JP6064436B2 - インクジェットプリンター - Google Patents
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Description
しかしながら、従来の液体吸収体では、インクの浸透性に劣り、速やかに廃インクを吸収できないため、液体吸収体以外の部材に廃インクが付着する等の問題が発生していた。
また、液体吸収体においては、プリンター全体としての安全性の更なる向上の観点から、更なる難燃性の向上が求められている。
本発明のインクジェットプリンターは、インクを使用して紙に印刷を行うインクジェットプリンターであって、
セルロール繊維と、熱融着性物質と、難燃性物質とを含む液体吸収体を有し、
前記難燃性物質は、前記インクの電気伝導度をσ0[μS/cm]、前記インク:5gに、前記難燃性物質:1gを混合した際の電気伝導度をσ1[μS/cm]としたとき、σ1−σ0≦500の関係を満足することを特徴とする。
これにより、インクの浸透性(吸収性)に優れるとともに難燃性に優れた液体吸収体を備えたインクジェットプリンターを提供することができる。
従来においては、各種インクの中でも顔料粒子が分散した顔料インクに適用される液体吸収体において、インクを速やかに吸収することができないことによる問題が特に発生し易かったが、本発明によれば、液体吸収体が顔料インクの吸収に用いられるものであっても、上記のような問題を確実に解消することができる。すなわち、液体吸収体が顔料インクの吸収に用いられるものである場合に、本発明による効果は、より顕著に発揮される。
これにより、インクの浸透性(吸収性)および難燃性を特に優れたものとすることができる。
これにより、省資源、省エネルギーに寄与することができるとともに、環境保護の観点からも好ましい。
本発明のインクジェットプリンターでは、前記熱融着性物質として、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、および、ポリウレタンよりなる群から選択される1種または2種以上を含むことが好ましい。
これにより、インクの浸透性(吸収性)および難燃性を優れたものとしつつ、液体吸収体の形状の安定性、成形性を特に優れたものとすることができる。
これにより、液体吸収体の形状の安定性、成形性を優れたものとしつつ、インクの浸透性(吸収性)および難燃性を特に優れたものとすることができる。
本発明のインクジェットプリンターでは、前記液体吸収体中における前記セルロール繊維の含有率が30質量%以上90質量%以下であることが好ましい。
これにより、液体吸収体の形状の安定性、成形性を優れたものとしつつ、インクの浸透性(吸収性)および難燃性を特に優れたものとすることができる。
これにより、インクの浸透性(吸収性)および難燃性を優れたものとしつつ、液体吸収体の形状の安定性、成形性を特に優れたものとすることができる。
≪液体吸収体≫
まず、本発明の液体吸収体について説明する。
ところで、従来、プリンターに適用される液体吸収体としては、天然セルロース繊維および/または合成繊維と、熱融着性物質と、難燃性物質とからなるものが用いられてきた。
また、液体吸収体においては、プリンター全体としての安全性の更なる向上の観点から、更なる難燃性の向上が求められている。
そこで、インクの浸透性(吸収性)に優れるとともに難燃性に優れた液体吸収体を提供する目的で、本発明者は、鋭意研究を行った。その結果、本発明に至った。
セルロース繊維は、通常、液体吸収体の主成分をなすものであり、主に、液体吸収体全体としてのインクの吸収性(吸液性)に大きく寄与する成分である。
また、セルロース繊維は適度な硬さ等を有しているため、液体吸収体に向けて吐出されたインクの液はね等を効果的に防止することができる。
上記セルロース繊維は、例えば、乾燥されたパルプシートの状態で供給される。このパルプシートは、乾燥状態で機械的に粉砕、解繊され、必要に応じて他の合成繊維と混合して併用することもできる。このような合成繊維としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系繊維、ポリエステル等が挙げられる。
また、本発明の液体吸収体は、セルロール繊維として、古紙由来のものを含むものであってもよい。これにより、省資源、省エネルギーに寄与することができるとともに、環境保護の観点からも好ましい。
液体吸収体中におけるセルロール繊維の含有率は、30質量%以上90質量%以下であるのが好ましく、65質量%以上85質量%以下であるのがより好ましい。これにより、液体吸収体の形状の安定性、成形性を優れたものとしつつ、インクの浸透性(吸収性)および難燃性を特に優れたものとすることができる。
本発明の液体吸収体は、熱融着性物質を含むものである。
熱融着性物質は、液体吸収体を構成する成分を、融着により接着・固定する機能を有するものである。このような熱融着性物質を含むことにより、液体吸収体の形状の安定性を優れたものとすることができる。また、所望の形状、大きさへの加工が容易となる。また、液体吸収体からのセルロール繊維の飛散等を効果的に防止することができ、プリンター内の汚染等を効果的に防止することができる。
熱融着性物質として粉末状のものを用いる場合、その平均粒径は、50μm以上500μmであるのが好ましい。
液体吸収体中における熱融着性物質の含有率は、5質量%以上40質量%以下であるのが好ましく、12質量%以上20質量%以下であるのがより好ましい。これにより、インクの浸透性(吸収性)および難燃性を優れたものとしつつ、液体吸収体の形状の安定性、成形性を特に優れたものとすることができる。
本発明の液体吸収体は、難燃性物質を含むものである。
難燃性物質は、それ自体が燃焼しにくい性質を有するとともに、液体吸収体全体としての難燃性を向上させる機能を有するものである。
また、本発明において、液体吸収体を構成する難燃性物質は、以下の条件を満足するものである。すなわち、インクの電気伝導度をσ0[μS/cm]、前記インク:5gに、前記難燃性物質:1gを混合した際の電気伝導度をσ1[μS/cm]としたとき、σ1−σ0≦500の関係を満足するものである。このような条件を満足することにより、液体吸収体全体としてのインクの浸透性(吸収性)を優れたものとしつつ、難燃性も優れたものとすることができる。これに対し、σ1−σ0の値が所定値よりも大きいものであると、インクの浸透性を十分に優れたものとすることができない。
上記のように、本発明においては、σ1−σ0≦500の関係を満足するものであればよいが、σ1−σ0≦300の関係を満足するのが好ましく、σ1−σ0≦200の関係を満足するのがより好ましく、σ1−σ0≦180の関係を満足するのがさらに好ましい。これにより、上述したような効果をより顕著に発揮させることができる。
液体吸収体中における難燃性物質の含有率は、5質量%以上30質量%以下であるのが好ましく、8質量%以上15質量%以下であるのがより好ましい。これにより、液体吸収体の形状の安定性、成形性を優れたものとしつつ、インクの浸透性(吸収性)および難燃性を特に優れたものとすることができる。
また、本発明の液体吸収体は、上記以外の成分を含むものであってもよい。このような成分(その他の成分)としては、例えば、界面活性剤、消泡剤、保湿剤、防腐剤、pH調整剤、帯電防止剤等が挙げられる。
次に、本発明の液体吸収体の製造方法について説明する。
図1は、本発明の液体吸収体の製造に用いる装置の好適な実施形態を模式的に示す構成図である。なお、本明細書で参照する図面は、構成の一部を誇張して示したものであり、実際の寸法等を正確に反映したものではない。
図1に示す製造装置P100は、セルロース繊維源としての古紙を供給するセルロース繊維供給手段P1と、古紙を解繊する解繊手段P2と、熱融着性物質および難燃性物質を含む混合物を供給する熱融着性物質・難燃性物質供給手段P3と、セルロース繊維、熱融着性物質および難燃性物質を含む混合物を所定形状に成形する成形手段P4と、成形手段P4により製造された成形体を切断する切断手段P5とを備えている。
解繊手段P2は、セルロース繊維源としての古紙を、所定の大きさに解繊する機能を有している。
熱融着性物質・難燃性物質供給手段P3は、熱融着性物質および難燃性物質を含む混合物を定量して供給する定量フィーダーを備えている。これにより、セルロース繊維に対する熱融着性物質・難燃性物質の混合比率を好適に調整することができる。
混合部P41では、撹拌用ガスを導入し、これにより、各成分の混合を行っている。これにより、より均一な混合を効率よく行うことができる。
固定化部P43では、所定条件で加熱・加圧することにより、熱融着性物質の少なくとも一部を溶融(または軟化)させ各成分を固定する。これにより、形状の安定性に優れた成形体を得ることができる。
上記のように、固定化部P43での加圧処理時の処理温度は、100℃以上250℃以下であるのが好ましいが、190℃以上240℃以下であるのがより好ましく、200℃以上230℃以下であるのがさらに好ましい。これにより、上述したような効果をより顕著に発揮させることができる。
また、上記のように、固定化部P43での加圧処理の処理時間は、30秒以上120秒以下であるのが好ましいが、40秒以上110秒以下であるのがより好ましく、50秒以上100秒以下であるのがさらに好ましい。これにより、上述したような効果をより顕著に発揮させることができる。
次に、本発明のプリンターについて説明する。
本発明のプリンターは、上述したような本発明の液体吸収体を備えたものである。これにより、インクの浸透性(吸収性)に優れるとともに難燃性に優れた液体吸収体を備えたプリンターを提供することができる。
図2は、インクジェットプリンターの全体構成を示す外観斜視図であり、図3は、図2に示したインクジェットプリンターが備えるインクカートリッジの全体斜視図であり、図4は、図3に示したインクカートリッジの分解斜視図であり、図5は、図3に示したインクカートリッジの縦断面図であり、図6は、図3に示したインクカートリッジの要部拡大断面図であり、図7は、図5に示した開閉弁の開閉動作を説明する断面図であり、(a)は開閉弁が閉じられている状態を示す断面図、(b)は廃インクの導入による貯留空間内の圧力上昇により開閉弁が開いた状態を示す断面図、(c)は廃インクの導入が終了して再び開閉弁が閉じた状態を示す断面図である。
インクジェットプリンター1では、インクカートリッジカバー7を開く動作に連動して、カートリッジ装着部9の前方にインクカートリッジ10が所定距離だけ引き出される構成になっている。
3個のインクパック11、12、13は、カラー印刷用にそれぞれ異なるカラーインクを充填したものである。それぞれのインクパック11、12、13は、同様の構造のもので、インクを収容する可撓性の袋体21と、この袋体21の前端部に接合されたインク取り出し口23とを備えている。
カートリッジケース15は、図4および図5に示すように、上ケース31と、この上ケース31の下に連結される下ケース33と、上ケース31と下ケース33とで区画形成した空間を上下に仕切る中間容器壁35とを備えている。
上ケース31は、下方を開放した箱形であり、前面容器壁31aは、両側面および後面の容器壁よりも丈が短く設定されている。そして、この前面容器壁31aの下端には、インクパック11、12、13のインク取り出し口23の上半分を位置決めする半円筒状のインクパック位置決め部31bが形成されている。半円筒状のインクパック位置決め部31bは、収容する3個のインクパック11、12、13に合わせて、合計3箇所、形成されている。
下ケース33は、上部を開放した薄皿状の箱形である。前面容器壁33bは、両側面および後面の容器壁よりも丈が高く設定されており、この前面容器壁33bの上端に、インクパック11、12、13のインク取り出し口23の下半分を位置決めする半円筒状のインクパック位置決め部33cが形成されている。
開口33eは、3個の半円筒状のインクパック位置決め部33cのそれぞれに中心を一致させて、3個形成されている。
廃インク導入部37は、図4および図5に示すように、先端に向かって内径が広がるテーパ管状のゴム製口部材37aと、このゴム製口部材37aの先端に貼着されるシールフィルム37bと、ゴム製口部材37aの後端に当接されることでゴム製口部材37aの開口を塞ぐ弁体37cと、弁体37cをゴム製口部材37aに当接する方向に付勢する圧縮コイルばね37dとを備えている。
インクカートリッジ10をインクジェットプリンター1のカートリッジ装着部9に装着すると、カートリッジ装着部9に装備された廃インク導入針47がゴム製口部材37aに気密に嵌合すると同時に弁体37cを押込み、廃インク導入針47を介して貯留空間51内に廃インクの導入が可能になる。
図3および図4に示すように、下ケース33の側面容器壁33fには、収容した各インクパック11、12、13の種類や、インクの残量、その他の諸データを記録可能なICモジュール53が装備される。
ポリエチレンフィルム等のプラスチックフィルム(可撓性シート部材)によって形成された容器壁である中間容器壁35は、その周縁部を下ケース33の側面容器壁33fおよび前後容器壁33g、33hの上端面に重ね合わせ、重ね合わせた部分を熱融着等の方法によって接合することで、わずかに緊張した状態に下ケース33に固定されている。
そこで、インクパック11、12、13が中間容器壁35を下方に押圧付勢する力は、後述する廃インク貯留構造17の開閉弁65を閉じた状態に維持する付勢力として機能することもできる。この場合、テンションをかけずに中間容器壁35を下ケース33に固定することもできる。
図5に示すように、導入口44の後端(図5で左端)は、貯留空間51に連通しており、廃インク導入部37に挿入された廃インク導入針47から導入される廃インクは、導入口44の後端から貯留空間51内に流入する。
通気孔61に設けられる開閉弁65は、廃インク導入部37からの廃インクの導入を妨げないように、廃インクの導入時にのみ通気孔61を開いて貯留空間51内の空気を外部に逃がす。
また、本実施形態の場合、開閉弁65は、図7に示すように、通気孔61を備えた中間容器壁35と、先端部が通気孔61の周縁に当接して当該通気孔61を塞ぐように貯留空間51内に設けられた弁用構造部材67とを有する。
この開閉弁65は、図7(b)に示すように、廃インクの導入に伴って貯留空間51内の圧力が上昇すると、中間容器壁35が変形して上方へ膨張動作する。すると、通気孔61の周縁が弁用構造部材67の段差面67bから離間するので、開閉弁65は通気孔61を介して貯留空間51を大気開放する。
以上に説明した本実施形態の廃インク貯留構造17によれば、貯留空間51を大気開放する通気孔61が、廃インク導入部37からの廃インクの導入時以外は開閉弁65によって閉じた状態に保たれる。
そこで、通気孔61がインクカートリッジ10の外部に直接露呈せず、インクパック11、12、13を収容するインクパック収容空間55を介して大気開放されるので、通気孔61に設けた開閉弁65に使用者が不用意に触れてしまい、弁機能に支障をきたすおそれがない。
そこで、組立時における弁用構造部材67の先端部と中間容器壁35の通気孔61との位置合わせが容易となり、組立性が向上する。
なお、廃インク貯留構造を備えたインクカートリッジの具体的構造は、上記実施形態のインクカートリッジ10に限定されない。インクパックの支持構造や、収容するインクパックの数量等が異なる各種のインクカートリッジにも上記のような廃インク貯留構造は適用可能である。
図8は、インクジェットプリンターの全体構成を示す概略分解斜視図であり、図9は、図8に示したインクジェットプリンターが備える廃インクタンクの分解斜視図であり、図10は、図9に示した開閉弁の拡大断面図であり、図11は、開閉弁の他の構成例を示す縦断面図である
すなわち、本実施形態の廃インクタンク120は、プリンターのインク充填動作やヘッドクリーニング動作の際に生じる廃インクを貯留する貯留空間151を区画形成する容器壁である蓋体124に、貯留空間151内に廃インクを導入するための廃インク導入部であるインク受口部127と、貯留空間151を大気開放する通気孔173とが設けられた廃インク貯留構造を備えている。
開閉弁171の開閉部174cは、廃インクの非導入時には図7(a)に示したように閉じているが、廃インクの導入時には、図7(b)に示したようにインク受口部127からの廃インクの導入圧によって開く方向に弾性変形し、切れ込み174dが開いて貯留空間151内の空気が外部に逃がされる。
また、通気孔173を設ける蓋体124の材質が限定されないため、廃インク貯留構造を備えた廃インクタンク120の設計自由度が向上する。
図11に示した開閉弁175は、例えば図示しない容器壁の通気孔内に螺着固定される略円筒状の弁座177と、この弁座177に着座する弁体178とを備えている。
そして、図中に2点鎖線で示すように、廃インクの導入時には貯留空間側の圧力上昇に伴って弁本体178aの外周部が弁座177から離間する方向に弾性変形し、図中に矢印で示すように、その時に形成される隙間から貯留空間側の空気を外部に逃がすことができる。
以上、本発明について、好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
また、本発明のプリンターを構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
以下のようにして、液体吸収体を製造した。
(実施例1)
まず、図1に示すような製造装置を用意した。
<解繊工程>
まず、セルロース繊維供給手段から供給された古紙(セルロース繊維源)を解繊手段としての解繊装置(内作装置)により解繊した。
次に、解繊手段で解繊された古紙(セルロース繊維)搬送経路中に、熱融着性物質・難燃性物質供給手段から、熱融着性物質と難燃性物質との混合物を供給し、セルロース繊維と熱融着性物質と難燃性物質との混合物を得た。
<成形工程>
次に、上記混合物を、成形手段の混合部に導入し、撹拌用ガスにより、これらをさらに混合した。
次に、シート状の成形物を固定化部に導入し、処理温度:220℃、圧力:4500Pa、処理時間:90秒という条件で、加圧処理(プレス処理)を施した。
その後、切断手段としての超音波カッターにより切断し、直方体状の液体吸収体を得た。
このようにして得られた液体吸収体は、セルロース繊維の含有率が70質量%、難燃性物質の含有率が15質量%、熱融着性物質の含有率が15質量%であった。また、液体吸収体に含まれる難燃性物質は、水酸化アルミニウムで構成され、平均粒径が50μmのものであった。
古紙(セルロース繊維)、熱融着性物質、難燃性物質の配合比、熱融着性物質、難燃性物質の構成を表1に示すようにした以外は、前記実施例1と同様にして液体吸収体を製造した。
(比較例1〜5)
難燃性物質の構成を表1に示すようにした以外は、前記実施例と同様にして液体吸収体を製造した。
なお、表中、σ1−σ0の欄には、上述した組成の混合インクの電気伝導度をσ0[μS/cm]、前記混合インク:5gに、該当する実施例・比較例の液体吸収体に含まれる難燃性物質:1gを混合した際の電気伝導度をσ1[μS/cm]としたときのσ1−σ0の値を示した。
以上のようにして得られた液体吸収体に関して、以下のような評価を行った。
[2.1]インクの浸透性(吸収性)
前記各実施例および比較例で製造した液体吸収体を、200mmの辺が鉛直方向となるようにして、その下端部を顔料インクが充填された容器内に入れ、静置した。このとき、容器内の顔料インクの液面は、液体吸収体の下端から15mmの位置となるようにした。
2時間静置した際に、液体吸収体の下端から顔料インクが浸透した高さ(浸透高さ)を測定し、以下の基準に従い評価した。浸透高さが大きいほど、インクの浸透性(吸収性)に優れているといえる。なお、顔料インクとしては、上述した組成の混合インクを用いた。
B:浸透高さが100mm以上120mm未満。
C:浸透高さが80mm以上100mm未満。
D:浸透高さが60mm以上80mm未満。
E:浸透高さが60mm未満。
前記各実施例および比較例で製造した液体吸収体について、JIS K6400−6に準拠した方法により燃焼速度を求めた。すなわち、前記各実施例および比較例で製造した液体吸収体について、200mmの辺が水平方向となるように、その一端を把持し、その他端を、38mm炎で60秒間接炎し、標線間100mmの燃焼速度を求め、以下の基準に従い評価した。燃焼速度が小さいほど、難燃性に優れているといえる。
B:燃焼速度が5mm/分以上10mm/分未満である。
C:燃焼速度が10mm/分以上20mm/分未満である。
D:燃焼速度が20mm/分以上40mm/分未満である。
E:燃焼速度が40mm/分以上である。
これらの結果を表2に示す。
なお、難燃剤と上述したような混合インクとの混合液について、混合インク:5質量部に対する難燃剤の添加量と、電気伝導度との関係を図12に示した。この実験では、難燃剤としては、リン酸アンモニウム、ホウ砂(Na2B4O7・10H2O)を用いた。
Claims (8)
- インクを使用して紙に印刷を行うインクジェットプリンターにおいて、
セルロール繊維と、熱融着性物質と、難燃性物質とを含む液体吸収体を有し、
前記難燃性物質は、前記インクの電気伝導度をσ0[μS/cm]、前記インク:5gに、前記難燃性物質:1gを混合した際の電気伝導度をσ1[μS/cm]としたとき、σ1−σ0≦500の関係を満足することを特徴とするインクジェットプリンター。 - 前記液体吸収体は、顔料粒子が分散した顔料インクの吸収に用いられるものである請求項1に記載のインクジェットプリンター。
- 前記難燃性物質として、ホスファゼン系誘導体を含む請求項1または2に記載のインクジェットプリンター。
- 前記セルロール繊維として、古紙由来のものを含む請求項1ないし3のいずれか1項に記載のインクジェットプリンター。
- 前記熱融着性物質として、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、および、ポリウレタンよりなる群から選択される1種または2種以上を含む請求項1ないし4のいずれか1項に記載のインクジェットプリンター。
- 前記液体吸収体中における前記難燃性物質の含有率が5質量%以上30質量%以下である請求項1ないし5のいずれか1項に記載のインクジェットプリンター。
- 前記液体吸収体中における前記セルロール繊維の含有率が30質量%以上90質量%以下である請求項1ないし6のいずれか1項に記載のインクジェットプリンター。
- 前記液体吸収体中における前記熱融着性物質の含有率が5質量%以上40質量%以下である請求項1ないし7のいずれか1項に記載のインクジェットプリンター。
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