JP6062082B1 - 印刷物 - Google Patents

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Abstract

【課題】画像中に含ませる潜在情報が特定の照明条件下では鮮明に現れ、通常の照明条件下においては感知されにくくする印刷物を提供する。【解決手段】基材10と、基材の一面側に設けられた可視情報層12と、複数の微粒子16を含有し、可視情報層12を覆って設けられた再帰反射層14と、再帰反射層14の一部を覆ってそれ以外の部分を露出させるように、再帰反射層14の複数の微粒子16の屈折率と実質的に等しい透光性のメジウム層18とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、人間が肉眼で感知できる文字や図柄等の可視情報と、カメラによるフラッシュ光を用いた撮影などの状況下においてのみ画像中に表れる潜在情報とを含んだ印刷物に関する。
特開2015−225438号公報(特許文献1)には、絵柄などの可視情報の上にコード情報を重ね合わせて形成した印刷物であって、コード情報は、通常の光では可視情報を透過させる一方、光を直射したときには再帰反射作用によって現出するようにした印刷物が開示されている。
ところで、上記した特許文献1にも開示されているように、透明性と再帰反射作用を有する情報(潜在情報)を形成するには、ガラスビーズなどの微粒子を含有する材料である再帰反射材を用いる場合が多い。このとき、潜在情報が鮮明に現出するようにするには、再帰反射材の層厚をより厚くし、あるいは微粒子密度をより高くする必要がある。ところが、このようにすると再帰反射材によって描かれた潜在情報の部分が照明光や日光など通常の光照射下においても肉眼で感知しやすい状態となってしまい、潜在情報としての価値が低減するという不都合が生じる。
特開2015−225438号公報
本発明に係る具体的態様は、印刷物の画像中に含ませる潜在情報が特定の照明条件下では鮮明に現れ、通常の照明条件下においては感知されにくくすることが可能な技術を提供することを目的の1つとする。
本発明に係る一態様の印刷物は、(a)基材と、(b)前記基材の一面側に設けられた可視情報層と、(c)複数の微粒子を含有し、前記可視情報層を覆って設けられた再帰反射層と、(d)前記再帰反射層の一部を覆ってそれ以外の部分を露出させるように設けられた透光性のメジウム層を含み、(e)前記可視情報層は、前記再帰反射層によって概ね全体を覆われており、(f)前記再帰反射層は、前記可視情報層のうち前記複数の微粒子の何れとも重ならない部分の割合が前記可視情報層全体の半分以上となるように前記複数の微粒子の相互間に隙間を有している、印刷物である。
本発明に係る他の態様の印刷物は、(a)基材と、(b)複数の微粒子を含有し、前記基材の一面側に設けられた再帰反射層と、(c)前記再帰反射層の一部を覆ってそれ以外の部分を露出させるように設けられた透光性のメジウム層と、(d)前記再帰反射層の少なくとも一部と前記メジウム層を覆って設けられた可視情報層を含む、印刷物である。
本発明に係る他の態様の印刷物は、(a)基材と、(b)複数の微粒子を含有し、前記基材の一面側に設けられた再帰反射層と、(c)前記再帰反射層の少なくとも一部を覆って設けられた可視情報層と、(d)前記再帰反射層の一部を覆ってそれ以外の部分を露出させるように設けられた透光性のメジウム層を含む、印刷物である。
上記構成によれば、印刷物の画像中に含ませる潜在情報が特定の照明条件下では鮮明に現れ、通常の照明条件下においては感知されにくくすることが可能となる。
図1は、第1実施形態の印刷物の構造を模式的に示す断面図である。 図2は、再帰反射作用について説明するための図である。 図3は、再帰反射作用を抑制する原理について説明するための図である。 図4は、再帰反射作用を抑制する原理について説明するための図である。 図5は、第2実施形態の印刷物の構造を模式的に示す断面図である。 図6は、第2実施形態の変形例の印刷物の構造を模式的に示す断面図である。 図7は、第3実施形態の印刷物の構造を模式的に示す断面図である。 図8は、第3実施形態の変形例の印刷物の構造を模式的に示す断面図である。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態の印刷物の構造を模式的に示す断面図である。図1に示す印刷物は、通常照明下において人間が肉眼で感知できる文字や図柄等の可視情報と、カメラによるフラッシュ光を用いた撮影などの特定状況下においてのみ表れる文字や図柄等である潜在情報を含んだ印刷物であり、基材10、可視情報層12、再帰反射層14、メジウム層18を含んで構成されている。
基材10は、例えば紙などの印刷用媒体である。なお、可視情報層12等を保持できる限り、基材10として用いることができる媒体は紙に限定されない。例えば、各種の布地、木材、金属材、樹脂材、ガラスなど種々の素材からなる媒体を基材10として用いることができる。
可視情報層12は、基材10の一面側に設けられている。この可視情報層12は、例えば文字、図柄、イラストなど種々の情報を形成するものであり、人間の肉眼によって感知できるものである。可視情報層12は、例えば乱反射性を有する染料、顔料等を用いて、インクジェット法、オフセット印刷法など種々の印刷法によって基材10の一面側に印刷される。
再帰反射層14は、入射光をその入射方向へ反射させる光学作用である再帰反射作用を生じるものであり、可視情報層12の概ね全体を覆って設けられている。この再帰反射層14は、多数の微粒子16を含んだ再帰反射材料を用いて形成されている。
複数の微粒子16は、例えば各々が球状体であるガラスビーズであり、各微粒子16のそれぞれの少なくとも一部分が再帰反射層14の上面側に露出している。本実施形態では、複数の微粒子16は、図示のように、可視情報層12のうち各微粒子16のいずれとも重ならない部分の割合が可視情報層12全体の半分以上となるように相互間に隙間を生じるようにして設けられている。
メジウム層18は、透光性の材料を用いて形成されており、再帰反射層14の一部を覆ってそれ以外の部分を露出させるように設けられている。このメジウム層18は、例えばアクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂などの樹脂を主成分として含んだ溶剤を用いて形成することができる。なお、「透光性の材料」は、必ずしも無色透明ではなくてもよく、特定の色味を帯びつつ光を透過するものであってもよい。
このような第1実施形態の印刷物は、日光や照明光など通常の照射条件下においては可視情報層12が再帰反射層14を透過し、人間の肉眼によって感知することができる状態となる。また、カメラのフラッシュ光など特定の照明条件下では、再帰反射層14のメジウム層18に覆われずに露出した部分において再帰反射を生じることによってこの部分が顕在化し、再帰反射層14のメジウム層18に覆われた部分は再帰反射の作用が抑制させて顕在化しない状態となる。このため、再帰反射層14を露出させる部分を所望の形状とし、それ以外の部分をメジウム層18で覆うことにより、露出させる部分を用いて潜在情報を形成することができる。以下においてその原理を詳細に説明する。
図2は、再帰反射作用について説明するための図である。ここでは、再帰反射層14に含まれる微粒子16がガラスビーズなど球状の透明体であるとし、この透明体の屈折率n2が空気(air)の屈折率n1(≒1.0)よりも大きいものとする。このとき、空気中から微粒子16に入射した光は、微粒子16の表面(空気と微粒子16との界面)のある一点において屈折して微粒子16の内部へ進行する。そして、この光は、進行方向にある微粒子16の表面の一点において入射角と等しい角度の出射角で反射し、微粒子16の表面のある一点へ進行する。そして、微粒子16の表面のある一点へ進行した光は、この一点において屈折して微粒子16の外部である空気中へ進行する。このとき、図示のように出射する光は元々の入射方向へ向かって進行する。すなわち、微粒子16に入射する光は同じ方向へ反射されて戻ることになる。このような光学作用を再帰反射作用という。
なお、微粒子16の屈折率n2の値によっては微粒子16の外側に反射手段が必要となる場合もあり得るが、その場合には、例えば微粒子16の表面に薄い金属膜を形成しておくか、あるいは再帰反射層14の中に微細な反射材(例えばアルミニウム粒子)を含有させておけばよい。
図3は、再帰反射作用を抑制する原理について説明するための図である。ここでも、再帰反射層14に含まれる微粒子16がガラスビーズなど球状の透明体であるとし、メジウム層18がこの微粒子16の表面形状に沿って膜状に形成されているものとする。また、微粒子16の屈折率n2、メジウム層18の屈折率n3がともに空気(air)の屈折率n1(≒1.0)よりも大きく、かつn2とn3が等しいものとする。
このとき、空気中から微粒子16に向かって入射する光は、まず微粒子16の表面に存在するメジウム層18の表面(空気との界面)のある一点において屈折してメジウム層18の内部へ進行し、微粒子16の表面(メジウム層18との界面)の一点へ進む。このとき、微粒子16とメジウム層18の各々の屈折率に差がないため、微粒子16とメジウム層18との界面に入射する光には屈折が生じない。このため、この光は、メジウム層18における入射角を保ったまま、その進行方向にある微粒子16の表面の一点において入射角と等しい角度の出射角で反射し、微粒子16の表面のある一点へ進行する。
微粒子16の表面のある一点へ進行した光は、上記の通り微粒子16とメジウム層18の界面においては屈折が生じないためにそのまま進行し、メジウム層18と空気との界面まで進行する。そして、メジウム層18の表面の一点において屈折して微粒子16の外部である空気中へ進行する。このとき、図示のように光はその入射方向へ向かって進行するものの、メジウム層18を設けない場合の光路(点線)に比べて幅Lの差を生じることになる。つまり、入射光の戻る位置がメジウム層18を設けていない部分と比べて異なることになる。この効果は、原理上、メジウム層18の層厚bを大きくするほど強く得られるので、微粒子16の粒子径aとの関係や製造のしやすさなどを考慮しつつ層厚bを設定するとよい。
このような原理により、例えばカメラによってフラッシュ光を用いて本実施形態の印刷物を撮影した場合には、メジウム層18が設けられずに再帰反射層14が露出した部分ではフラッシュ光が再帰反射することにより潜在情報を出現させ、かつメジウム層18が設けられていない部分ではフラッシュ光による反射光の戻り位置をずらすことでカメラへ反射光を入射しにくくすることで、潜在情報をより鮮明にすることが可能となる。
図4は、再帰反射作用を抑制する原理について説明するための図である。ここでは、再帰反射層14に含まれる微粒子16がガラスビーズなど球状の透明体であるとし、メジウム層18がこの微粒子16の表面形状に沿って膜状に形成されているものとする。また、微粒子16の屈折率n2、メジウム層18の屈折率n3がともに空気(air)の屈折率n1(≒1.0)よりも大きく、かつn2よりもn3が小さい(n3<n2)であるものとする。
この場合にも、基本的な光の挙動は、微粒子16とメジウム層18の界面においても屈折が生じる点を除いては上記図3にて説明したものと同様となるのでここでは詳細な説明を省略する。微粒子16の屈折率n2よりもメジウム層18の屈折率n3が小さい場合には、図示のように、n2=n3である場合に比べて、空気とメジウム層18との界面における入射角が相対的に小さくなる分だけ出射光における光路の差Lが小さくなる。なお、図示を省略するが、n2<n3の場合にも同様である。
このことから、メジウム層18の屈折率n3と微粒子16の屈折率n2の差は小さいほど好ましく、同じであることが好ましい。なお、実際の製造時においてn2とn3を全く同じにすることは困難であるため、n3がn2±0.05程度の範囲内であれば実質的に同じと考えてよい。
次に、第1実施形態の印刷物を製造する方法の一例について詳細に説明する。
まず、基材10を用意する。基材10としては、上記のように各種の布地、木材、金属材、樹脂材、ガラスなど種々の素材からなる媒体を用いることができる。可視情報層12を印刷することを考慮すると、印刷面がある程度平坦であることが好ましい。基材10は可撓性を有するものであってもよい。
次に、基材10の一面側に可視情報層12を形成する。可視情報層12の形成には、例えばインクジェット法、オフセット印刷法など種々の印刷法を用いることができる。可視情報層12の図案の内容については特に限定されず、モノクロ表現物であってもよいしカラー表現物であってもよい。
次に、基材10の可視情報層12の一面の全体に再帰反射層14を形成する。再帰反射層14の形成には、例えばシルクスクリーン印刷法を用いることができる。可視情報層12の一面に塗布された再帰反射材料を適宜、熱処理を行うなどによって乾燥させることにより、再帰反射層14が得られる。再帰反射層14の層厚は、例えば0.05mm〜2.0mm程度とすることが好適である。再帰反射材料を複数回塗布して再帰反射層14を形成することも好ましい。
次に、再帰反射層14の上側にメジウム層18を形成する。ここでは、例えばシルクスクリーン印刷法を用いて、アクリル樹脂などを主成分とするメジウム材料を再帰反射層14の一部のみに選択的にメジウム層18を塗布し、それ以外の部分、すなわち潜在情報を形成する部分は再帰反射層14が露出するようにする。その後、塗布メジウム材料を適宜、熱処理を行うなどによって乾燥させることにより、メジウム層18が得られる。メジウム層18の層厚は、例えば数μm〜数十μmとすることが好適である。
以上により、第1実施形態の印刷物が完成する(図1参照)。
ここで、再帰反射層14の形成に用いる再帰反射材料としては、例えば株式会社小松プロセス社製の商品名「ニンジャインク」と称される再帰反射材料などを用いることができる。具体的には、再帰反射材料は、例えば、多数のガラスビーズ、接着用樹脂、反射鏡として機能する微粒子である多数のマイカを含み、マイカの粒子径がガラスビーズの粒子径よりも小さく、かつ、インキ組成物全体の固形分100重量%に対するガラスビーズが30〜85重量%、マイカの含有量が5〜25重量%であって、ガラスビーズの含有量がマイカの含有量よりも多いというものである(特許第4132388号公報参照)。また、再帰反射材料には、顔料または染料からなる色素が含まれていてもよい。
また、上記の再帰反射材料において、ガラスビーズの粒子径(平均粒子径)は20〜300μm(好ましくは75〜110μm)、マイカの粒子径(平均粒子径)は1〜150μm(好ましくは20〜40μm)の範囲が好適である。また、ガラスビーズの屈折率は1.5〜2.5の範囲が好ましく、1.9〜2.3の範囲がさらに好ましい。また、この再帰反射材料をシルクスクリーン印刷法によって形成する際のスクリーンのメッシュカウントは、例えば60〜135メッシュが好ましく、80〜120メッシュがさらに好ましい。また、スキージゴムは60°〜70°の硬度のものを使用することが好ましい。
また、メジウム層18の形成に用いるメジウム材料としては、例えば、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、酢酸ビニル樹脂等の樹脂を材料全体の15〜30重量%含むようにして、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、イソプロピルアルコール、ブタノール等の溶剤に溶かしたものを用いることが好ましい。なお、これらに加えて、助剤として、安定剤、参加防止剤、帯電防止剤等が含まれていてもよい。さらに、メジウム材料には、シリカなどのマット材(つや消し材)が含まれていてもよい。その場合に、マット材の含有量は、例えば、メジウム材料の全体重量に対して1〜10重量%(好ましくは3〜5重量%)程度とすることが好ましい。なお、メジウム材料として無機材料を用いてもよい。
例えば、アクリル樹脂を用いてメジウム層18を形成した場合には、1.49〜1.53程度の屈折率が得られる。また、ポリアミド樹脂を用いてメジウム層18を形成した場合には、1.53程度の屈折率が得られる。このため、再帰反射層14の微粒子16として1.5程度の屈折率を有するガラスビーズを用いることにより、微粒子16の屈折率n2とメジウム層18の屈折率n3を実質的に同じにすることができる。
<第2実施形態>
図5は、第2実施形態の印刷物の構造を模式的に示す断面図である。図5に示す印刷物は、上記した第1実施形態の印刷物と同様に、人間が肉眼で感知できる文字や図柄等の可視情報と、カメラによるフラッシュ光を用いた撮影などの特定状況下においてのみ画像中に表れる潜在情報を含んだ印刷物であり、基材10、可視情報層12a、再帰反射層14a、メジウム層18aを含んで構成されている。第1実施形態の印刷物との主な相違点は可視情報層、再帰反射層およびメジウム層の配置(積層順)であり、それ以外の諸条件については共通であるので、以下では主に相違点のみを説明する。
再帰反射層14aは、再帰反射作用を生じるものであり、基材10の一面側に設けられている。メジウム層18aは、透光性の材料を用いて形成されており、再帰反射層14aの一部を覆ってそれ以外の部分を露出させるように設けられている。可視情報層12aは、再帰反射層14aおよびメジウム層18aを覆って設けられている。
なお、図5に示す印刷物では、可視情報層12aが再帰反射層14aの全体を覆っているが、図6に示すように、再帰反射層14aに含有される複数の微粒子16を露出させてそれ以外の部分を覆い、かつメジウム層18aを覆うようにして可視情報層12bが設けられていてもよい。
このような第2実施形態の印刷物は、日光や照明光など通常の照射条件下においては可視情報層12a(又は12b)のみが人間の肉眼によって感知することができる状態となる。また、カメラのフラッシュ光など特定の照明条件下では、可視情報層12aを透過した光が再帰反射層14aのメジウム層18aに覆われずに露出した部分において再帰反射を生じることによってこの部分が顕在化し、再帰反射層14aのメジウム層18aに覆われた部分は再帰反射の作用が抑制されて顕在化しない状態となる。その原理は第1実施形態において説明した通りである(図3、図4参照)。このため、再帰反射層14aのメジウム層18aに覆われずに露出させる部分を所望の形状とし、それ以外の部分をメジウム層18aで覆うことにより、露出部分を用いて潜在情報を形成することができる。
次に、第2実施形態の印刷物を製造する方法の一例について詳細に説明する。なお、好適な材料や諸条件などは基本的に第1実施形態の場合と共通するため、それら事項については説明を割愛する。
まず、基材10を用意し、この基材10の一面の全体に再帰反射層14aを形成する。再帰反射層14aの形成には、例えばシルクスクリーン印刷法を用いることができる。次に、再帰反射層14aの上側に、例えばシルクスクリーン印刷法を用いてメジウム層18aを形成する。次に、再帰反射層14aおよびメジウム層18aの上側に、例えばインクジェット法、オフセット印刷法など種々の印刷法によって可視情報層12a(または12b)を形成する。以上により、第2実施形態の印刷物が完成する(図5、図6参照)。
<第3実施形態>
図7は、第3実施形態の印刷物の構造を模式的に示す断面図である。図7に示す印刷物は、上記した第1実施形態あるいは第2実施形態の印刷物と同様に、人間が肉眼で感知できる文字や図柄等の可視情報と、カメラによるフラッシュ光を用いた撮影などの特定状況下においてのみ画像中に表れる潜在情報を含んだ印刷物であり、基材10、可視情報層12c、再帰反射層14c、メジウム層18cを含んで構成されている。第1実施形態あるいは第2実施形態の印刷物との主な相違点は可視情報層、再帰反射層およびメジウム層の配置(積層順)であり、それ以外の諸条件については共通であるので、以下では主に相違点のみを説明する。
再帰反射層14cは、再帰反射作用を生じるものであり、基材10の一面側に設けられている。可視情報層12cは、再帰反射層14cを覆って設けられている。メジウム層18cは、透光性の材料を用いて形成されており、再帰反射層14cおよび可視情報層12cの一部を覆ってそれ以外の部分を露出させるように設けられている。
なお、図7に示す印刷物では、可視情報層12cが再帰反射層14cの全体を覆っているが、図8に示すように、再帰反射層14cに含有される複数の微粒子16を露出させるようにして可視情報層12dが設けられていてもよい。
このような第3実施形態の印刷物は、日光や照明光など通常の照射条件下においては可視情報層12c(又は12d)が人間の肉眼によって感知することができる状態となる。また、カメラのフラッシュ光など特定の照明条件下では、可視情報層12cを透過した光が再帰反射層14cのメジウム層18cに覆われない部分において再帰反射を生じることによってこの部分が顕在化し、再帰反射層14cのメジウム層18cに覆われた部分は再帰反射の作用が抑制されて顕在化しない状態となる。その原理は、メジウム層18cと再帰反射層14cの間に可視情報層12cが介在するものの基本的に第1実施形態において説明した通りである(図3、図4参照)。このため、再帰反射層14cのメジウム層18cに覆われない部分を所望の形状とし、それ以外の部分をメジウム層18cで覆うことにより、露出部分を用いて潜在情報を形成することができる。
次に、第3実施形態の印刷物を製造する方法の一例について詳細に説明する。なお、好適な材料や諸条件などは基本的に第1実施形態の場合と共通するため、それら事項については説明を割愛する。
まず、基材10を用意し、この基材10の一面の全体に再帰反射層14cを形成する。再帰反射層14cの形成には、例えばシルクスクリーン印刷法を用いることができる。次に、再帰反射層14cの上側に、例えばインクジェット法、オフセット印刷法など種々の印刷法によって可視情報層12c(または12d)を形成する。次に、再帰反射層14cおよび可視情報層12c(または12d)の上側に、例えばシルクスクリーン印刷法を用いてメジウム層18cを形成する。以上により、第3実施形態の印刷物が完成する(図7、図8参照)。
以上のように、上記した各実施形態によれば、印刷物の画像中に含ませる潜在情報が特定の照明条件下では鮮明に現れ、通常の照明条件下においては感知されにくくすることができる。
すなわち、再帰反射層について潜在情報を形成したい部分だけではなくそれ以外の部分にも広く設けることで、潜在情報を形成したい部分だけ選択的に再帰反射層を設ける場合に比べて再帰反射層の有無による差がなくなるので、潜在情報の存在を肉眼で感知しにくくすることができる。それにより、再帰反射層の層厚を必要十分に確保することができるようになるので、フラッシュ光などの特定条件下における潜在情報が鮮明に現れるようにすることができる。また、再帰反射層による再帰反射作用を部分的に抑制するためのメジウム層が透光性であり、通常の照明条件下においてこのメジウム層の存在も感知されにくいので、結果として潜在情報の存在も感知されにくい。
なお、本発明は上記した実施形態の内容に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々に変形して実施をすることが可能である。例えば上記した各実施形態では、再帰反射層に含まれる微粒子の例としてガラスビーズを挙げていたが、微粒子は三角プリズムであってもよい。
10:基材
12、12a、12b、12c、12d:可視情報層
14、14a、14c:再帰反射層
16:微粒子
18、18a、18c:メジウム層

Claims (8)

  1. 基材と、
    前記基材の一面側に設けられた可視情報層と、
    複数の微粒子を含有し、前記可視情報層を覆って設けられた再帰反射層と、
    前記再帰反射層の一部を覆ってそれ以外の部分を露出させるように設けられた透光性のメジウム層と、
    を含み、
    前記可視情報層は、前記再帰反射層によって概ね全体を覆われており、
    前記再帰反射層は、前記可視情報層のうち前記複数の微粒子の何れとも重ならない部分の割合が前記可視情報層全体の半分以上となるように前記複数の微粒子の相互間に隙間を有している、印刷物。
  2. 基材と、
    複数の微粒子を含有し、前記基材の一面側に設けられた再帰反射層と、
    前記再帰反射層の一部を覆ってそれ以外の部分を露出させるように設けられた透光性のメジウム層と、
    前記再帰反射層の少なくとも一部と前記メジウム層を覆って設けられた可視情報層と、
    を含む、印刷物。
  3. 基材と、
    複数の微粒子を含有し、前記基材の一面側に設けられた再帰反射層と、
    前記再帰反射層の少なくとも一部を覆って設けられた可視情報層と、
    前記再帰反射層の一部を覆ってそれ以外の部分を露出させるように設けられた透光性のメジウム層と、
    を含む、印刷物。
  4. 前記再帰反射層は、前記複数の微粒子の相互間に隙間を有している、
    請求項2又は3に記載の印刷物。
  5. 前記メジウム層の屈折率が空気の屈折率よりも大きい、
    請求項1〜の何れか1項に記載の印刷物。
  6. 前記メジウム層の屈折率が前記再帰反射層の前記複数の微粒子の屈折率と実質的に等しい、
    請求項1〜の何れか1項に記載の印刷物。
  7. 前記メジウム層の屈折率が前記再帰反射層の前記複数の微粒子の屈折率よりも小さい、
    請求項1〜の何れか1項に記載の印刷物。
  8. 前記メジウム層は、前記複数の微粒子の各々の表面と接する部分において当該表面の形状に沿った膜状に設けられている、
    請求項1〜7の何れか1項に記載の印刷物。
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