JP6716883B2 - 感光性樹脂組成物、感光性エレメント、硬化物、レジストパターンの形成方法、及び、プリント配線板の製造方法 - Google Patents

感光性樹脂組成物、感光性エレメント、硬化物、レジストパターンの形成方法、及び、プリント配線板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、感光性樹脂組成物、感光性エレメント、硬化物、レジストパターンの形成方法、及び、プリント配線板の製造方法に関する。
プリント配線板の製造分野においては、エッチング処理又はめっき処理等に用いられるレジスト材料として、感光性樹脂組成物を含有する層(以下、「感光性樹脂層」という)を支持フィルム上に形成し、且つ、感光性樹脂層上に保護フィルムを配置した構造を有する感光性エレメント(積層体)が広く用いられている。
従来、プリント配線板は、例えば、前記感光性エレメントを用いて、以下の手順で製造されている。すなわち、まず、感光性エレメントの感光性樹脂層を銅張積層板等の回路形成用基板上にラミネートする。このとき、感光性樹脂層の支持フィルムに接触している面(以下、感光性樹脂層の「下面」という)とは反対側の面(以下、感光性樹脂層の「上面」という)が、回路形成用基板の導体パターン(回路)を形成する面に密着するようにラミネートする。そのため、保護フィルムを感光性樹脂層の上面に配置している場合、このラミネートの作業は保護フィルムを剥がしながら行う。また、ラミネートは、感光性樹脂層を下地の回路形成用基板に加熱圧着することにより行う(常圧ラミネート法)。
次に、マスクフィルム等を介して感光性樹脂層をパターン露光する。このとき、露光前又は露光後のいずれかのタイミングで支持フィルムを剥離する。その後、感光性樹脂層の未露光部を現像液で溶解又は分散除去する。次に、エッチング処理又はめっき処理を施して導体パターンを形成した後、最終的に硬化部分を剥離除去する。
ここで、エッチング処理とは、現像後に残存する硬化レジストによって被覆されていない回路形成用基板の金属面をエッチング除去した後、硬化レジストを剥離する方法である。
一方、めっき処理とは、現像後に残存する硬化レジストによって被覆されていない回路形成用基板の金属面に銅及び半田等のめっき処理を行った後、硬化レジストを除去し、このレジストによって被覆されていた金属面をエッチングする方法である(セミアディティブ工程[Semi Aditive Process:SAP工法])。
近年、プリント配線板の高密度化に伴い微細配線化が進み、回路形成用基板と、レジスト材料である感光性樹脂層との接触面積が小さくなっている。そのため、回路形成用基板との優れた密着性や、パターン形成における優れた解像度が要求されている。特に、パッケージ基板用途として、ライン幅及びスペース幅が共に10μm以下のレジストパターンを形成し得る材料が要求されており、さらに、最近では、ライン幅及びスペース幅が共に5μm以下のレジストパターンを形成する材料が望まれている。
一方、レジスト材料は、硬化後の剥離特性に優れることが要求される。レジストの剥離時間が短縮されることにより、剥離工程の生産効率が向上する。
さらに、微細配線化又は高アスペクト比に伴って、特にSAP工法では、めっき工程後のレジスト剥離において、微細配線間での剥離残りが問題となる傾向がある。そのため、感光性樹脂組成物には、解像度に加えて、優れた剥離特性が要求されている。すなわち、解像度と剥離特性との両立の重要性が増している。
前記に関連して、L/S(ライン幅/スペース幅)が10/10(単位:μm)以下のレジストパターンを形成するために、種々の感光性樹脂組成物が検討されている。例えば、下記特許文献1及び2には、特定の増感色素を用いる感光性樹脂組成物が開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載の感光性樹脂組成物を用いた場合、L/S(ライン幅/スペース幅)が10/10(単位:μm)以下のレジストパターンを形成することが困難な場合があった。また、特許文献2に記載の感光性樹脂組成物を用いた場合、L/S(ライン幅/スペース幅)が10/10(単位:μm)以下のレジストパターンを形成し、且つ、レジストパターンのすそ引きを抑えることが困難な場合があった。
国際公開第2007/004619号 特開2009−003177号公報
ところで、従来の感光性樹脂組成物には、特に、解像度及び密着性の点で更なる改良が求められており、解像度及び密着性を1μm単位で改良することが課題となっている。加えて、解像度や密着性を重要視すると、剥離特性が低下する傾向があり、特性がトレードオフとなっている。しかしながら、従来、剥離特性については考慮が少なく、実際に発明を実施する上では、両特性の両立化に課題があった。
本発明は、解像度及び密着性に優れ、且つ、硬化後の剥離特性に優れる感光性樹脂組成物及びその硬化物を提供することを目的とする。また、本発明は、前記感光性樹脂組成物を用いる感光性エレメント、レジストパターンの形成方法、及び、プリント配線板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様は、カルボキシル基を有するアゾ系重合開始剤の存在下における(メタ)アクリル酸の反応に由来する構造を有するバインダーポリマーと、エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物と、光重合開始剤と、を含有し、前記バインダーポリマーの重量平均分子量が100000以下である、感光性樹脂組成物である。
第1の態様に係る感光性樹脂組成物は、解像度及び密着性に優れ、且つ、剥離特性に優れる。また、第1の態様に係る感光性樹脂組成物は、感度、解像度、密着性及びレジスト形状と、硬化後の剥離特性とのトレードオフを解消し、感度、解像度、密着性及びレジスト形状に優れ、且つ、硬化後の剥離特性に優れる。
第1の態様に係る感光性樹脂組成物は、前記アゾ系重合開始剤が分子内にカルボキシル基を2つ以上含み、前記アゾ系重合開始剤の10時間半減期温度が50〜80℃である態様であることが好ましい。この場合、解像度及び密着性に更に優れ、且つ、剥離特性が更に向上する。
前記アゾ系重合開始剤は、4,4'−アゾビス−4−シアノバレリック酸、及び、2,2'−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]ハイドレイトからなる群より選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましい。この場合、解像度、密着性及び剥離特性をバランスよく向上させることができる。
本発明の第2の態様は、(メタ)アクリル酸に由来する構造単位を有するバインダーポリマーと、エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物と、光重合開始剤と、を含有し、前記バインダーポリマーが、分子鎖の少なくとも一つの末端にカルボキシル基を有し、前記バインダーポリマーの重量平均分子量が100000以下である、感光性樹脂組成物である。
第2の態様に係る感光性樹脂組成物は、解像度及び密着性に優れ、且つ、剥離特性に優れる。また、第2の態様に係る感光性樹脂組成物は、感度、解像度、密着性及びレジスト形状と、硬化後の剥離特性とのトレードオフを解消し、感度、解像度、密着性及びレジスト形状に優れ、且つ、硬化後の剥離特性に優れる。
前記バインダーポリマーは、スチレンに由来する構造単位、及び、スチレン誘導体に由来する構造単位からなる群より選ばれる少なくとも一種のスチレン系構造単位を有することが好ましい。この場合、解像度、密着性及びレジスト形状が更に向上する。
前記スチレン系構造単位の含有量は、前記バインダーポリマーの固形分全量を基準として5〜80質量%であることが好ましい。この場合、解像度及び密着性が更に優れる。
前記光重合開始剤は、ヘキサアリールビイミダゾール誘導体及びアクリジン化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましい。この場合、感度及び解像度が更に優れる。
前記バインダーポリマーの重量平均分子量は、10000以上であることが好ましい。この場合、密着性が更に優れる。
本発明の第3の態様は、支持体と、当該支持体上に配置された感光性樹脂層と、を備え、前記感光性樹脂層が前記感光性樹脂組成物を含む、感光性エレメントである。
本発明の第4の態様は、前記感光性樹脂組成物の硬化物である。第4の態様に係る硬化物は、レジストパターンであってもよい。
本発明の第5の態様は、前記感光性樹脂組成物、又は、前記感光性エレメントを用いて感光性樹脂層を基材上に形成する工程と、前記感光性樹脂層の少なくとも一部に活性光線を照射して、前記感光性樹脂層を光硬化させる工程と、前記感光性樹脂層の未硬化部分を前記基材上から除去して、レジストパターンを形成する工程と、を備える、レジストパターンの形成方法である。
本発明の第6の態様は、前記レジストパターンの形成方法によってレジストパターンを基材上に形成する工程と、前記基材及び前記レジストパターンを有する部材にめっき処理又はエッチング処理を施して導体パターンを形成する工程と、を備える、プリント配線板の製造方法である。
本発明によれば、解像度(解像性)及び密着性に優れ、且つ、剥離特性に優れる感光性樹脂組成物及びその硬化物を提供することができる。本発明によれば、感度(光感度)、解像度、密着性及びレジスト形状に優れ、且つ、硬化後の剥離特性に優れる感光性樹脂組成物及びその硬化物を提供することができる。また、本発明によれば、前記感光性樹脂組成物を用いた感光性エレメント、レジストパターンの形成方法、及び、プリント配線板の製造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る感光性エレメントを示す模式断面図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本明細書において、「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、ある段階の数値範囲の上限値又は下限値は、他の段階の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。「層」との語は、平面図として観察したときに、全面に形成されている形状の構造に加え、一部に形成されている形状の構造も包含される。「(メタ)アクリル酸」とは、「アクリル酸」及びそれに対応する「メタクリル酸」の少なくとも一方を意味する。(メタ)アクリレート等の他の類似表現についても同様である。
本明細書において組成物中の各成分の量について言及する場合、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。本明細書において、「固形分」とは、感光性樹脂組成物(又は各成分)において、揮発する物質(水、溶剤等)を除いた不揮発分を指す。すなわち、乾燥工程で揮発せずに残る物質(水、溶剤等)以外の成分を指し、室温(25℃)付近で液状、水飴状及びワックス状の物質も含む。
本明細書において「密着性」とは、感光性樹脂組成物を現像することによって得られる独立したレジストパターンと、基板との密着性(耐現像液性)を意味し、例えば、良好な結果を与えるレジストパターンのライン幅又はスペース幅が狭いほど密着性が優れることを意味する。「剥離特性」とは、感光性樹脂組成物の硬化物の被着体に対する剥離しやすさを意味し、例えば、剥離時間が短縮化されることが好ましい。
<感光性樹脂組成物及びその硬化物>
本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、(A)バインダーポリマー、(B)エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物、及び、(C)光重合開始剤を含有する。なお、本明細書において、これらの成分は、単に(A)成分、(B)成分、(C)成分等と称することがある。本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、(A)成分として、カルボキシル基を有するアゾ系重合開始剤の存在下における(メタ)アクリル酸の反応に由来する構造を有するバインダーポリマーを含有し、当該バインダーポリマーの重量平均分子量が100000以下である。このようなバインダーポリマーは、(メタ)アクリル酸に由来する構造単位を有すると共に分子鎖の少なくとも一つの末端にカルボキシル基を有する。以下、当該バインダーポリマーを(A1)成分という。なお、「末端」とは、バインダーポリマー主鎖の末端部分を意味している。本実施形態のバインダーポリマーの場合、バインダーポリマー重合時に重合開始剤由来で形成される分子鎖の末端部分が該当する。
本実施形態に係る硬化物は、本実施形態に係る感光性樹脂組成物の硬化物である。本実施形態に係る硬化物は、レジストパターンであってもよい。
以下、それぞれの成分について詳細を説明する。
((A)成分:バインダーポリマー)
本発明者は、カルボキシル基を有するアゾ系重合開始剤を用いて(メタ)アクリル酸を重合することにより得られ、且つ、特定の重量平均分子量を有するバインダーポリマーを用いることにより、カルボキシル基を有さない重合開始剤(2,2'−アゾビス−イソブチロニトリル等)を用いて(メタ)アクリル酸を重合することにより得られるバインダーポリマー、及び、前記特定の重量平均分子量を有さないバインダーポリマーに比して優れた特性が得られることを見出した。
(A)成分は、(A1)成分として、カルボキシル基を有するアゾ系重合開始剤の存在下における(メタ)アクリル酸の重合反応に由来する構造を有する重量平均分子量100000以下のバインダーポリマー((メタ)アクリル系樹脂)を含有する。すなわち、(A1)成分は、(メタ)アクリル酸に由来する構造単位を有すると共に分子鎖の少なくとも一つの末端にカルボキシル基を有する重量平均分子量が100000以下であるバインダーポリマーであるといえる。(A1)成分は、カルボキシル基を有しているため、アルカリ可溶性を有する。(A)成分は、例えば、重合性単量体をラジカル重合させることにより製造することができる。
(A1)成分は、分子内にカルボキシル基を有するアゾ系重合開始剤を用いて得ることができる。このような重合開始剤を用いることで、バインダーポリマーの構造単位を与える重合性単量体を重合(ラジカル重合等)する際に、カルボキシル基を有するアゾ系重合開始剤が分子内に導入されることにより、ポリマーの末端部分にカルボキシル基を導入することができる。このような末端部分のカルボキシル基は、バインダーポリマーにおける(メタ)アクリル酸に基づくカルボキシル基に比べて剥離特性等に有効に働くと推察される。
分子内にカルボキシル基を有するアゾ系重合開始剤としては、特に制限はない。中でも、分子内にカルボキシル基を2つ以上含み、且つ、10時間半減期温度が50〜80℃であるアゾ系重合開始剤を用いることが好ましい。このような重合開始剤の具体例としては、例えば、4,4'−アゾビス−4−シアノバレリック酸[ACVA:大塚化学(株)製、商品名、10時間半減期温度:68℃]、及び、2,2'−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]ハイドレイト[VA−057:和光純薬工業(株)、商品名、10時間半減期温度:57℃]からなる群より選ばれる少なくとも一種が挙げられる。前記アゾ系重合開始剤は、1種類単独で又は2種類以上を任意に組み合わせて用いることができる。カルボキシル基を有するアゾ系重合開始剤と、カルボキシル基を有さない重合開始剤(2,2'−アゾビス−イソブチロニトリル等)とを組み合わせて使用することもできる。
(A1)成分は、(メタ)アクリル酸以外の重合性単量体に由来する構造単位を有してもよい。このような構造単位としては、スチレン又はスチレン誘導体に由来する構造単位、(メタ)アクリル酸エステル((メタ)アクリル酸アルキル、(メタ)アクリル酸ベンジル等)に由来する構造単位などが挙げられる。
(メタ)アクリル酸以外の前記重合性単量体の具体例としては、スチレン;ビニルトルエン、α−メチルスチレン等の、α−位又は芳香族環において置換されている重合可能なスチレン誘導体;(メタ)アクリル酸アルキル;(メタ)アクリル酸ベンジル;(メタ)アクリル酸ベンジル誘導体;ジアセトンアクリルアミド等のアクリルアミド;アクリロニトリル;ビニル−n−ブチルエーテル等のビニルアルコールのエステル類;(メタ)アクリル酸シクロアルキル;(メタ)アクリル酸フルフリル;(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル;(メタ)アクリル酸イソボルニル;(メタ)アクリル酸アダマンチル;(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル;(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル;(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル;(メタ)アクリル酸グリシジル;2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート;2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート;β−フリル(メタ)アクリル酸;β−スチリル(メタ)アクリル酸;マレイン酸;マレイン酸無水物;マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノイソプロピル等のマレイン酸モノエステル;フマール酸;ケイ皮酸;α−シアノケイ皮酸;イタコン酸;クロトン酸;プロピオール酸などが挙げられる。
(メタ)アクリル酸ベンジル誘導体としては、例えば、ベンジル基の芳香環に、炭素数(炭素原子数。以下同じ)1〜6のアルコキシ基、ハロゲン原子、及び/又は、炭素数1〜6のアルキル基が置換した化合物を挙げることができる。(メタ)アクリル酸ベンジル誘導体としては、例えば、エトキシベンジル(メタ)アクリレート、メトキシベンジル(メタ)アクリレート、クロロベンジル(メタ)アクリレート、メチルベンジル(メタ)アクリレート、及び、エチルベンジル(メタ)アクリレートが挙げられる。
(A1)成分は、解像度、密着性及びレジスト形状を更に向上させる観点から、スチレンに由来する構造単位、及び、スチレン誘導体に由来する構造単位からなる群より選ばれる少なくとも一種のスチレン系構造単位を有することが好ましい。(A1)成分が、スチレン又はスチレン誘導体に由来するスチレン系構造単位を有する場合、前記スチレン系構造単位の含有量は、(A1)成分の固形分全量(全質量)を基準として、5〜80質量%、10〜65質量%、又は、20〜50質量%であってもよい。この含有量が5質量%以上であることで、解像度が更に向上する。前記含有量が80質量%以下であることで、アルカリ現像性が更に向上し、前記含有量が65質量%以下であることで、剥離片が大きくなることを抑制し、剥離時間が長くなることを抑制できる。
(A1)成分は、アルカリ現像性及び剥離特性を更に向上させる観点から、(メタ)アクリル酸アルキルに由来する構造単位の少なくとも1種を有することが好ましい。(メタ)アクリル酸アルキルのアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基及びドデシル基が挙げられる。前記アルキル基としては、各構造異性体を用いることができる。(メタ)アクリル酸アルキルの具体例としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル及び(メタ)アクリル酸ドデシルが挙げられる。前記アルキル基の炭素数は、剥離特性を更に向上させる観点から、1〜4が好ましい。(メタ)アクリル酸アルキルは、1種類単独で又は2種類以上を任意に組み合わせて用いることができる。
(A1)成分を構成するそれぞれの構造単位の含有量は特に制限されない。(メタ)アクリル酸に由来する構造単位の含有量は、(A1)成分の酸価が100〜250mgKOH/g、120〜240mgKOH/g、140〜230mgKOH/g、又は、150mgKOH/g〜230mgKOH/gとなる含有量であってもよい。(A1)成分の酸価が100mgKOH/g以上であることで、現像時間が長くなることを抑制できる。(A1)成分の酸価が250mgKOH/g以下であることで、感光性樹脂組成物の硬化物の密着性が更に向上する。なお、溶剤現像を行う場合は、カルボキシル基を有する重合性単量体(モノマー、(メタ)アクリル酸等)を少量に調整することが好ましい。
(A1)成分が(メタ)アクリル酸アルキルに由来する構造単位を有する場合、その含有量は、(A1)成分の固形分全量(全質量)を基準として、1〜50質量%、2〜30質量%、又は、3〜20質量%であってもよい。この含有量が1質量%以上であることで、剥離片が大きくなることを更に抑制し、剥離時間が長くなることを抑制できる。前記含有量が50質量%以下であることで、解像度及び密着性が更に向上する。
(A1)成分の重量平均分子量(Mw)は、100000以下である。Mwが100000を超えると、優れた解像度及び密着性が得られない。また、Mwが10000以上であると、感光性樹脂組成物の硬化物の密着性が更に向上する。Mwは、12000〜70000、又は、15000〜40000であってもよい。Mwが70000以下又は40000以下であると、カルボキシル基を有するアゾ系重合開始剤が分子内に導入される量が多くなり、効果が大きくなる傾向がある。
なお、(A1)成分の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定(標準ポリスチレンを用いた検量線により換算)される。
(A1)成分の分散度(Mw/Mn)は、特に制限はないが、1.0〜3.0が好ましく、1.5〜2.5がより好ましい。分散度が3.0以下であると、密着性及び解像度が更に向上する。
本実施形態に係る感光性樹脂組成物においてバインダーポリマーは、1種類のバインダーポリマーを単独で使用してもよく、2種類以上のバインダーポリマーを任意に組み合わせて使用してもよい。
2種類以上を組み合わせて使用する場合のバインダーポリマーとしては、例えば、異なる共重合成分からなる2種類以上の(異なるモノマー単位を共重合成分として含む)バインダーポリマー、異なる重量平均分子量の2種類以上のバインダーポリマー、及び、異なる分散度の2種類以上のバインダーポリマーが挙げられる。
(A)成分は、(A1)成分以外のバインダーポリマーを含んでいてもよい。このようなバインダーポリマーとしては、例えば、スチレン系樹脂、エポキシ系樹脂、アミド系樹脂、アミドエポキシ系樹脂、アルキド系樹脂及びフェノール系樹脂が挙げられる。(A)成分としては、特開平11−327137号公報に記載のマルチモード分子量分布を有するポリマーを使用することもできる。
(A1)成分の含有量は、感光性樹脂組成物の固形分全量(全質量)を基準として、20〜90質量%、30〜80質量%、又は、40〜65質量%であってもよい。(A1)成分の含有量が20質量%以上であると、フィルムの成形性に優れる傾向がある。(A1)成分の含有量が90質量%以下であると、感度及び解像度に更に優れる傾向がある。
(A1)成分の含有量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して、30〜70質量部、35〜65質量部、又は、40〜60質量部であってもよい。(A1)成分の含有量が30質量部以上であることで、フィルムの形成性が更に向上する。(A1)成分の含有量が70質量部以下であることで、感度及び解像度が更に向上する。
(A1)成分の含有量は、(A)成分の全質量を基準として、10〜100質量%、20〜100質量%、又は、30〜100質量%であってもよい。(A1)成分の含有量が10質量%以上であると、感度、解像度及び剥離特性に更に優れる傾向がある。
((B)成分:光重合性化合物)
(B)成分は、エチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する化合物を含む。(B)成分は、1種類単独で又は2種類以上を任意に組み合わせて用いることができる。(B)成分は、アルカリ現像性、解像度及び硬化後の剥離特性を更に向上させる観点から、ビスフェノールA型(メタ)アクリレート化合物の少なくとも1種を含むことが好ましい。
ビスフェノールA型(メタ)アクリレート化合物としては、具体的には、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリブトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン等が挙げられる。中でも、解像度及び剥離特性を更に向上させる観点から、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパンが好ましい。ビスフェノールA型(メタ)アクリレート化合物は、1種類単独で又は2種類以上を任意に組み合わせて用いることができる。
これらのうち、2,2−ビス(4−(メタクリロキシエトキシ)フェニル)プロパンは、BPE−200(新中村化学工業(株)製、商品名)として商業的に入手可能である。2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパンは、BPE−500(新中村化学工業(株)製、商品名)又はFA−321M(日立化成(株)製、商品名)として商業的に入手可能である。
本実施形態に係る感光性樹脂組成物において、前記ビスフェノールA型(メタ)アクリレート化合物の含有量は、(B)成分の固形分全量(全質量)を基準として、30〜100質量%、又は、60〜100質量%であってもよい。前記含有量がこれらの範囲であることで、レジストの解像度が更に向上する。
本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、(B)成分として、分子内に(ポリ)オキシエチレン鎖及び(ポリ)オキシプロピレン鎖の少なくとも一方を有するポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートの少なくとも1種を含有することが好ましく、分子内に(ポリ)オキシエチレン鎖及び(ポリ)オキシプロピレン鎖の双方を有するポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートを含有することがより好ましい。これらにより、感光性樹脂組成物の硬化物(硬化膜等)の可とう性が向上する。ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートは、1種類単独で又は2種類以上を任意に組み合わせて用いることができる。
前記ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートの分子内において、(ポリ)オキシエチレン鎖及び(ポリ)オキシプロピレン鎖は、それぞれ連続してブロック的に存在してもよく、ランダムに存在してもよい。また、(ポリ)オキシイソプロピレン鎖において、イソプロピレン基の2級炭素が酸素原子に結合していてもよく、1級炭素が酸素原子に結合していてもよい。
前記ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートとしては、FA−023M(日立化成(株)製、商品名)やFA−024M(日立化成(株)製、商品名)、NKエステルHEMA−9P(新中村化学工業(株)製、サンプル名)等が挙げられる。
前記ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートの含有量は、(B)成分の固形分全量(全質量)を基準として、5〜50質量%、又は、5〜15質量%であってもよい。前記含有量が5質量%以上であることで、可とう性が向上する。前記含有量が50質量%以下であることで、解像度が更に向上する。
本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、(B)成分として、前記ビスフェノールA型(メタ)アクリレート化合物、及び、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート以外のその他の光重合性化合物を更に含有することができる。
その他の光重合性化合物としては、ノニルフェノキシポリエチレンオキシアクリレート、フタル酸系化合物、(メタ)アクリル酸ポリオール、(メタ)アクリル酸アルキル等が挙げられる。
本実施形態に係る感光性樹脂組成物が(B)成分として前記その他の光重合性化合物を含有する場合、その含有量は、解像度、密着性、レジスト形状及び硬化後の剥離特性をバランスよく向上させる観点から、(B)成分の固形分全量(全質量)を基準として、1〜30質量%、3〜25質量%、又は、5〜20質量%であってもよい。
(B)成分の含有量は、感光性樹脂組成物の固形分全量(全質量)を基準として、3〜70質量%、10〜60質量%、又は、25〜50質量%であってもよい。(B)成分の含有量が3質量%以上であると、感度及び解像度が更に優れる傾向がある。(B)成分の含有量が70質量%以下であると、フィルムの成形性に優れる傾向がある。
((C)成分:光重合開始剤)
(C)成分は、(B)成分を重合させることができるものであれば特に制限はなく、通常用いられる光重合開始剤から適宜選択することができる。(C)成分は、1種類単独で又は2種類以上を任意に組み合わせて用いることができる。
(C)成分としては、例えば、ベンゾフェノン、4,4'−ジエチルアミノベンゾフェノン(別名:4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン)等のベンゾフェノン類;2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1,2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパノン−1等の芳香族ケトン;アルキルアントラキノン等のキノン類;ベンゾインアルキルエーテル等のベンゾインエーテル化合物;ベンゾイン、アルキルベンゾイン等のベンゾイン化合物;ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体;2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体(別名:2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール)、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体;アクリジン;9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9’−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体;N−フェニルグリシン;N−フェニルグリシン誘導体などが挙げられる。
2つの2,4,5−トリアリールイミダゾールのアリール基の置換基は、同一で対象な化合物を与えてもよいし、相違して非対称な化合物を与えてもよい。また、(C)成分としては、密着性及び感度に更に優れる観点から、ヘキサアリールビイミダゾール誘導体が好ましく、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体がより好ましい。これらは、1種類単独で又は2種類以上を任意に組み合わせて用いることができる。
(C)成分は、ヘキサアリールビイミダゾール誘導体及びアクリジン化合物(アクリジン、アクリジン誘導体等)からなる群より選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましい。この場合、感度及び解像度が更に優れる。
(C)成分の含有量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して、0.1〜10質量部であることが好ましく、1〜5質量部であることがより好ましく、2〜4.5質量部であることが更に好ましい。この含有量が前記範囲内であると、含有量が前記範囲外にある場合と比較して、更に優れた感度及び解像度を得ることができる。
(C)成分の含有量は、感光性樹脂組成物の固形分全量(全質量)を基準として、0.1〜20質量%、1〜10質量%、又は、1.5〜7質量%であってもよい。(C)成分の含有量が0.1質量%以上であると、感度が更に向上する。(C)成分の含有量が20質量%以下であると、解像度及び保存安定性が更に向上する。
本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、感度、解像度及び剥離特性に更に優れる観点から、感光性樹脂組成物の固形分全量(全質量)を基準として、(A1)成分の含有量が20〜90質量%であり、(B)成分の含有量が3〜70質量%であり、(C)成分の含有量が0.1〜20質量%である態様が好ましく、(A1)成分の含有量が30〜80質量%であり、(B)成分の含有量が10〜60質量%であり、(C)成分の含有量が1〜10質量%である態様がより好ましく、(A1)成分の含有量が40〜65質量%であり、(B)成分の含有量が25〜50質量%であり、(C)成分の含有量が1.5〜7質量%である態様が更に好ましい。
((D)成分:水素供与体)
本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、(D)成分として水素供与体を更に含有してもよい。これにより、感光性樹脂組成物の感度が更に良好となる。
(D)成分としては、例えば、ビス[4−(ジメチルアミノ)フェニル]メタン、ビス[4−(ジエチルアミノ)フェニル]メタン、及び、ロイコクリスタルバイオレットが挙げられる。(D)成分は、1種類単独で又は2種類以上を任意に組み合わせて用いることができる。
本実施形態に係る感光性樹脂組成物が(D)成分を含有する場合、(D)成分の含有量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して、0.01〜10質量部、0.05〜5質量部、又は、0.1〜2質量部であってもよい。(D)成分の含有量が0.01質量部以上であることで、感度が更に向上する。(D)成分の含有量が10質量部以下であることで、フィルム形成後、過剰な(D)成分が異物として析出することが抑制される。
(増感色素)
本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、増感色素を更に含有することが好ましい。これにより、感光性樹脂組成物の感度が更に良好となる。
増感色素としては、例えば、ジアルキルアミノベンゾフェノン類、ピラゾリン類、アントラセン類、クマリン類、キサントン類、オキサゾール類、ベンゾオキサゾール類、チアゾール類、ベンゾチアゾール類、トリアゾール類、スチルベン類、トリアジン類、チオフェン類、ナフタルイミド類、及び、トリアリールアミン類が挙げられる。増感色素は、1種類単独で又は2種類以上を任意に組み合わせて用いることができる。
本実施形態に係る感光性樹脂組成物が増感色素を含有する場合、増感色素の含有量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して、0.01〜10質量部、0.05〜5質量部、又は、0.1〜3質量部であってもよい。増感色素の含有量が0.01質量部以上であることで、感度及び解像度が更に向上する。増感色素の含有量が10質量部以下であることで、レジスト形状が逆台形になることが更に抑制され、密着性が更に向上する。
(その他の成分)
本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、前記成分に加えて、必要に応じて、その他の成分を含有することができる。その他の成分としては、例えば、分子内に少なくとも1つのカチオン重合可能な環状エーテル基を有する光重合性化合物(オキセタン化合物等)、カチオン重合開始剤、染料(マラカイトグリーン等)、重合禁止剤(tert−ブチルカテコール等)、トリブロモフェニルスルホン、光発色剤、熱発色防止剤、可塑剤(p−トルエンスルホンアミド等)、顔料、充填剤、消泡剤、難燃剤、安定剤、密着性付与剤(ベンゾトリアゾール誘導体等)、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、イメージング剤、及び、熱架橋剤を挙げることができる。これらは、1種類単独で又は2種類以上を任意に組み合わせて用いることができる。これらの成分のそれぞれの含有量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して、それぞれ0.01〜20質量部程度であってもよい。
本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、有機溶剤の少なくとも1種を含有することができる。有機溶剤としては、通常用いられる有機溶剤を特に制限なく用いることができる。有機溶剤としては、具体的には例えば、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル、及び、これらの混合溶剤が挙げられる。
例えば、少なくとも(A)成分と、(B)成分と、(C)成分とを前記有機溶剤に溶解して、固形分30〜60質量%程度の溶液(以下、「塗布液」という)として用いることができる。
前記塗布液は、例えば、以下のようにして感光性樹脂層を形成することに用いることができる。後述する支持体(支持フィルム、金属板等)の表面上に前記塗布液を塗布し、乾燥させることにより、前記感光性樹脂組成物に由来する感光性樹脂層を支持体上に形成することができる。
金属板としては、銅、銅系合金、ニッケル、クロム、鉄、鉄系合金(ステンレス等)などが挙げられ、好ましくは銅、銅系合金、鉄系合金等が挙げられる。
感光性樹脂層の厚みは、その用途により異なるが、乾燥後の厚みで1〜100μm程度であることが好ましい。
本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、例えば、後述するレジストパターンの形成方法に好適に用いることができる。中でも、めっき処理によって導体パターン(回路)を形成する方法への応用に適している。
本実施形態に係る感光性樹脂組成物の製造方法は、例えば、カルボキシル基を有するアゾ系重合開始剤の存在下において(メタ)アクリル酸を反応(重合)させて(A1)成分(バインダーポリマー)を得る工程と、(A1)成分と、(B)成分と、(C)成分と、を混合して感光性樹脂組成物を得る工程と、を備える。
<感光性エレメント>
本実施形態に係る感光性エレメントは、支持体と、当該支持体上に配置された感光性樹脂層とを備える。前記感光性樹脂層は、本実施形態に係る感光性樹脂組成物を含む。なお、前記感光性樹脂層は、本実施形態に係る感光性樹脂組成物を用いて形成され、前記感光性樹脂組成物は未硬化状態(塗膜)であってもよい。前記感光性エレメントは、必要に応じて、保護層等のその他の層を備えてもよい。例えば、感光性樹脂層の支持体に対向する面とは反対側の面(表面)を保護層(保護フィルム等)で被覆してもよい。なお、感光性エレメントは、感光性フィルムであってもよい。
図1に、感光性エレメントの一実施形態を示す。図1に示す感光性エレメント1では、支持体2、感光性樹脂層3及び保護層(保護フィルム等)4がこの順に積層されている。感光性エレメント1は、例えば、以下のようにして得ることができる。感光性樹脂組成物である塗布液を支持体2上に塗布して塗布層を形成した後、塗布層を乾燥することで感光性樹脂層3を形成する。次いで、感光性樹脂層3の支持体2とは反対側の面を保護層4で被覆することにより、支持体2と、当該支持体2上に形成された感光性樹脂層3と、当該感光性樹脂層3上に積層された保護層4とを備える感光性エレメント1が得られる。感光性エレメント1は、保護層4を必ずしも備えなくてもよい。
前記支持体としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等の、耐熱性及び耐溶剤性を有する重合体フィルムを用いることができる。
前記支持体(支持フィルム等)の厚みは、1〜100μm、5〜50μm、又は、5〜30μmであってもよい。支持体の厚みが1μm以上であることで、支持体を剥離する際に支持体が破れることを抑制できる。支持体の厚みが100μm以下であることで、解像度が低下することを容易に抑制することができる。
前記保護層(保護フィルム等)としては、感光性樹脂層に対する接着力が、支持体の感光性樹脂層に対する接着力よりも小さいものが好ましく、また、低フィッシュアイのフィルムが好ましい。ここで、「フィッシュアイ」とは、保護フィルムを構成する材料を熱溶融し、混練、押し出し、2軸延伸、キャスティング法等によりフィルムを製造する際に、材料の異物、未溶解物、酸化劣化物等がフィルム中に取り込まれたものを意味する。すなわち、「低フィッシュアイ」とは、フィルム中の前記異物等が少ないことを意味する。
具体的に、保護層としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等の、耐熱性及び耐溶剤性を有する重合体フィルムを用いることができる。市販の重合体フィルムとしては、王子製紙(株)製(例えばアルファンMA−410及びE−200C)、信越フィルム(株)製等のポリプロピレンフィルム、帝人(株)製PS−25(例えばPSシリーズ)等のポリエチレンテレフタレートフィルムなどが挙げられる。なお、保護層は、前記支持体と同一種類の部材であってもよく、異なる種類の部材であってもよい。
保護層の厚みは、1〜100μm、5〜50μm、5〜30μm、又は、15〜30μmであってもよい。保護層の厚みが1μm以上であることで、保護層を剥がしながら、感光性樹脂層及び支持体を基材(基板等)上にラミネートする際、保護層が破れることを抑制できる。保護層の厚みが100μm以下であることで、生産性が向上する。
本実施形態に係る感光性エレメントは、例えば、以下のようにして製造することができる。前記感光性エレメントは、少なくとも(A)成分と、(B)成分と、(C)成分とを有機溶剤に溶解して、固形分30〜60質量%程度の塗布液を調製する工程と、前記塗布液を支持体上に塗布して塗布層を形成する工程と、前記塗布層を乾燥して感光性樹脂層を形成する工程と、を備える製造方法で製造することができる。
前記塗布液の支持体上への塗布は、例えば、ロールコート、コンマコート、グラビアコート、エアーナイフコート、ダイコート、バーコート等の公知の方法により行うことができる。
前記塗布層の乾燥は、塗布層から有機溶剤の少なくとも一部を除去することができれば特に制限はない。例えば、70〜150℃にて、5〜30分間程度乾燥を行うことが好ましい。乾燥後の感光性樹脂層中の残存有機溶剤量は、後の工程での有機溶剤の拡散を防止する観点から、2質量%以下が好ましい。
本実施形態に係る感光性エレメントにおける感光性樹脂層の厚みは、用途により適宜選択することができるが、乾燥後の厚みで、1〜100μm、1〜50μm、又は、5〜40μmであってもよい。感光性樹脂層の厚みが1μm以上であることで、工業的な塗工が容易になり、生産性が向上する。感光性樹脂層の厚みが100μm以下であることで、密着性及び解像度が更に向上する。
本実施形態に係る感光性エレメントは、例えば、後述するレジストパターンの形成方法に好適に用いることができる。中でも、めっき処理によって導体パターン(回路)を形成する方法への応用に適している。
<レジストパターンの形成方法>
本実施形態に係るレジストパターンの形成方法は、(i)前記感光性樹脂組成物又は前記感光性エレメントを用いて感光性樹脂層を基材(基板等)上に形成する工程(感光性樹脂層形成工程)と、(ii)前記感光性樹脂層の少なくとも一部に活性光線を照射して、前記感光性樹脂層を光硬化させる工程(露光工程)と、(iii)前記感光性樹脂層の未硬化部分を前記基材上から除去して、レジストパターンを形成する工程(現像工程)と、を備え、必要に応じてその他の工程を備える。なお、レジストパターンは、レリーフパターンともいえる。本実施形態に係るレジストパターンの形成方法は、レジストパターン付き基材の製造方法ともいえる。
((i)感光性樹脂層形成工程)
感光性樹脂層形成工程においては、前記感光性樹脂組成物又は前記感光性エレメントを用いて感光性樹脂層を基材(基板等)上に形成する。前記基材としては、特に制限されないが、例えば、導体層を有する基材が挙げられる。導体層を有する基材としては、絶縁層と、絶縁層上に形成された導体層とを備えた回路形成用基板、又は、ダイパッド(リードフレーム用基材。合金基材等)を用いることができる。
基材(基板等)上に感光性樹脂層を形成する方法としては、例えば、前記感光性エレメントから保護層を除去した後、感光性エレメントの感光性樹脂層を加熱しながら前記基材に圧着する方法が挙げられる。これにより、基材と感光性樹脂層と支持体とからなり、これらが順に積層された積層体が得られる。また、前記感光性樹脂組成物を塗布及び乾燥することによって感光性樹脂層を形成してもよい。
((ii)露光工程)
露光工程においては、基材(基板等)上に形成された感光性樹脂層の少なくとも一部に活性光線を照射することで、活性光線が照射された部分が光硬化して潜像が形成される。
この際、感光性樹脂層上に存在する支持体が活性光線に対して透過性である場合には、支持体を通して活性光線を照射することができるが、支持体が遮光性である場合には、支持体を除去した後に感光性樹脂層に活性光線を照射する。
露光方法としては、LDI(Laser Direct Imaging)露光法、DLP(Digital Light Processing)露光法等の直接描画露光法により活性光線を画像状に照射する方法を採用してもよく、アートワークと呼ばれる、ネガ又はポジマスクパターンを介して活性光線を画像状に照射する方法(マスク露光法)を採用してもよく、これらを併用してもよい。
活性光線の光源としては、公知の光源を用いることができる。例えば、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、高圧水銀灯、キセノンランプ、ガスレーザー(アルゴンレーザ等)、固体レーザー(YAGレーザー等)、半導体レーザーなどの、紫外線又は可視光を有効に放射する光源が用いられる。
((iii)現像工程)
現像工程においては、前記感光性樹脂層の未硬化部分が基材(基板等)上から除去されることで、前記感光性樹脂層が光硬化した硬化物からなるレジストパターンが基材上に形成される。感光性樹脂層上に支持体が存在している場合には、支持体を除去してから、前記露光部分以外の未露光部分の除去(現像)を行う。
アルカリ性水溶液を用いて、公知の現像方法により現像することができる。現像方法としては、ディップ方式、パドル方式、スプレー方式、ブラッシング、スラッピング、スクラッピング、揺動浸漬等を用いた方法が挙げられる。
アルカリ性水溶液としては、0.1〜5質量%炭酸ナトリウムの希薄溶液、0.1〜5質量%炭酸カリウムの希薄溶液、0.1〜5質量%水酸化ナトリウムの希薄溶液、0.1〜5質量%四ホウ酸ナトリウムの希薄溶液等が好ましい。アルカリ性水溶液のpHは、9〜11が好ましい。アルカリ性水溶液の温度は、感光性樹脂層のアルカリ現像性に合わせて調節される。アルカリ性水溶液中には、表面活性剤、消泡剤、現像を促進させるための少量の有機溶剤等を混入させてもよい。
<プリント配線板の製造方法>
本実施形態に係るプリント配線板の製造方法は、前記レジストパターンの形成方法によってレジストパターンを基材(基板等)上に形成する工程と、前記基材(基板等)及び前記レジストパターンを有する部材(レジストパターンが形成された基材、レジストパターン付き基材)にめっき処理又はエッチング処理を施して導体パターンを形成する工程と、を備える。この製造方法によれば、高密度パッケージ基板のような高密度化したプリント配線板を、精度良く、しかも効率的に製造することができる。また、本実施形態に係るプリント配線板の製造方法は、必要に応じて、レジストパターンを除去する工程等のその他の工程を備えていてもよい。
本実施形態においては、例えば、基材(基板等)上に形成されたレジストパターンをマスクとして用いて、基材(例えば、基材に設けられた導体層)にめっき処理又はエッチング処理が行われる。
プリント配線板の製造方法におけるめっき処理の方法としては、電解めっき処理及び無電解めっき処理の一方又は両方であってもよく、無電解めっき処理が施されることが好ましい。無電解めっき処理としては、例えば、硫酸銅めっき、ピロリン酸銅めっき等の銅めっき;ハイスローはんだめっき等のはんだめっき;ワット浴(硫酸ニッケル−塩化ニッケル)めっき;スルファミン酸ニッケル等のニッケルめっき;金めっきなどが挙げられる。
レジストパターンを除去する工程では、例えば、前記現像工程に用いたアルカリ性水溶液よりも更に強アルカリ性の水溶液によりレジストパターンを剥離することができる。この強アルカリ性の水溶液としては、例えば、1〜10質量%水酸化ナトリウム水溶液、1〜10質量%水酸化カリウム水溶液等が用いられる。その方式としては、浸漬方式、スプレー方式等が挙げられ、これらは単独で用いてもよく、併用してもよい。
エッチング処理の方法としては、除去すべき導体層(金属層)に応じて適宜選択される。エッチング液としては、例えば、塩化第二銅溶液、塩化第二鉄溶液、アルカリエッチング溶液及び過酸化水素エッチング液が挙げられ、これらの中では、エッチファクタが良好な観点から、塩化第二鉄溶液を用いることが好ましい。
本実施形態に係るプリント配線板の製造方法によって製造されるプリント配線板は、多層プリント配線板であってもよく、また、小径スルーホールを有していてもよい。
以下、本発明の目的及び利点を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<バインダーポリマーの合成>
(バインダーポリマー(A−1)の合成)
重合性単量体(モノマー)であるメタクリル酸135g、メタクリル酸メチル115g及びスチレン250g(質量比27/23/50)と、メチルセロソルブ50gと、メタノール100gと、4,4’−アゾビス−4−シアノバレリック酸(大塚化学(株)製、商品名、10時間半減期温度:68℃。以下同様)6.8gとを混合して、溶液aを調製した。メタノール60gに4,4’−アゾビス−4−シアノバレリック酸4.3gを溶解して、溶液bを調製した。
撹拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロート及び窒素ガス導入管を備えたフラスコに、メチルセロソルブ210g及びトルエン140gの混合液(質量比3:2)350gを投入し、フラスコ内に窒素ガスを吹き込みながら撹拌し、80℃まで加熱昇温させた。
フラスコ内の前記混合液に、前記溶液aを4時間かけて滴下した後、撹拌しながら80℃にて2時間保温した。次いで、フラスコ内の溶液に、前記溶液bを10分間かけて滴下した後、フラスコ内の溶液を撹拌しながら80℃にて2時間保温した。さらに、フラスコ内の溶液を30分間かけて90℃まで昇温させ、90℃にて2時間保温した後、冷却してバインダーポリマー(A−1)の溶液を得た。
バインダーポリマー(A−1)の不揮発分(固形分)は44.0質量%であり、重量平均分子量は38000であった。なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)によって測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて換算することにより導出した。GPCの条件を以下に示す。
[GPC条件]
ポンプ:日立 L−6000型((株)日立製作所製)
カラム:以下の計3本
Gelpack GL−R420
Gelpack GL−R430
Gelpack GL−R440(以上、日立化成(株)製、商品名)
溶離液:テトラヒドロフラン
測定温度:40℃
流量:2.05mL/分
検出器:日立 L−3300型RI((株)日立製作所製)
(バインダーポリマー(A−2)の合成)
重合性単量体(モノマー)であるメタクリル酸135g、メタクリル酸メチル115g及びスチレン250g(質量比27/23/50)と、メチルセロソルブ50gと、メタノール100gと、4,4’−アゾビス−4−シアノバレリック酸6.8gとを混合して、溶液aを調製した。メタノール60gに4,4’−アゾビス−4−シアノバレリック酸1.7gを溶解して、溶液bを調製した。他の条件は、バインダーポリマー(A−1)の合成と同様にして、バインダーポリマー(A−2)の溶液を得た。
バインダーポリマー(A−2)の不揮発分(固形分)は42.3質量%であり、重量平均分子量は42000であった。
(バインダーポリマー(A−3)の合成)
バインダーポリマー(A−1)の合成において、重合性単量体(モノマー)として、メタクリル酸125g、メタクリル酸メチル190g及びスチレン185g(質量比25/38/37)を用いた以外は、バインダーポリマー(A−1)の溶液を得るのと同様にしてバインダーポリマー(A−3)の溶液を得た。
バインダーポリマー(A−3)の不揮発分(固形分)は43.4質量%であり、重量平均分子量は55000であり、酸価は153mgKOH/gであった。
(バインダーポリマー(A−4)の合成)
重合性単量体(モノマー)であるメタクリル酸135g、メタクリル酸メチル115g及びスチレン250g(質量比27/23/50)と、アゾビスイソブチロニトリル4.0gとを混合して、溶液aを調製した。メチルセロソルブ36g及びトルエン24gの混合液(質量比3:2)60gにアゾビスイソブチロニトリル2.5gを溶解して、溶液bを調製した。
撹拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロート及び窒素ガス導入管を備えたフラスコに、メチルセロソルブ300g及びトルエン200gの混合液(質量比3:2)500gを投入し、フラスコ内に窒素ガスを吹き込みながら撹拌し、80℃まで加熱昇温させた。
フラスコ内の前記混合液に、前記溶液aを4時間かけて滴下した後、撹拌しながら80℃にて2時間保温した。次いで、フラスコ内の溶液に、前記溶液bを10分間かけて滴下した後、フラスコ内の溶液を撹拌しながら80℃にて3時間保温した。さらに、フラスコ内の溶液を30分間かけて90℃まで昇温させ、90℃にて2時間保温した後、冷却してバインダーポリマー(A−4)の溶液を得た。
バインダーポリマー(A−4)の不揮発分(固形分)は45.4質量%であり、重量平均分子量は38000であった。
(バインダーポリマー(A−5)の合成)
バインダーポリマー(A−4)の合成において、重合性単量体(モノマー)として、メタクリル酸150g、メタクリル酸メチル100g及びスチレン250g(質量比30/20/50)を用いた以外は、バインダーポリマー(A−4)の溶液を得るのと同様にしてバインダーポリマー(A−5)の溶液を得た。
バインダーポリマー(A−5)の不揮発分(固形分)は44.2質量%であり、重量平均分子量は55000であった。
(バインダーポリマー(A−6)の合成)
重合性単量体(モノマー)として、メタクリル酸120g、メタクリル酸メチル220g、メタクリル酸ブチル85g及びアクリル酸ブチル75g(質量比24/44/17/15)と、アゾビスイソブチロニトリル0.2gとを混合して、溶液aを調製した。メチルセロソルブ36g及びトルエン24gの混合液(質量比3:2)60gにアゾビスイソブチロニトリル0.1gを溶解して、溶液bを調製した。
撹拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロート及び窒素ガス導入管を備えたフラスコに、メチルセロソルブ300g及びトルエン200gの混合液(質量比3:2)500gを投入し、フラスコ内に窒素ガスを吹き込みながら撹拌し、80℃まで加熱昇温させた。
フラスコ内の前記混合液に、前記溶液aを4時間かけて滴下した後、撹拌しながら80℃にて2時間保温した。次いで、フラスコ内の溶液に、前記溶液bを10分間かけて滴下した後、フラスコ内の溶液を撹拌しながら80℃にて3時間保温した。さらに、フラスコ内の溶液を30分間かけて90℃まで昇温させ、90℃にて2時間保温した後、冷却してバインダーポリマー(A−6)の溶液を得た。
バインダーポリマー(A−6)の不揮発分(固形分)は43.1質量%であり、重量平均分子量は120000であった。
(バインダーポリマー(A−7)の合成)
重合性単量体(モノマー)であるメタクリル酸120g、メタクリル酸メチル220g、メタクリル酸ブチル85g及びアクリル酸ブチル75g(質量比24/44/17/15)と、メチルセロソルブ50gと、メタノール100gと、4,4’−アゾビス−4−シアノバレリック酸1.7gとを混合して、溶液aを調製した。メタノール60gに4,4’−アゾビス−4−シアノバレリック酸0.8gを溶解して、溶液bを調製した。他の条件は、バインダーポリマー(A−6)の合成と同様にしてバインダーポリマー(A−7)の溶液を得た。
バインダーポリマー(A−7)の不揮発分(固形分)は43.0質量%であり、重量平均分子量は120000であった。
なお、バインダーポリマー(A−1)〜(A−3)は、分子鎖の少なくとも一つの末端にカルボキシル基を有している。一方、バインダーポリマー(A−4)〜(A−6)は、分子鎖の末端にカルボキシル基を有していない。
<感光性樹脂組成物の調製>
(A)バインダーポリマーとして前記バインダーポリマー(A−1)〜(A−7)を、(B)光重合性化合物として下記B−1を、(C)光重合開始剤として下記C−1〜C−2を、その他の成分として下記成分をそれぞれ用い、下記表1に示す配合量(配合部数。質量部)で混合することにより、実施例1〜3及び比較例1〜4の感光性樹脂組成物をそれぞれ調製した。なお、表1に示す(A)バインダーポリマーの配合量(配合部数)は、不揮発分の質量(固形分量)である。
(B)光重合性化合物
B−1:2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパン[FA−321M(日立化成(株)製、商品名)]
(C)光重合開始剤
C−1:2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール[B−CIM(Hampford社製、商品名)]
C−2:4,4'−ジエチルアミノベンゾフェノン[EAB(保土谷化学工業(株)製、商品名)]
(D)水素供与体
ロイコクリスタルバイオレット[LCV(山田化学工業(株)製、商品名)]
(その他:添加剤)
マラカイトグリーン[MKG(大阪有機化学工業(株)製、商品名)]
tert−ブチルカテコール[TBC(和光純薬工業(株)製、商品名)]
ベンゾトリアゾール誘導体[SF808H(サンワ化成(株)製、商品名)]
Figure 0006716883
<感光性エレメントの調製>
前記で得られた感光性樹脂組成物のそれぞれを厚み16μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人(株)製、商品名「HTF−01」)上に、厚みが均一になるように塗布し、70℃及び110℃の熱風対流式乾燥器で乾燥して、乾燥後の膜厚が25μmである感光性樹脂層を形成した。この感光性樹脂層上に保護フィルム(タマポリ(株)製、商品名「NF−15」)を貼り合わせ、ポリエチレンテレフタレートフィルム(支持フィルム)と、感光性樹脂層と、保護フィルムとが順に積層された感光性エレメントをそれぞれ得た。
<積層体の作製>
表面粗化処理液「メックエッチボンドCZ−8100」(メック(株)製、商品名)を用いて、銅箔(厚み:35μm)を両面に積層したガラスエポキシ材である銅張積層板(基板、日立化成(株)製、商品名「MLC−E−679」)を表面処理した。水洗、酸洗及び水洗を順に行った後、空気流で乾燥した。表面処理された銅張積層板を80℃に加温した。保護フィルムを剥離しながら、感光性樹脂層が銅表面に接するように、前記で得られた感光性エレメントをそれぞれラミネートした。これにより、銅張積層板、感光性樹脂層及び支持フィルムの順に積層された積層体をそれぞれ得た。得られた積層体は、以下に示す試験における試験片として用いた。なお、ラミネートは、120℃のヒートロールを用いて、0.4MPaの圧着圧力、1.0m/分のロール速度で行った。
<評価>
(光感度の測定)
前記で得られた試験片の支持フィルム上に、ネガマスクとして、濃度領域0.00〜2.00、濃度ステップ0.05、タブレットの大きさ20mm×187mm、各ステップの大きさが3mm×12mmである41段ステップタブレットを有するフォトツールを載置し、高圧水銀ランプを有する露光機((株)オーク製作所製、商品名「EXM−1201」)を用いて、所定のエネルギー量で感光性樹脂層を露光した。
次に、支持フィルムを剥離し、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液を用いて最短現像時間(未露光部分が除去される最短時間)の2倍の時間でスプレー現像することにより未露光部分を除去して現像処理を行った。
現像処理後、基板上に形成された光硬化膜のステップタブレットの段数を測定することにより、感光性樹脂組成物の光感度を評価した。現像後の残存ステップ段数が11.0段となるエネルギー量(mJ/cm)を求め、感光性樹脂組成物の光感度を評価した。感度の評価では、この数値が小さいほど感度が高いことを示す。結果を表2に示す。
(解像度及び密着性の測定)
解像度及び密着性を調べるため、密着性評価用ネガとして、ライン幅/スペース幅が2/2〜30/30(単位:μm)の配線パターンを有するガラスクロムタイプのフォトツールを、前記で得られた試験片の支持フィルム上に密着させ、高圧水銀ランプを有する露光機を用いて、41段ステップタブレットの残存段数が11段となるエネルギー量で前記積層体の感光性樹脂層に対して露光を行った。露光後、前記光感度の測定と同様の現像処理を行った。
現像処理後、スペース部分(未露光部分)がきれいに除去され、且つ、ライン部分(露光部分)が蛇行や欠けを生じることなく形成されたレジストパターンのうち、最も小さいライン幅/スペース幅の値により、解像度及び密着性を評価した。この数値が小さいほど解像度及び密着性が共に良好であることを意味する。レジストパターンは、光学顕微鏡デジタルマイクロスコープ(VHX−2000(キーエンス(株)製、商品名))を用いて観察した。結果を表2に示す。
(レジスト形状の評価)
前記解像度及び密着性の評価において、得られたレジスト形状(レジストパターンの断面形状)を、日立走査型電子顕微鏡S−500Aを用いて観察した。
レジスト形状が台形又は逆台形である場合や、レジストパターンの裾引き又はクラックがある場合には、その後のエッチング処理又はめっき処理により形成された導体パターン(回路)に短絡や断線が生じやすくなる傾向がある。したがって、レジスト形状は、矩形(長方形)で、且つ、レジストパターンの裾引き又はクラックがないことが望ましい。結果を表2に示す。なお、「クラック」とは、レジストパターンのライン部分(露光部分)にひびや亀裂が生じ、あるいは、それに伴いライン部分に欠けや断裂が生じたことを意味する。
(剥離特性(剥離時間)の評価)
前記試験片上に、剥離特性評価用パターンとして、60mm×45mmのパターンを有するフォトツールデータを使用して、日立41段ステップタブレットの現像後の残存ステップ段数が11.0段となるエネルギー量で露光を行った。前記光感度の測定と同様の条件で現像処理を行った後、3.0質量%水酸化ナトリウム水溶液に、50℃にて、撹拌子で撹拌しながら浸漬し、各試験片のレジスト表面を目視により観察した。撹拌開始から、レジストパターンが試験片から完全に剥離除去されるまでの時間(単位:秒)を剥離時間として評価した。剥離時間は短いほど剥離特性が良好であることを意味する。結果を表2に示す。
Figure 0006716883
表2から明らかなように、実施例では、感度、解像度、密着性、レジスト形状及び硬化後の剥離特性のいずれにも優れることが確認された。一方、比較例1及び2では、感度、解像度、密着性及びレジスト形状には優れていたが、剥離特性が劣っていた。比較例3及び4では、剥離特性が比較例1及び2に比べて優れていたが、解像度及び密着性が劣る結果であった。
本発明によれば、感度、解像度、密着性及びレジスト形状に優れることに加えて、剥離特性に優れる感光性樹脂組成物及びその硬化物を提供することができる。また、本発明によれば、前記感光性樹脂組成物を用いた感光性エレメント、レジストパターンの形成方法、及び、プリント配線板の製造方法を提供することができる。
1…感光性エレメント、2…支持体、3…感光性樹脂層、4…保護層。

Claims (15)

  1. (A)バインダーポリマーと、
    (B)エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物と、
    (C)光重合開始剤と、を含有し、
    前記(A)バインダーポリマーが、(A1)カルボキシル基を有するアゾ系重合開始剤の存在下における(メタ)アクリル酸の反応に由来する構造を有するバインダーポリマーを含み、
    前記(A1)バインダーポリマーの重量平均分子量が100000以下であり、
    前記(B)光重合性化合物がビスフェノールA型(メタ)アクリレート化合物を含む、感光性樹脂組成物。
  2. 前記アゾ系重合開始剤が分子内にカルボキシル基を2つ以上含み、
    前記アゾ系重合開始剤の10時間半減期温度が50〜80℃である、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  3. 前記アゾ系重合開始剤が、4,4’−アゾビス−4−シアノバレリック酸、及び、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]ハイドレイトからなる群より選ばれる少なくとも一種を含む、請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
  4. 前記(A1)バインダーポリマーが、スチレンに由来する構造単位、及び、スチレン誘導体に由来する構造単位からなる群より選ばれる少なくとも一種のスチレン系構造単位を有する、請求項1〜のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  5. 前記スチレン系構造単位の含有量が、前記(A1)バインダーポリマーの固形分全量を基準として5〜80質量%である、請求項に記載の感光性樹脂組成物。
  6. 前記(C)光重合開始剤が、ヘキサアリールビイミダゾール誘導体及びアクリジン化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  7. 前記(A1)バインダーポリマーの重量平均分子量が10000以上である、請求項1〜のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  8. 前記(A1)バインダーポリマーの含有量が、感光性樹脂組成物の固形分全量を基準として20〜90質量%である、請求項1〜のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  9. 前記ビスフェノールA型(メタ)アクリレート化合物の含有量が、前記(B)光重合性化合物の固形分全量を基準として30〜100質量%である、請求項1〜のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  10. 前記(C)光重合開始剤の含有量が、前記(A)バインダーポリマー及び前記(B)光重合性化合物の総量100質量部に対して0.1〜10質量部である、請求項1〜のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  11. 支持体と、当該支持体上に配置された感光性樹脂層と、を備え、
    前記感光性樹脂層が、請求項1〜10のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物を含む、感光性エレメント。
  12. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物の硬化物。
  13. レジストパターンである、請求項12に記載の硬化物。
  14. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物、又は、請求項11に記載の感光性エレメントを用いて感光性樹脂層を基材上に形成する工程と、
    前記感光性樹脂層の少なくとも一部に活性光線を照射して、前記感光性樹脂層を光硬化させる工程と、
    前記感光性樹脂層の未硬化部分を前記基材上から除去して、レジストパターンを形成する工程と、を備える、レジストパターンの形成方法。
  15. 請求項14に記載のレジストパターンの形成方法によってレジストパターンを基材上に形成する工程と、
    前記基材及び前記レジストパターンを有する部材にめっき処理又はエッチング処理を施して導体パターンを形成する工程と、を備える、プリント配線板の製造方法。
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