JP6064480B2 - 感光性樹脂組成物、感光性エレメント、レジストパターンの形成方法及びプリント配線板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、感光性樹脂組成物、感光性エレメント、レジストパターンの形成方法及びプリント配線板の製造方法に関する。
プリント配線板の製造分野においては、エッチング又はめっきに用いられるレジスト材料として、感光性樹脂組成物が広く用いられている。感光性樹脂組成物は、支持フィルムと、該支持フィルム上に感光性樹脂組成物を用いて形成された層(以下、「感光性樹脂組成物層」という。)と、を備える感光性エレメント(積層体)として用いられることが多い。
プリント配線板は、例えば以下のようにして製造される。まず、感光性エレメントの感光性樹脂組成物層を回路形成用基板上に積層(ラミネート)する(積層工程)。次に、支持フィルムを剥離除去した後、感光性樹脂組成物層の所定部分に活性光線を照射して露光部を硬化させる(露光工程)。その後、未露光部を基板上から除去(現像)することにより、基板上に、感光性樹脂組成物の硬化物からなるレジストパターンが形成される(現像工程)。得られたレジストパターンに対しエッチング処理又はめっき処理を施して基板上に回路を形成した後(回路形成工程)、最終的にレジストを剥離除去してプリント配線板が製造される(剥離工程)。
露光の方法としては、従来、水銀灯を光源としてフォトマスクを介して露光する方法が用いられている。また、近年、DLP(Digital Light Processing)又はLDI(Laser Direct Imaging)と呼ばれる、パターンのデジタルデータを直接感光性樹脂組成物層に描画する直接描画露光法が用いられている。この直接描画露光法は、フォトマスクを介した露光法よりも位置合わせ精度が良好であり、且つ高精細なパターンが得られることから、高密度パッケージ基板作製のために導入されている。
露光工程では、生産効率の向上のために露光時間を短縮する必要がある。しかし、上述の直接描画露光法では、光源にレーザ等の単色光を用いるほか、基板を走査しながら光線を照射するため、従来のフォトマスクを介した露光方法と比べて多くの露光時間を要する傾向がある。そのため、露光時間を短縮して生産効率を高めるためには、従来よりも感光性樹脂組成物の感度を向上させる必要がある。
剥離工程では、生産効率の向上のためにレジストの剥離時間を短縮する必要がある。また、レジストの剥離片が回路基板へ再付着するのを防いで生産歩留まりを向上させるために、剥離片のサイズを小さくする必要がある。このように、硬化後の剥離特性(剥離時間、剥離片サイズ等)に優れた感光性樹脂組成物が要求される。
また、近年のプリント配線板の高密度化に伴い、解像度(解像性)及び密着性に優れた感光性樹脂組成物に対する要求が高まっている。特に、パッケージ基板作製において、L/S(ライン幅/スペース幅)が10/10(単位:μm)レベルのレジストパターンを形成することが可能な感光性樹脂組成物が求められている。
さらに、高密度パッケージ基板では、回路間の幅が狭いため、レジスト形状が優れていることも重要となる。レジストの断面形状が台形又は逆台形である場合、又は、レジストの裾引きがある場合には、その後のエッチング処理又はめっき処理により形成された回路に短絡又は断線を生じる可能性があり望ましくない。従って、レジスト形状は矩形で、且つ、裾引きがないことが望ましい。
これらの要求に対して、従来、種々の感光性樹脂組成物が検討されている。例えば、特許文献1には、アクリジニル基を有する化合物を2種併用することで感度及び解像度を向上させた感光性樹脂組成物が開示されている。
特許第4645776号公報
しかしながら、近年のプリント配線板の高密度化に伴い、感光性樹脂組成物に対して、感度及び解像度の更なる改善が強く要求されさている。
また、回路形成用基板上に設けられたスルーホールがレジスト膜で覆われている場合、使用する感光性樹脂組成物には、現像液又は水洗のスプレー圧によって、スルーホールを覆っているレジスト膜が破れないテンティング性、すなわち、テント信頼性を有することが要求される。
そこで、本発明は、感度及び解像度を十分に向上すると共に、テント信頼性にも十分に優れる感光性樹脂組成物、並びにこれを用いた感光性エレメント、レジストパターンの形成方法及びプリント配線板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意検討を重ねた結果、分散度(重量平均分子量/数平均分子量)が1.6以下のバインダーポリマーと、アクリジン化合物とを組み合わせて用いることにより、感度及び解像度を十分に向上すると共に、テント信頼性にも十分に優れる感光性樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、分散度が1.6以下のバインダーポリマーと、光重合性化合物と、アクリジニル基を1又は2有するアクリジン化合物を含む光重合開始剤とを含有する感光性樹脂組成物を提供する。
本発明の感光性樹脂組成物は、バインダーポリマーとして分散度が1.6以下のバインダーポリマーを用いることによって、感度、レジスト形状及び硬化後の剥離特性が良好であるのみならず、解像度及び密着性の点においても優れたものとなる。本発明の感光性樹脂組成物によれば、L/S(ライン幅/スペース幅)が10/10(単位:μm)レベルのレジストパターンを形成することが可能となる。
上記バインダーポリマーは、分散度が1.6以下であることに加え、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ベンジル誘導体、スチレン及びスチレン誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種の重合性単量体に基づく構成単位を有することが好ましい。これにより、解像度及び密着性をより向上させることができる。
バインダーポリマーの重量平均分子量は、10000〜100000であることが好ましい。これにより、アルカリ現像性、現像時間及び耐現像液性(密着性)をバランスよく向上させることができる。
光重合性化合物は、ビスフェノールA系ジ(メタ)アクリレート化合物を含むことが好ましい。これにより、アルカリ現像性、解像度及び硬化後の剥離特性をより向上させることができる。
また、感度を更に向上する観点から、本発明の感光性樹脂組成物は、ハロゲン化合物を更に含有することができ、ハロゲン化合物は、トリブロモメチルフェニルスルホンであることが好ましい。
さらに、感度を更に向上する観点から、本発明の感光性樹脂組成物は、アミン系化合物を更に含有することができる。
本発明は、支持フィルムと、該支持フィルム上に上記感光性樹脂組成物を用いて形成された感光性樹脂組成物層と、を備える感光性エレメントを提供する。このような感光性エレメントを用いることにより、特に解像度、密着性及びレジスト形状に優れ、十分に高いテント信頼性を有するレジストパターンを、感度良く効率的に形成することができる。
本発明はまた、上記感光性樹脂組成物を用いて形成された感光性樹脂組成物層を基板上に積層する積層工程と、感光性樹脂組成物層の所定部分に活性光線を照射して上記所定部分を露光させ、硬化させる露光工程と、感光性樹脂組成物層の上記所定部分以外の部分を基板上から除去することにより、基板上に、感光性樹脂組成物の硬化物からなるレジストパターンを形成する現像工程と、を有するレジストパターンの形成方法を提供する。上記方法によれば、解像度、密着性、レジスト形状及び硬化後の剥離特性、機械特性、柔軟性がいずれも良好であり、十分に高いテント信頼性を有するレジストパターンを、感度良く効率的に形成することができる。
上記レジストパターンの形成方法において、照射する活性光線の波長は、340〜430nmの範囲内とすることが好ましい。これにより、解像度、密着性及びレジスト形状がより良好なレジストパターンを、更に感度良く効率的に形成することができる。
また、本発明は、上記方法によりレジストパターンが形成された基板をエッチング又はめっきする工程を含む、プリント配線板の製造方法を提供する。この製造方法によれば、高密度パッケージ基板のような高密度化した配線を有するプリント配線板を、精度良く効率的に製造することができる。
本発明によれば、感度及び解像度を十分に向上すると共に、テント信頼性にも十分に優れる感光性樹脂組成物、並びにこれを用いた感光性エレメント、レジストパターンの形成方法及びプリント配線板の製造方法を提供することができる。
本発明の感光性エレメントの好適な一実施形態を示す模式断面図である。 穴破れ数測定用基板を示す模式図である。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書において、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸又はメタクリル酸を意味し、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味し、(メタ)アクリロイルオキシ基とは、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を意味する。また、(ポリ)オキシエチレン鎖はオキシエチレン基又はポリオキシエチレン鎖を意味し、(ポリ)オキシプロピレン鎖はオキシプロピレン基又はポリオキシプロピレン鎖を意味する。さらに「EO変性」とは、(ポリ)オキシエチレン鎖を有する化合物であることを意味し、「PO変性」とは、(ポリ)オキシプロピレン鎖を有する化合物であることを意味し、「EO・PO変性」とは、(ポリ)オキシエチレン鎖及び(ポリ)オキシプロピレン鎖の双方を有する化合物であることを意味する。
(感光性樹脂組成物)
本実施形態の感光性樹脂組成物は、分散度が1.6以下のバインダーポリマーと、光重合性化合物と、アクリジニル基を1又は2有するアクリジン化合物を含む光重合開始剤とを含有する。
<バインダーポリマー>
まず、分散度(重量平均分子量/数平均分子量)が1.6以下のバインダーポリマー(以下「(A)成分」ともいう。)について説明する。
本明細書において、「分散度」とは、数平均分子量(Mn)に対する重量平均分子量(Mw)の比(Mw/Mn)を意味する。(A)バインダーポリマーの分散度(Mw/Mn)は1.6以下であればよいが、密着性及び解像度に優れる点では、1.58以下であることが好ましく、1.55以下であることがより好ましい。
(A)成分としては、分散度が1.6以下のバインダーポリマーであれば特に制限無く用いることができるが、分散度をより正確に規定値内に調整し、解像性及び密着性をより向上させる点では、リビングラジカル重合により得られる分散度が1.6以下のバインダーポリマーであることが好ましい。(A)成分は、例えば、重合性単量体(モノマー)をラジカル重合させることにより得られる。バインダーポリマーの分散度は、合成時の反応温度、反応時間又は開始剤の添加量により調整することができる。
重合性単量体(モノマー)としては、例えば、(メタ)アクリル酸;(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ベンジル誘導体、(メタ)アクリル酸フルフリル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、α−ブロモ(メタ)アクリル酸、α−クロル(メタ)アクリル酸、β−フリル(メタ)アクリル酸、β−スチリル(メタ)アクリル酸等の(メタ)アクリル酸エステル;スチレン;ビニルトルエン、α−メチルスチレン等のα−位又は芳香族環において置換されている重合可能なスチレン誘導体;ジアセトンアクリルアミド等のアクリルアミド;アクリロニトリル;ビニル−n−ブチルエーテル等のビニルアルコールのアルキルエーテル類;マレイン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノイソプロピル等のマレイン酸系単量体;フマール酸、ケイ皮酸、α−シアノケイ皮酸、イタコン酸、クロトン酸及びプロピオール酸が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を任意に組み合わせて用いることができる。
(A)成分は、解像度及び密着性を良好にする観点から、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ベンジル誘導体、スチレン及びスチレン誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種の重合性単量体に基づく構成単位を有することが好ましい。また、(メタ)アクリル酸ベンジル及び(メタ)アクリル酸ベンジル誘導体からなる群より選ばれる少なくとも一種と、スチレン及びスチレン誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種とを双方含むことがより好ましい。すなわち、(A)成分は、これらの重合性単量体をラジカル重合させることにより得られるものであることが好ましく、これらの重合性単量体に由来する構成単位を有するものであることが好ましい。
(A)成分が、(メタ)アクリル酸ベンジル又はその誘導体に基づく構成単位を有する場合、その含有量は、解像度及び剥離性に優れる点では、(A)成分を構成する重合性単量体の全質量を基準として5〜80質量%であることが好ましく、10〜70質量%であることがより好ましく、20〜60質量%であることが更に好ましい。解像度に優れる点では、この含有量が5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましく、20質量%以上であることが更に好ましい。また、剥離性に優れる点では、この含有量が80質量%以下であることが好ましく、70質量%以下であることがより好ましく、60質量%以下であることが更に好ましい。
(A)成分が、スチレン又はその誘導体に基づく構成単位を有する場合、その含有量は、密着性及び剥離性に優れる点では、(A)成分を構成する重合性単量体の全質量を基準として10〜70質量%であることが好ましく、15〜60質量%であることがより好ましく、20〜50質量%であることが更に好ましい。密着性に優れる点では、この含有量が10質量%以上であることが好ましく、15質量%以上であることがより好ましく、20質量%以上であることが更に好ましい。また、剥離性に優れる点では、この含有量が70質量%以下であることが好ましく、60質量%以下であることがより好ましく、50質量%以下であることが更に好ましい。
また、(A)成分は、アルカリ現像性及び剥離特性を向上させる観点から、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに基づく構成単位を有することが好ましい。
(A)成分が、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに基づく構成単位を有する場合、その含有量は、剥離性、解像度及び密着性に優れる点では、(A)成分を構成する重合性単量体の全質量を基準として1〜30質量%であることが好ましく、2〜20質量%であることがより好ましく、3〜10質量%であることが更に好ましい。剥離性に優れる点では、この含有量が1質量%以上であることが好ましく、2質量%以上であることがより好ましく、3質量%以上であることが更に好ましい。また、解像度及び密着性に優れる点では、この含有量が30質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることが更に好ましい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、下記一般式(1)で表される化合物が挙げられる。下記一般式(1)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは炭素原子数1〜12のアルキル基を示す。
Figure 0006064480
上記一般式(1)中のRで示される炭素原子数1〜12のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基及びこれらの構造異性体が挙げられる。剥離特性をより向上させる観点から、Rは炭素原子数1〜8のアルキル基であることが好ましく、炭素原子数4以下のアルキル基であることがより好ましい。
上記一般式(1)で表される化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル及び(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を任意に組み合わせて用いることができる。
(A)成分の酸価は、90〜250mgKOH/gであることが好ましく、100〜230mgKOH/gであることがより好ましく、110〜210mgKOH/gであることが更に好ましく、120〜200mgKOH/gであることが特に好ましい。この酸価が90mgKOH/g以上であると現像時間が短くなり、250mgKOH/g以下であると、感光性樹脂組成物の硬化物の耐現像液性(密着性)が十分に得られ易い傾向がある。なお、溶剤現像を行う場合は、(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基を有する重合性単量体(モノマー)を少量に調製することが好ましい。
(A)成分の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定(標準ポリスチレンを用いた検量線により換算)した場合、現像性及び耐現像液性に優れる点では、10000〜100000であることが好ましく、20000〜80000であることがより好ましく、25000〜70000であることが更に好ましく、35000〜50000であることが特に好ましく、35000〜45000であることが極めて好ましい。現像性に優れる点では、100000以下であることが好ましく、80000以下であることがより好ましく、70000以下であることが更に好ましく、50000以下であることが特に好ましく、45000以下であることが極めて好ましい。耐現像液性に優れる点では、10000以上であることが好ましく、20000以上でることがより好ましく、25000以上であることが更に好ましく、35000以上であることが特に好ましい。
また、(A)成分は、必要に応じて340〜430nmの範囲内の波長を有する光に対して感光性を有する特性基をその分子内に有していてもよい。(A)成分としては、1種類のバインダーポリマーを単独で使用してもよく、2種類以上のバインダーポリマーを任意に組み合わせて使用してもよい。
(A)成分の含有量は、フィルム形成性と、感度及び解像度に優れる点では、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して30〜70質量部とすることが好ましく、35〜65質量部とすることがより好ましく、40〜60質量部とすることが特に好ましい。
<光重合性化合物>
次に、光重合性化合物(以下「(B)成分」ともいう。)について説明する。
(B)成分としては、光架橋が可能なものであれば特に制限はないが、エチレン性不飽和結合を有する化合物を用いることが好ましい。エチレン性不飽和結合を有する化合物としては、分子内にエチレン性不飽和結合を1つ有する化合物、分子内にエチレン性不飽和結合を2つ有する化合物、分子内にエチレン性不飽和結合を3つ以上有する化合物等が挙げられる。
(B)成分は、分子内にエチレン性不飽和結合を2つ有する化合物を、(B)成分全体の質量に対して10〜80質量%含むことが好ましく、30〜70質量%含むことがより好ましい。
分子内にエチレン性不飽和結合を2つ有する化合物としては、例えば、ビスフェノールA系ジ(メタ)アクリレート化合物、水添ビスフェノールA系ジ(メタ)アクリレート化合物、分子内にウレタン結合を有するジ(メタ)アクリレート化合物、分子内に(ポリ)オキシエチレン鎖及び(ポリ)オキシプロピレン鎖の双方を有するポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート化合物及びトリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
上記の中でも、(B)成分は、解像度及び剥離特性を向上させる観点から、ビスフェノールA系ジ(メタ)アクリレート化合物を含むことが好ましい。
ビスフェノールA系ジ(メタ)アクリレート化合物としては、下記一般式(2)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0006064480
上記一般式(2)中、R、Rはそれぞれ独立に、水素原子又はメチル基を示す。XO及びYOはそれぞれ独立に、オキシエチレン基又はオキシプロピレン基を示す。(XO)m、(XO)m、(YO)n、(YO)nは、(ポリ)オキシエチレン鎖又は(ポリ)オキシプロピレン鎖を示す。m、m、n及びnはそれぞれ独立に、0〜40の整数を示す。XOがオキシエチレン基、YOがオキシプロピレン基である場合、m+mは1〜40、n+nは0〜20であり、XOがオキシプロピレン基、YOがオキシエチレン基の場合、m+mは0〜20、n+nは1〜40である。m、m、n及びnは、オキシエチレン基又はオキシプロピレン基からなる構成単位の構成単位数を示す。従って、m、m、n及びnは、単一の分子においては整数値を示し、複数種の分子の集合体としては平均値である有理数を示す。以下、構成単位の構成単位数については同様である。
上記一般式(2)で表される化合物のうち、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパンは、BPE−500(新中村化学工業(株)製、製品名)又はFA−321M(日立化成工業(株)製、製品名)として商業的に入手可能であり、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタデカエトキシ)フェニル)プロパンは、BPE−1300(新中村化学工業(株)製、製品名)として商業的に入手可能である。これらは単独で、又は2種類以上を任意に組み合わせて使用される。
(B)成分が分子内にエチレン性不飽和結合を1つ有する光重合性化合物を含む場合、その含有量は、解像度、密着性、レジスト形状及び硬化後の剥離特性をバランスよく向上させる観点から、(B)成分全体の質量に対して1〜30質量%であることが好ましく、3〜25質量%であることがより好ましく、5〜20質量%であることが更に好ましい。
分子内にエチレン性不飽和結合を1つ有する化合物としては、例えば、ノニルフェノキシポリエチレンオキシアクリレート、フタル酸系化合物及び(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。
上記の中でも、解像度、密着性、レジスト形状及び硬化後の剥離特性をバランスよく向上させる観点から、ノニルフェノキシポリエチレンオキシアクリレート又はフタル酸系化合物を含むことが好ましい。
上記ノニルフェノキシポリエチレンオキシアクリレートとしては、例えば、ノニルフェノキシトリエチレンオキシアクリレート、ノニルフェノキシテトラエチレンオキシアクリレート、ノニルフェノキシペンタエチレンオキシアクリレート、ノニルフェノキシヘキサエチレンオキシアクリレート、ノニルフェノキシヘプタエチレンオキシアクリレート、ノニルフェノキシオクタエチレンオキシアクリレート、ノニルフェノキシノナエチレンオキシアクリレート、ノニルフェノキシデカエチレンオキシアクリレート及びノニルフェノキシウンデカエチレンオキシアクリレートが挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を任意に組み合わせて用いることができる。なお、「ノニルフェノキシポリエチレンオキシアクリレート」は、「ノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレート」とも呼ばれる。
これらのうち、ノニルフェノキシオクタエチレンオキシアクリレートは、例えば、M−114(東亞合成(株)製、製品名、4−ノルマルノニルフェノキシオクタエチレンオキシアクリレート)として商業的に入手可能である。なお、「4−ノルマルノニルフェノキシオクタエチレンオキシアクリレート」は、「4−ノルマルノニルフェノキシオクタエチレングリコールアクリレート」とも呼ばれる。
上記フタル酸系化合物としては、例えば、γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシエチル−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート及びβ−ヒドロキシプロピル−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレートが挙げられ、中でも、γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレートが好ましい。γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β’−メタクリロイルオキシエチル−o−フタレートは、FA−MECH(日立化成工業(株)製、製品名)として商業的に入手可能である。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
(B)成分が分子内にエチレン性不飽和結合を3つ以上有する光重合性化合物を含む場合、その含有量は、解像度、密着性、レジスト形状及び硬化後の剥離特性をバランスよく向上させる観点から、(B)成分全体の質量に対して5〜50質量%であることが好ましく、10〜40質量%であることがより好ましい。
分子内にエチレン性不飽和結合を3つ以上有する化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(オキシエチレン基の繰り返し総数が1〜5のもの)、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO,PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート及びジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。これらのうち、入手可能なものとしては、A−TMM−3(新中村化学工業(株)製、製品名、テトラメチロールメタントリアクリレート)、TMPT21E、TMPT30E(日立化成工業(株)製、サンプル名、EO変性トリメチロールプロパントリメタクリレート)等が挙げられる。
また、(B)成分は、感光性樹脂組成物の硬化物(硬化膜)の可とう性を向上させる観点から、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートを含むことが好ましい。ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートの含有量としては、(B)成分全体の総量に対して5〜50質量%であることが好ましく、10〜40質量%であることがより好ましい。
ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートとしては、分子内に(ポリ)オキシエチレン鎖及び(ポリ)オキシプロピレン鎖の双方を有するポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートが好ましい。ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートの分子内において、(ポリ)オキシエチレン鎖及び(ポリ)オキシプロピレン鎖は、それぞれ連続してブロック的に存在しても、ランダムに存在してもよい。なお、(ポリ)オキシプロピレン鎖におけるオキシプロピレン基は、オキシ−n−プロピレン基又はオキシイソプロピレン基のいずれであってもよい。また、(ポリ)オキシイソプロピレン鎖において、プロピレン基の2級炭素が酸素原子に結合していてもよく、1級炭素が酸素原子に結合していてもよい。
ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートとしては、特に下記一般式(3)、(4)又は(5)で表される化合物が好ましい。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
Figure 0006064480
式(3)、(4)及び(5)中、R〜R10はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を示し、EOはオキシエチレン基を示し、POはオキシプロピレン基を示す。r、r、r及びrはオキシエチレン基からなる構成単位の構成単位数を示し、s、s、s及びsはオキシプロピレン基からなる構成単位の構成単位数を示し、オキシエチレン基の繰り返し総数(構成単位数の総数)r+r、r及びrはそれぞれ独立に1〜30を示し、オキシプロピレン基の構成単位の総数s、s+s及びsはそれぞれ独立に1〜30を示す。
上記一般式(3)、(4)又は(5)で表される化合物において、オキシエチレン基の構成単位数の総数r+r、r及びrは1〜30であり、好ましくは1〜10であり、より好ましくは4〜9であり、特に好ましくは5〜8である。この構成単位数の総数が30を超えると、十分な解像度、密着性及びレジスト形状が得られ難くなる傾向がある。
また、オキシプロピレン基の構成単位数の総数s、s+s及びsは1〜30であり、好ましくは5〜20であり、より好ましくは8〜16であり、特に好ましくは10〜14である。この構成単位数の総数が30を超えると、十分な解像度が得られ難くなり、スラッジが発生し易くなる傾向がある。
上記一般式(3)で表される化合物としては、R及びR=メチル基、r+r=6(平均値)、s=12(平均値)であるビニル化合物(日立化成工業(株)製、製品名「FA−023M」)等が挙げられる。上記一般式(4)で表される化合物としては、R及びR=メチル基、r=6(平均値)、s+s=12(平均値)であるビニル化合物(日立化成工業(株)製、製品名「FA−024M」)等が挙げられる。上記一般式(5)で表される化合物としては、R及びR10=水素原子、r=1(平均値)、s=9(平均値)であるビニル化合物(新中村化学工業(株)製、サンプル名「NKエステルHEMA−9P」)等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
(B)成分全体の含有量は、フィルム形成性と硬化後のレジスト形状を良好にする観点では、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して30〜70質量部とすることが好ましく、35〜65質量部とすることがより好ましく、35〜60質量部とすることが特に好ましい。
<光重合開始剤>
次に、光重合開始剤(以下「(C)成分」ともいう。)について説明する。
光重合開始剤は、アクリジニル基を1又は2有するアクリジン化合物を含む。すなわち、(C)成分は、アクリジニル基を2つ有するアクリジン化合物(以下、場合により「(C1)成分」という)及びアクリジニル基を1つ有するアクリジン化合物(以下、場合により「(C2)成分」という)からなる群より選ばれる化合物のうち少なくとも1種を含むことができる。
(C1)成分としては、下記一般式(6)で表されるアクリジン化合物が挙げられる。
Figure 0006064480
式(6)中、Rは炭素数2〜20のアルキレン基、炭素数2〜20のオキサジアルキレン基又は炭素数2〜20のチオジアルキレン基を示す。本実施形態の感光性樹脂組成物の奏する効果をより確実に得る観点から、Rは炭素数2〜20のアルキレン基であることが好ましく、炭素数4〜14のアルキレン基であることがより好ましい。
上記一般式(6)で表される化合物としては、例えば、1,2−ビス(9−アクリジニル)エタン、1,3−ビス(9−アクリジニル)プロパン、1,4−ビス(9−アクリジニル)ブタン、1,5−ビス(9−アクリジニル)ペンタン、1,6−ビス(9−アクリジニル)ヘキサン、1,7−ビス(9−アクリジニル)ヘプタン、1,8−ビス(9−アクリジニル)オクタン、1,9−ビス(9−アクリジニル)ノナン、1,10−ビス(9−アクリジニル)デカン、1,11−ビス(9−アクリジニル)ウンデカン、1,12−ビス(9−アクリジニル)ドデカン、1,14−ビス(9−アクリジニル)テトラデカン、1,16−ビス(9−アクリジニル)ヘキサデカン、1,18−ビス(9−アクリジニル)オクタデカン、1,20−ビス(9−アクリジニル)エイコサン等のビス(9−アクリジニル)アルカン、1,3−ビス(9−アクリジニル)−2−オキサプロパン、1,3−ビス(9−アクリジニル)−2−チアプロパン及び1,5−ビス(9−アクリジニル)−3−チアペンタンが挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
光感度及び解像度をより良好にする見地から、(C1)成分として、式(6)中のRがヘプチレン基であるアクリジン化合物(例えば、(株)ADEKA製、製品名「N−1717」)を含むことが好ましい。
(C1)成分の含有量は、感度、解像度及び密着性の見地から、(A)成分及び(B)成分の固形分総量100質量部に対して、0.01〜3質量部であることが好ましく、0.05〜2.5質量部であることがより好ましく、0.05〜2.0質量部であることが更に好ましく、0.1〜1.5質量部であることが特に好ましく、0.1〜1.0質量部であることが極めて好ましい。
(C2)成分としては、下記一般式(7)で表されるアクリジン化合物が挙げられる。
Figure 0006064480
式(7)中、Rはハロゲン原子、アミノ基、カルボキシル基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数1〜6のアルキルアミノ基を示し、mは0〜5の整数を示す。
上記一般式(7)で表されるアクリジン化合物としては、例えば、9−フェニルアクリジン、9−(p−メチルフェニル)アクリジン、9−(m−メチルフェニル)アクリジン、9−(p−クロロフェニル)アクリジン、9−(m−クロロフェニル)アクリジン、9−アミノアクリジン、9−ジメチルアミノアクリジン、9−ジエチルアミノアクリジン及び9−ペンチルアミノアクリジンが挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
(C2)成分の含有量は、感度、解像度及び密着性の見地から、(A)成分及び(B)成分の固形分総量100質量部に対して、0.01〜2.0質量部であることが好ましく、0.05〜1.5質量部であることがより好ましく、0.05〜1.0質量部であることが更に好ましく、0.05〜0.7質量部であることが特に好ましく、0.05〜0.5質量部であることが極めて好ましい。
(C)成分は、(C1)及び(C2)成分以外の光重合開始剤を含んでいてもよい。
(C1)及び(C2)成分以外の光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、N,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、N,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1及び2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパノン−1等の芳香族ケトン;2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体が挙げられる。
(C)成分の含有量は、感度、密着性及び内部の光硬化性の観点から、(A)成分及び(B)成分の固形分総量100質量部に対して、0.01〜10質量部であることが好ましく、0.1〜5質量部であることがより好ましく、0.1〜1質量部であることが更に好ましく、0.1〜0.5であることが特に好ましい。また、リビングラジカル重合により得られたバインダーポリマーのように、分散度が小さいポリマーを用いる際には、上記(C1)及び(C2)成分の含有量を上記範囲にすることで、感度上昇に伴う、テント信頼性の低下をより防ぐことができる。
<ハロゲン化合物>
(C)成分は、ハロゲン化合物と組み合わせて用いることができる。
ハロゲン化合物としては、例えば、四臭化炭素、クロロホルム、1,1,1−トリクロルエタン、臭化メチレン、ヨウ化メチレン、塩化メチレン、四臭化炭素、ヨードホルム、1,1,2,2−テトラブロモエタン、ペンタブロモエタン、トリブロモアセトフェノン、ビス-(トリブロモメチル)スルホン、トリブロモメチルフェニルスルホン、塩化ビニル及び塩素化オレフィンが挙げられる。ハロゲン化合物としては、炭素−ハロゲン結合強度の弱い脂肪族ハロゲン化合物、特に同−炭素上に2つ以上のハロゲン原子が結合している化合物とりわけ有機ブロモ化合物が好ましく、トリブロモメチル基を有する有機ハロゲン化合物が更に好ましく、トリブロモメチルフェニルスルホンが特に好ましい。
本実施形態の感光性樹脂組成物がハロゲン化合物を含有する場合、その含有量は、感度、解像度及び密着性の見地から、(A)成分及び(B)成分の固形分総量100質量部に対して、0.05〜5質量部であることが好ましく、0.1〜3質量部であることがより好ましく、0.2〜1.5質量部であることが更に好ましい。
<増感色素>
本実施形態の感光性樹脂組成物は、増感色素(以下「(D)成分」ともいう)を含有することができる。
(D)成分である増感色素としては、例えば、ジアルキルアミノベンゾフェノン化合物、ピラゾリン化合物、アントラセン化合物、クマリン化合物、キサントン化合物、チオキサントン化合物、オキサゾール化合物、ベンゾオキサゾール化合物、チアゾール化合物、ベンゾチアゾール化合物、トリアゾール化合物、スチルベン化合物、トリアジン化合物、チオフェン化合物、ナフタルイミド化合物、トリアリールアミン化合物及びアミノアクリジン化合物が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
(D)成分の含有量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して0.01〜10質量部とすることが好ましく、0.05〜5質量部とすることがより好ましく、0.1〜3質量部とすることが更に好ましい。
<アミン系化合物>
本実施形態の感光性樹脂組成物は、アミン系化合物(以下「(E)成分」ともいう)を含有することができる。(E)成分としては、ビス[4−(ジメチルアミノ)フェニル]メタン、ビス[4−(ジエチルアミノ)フェニル]メタン、ロイコクリスタルバイオレット等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
感光性樹脂組成物が(E)成分を含む場合、その含有量は、(E)成分自身が異物として析出することを防ぐ点では、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して0.01〜10質量部とすることが好ましく、0.05〜5質量部とすることがより好ましく、0.1〜2質量部とすることが特に好ましい。
<その他の成分>
本実施形態の感光性樹脂組成物は、必要に応じて、重合禁止剤、分子内に少なくとも1つのカチオン重合可能な環状エーテル基を有する光重合性化合物(オキセタン化合物等)、カチオン重合開始剤、マラカイトグリーン等の染料、ロイコクリスタルバイオレット等の光発色剤、熱発色防止剤、p−トルエンスルホンアミド等の可塑剤、顔料、充填剤、消泡剤、難燃剤、安定剤、密着性付与剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、イメージング剤、熱架橋剤等を含有してもよい。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。これらの含有量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して、それぞれ0.01〜20質量部程度とすることが好ましい。
(感光性樹脂組成物の溶液)
本実施形態の感光性樹脂組成物を有機溶剤に溶解して、固形分30〜60質量%程度の溶液(塗布液)として用いることができる。有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル及びこれらの混合溶剤が挙げられる。
上記塗布液を、金属板等の表面上に塗布し、乾燥させることにより、本実施形態の感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層を形成することができる。金属板としては、銅、銅系合金、ニッケル、クロム、鉄、及び、ステンレス等の鉄系合金が挙げられ、好ましくは銅、銅系合金及び鉄系合金が挙げられる。
感光性樹脂組成物層の厚みは、その用途により異なるが、乾燥後の厚みで1〜100μm程度であることが好ましい。感光性樹脂組成物層の金属板とは反対側の表面を、保護フィルムで被覆してもよい。保護フィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン等の重合体フィルムが挙げられる。
(感光性エレメント)
図1は、本発明の感光性エレメント1の好適な実施形態を示す模式断面図である。上記感光性樹脂組成物の溶液を、支持フィルム2上に塗布し、乾燥させることにより、支持フィルム上に上記感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層3を形成することができる。このようにして、支持フィルム2と、該支持フィルム2上に形成された上記感光性樹脂組成物層3とを備える、本実施形態の感光性エレメント1が得られる。
支持フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィンフィルム等の耐熱性及び耐溶剤性を有する重合体フィルムを用いることができる。
支持フィルム(重合体フィルム)の厚みは、1〜100μmであることが好ましく、5〜50μmであることがより好ましく、5〜30μmであることが更に好ましい。この厚みが1μm以上であると、支持フィルムを剥離する際に支持フィルムが破れ難くなり、100μm以下であると解像度が十分に得られ易い傾向がある。
感光性エレメント1は、必要に応じて、感光性樹脂組成物層3の支持フィルム2とは反対側の表面を被覆する保護フィルム4を備えてもよい。保護フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィンフィルム等の耐熱性及び耐溶剤性を有する重合体フィルムを用いることができる。
保護フィルムとしては、感光性樹脂組成物層に対する接着力が、支持フィルムの感光性樹脂組成物層に対する接着力よりも小さいものが好ましく、また、低フィッシュアイのフィルムが好ましい。
市販の保護フィルムとしては、王子製紙社製アルファンMA‐410、E−200C、信越フィルム社製等のポリプロピレンフィルム、タマポリ(株)製NF−15等のポリエチレンフィルム、帝人社製PS−25等のPSシリーズ等のポリエチレンテレフタレートフィルムが挙げられる。なお、保護フィルムは支持フィルムと同一のものでもよい。
保護フィルムの厚みは1〜100μmであることが好ましく、5〜50μmであることがより好ましく、5〜30μmであることが更に好ましく、15〜30μmであることが特に好ましい。この厚みが1μm以上であると、感光性樹脂組成物層及び保護フィルムを基板上に積層(ラミネート)する際、保護フィルムが破れ難くなり、100μm以下であると廉価性の点で良好となる。
感光性樹脂組成物の溶液の支持フィルム上への塗布は、ロールコート、コンマコート、グラビアコート、エアーナイフコート、ダイコート、バーコート等の公知の方法により行うことができる。
上記溶液の乾燥は、70〜150℃にて、5〜30分間程度行うことが好ましい。乾燥後、感光性樹脂組成物層中の残存有機溶剤量は、後の工程での有機溶剤の拡散を防止する観点から、2質量%以下とすることが好ましい。
感光性エレメントにおける感光性樹脂組成物層の厚みは、用途により異なるが、乾燥後の厚みで1〜100μmであることが好ましく、1〜50μmであることがより好ましく、5〜40μmであることが更に好ましい。この厚みが1μm以上であると、工業的に塗工し易く、100μm以下であると、十分に密着性及び解像度が得られ易い傾向がある。
(レジストパターンの形成方法)
上記感光性樹脂組成物を用いて、レジストパターンを形成することができる。本実施形態に係るレジストパターンの形成方法は、(i)上記感光性樹脂組成物を用いて形成された感光性樹脂組成物層を基板上に積層する積層工程と、(ii)感光性樹脂組成物層の所定部分に活性光線を照射してその所定部分を露光させ、硬化させる露光工程と、(iii)感光性樹脂組成物層の上記所定部分以外の部分を基板上から除去することにより、基板上に、感光性樹脂組成物の硬化物からなるレジストパターンを形成する現像工程と、を有する。
(i)積層工程
まず、感光性樹脂組成物を用いて形成された感光性樹脂組成物層を基板上に積層する。基板としては、絶縁層と該絶縁層上に形成された導体層とを備えた基板(回路形成用基板)を用いることができる。
感光性樹脂組成物層の基板上への積層は、例えば、上記感光性エレメントの保護フィルムを除去した後、感光性エレメントの感光性樹脂組成物層を加熱しながら上記基板に圧着することにより行われる。これにより、基板と感光性樹脂組成物層と支持フィルムとからなり、これらが順に積層された積層体が得られる。
この積層作業は、密着性及び追従性の見地から、減圧下で行うことが好ましい。圧着の際の感光性樹脂組成物層及び/又は基板の加熱は、70〜130℃の温度で行うことが好ましく、0.1〜1.0MPa程度(1〜10kgf/cm程度)の圧力で圧着することが好ましいが、これらの条件には特に制限はない。なお、感光性樹脂組成物層を70〜130℃に加熱すれば、予め基板を予熱処理することは必要ではないが、積層性を更に向上させるために、基板の予熱処理を行うこともできる。
(ii)露光工程
次に、基板上の感光性樹脂組成物層の所定部分に活性光線を照射してその所定部分を露光させ、硬化させる。この際、感光性樹脂組成物層上に存在する支持フィルムが活性光線に対して透過性である場合には、支持フィルムを通して活性光線を照射することができるが、支持フィルムが遮光性である場合には、支持フィルムを除去した後に感光性樹脂組成物層に活性光線を照射する。
露光方法としては、アートワークと呼ばれるネガ又はポジマスクパターンを通して活性光線を画像上に照射する方法(マスク露光法)が挙げられる。また、LDI(Laser Direct Imaging)露光法、DLP(Digital Light Processing)露光法等の直接描画露光法により活性光線を画像状に照射する方法を採用してもよい。
本発明の感光性樹脂組成物は、直接描画露光方法に好適に使用することができる。即ち、本発明の好適な実施形態の一つは、分散度が1.6以下のバインダーポリマー、光重合性化合物及びアクリジニル基を1又は2有するアクリジン化合物を含む光重合開始剤を含有する感光性樹脂組成物の直接描画露光法への応用である。
活性光線の光源としては、公知の光源を用いることができ、例えば、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、高圧水銀灯、キセノンランプ、アルゴンレーザ等のガスレーザ、YAGレーザ等の固体レーザ、半導体レーザ等の紫外線、可視光等を有効に放射するものが用いられる。
活性光線の波長(露光波長)としては、本発明の効果をより確実に得る観点から、340〜430nmの範囲内とすることが好ましく、350〜420nmの範囲内とすることがより好ましい。
(iii)現像工程
さらに、感光性樹脂組成物層の上記所定部分以外の部分を基板上から除去することにより、基板上に、感光性樹脂組成物の硬化物からなるレジストパターンを形成する。感光性樹脂組成物層上に支持フィルムが存在している場合には、支持フィルムを除去してから、上記所定部分(露光部分)以外の部分(未露光部分)の除去(現像)を行う。現像方法には、ウェット現像とドライ現像とがあるが、ウェット現像が広く用いられている。
ウェット現像による場合、感光性樹脂組成物に対応した現像液を用いて、公知の現像方法により現像する。現像方法としては、ディップ方式、バトル方式、スプレー方式、ブラッシング、スラッピング、スクラッピング、揺動浸漬等を用いた方法が挙げられ、解像度向上の観点からは、高圧スプレー方式が最も適している。これら2種以上の方法を組み合わせて現像を行ってもよい。
現像液としては、アルカリ性水溶液、水系現像液、有機溶剤系現像液等が挙げられる。アルカリ性水溶液としては、0.1〜5質量%炭酸ナトリウムの希薄溶液、0.1〜5質量%炭酸カリウムの希薄溶液、0.1〜5質量%水酸化ナトリウムの希薄溶液、0.1〜5質量%四ホウ酸ナトリウムの希薄溶液等が好ましい。アルカリ性水溶液のpHは9〜11の範囲とすることが好ましく、その温度は、感光性樹脂組成物層のアルカリ現像性に合わせて調節される。アルカリ性水溶液中には、表面活性剤、消泡剤、現像を促進させるための少量の有機溶剤等を混入させてもよい。
未露光部分を除去した後、必要に応じて60〜250℃程度の加熱又は0.2〜10J/cm程度の露光を行うことにより、レジストパターンを更に硬化してもよい。
(プリント配線板の製造方法)
上記方法によりレジストパターンが形成された基板をエッチング又はめっきすることにより、プリント配線板を製造することができる。基板のエッチング又はめっきは、形成されたレジストパターンをマスクとして、基板の導体層等に対して行われる。
エッチングを行う場合のエッチング液としては、例えば、塩化第二銅溶液、塩化第二鉄溶液、アルカリエッチング溶液及び過酸化水素エッチング液が挙げられ、これらの中では、エッチファクタが良好な点から塩化第二鉄溶液を用いることが好ましい。
めっきを行う場合のめっき方法としては、例えば、硫酸銅めっき、ピロリン酸銅めっき等の銅めっき、ハイスローはんだめっき等のはんだめっき、ワット浴(硫酸ニッケル−塩化ニッケル)めっき、スルファミン酸ニッケル等のニッケルめっき、ハード金メッキ、ソフト金メッキ等の金メッキが挙げられる。
エッチング又はめっき終了後、レジストパターンは、例えば、現像に用いたアルカリ性水溶液より更に強アルカリ性の水溶液により剥離することができる。この強アルカリ性の水溶液としては、例えば、1〜10質量%水酸化ナトリウム水溶液、1〜10質量%水酸化カリウム水溶液等が用いられる。中でも、1〜10質量%水酸化ナトリウム水溶液又は水酸化カリウム水溶液を用いることが好ましく、1〜5質量%水酸化ナトリウム水溶液又は水酸化カリウム水溶液を用いることがより好ましい。
レジストパターンの剥離方式としては、浸漬方式、スプレー方式等が挙げられ、これらは単独で用いても併用してもよい。また、レジストパターンが形成されたプリント配線板は、多層プリント配線板でもよく、小径スルーホールを有していてもよい。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、プリント配線板の製造に好適に使用することができる。すなわち、本発明の好適な実施形態の一つは、分散度が1.6以下のバインダーポリマー、光重合性化合物及びアクリジニル基を1又は2有するアクリジン化合物を含む光重合開始剤を含有する感光性樹脂組成物のプリント配線板の製造への応用であり、より好適な実施形態は、高密度パッケージ基板の製造への応用である。
以下、実施例を挙げて本発明についてより具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(感光性樹脂組成物の溶液の調製)
表2に示す成分を同表に示す配合量(g)で混合することにより、実施例1〜10の感光性樹脂組成物の溶液を、表3に示す成分を同表に示す配合量(g)で混合することにより、比較例1〜12の感光性樹脂組成物の溶液を調製した。表2及び表3に示す(A)成分の配合量は不揮発分の質量(固形分量)である。表2及び表3に示す各成分の詳細については、以下のとおりである。
<(A)バインダーポリマー>
[バインダーポリマー(A−1)及び(A−2)]
バインダーポリマー(A−1)及び(A−2)としては、リビングラジカル重合(精密重合)により合成された試作品を使用した。合成手法としては、例えば、特開2009−19165号公報に記載の手法が挙げられる。
[バインダーポリマー(A−3)の合成]
重合性単量体(モノマー)であるメタクリル酸150g、メタクリル酸ベンジル125g、メタクリル酸メチル25g及びスチレン200g(質量比30/25/5/40)と、アゾビスイソブチロニトリル9.0gとを混合して得た溶液を「溶液a」とした。
メチルセロソルブ60g及びトルエン40gの混合液(質量比3:2)100gに、アゾビスイソブチロニトリル1.2gを溶解して得た溶液を「溶液b」とした。
撹拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロート及び窒素ガス導入管を備えたフラスコに、メチルセロソルブ270g及びトルエン180gの混合液(質量比3:2)450gを投入し、フラスコ内に窒素ガスを吹き込みつつ撹拌しながら加熱し、80℃まで昇温させた。
フラスコ内の上記混合液に、上記溶液aを4時間かけて滴下した後、撹拌しながら80℃にて2時間保温した。次いで、フラスコ内の溶液に、上記溶液bを10分間かけて滴下した後、フラスコ内の溶液を撹拌しながら80℃にて3時間保温した。さらに、フラスコ内の溶液を30分間かけて90℃まで昇温させ、90℃にて2時間保温した後、冷却してバインダーポリマー(A−3)の溶液を得た。
バインダーポリマー(A−3)の不揮発分(固形分)は47.8質量%であり、重量平均分子量は40000であり、酸価は196mgKOH/gであった。
なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)によって測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて換算することにより導出した。GPCの条件を以下に示す。
GPC条件
ポンプ:日立 L−6000型((株)日立製作所製、製品名)
カラム:Gelpack GL−R420、Gelpack GL−R430、Gelpack GL−R440(以上、日立化成工業(株)製、製品名)
溶離液:テトラヒドロフラン
測定温度:40℃
流量:2.05mL/分
検出器:日立 L−3300型RI((株)日立製作所製、製品名)
[バインダーポリマー(A−4)〜(A−8)の合成]
重合性単量体(モノマー)として、表1に示す材料を同表に示す質量比で用いたほかは、バインダーポリマー(A−3)の溶液を得るのと同様にしてバインダーポリマー(A−4)〜(A−8)の溶液を得た。
バインダーポリマー(A−1)〜(A−8)における、重合性単量体(モノマー)の質量比、酸価、重量平均分子量及び分散度を表1に示す。
Figure 0006064480
<(B)光重合性化合物>
TMPT21E(日立化成工業(株)製、サンプル名):EO変性トリメチロールプロパントリメタクリレート(エチレンオキサイド平均21mol付加物)
FA−321M(日立化成工業(株)製、製品名):2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパン
FA−024M(日立化成工業(株)製、製品名):上記一般式(4)において、R及びR=メチル基、r=6(平均値)、s+s=12(平均値)であるビニル化合物
FA−023M(日立化成工業(株)製、製品名):上記一般式(3)において、R及びR=メチル基、r+r=6(平均値)、s=12(平均値)であるビニル化合物
M−114(東亞合成(株)製、製品名):4−ノルマルノニルフェノキシオクタエチレングリコールアクリレート
<(C)光重合開始剤>
N−1717((株)ADEKA製、製品名):1,7−ビス(9,9’−アクリジニル)ヘプタン
9−PA(新日鐵化学(株)製、製品名):9−フェニルアクリジン
B−CIM(Hampford社製、製品名):2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビスイミダゾール
<(D)増感色素>
DBA(川崎化成工業(株)製、製品名):9,10−ジブトキシアントラセン
<(E)アミン系化合物>
LCV(山田化学(株)製、製品名):ロイコクリスタルバイオレット
<染料>
MKG(大阪有機化学工業(株)製、製品名):マラカイトグリーン
<ハロゲン化合物>
BMPS(住友精化(株)製、製品名):トリブロモメチルフェニルスルホン
Figure 0006064480
Figure 0006064480
(感光性エレメント)
上記感光性樹脂組成物の溶液を、それぞれ厚さ16μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人(株)製、製品名「HTF−01」)上に均一に塗布し、70℃及び110℃の熱風対流式乾燥器で乾燥して、乾燥後の膜厚が25μmである感光性樹脂組成物層を形成した。この感光性樹脂組成物層上に保護フィルム(タマポリ(株)製、製品名「NF−15」)を貼り合わせ、ポリエチレンテレフタレートフィルム(支持フィルム)と、感光性樹脂組成物層と、保護フィルムとが順に積層された感光性エレメントを得た。
(積層基板)
ガラスエポキシ材と、その両面に形成された銅箔(厚さ16μm)とからなる銅張積層板(日立化成工業(株)製、製品名「MCL−E−679F」)の銅表面を、メック(株)製CZ処理液で粗化した。この粗化銅基板(以下、「基板」という。)を加熱して80℃に昇温させた後、実施例1〜10及び比較例1〜12に係る感光性エレメントを、基板の銅表面にラミネート(積層)した。ラミネートは、保護フィルムを除去しながら、各感光性エレメントの感光性樹脂組成物層が基板の銅表面に密着するようにして、温度120℃、ラミネート圧力4kgf/cmの条件下で行った。このようにして、基板の銅表面上に感光性樹脂組成物層及びポリエチレンテレフタレートフィルムが積層された積層基板を得た。
(感度の評価)
得られた積層基板を放冷し、23℃になった時点で、積層基板のポリエチレンテレフタレートフィルム上に、濃度領域0.00〜2.00、濃度ステップ0.05、タブレットの大きさ20mm×187mm、各ステップの大きさが3mm×12mmである41段ステップタブレットを有するフォトツールを密着させた。次に、試験基板の上に日立41段ステップタブレットを置いて、波長355nmの半導体レーザを光源とする直接描画露光装置(日本オルボテック株式会社製、製品名「Paragon−9000」)を用いて、所定のエネルギー量で露光した。
露光後、ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、30℃で1.0質量%炭酸ナトリウム水溶液を50秒間スプレーし、未露光部分を除去した後、銅張積層板上に形成された光硬化膜のステップタブレットの段数を測定し、現像後の残存ステップ段数が17.0段となるエネルギー量(mJ/cm)を求め、感光性樹脂組成物の光感度を評価した。感度の評価はこの数値が小さいほど、感度が高いことを意味する。結果を表5及び表6に示す。
(解像度及び密着性の評価)
ライン幅(L)/スペース幅(S)(以下、「L/S」と記す。)が3/3〜30/30(単位:μm)である描画パターンを用いて、41段ステップタブレットの残存段数が17段となるエネルギー量で上記積層基板の感光性樹脂組成物層に対して露光(描画)を行った。露光後、上記感度の評価と同様の現像処理を行った。
現像後、スペース部分(未露光部分)がきれいに除去され、且つライン部分(露光部分)が蛇行又は欠けを生じることなく形成されたレジストパターンにおけるライン幅/スペース幅の値のうちの最小値により、解像度及び密着性を評価した。この数値が小さいほど解像度及び密着性が共に良好であることを意味する。結果を表5及び表6に示す。
(レジスト形状の評価)
上記解像度及び密着性の評価において、得られたレジスト形状(レジストパターンの断面形状)を日立走査型電子顕微鏡S−500Aを用いて観察した。レジスト形状が台形又は逆台形である場合、又は、レジストの裾引き又はクラックがある場合には、その後のエッチング処理又はめっき処理により形成された回路に短絡又は断線が生じ易くなる傾向がある。従って、レジスト形状は矩形(長方形)で、且つレジストの裾引き又はクラックがないことが望ましい。なお、「クラック」とは、レジストパターンのライン部分(露光部分)に、ひび又は亀裂が生じ、あるいはそれに伴いライン部分に欠け又は断裂が生じたことを意味する。レジスト形状が矩形で、且つレジストの裾引き又はクラックがない場合を「A」、レジストの裾引きが見られた場合を「B」として評価した。結果を表5及び表6に示す。
(剥離特性の評価)
各感光性エレメントを上記銅張積層板(基板)上に積層し、表4に示す条件で露光及び現像を行うことにより、基板上に硬化膜が形成された試験片(40mm×50mm)を作製した。この試験片を室温で一昼夜放置した後、表4に示す条件で剥離を行った。撹拌開始から、硬化膜が基板から完全に剥離除去されるまでの時間を剥離時間(秒)とした。また、剥離後の剥離片のサイズを目視にて観察し、以下の基準で評価した。剥離時間が短く、剥離片サイズが小さいほど剥離特性が良好であることを意味する。結果を表5及び表6に示す。
剥離片サイズ
L:シート状
M:30〜40mm角
S:30mm角より小さい
Figure 0006064480
(テント信頼性の評価)
1.6mm厚の銅張積層板に直径4mmの穴が3個連なって空いてある図2に示す穴破れ数測定用基板上に、実施例及び比較例で作製した感光性エレメントを、温度120℃、ラミネート圧力4kgf/cmの条件下でラミネートした。ラミネートは、保護フィルムを除去しながら、感光性エレメントの感光性樹脂層が穴破れ数測定用基板面に密着するようにして行った。次いで、現像後の残存ステップ段数が17.0段となるエネルギー量で露光を行い、露光後、ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がし、50秒の現像を2回行った。現像後、図2に示した箇所(合計18個の3連φ4mm穴)の穴破れ個数を測定し、異形テント破れ率として評価し、これをテント信頼性とした。
異形テント破れ率(%)=(穴破れ数(個)/18(個))×100
Figure 0006064480
Figure 0006064480
表5及び表6から明らかなように、実施例1〜10の感光性樹脂組成物は、感度、解像度、密着性、レジスト形状、テント信頼性及び硬化後の剥離特性がいずれも良好なものであった。
本発明の感光性樹脂組成物は、プリント配線板を製造するためのレジストパターンを形成する材料として適用される。特に、上記感光性樹脂組成物は、感度、解像度、密着性、レジスト形状、テント信頼性及び硬化後の剥離特性がいずれも良好であるため、高密度パッケージ基板等の細線化・高密度化された配線を有するプリント配線板を製造するためのレジストパターン形成にも好適に用いられる。
1…感光性エレメント、2…支持フィルム、3…感光性樹脂組成物層、4…保護フィルム。

Claims (11)

  1. 分散度が1.55以下のバインダーポリマーと、
    光重合性化合物と、
    アクリジニル基を1又は2有するアクリジン化合物を含む光重合開始剤と、
    を含有する感光性樹脂組成物。
  2. 前記バインダーポリマーが、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ベンジル誘導体、スチレン及びスチレン誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種の重合性単量体に基づく構成単位を有する、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  3. 前記バインダーポリマーの重量平均分子量が10000〜100000である、請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
  4. 前記光重合性化合物が、ビスフェノールA系ジ(メタ)アクリレート化合物を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  5. ハロゲン化合物を更に含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  6. 前記ハロゲン化合物が、トリブロモメチルフェニルスルホンである、請求項5に記載の感光性樹脂組成物。
  7. アミン系化合物を更に含有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  8. 支持フィルムと、該支持フィルム上に請求項1〜7のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物を用いて形成された感光性樹脂組成物層と、を備える感光性エレメント。
  9. 請求項1〜のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物を用いて形成された感光性樹脂組成物層を基板上に積層する積層工程と、
    前記感光性樹脂組成物層の所定部分に活性光線を照射して前記所定部分を露光させ、硬化させる露光工程と、
    前記感光性樹脂組成物層の前記所定部分以外の部分を前記基板上から除去することにより、前記基板上に、前記感光性樹脂組成物の硬化物からなるレジストパターンを形成する現像工程と、を有するレジストパターンの形成方法。
  10. 前記活性光線の波長が340〜430nmの範囲内である、請求項9に記載のレジストパターンの形成方法。
  11. 請求項9又は10に記載の方法によりレジストパターンが形成された基板をエッチング又はめっきする工程を含む、プリント配線板の製造方法。
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