JP6064290B2 - 撮像装置、分光システム、および分光方法 - Google Patents

撮像装置、分光システム、および分光方法 Download PDF

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Description

本開示は、分光画像を取得するための撮像装置、分光システムおよびそれらを用いた分光方法に関する。
各々が狭帯域である多数のバンド(例えば数十バンド以上)のスペクトル情報を活用することで、従来のRGB画像では不可能であった観測物の詳細な物性を把握することができる。この多波長の情報を取得するカメラは、「ハイパースペクトルカメラ」と呼ばれる。ハイパースペクトルカメラは、食品検査、生体検査、医薬品開発、鉱物の成分分析等のあらゆる分野で利用されている。
観測対象の波長を狭帯域に限定して取得された画像の活用例として、特許文献1は、被験体の腫瘍部位と非腫瘍部位との判別を行う装置を開示している。この装置は、励起光の照射により、癌細胞内に蓄積されるプロトポルフィリンIXが635nmの蛍光を発し、フォト−プロトポルフィリンが675nmの蛍光を発することを検出する。これにより、腫瘍部位と非腫瘍部位との識別を行う。
特許文献2は、時間経過に伴って低下する生鮮食品の鮮度を、連続的な多波長の光の反射率特性の情報を取得することで判定する方法を開示している。
多波長の画像または反射率を測定できるハイパースペクトルカメラは、以下の4つの方式に大別できる。
(a)ラインセンサ方式
(b)電子フィルタ方式
(c)フーリエ変換方式
(d)干渉フィルタ方式
(a)ラインセンサ方式では、ライン状のスリットを有する部材を用いて対象物の1次元情報が取得される。スリットを通過した光は、回折格子やプリズムなどの分光素子によって波長に応じて分離される。分離された波長ごとの光は、2次元に配列された複数の画素を有する撮像素子(イメージセンサ)によって検出される。この方式では、一度に測定対象物の1次元情報しか得られないため、カメラ全体あるいは測定対象物をスリット方向に垂直に走査することによって2次元のスペクトル情報を得る。ラインセンサ方式では、高解像度の多波長画像が得られるという利点がある。特許文献3は、ラインセンサ方式のハイパースペクトルカメラの例を開示している。
(b)電子フィルタ方式には、液晶チューナブルフィルタ(Liquid Crystal Tunable Filter:LCTF)を用いる方法と、音響光学素子(Acousto−Optic Tunable Filter:AOTF)を用いる方法とがある。液晶チューナブルフィルタは、リニアポラライザ、複屈折フィルタ、および液晶セルを多段に並べた素子である。電圧制御だけで不要な波長の光を排除し任意の特定波長の光のみを抽出できる。音響光学素子は、圧電素子が接着された音響光学結晶によって構成される。音響光学結晶に電気信号を印加すると、超音波が発生し、結晶内に疎密の定常波が形成される。それによる回折効果によって任意の特定波長の光のみを抽出することができる。この方式は、波長が限定されるが高解像度の動画のデータを取得できるという利点がある。
(c)フーリエ変換方式は、2光束干渉計の原理を用いる。測定対象からの光束はビームスプリッターで分岐され、それぞれの光束が固定ミラーおよび移動ミラーで反射され、再度結合した後、検出器で観測される。移動ミラーの位置を時間的に変動させることにより、光の波長に依存した干渉の強度変化を示すデータを取得することができる。得られたデータをフーリエ変換することにより、スペクトル情報が得られる。フーリエ変換方式の利点は、多波長の情報を同時に取得できることである。
(d)干渉フィルタ方式は、ファブリペロー干渉計の原理を用いた方式である。所定の間隔だけ離れた反射率の高い2つの面を有する光学素子をセンサ上に配置した構成が用いられる。光学素子の2面間の間隔は領域ごとに異なり、所望の波長の光の干渉条件に一致するように決定される。干渉フィルタ方式は、多波長の情報を同時にかつ動画で取得できるという利点がある。
これらの方式以外にも、例えば特許文献4の明細書に開示されているように、圧縮センシングを利用した方法もある。特許文献4に開示された装置は、測定対象からの光をプリズム等の第1の分光素子で分光した後、符号化マスクでマーキングし、さらに第2の分光素子によって光線の経路を戻す。これにより、符号化され、かつ波長軸に関して多重化された画像がセンサによって取得される。多重化された画像から圧縮センシングの適用により、多波長の複数枚の画像を再構成することができる。
圧縮センシングとは、少ないサンプル数の取得データから、それよりも多くのデータを復元する技術である。測定対象の2次元座標を(x、y)、波長をλとすると、求めたいデータfは、x、y、λの3次元のデータである。これに対し、センサによって得られる画像データgは、λ軸方向に圧縮および多重化された2次元のデータである。相対的にデータ量が少ない取得画像gから、相対的にデータ量が多いデータfを求める問題は、いわゆる不良設定問題であり、このままでは解くことができない。しかし、一般に、自然画像のデータは冗長性を有しており、それを巧みに利用することでこの不良設定問題を良設定問題に変換することができる。画像の冗長性を活用してデータ量を削減する技術の例に、jpeg圧縮がある。jpeg圧縮は、画像情報を周波数成分に変換し、データの本質的でない部分、例えば、視覚の認識性が低い成分を除去するといった方法が用いられる。圧縮センシングでは、このような技法を演算処理に組入れ、求めたいデータ空間を冗長性で表された空間に変換することで未知数を削減し解を得る。この変換には、例えば、離散的コサイン変換(DCT)、ウェーブレット変換、フーリエ変換、トータルバリエーション(TV)等が使用される。
国際公開第13/002350号 特開2007−108124号公報 特開2011−89895号公報 米国特許第7283231号明細書
既存のハイパースペクトルカメラでは、高解像度、多波長、動画撮影(ワンショット撮影)の3つの要求を同時に満足することができない。
本開示は、高解像度、多波長、動画撮影(ワンショット撮影)の3つの要求を同時に満足し得る新たな撮像技術を提供する。
本開示の一態様に係る撮像装置は、対象物から入射する光の光路上に配置され、第1の光透過率を有する複数の領域と、前記第1の光透過率よりも低い第2の光透過率を有する複数の領域とを有する符号化素子と、前記符号化素子を通過した光の少なくとも一部の光路上に配置され、前記少なくとも一部の光を、波長に応じて空間的にシフトさせる分光素子と、前記分光素子を通過した光と、前記分光素子を通過していない光とを受けるように配置された少なくとも1つの撮像素子であって、前記分光素子によって空間的にシフトした波長ごとの光の成分が重畳した第1の画像と、前記分光素子を通過していない光による第2の画像とを取得する少なくとも1つの撮像素子とを備える。
本開示によれば、高解像度、多波長、動画撮影(ワンショット撮影)の3つの要求を同時に満たす撮像装置および分光システムを提供することができる。
本開示の実施の形態1における撮像装置を示す模式図である。 本開示の実施の形態1における符号化素子Cを被写体側から見たときの正面図であり、透過・反射の2値の分布を持つ符号化パターンを示している。 本開示の実施の形態1における符号化素子Cの変形例を示す図であり、グレースケールの透過率分布を持つ符号化パターンを示している。 本開示の実施の形態1における分光方法の概要を示すフローチャートである。 本開示の実施の形態2における撮像装置を示す模式図である。 本開示の実施の形態3における撮像装置を示す模式図である。 本開示の実施の形態3におけるアレイ状光学素子Aと撮像素子Sとの関係を示す図である。 本開示の実施の形態3におけるアレイ状光学素子Aと撮像素子S上の画素との位置関係を示す図である。 本開示の実施の形態4における分光素子P1、P2を示す模式図である。 本開示の実施の形態4におけるアレイ状光学素子Aと撮像素子Sとの関係を示す図である。 本開示の実施の形態4におけるアレイ状光学素子Aと撮像素子S上の画素との位置関係を示す図である。 本開示の実施例1による画像生成結果を示す図である。 本開示の比較例1による画像生成結果を示す図である。 本開示の実施例1および比較例1のそれぞれにおいて生成した分光画像と正解画像との間のMSE(平均二乗誤差)を示す図である。
本開示の実施の形態を説明する前に、本発明者らによって見出された知見を説明する。
本発明者らの検討によれば、上述した従来のハイパースペクトルカメラには、以下のような課題がある。(a)ラインセンサ方式は、2次元画像を得るためにカメラを走査する必要があり、測定対象の動画撮影には不向きである。(c)フーリエ変換方式も、反射鏡を移動させる必要があるため、動画撮影には不向きである。(b)電子フィルタ方式は、1波長ずつ画像を取得するため、多波長の画像を同時に取得できない。(d)干渉フィルタ方式は、画像を取得できる波長の帯域数と空間分解能とがトレードオフとなるため、多波長画像を取得する場合、空間分解能が犠牲になる。このように、既存のハイパースペクトルカメラには、高解像度、多波長、動画撮影(ワンショット撮影)の3つを同時に満足するものは存在しない。
圧縮センシングを利用した構成は、一見すると高解像度、多波長、動画撮影を同時に満たすことができるようにも思われる。しかし、もともと少ないデータから推測に基づいて画像を再構成するため、取得される画像の空間解像度は本来の画像に比べて低下しやすい。特に取得データの圧縮率が高いほどその影響が顕著に現れる。
本発明者らは、上記の課題を見出し、この課題を解決するための構成を検討した。本発明者らは、分光素子によって分離した異なる波長の光の像が重畳した画像だけでなく、分光されずに取得される画像を用いて演算を行うことにより、解像度の低下を抑制できることを見出し、本開示の技術を完成させた。本開示の実施の形態によれば、従来の圧縮センシングを用いた方法よりも高い解像度の多波長画像を取得することができる。これにより、高解像度、多波長、動画撮影(ワンショット撮影)の3つの要求を同時に満たすことができる。また、本開示の実施の形態では、x方向、y方向、波長方向の3次元情報のうち波長方向の情報が圧縮される。したがって、2次元データを保有するだけで済み、データ量を抑えることができるため、本開示の実施の形態は長時間のデータ取得に有効である。
本開示は、以下の項目に記載の撮像装置、システム、および方法を含む。
[項目1]
対象物から入射する光の光路上に配置され、第1の光透過率を有する複数の領域と、前記第1の光透過率よりも低い第2の光透過率を有する複数の領域とを有する符号化素子と、
前記符号化素子を通過した光の少なくとも一部の光路上に配置され、前記少なくとも一部の光を、波長に応じて空間的にシフトさせる分光素子と、
前記分光素子を通過した光と、前記分光素子を通過していない光とを受けるように配置された少なくとも1つの撮像素子であって、前記分光素子によって空間的にシフトした波長ごとの光の成分が重畳した第1の画像と、前記分光素子を通過していない光による第2の画像とを取得する少なくとも1つの撮像素子と、
を備える撮像装置。
[項目2]
前記対象物から入射する光の光路上に配置され、前記光の一部を透過させ、前記光の他の一部を反射させる光線分離素子をさらに備え、
前記分光素子は、前記光線分離素子によって分離された光の一方の光路上に配置され、
前記少なくとも1つの撮像素子は、前記分光素子を通過した光を受けるように配置された第1の撮像素子と、前記光線分離素子によって分離された光の他方の光路上に配置された第2の撮像素子とを含み、前記第1の撮像素子は、前記第1の画像を取得し、前記第2の撮像素子は、前記第2の画像を取得する、
項目1に記載の撮像装置。
[項目3]
前記符号化素子は、前記光線分離素子と前記分光素子との間に配置されている、項目2に記載の撮像装置。
[項目4]
前記対象物と前記光線分離素子との間に配置され、前記対象物からの光を、前記符号化素子の面上に集束させる第1の光学系と、
前記符号化素子と前記分光素子との間に配置され、前記符号化素子を通過した光を前記第1の撮像素子の撮像面上に集束させる第2の光学系と、
をさらに備える項目3に記載の撮像装置。
[項目5]
前記符号化素子は、前記対象物と前記光線分離素子との間に配置され、
前記符号化素子と前記光線分離素子との間に配置され、前記符号化素子を通過した光を前記第1の撮像素子の撮像面上および前記第2の撮像素子の撮像面上に集束させる光学系をさらに備える項目2に記載の撮像装置。
[項目6]
前記撮像素子は、前記第1の画像を取得するための複数の第1光検出セル、および前記第2の画像を取得するための複数の第2光検出セルを有し、
前記分光素子は、前記符号化素子を通過した光の一部の光路上に配置され、
前記撮像素子の撮像面に対向して配置されたアレイ状光学素子であって、前記分光素子を通過した光を前記複数の第1光検出セルに入射させ、前記分光素子を通過していない光を前記複数の第2光検出セルに入射させるアレイ状光学素子をさらに備える、
項目1に記載の撮像装置。
[項目7]
前記第1の画像と、前記第2の画像と、前記符号化素子における光透過率の空間分布とに基づいて、前記分光素子を通過した光の波長帯域ごとの複数の画像を生成する信号処理回路をさらに備える、項目1から6のいずれかに記載の撮像装置。
[項目8]
前記信号処理回路は、統計的方法によって前記波長帯域ごとの複数の画像を生成する、項目7に記載の撮像装置。
[項目9]
前記光の波長帯域ごとの複数の画像におけるデータ数は、前記第1の画像におけるデータ数と前記第2の画像におけるデータ数との合計よりも多い、項目7または8に記載の撮像装置。
[項目10]
前記信号処理回路は、前記第1の画像における複数の画素の信号値、および前記第2の画像における複数の画素の信号値を要素とするベクトルgと、前記符号化素子における光透過率の空間分布および前記分光素子の分光特性によって決定される行列Hとを用いて、
(τΦ(f)は正則化項、τは重み係数)
の式によって計算されるベクトルf’を、前記波長帯域ごとの複数の画像として生成する、
項目7から9のいずれかに記載の撮像装置。
[項目11]
対象物から入射する光の光路上に配置され、第1の光透過率を有する複数の領域と、前記第1の光透過率よりも低い第2の光透過率を有する複数の領域とを有する符号化素子と、前記符号化素子を通過した光の少なくとも一部の光路上に配置され、前記少なくとも一部の光を、波長に応じて空間的にシフトさせる分光素子と、前記分光素子を通過した光と、前記分光素子を通過していない光とを受けるように配置された少なくとも1つの撮像素子であって、前記分光素子によって空間的にシフトした波長ごとの光の成分が重畳した第1の画像と、前記分光素子を通過していない光による第2の画像とを取得する少なくとも1つの撮像素子と、を備える撮像装置と、
前記第1の画像と、前記第2の画像と、前記符号化素子における光透過率の空間分布とに基づいて、前記分光素子を通過した光の波長帯域ごとの複数の画像を生成する信号処理装置と、
を備える分光システム。
[項目12]
対象物から入射する光の強度を空間的に符号化するステップと、
前記符号化した光の少なくとも一部を、波長に応じて空間的にシフトさせるステップと、
前記空間的にシフトした波長ごとの光の成分が重畳した第1の画像と、波長に応じて空間的にシフトしていない光による第2の画像とを取得するステップと、
前記第1の画像と、前記第2の画像と、前記符号化のパターンとに基づいて、波長帯域ごとの複数の画像を生成するステップと、
を含む分光方法。
以下、図面を参照しながら、本開示のより具体的な実施の形態を説明する。
以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、以下の説明では、画像を示す信号(各画素の画素値を表す信号の集合)を、単に「画像」と称することがある。以下の説明において、図中に示されたxyz座標を用いる。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1の撮像装置D1を示す模式図である。本実施の形態の撮像装置D1は、結像光学系L1、L2と、光線分離素子Bと、符号化素子Cと、分光素子Pと、撮像素子S1、S2とを備える。図1には、撮像素子S1、S2から出力された画像信号を処理する信号処理回路Prも描かれている。信号処理回路Prは、撮像装置D1に組み込まれていてもよいし、撮像装置D1に有線または無線で電気的に接続された信号処理装置の構成要素であってもよい。信号処理回路Prは、撮像素子S1によって取得された第1の画像G1と、撮像素子S2によって取得された第2の画像G2とに基づいて、測定対象物Oからの光の波長帯域ごとに分離された複数の画像(以下、「分光画像」と称することがある。)Fを推定する。
結像光学系L1、L2の各々は、少なくとも1つの撮像レンズを含む。図1では、それぞれ1つのレンズとして描かれているが、これらは複数のレンズの組み合わせによって構成されていてもよい。図1では、結像光学系L1、L2の光軸方向をz軸として示している。
光線分離素子Bは、結像光学系L1と結像光学系L2との間に配置されている。光線分離素子Bは、入射する光束を波長によらずに2つの方向に分岐する。より具体的には、対象物から入射した光束の一部を撮像素子S1の方向へ透過させ、他の一部を撮像素子S2の方向へ反射させる。光線分離素子Bは、例えば、ビームスプリッターまたはハーフミラーによって構成され得る。
符号化素子Cは、結像光学系L1の結像面に配置されている。符号化素子Cは、光線分離素子Bと分光素子Pとの間に配置されている。符号化素子Cは、光透過率の空間分布を有するマスクである。符号化素子Cは、第1の光透過率を有する複数の領域と、第1の光透過率よりも低い第2の光透過率を有する複数の領域とを少なくとも有する。符号化素子Cは、光線分離素子Bを透過して入射した光の強度を空間的に変調させて通過させる。
図2Aおよび図2Bは、符号化素子Cの光透過率の2次元分布の例を示す図である。図2Aは、本実施の形態における符号化素子Cの光透過率分布を示している。図2Aにおいて、黒い部分は光を殆ど透過させない領域(「遮光領域」と称する。)を、白い部分は光を透過させる領域(「透光領域」と称する。)を示している。この例では、白い部分の光透過率はほぼ100%であり、黒い部分の光透過率はほぼ0%である。符号化素子Cは、複数の矩形領域に分割されており、各矩形領域は、透光領域または遮光領域である。したがって、図2Aに示す例では、符号化素子Cが、第1の光透過率が100%の複数の矩形領域と第2の光透過率がほぼ0%の複数の矩形領域とを有する。符号化素子Cにおける透光領域および遮光領域の2次元分布は、例えばランダム分布または準ランダム分布であり得る。
ランダム分布および準ランダム分布の考え方は次のとおりである。まず、符号化素子Cにおける各矩形領域は、光透過率に応じて、例えば1または0の値を有するベクトル要素とみなせる。言い換えると、一列に並んだ矩形領域の集合を1または0の値を有する多次元のベクトルとみなせる。したがって、符号化素子Cは、多次元ベクトルを行方向に複数備えている。このとき、ランダム分布とは、任意の2つの多次元ベクトルが独立である(平行でない)ことを意味する。また、準ランダム分布とは、一部の多次元ベクトル間で独立でない構成が含まれることを意味する。
ランダム分布および準ランダム分布は式(数1)で定義される自己相関関数を用いて定義することもできる。
Figure 0006064290
(数1)において、x(m,n)は、縦にM個、横にN個の計M×N個の矩形領域が配列して構成される符号化素子Cにおいて、縦方向にm番目、横方向にn番目に配置された矩形領域の光透過率を表す。また、i=−(M−1),・・・,−1,0,1,・・・,(M−1)、j=−(N−1),・・・,−1,0,1,・・・,(N−1)である。ただし、m<1,n<1,m>M,n>Nのときx(m,n)=0とする。このとき、ランダム分布とは、(数1)で定義される自己相関関数y(i,j)がy(0,0)において極大値を有し、その他(i≠0、j≠0)において極大値を有さないことを言う。より具体的には、自己相関関数y(i,j)は、i=0からM−1及び−(M−1)に向かうにつれて単調に減少し、かつ、j=0からN−1及び−(N−1)に向かうにつれて単調に減少することを言う。また、準ランダム分布とは、自己相関関数y(i,j)がy(0,0)のほかにi方向にM/10箇所以下の極大値を有し、j方向にN/10箇所以下の極大値を有することを言う。
符号化素子Cによる符号化過程は、後続する分光素子Pによって分光された各波長の光による画像を区別するためのマーキングを行う過程といえる。そのようなマーキングが可能である限り、透過率の分布は任意に設定してよい。図2Aに示す例では、黒い部分の数と白い部分の数との比率は1:1であるが、このような比率に限定されない。例えば、白い部分の数:黒い部分の数=1:9のような一方に偏りのある分布であってもよい。また、図2Bに示すように、グレースケールの透過率分布を持つマスクであってもよい。この場合、符号化素子Cは、光透過率の互いに異なる3種類以上の複数の領域を含む。すなわち、符号化素子Cが、第1および第2の光透過率とは異なる第3の光透過率の複数の矩形領域を有する。符号化素子Cの透過率分布に関する情報は、設計データまたは実測キャリブレーションによって事前に取得される。
分光素子Pは、入射した光束を波長に応じて分散させる素子である。分光素子Pは、例えば、プリズムや回折光学素子により構成され得る。符号化素子Cによって符号化された光が結像光学系L2を通過して分光素子Pに入射する。本実施の形態における分光素子Pは、撮像素子S1の撮像面上に形成される光の像を、波長に応じてy方向(画像の縦方向)にずらす。分光素子Pがプリズムの場合、撮像面におけるずれの程度(「シフト量」と称することがある。)は、分光素子Pの屈折率、アッベ数、面の傾斜角、および分光素子Pと撮像素子Sとの間の距離によって決定される。分光素子Pが回折光学素子の場合、シフト量は、分光素子Pの屈折率、アッベ数、分光素子Pと撮像素子S1との間の距離、および回折格子のピッチによって決定される。本実施の形態では、分光素子Pは波長に応じて像をy方向にずらすが、x方向(画像の横方向)または他の方向にずらしてもよい。また、測定対象物Oに応じてシフト量、またはシフト方向を変更してもよい。例えば、y方向に高周波のテクスチャ(横縞など)をもつ測定対象物Oに対しては、y方向のシフト量を大きくするか、y方向ではなくx方向にシフトするように分光素子Pを構成してもよい。
分光素子Pによるシフト量は、設計仕様から演算によって、または実測キャリブレーションによって事前に算出しておく。分光素子Pによるシフトは、波長帯域ごとの離散的なシフトではなく、連続的なシフトである。一方、後述する信号処理回路Prでは、所定幅の波長帯域ごとに分光画像Fが再構成される。そのため、厳密には、再構成される画像ごとの波長帯域内でも各波長の画像は撮像素子S上でシフトしている。分光画像Fの再構成の精度を向上させるためには、波長帯域内の画像のシフトを補正することが望ましい。この補正は、コンピュータ演算によって行ってもよいが、光学系の収差や実装誤差の影響も考慮すると、実測キャリブレーションによって行うことが望ましい。例えば、被写体として白板を測定対象物Oの位置に設置し、所望の波長帯域の帯域通過フィルタを通して撮像素子S1上に符号化素子Cの像を形成させることによってキャリブレーションを行うことができる。波長帯域ごとに帯域通過フィルタを交換して所望の全ての帯域のデータを取得してもよいが、いくつかの帯域を選択して測定し、それ以外の帯域については測定されたデータの補間によって算出してもよい。この方法により、分光素子Pによる波長に応じたシフト量が算出できるとともに、波長帯域ごとの符号化素子Cの透過率情報も取得できる。キャリブレーションによって算出されたデータに基づいて、後述の(数2)における行列Hの要素が決定される。
撮像素子S1、S2は、2次元に配列された複数の光検出セル(本明細書において、「画素」と呼ぶ。)を有するモノクロタイプの撮像素子である。撮像素子S1、S2は、例えばCCD(Charge−Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサであり得る。光検出セルは、例えばフォトダイオードによって構成され得る。撮像素子S1、S2は、必ずしもモノクロタイプの撮像素子である必要はない。例えば、R/G/B、R/G/B/IR、またはR/G/B/Wのフィルタを有するカラータイプの撮像素子を用いてもよい。カラータイプの撮像素子を使用することで、波長に関する情報量を増やすことができ、分光画像Fの再構成の精度を向上させることができる。ただし、波長に関する情報量と解像度とはトレードオフの関係にあるため、カラータイプの撮像素子を使用した場合、空間方向(x、y方向)の情報量が低下する。撮像素子S1、S2が取得する波長範囲は任意であり、可視の波長範囲に限らず、紫外、近赤外、中赤外、遠赤外の波長範囲であってもよい。
信号処理回路Prは、撮像素子S1、S2から出力された画像信号を処理する回路である。信号処理回路Prは、例えばデジタルシグナルプロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)等のプログラマブルロジックデバイス(PLD)、または中央演算処理装置(CPU)・画像処理用演算プロセッサ(GPU)とコンピュータプログラムとの組み合わせによって実現され得る。そのようなコンピュータプログラムは、メモリなどの記録媒体に格納され、CPUがそのプログラムを実行することにより、後述する演算処理を実行できる。図1に示す例では、信号処理回路Prがメモリを有しているが、メモリ等の記録媒体が信号処理回路Prとは独立して配置されていてもよい。前述のように、信号処理回路Prは、撮像装置D1の外部の要素であってもよい。そのような構成では、撮像装置D1に電気的に接続されたパーソナルコンピュータ(PC)や、インターネット上のクラウドサーバなどの信号処理装置が、信号処理回路Prを有する。本明細書では、そのような信号処理装置と撮像装置とを含むシステムを、「分光システム」と称する。
以下、本実施の形態における撮像装置D1の動作を説明する。
図3は、本実施の形態における分光方法の概要を示すフローチャートである。まず、ステップS101において、符号化素子Cを用いて測定対象物Oからの入射光を符号化する。符号化は、符号化素子Cが有する光透過率の空間分布によって入射光の強度が空間的に変調されることで実現される。次に、ステップS102において、分光素子Pを用いて、符号化素子Cによって符号化された光束を波長に応じて撮像面上でシフトさせる。続くステップS103において、分光素子Pによって波長に応じて空間シフトされた光の各成分が重畳した第1の画像を撮像素子S1によって取得する。また、分光素子Pによる波長に応じて空間シフトされていない光による第2の画像を撮像素子S2によって取得する。ステップS104において、第1の画像と、第2の画像と、符号化素子Cの光透過率分布に基づいて、分光画像Fを再構築する。
次に、本実施の形態の撮像装置D1によって第1の撮影画像G1および第2の撮影画像G2を取得する過程を説明する。
まず、第1の撮影画像G1の取得過程を説明する。測定対象物Oからの光束は、結像光学系L1によって集束され、その像が符号化素子Cによって符号化される。言い換えれば、符号化素子Cの透過率の空間分布に応じて符号化素子Cを通過する光の強度が変調される。符号化された光束は、結像光学系L2によって再度集束され、結像される。その過程において、光束は分光素子Pによって波長に応じて分散するため、撮像面上でずれて結像される。このずれて結像した波長ごとの像はそれぞれ符号化素子Cによって符号化されており、互いに重なり合った多重像として撮像素子S1の撮像面上に形成される。図1に示す画像G1に含まれている複数の黒い点は、符号化によって生じた低輝度の部分を模式的に表している。なお、図1に示す黒い点の数および配置は、現実の数および配置を反映していない。実際には、図1に示す数よりも多くの低輝度の部分が生じ得る。撮像素子S1における複数の光検出セルによって多重像の情報が複数の電気信号(画素信号)に変換され、第1の撮影画像G1が生成される。図1では、わかり易さのため、第1の撮影画像G1における多重像のy方向のずれが実際よりも大きく描かれている。実際には、隣接する2つの波長帯域の像のずれは、例えば1画素から数十画素程度の微小なずれであり得る。
次に、第2の撮影画像G2の取得過程を説明する。測定対象物Oからの光束は、結像光学系L1によって集束される過程において光線分離素子Bで分岐され、反射された光束による像が撮像素子S2の撮像面上に形成される。撮像素子S2の撮像面上には、分光素子Pを通過しない、すなわち分光素子Pによる波長に応じた空間シフトがされていない光束による像が形成される。撮像素子S2における複数の光検出セルによって生成された複数の画素信号から第2の撮影画像G2が生成される。第2の撮影画像G2は、測定対象物Oの波長帯域全域の情報を有するモノクロ画像であり、第1の撮影画像G1とほぼ同時に取得される。
図1に示す例では、第1の撮影画像G1は光線分離素子Bによる透過光束によって形成され、第2の撮影画像G2は光線分離素子Bによる反射光束によって形成される。しかし、光線分離素子Bによる透過光および反射光と、第1の撮影画像G1および第2の撮影画像G2との組み合わせは任意である。第1の撮影画像G1を光線分離素子Bによる反射光で形成し、第2の撮影画像G2を透過光で形成してもよい。
撮像装置D1は、入射光束の一部の波長帯域の成分のみを透過させる帯域通過フィルタをさらに備えていてもよい。そのような帯域通過フィルタは、例えば測定対象物Oと結像光学系L1との間、または、結像光学系L1と光線分離素子Bとの間に配置され得る。これにより、測定波長帯域を限定することができる。測定波長帯域を限定することで、所望の波長に限定した分離精度の高い分光画像Fを得ることができる。
次に、第1の撮影画像G1および第2の撮影画像G2から多波長の分光画像Fを再構成する方法を説明する。ここで多波長とは、例えば通常のカラーカメラで取得される3色(R・G・B)の波長帯域よりも多くの波長帯域を意味する。この波長帯域の数(以下、「分光帯域数」と称することがある。)は、例えば4から100程度の数であり得る。用途によっては、分光帯域数は100を超えていてもよい。
求めたいデータは分光画像Fであり、そのデータをfと表す。分光帯域数(バンド数)をwとすると、fは各帯域の画像データf1、f2、・・・、fwを統合したデータである。求めるべき画像データのx方向の画素数をn、y方向の画素数をmとすると、画像データf1、f2、・・・、fwの各々は、n×m画素の2次元データの集まりである。したがって、データfは要素数n×m×wの3次元データである。分光素子Pが、求める分光帯域ごとにy方向に1画素ずつ分光画像をシフトさせるとすると、取得される第1の撮影画像G1のデータg1の要素数はn×(m+w−1)である。一方、第2の撮影画像G2のデータg2の要素数は、n×mである。本実施の形態におけるデータg1、g2は、以下の(数2)で表すことができる。
Figure 0006064290
ここで、f1、f2、・・・、fwの各々は、n×m個の要素を有するデータであるため、右辺のベクトルは、厳密にはn×m×w行1列の1次元ベクトルである。行列H1、H2は、それぞれfからg1、fからg2への変換過程を表すシステム行列である。行列H1は、fを符号化、すなわち画素ごとに強度変調し、各成分f1、f2、・・・、fwの画素値をy方向に1画素ずつシフトし、それらを加算する変換を表す。行列H2は、光線分離素子Bの透過・反射の分岐率が1:1の場合、fの各成分f1、f2、・・・、fwの画素値をそのまま加算する変換である。行列H1、H2を、両者を統合したシステム行列Hで表し、データg1、g2を統合したデータをgとすると、gは、以下の(数3)で表される。
Figure 0006064290
厳密には、fはn×m×w行1列の1次元ベクトル、gはn×(2m+w−1)行1列の1次元ベクトルとして表される。したがって、Hはn×(2m+w−1)行n×m×w列の行列である。
ここでは各波長帯域の画像が1画素ずつシフトすることを想定したため、g1の要素数をn×(m+w−1)としたが、必ずしも1画素ずつ各画像をシフトさせる必要はない。シフトさせる画素数は、2画素またはそれ以上でもよい。シフトさせる画素数は、再構成される分光画像Fにおける分光帯域・分光帯域数をどう設計するかに依存する。シフトさせる画素数に応じてg1の要素数は変化する。また、シフト方向もy方向に限定されず、x方向でもよい。一般化すれば、ky、kxを任意の自然数として、y方向にky画素、x方向にkx画素ずつ像をシフトさせる場合、データg1の要素数は、{n+kx・(w−1)}×{m+ky・(w−1)}となる。
光線分離素子Bの透過および反射の分岐率は、必ずしも1:1である必要はなく、それ以外の比率であってもよい。この分岐率が1:1ではない場合、分岐率に応じてシステムの式(数2)の行列H1または行列H2の係数を補正すればよい。
さて、ベクトルgと行列Hが与えられれば、(数3)の逆問題を解くことでfを算出することができそうである。しかし、求めるデータfの要素数n×m×wが取得データgの要素数n×(2m+w−1)よりも多いため、この問題は不良設定問題となり、このままでは解くことができない。そこで、本実施の形態の信号処理回路Prは、データfに含まれる画像の冗長性を利用し、圧縮センシングの手法を用いて解を求める。具体的には、以下の(数4)の式を解くことにより、求めるデータfを推定する。
Figure 0006064290
ここで、f’は、推定されたfのデータを表す。(数4)の括弧内の第1項は、推定結果Hfと取得データgとのずれ量、いわゆる残差項を表す。ここでは2乗和を残差項としているが、絶対値あるいは二乗和平方根等を残差項としてもよい。括弧内の第2項は、後述する正則化項(または安定化項)である。(数4)は、第1項と第2項との和を最小化するfを求めることを意味する。信号処理回路Prは、再帰的な反復演算によって解を収束させ、最終的な解f’を算出することができる。
(数4)の括弧内の第1項は、取得データgと、推定過程のfを行列Hによってシステム変換した推定結果Hfとの差分の二乗和を求める演算を意味する。第2項のΦ(f)は、fの正則化における制約条件であり、推定データのスパース情報を反映した関数である。働きとしては、推定データを滑らかまたは安定にする効果がある。正則化項は、例えば、fの離散的コサイン変換(DCT)、ウェーブレット変換、フーリエ変換、またはトータルバリエーション(TV)等によって表され得る。例えば、トータルバリエーションを使用した場合、観測データgのノイズの影響を抑えた安定した推測データを取得できる。それぞれの正則化項の空間における測定対象物Oのスパース性は、測定対象物Oのテキスチャによって異なる。測定対象物Oのテキスチャが正則化項の空間においてよりスパースになる正則化項を選んでもよい。あるいは、複数の正則化項を演算に含んでもよい。τは、重み係数であり、この値が大きいほど冗長的なデータの削減量が多くなり(圧縮する割合が高まり)、小さいほど解への収束性が弱くなる。重み係数τは、fがある程度収束し、かつ、過圧縮にならない適度な値に設定される。
なお、ここでは(数4)に示す圧縮センシングを用いた演算例を示したが、その他の方法を用いて解いてもよい。例えば、最尤推定法やベイズ推定法などの他の統計的方法を用いることができる。また、分光画像Fの数は任意であり、各波長帯域も任意に設定してよい。
以上のように、本実施の形態では、分光素子Pによって空間シフトされた複数の波長成分の光による画像だけでなく、分光素子Pを通過しない光束による画像を利用して画像データfを求める。これにより、後述する実施例1において説明するように、圧縮センシングによる解像度の低下を抑制することができる。その結果、高解像度、多波長、動画撮影(ワンショット撮影)の3つの要求を同時に満たすことができる。また、撮像の際、2次元データを保有するだけで済むため、長時間のデータ取得に有効である。なお、本実施形態における撮像素子および信号処理回路は、動画像を取得するが、静止画像のみを取得するように構成されていてもよい。
(実施の形態2)
実施の形態2は、符号化パターンの像面上でのボケ状態を利用して分光画像を再構成する点で、実施の形態1と異なっている。以下、実施の形態1と同様の内容についての詳細な説明は省略する。
図4は、本実施の形態の撮像装置D2を示す模式図である。撮像装置D2では、撮像装置D1と異なり、符号化素子Cが、測定対象物Oと結像光学系Lとの間に配置されている。結像光学系Lは、符号化素子Cを通過した光束を、撮像素子S1、S2の撮像面上に集束させる。本実施の形態では、結像光学系Lの結像面上に符号化素子Cを配置する必要がないため、結像光学系L以外の光学系(リレー光学系)が不要となり、光学系の全体のサイズを縮小できる。
符号化素子Cが有する符号化パターンは、撮像素子S1、S2上でボケた状態で取得される。したがって、予めこのボケ情報を保有しておき、それを(数3)のシステム行列Hに反映させる。ここで、ボケ情報は、点拡がり関数(Point Spread Function:PSF)によって表される。PSFは、点像の周辺画素への拡がりの程度を規定する関数である。例えば、画像上で1画素に相当する点像が、ボケによってその画素の周囲のk×k画素の領域に広がる場合、PSFは、その領域内の各画素の輝度への影響を示す係数群(行列)として規定され得る。符号化素子Cが有する符号化パターンのPSFによる影響をシステム行列Hに反映させることにより、分光画像Fを再構成することができる。
符号化素子Cが配置される位置は任意であるが、符号化素子Cの符号化パターンがボケすぎて消失することを防ぐ必要がある。そのためには、例えば、結像光学系Lにおいて測定対象物Oに最も近いレンズの近傍または測定対象物Oの近傍に配置するのがよく、絞りから遠ざけて配置するのがよい。特に画角が広い光学系では焦点距離が短くなるため、これらの位置では各画角の光束の重なりが小さく撮像素子S1上で符号化パターンがボケにくく残存しやすくなる。また、符号化素子Cを撮像素子S1により近い位置に配置した場合も、符号化パターンが残存しやすいためよい。ただし、この場合も分光素子Pよりも測定対象物O側に符号化素子Cを配置する必要がある。
(実施の形態3)
実施の形態3は、瞳分割と呼ばれる構成を用いて第1の画像G1および第2の画像G2を取得する点で、実施の形態1と異なっている。本実施の形態において、実施の形態1と同様の内容についての詳細な説明は省略する。
図5は、本実施の形態の撮像装置D3を示す模式図である。撮像装置D3は、1つの撮像素子Sを有し、光線分離素子Bは有していない。本実施の形態では、分光素子Pは、結像光学系L2の絞り面の一部に配置される。すなわち、分光素子Pは、符号化素子Cを通過した光束の一部の光路上に配置されている。また、アレイ状光学素子Aが撮像素子Sの撮像面の直上に配置される。
図6Aは、アレイ状光学素子Aの詳細な構成を示す断面図である。アレイ状光学素子Aは、例えばレンチキュラレンズによって構成され得る。本実施の形態におけるアレイ状光学素子Aは、各々がx方向に延びた複数のシリンドリカルレンズ(光学要素)M2がy方向に配列された構造を有する。このような構成に限定されず、例えば、各々がy方向に延びた複数の光学要素M2がx方向に配列された構成でもよい。
アレイ状光学素子Aは、結像光学系L2の結像面の近傍に配置されている。図6Aに示すように、アレイ状光学素子Aは、撮像面Niから所定の距離だけ離れた位置に配置されている。
図6Bは、撮像素子Sの撮像面上に2次元に配列された複数の光検出セル(画素)Phの一部を模式的に示す平面図である。複数の光検出セルは、複数の第1光検出セル(第1画素)Ph1と、複数の第2光検出セル(第2画素)Ph2とに分類される。第1画素Ph1は、分光素子Pを通過した光による第1の画像を取得するための画素である。第2画素Ph2は、分光素子Pを通過しない光による第2の画像を取得するための画素である。
本実施の形態では、結像光学系L2の絞り面の2つの光学面領域を通過した光束R1、R2のうちの一方のみが分光素子Pを通過する。例えば、光束R1のみが分光素子Pを通過する。その後、光束R1、R2は、アレイ状光学素子Aに入射する。アレイ状光学素子Aは、分光素子Pを通過した光束R1を撮像素子Sにおける複数の第1画素Ph1に、分光素子Pを通過していない光束R2を撮像素子Sにおける複数の第2画素Ph2に入射させる。
図6Bは、アレイ状光学素子Aと撮像素子S上の画素との位置関係を示している。太線は、アレイ状光学素子Aにおける複数の光学要素M2の境界を示している。アレイ状光学素子Aは、複数の光学要素M2が形成された面が撮像面Ni側に向かうように配置されている。撮像面Niには、画素Phが行列状に配置されている。
画素Ph1は、横方向(行方向)に1行に並んで配置されている。縦方向(列方向)において、画素Ph1は1つおきに配置されている。画素Ph2は、横方向(行方向)に1行に並んで配置されている。縦方向(列方向)において、画素Ph2は1つおきに配置されている。画素Ph1の行と画素Ph2の行とは、縦方向(列方向)に交互に配置されている。
アレイ状光学素子Aが、各々がx方向に延びた複数の光学要素M2がy方向に配列された構造を有する場合、画素Ph1および画素Ph2もそれぞれx方向に並んで配置されy方向に交互に配置される。このとき、結像光学系L2の絞り面において、分光素子Pが配置された光学面領域と、分光素子が配置されない光学面領域が並ぶ方向はy方向である。また、アレイ状光学素子Aが、各々がy方向に延びた複数の光学要素M2がx方向に配列された構成を有する場合、画素Ph1および画素Ph2もそれぞれy方向に並んで配置され、x方向に交互に配置される。このとき、結像光学系L2の絞り面において、分光素子Pが配置された光学面領域と、分光素子が配置されない光学面領域が並ぶ方向はx方向である。画素Ph1および画素Ph2は必ずしも縦方向(y方向)または横方向(x方向)において1つおきに配置されなくてもよい。n行またはn列(n≧1)の画素Ph1の群と、n行またはn列の画素Ph2の群とが、交互に配置されてもよい。
アレイ状光学素子Aは、その光学要素M2の1つが、撮像面Ni上におけるn行の画素Ph1およびn行の画素Ph2からなる2n行の画素に対応するように配置されている。撮像面Ni上には、画素Ph1およびPh2の表面を覆うようにマイクロレンズM1が設けられている。
このような構成により、分光素子Pを通過した光束R1を複数の第1画素Ph1に入射させ、分光素子Pを通過しない光束R2を複数の第2画素Ph2に入射させることができる。信号処理回路Prは、複数の第1画素Ph1から出力される信号から構成される第1の画像G1と、複数の第2画素Ph2から出力される信号から構成される第2の画像G2とを取得する。第1の画像G1と第2の画像G2とに基づいて、実施の形態1と同じ方法で分光画像Fを推定することができる。
本実施の形態では、撮像光学系L2を2分割したうちの一方の近傍に分光素子Pが設けられ、2つの画像が取得される。すなわち、瞳の分割数は2である。しかし、瞳の分割数は3以上であってもよい。
なお、本実施の形態の構成では、実施の形態1とは異なり、y方向の画素数が瞳の分割数分だけ割り算されて減少する。例えば、2分割であれば画素数は1/2になる。
(実施の形態4)
実施の形態4は、分光素子Pを二つ以上配置する点で、実施の形態3と異なっている。本実施の形態において、実施の形態3と同様の内容についての詳細な説明は省略する。
図7は、本実施の形態における分光素子P1、P2を示す模式図である。本実施の形態では、絞り(図5に示す結像光学系L2の撮像素子S側の表面の領域)の近傍で領域が4分割されている。そのうち、少なくとも1箇所に分光素子P1が、他の少なくとも1箇所に分光素子P2が配置されている。分光素子P1は入射してきた光束を波長に応じてy方向にシフトさせ、分光素子P2はx方向にシフトさせる。
図8Aは、本実施の形態におけるアレイ状光学素子Aの詳細な構成を示す断面図である。アレイ状光学素子Aの光学要素M2として、実施の形態3ではレンチキュラレンズが使用されるが、本実施の形態では、マイクロレンズが使用される。マイクロレンズを光学要素M2として用いることで、各マイクロレンズに入射する光束を4方位に分離することができる。
図8Bは、本実施の形態における撮像素子Sの画素構成を示す図である。撮像素子Sは、分光素子P1を通過した光束が入射する複数の画素Ph1と、分光素子P2を通過した光束が入射する複数の画素Ph3と、いずれの分光素子も通過していない光束が入射する複数の画素Ph2とを有する。これらの画素から、それぞれ異なる3つの画像が取得される。
本実施の形態では、x方向とy方向の両方の分光データを再構成に利用することにより、再構成の精度を向上させることができる。特に、測定対象物の模様が一方向に変化がない画像(ストライプパターンなど)の場合に特に効果を発揮する。
また、分光素子P1、P2を異なるシフト量に設定しておくことで、分光帯域数が多い画像データと少ない画像データの2種類を取得することができる。例えば、分光素子P1を通過した光束から数十バンド以上のハイパースペクトル画像を取得し、分光素子P2を通過した光束から数バンドのマルチスペクトル画像を取得することができる。なお、この場合、分光素子P1、P2による波長に応じたシフト方向は必ずしも異なっている必要はない。分光素子P1、P2によるシフト方向は、ともにx方向であってもよいし、ともにy方向でもよい。
本実施の形態では、瞳分割数が4である例を示したが、この例に限定されない。例えば、2分割、3分割、あるいは5分割以上でもよい。本実施の形態でも、実施の形態3同様、瞳の分割数の増加に応じて画素数は減少する。
(実施例1)
次に、本開示の実施例を説明する。
図9は、本開示の分光方法を用いて分光画像Fを再構成した結果の一例を示す図である。ここで、符号化素子Cとして、図2Aに示すような、複数の透光領域と複数の遮光領域とがランダムに配列されたバイナリパターンを有する素子を用いた。各透光領域の光透過率は略100%であり、各遮光領域の光透過率は略0%である。分光帯域数は20帯域とし、分光素子Pを、分光帯域ごとにy方向に1画素ずつ像をずらすように設計した。
第1の撮影画像G1は、光線分離素子Bで分岐した一方の光束によって形成された画素数500×292画素の画像である。画像G1は、符号化されかつ波長に応じてシフトされた光束による画像である。波長帯域ごとに1画素ずつ画像の縦方向に20帯域にわたってシフトしている。20帯域を含むため、最短波長帯域と最長波長帯域で縦方向に19画素の空間的なずれが生じている。
第2の撮影画像G2は、光線分離素子Bで分岐した他方の光束によって形成された画素数500×292画素のモノクロ画像である。画像G2は、符号化も波長に応じたシフトもされていない光束による画像であり、全ての波長帯域の情報を含む。
実施例1では、第1の撮影画像G1と第2の撮影画像G2を用いて、(数4)の推測アルゴリズムを解くことにより、20波長帯域の分光画像Fを得た。このとき、正則化項としてトータルバリエーション(TV)を使用した。
(比較例1)
比較例として、実施例1において第2の撮影画像G2であるモノクロ画像を使用せずに、第1の撮影画像G1のみを用いて分光画像Fを再構成した。
図10は、比較例の結果を示す図である。分光帯域ごとの分離性は良好なものの、図9の結果と比較して、解像度が低下していることがわかる。
図11は、実施例1および比較例1のそれぞれの正解画像に対する平均二乗誤差(Mean Squared Error:MSE)を示す。MSEは、(数5)で表され、1画素当たりの平均二乗誤差を示している。値が小さいほど正解画像に近いことを意味する。
Figure 0006064290
ここで、n、mはそれぞれ画像の縦、横の画素数を、I’i,jは再構成画像(分光画像)のi行j列の画素値を、Ii,jは正解画像のi行j列の画素値を表している。なお、本実施例および比較例で使用した画像は8ビット画像であり、画素値の最大値は255である。
図11における横軸は、再構成した分光画像Fの画像番号を、縦軸はMSEの値を示している。図11より、実施例1の方法によって再構成した場合、いずれの分光画像FもMSEの値が小さく、正解画像に近いことが確認できる。MSEの値はおおよそ10〜20程度であり、正解画像にほぼ一致していることがわかる。一方、従来の方法である比較例1では、MSEの値が全体的に高く、正解画像と比べて大きく劣化していることがわかる。実施例1と比較例1のMSEの差は、最小で12倍、最大で34倍であり、本開示の方法の有効性が認められる。
本開示における撮像装置は、多波長の2次元画像を取得するカメラや測定機器に有用である。生体・医療・美容向けセンシング、食品の異物・残留農薬検査システム、リモートセンシングシステムおよび車載センシングシステム等にも応用できる。
O 測定対象物
G1 第1の撮影画像
G2 第2の撮影画像
L、L1、L2 結像光学系
B 光線分離素子
C 符号化素子
P、P1、P2 分光素子
Pr 信号処理回路
S、S1、S2 撮像素子
F、F1、F2、F3、F4、F5 分光画像
L 結像光学系
R1、R2 光束
M1 撮像素子上のマイクロレンズ
M2 光学要素
Ni 撮像面
Ph、Ph1、Ph2 撮像素子上の受光素子
D1、D2、D3 撮像装置

Claims (12)

  1. 対象物から入射する光の光路上に配置され、前記光の一部を透過させ、前記光の他の一部を反射させる光線分離素子と、
    前記対象物から入射する光の光路上であって前記対象物と前記光線分離素子との間に配置され、第1の光透過率を有する複数の領域と、前記第1の光透過率よりも低い第2の光透過率を有する複数の領域とを有する符号化素子と、
    前記光線分離素子によって分離された光の一方の光路上に配置され、前記光線分離素子によって分離された光の前記一方を、波長に応じて空間的にシフトさせる分光素子と、
    前記分光素子を通過した光を受けるように配置された第1の撮像素子と、前記分光素子を通過していない光とを受けるように配置された第2の撮像素子と、を含む複数の撮像素子であって、前記第1の撮像素子は前記分光素子によって空間的にシフトした波長ごとの光の成分が重畳した第1の画像を取得し前記第2の撮像素子は前記分光素子を通過していない光による第2の画像取得する、複数の撮像素子と、
    前記符号化素子と前記光線分離素子との間に配置され、前記符号化素子を通過した光を前記第1の撮像素子の撮像面上および前記第2の撮像素子の撮像面上に集束させる光学系と、
    を備える撮像装置。
  2. 前記第1の画像と、前記第2の画像と、前記符号化素子における光透過率の空間分布とに基づいて、前記分光素子を通過した光の波長帯域ごとの複数の画像を生成する信号処理回路をさらに備える、請求項に記載の撮像装置。
  3. 前記信号処理回路は、統計的方法によって前記波長帯域ごとの複数の画像を生成する、請求項に記載の撮像装置。
  4. 前記光の波長帯域ごとの複数の画像におけるデータ数は、前記第1の画像におけるデータ数と前記第2の画像におけるデータ数との合計よりも多い、請求項に記載の撮像装置。
  5. 前記信号処理回路は、前記第1の画像における複数の画素の信号値、および前記第2の画像における複数の画素の信号値を要素とするベクトルgと、前記符号化素子における光透過率の空間分布および前記分光素子の分光特性によって決定される行列Hとを用いて、
    Figure 0006064290
    (τΦ(f)は正則化項、τは重み係数)
    の式によって計算されるベクトルf’を、前記波長帯域ごとの複数の画像として生成する、
    請求項に記載の撮像装置。
  6. 対象物から入射する光の光路上に配置され、第1の光透過率を有する複数の領域と、前記第1の光透過率よりも低い第2の光透過率を有する複数の領域とを有する符号化素子と、
    前記符号化素子を通過した光の一部の光路上に配置され、前記一部の光を、波長に応じて空間的にシフトさせる分光素子と、
    前記分光素子を通過した光と、前記分光素子を通過していない光とを受けるように配置された少なくとも1つの撮像素子であって、前記分光素子によって空間的にシフトした波長ごとの光の成分が重畳した第1の画像を取得するための複数の第1光検出セルと、前記分光素子を通過していない光による第2の画像を取得するための複数の第2光検出セルとを有する少なくとも1つの撮像素子と、
    前記撮像素子の撮像面に対向して配置されたアレイ状光学素子であって、前記分光素子を通過した光を前記複数の第1光検出セルに入射させ、前記分光素子を通過していない光を前記複数の第2光検出セルに入射させるアレイ状光学素子と、
    を備える撮像装置。
  7. 前記第1の画像と、前記第2の画像と、前記符号化素子における光透過率の空間分布とに基づいて、前記分光素子を通過した光の波長帯域ごとの複数の画像を生成する信号処理回路をさらに備える、請求項6に記載の撮像装置。
  8. 前記信号処理回路は、統計的方法によって前記波長帯域ごとの複数の画像を生成する、請求項7に記載の撮像装置。
  9. 前記光の波長帯域ごとの複数の画像におけるデータ数は、前記第1の画像におけるデータ数と前記第2の画像におけるデータ数との合計よりも多い、請求項7に記載の撮像装置。
  10. 前記信号処理回路は、前記第1の画像における複数の画素の信号値、および前記第2の画像における複数の画素の信号値を要素とするベクトルgと、前記符号化素子における光透過率の空間分布および前記分光素子の分光特性によって決定される行列Hとを用いて、
    Figure 0006064290
    (τΦ(f)は正則化項、τは重み係数)
    の式によって計算されるベクトルf’を、前記波長帯域ごとの複数の画像として生成する、
    請求項7に記載の撮像装置。
  11. 対象物から入射する光の光路上に配置され、前記光の一部を透過させ、前記光の他の一部を反射させる光線分離素子と、
    前記対象物から入射する光の光路上であって前記対象物と前記光線分離素子との間に配置され、第1の光透過率を有する複数の領域と、前記第1の光透過率よりも低い第2の光透過率を有する複数の領域とを有する符号化素子と、
    前記光線分離素子によって分離された光の一方の光路上に配置され、前記光線分離素子によって分離された光の前記一方を、波長に応じて空間的にシフトさせる分光素子と、
    前記分光素子を通過した光を受けるように配置された第1の撮像素子と、前記分光素子を通過していない光とを受けるように配置された第2の撮像素子と、を含む複数の撮像素子であって、前記第1の撮像素子は前記分光素子によって空間的にシフトした波長ごとの光の成分が重畳した第1の画像を取得し前記第2の撮像素子は前記分光素子を通過していない光による第2の画像取得する、複数の撮像素子と、
    前記符号化素子と前記光線分離素子との間に配置され、前記符号化素子を通過した光を前記第1の撮像素子の撮像面上および前記第2の撮像素子の撮像面上に集束させる光学系と、を備える撮像装置と、
    前記第1の画像と、前記第2の画像と、前記符号化素子における光透過率の空間分布とに基づいて、前記分光素子を通過した光の波長帯域ごとの複数の画像を生成する信号処理装置と、
    を備える分光システム。
  12. 対象物から入射する光の強度を空間的に符号化する符号化ステップと、
    前記符号化した光の一部を透過させ、前記符号化した光の他の一部を反射させる光線分離ステップと、
    前記光線分離ステップよって分離された光の一方を、波長に応じて空間的にシフトさせるシフトステップと、
    前記空間的にシフトした波長ごとの光の成分が重畳した第1の画像と、波長に応じて空間的にシフトしていない光による第2の画像とを取得する取得ステップと、
    前記第1の画像と、前記第2の画像と、前記符号化のパターンとに基づいて、波長帯域ごとの複数の画像を生成する生成ステップと、
    を含む分光方法。
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