JP6063311B2 - 空調システムおよび空調制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、空調システムに係り、特に空調機の風量制御における省エネルギーを考慮した室温制御に関するものである。
オフィスの空調の代表的な手段として、VAV(Variable Air Volume)空調システムやビルマル空調システムがある(例えば特許文献1、非特許文献1参照)。これらのシステムでは、通常、室内温度PVが室内温度設定値SPに追従するように給気風量や給気温度を調整している。すなわち、室内温度PVを室内温度設定値SPに追従させることが前提となる。
エネルギーの視点では、小風量で給気することが、ファン回転数を減らしファン動力を抑制できるため省エネルギーとなるが、前述の前提を満たすために、室内温度PVを室内温度設定値SPに追従させるために必要な給気風量が存在する。通常であれば、図16に示すように、風量上限値FHと風量下限値FLとの間の風量制御範囲で室内温度PVを室内温度設定値SPに追従させることができる。
特開平9−178249号公報
"スーパーモジュールマルチi",[online],東芝キャリア株式会社,インターネット<http://www.toshiba-carrier.co.jp/products/building/smmi.htm>
室内温度PVを室内温度設定値SPに追従させるという前提を覆して、設定値追従に必要な給気風量以下に風量を抑制すると、省エネルギーとなる。しかしながら、このような風量の抑制は、設定値追従を逸脱する状態を発生させる。設定値追従を逸脱する状態とは、冷房時であれば室内温度PVが室内温度設定値SPよりも高くなり、暖房時であれば室内温度PVが室内温度設定値SPよりも低くなる状態である。
このように、風量の抑制により設定値追従を逸脱する状態となった場合、省エネルギーにはなるが、温熱環境の快適性の維持という点での許容範囲を保証できない可能性があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、温熱環境の許容範囲を大きく逸脱することなく、省エネルギー動作を実現することができる空調システムおよび空調制御方法を提供することを目的とする。
本発明の空調システムは、制御量と設定値に基づく操作量を空調制御のアクチュエータに出力する制御手段と、前記操作量を省エネルギー側に変更するエネルギー消費抑制手段と、温熱環境の変更を求める環境変更要求が生じたときに、この環境変更要求が消費エネルギーの増大をもたらす要求である場合、前記操作量を変更前の値に一時的に戻すエネルギー消費抑制緩和手段と、被制御エリアの室内温度と室内温度設定値とが乖離したときに前記環境変更要求を送信する環境変更要求送信手段とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明の空調システムの1構成例において、前記環境変更要求送信手段は、さらに、被制御エリアの居住者から温熱環境の変更を求める操作があったときに、この操作に応じて前記環境変更要求を送信することを特徴とするものである。
また、本発明の空調システムの1構成例において、前記制御量は、被制御エリアの室内温度であり、前記設定値は、室内温度設定値であり、前記操作量は、被制御エリアの要求風量であり、前記アクチュエータは、空調機から被制御エリアに供給される給気の量を調節するVAVユニットである。
また、本発明の空調システムの1構成例において、前記制御量は、被制御エリアへの給気風量であり、前記設定値は、風量設定値であり、前記操作量は、インバータ出力値であり、前記アクチュエータは、被制御エリアに給気を供給する空調機のファンである。
また、本発明の空調システムの1構成例において、前記制御量は、給気温度であり、前記設定値は、給気温度設定値であり、前記操作量は、バルブ開度値であり、前記アクチュエータは、空調機に供給される熱媒の量を調節するバルブである。
また、本発明の空調制御方法は、制御量と設定値に基づく操作量を空調制御のアクチュエータに出力する制御ステップと、前記操作量を省エネルギー側に変更するエネルギー消費抑制ステップと、温熱環境の変更を求める環境変更要求が生じたときに、この環境変更要求が消費エネルギーの増大をもたらす要求である場合、前記操作量を変更前の値に一時的に戻すエネルギー消費抑制緩和ステップと、被制御エリアの室内温度と室内温度設定値とが乖離したときに前記環境変更要求を送信する環境変更要求送信ステップとを含むことを特徴とするものである。
本発明によれば、空調制御の操作量を省エネルギー側に変更することにより、省エネルギー動作を実現することができる。また、本発明では、温熱環境の変更を求める環境変更要求が生じたときに、この環境変更要求が消費エネルギーの増大をもたらす要求である場合、操作量を変更前の値に一時的に戻すので、温熱環境の許容範囲を大きく逸脱することなく、省エネルギー動作を実現することができる。
また、本発明では、環境変更要求送信手段を設けることにより、温熱環境の改善を望む居住者が空調システムに対して環境変更要求を送出することができる。
また、本発明では、被制御エリアの室内温度と室内温度設定値とが乖離したときに環境変更要求を送信する環境変更要求送信手段を設けることにより、環境変更要求を自動的に発生させることができ、被制御エリアの居住者の手間を省くことができる。
風量を抑制して省エネルギーを実現する、本発明の室内温度制御方法を説明する図である。 本発明の第1の実施の形態に係るVAV空調システムの構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態に係るVAV空調システムの空調機コントローラの構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態に係るVAV空調システムのVAVコントローラの構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態に係るVAV空調システムの空調機コントローラの動作を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態に係るVAV空調システムのVAVコントローラの動作を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態に係るビルマル空調システムの構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施の形態に係るビルマル空調システムの空調機コントローラの構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施の形態に係るビルマル空調システムの空調機コントローラの動作を示すフローチャートである。 給気温度を変更して省エネルギーを実現する、本発明の別の室内温度制御方法を説明する図である。 本発明の第3の実施の形態に係るセントラル空調システムの構成を示すブロック図である。 本発明の第3の実施の形態に係るセントラル空調システムの空調機コントローラの構成を示すブロック図である。 本発明の第3の実施の形態に係るセントラル空調システムの給気ダンパコントローラの構成を示すブロック図である。 本発明の第3の実施の形態に係るセントラル空調システムの給気ダンパコントローラの動作を示すフローチャートである。 本発明の第3の実施の形態に係るセントラル空調システムの空調機コントローラの動作を示すフローチャートである。 従来の空調システムにおける室内温度制御方法を説明するための図である。
[発明の原理]
本発明では、室内温度PVを室内温度設定値SPに追従させるのに必要な風量以下に給気風量を低下させる風量設定変更機能と共に、居住者からの環境変更要求を受け付ける要求受付機能を備えるようにする。温熱環境の改善を望む居住者からの環境変更要求がないときは、風量設定変更機能を優先し、室内温度PVを室内温度設定値SPに追従させるのに必要な風量以下に給気風量を抑制する。これにより、小風量の省エネルギー動作が実現できる。
例えば図1のように風量上限値をFHからFH’に抑制した場合、設定値追従に必要な給気風量を供給できない部屋については、室内温度PVが上昇し、室内温度PVと室内温度設定値SPとの偏差(PV−SP)が図1の100のポイントから101のポイントまで上昇するが、この偏差が温熱環境の許容範囲Tに収まるようにすればよい。
また、室内温度PVが室内温度設定値SPに追従しないことにより、温熱環境に支障が生じて居住者から環境変更要求が生じた場合には、給気風量の抑制を緩和または停止する。このように、本発明では、PV=SPを維持せずに給気風量の抑制を優先するが、温熱環境に支障が生じた場合には居住者からの環境変更要求に応じて給気風量の抑制を緩和または停止するので、居住者の許容範囲の限度まで風量を抑制する省エネルギー動作ができる。
[第1の実施の形態]
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図2は本発明の第1の実施の形態に係るVAV空調システムの構成を示すブロック図である。
本実施の形態のVAV空調システムは、空調機1と、空調機1への冷水の量を制御する冷水バルブ2と、空調機1への温水の量を制御する温水バルブ3と、空調機1からの給気を被制御エリア9−1,9−2へ供給する給気ダクト7と、被制御エリア9−1,9−2へ供給する給気の量を被制御エリア毎に制御するVAVユニット8−1,8−2と、VAVユニット8−1,8−2を制御する装置であるVAVコントローラ11−1,11−2と、空調機1を制御する空調機コントローラ12と、被制御エリア9−1,9−2の室内温度を計測する温度センサ13−1,13−2と、還気ダクト14と、外部に排出される空気の量を調整する排気調整用ダンパ15と、空調機1に戻る還気の量を調整する還気調整用ダンパ16と、空調機1に取り入れる外気の量を調整する外気調整用ダンパ17と、給気の温度を計測する温度センサ18と、還気の温度を計測する温度センサ19とを備えている。
空調機1は、冷却コイル4と、加熱コイル5と、ファン6とから構成される。VAVユニット8−1,8−2とVAVコントローラ11−1,11−2とは、被制御エリア毎に設けられる。VAVユニット8−1,8−2内には図示しないダンパが設けられており、VAVユニット8−1,8−2を通過する給気の量を調整できるようになっている。図1において、10−1,10−2は空調機1からの給気の吹出口、20は外気の取入口、21−1,21−2は被制御エリア9−1,9−2に設けられたリモコン端末(環境変更要求送信手段)である。
空調機1におけるファン6の回転数と、冷水バルブ2および温水バルブ3の開度は空調機コントローラ12により制御される。冷房運転の場合、空調機1の冷却コイル4に供給される冷水の量が冷水バルブ2によって制御される。一方、暖房運転の場合、空調機1の加熱コイル5に供給される温水の量が温水バルブ3によって制御される。
冷却コイル4によって冷却された空気または加熱コイル5によって加熱された空気は、ファン6によって送り出される。ファン6によって送り出された空気(給気)は、給気ダクト7を介して各被制御エリア9−1,9−2のVAVユニット8−1,8−2へ供給され、VAVユニット8−1,8−2を通過して各被制御エリア9−1,9−2へ供給されるようになっている。
VAVコントローラ11−1,11−2は、被制御エリア9−1,9−2の温度センサ13−1,13−2によって計測された室内温度PVと室内温度設定値SPとの偏差に基づいて被制御エリア9−1,9−2の要求風量を演算して要求風量値を空調機コントローラ12へ送る一方、その要求風量を確保するように、VAVユニット8−1,8−2内のダンパ(不図示)の開度を制御する。
空調機コントローラ12は、各VAVコントローラ11−1,11−2から送られてくる要求風量値からシステム全体の総要求風量値を演算し、この総要求風量値に応じたファン回転数を求め、この求めたファン回転数となるように空調機1を制御する。
VAVユニット8−1,8−2を通過し、吹出口10−1,10−2を介して被制御エリア9−1,9−2へ吹き出される給気は、被制御エリア9−1,9−2における空調制御に貢献した後、還気ダクト14を経て排気調整用ダンパ15を介して排出されるが、その一部は還気調整用ダンパ16を介し還気として空調機1へ戻される。そして、この空調機1へ戻される還気に対し、外気が外気調整用ダンパ17を介して所定の割合で取り込まれる。排気調整用ダンパ15、還気調整用ダンパ16、および外気調整用ダンパ17のそれぞれの開度は空調機コントローラ12からの指令によって調整される。
空調機コントローラ12は、空調機1が冷却動作時の場合、温水バルブ3の開度を0%にし、温度センサ18によって計測された給気温度計測値が給気温度設定値と一致するように冷水バルブ2の開度を制御する。また、空調機コントローラ12は、空調機1が加熱動作時の場合、冷水バルブ2の開度を0%にし、温度センサ18によって計測された給気温度計測値が給気温度設定値と一致するように温水バルブ3の開度を制御する。以上の動作は、従来のVAV空調システムと同様である。
次に、本実施の形態の特徴について説明する。図3は空調機コントローラ12の構成を示すブロック図、図4はVAVコントローラ11−1の構成を示すブロック図、図5は空調機コントローラ12の動作を示すフローチャート、図6はVAVコントローラ11−1,11−2の動作を示すフローチャートである。
空調機コントローラ12は、温度センサ18によって計測された給気温度計測値SAPVを取得する給気温度計測値取得部120と、冷水バルブ2および温水バルブ3の開度を示す操作量を算出する操作量演算部121と、操作量を冷水バルブ2および温水バルブ3に出力する操作量出力部122と、空調機1のファン6を制御する風量制御部123とを有する。
VAVコントローラ11−1は、対応する被制御エリア9−1の温度センサ13−1によって計測された室内温度PVの値を取得する室内温度計測値取得部110と、室内温度PVと室内温度設定値SPとの偏差に基づいて対応する被制御エリア9−1の要求風量(操作量)を演算する風量演算部111と、被制御エリア9−1の要求風量値を空調機コントローラ12に通知する要求風量値通知部112と、要求風量を確保するようにVAVユニット8−1内のダンパの開度を制御する制御部113と、被制御エリア9−1の要求風量を省エネルギー側に変更する風量抑制部114(エネルギー消費抑制手段)と、対応する被制御エリア9−1のリモコン端末21−1からの環境変更要求を受け付ける要求受付部115と、環境変更要求が生じたときに、この環境変更要求が消費エネルギーの増大をもたらす要求である場合、風量抑制を一時的に緩和すべきと判定する判定部116(エネルギー消費抑制緩和手段)とを有する。風量演算部111と制御部113とは制御手段を構成している。なお、VAVコントローラ11−2も、VAVコントローラ11−1と同様の構成を有している。
空調機コントローラ12の給気温度計測値取得部120は、温度センサ18によって計測された給気温度計測値SAPVを取得する(図5ステップS100)。
空調機コントローラ12の操作量演算部121は、所定の制御演算アルゴリズムに従って、給気温度計測値SAPVと給気温度設定値SASPとが一致するように操作量を算出し、操作量出力部122は、操作量演算部121が算出した操作量を冷水バルブ2および温水バルブ3に出力する(図5ステップS101)。こうして、冷水バルブ2および温水バルブ3の開度が制御され、空調機1に供給される熱媒(冷水または温水)の量が制御される。なお、前述のとおり、空調機1が冷却動作時の場合には温水バルブ3の開度は0%に固定され、空調機1が加熱動作時の場合には冷水バルブ2の開度は0%に固定される。制御演算アルゴリズムとしては、例えばPIDがある。
空調機コントローラ12の風量制御部123は、各VAVコントローラ11−1,11−2から送られてくる要求風量値からシステム全体の総要求風量値を演算し、この総要求風量値に応じたファン回転数を求め、この求めたファン回転数となるように空調機1のファン6を制御する(図5ステップS102)。
空調機コントローラ12は、以上のようなステップS100〜S102の処理を例えば居住者や空調の管理者からの指令によって空調制御が停止するまで(図5ステップS103においてYES)、一定時間毎に行う。
一方、VAVコントローラ11−1,11−2の室内温度計測値取得部110は、それぞれ対応する被制御エリア9−1,9−2の室内温度PVの値を取得する(図6ステップS200)。ここでは、被制御エリア9−1の室内温度をPV1、被制御エリア9−2の室内温度をPV2とする。
VAVコントローラ11−1の風量演算部111は、室内温度PV1と室内温度設定値SPとの偏差に基づいて、対応する被制御エリア9−1の要求風量を算出する。同様に、VAVコントローラ11−2の風量演算部111は、室内温度PV2と室内温度設定値SPとの偏差に基づいて、対応する被制御エリア9−2の要求風量を算出する(図6ステップS201)。なお、ここでは各被制御エリア9−1,9−2の室内温度設定値SPを同一の値としているが、被制御エリア9−1,9−2毎に室内温度設定値SPが設定されていてもよい。
次に、VAVコントローラ11−1の風量抑制部114は、VAVコントローラ11−1の風量演算部111が算出した要求風量値を抑制する(図6ステップS202)。このとき、風量抑制部114は、室内温度PV1と室内温度設定値SPとの偏差(PV1−SP)が図1に示した温熱環境の許容範囲Tに収まる範囲で要求風量値を下げるようにすればよい。温熱環境の許容範囲Tは、被制御エリアの居住者の温熱環境に対する感覚を考慮して、予め設定しておけばよい。
同様に、VAVコントローラ11−2の風量抑制部114は、VAVコントローラ11−2の風量演算部111が算出した要求風量値を抑制する(図6ステップS202)。
VAVコントローラ11−1,11−2の要求風量値通知部112は、被制御エリア9−1,9−2の居住者からの環境変更要求が無い場合(図6ステップS203においてNO)、VAVコントローラ11−1,11−2の風量抑制部114が決定した被制御エリア9−1,9−2の要求風量値を空調機コントローラ12に通知する(図6ステップS204)。上記のとおり、空調機コントローラ12の風量制御部123は、各VAVコントローラ11−1,11−2から送られてくる要求風量値に応じて空調機1のファン6を制御する。
VAVコントローラ11−1の制御部113は、被制御エリア9−1の要求風量を確保するように、VAVユニット8−1内のダンパ(不図示)の開度を制御する。同様に、VAVコントローラ11−2の制御部113は、被制御エリア9−2の要求風量を確保するように、VAVユニット8−2内のダンパ(不図示)の開度を制御する(図6ステップS205)。
こうして、被制御エリア9−1,9−2の要求風量を抑制することにより、空調機1のファン回転数を下げることができるので、省エネルギー動作を実現することができる。この風量抑制は、居住者からの環境変更要求が生じて風量抑制が緩和されるまで継続される。
次に、被制御エリア9−1,9−2の居住者は、温熱環境の改善を望む場合、リモコン端末21−1,21−2を操作して環境変更要求を入力する。VAVコントローラ11−1の判定部116は、被制御エリア9−1の居住者からの環境変更要求を要求受付部115を介して受け取った場合(図6ステップS203においてYES)、風量抑制を緩和すべきか否かを判定する(図6ステップS207)。
具体的には、判定部116は、冷房時に「暑い」という環境変更要求があった場合、風量抑制を一時的に緩和すべきと判定し、冷房時に「寒い」という環境変更要求があった場合、風量抑制を継続すべきと判定する。また、判定部116は、暖房時に「暑い」という環境変更要求があった場合、風量抑制を継続すべきと判定し、暖房時に「寒い」という環境変更要求があった場合、風量抑制を一時的に緩和すべきと判定する。以上の判定部116の判定処理を表1に示す。VAVコントローラ11−1の判定部116は、判定結果をVAVコントローラ11−1の風量抑制部114に通知する。
Figure 0006063311
VAVコントローラ11−1の風量抑制部114は、VAVコントローラ11−1の判定部116が風量抑制を一時的に緩和すべきと判定した場合(図6ステップS207においてYES)、被制御エリア9−1の要求風量値を、VAVコントローラ11−1の風量演算部111が算出した要求風量値の値に戻して風量抑制を緩和する(図6ステップS208)。
同様に、VAVコントローラ11−2の判定部116は、リモコン端末21−2から入力された環境変更要求に応じて風量抑制を緩和すべきか否かを判定し(図6ステップS207)、VAVコントローラ11−2の風量抑制部114は、VAVコントローラ11−2の判定部116が風量抑制を一時的に緩和すべきと判定した場合、被制御エリア9−2の要求風量値を、VAVコントローラ11−2の風量演算部111が算出した要求風量値の値に戻して風量抑制を緩和すればよい(図6ステップS208)。
ステップS204,S05の処理は上記のとおりである。風量抑制の緩和が開始されてからの経過時間が所定時間を超えていない場合(図6ステップS206においてNO)、ステップS203に戻る。
風量抑制を緩和することは、消費エネルギーが増えることになるので、環境変更要求に応じた風量抑制の緩和が開始されてからの経過時間が、所定時間を超えた場合(ステップS206においてYES)、ステップS200に戻り、風量抑制を再び開始する。
VAVコントローラ11−1,11−2は、以上のようなステップS200〜S208の処理を例えば居住者や空調の管理者からの指令によって空調制御が停止するまで(図6ステップS209においてYES)、一定時間毎に行う。
以上のように、本実施の形態では、被制御エリア9−1,9−2の要求風量を抑制することにより、省エネルギー動作を実現することができる。また、本実施の形態では、環境変更要求が生じたときに、この環境変更要求が消費エネルギーの増大をもたらす要求である場合は、要求風量の抑制を一時的に緩和するので、温熱環境の許容範囲を大きく逸脱することなく、省エネルギー動作を実現することができる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図7は本実施の形態に係るビルマル空調システムの構成を示すブロック図であり、図1と同様の構成には同一の符号を付してある。本実施の形態のビルマル空調システムは、空調機30−1,30−2と、空調機30−1,30−2への冷水の量を制御する冷水バルブ31−1,31−2と、空調機30−1,30−2への温水の量を制御する温水バルブ32−1,32−2と、空調機30−1,30−2からの給気を被制御エリア9−1,9−2へ供給する給気ダクト36−1,36−2と、還気ダクト37−1,37−2と、空調機30−1,30−2を制御する空調機コントローラ38−1,38−2と、給気の温度を計測する温度センサ39−1,39−2とを備えている。
空調機30−1,30−2は、冷却コイル33−1,33−2と、加熱コイル34−1,34−2と、ファン35−1,35−2とから構成される。空調機30−1,30−2と空調機コントローラ38−1,38−2とは、被制御エリア毎に設けられる。冷房運転の場合、図示しない室外機によって冷却された冷水が空調機30−1,30−2の冷却コイル33−1,33−2に供給される。一方、暖房運転の場合、室外機によって加熱された温水が空調機30−1,30−2の加熱コイル34−1,34−2に供給される。
冷却コイル33−1,33−2によって冷却された空気または加熱コイル34−1,34−2によって加熱された空気は、ファン35−1,35−2によって送り出される。ファン35−1,35−2によって送り出された空気(給気)は、給気ダクト36−1,36−2を介して被制御エリア9−1,9−2へ供給される。吹出口10−1,10−2から被制御エリア9−1,9−2へ吹き出された給気は、被制御エリア9−1,9−2における空調制御に貢献した後、還気ダクト37−1,37−2を経て空調機30−1,30−2へ戻される。
空調機コントローラ38−1,38−2は、被制御エリア9−1,9−2の居住者によって設定された給気風量となるようにファン35−1,35−2の回転数を制御する。空調機コントローラ38−1,38−2は、空調機30−1,30−2が冷却動作時の場合、温水バルブ32−1,32−2の開度を0%にし、被制御エリア9−1,9−2の温度センサ13−1,13−2によって計測された室内温度PV1,PV2が室内温度設定値SPと一致するように冷水バルブ31−1,31−2の開度を制御する。また、空調機コントローラ38−1,38−2は、空調機30−1,30−2が加熱動作時の場合、冷水バルブ31−1,31−2の開度を0%にし、温度センサ13−1,13−2によって計測された室内温度PV1,PV2が室内温度設定値SPと一致するように温水バルブ32−1,32−2の開度を制御する。以上の動作は、従来のビルマル空調システムと同様である。
次に、本実施の形態の特徴について説明する。図8は空調機コントローラ38−1の構成を示すブロック図、図9は空調機コントローラ38−1,38−2の動作を示すフローチャートである。空調機コントローラ38−1は、対応する被制御エリア9−1の温度センサ13−1によって計測された室内温度PVの値を取得する室内温度計測値取得部380と、温度センサ39−1によって計測された給気温度計測値SAPVを取得する給気温度計測値取得部381と、冷水バルブ31−1および温水バルブ32−1の開度を示す操作量を算出する操作量演算部382と、操作量を冷水バルブ31−1および温水バルブ32−1に出力する操作量出力部383と、空調機30−1のファン35−1を制御する風量制御部384(制御手段)と、インバータ出力値(操作量)を省エネルギー側に変更する風量抑制部385(エネルギー消費抑制手段)と、対応する被制御エリア9−1のリモコン端末21−1からの環境変更要求を受け付ける要求受付部386と、環境変更要求が生じたときに、この環境変更要求が消費エネルギーの増大をもたらす要求である場合、給気風量抑制を一時的に緩和すべきと判定する判定部387(エネルギー消費抑制緩和手段)とを有する。なお、空調機コントローラ38−2も、空調機コントローラ38−1と同様の構成を有している。
空調機コントローラ38−1,38−2の室内温度計測値取得部380は、それぞれ対応する被制御エリア9−1,9−2の室内温度PVの値を取得する(図9ステップS300)。ここでは、被制御エリア9−1の室内温度をPV1、被制御エリア9−2の室内温度をPV2とする。
空調機コントローラ38−1,38−2の給気温度計測値取得部381は、それぞれ温度センサ39−1,39−2によって計測された給気温度計測値SAPVを取得する(図9ステップS301)。ここでは、被制御エリア9−1への給気ダクト36−1を流れる給気の温度をSAPV1、被制御エリア9−2への給気ダクト36−2を流れる給気の温度をSAPV2とする。
空調機コントローラ38−1の操作量演算部382は、所定の制御演算アルゴリズムに従って、給気温度計測値SAPV1と給気温度設定値SASPとが一致するように操作量を算出し、空調機コントローラ38−1の操作量出力部383は、この操作量を冷水バルブ31−1および温水バルブ32−1に出力する(図9ステップS302)。こうして、冷水バルブ31−1および温水バルブ32−1の開度が制御され、空調機30−1に供給される熱媒(冷水または温水)の量が制御される。なお、前述のとおり、空調機30−1が冷却動作時の場合には温水バルブ32−1の開度は0%に固定され、空調機30−1が加熱動作時の場合には冷水バルブ31−1の開度は0%に固定される。制御演算アルゴリズムとしては、例えばPIDがある。
同様に、空調機コントローラ38−2の操作量演算部382は、給気温度計測値SAPV2と給気温度設定値SASPとが一致するように操作量を算出し、空調機コントローラ38−2の操作量出力部383は、この操作量を冷水バルブ31−2および温水バルブ32−2に出力する(図9ステップS302)。
空調機コントローラ38−1,38−2の風量制御部384は、それぞれ被制御エリア9−1,9−2への給気風量が設定風量となるようにインバータ出力値を算出し、このインバータ出力値を空調機30−1,30−2のファン35−1,35−2に与えることにより、ファン35−1,35−2の回転数を制御する。
空調機コントローラ38−1の風量抑制部385は、被制御エリア9−1への給気風量を抑制する(図9ステップS303)。このとき、風量抑制部385は、室内温度PV1と室内温度設定値SPとの偏差(PV1−SP)が図1に示した温熱環境の許容範囲Tに収まる範囲で給気風量を下げるようにすればよい。同様に、空調機コントローラ38−2の風量抑制部385は、被制御エリア9−2への給気風量を抑制する(図9ステップS303)。
風量抑制の方法としては、空調機30−1,30−2のファン35−1,35−2に出力されるインバータ出力値を抑制する方法がある。また、別の方法として、設定風量の上限を抑制する方法がある。設定風量を抑制すれば、結果的にインバータ出力値が抑制される。また、High/Middle/Lowの3レベルの風量の切替が可能な場合には、風量が少ないレベルに切り替えることで、インバータ出力値を抑制し、風量を抑制することも可能である。
こうして、被制御エリア9−1,9−2への給気風量を抑制することにより、空調機30−1,30−2のファン回転数を下げることができるので、省エネルギー動作を実現することができる。この風量抑制は、居住者からの環境変更要求が生じて風量抑制が緩和されるまで継続される。
次に、被制御エリア9−1,9−2の居住者は、温熱環境の改善を望む場合、リモコン端末21−1,21−2を操作して環境変更要求を入力する。空調機コントローラ38−1の判定部387は、被制御エリア9−1の居住者からの環境変更要求を要求受付部386を介して受け取った場合(図9ステップS304においてYES)、風量抑制を緩和すべきか否かを判定する(図9ステップS306)。
具体的には、判定部387は、冷房時に「暑い」という環境変更要求があった場合、風量抑制を一時的に緩和すべきと判定し、冷房時に「寒い」という環境変更要求があった場合、風量抑制を継続すべきと判定する。また、判定部387は、暖房時に「暑い」という環境変更要求があった場合、風量抑制を継続すべきと判定し、暖房時に「寒い」という環境変更要求があった場合、風量抑制を一時的に緩和すべきと判定する。空調機コントローラ38−1の判定部387は、判定結果を空調機コントローラ38−1の風量抑制部385に通知する。
空調機コントローラ38−1の風量抑制部385は、空調機コントローラ38−1の判定部387が風量抑制を一時的に緩和すべきと判定した場合(図9ステップS306においてYES)、被制御エリア9−1への給気風量の値を風量抑制前の設定風量の値に戻して風量抑制を緩和する(図9ステップS307)。
同様に、空調機コントローラ38−2の判定部387は、リモコン端末21−2から入力された環境変更要求に応じて風量抑制を緩和すべきか否かを判定し(図9ステップS306)、空調機コントローラ38−2の風量抑制部385は、空調機コントローラ38−2の判定部387が風量抑制を一時的に緩和すべきと判定した場合、被制御エリア9−2への給気風量の値を風量抑制前の設定風量の値に戻して風量抑制を緩和すればよい(図9ステップS307)。
風量抑制の緩和方法としては、空調機30−1,30−2のファン35−1,35−2に出力されるインバータ出力値を変更前の値に戻す方法がある。また、別の方法として、設定風量の上限を変更前の値に戻す方法がある。設定風量を元の値に戻せば、結果的にインバータ出力値が上昇する。また、High/Middle/Lowの3レベルの風量の切替が可能な場合には、風量が多いレベルに切り替えることで、インバータ出力値を上昇させ、風量抑制を緩和することも可能である。
風量抑制の緩和が開始されてからの経過時間が所定時間を超えていない場合(図9ステップS305においてNO)、ステップS304に戻る。
風量抑制を緩和することは、消費エネルギーが増えることになるので、環境変更要求に応じた風量抑制の緩和が開始されてからの経過時間が、所定時間を超えた場合(ステップS305においてYES)、ステップS300に戻り、風量抑制を再び開始する。
空調機コントローラ38−1,38−2は、以上のようなステップS300〜S307の処理を例えば居住者や空調の管理者からの指令によって空調制御が停止するまで(図9ステップS308においてYES)、一定時間毎に行う。
以上のようにして、本実施の形態では、ビルマル空調システムにおいて第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。セントラル空調方式では、冷房時に給気温度を下げたり、暖房時に給気温度を上げたりすることで風量を抑制することも可能である。例えば冷房の場合に給気温度を下げることで、室内温度の維持に必要な風量が図10のポイント200の値からポイント201の値へと減少する。これにより、省エネルギー動作を実現できる。
図11は本実施の形態に係るセントラル空調システムの構成を示すブロック図であり、図1と同様の構成には同一の符号を付してある。本実施の形態のセントラル空調システムは、空調機40と、空調機40への冷水の量を制御する冷水バルブ41と、空調機40への温水の量を制御する温水バルブ42と、空調機40からの給気を被制御エリア9−1,9−2へ供給する給気ダクト46と、被制御エリア9−1,9−2へ供給する給気の量を被制御エリア毎に制御する給気ダンパ47−1,47−2と、給気ダンパ47−1,47−2を制御する制御装置である給気ダンパコントローラ48−1,48−2と、空調機40を制御する空調機コントローラ49と、還気ダクト50と、給気の温度を計測する温度センサ51と、空調機40に戻る還気の量を調整する還気調整用ダンパ52と、外気の取入口53とを備えている。
空調機40は、冷却コイル43と、加熱コイル44と、ファン45とから構成される。給気ダンパ47−1,47−2と給気ダンパコントローラ48−1,48−2とは、被制御エリア毎に設けられる。空調機40におけるファン45の回転数と、冷水バルブ41および温水バルブ42の開度は空調機コントローラ49により制御される。冷房運転の場合、空調機40の冷却コイル43に供給される冷水の量が冷水バルブ41によって制御される。一方、暖房運転の場合、空調機40の加熱コイル44に供給される温水の量が温水バルブ42によって制御される。
冷却コイル43によって冷却された空気または加熱コイル44によって加熱された空気は、ファン45によって送り出される。ファン45によって送り出された空気(給気)は、給気ダクト46を介して各被制御エリア9−1,9−2の給気ダンパ47−1,47−2へ供給され、給気ダンパ47−1,47−2を通過して各被制御エリア9−1,9−2へ供給されるようになっている。
給気ダンパコントローラ48−1,48−2は、被制御エリア9−1,9−2の温度センサ13−1,13−2によって計測された室内温度PVと室内温度設定値SPとの偏差に基づいて被制御エリア9−1,9−2の要求風量を演算して給気ダンパ47−1,47−2の開度を制御する。
給気ダンパ47−1,47−2を通過し、吹出口10−1,10−2を介して被制御エリア9−1,9−2へ吹き出される給気は、被制御エリア9−1,9−2における空調制御に貢献した後、還気ダクト50および還気調整用ダンパ52を介し還気として空調機40へ戻される。還気調整用ダンパ52の開度は空調機コントローラ49からの指令によって調整される。
空調機コントローラ49は、空調機40が冷却動作時の場合、温水バルブ42の開度を0%にし、温度センサ51によって計測された給気温度計測値が給気温度設定値と一致するように冷水バルブ41の開度を制御する。また、空調機コントローラ49は、空調機40が加熱動作時の場合、冷水バルブ41の開度を0%にし、温度センサ51によって計測された給気温度計測値が給気温度設定値と一致するように温水バルブ42の開度を制御する。また、空調機コントローラ49は、給気風量が設定風量となるように空調機40のファン45の回転数を制御する。以上の動作は、従来のセントラル空調システムと同様である。
次に、本実施の形態の特徴について説明する。図12は空調機コントローラ49の構成を示すブロック図、図13は給気ダンパコントローラ48−1の構成を示すブロック図、図14は給気ダンパコントローラ48−1,48−2の動作を示すフローチャート、図15は空調機コントローラ49の動作を示すフローチャートである。
空調機コントローラ49は、温度センサ51によって計測された給気温度計測値SAPVを取得する給気温度計測値取得部490と、冷水バルブ41および温水バルブ42の開度を示す操作量を算出する操作量演算部491と、操作量を冷水バルブ41および温水バルブ42に出力する操作量出力部492と、空調機40のファン45を制御する風量制御部493と、操作量を省エネルギー側に変更する操作量変更部494(エネルギー消費抑制手段)と、給気ダンパコントローラ48−1,48−2から送信される環境変更要求を受け付ける要求受付部495と、環境変更要求が生じたときに、この環境変更要求が消費エネルギーの増大をもたらす要求である場合、操作量を変更前の値に一時的に戻す判定部496(エネルギー消費抑制緩和手段)とを有する。操作量演算部491と操作量出力部492とは制御手段を構成している。
給気ダンパコントローラ48−1は、対応する被制御エリア9−1の温度センサ13−1によって計測された室内温度PVの値を取得する室内温度計測値取得部480と、室内温度PVと室内温度設定値SPとの偏差に基づいて対応する被制御エリア9−1の要求風量を演算する風量演算部481と、要求風量を確保するように給気ダンパ47−1の開度を制御する制御部482と、対応する被制御エリア9−1のリモコン端末21−1からの環境変更要求を受け付ける要求受付部483とを有する。なお、給気ダンパコントローラ48−2も、給気ダンパコントローラ48−1と同様の構成を有している。
給気ダンパコントローラ48−1,48−2の室内温度計測値取得部480は、それぞれ対応する被制御エリア9−1,9−2の室内温度PVの値を取得する(図14ステップS400)。ここでは、被制御エリア9−1の室内温度をPV1、被制御エリア9−2の室内温度をPV2とする。
給気ダンパコントローラ48−1の風量演算部481は、室内温度PV1と室内温度設定値SPとの偏差に基づいて、対応する被制御エリア9−1の要求風量を算出する。同様に、VAVコントローラ11−2の風量演算部481は、室内温度PV2と室内温度設定値SPとの偏差に基づいて、対応する被制御エリア9−2の要求風量を算出する(図14ステップS401)。なお、ここでは各被制御エリア9−1,9−2の室内温度設定値SPを同一の値としているが、被制御エリア毎に室内温度設定値SPが設定されていてもよい。
給気ダンパコントローラ48−1の制御部482は、被制御エリア9−1の要求風量を確保するように、給気ダンパ47−1の開度を制御する。同様に、給気ダンパコントローラ48−2の制御部482は、被制御エリア9−2の要求風量を確保するように、給気ダンパ47−2の開度を制御する(図14ステップS402)。
給気ダンパコントローラ48−1,48−2の要求受付部483は、それぞれ対応する被制御エリア9−1,9−2のリモコン端末21−1,21−2から環境変更要求を受け取った場合(図14ステップS403においてYES)、この環境変更要求を空調機コントローラ49に送信する(図14ステップS404)。
給気ダンパコントローラ48−1,48−2は、以上のようなステップS400〜S404の処理を例えば居住者や空調の管理者からの指令によって空調制御が停止するまで(図14ステップS405においてYES)、一定時間毎に行う。
一方、空調機コントローラ49の給気温度計測値取得部490は、温度センサ51によって計測された給気温度計測値SAPVを取得する(図15ステップS500)。
空調機コントローラ49の操作量演算部491は、所定の制御演算アルゴリズムに従って、給気温度計測値SAPVと給気温度設定値SASPとが一致するように操作量を算出し、操作量出力部492は、操作量演算部491が算出した操作量を冷水バルブ41および温水バルブ42に出力する(図15ステップS501)。こうして、冷水バルブ41および温水バルブ42の開度が制御され、空調機40に供給される熱媒(冷水または温水)の量が制御される。なお、前述のとおり、空調機40が冷却動作時の場合には温水バルブ42の開度は0%に固定され、空調機40が加熱動作時の場合には冷水バルブ41の開度は0%に固定される。制御演算アルゴリズムとしては、例えばPIDがある。
次に、空調機コントローラ49の操作量変更部494は、操作量演算部491が算出した操作量を変更することで給気温度を変更する(図15ステップS502)。具体的には、操作量変更部494は、冷房運転の場合、給気温度が所定値だけ下がるように操作量を変更し、暖房運転の場合、給気温度が所定値だけ上がるように操作量を変更する。
空調機コントローラ49の風量制御部493は、空調機40から送り出される給気の風量が設定風量となるように空調機40のファン45の回転数を制御するが、給気温度が変更されたことにより、室内温度の維持に必要な風量が低下する。そこで、風量制御部493は、給気温度の変更幅に応じた分だけ設定風量を下げて、給気風量が設定風量となるように空調機40のファン45の回転数を制御する(図15ステップS503)。
こうして、給気風量を抑制し、空調機40のファン回転数を下げることができるので、省エネルギー動作を実現することができる。この風量抑制は、居住者からの環境変更要求が生じて風量抑制が緩和されるまで継続される。
次に、空調機コントローラ49の判定部496は、被制御エリア9−1,9−2の居住者からの環境変更要求を給気ダンパコントローラ48−1,48−2の要求受付部483および空調機コントローラ49の要求受付部495を介して受け取った場合(図15ステップS504においてYES)、風量抑制を緩和すべきか否かを判定する(図15ステップS506)。
具体的には、判定部496は、冷房時に「暑い」という環境変更要求があった場合、風量抑制を一時的に緩和すべきと判定し、冷房時に「寒い」という環境変更要求があった場合、風量抑制を継続すべきと判定する。また、判定部496は、暖房時に「暑い」という環境変更要求があった場合、風量抑制を継続すべきと判定し、暖房時に「寒い」という環境変更要求があった場合、風量抑制を一時的に緩和すべきと判定する。判定部496は、判定結果を操作量変更部494に通知する。
空調機コントローラ49の操作量変更部494は、判定部496が風量抑制を一時的に緩和すべきと判定した場合(図15ステップS506においてYES)、冷水バルブ41および温水バルブ42に出力される操作量を、操作量演算部491が算出した操作量の値に戻す(図15ステップS507)。これにより、冷房運転の場合、給気温度が上がり、暖房運転の場合、給気温度が下がる。
給気温度が変更されたことにより、室内温度の維持に必要な風量が上昇する。そこで、空調機コントローラ49の風量制御部493は、設定風量を風量抑制前の値に戻して、給気風量が設定風量となるように空調機40のファン45の回転数を制御する。
このステップS507のような風量抑制の緩和が開始されてからの経過時間が所定時間を超えていない場合(図15ステップS505においてNO)、ステップS504に戻る。風量抑制を緩和することは、消費エネルギーが増えることになるので、環境変更要求に応じた風量抑制の緩和が開始されてからの経過時間が、所定時間を超えた場合(ステップS505においてYES)、ステップS500に戻り、風量抑制を再び開始する。
空調機コントローラ49は、以上のようなステップS500〜S507の処理を例えば居住者や空調の管理者からの指令によって空調制御が停止するまで(図15ステップS508においてYES)、一定時間毎に行う。
以上のように、本実施の形態では、セントラル空調システムにおいて第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
なお、第1、第2の実施の形態では、風量の抑制を1回の処理で実行し、第3の実施の形態では、給気温度の変更を1回の処理で実行しているが、これに限るものではなく、第1、第2の実施の形態において風量の抑制を複数回の処理に分けて、風量を省エネルギー側に段階的に移行させるようにしてもよく、第3の実施の形態において給気温度の変更を複数回の処理に分けて、給気温度を省エネルギー側に段階的に移行させるようにしてもよい。
また、第1〜第3の実施の形態では、居住者が環境変更要求を出すようにしているが、これに限るものではなく、室内温度PVと室内温度設定値SPとが乖離したと判定したとき(例えば室内温度PVと室内温度設定値SPとの偏差(PV−SP)が図1に示した温熱環境の許容範囲Tから外れたとき)、リモコン端末21−1,21−2(環境変更要求送信手段)が、温熱環境の改善を要求する環境変更要求を自動的に送信するようにしてもよい。これにより、被制御エリアの居住者が環境変更要求を出す必要がなくなり、居住者の手間を省くことができる。
なお、第1〜第3の実施の形態のVAVコントローラ11−1,11−2と空調機コントローラ12,38−1,38−2,49と給気ダンパコントローラ48−1,48−2の各々は、CPU(Central Processing Unit)、記憶装置および外部とのインタフェースを備えたコンピュータと、これらのハードウェア資源を制御するプログラムによって実現することができる。各装置のCPUは、記憶装置に格納されたプログラムに従って第1〜第3の実施の形態で説明した処理を実行する。
本発明は、空調システムにおいて省エネルギーを実現する技術に適用することができる。
1,30−1,30−2,40…空調機、2,31−1,31−2,41…冷水バルブ、3,32−1,32−2,42…温水バルブ、4,33−1,33−2…冷却コイル、5,34−1,34−2…加熱コイル、6,35−1,35−2…ファン、8−1,8−2…VAVユニット、9−1,9−2…被制御エリア、11−1,11−2…VAVコントローラ、12,38−1,38−2,49…空調機コントローラ、13−1,13−2,18,19,39−1,39−2,51…温度センサ、21−1,21−2…リモコン端末、47−1,47−2…給気ダンパ、48−1,48−2…給気ダンパコントローラ、120,381,490…給気温度計測値取得部、121,382,491…操作量演算部、122,383,492…操作量出力部、123,384,493…風量制御部、110,380,480…室内温度計測値取得部、111,481…風量演算部、112…要求風量値通知部、113,482…制御部、114,385…風量抑制部、115,386,483,495…要求受付部、116,387,496…判定部、494…操作量変更部。

Claims (10)

  1. 制御量と設定値に基づく操作量を空調制御のアクチュエータに出力する制御手段と、
    前記操作量を省エネルギー側に変更するエネルギー消費抑制手段と、
    温熱環境の変更を求める環境変更要求が生じたときに、この環境変更要求が消費エネルギーの増大をもたらす要求である場合、前記操作量を変更前の値に一時的に戻すエネルギー消費抑制緩和手段と
    被制御エリアの室内温度と室内温度設定値とが乖離したときに前記環境変更要求を送信する環境変更要求送信手段とを備えることを特徴とする空調システム。
  2. 請求項1記載の空調システムにおいて、
    前記環境変更要求送信手段は、さらに、被制御エリアの居住者から温熱環境の変更を求める操作があったときに、この操作に応じて前記環境変更要求を送信することを特徴とする空調システム。
  3. 請求項1または2記載の空調システムにおいて、
    前記制御量は、被制御エリアの室内温度であり、
    前記設定値は、室内温度設定値であり、
    前記操作量は、被制御エリアの要求風量であり、
    前記アクチュエータは、空調機から被制御エリアに供給される給気の量を調節するVAVユニットであることを特徴とする空調システム。
  4. 請求項1または2記載の空調システムにおいて、
    前記制御量は、被制御エリアへの給気風量であり、
    前記設定値は、風量設定値であり、
    前記操作量は、インバータ出力値であり、
    前記アクチュエータは、被制御エリアに給気を供給する空調機のファンであることを特徴とする空調システム。
  5. 請求項1または2記載の空調システムにおいて、
    前記制御量は、給気温度であり、
    前記設定値は、給気温度設定値であり、
    前記操作量は、バルブ開度値であり、
    前記アクチュエータは、空調機に供給される熱媒の量を調節するバルブであることを特徴とする空調システム。
  6. 制御量と設定値に基づく操作量を空調制御のアクチュエータに出力する制御ステップと、
    前記操作量を省エネルギー側に変更するエネルギー消費抑制ステップと、
    温熱環境の変更を求める環境変更要求が生じたときに、この環境変更要求が消費エネルギーの増大をもたらす要求である場合、前記操作量を変更前の値に一時的に戻すエネルギー消費抑制緩和ステップと
    被制御エリアの室内温度と室内温度設定値とが乖離したときに前記環境変更要求を送信する環境変更要求送信ステップとを含むことを特徴とする空調制御方法。
  7. 請求項記載の空調制御方法において、
    前記環境変更要求送信ステップは、さらに、被制御エリアの居住者から温熱環境の変更を求める操作があったときに、この操作に応じて前記環境変更要求を送信するステップを含むことを特徴とする空調システム。
  8. 請求項6または7記載の空調制御方法において、
    前記制御量は、被制御エリアの室内温度であり、
    前記設定値は、室内温度設定値であり、
    前記操作量は、被制御エリアの要求風量であり、
    前記アクチュエータは、空調機から被制御エリアに供給される給気の量を調節するVAVユニットであることを特徴とする空調制御方法。
  9. 請求項6または7記載の空調制御方法において、
    前記制御量は、被制御エリアへの給気風量であり、
    前記設定値は、風量設定値であり、
    前記操作量は、インバータ出力値であり、
    前記アクチュエータは、被制御エリアに給気を供給する空調機のファンであることを特徴とする空調制御方法。
  10. 請求項6または7記載の空調制御方法において、
    前記制御量は、給気温度であり、
    前記設定値は、給気温度設定値であり、
    前記操作量は、バルブ開度値であり、
    前記アクチュエータは、空調機に供給される熱媒の量を調節するバルブであることを特徴とする空調制御方法。
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