速で軸方向移動し、当該移動に伴いラックエンド衝突するとともに、当該衝突時にモータ19が先のラック軸12の軸方向移動を強くアシストしているときに限られることが分かっている。すなわち、歯飛びが発生する可能性が有るか否かの判断は、ラックエンド衝突が発生する可能性が有るか否かによって判断することができる。
判断部63のメモリ63aには、ラックエンド衝突の可能性の有無を判断するための各種のデータが記憶されている。具体的には、モータ角速度ωの絶対値と比較する設定値ω1と、モータ角加速度αの絶対値と比較する設定値α1と、が記憶されている。設定値ω1,α1は、入力プーリ35とベルト37との間、及びベルト37と出力プーリ36との間の歯同士のかかり具合により決定される値である。判断部63は、モータ角速度ωの絶対値と設定値ω1との比較を通じて、ラック軸12が設定値よりも高速で軸方向移動しているか否かを判断し、モータ角加速度αの絶対値と設定値α1との比較を通じて、モータ19のアシスト力が設定値よりも大きいか否かを判断する。なお、設定値α1が第1の設定値に、設定値ω1が第2の設定値に、それぞれ相当する。
また、判断部63は、ラックエンド衝突が発生する可能性の有無を判断するために使用する、高速操舵中であることを示すフラグFをメモリ63aに立てたり倒したりする。フラグFは、ラック軸12が高速で軸方向移動している可能性があるときに立てられる。さらに、判断部63は、ラックエンド衝突を判断するために使用するカウンタ63bを備えている。カウンタ63bは、フラグFが立った状態におけるラックエンド衝突の有無を判断する処理を実行した回数をカウントする。
メモリ63aには、ラック軸12が高速で軸方向移動しているか否かを判断するための設定値T1が記憶されている。設定値T1は、カウンタ63bがカウントするカウントデータTと比較される値であって、ラック軸12が高速、すなわち、歯飛びが発生する可能性がある速度でラックハウジング9の一方の内壁から他方の内壁に当接(ラックエンド衝突)するまでに、判断部63がラックエンド衝突の有無を判断する処理を行う回数に設定される。判断部63は、カウントデータTと設定値T1との比較を通じて、ラック軸12が高速で軸方向移動した直後か否かを判断する。これは、モータ角速度ωが設定値ω1以下であっても、ラック軸12が高速で軸方向移動した直後であれば、転舵輪14,14が縁石にぶつかる等の外力を受けたことによって歯飛びが発生する可能性があるからである。なお設定値T1は、ラック軸12の長さとラックハウジング9の両内壁間の長さとの差、及び歯飛びが発生する可能性のあるラック軸12の移動速度に基づいて決定される。
判断部63は、モータ角速度ω、モータ角加速度α、及びカウントデータTに基づいてラックエンド衝突が発生する可能性の有無を判断する。そして、ラックエンド衝突が発生する可能性が有る場合には、歯飛びが発生する可能性があると判断し、中点演算指令信号を出力する。なお、判断部63における処理については、後に詳述する。
中点演算部64は、中点演算指令信号が入力されると、車速V、モータ角速度ω、モータ回転角θに基づいて、転舵輪14,14の転舵角θtaが0(零)となる中点モータ回転角θm0を算出する。なお、中点モータ回転角θm0の算出にかかる処理は公知であることから、その詳細な説明を割愛する。
<歯飛び発生可能性判断部の処理>
つぎに、判断部63におけるラックエンド衝突が発生する可能性の有無を判断する処理について図4のフローチャートに従って説明する。当該処理は、所定の制御周期で実行される。判断部63は、例えば5msec毎にモータ角速度ω及びモータ角加速度αを取得する。
図4に示すように、判断部63は、モータ角速度ω及びモータ角加速度αを取得すると、まず、モータ角速度ωの絶対値が設定値ω1よりも大きいか否かを判断する(ステップS1)。ステップS1においてYES、すなわち、モータ角速度ωの絶対値が設定値ω1よりも大きい場合は、ラック軸12が高速で軸方向移動していることが確定する。この場合、判断部63は、カウントデータTを0(零)にリセットし(ステップS2)、フラグFを立てる(ステップS3)。
次に、判断部63は、モータ角加速度αの絶対値が設定値α1よりも大きいか否かを判断する(ステップS4)。ステップS4においてYES、すなわち、モータ角加速度αの絶対値が設定値α1よりも大きい場合は、モータ19のアシスト力が大きいので、ラック軸12がラックエンド衝突したときに歯飛びが発生する可能性がある。この場合、判断部63は、中点演算部64に中点演算指令信号を出力して(ステップS5)、一連の処理を終了する。
なお、ステップS1においてNO、すなわち、モータ角速度ωの絶対値が設定値ω1以下である場合には、フラグFが立っているか否かを判断する(ステップS6)。ステップS6においてYES、すなわち、フラグFが立っている場合は、ラック軸12の高速での軸方向移動が継続している可能性がある。この場合、判断部63は、カウントデータTをインクリメント(前回のカウントデータTに1を加算)し(ステップS7)、カウントデータTが設定値T1よりも大きいか否かを判断する(ステップS8)。ステップS8においてYES、すなわち、カウントデータTが設定値T1よりも大きい場合、ラック軸12は、歯飛びが発生するほどの速度で移動していないことが確定する。この場合、判断部63は、フラグFを倒し(ステップS9)、一連の処理を終了する。
なお、ステップS8においてNO、すなわち、カウントデータTが設定値T1以下である場合には、ラック軸12が高速で軸方向移動した直後であって、転舵輪14,14が縁石等にぶつかる等の外力を受けた場合には歯飛びが発生する可能性があるので、判断部63は、ステップS4に処理を移行する。
また、ステップS6においてNO、すなわち、フラグFが立っていない場合は、ラック軸12は、歯飛びが発生するほどの速度で移動していないことが確定する。この場合、判断部63は、カウントデータTを0(零)にリセットし(ステップS10)、一連の処理を終了する。
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)ECU22は、モータ回転角θを時間で2回微分して得られるモータ角加速度αの絶対値が設定値α1よりも大きい場合に、歯飛びが発生する可能性が有るとして、中点演算部64に中点演算指令信号を出力する判断部63を備える。中点演算部64は、中点演算指令信号が入力されると、車速V、モータ角速度ω、モータ回転角θに基づいて、転舵輪14,14の転舵角θtaが0(零)となる中点モータ回転角θm0を算出する。そして、ECU22は、算出された中点モータ回転角θm0に基づいてモータ19を制御する。これにより、歯飛びが発生しても、その都度中点モータ回転角θm0が補正されるので、モータ回転角θから適切な転舵角θtaが得られる。ひいては、適切なアシストトルクTas、及び電流指令値Iを得ることができるので、ユーザは、良好な操作フィーリングを得られる。
(2)判断部63は、モータ回転角θを時間で1回微分して得られるモータ角速度ωの絶対値が設定値ω1よりも大きい場合に、ラックエンド衝突が発生する可能性が有るとして、モータ角加速度αの絶対値と設定値α1とを比較する。ラックアンドピニオン機構を備える車両における歯飛び発生する状況は、ラック軸のラックエンドが高速でラックハウジングの内壁に当接するいわゆるラックエンド衝突時に限られることが分かっている。これにより、判断部63は、ラックエンド衝突の可能性の有無にかかわらず中点演算指令信号を出力する場合と異なり、無駄な中点演算指令信号を出力することが少なくなる。従って、中点演算部64が中点モータ回転角θm0を算出する機会が少なくなる。中点モータ回転角θm0の再演算中のECU22は、モータ19を適切に制御することができないので、ユーザがステアリングホイールの操作に違和感を覚えるおそれがある。その点、ECU22は、中点モータ回転角θm0を算出する機会が少ないので、ユーザは、良好な操作フィーリングを得られる。
(3)操舵機構2に、出力プーリ36とラック軸12との間を繋ぐボールねじ機構20を設けた。ボールねじ機構20は、ボールナット38と、ラック軸12の外周に形成されるボールねじ溝39と、ボール40と、を備えている。ボールナット38は、出力プーリ36と一体で回転するようにした。また、ボールナット38は、ボールねじ溝39にボール40を介して螺合するようにした。これにより、ボールナット38の回転は、ボール40及びボールねじ溝39により、通常のねじ対偶で軸方向移動に変換されるものよりも、スムーズにラック軸12の軸方向移動に変換される。従って、ユーザは、良好な操作フィーリングを得られる。
(4)操舵機構2は、入力プーリ35と出力プーリ36とに掛け渡されたベルト37を備える。ベルト37は、形状の変形が可能であるので、入力プーリ35と出力プーリ36との位置関係の自由度が増す。
(5)判断部63は、カウントデータTと設定値T1との比較を通じて、ラック軸12が高速で軸方向移動した直後か否かを判断するようにした。そして、ラック軸12が高速で軸方向移動した直後である場合には、モータ角加速度αの絶対値と設定値α1とを比較する。ラック軸12が高速で軸方向移動した直後は、転舵輪14,14が縁石等にぶつかる等の外力を受けた場合には歯飛びが発生する可能性があるので、モータ角加速度αの絶対値と設定値α1とを比較して、歯飛びが発生する可能性の有無を判断する。そして、判断部63は、歯飛びが発生する可能性が有る場合には、中点演算指令信号を生成する。これにより、中点モータ回転角θm0が補正されるので、歯飛びが発生しても、ユーザは、良好な操作フィーリングを得られる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態において、判断部63は、モータ角速度ωの絶対値と設定値ω1とを比較しなくてもよい。すなわち、図4において、ステップS1〜S3、及びステップS6〜S10の処理を省略してもよい。この場合、判断部63は、モータ角加速度αの絶対値が設定値α1よりも大きい場合に、中点演算指令信号を出力する。このように構成した場合でも、上記実施形態の(1)の効果と同様の効果を得ることができる。
・上記実施形態において、操舵機構2は、ボールねじ機構20を備えていなくてもよい。この場合、例えば、出力プーリ36とラック軸12との間をねじ対偶で繋ぐ。このように構成しても、上記実施形態の(1)及び(2)の効果と同様の効果を得ることができる。
・上記実施形態において、伝達部材に相当するベルト37は、入力プーリ35及び出力プーリ36に噛合する歯車であってもよい。このように構成しても、上記実施形態の(1)〜(3)の効果と同様の効果を得ることができる。
・上記実施形態において、判断部63は、カウントデータTと設定値T1とを比較しなくてもよい。すなわち、図4において、ステップS6〜S10の処理を省略してもよい。このように構成しても、上記実施形態の(1)〜(4)の効果と同様の効果を得ることができる。
・上記実施形態において、モータ19の動力は、ラック軸12の軸方向変位のアシストに使用されたが、ステアリングシャフト5の回転をアシストするように使用してもよい。
・上記実施形態において、歯飛び状態の有無の判断に、操舵トルクTの変化量や、ステアリングホイール4の操舵角などを組み合わせてもよい。
次に、上記実施形態及び上記別例より想起される技術的思想について追記する。
(イ)上記構成において、前記原動車及び従動車は、外周面に歯を有するものであって、前記伝達部材は、前記原動車及び従動車に掛け渡された歯付きのベルトであること。
ベルトは、形状の変形が可能であるので、原動車と従動車との位置関係の自由度が増す。
(ロ)上記構成において、前記制御装置は、前記モータ回転角センサの検出結果を時間で1回微分したものが第2の設定値以下である場合には、前記ラック軸が高速で移動した直後か否かを判断し、直後である場合には、前記モータ回転角センサの検出結果を時間で2回微分したものと第1の設定値とを比較すること。
ラック軸が高速で移動した直後である場合には、車両の転舵輪が縁石にぶつかる等の外力を受けて歯飛びが発生する可能性がある。その点、この構成では、ラック軸が高速で移動した直後である場合に、モータ回転角センサの検出結果を時間で2回微分したものと第1の設定値とを比較する。従って、制御装置は、歯飛びが発生する可能性があるときに、転舵角を再演算するので、適切な操舵補助力を生成するようにモータを制御することができる。これにより、歯飛びが発生しても、ユーザは、良好な操作フィーリングを得られる。
1…電動パワーステアリング装置、2…操舵機構、3…操舵補助機構、4…ステアリングホイール、9…ラックハウジング、10…ラックアンドピニオン機構、12…ラック軸、14…転舵輪、19…モータ、20…ボールねじ機構、21…減速機構、22…ECU、
23…モータ回転角センサ、25…トルクセンサ、26…車速センサ、35…入力プーリ(原動車)、36…出力プーリ(従動車)、37…ベルト、38…ボールナット、39…ボールねじ溝、40…ボール、51…アシストトルク演算部、52…トルク補正部、53…目標電流演算部、54…出力電流制御部、55…モータ駆動回路、56…モータ電流検出回路、61…モータ角速度演算部、62…モータ角加速度演算部、63…判断部、64…中点演算部。

Claims (3)

  1. 車両の操舵機構に付与する操舵補助力を生成するモータと、前記モータの出力軸に取り付けられる原動車と、前記操舵機構に取り付けられる従動車と、前記原動車及び従動車に噛合し、前記原動車の回転を前記従動車に伝える伝達部材と、前記モータの回転角を算出するモータ回転角センサと、前記モータ回転角センサの検出結果に基づいて車両の転舵輪の転舵角を推定するとともに、当該推定した転舵角、及び車両のステアリング操作に基づき前記モータを制御する制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、前記モータ回転角センサの検出結果を時間で2回微分したものが第1の設定値よりも大きい場合、前記原動車と前記伝達部材との間、及び前記従動車と前記伝達部材との間の少なくとも一方における歯飛びが発生する可能性があるため、モータ回転角センサの検出結果と転舵角とが対応するように再演算する電動パワーステアリング装置。
  2. 請求項1に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記操舵機構は、ステアリングホイールの回転をラックハウジングに収容されるラック軸の軸方向運動に変換するラックアンドピニオン機構を備え、
    前記制御装置は、前記モータ回転角センサの検出結果を時間で1回微分したものが第2の設定値よりも大きい場合に、前記モータ回転角センサの検出結果を時間で2回微分したものと第1の設定値とを比較する電動パワーステアリング装置。
  3. 請求項2に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記操舵機構は、前記従動車と前記ラック軸との間を繋ぐボールねじ機構を備える電動パワーステアリング装置。
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