JP6064514B2 - 液滴乾燥装置、印刷装置およびプログラム - Google Patents

液滴乾燥装置、印刷装置およびプログラム Download PDF

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本発明は、液滴乾燥装置、印刷装置およびプログラムに関する。
特許文献1には、対象物に対向する面を有するヘッド本体と、前記面に配列されて前記対象物上の対向する各位置に液滴を吐出する複数のノズルと、前記面に配設されて前記対象物に向けて光を照射する照射部とを備える液滴吐出ヘッドであって、前記ノズルの配列方向に沿って配列されるi個(iは1以上の整数)の照射部と、前記配列方向と交差する所定方向に沿って前記ノズルの前記所定方向に配列されるj個(jは2以上の整数)の照射部とからなるi×j個の照射部を有することを特徴とする液滴吐出ヘッドが開示されている。
一方、特許文献2には、複数のノズルを主走査方向に並べてなるインクジェットヘッドを用いて、記録紙又はインクジェットヘッドを副走査方向に送り、前記各ノズルからインクを吐出して記録紙に画像を記録するインクジェットプリンタにおいて、前記ノズルの配列方向で分割され、前記記録紙を加熱するための複数の加熱手段と、前記各加熱手段による前記記録紙への加熱エリアに対する前記ノズルからのインク吐出量に応じて、前記加熱手段の加熱量を制御する制御手段とを備えたことを特徴とするインクジェットプリンタが開示されている。
特開2009−022831号公報 特開2002−011860号公報
本発明は、画質を損なうことなく、効率よく低エネルギーで液滴を乾燥させることができる液滴乾燥装置、印刷装置およびプログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の液滴乾燥装置は、対象物に液滴を吐出する、予め定められた方向に配設された複数のノズルを含む液滴吐出手段と、前記複数のノズルを、少なくとも1つのノズルが含まれるように複数のノズル群に分割した場合の各ノズル群に対応し、前記予め定められた方向とは交差する方向に配設され、前記交差する方向に搬送される前記対象物上において前記ノズル群の対向する位置を通り、前記交差する方向に延伸された直線上の異なる各位置において、当該各位置に到達した前記対象物上の前記液滴に対し順次光を照射する複数の光源を含む光源群が前記予め定められた方向に沿って複数設けられた光源手段と、前記液滴の吐出量を制御するとともに、吐出量が制御された前記ノズル群に対応する前記光源群を構成する各々の光源の照射エネルギーを吐出量に応じて制御する制御手段と、を具備し、前記制御手段は、前記光源群を構成する各々の光源の照射エネルギーを制御することにより、前記光源群からの光の照射開始後、前記液滴の吐出時の温度から前記液滴の沸騰温度に漸近する温度立ち上がり領域、および前記温度立ち上がり領域と連続し、前記沸騰温度を維持する沸騰温度維持領域を含む前記液滴の温度の時間軸に対する分布を形成すると共に、前記温度立ち上がり領域を形成する前記光源の前記照射エネルギーが、前記沸騰温度維持領域を形成する前記光源の照射エネルギーよりも大きくなるように制御するものである。
上記目的を達成するために、請求項2に記載の液滴乾燥装置は、対象物に液滴を吐出する、予め定められた方向に配設された複数のノズルを含む液滴吐出手段と、前記複数のノズルを、少なくとも1つのノズルが含まれるように複数のノズル群に分割した場合の各ノズル群に対応し、前記予め定められた方向とは交差する方向に配設され、前記交差する方向に搬送される前記対象物上において前記ノズル群の対向する位置を通り、前記交差する方向に延伸された直線上の異なる各位置において、当該各位置に到達した前記対象物上の前記液滴に対し順次光を照射する複数の光源を含む光源群が前記予め定められた方向に沿って複数設けられた光源手段と、前記液滴の吐出量を制御するとともに、吐出量が制御された前記ノズル群に対応する前記光源群を構成する各々の光源の照射エネルギーを吐出量に応じて制御する制御手段と、を具備し、前記制御手段は、前記光源群を構成する各々の光源の照射エネルギーを制御することにより、前記光源群からの光の照射開始後、前記液滴の吐出時の温度から前記液滴の沸騰温度に漸近する温度立ち上がり領域、および前記温度立ち上がり領域と連続し、前記沸騰温度を維持する沸騰温度維持領域を含む前記液滴の温度の時間軸に対する分布を形成すると共に、前記沸騰温度維持領域を形成する前記光源のうち、最後に照射する光源または最後に照射する光源を含む予め定められた個数の光源の照射エネルギーが、前記沸騰温度維持領域を形成する他の光源の照射エネルギーよりも小さくなるように制御するものである。
また、請求項に記載の発明は、請求項に記載の発明において、前記制御手段が、前記沸騰温度維持領域を形成する前記光源のうち、最後に照射する光源または最後に照射する光源を含む予め定められた個数の光源の照射エネルギーが、前記沸騰温度維持領域を形成する他の光源の照射エネルギーよりも小さくなるように制御するものである。
また、請求項に記載の発明は、請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の発明において、前記制御手段が、吐出された前記液滴ごとに、前記光源の点灯および消灯を切り替えて照射エネルギーを制御するものである。
また、請求項に記載の発明は、請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の発明において、前記制御手段が、前記光源群における各々の光源の光強度を制御することにより照射エネルギーを制御するものである。
また、請求項に記載の発明は、請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の発明において、前記光源群における各々の光源はパルス状の光を出射し、前記制御手段は、前記各々の光源のパルス状の光の数を制御することにより照射エネルギーを制御するものである。
また、請求項に記載の発明は、請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の発明において、前記光源が、面発光レーザであるものである。
また、請求項に記載の発明は、請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の発明において、前記光源群を構成する各々の光源の光出射面に対応させて、前記光源から出射された光を集光する集光手段をさらに有するものである。
一方、請求項に記載の印刷装置は、請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の液滴乾燥装置と、前記液滴乾燥装置により乾燥対象とされる印刷物を搬送する搬送手段と、を有するものである。
さらに、上記目的を達成するために、請求項10に記載のプログラムは、コンピュータを、対象物に液滴を吐出する、予め定められた方向に配設された複数のノズルを含む液滴吐出手段から吐出さる前記液滴の吐出量を制御する第1の制御手段と、前記複数のノズルを、少なくとも1つのノズルが含まれるように複数のノズル群に分割した場合の各ノズル群に対応し、前記予め定められた方向とは交差する方向に配設され、前記交差する方向に搬送される前記対象物上において前記ノズル群の対向する位置を通り、前記交差する方向に延伸された直線上の異なる各位置において、当該各位置に到達した前記対象物上の前記液滴に対し順次光を照射する複数の光源を含む光源群が前記予め定められた方向に沿って複数設けられた光源手段の、吐出量が制御された前記ノズル群に対応する前記光源群を構成する各々の光源の照射エネルギーを吐出量に応じて制御し、かつ、前記光源群を構成する各々の光源の照射エネルギーを制御することにより、前記光源群からの光の照射開始後、前記液滴の吐出時の温度から前記液滴の沸騰温度に漸近する温度立ち上がり領域、および前記温度立ち上がり領域と連続し、前記沸騰温度を維持する沸騰温度維持領域を含む前記液滴の温度の時間軸に対する分布を形成すると共に、前記温度立ち上がり領域を形成する前記光源の前記照射エネルギーが、前記沸騰温度維持領域を形成する前記光源の照射エネルギーよりも大きくなるように制御する第2の制御手段と、として機能させるためのものである。
請求項1、請求項2、請求項9および請求項10に記載の発明によれば、本発明を適用しない場合に比較して、画質を損なうことなく、効率よく低エネルギーで液滴を乾燥させることができるという効果を得ることができる。また、吐出された液滴の温度の時間軸に対する分布を形成しない場合に比較して、液滴を乾燥するのに適した温度プロファイルを得ることができるという効果が得られる。さらに、請求項1に記載の発明によれば、液滴の温度の立ち上がり時間を、より短くすることができるという効果が得られ、請求項2に記載の発明によれば、液滴の吐出量のばらつきを、より吸収できるという効果が得られる。
また、請求項に記載の発明によれば、本発明の構成を有しない場合に比較して、液滴の吐出量のばらつきを、より吸収できるという効果が得られる。
また、請求項に記載の発明によれば、点灯および消灯を切り替えない場合に比較して、照射エネルギーの制御を、より確実に実行できるという効果が得られる。
また、請求項に記載の発明によれば、光源群における各々の光源の光強度を制御しない場合に比較して、照射エネルギーの制御を、より簡便かつ確実に実行できるという効果が得られる。
また、請求項に記載の発明によれば、各々の光源のパルス状の光の数を制御しない場合に比較して、照射エネルギーの制御を、より精度よく実行できるという効果が得られる。
また、請求項に記載の発明によれば、光源が面発光レーザでない場合に比較して、より適切に光を照射できるという効果が得られる。
また、請求項に記載の発明によれば、本発明の集光手段を有しない場合に比較して、光源からの光をより有効に用いることができるという効果が得られる。
実施の形態に係るインクジェット記録装置の構成を示す正面断面図である。 実施の形態に係る記録・乾燥複合ヘッドの構成を示す平面図である。 実施の形態に係る記録・乾燥複合ヘッドの構成を示す断面図である。 実施の形態に係る記録・乾燥複合ヘッドの駆動部の構成を示すブロック図である。 実施の形態に係るインクジェット記録装置の電気系の要部構成を示すブロック図ある。 実施の形態に係る光照射によるインク滴の温度の時間に対する変化を示すグラフである。 実施の形態に係る光照射によるインク滴の温度の時間に対する変化のインク滴の吐出量による違いを示すグラフである。 実施の形態に係る光照射によるインク滴の温度の時間に対する変化の光強度による違いを示すグラフである。 実施の形態に係る記録・乾燥複合ヘッドにおけるインク滴の吐出とVCSELによる光照射の関係の説明に供する説明図である。 第1の実施の形態に係るインク滴が大滴の場合の乾燥ヘッドによる光の照射の説明に供する説明図である。 第1の実施の形態に係るインク滴が大滴の場合の光の強度とインク滴の温度との関係を示すグラフである。 第1の実施の形態に係るインク滴が中滴の場合の乾燥ヘッドによる光の照射の説明に供する説明図である。 第1の実施の形態に係るインク滴が中滴の場合の光の強度とインク滴の温度との関係を示すグラフである。 第1の実施の形態に係るインク滴が小滴の場合の乾燥ヘッドによる光の照射の説明に供する説明図である。 第1の実施の形態に係るインク滴が小滴の場合の光の強度とインク滴の温度との関係を示すグラフである。 第1の実施の形態に係るインク滴列に対する乾燥ヘッドによる光の照射の説明に供する説明図である。 第1の実施の形態に係るインク滴列に対する各VCSELによる光の強度の説明に供する説明図である。 第1の実施の形態に係る液滴乾燥制御処理のためのLUTの構成を示す模式図である。 実施の形態に係る液滴乾燥制御処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。 第2の実施の形態に係るインク滴が大滴の場合の乾燥ヘッドによる光の照射の説明に供する説明図である。 第2の実施の形態に係るインク滴が大滴の場合の光照射とインク滴の温度との関係を示す模式図である。 第3の実施の形態に係るインク滴が大滴の場合の乾燥ヘッドによる光の照射の説明に供する説明図である。 第4の実施の形態に係る記録・乾燥複合ヘッドの構成を示す断面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、ここでは、本発明を、インク滴を吐出して画像を記録するインクジェット記録装置に適用した場合について説明する。
[第1の実施の形態]
図1には、本実施の形態に係るインクジェット記録装置12が示されている。インクジェット記録装置12の筐体14内の下部には給紙トレイ16が備えられており、給紙トレイ16内に積層された用紙Pはピックアップロール18により1枚ずつ取り出される。取り出された用紙Pは、予め定められた搬送経路22を構成する複数の搬送ローラ対20で搬送される。以下、単に「搬送方向」というときは、記録媒体である用紙Pの搬送方向をいい、「上流」、「下流」というときはそれぞれ、搬送方向の上流及び下流を意味するものとする。
給紙トレイ16の上方には、駆動ロール24及び従動ロール26に張架された無端状の搬送ベルト28が配置されている。搬送ベルト28の上方には複合ヘッドアレイ30が配置されており、搬送ベルト28の平坦部分28Fに対向している。この対向した領域が、複合ヘッドアレイ30からインク滴が吐出される吐出領域SEとなっている。搬送経路22を搬送された用紙Pは、搬送ベルト28で保持されてこの吐出領域SEに至り、複合ヘッドアレイ30に対向した状態で、複合ヘッドアレイ30から画像データに応じたインク滴が付着される。
そして、用紙Pを搬送ベルト28で保持した状態で周回させることで、吐出領域SE内に複数回通過させて、いわゆるマルチパスによる画像記録が行われる。
なお、搬送ベルト28は、一例として、半導電性ポリイミド材(表面抵抗値108〜1013Ω/□、体積抵抗値109〜1014Ω・cm)を、厚さ75μm、幅380mm、周長1000mmに成形したものが使用される。また、駆動ロール24及び従動ロール26としては、一例として、φ50mmのSUSロールが使用される。
また、記録媒体を周回させる手段としては、搬送ベルト28に限られない。たとえば円筒状あるいは円柱状に形成された搬送ローラの外周に、記録媒体(用紙P)を吸着保持して回転させる構成でもよい。ただし、本実施の形態のように搬送ベルト28を使用すると平坦部分28Fが構成されるので、この平坦部分28Fに対応させて複合ヘッドアレイ30を配置でき、好ましい。
複合ヘッドアレイ30は、本実施の形態では、有効な記録領域が用紙Pの幅(搬送方向と直交する方向の長さ)以上とされた長尺状とされ、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、及びブラック(K)の4色それぞれに対応した4つの記録・乾燥複合ヘッド32が搬送方向に沿って配置されており、フルカラーの画像が記録される。なお、それぞれの記録・乾燥複合ヘッド32においてインク滴を吐出する方法は特に限定されず、いわゆるサーマル方式や圧電方式等、公知のものが適用される。
各記録・乾燥複合ヘッド32は、後述する複合ヘッドコントローラ78(図5参照。)によって作動が制御される。複合ヘッドコントローラ78は、たとえば、画像データに応じてインク滴の吐出タイミングや使用するインク吐出口(ノズル)を決め、駆動信号を記録・乾燥複合ヘッド32に送る。駆動方式としては、たとえばマトリクス駆動方式が用いられる。複合ヘッドコントローラ78は、さらに、光照射によりインク滴を乾燥させる光源を制御するための制御信号を記録・乾燥複合ヘッド32に送る。
また、複合ヘッドアレイ30は、搬送方向と直交する方向に不動とされていてもよいが、必要に応じて移動するように構成しておき、マルチパスによる画像記録で、より解像度の高い画像を記録したり、記録・乾燥複合ヘッド32の不具合を記録結果に反映させないようにしてもよい。
複合ヘッドアレイ30の近傍(本実施の形態では搬送方向の両側)には、それぞれの記録・乾燥複合ヘッド32に対応した4つのメンテナンスユニット34が配置されている。記録・乾燥複合ヘッド32に対してメンテナンスを行う場合には、複合ヘッドアレイ30が上方へ移動し、搬送ベルト28との間に構成された間隙にメンテナンスユニット34が移動して入り込む。そして、ノズル面に対向した状態で、予め定められたメンテナンス動作(バキューム、ダミージェット、ワイピング、キャッピング等)を行う。ここで、ノズル面とは、各記録・乾燥複合ヘッド32の、上記搬送ベルト28の平坦部分28Fに対向する面をいう。
なお、本実施の形態では、4つのメンテナンスユニット34を2つずつの2組に分割し、複合ヘッドアレイ30による画像記録時には複合ヘッドアレイ30の上流側及び下流側にそれぞれ配置されるようにしている。
一方、複合ヘッドアレイ30の上流側には、図示しない電源が接続された帯電ロール36が配置されている。帯電ロール36は、従動ロール26との間で搬送ベルト28及び用紙Pを挟みつつ従動し、用紙Pを搬送ベルト28に押圧する押圧位置と、搬送ベルト28から離間した離間位置との間を移動可能とされている。押圧位置では、接地された従動ロール26との間に予め定められた電位差が生じるため、用紙Pに電荷を与えることにより、用紙Pが搬送ベルト28に静電吸着される。
複合ヘッドアレイ30の下流側には、剥離プレート40が配置されており、用紙Pが搬送ベルト28から剥離される。剥離プレート40としては、たとえば、厚さ0.5mm、幅330mm、長さ100mmのアルミプレートが使用される。
剥離された用紙Pは、剥離プレート40の下流側で排出経路44を構成する複数の排出ローラ対42で搬送され、筐体14の上部に設けられた排紙トレイ46に排出される。
給紙トレイ16と搬送ベルト28の間には、複数の反転用ローラ対50を含んで構成された反転経路52が設けられており、片面に画像が記録された用紙Pを反転させて搬送ベルト28に保持させることで、用紙Pの両面への画像記録が容易に行える。
搬送ベルト28と排紙トレイ46との間には、4色の各インクをそれぞれ貯留するインクタンク54が設けられている。インクタンク54のインクは、図示しないインク供給配管によって、複合ヘッドアレイ30に供給される。インクとしては、水性インク、油性インク、溶剤系インク等、公知の各種インクが使用される。
つぎに、図2および図3を参照して、本実施の形態に係る記録・乾燥複合ヘッド32の構成を説明する。図2は、本実施の形態に係る記録・乾燥複合ヘッド32の、上記搬送ベルト28の平坦部分28Fに対向する面であるノズル面の平面図であり、図3は、本実施の形態に係る記録・乾燥複合ヘッド32の、図1において紙面に直行する方向から見た断面図である。
図2に示すように、この記録・乾燥複合ヘッド32は、記録ヘッド100および乾燥ヘッド200を含んで構成されている。記録ヘッド100は、4個のノズルアレイ102a、102b、102cおよび102d(以下、各ノズルアレイを区別しない場合には、単に「ノズルアレイ102」という。)を含んで構成され、各ノズルアレイ102は、4個のノズル104A、104B、104Cおよび104D(以下、各ノズルを区別しない場合には、単に「ノズル104」という。)を含んで構成されている。
各ノズル104は、インク滴の吐出機構であるインク滴イジェクタ130に接続されている。図3に、本実施の形態に係るインク滴イジェクタ130の具体的な構成の一例を示す。インク滴イジェクタ130は、アクチュエータとする圧力発生素子として、圧電素子(ピエゾ素子)120を適用している。また、インク滴イジェクタ130は圧力室110、共通電極(振動板)122、個別電極124およびノズル104Aを含んで構成されている。
圧電素子120は、共通電極122および個別電極124から印加された電圧によって変形して、インク滴イジェクタ130の圧力室110の壁面の一部を形成している共通電極122を振動させる。このとき、圧電素子120は、共通電極122に対する個別電極124の電圧が下降することにより、圧力室110が膨張するように共通電極122を変形させ、また、前記電圧が上昇することにより圧力室110を収縮させるように共通電極122を変形させる。インク滴イジェクタ130は、共通電極122の膨張、収縮がなされることにより、圧力室110内のインクをインク滴112としてノズル104Aから吐出する。なお、アクチュエータとしての圧電素子は、この例に限らず、積層体の片側を共通電極、他方を個別電極としてもよい。また、圧電素子の分極方向により、電位の下降、上昇による圧力室の膨張、収縮が本実施の形態と異なる場合があるが問題なく適用される。
なお、記録ヘッド100の構成は、これに限らず、ノズルアレイ102およびノズル104は任意の個数でよく、また、ノズルアレイ102やノズル104の配置は、千鳥状に限られず直線状等他の配置であってもよい。
一方、乾燥ヘッド200は、図2に示すように、4個のVCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Laser:面発光レーザ)アレイ202a、202b、202c、および202d(以下、各VCSELアレイを区別しない場合には、単に「VCSELアレイ202」という。)を含んで構成されている。そして、各VCSELアレイ202は、5個のVCSEL204A、204B、204C、204Dおよび204E(以下、各VCSELを区別しない場合には、単に「VCSEL204」という。)を含んで構成されるVCSEL群206が4個千鳥状に配列されて合計20個のVCSELを含んで構成されている。
以上のように構成された記録ヘッド100および乾燥ヘッド200においては、記録ヘッド100を構成する各ノズルアレイ102の各ノズル104に対して、乾燥ヘッド200を構成する各VCSELアレイ202の各VCSEL群206が、図2に示す用紙Pの搬送方向において対応するように構成されている。そして、本実施の形態に係る記録・乾燥複合ヘッド32においては、図3に示すように、ノズル104から吐出されたインク滴112に対し、VCSEL群206の各VCSEL204A、204B、204C、204Dおよび204Eから光の照射210A、210B、210C、210Dおよび210E(以下、各光照射を区別しない場合には、単に「光照射210」という。)を行い、該光照射210の照射エネルギーを制御して乾燥させるように構成されている。
つぎに、図4を参照して、記録ヘッド100および乾燥ヘッド200の駆動部の構成について説明する。
図4に示すように、本実施の形態に係る記録・乾燥複合ヘッド32の駆動部は、画像処理部302、量子化部304、ノズルドライバ150およびVCSELドライバ250を含んで構成されている。画像処理部302および量子化部304は、後述するCPU70(図5も参照)の機能の一部であり、ノズルドライバ150およびVCSELドライバ250は、記録・乾燥複合ヘッド32に内蔵されている。ノズルドライバ150およびVCSELドライバ250は、後述するCPU70(図5も参照)が制御命令を発することにより、後述する複合ヘッドコントローラ78(図5も参照)を介して制御される。ただし、本発明はこのような構成に限定されるものではなく、画像処理部302および量子化部304を、たとえば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等による専用のハードウエアを用いて構成してもよい。また、ノズルドライバ150およびVCSELドライバ250を、記録・乾燥複合ヘッド32内ではなく、インクジェット記録装置12の本体側に設けてもよい。
そして、記録すべき画像データが書き込まれた、図示しないフレームメモリから画像データが画像処理部302に入力される。画像データとしては、たとえば、各画素の赤(R),緑(G),青(B)色の各々の階調値を8ビットを用いて、0から255までの256階調で表したデータを用いる。ただし、階調の値は256に限らず任意の値を用いてよい。
画像処理部302は、入力された画像データに、解像度の変換処理、色変換処理等を施し、8ビットのR,G,Bの画像データを8ビットのY,M,C,Kの各々の階調値で表された画素ごとのデータに変換する。
量子化部304では、8ビットのY,M,C,Kの各々の階調値で表された画素ごとのデータを閾値と比較することによって、たとえば2ビットのY,M,C,Kの各々の階調値で表されたデータに変換(量子化)する。2ビットの階調値は、「0」、「1」、「2」および「3」の4値のいずれかを表す。「0」はインク滴吐出なし(吐出量0)を表し、「1」は小滴吐出(吐出量小)を表し、「2」は中滴吐出(吐出量中)を表し、そして、「3」は大滴吐出(吐出量大)を表す。なお、量子化のビット数は2ビットに限られず、具体的な適用において適切な値を採用してよい。
量子化部304で量子化された量子化データは、2分岐され、一方はノズルドライバ150に送られ、該ノズルドライバ150が記録ヘッド100を駆動する。
また、2分岐された量子化データの他方はVCSELドライバ250に送られ、該VCSELドライバ250が乾燥ヘッド200を駆動する。
つぎに、図5を参照して、本実施の形態に係るインクジェット記録装置12の電気系の要部構成を説明する。
同図に示されるように、本実施の形態に係るインクジェット記録装置12には、装置全体の動作を司るCPU(中央処理装置)70と、各種プログラムの実行時におけるワークエリア等として用いられるRAM72と、各種プログラムやパラメータ情報等が予め記憶されたROM74と、不揮発性で、かつ書き換え可能なメモリ76とが備えられている。また、インクジェット記録装置12には、記録・乾燥複合ヘッド32の作動を制御する複合ヘッドコントローラ78と、ピックアップロール18、搬送ローラ対20、駆動ロール24等の各部を回転駆動させる複数のモータ(図示省略)の作動を制御するモータコントローラ80と、パーソナル・コンピュータ等の外部装置を電気的かつ機械的に接続する外部インタフェース88も備えられている。
そして、これらCPU70、RAM72、ROM74、メモリ76、複合ヘッドコントローラ78、モータコントローラ80および外部インタフェース88は、システムバスBUSを介して電気的に相互に接続されている。
従って、CPU70は、RAM72、ROM74、及びメモリ76に対するアクセスと、複合ヘッドコントローラ78およびモータコントローラ80の作動の制御と、外部インタフェース88を介した外部装置との間の各種情報の授受とが各々行われる。なお、本実施の形態に係るインクジェット記録装置12には、以上の構成の他に、帯電ロール36に電圧を印加する電源装置等、多数の電気系の構成要素が含まれているが、錯綜を回避するために、これらの説明については省略する。
以上のような構成とされた本実施の形態のインクジェット記録装置12では、前述したように、給紙トレイ16から取り出された用紙Pが搬送され、搬送ベルト28に至る。そして、帯電ロール36によって搬送ベルト28に押し付けられると共に、帯電ロール36からの印加電圧によって搬送ベルト28に吸着(密着)して保持される。この状態で、搬送ベルト28の循環によって用紙Pが吐出領域SEを通過しつつ、複合ヘッドアレイ30からインク滴112が吐出されて、用紙P上に画像が記録される。1パスのみで画像記録する場合には、剥離プレート40で用紙Pを搬送ベルト28から剥離し、排出ローラ対42で搬送して排紙トレイ46に排出する。これに対し、マルチパスで画像記録を行う場合には、必要な回数に達するまで用紙Pを周回させて吐出領域SEを通過させた後、剥離プレート40で用紙Pを搬送ベルト28から剥離し、排出ローラ対42で搬送して排紙トレイ46に排出する。
ところで、ノズル104から用紙Pに向けて吐出されたインク滴112は、特にその吐出量が多い場合には、速やかに乾燥させることが求められる。用紙P上の隣接する未乾燥インクが混じり、彩度の低下や画像のぼけが発生したり、また、未乾燥のインクが搬送ローラ対20等に付着すると、用紙P等が汚れてしまったりすることがあるからである。
ここで、用紙P上に着弾したインク滴112を、たとえば、半導体レーザ等の光源を用いた、一定強度の光の照射による加熱源で乾燥させる場合を考える。この場合のインク滴112の温度の推移は、一例として、図6のようになる。図6においては、横軸は時間、縦軸はインク滴112の温度を示している。 図6では、時刻t0において光照射を開始し、初期温度(吐出時温度)T0であったインク滴112の温度は、時間に対する立ち上がり部を形成しつつ、ある一定の時間t1−t0経過後の時刻t1において、インクの沸騰温度Tbに達する。沸騰温度Tbは、たとえば105℃である。
その後、インク滴112に含まれる水分が蒸発するまでの時間t2−t1の間、該沸騰温度Tbを維持する。そして、時刻t2において、インク滴112に含まれる水分が蒸発しきるともはや沸騰温度Tbを維持できなくなり、インク滴112の温度は急激に上昇する。時刻t2以降の温度上昇によって、インク滴112の温度が、たとえば300℃近くに達すると、インク滴112が変色したり、用紙Pのインク滴112近傍部分が焦げて変色したりする。
ここで、便宜上、図6における時刻t0からt1までの領域Xを「温度立ち上がり領域」、時刻t1からt2までの領域Yを「沸騰温度維持領域」、時刻t2以降の領域Zを「温度上昇領域」と称することにする。
つぎに、上記のように一定の光強度の加熱光源をインク滴112に向けて照射する場合において、ノズル104からのインク滴112の吐出量が、大(たとえば、10pL)、中(たとえば、7pL)、および小(たとえば、4pL)と変化した場合を考える。図7に、各吐出量のインク滴112(図7ではそれぞれ、「大滴」、「中滴」および「小滴」と表記)の温度の推移の一例を示している。
図7において、他のインク滴吐出量に比較して最も水分量の少ない小滴の場合は、光照射開始時刻t0より速やかに加熱され、他のインク滴吐出量の場合よりも速く沸騰温度Tbに達する。また、水分の蒸発時間も最も短く、したがって最も速く乾燥し、その後急激に温度が上昇する。すなわち、温度立ち上がり領域の傾きは最も急峻であり、沸騰温度維持領域の時間は最も短い。
一方、他のインク滴吐出量に比較して最も水分量の多い大滴の場合は、光照射開始時刻t0より最もなだらかに過熱され、他のインク滴吐出量の場合よりも遅く沸騰温度Tbに達し、水分の蒸発時間も最も長いので乾燥するまでに時間を要し、その後急激に温度が上昇する。すなわち、温度立ち上がり領域の傾きは最も緩やかであり、沸騰温度維持領域の時間は最も長い。
中滴の場合には、上記小滴、大滴の中間の温度プロファイル(特徴)を示す。
また、温度上昇領域における温度上昇の傾きの大きさは、用紙Pへの熱拡散の影響のため、大滴>中滴>小滴の順となる。
さらに、図8を参照して、インク滴112の吐出量を一定として、光強度を変えた場合について考える。図8は、一定の吐出量のインク滴112に対し光強度をPa、Pb、PcおよびPdと変化させた場合のインク滴112の温度の時間変化を示しており、Pa>Pb>Pc>Pdである。
まず、光強度が最大のPaでは、光のパワーが強すぎるために、温度立ち上がり領域において、温度が沸騰温度Tbを逸脱するオーバーシュート(行き過ぎ)を生じている。このオーバーシュート部分ではインク滴112の温度が沸騰温度Tbよりもさらに上昇し、いわゆる突沸を生じて激しく沸騰しているため、インク滴112が周囲に飛び散り印刷の劣化を発生させる。
つぎに、光強度をPb、PcおよびPdと減少させていくと、それに応じて温度立ち上がり領域の時間、および沸騰温度維持領域の時間が長くなり、温度上昇領域までの到達時間も長くなる。光強度Pbの場合が温度立ち上がり領域の時間、および沸騰温度維持領域の時間が短く突沸も生じていないので、理想的な温度プロファイルともいえるが、沸騰温度維持領域の時間が短すぎても蒸発に伴う温度制御が難しくなるので、たとえば光強度がPcの場合のように、適度な時間の沸騰温度維持領域を形成するのがよい。
以上の考察によれば、上述のインク滴の温度プロファイルを考慮すると、光照射開始後、温度立ち上がり領域を極力短時間にして速く沸騰温度Tbまで到達させ、温度上昇領域に限りなく近くかつ温度上昇領域に達する前の沸騰温度維持領域において光照射を停止させることが、インク滴の乾燥において理想的であることがわかる。このようにすれば、インク滴や用紙Pに変色が生ずることもなく、彩度の低下や画像のぼけが発生したり、また用紙P等が汚れてしまったりすることもない。さらに、インク滴の温度プロファイルはインク滴の吐出量により異なるので、吐出量に応じた温度プロファイルを形成すること、および適度な時間の沸騰温度維持領域を設けた温度プロファイルを形成することが肝要であることもわかる。
ここで、インク滴の吐出量、光源の光強度等のパラメータについての数値例を表1に示す。ただし、これらの数値はあくまで一例であり、また簡単のため、1ドット当たりに配列されている5個の光源からの光強度は一定と仮定している。
表1は、インク滴最大吐出量Vを10pL、10pLの液滴を乾燥させるのに必要なエネルギーEを2J/cm、用紙Pの搬送速度vを500mm/s、搬送方向光源照射幅W(図2参照)を1mm、ノズルピッチpitch(図2参照)を20μm、1ドット当たりの光源個数nを5個とした前提に基づく各パラメータの計算例を示している。
上記前提によれば、1ドット当たりの照射エリアの面積Sは、S=pitch×W=20μm×1mm=0.02mm、照射時間tは、t=W/v=1mm/(500mm/s)=2msとなる。また、1ドットの照射エリアに供給するエネルギーeは、e=E×S=(2J/cm)×0.02mm=0.4mJ、必要となるトータルの光強度Pは、P=e/t=0.4mJ/2ms=200mWとなる。したがって、光源1素子当たりの光強度P0は、P0=P/n=200mW/5=40mWと求まる。
つぎに、本実施の形態に係るインクジェット記録装置12の作用を説明する。
図9は、記録・乾燥複合ヘッド32におけるインク滴112の吐出とVCSEL204による光照射の関係を模式的に示す図である。
図9(a)は、ノズル104Aから用紙Pに向けてインク滴112が吐出され、用紙Pに着弾した直後の状態を示している。また、同図には、ノズル104Aに対して用紙Pの搬送方向に対応したVCSEL204AないしVCSEL204Eを含むVCSEL群206が示されている。
図9(b)は、用紙Pが同図の矢印の方向に搬送されたことにより、インク滴112に対しVCSEL204Bによって光強度P0のパルス状の光が照射されている状態を示している。ここで、搬送ベルト28上のVCSEL204A、204B、204C、204Dおよび204Eに対応する位置を、それぞれK1、K2、K3、K4およびK5とする。また、光強度Piの光が位置Kjにおいて照射された場合の光の照射をPijと表記することにする。同図では、インク滴112は、位置K2において光強度P0の光の照射を受けているので、P02の光の照射を受けていることになる。
まず、図10および図11を参照して、本実施の形態に係る乾燥ヘッド200の作用について説明する。
本実施の形態では、打滴したインク滴112の量に応じ、ノズル104に対応するVCSEL群206の各VCSEL204を個別に制御し、照射する光の強度に時間的な変化を与えて加熱することにより乾燥工程を構成し、上述した適切な乾燥を実現する温度プロファイルを形成する。
図10はインク滴112が大滴の場合の、VCSEL群206による光の照射の状態の一例を示している。図10(a)は、用紙P上のインク滴112が、位置K1において、光強度P1の光の照射P11を受けている状態を示している。同様に図10(b)は、インク滴112がP12の光の照射を受けている状態を示している。図10(c)では、光強度がP1より小さいP2に変えられ、インク滴112が光照射P23を受けている状態を示しており、同様に図10(d)、図10(e)では、光照射P24およびP25を受けている状態を示している。
以上のように、本実施の形態に係る乾燥ヘッド200では、記録ヘッド100から吐出された各インク滴112に対し、VCSEL群206の各VCSEL204の光強度を個別に制御して光を照射し、また位置K1ないしK5に対応させて、VCSEL204AないしVCSEL204Eの少なくとも1つを点灯させるようにしている。
図11は、VCSEL204Aないし204Eによる光照射とインク滴112の温度との関係を示している。図11(a)は、図10における光照射P11、P12、P23、P24およびP25を時系列で示した図であり、同図(b)は、該光照射によるインク滴112の温度の時間に対する変化を示した図である。
図11(a)に示すように、本実施の形態では、時刻t0および時刻t1において、最も大きな光強度P1の光照射P11、P12をインク滴112に付与している。同図(b)に示すように、光照射P11およびP12により、時刻tbにおいて、インク滴112の温度が沸騰温度Tbに達している。すなわち、光照射P11およびP12により、温度立ち上がり領域の時間tb−t0が短時間にされ、インク滴112の温度が速やかに沸騰温度Tbに到達している。この際の光強度P1および温度立ち上がり領域の時間は、あらかじめ実験やコンピュータシミュレーション等により、オーバーシュートが生じない時間を求めて設定してもよい。先述したように、光強度P1を極端に強く、あるいは温度立ち上がり領域の時間を極端に短時間にすると、突沸が発生する。
さらに、図11(a)に示すように、つぎの時刻t2、t3およびt4では、光強度P1より小さい光強度P2の光照射P23、P24、およびP25を付与し、時刻tsにおいて光照射を停止している。これらの光照射により、同図(b)に示すように、インク滴112の温度は、沸騰温度維持領域の時間ts−tbだけ沸騰温度に保たれる。沸騰温度維持領域の時間ts−tbは、先述したように、温度上昇領域に達する前に光照射が停止するように設定する。この沸騰温度維持領域の時間は、温度立ち上がり領域の時間と同様実験やコンピュータシミュレーション等によってあらかじめ設定しておいてもよい。光照射を停止したことにより、時刻ts以降、インク滴112の温度は下降する。図では時刻teにおいてインク滴112の温度が吐出時温度T0になるように示されているが、当然ながら収束する温度は周囲温度等によって変わり得る。
温度立ち上がり領域の時間、および沸騰温度維持領域の時間の具体的な値としては、たとえば、それぞれ0.5msないし1ms、および1msないし1.5msとすればよい。
図12および図13にはインク滴112が中滴およびの場合の、そして、図14および図15にはインク滴112が小滴の場合の、本実施の形態に係る乾燥装置200のVCSEL群206の各VCSEL204による光の照射とインク滴112の温度との関係を示している。
図12においては、まず、インク滴112に対し、光強度P1より相対的に弱い光強度P2の光で、光照射P21およびP22を連続して付与する。つぎに、光強度P2より相対的に弱い光強度P3の光で光照射P33、P34およびP35をインク滴112に付与する。この場合の光照射P21、P22、P33、P34およびP35における光照射パルスの時系列とインク滴112の温度との関係は、図13のようになる。
一方、図14においては、まず、インク滴112に対し、光強度P2より相対的に弱い光強度P3の光で、光照射P31およびP32を連続して付与する。つぎに、光強度P3より相対的に弱い光強度P4の光で光照射P43、P44およびP45をインク滴112に付与する。この場合の光照射P31、P32、P43、P44およびP45における光照射パルスの時系列とインク滴112の温度との関係は、図15のようになる。図13(a)および図15(a)における各パルスの作用については、大滴の場合の図11(a)と同様である。
本実施の形態においては、図11、図13および図15に示すように、インク滴112の吐出量(大滴、中滴、小滴)にかかわらず、インク滴112の温度の時間軸に対するプロファイルが概略同様の形状となるように、VCSEL群206の各VCSEL204を制御するようにしている。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、必要に応じてインク滴の吐出量ごとにインク滴の温度のプロファイルを異ならせてもよい。
また、インク滴の温度のプロファイルは、記録媒体の種類、厚さ等、さらには周囲の温度、湿度などによっても異なってくるので、それぞれに応じて最適な温度プロファイルを設定すればよい。
ここで、本実施の形態における各パラメータ、すなわち光強度P1、P2、P3およびP4や各照射光のパルス幅等は、後述するCPU70による液滴乾燥制御処理プログラムの実行において、CPU70が参照するLUT(Look Up Table)として、あらかじめROM74に記憶しておいてもよい。
つぎに、図16および図17を参照して、インク滴列に対する乾燥ヘッド200における各VCSEL204の光の照射について説明する。
図16は、インク滴112が、小滴112A、大滴112B、インク滴吐出なし、および中滴112Cと打滴され、インク滴列を形成した場合の各VCSEL204Aないし204Eの光の照射の状態を示した図である。
図16(a)では、時刻t1において、VCSEL204Aの直下に小滴112Aが位置した場合を示しており、このときVCSEL204Aは光強度P3の光を出射している。つぎの図16(b)は、時刻t2において、VCSEL204Bの直下に小滴112Aが移動した場合を示しており、このときVCSEL204Bは光強度P3の光を出射している。一方、VCSEL204Aは、インク滴112が大滴に移動しているので、光強度P1の光照射に切り替えられている。
さらに、つぎの図16(c)は、時刻t3において、VCSEL204Cの直下に小滴112Aが移動した場合を示しており、このときVCSEL204Cは光強度P4の光を出射している。一方、VCSEL204Aは、インク滴吐出なしの状態に移動しているので、光照射を停止しており、VCSEL204Bは、光強度P1の光照射に切り替えられている。同様に、図16(d)ないし図16(h)は、それぞれ時刻t4ないし時刻t8の状態を示している。ここで、時刻t1ないし時刻t8は、各VCSEL204の光強度の切り替えタイミングである。
以下同様にして、インク滴列が移動するにつれて、各VCSEL204Aないし204Eは、その直下に移動してきたインク滴112の吐出量に応じて光強度を切り替える。光照射なしを「0」で表すと、VCSEL204Aの光強度は、(P3、P1、0、P2、0、0、0、0)と変化する。同様に、VCSEL204Bの光強度は、(0、P3、P1、0、P2、0、0、0)と変化し、VCSEL204Cの光強度は、(0、0、P4、P2、0、P3、0、0)と変化する。また、VCSEL204Dの光強度は、(0、0、0、P4、P2、0、P3、0)と変化し、VCSEL204Eの光強度は、(0、0、0、0、P4、P2、0、P3)と変化する。
この各VCSEL204における光強度の時間に対する変化の様子を図17に示す。図17(a)ないし図17(e)は、それぞれVCSEL204Aないし204Eに対応している。図17に示されるように、光強度(P3、P1、0、P2)の列、または光強度(P4、P2、0、P3)の列が、吐出タイミングの変化とともに用紙Pの搬送方向に移動していく。
各VCSEL204の光照射パターンが上記のように制御されることにより、大滴、中滴および小滴に対し、インク滴の吐出量に応じた温度プロファイルが形成される。すなわち、図17において、たとえば小滴の場合には、各VCSEL204Aないし204Eから、それぞれ光強度(P3、P3、P4、P4、P4)の光照射が付与される。この照射パターンは、図14に示す照射パターンと同じのものとなっていることがわかる。同様に、大滴の場合には図10に示す照射パターンと同じであり、また中滴の場合には、図12に示す照射パターンと同じになっていることがわかる。
つぎに、図18および図19を参照して、本実施の形態に係る液滴乾燥制御処理プログラムに基づき、本実施の形態に係る乾燥ヘッド200の作用について説明する。
ここで、本実施の形態に係るインクジェット記録装置12は、上述したVCSEL群206の各VCSEL204を個別に制御する処理である液滴乾燥制御処理を実行するものとされており、該処理は、プログラムを実行することによる、コンピュータを利用してのソフトウエア構成により実現してもよい。また、ソフトウエア構成による実現に限らず、たとえばASIC(Application Specific Integrated Circuit)を採用したハードウエア構成や、ハードウエア構成とソフトウエア構成の組み合わせによって実現してもよい。
以下では、本実施の形態に係るインクジェット記録装置12のCPU70が、上記プログラムを実行することによって各VCSEL204に対する個別の制御処理を実現する場合について説明する。この場合、当該プログラムをROM74に予めインストールしておく形態や、コンピュータにより読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供される形態、有線または無線による通信手段を介して配信される形態等を適用してもよい。
まず、図18に、先述したVCSEL204の制御の際に用いるLUTの一例を示す。同図(a)は、インク滴の吐出量ごとに、各VCSEL204の光照射の設定値(光パルスの光強度およびパルス幅、すなわち本実施の形態では、光強度およびパルス幅により光照射エネルギーを制御している。)PLS1、PLS2、PLS3およびPLS4を示すものであり、同図におけるAないしEは、VCSEL204AないしVCSEL204Eに対応している。インク滴吐出量は、大滴10pL、中滴7pLおよび小滴4pLの3種としている。
図18(b)は、光照射の設定値PLS1、PLS2、PLS3およびPLS4の各光パルスの光強度およびパルス幅を規定するテーブルであり、光強度P1ないしP4は、図10ないし図15におけるP1ないしP4に対応している。
図18(b)において、たとえばPLS1は、光強度P1=230mW(ピーク値)、パルス幅400μs(半値幅)の光パルスである。したがって、たとえば、図18(a)の大滴では、VCSEL204A、204B、204C、204Dおよび204Eの光パルスを、それぞれ、230mW/400μs、230mW/400μs、180mW/400μs、180mW/400μsおよび180mW/400μsと設定していることを意味している。ただし、図18における設定方法、設定値はあくまで一例であり、具体的な適用において、光強度値やパルス幅値を変更してよいし、各VCSEL204ごとにパルス幅を変えてもよい。
なお、本実施の形態では、光強度をピーク値で、パルス幅を半値幅で規定しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、それぞれ平均値、光強度のピーク値から10%ダウンした時間幅等で規定してもよい。
また、本実施の形態では、VCSEL204の制御の際に用いるLUTを図18(a)および図18(b)のように分割しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、図18(a)および図18(b)を一緒にしたLUTとしてもよいし、さらには、図18(b)を光強度とパルス幅に分割してLUTとしてもよい。
図19は、本実施の形態に係る液滴乾燥制御処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
図19において、インクジェット記録装置12の電源が投入されると、CPU70は、まずステップS500で上記LUTを読み込む。
つぎに、ステップS502で、1ドットに対する吐出データ(インク滴吐出量、図4参照)を読み込み、つぎのステップS504にて、前記LUTを参照し、前記吐出量に対応する光パルスパターン、すなわちVCSEL群206の各VCSEL204Aないし204Eの光強度およびパルス幅を決定する。
つぎのステップS506で、VCSEL群206の各VCSEL204に供給する電流を制御するVCSELドライバ250(図4参照)を制御して、各VCSEL204を前記LUT(図18(a)参照)の設定にしたがって発光させる。
つぎのステップS508では、本液滴乾燥制御処理プログラムを終了するタイミングが到来したか否かを判定し、否定判定となった場合は上記ステップS502に戻る一方、肯定判定となった時点で本液滴乾燥制御処理プログラムを終了する。本液滴乾燥制御処理プログラムを終了するタイミングとしては、たとえば、一連の印刷処理が終了したタイミングとすればよい。
以上の説明で明らかなように、本実施の形態に係る記録・乾燥複合ヘッド32では、VCSEL群206の各VCSEL204を個別に制御し、照射する光の強度に時間的な変化を与えて加熱することにより乾燥工程を構成し、上述した適切な乾燥を実現する温度プロファイルが形成される。そのため、光照射開始後、温度立ち上がり領域を極力短時間にして速く沸騰温度Tbまで到達させ、温度上昇領域にできるだけ近くかつ温度上昇領域に達する前の沸騰温度維持領域において光照射を停止させる。
その結果、本実施の形態に係る記録・乾燥複合ヘッド32では、画質を損なうことなく、効率よく低エネルギーで液滴が乾燥する。
[第2の実施の形態]
本実施の形態は、第1の実施の形態における各VCSEL204の光照射エネルギーの制御方法を変更したものである。第1の実施の形態においては、光照射エネルギーの制御方法として、光パルスの光強度およびパルス幅を制御する方法を採用していたが、本実施の形態では、各光照射において、光パルスの個数を変化させる方式を採用している。なお、本実施の形態における光パルスのパルス幅は、各照射エネルギーに対応する光パルスの個数との関係で、適切な値を設定しておけばよい。
図20は、本実施の形態に係るインク滴112が大滴の場合の乾燥ヘッド200による光の照射の状態を示している。
図20(a)では、位置K1において、VCSEL204Aからピーク値P1の光パルスが5個発せられて、インク滴112に光照射P11が付与されている。同様に、位置K2ではVCSEL204Bから光照射P12が付与されている。
また、位置K3では、VCSEL204Cからピーク値P1の光パルスが3個発せられて、インク滴112に光照射P23が付与されている。同様に、位置K4および位置K5では、それぞれVCSEL204Dおよび204Eから、光照射P24およびP25が付与されている。
本実施の形態における液滴乾燥制御処理プログラムを実行する場合には、図18に示すLUTにおいて、P2、P3およびP4の値をP1と同じ値230mWとし、パルス幅の代わりに上記パルス数を格納しておけばよい。本実施の形態の場合は、PLS1およびPLS2のパルス数は上記のとおり各々5個および3個であり、PLS3およびPLS4のパルス数は、たとえば各々2個、1個とすればよい。したがって、インク滴112が中滴および小滴の場合の光照射の状態は、図20におけるパルスの個数をそれぞれに応じた個数にしたものとなる。
液滴乾燥制御処理プログラム自体は図19と同様なのでその説明を省略する。
図21は、上記の光照射によるインク滴の温度の時間に対する変化の状態を示している。本実施の形態に係る記録・乾燥複合ヘッド32によっても、VCSEL群206の各VCSEL204を個別に制御し、照射する光の強度に時間的な変化を与えて加熱することにより乾燥工程を構成し、先述した適切な乾燥を実現する温度プロファイルが形成される。
その結果、本実施の形態に係る記録・乾燥複合ヘッド32によっても、画質を損なうことなく、効率よく低エネルギーで液滴が乾燥する。
なお、本実施の形態では、各光照射における光強度をP1の一定値とし、光パルスの個数のみを変えたが、本発明はこれに限定されるものではなく、光パルスの個数を変えると同時に光強度を変えてもよい。つまり、第1の実施の形態における光照射の制御方法と第2の実施の形態における光照射の制御方法を組み合わせてもよい。
[第3の実施の形態]
本実施の形態は、第1の実施の形態における各VCSEL204の光照射の制御において、沸騰温度維持領域における光パルスのうち最後の予め定められた個数(本実施の形態では1個)について、光強度を弱くするようにしたものである。
図22に、本実施の形態に係るインク滴112が大滴の場合の乾燥ヘッド200による光の照射の状態を示している。
図22(a)ないし図22(d)は、図10(a)ないし図10(d)と同様であるが、図22(e)では、図10(e)の光強度がP2であるのに対し、P2より光強度の弱いP3に変更されている。
本実施の形態では、照射終了直前において光強度を弱くすることにより、インク滴の吐出量のばらつきの影響を低減している。すなわち、何らかの原因により吐出されたインク滴の吐出量が少ない方向にずれると、特に沸騰温度維持領域を温度立ち上がり領域の間際まで設定していた場合、温度立ち上がり領域に入ってしまい、インク滴が変色したり、用紙Pが焦げてしまう場合もある。それを回避するために、沸騰温度維持領域における光パルスのうち最後の1個について、光強度を弱くし、インク滴の温度が過剰に上昇しないようにしている。
以上のように、本実施の形態に係る記録・乾燥複合ヘッド32によっても、画質を損なうことなく、効率よく低エネルギーで液滴が乾燥する。本実施の形態ではさらに、インク滴の吐出量がばらついても、インク滴の温度が過剰に上昇することが抑制される。
[第4の実施の形態]
本実施の形態は、第1の実施の形態において、各VCSEL204に対応させてレンズを設けた形態である。
図23に、本実施の形態に係る記録・乾燥複合ヘッド400の断面図を示す。図23に示すように、本実施の形態では、乾燥ヘッド500に含まれる各VCSEL204Aないし204Eの光出射面に対応させて、集光用のレンズ230A、230B、230C、230Dおよび230E(以下、各レンズを区別しない場合には、単に「レンズ230」という。)を設けている。
レンズ230を設けることにより、各VCSEL204からの光が発散せず、また、必要に応じ各VCSEL204の集光径が個別に調整される。
さらに、図23に示すように、各VCSEL204からの出射光の光路を変更して、必要に応じ用紙上の照射位置を調整してもよい。
なお、本実施の形態では、個別のレンズ230を採用しているが、これに代えて、光出射面にレンズを作り込んだレンズ付VCSELを用いてもよい。
以上のように、本実施の形態に係る記録・乾燥複合ヘッド400によっても、画質を損なうことなく、効率よく低エネルギーで液滴が乾燥する。本実施の形態ではさらに、光源からの光がより有効に用いられる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施の形態に多様な変更または改良を加えることができ、当該変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
また、上記の実施の形態は、クレーム(請求項)に係る発明を限定するものではなく、また実施の形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。前述した実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の組み合わせにより種々の発明が抽出される。実施の形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
たとえば、上記各実施の形態においては、本発明をインク滴を吐出して画像を形成するインクジェット記録装置に適用した形態を例示して説明したが、これに限られず、インクジェット記録装置において処理液を吐出する形態に適用してもよい。
また、上記各実施の形態においては、ノズルが記録媒体の搬送方向に1個である形態を例示して説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、搬送方向にノズルが複数個配列された形態に適用してもよい。また、上記実施の形態においては、1個のノズルに対し5個の光源を対応させる形態を例示して説明したが、これに限られず、液滴の温度プロファイルに応じ、対応させる光源の個数は任意に設定してよい。さらに、上記各実施の形態においては、ノズルに対し光源を搬送方向に1列配置する形態を例示して説明したが、これに限られず、複数列配置してもよい。
また、上記各実施の形態においては、光源としてVCSELを例示して説明したが、本発明はこれに限られず、端面発光型レーザダイオード、LED(Light Emitting Diode)等を用いてもよい。さらに、上記各実施の形態においては、アレイ状の光源を個別に点灯制御する形態を例示して説明したが、これに限られず、複数個ずつまとめて点灯制御する形態としてもよい。
また、上記各実施の形態においては、各光源から照射する光の強度を個別に変える形態を例示して説明したが、本発明はこれに限られず、目的とする液滴の温度プロファイルが実現されれば各光源について同一の光強度とする形態でもよい。さらに、上記各実施の形態においては、パルス状の光照射を例示して説明したが、これに限られず、目的とする液滴の温度プロファイルが実現されれば、一定強度の光照射とする形態でもよい。また、搬送されてくる液滴ごとに光照射を停止させる必要もなく、常時点灯させておく形態としてもよい。
また、上記各実施の形態においては、記録ヘッドと乾燥ヘッドを一体化した構成を例示して説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、別体として構成してもよい。この場合でも上記各実施の形態と同様の液滴乾燥制御処理が適用される。
また、上記各実施の形態においては、液滴乾燥制御処理のための各種パラメータをLUTとしてあらかじめROM74に記憶しておく形態を例示して説明したが、本LUTは必ずしも単一のものに限る必要はない。記録媒体の種類、周囲の温度や湿度等の条件に起因する液滴の吐出量のばらつきを考慮した複数のLUTを格納しておき、前記条件に応じて最適なパラメータの組み合わせを選択するようにしてもよい。この場合、たとえば、記録媒体の種類、周囲の温度や湿度等のセンサをインクジェット記録装置12の適切な箇所に設けておき、センサによる検知結果をCPU70等に送る。そして、該検知結果に応じ、CPU70がLUTを選択するようにすればよい。
その他、上記実施の形態で説明したインクジェット記録装置12の構成(図1ないし図5参照)は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要な部分を削除したり、新たな部分を追加したりしてもよい。
さらに、上記実施の形態で説明した液滴乾燥制御処理プログラムの処理の流れ(図19参照)も一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。
12 インクジェット記録装置
30 複合ヘッドアレイ
32 記録・乾燥複合ヘッド
70 CPU
72 RAM
74 ROM
78 複合ヘッドコントローラ
100 記録ヘッド
102aから102d ノズルアレイ
104Aから104D ノズル
112 インク滴
130 インク滴イジェクタ
150 ノズルドライバ
200 乾燥ヘッド
202aから202d VCSELアレイ
204Aから204E VCSEL
206 VCSEL群
210Aから210E 光照射
230Aから230E レンズ
250 VCSELドライバ
302 画像処理部
304 量子化部
400 記録・乾燥複合ヘッド
500 乾燥ヘッド
P 用紙
Pij 光照射

Claims (10)

  1. 対象物に液滴を吐出する、予め定められた方向に配設された複数のノズルを含む液滴吐出手段と、
    前記複数のノズルを、少なくとも1つのノズルが含まれるように複数のノズル群に分割した場合の各ノズル群に対応し、前記予め定められた方向とは交差する方向に配設され、前記交差する方向に搬送される前記対象物上において前記ノズル群の対向する位置を通り、前記交差する方向に延伸された直線上の異なる各位置において、当該各位置に到達した前記対象物上の前記液滴に対し順次光を照射する複数の光源を含む光源群が前記予め定められた方向に沿って複数設けられた光源手段と、
    前記液滴の吐出量を制御するとともに、吐出量が制御された前記ノズル群に対応する前記光源群を構成する各々の光源の照射エネルギーを吐出量に応じて制御する制御手段と、を具備し、
    前記制御手段は、前記光源群を構成する各々の光源の照射エネルギーを制御することにより、前記光源群からの光の照射開始後、前記液滴の吐出時の温度から前記液滴の沸騰温度に漸近する温度立ち上がり領域、および前記温度立ち上がり領域と連続し、前記沸騰温度を維持する沸騰温度維持領域を含む前記液滴の温度の時間軸に対する分布を形成すると共に、前記温度立ち上がり領域を形成する前記光源の前記照射エネルギーが、前記沸騰温度維持領域を形成する前記光源の照射エネルギーよりも大きくなるように制御する
    液滴乾燥装置。
  2. 対象物に液滴を吐出する、予め定められた方向に配設された複数のノズルを含む液滴吐出手段と、
    前記複数のノズルを、少なくとも1つのノズルが含まれるように複数のノズル群に分割した場合の各ノズル群に対応し、前記予め定められた方向とは交差する方向に配設され、前記交差する方向に搬送される前記対象物上において前記ノズル群の対向する位置を通り、前記交差する方向に延伸された直線上の異なる各位置において、当該各位置に到達した前記対象物上の前記液滴に対し順次光を照射する複数の光源を含む光源群が前記予め定められた方向に沿って複数設けられた光源手段と、
    前記液滴の吐出量を制御するとともに、吐出量が制御された前記ノズル群に対応する前記光源群を構成する各々の光源の照射エネルギーを吐出量に応じて制御する制御手段と、を具備し、
    前記制御手段は、前記光源群を構成する各々の光源の照射エネルギーを制御することにより、前記光源群からの光の照射開始後、前記液滴の吐出時の温度から前記液滴の沸騰温度に漸近する温度立ち上がり領域、および前記温度立ち上がり領域と連続し、前記沸騰温度を維持する沸騰温度維持領域を含む前記液滴の温度の時間軸に対する分布を形成すると共に、前記沸騰温度維持領域を形成する前記光源のうち、最後に照射する光源または最後に照射する光源を含む予め定められた個数の光源の照射エネルギーが、前記沸騰温度維持領域を形成する他の光源の照射エネルギーよりも小さくなるように制御する
    液滴乾燥装置。
  3. 前記制御手段は、前記沸騰温度維持領域を形成する前記光源のうち、最後に照射する光源または最後に照射する光源を含む予め定められた個数の光源の照射エネルギーが、前記沸騰温度維持領域を形成する他の光源の照射エネルギーよりも小さくなるように制御する 請求項に記載の液滴乾燥装置。
  4. 前記制御手段は、吐出された前記液滴ごとに、前記光源の点灯および消灯を切り替えて照射エネルギーを制御する
    請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の液滴乾燥装置。
  5. 前記制御手段は、前記光源群における各々の光源の光強度を制御することにより照射エネルギーを制御する
    請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の液滴乾燥装置。
  6. 前記光源群における各々の光源はパルス状の光を出射し、前記制御手段は、前記各々の光源のパルス状の光の数を制御することにより照射エネルギーを制御する
    請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の液滴乾燥装置。
  7. 前記光源が、面発光レーザである
    請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の液滴乾燥装置。
  8. 前記光源群を構成する各々の光源の光出射面に対応させて、前記光源から出射された光を集光する集光手段をさらに有する
    請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の液滴乾燥装置。
  9. 請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の液滴乾燥装置と、
    前記液滴乾燥装置により乾燥対象とされる印刷物を搬送する搬送手段と、
    を有する印刷装置。
  10. コンピュータを、
    対象物に液滴を吐出する、予め定められた方向に配設された複数のノズルを含む液滴吐出手段から吐出さる前記液滴の吐出量を制御する第1の制御手段と、
    前記複数のノズルを、少なくとも1つのノズルが含まれるように複数のノズル群に分割した場合の各ノズル群に対応し、前記予め定められた方向とは交差する方向に配設され、前記交差する方向に搬送される前記対象物上において前記ノズル群の対向する位置を通り、前記交差する方向に延伸された直線上の異なる各位置において、当該各位置に到達した前記対象物上の前記液滴に対し順次光を照射する複数の光源を含む光源群が前記予め定められた方向に沿って複数設けられた光源手段の、吐出量が制御された前記ノズル群に対応する前記光源群を構成する各々の光源の照射エネルギーを吐出量に応じて制御し、かつ、前記光源群を構成する各々の光源の照射エネルギーを制御することにより、前記光源群からの光の照射開始後、前記液滴の吐出時の温度から前記液滴の沸騰温度に漸近する温度立ち上がり領域、および前記温度立ち上がり領域と連続し、前記沸騰温度を維持する沸騰温度維持領域を含む前記液滴の温度の時間軸に対する分布を形成すると共に、前記温度立ち上がり領域を形成する前記光源の前記照射エネルギーが、前記沸騰温度維持領域を形成する前記光源の照射エネルギーよりも大きくなるように制御する第2の制御手段と、
    として機能させるためのプログラム。
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