JP6061609B2 - 汚染土壌の浄化方法及び浄化装置 - Google Patents

汚染土壌の浄化方法及び浄化装置 Download PDF

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本発明は、汚染土壌の浄化方法及び浄化装置に関する。
特許文献1には、汚染物質によって汚染され地下水位よりも下部にある汚染域近傍に注水する注水井戸を設けるとともに、注水井戸からの注入水が汚染域を経由するように揚水井戸設け、揚水井戸から汲み上げた地下水を水処理システムによって浄化する汚染土壌の原位置浄化装置が記載されている。そして、この先行技術には、注入水に弱酸性物質または弱アルカリ性物質を混入して、重金属等の注入水への溶出を促進させる技術が開示されている。
特許文献2には、重金属含有水田土壌を薬剤水溶液で洗浄した後、水で洗浄する原位置浄化方法が記載されている。そして、この先行技術には、耕盤から水面までの深さが35cm以上になるように、薬剤水溶液又は水を加えて洗浄する技術が開示されている。
しかし、上記従来技術は、汚染土壌から重金属類を効率的に除去して汚染土壌を浄化する点で改善の余地がある。
特開2004−330084号公報 特開2007−301491号公報
本発明は、上記事実に鑑み、汚染土壌から重金属類を効率的に除去することが課題である。
請求項1の発明は、重金属類が吸着した土粒子及びコロイドを分散させる分散剤を含む水を帯水層に存在する汚染土壌に注水井戸から注水する注水工程と、前記汚染土壌に注水され、前記重金属類が吸着した前記土粒子及び前記コロイドが分散した前記帯水層の水を、前記注水井戸と間隔をあけて設けられた揚水井戸で汲み上げて回収する回収工程と、を備える。
請求項1に記載の発明では、重金属類が吸着した土粒子及びコロイドを分散する分散剤を含む水を帯水層に存在する汚染土壌に注水井戸から注水する。汚染土壌に注水された水に含まれる分散剤によって、汚染土壌から重金属類が吸着した土粒子及びコロイドが分離し水に分散する。そして、重金属類が吸着した土粒子及びコロイドが分散した帯水層の水を、注水井戸と間隔をあけて設けられた揚水井戸で汲み上げて回収することで、汚染土壌から重金属類が除去される。
請求項2の発明は、前記分散剤は、アクリル酸系重合物、ポリカルボン酸塩、フミン酸ソーダ、リグニンスルフォン酸ソーダ、ヘキサメタりん酸ナトリウム、ピロリん酸ナトリウム、及びトリポリりん酸ナトリウムの少なくとも一種を含む。
請求項2に記載の発明では、アクリル酸系重合物、ポリカルボン酸塩、フミン酸ソーダ、リグニンスルフォン酸ソーダ、ヘキサメタりん酸ナトリウム、ピロリん酸ナトリウム、及びトリポリりん酸ナトリウムで、重金属類が吸着した土粒子又はコロイドを液中に分散させることで分離回収するので、酸やアルカリを用いて重金属類を溶出させて回収する場合と比較して、土壌のpHの変化が抑制され、分離された重金属類の回収が容易である点で、環境負荷がより抑制される。なお、アクリル酸系重合物は中性から弱アルカリ性であり、土壌のpHの変化を小さくする観点からは、アクリル酸系重合物が望ましい。
請求項3の発明は、前記重金属類は、砒素、セレン、ふっ素、六価クロム、ホウ素、鉛、水銀、シアン、及びカドミウムの少なくとも一種を含む。
請求項3に記載の発明では、砒素、セレン、ふっ素、六価クロム、ホウ素、鉛、水銀、シアン、及びカドミウムの少なくとも一種を含む汚染土壌を効果的に浄化することができる。
請求項4の発明は、前記汚染土壌に注水された前記水に振動を与える振動工程を備える。
請求項4に記載の発明では、水に振動を与えることで、汚染土壌から重金属類が吸着した土粒子及びコロイドの水への分散が促進される。
請求項5の発明は、重金属類が吸着した土粒子及びコロイドを分散させる分散剤を含む水を帯水層に存在する汚染土壌に注水する注水井戸と、前記注水井戸と間隔をあけて設けられ、前記汚染土壌に注水され、前記重金属類が吸着した前記土粒子及び前記コロイドが分散した前記帯水層の水を汲み上げる揚水井戸と、を備える。
請求項5に記載の発明では、重金属類が吸着した土粒子及びコロイドを分散する分散剤を含む水を帯水層に存在する汚染土壌に注水井戸で注水する。汚染土壌に注水された水に含まれる分散剤によって、汚染土壌から重金属類が吸着した土粒子及びコロイドが分離し水に分散する。そして、重金属類が吸着した土粒子及びコロイドが分散した帯水層の水を、注水井戸と間隔をあけて設けられた揚水井戸で汲み上げて回収することで、汚染土壌から重金属類が除去される。
請求項6の発明は、前記分散剤は、アクリル酸系重合物、ポリカルボン酸塩、フミン酸ソーダ、リグニンスルフォン酸ソーダ、ヘキサメタりん酸ナトリウム、ピロリん酸ナトリウム、及びトリポリりん酸ナトリウムの少なくとも一種が含まれる。
請求項6に記載の発明では、アクリル酸系重合物、ポリカルボン酸塩、フミン酸ソーダ、リグニンスルフォン酸ソーダ、ヘキサメタりん酸ナトリウム、ピロリん酸ナトリウム、及びトリポリりん酸ナトリウムで、重金属類が吸着した土粒子又はコロイドを液中に分散させることで分離回収するので、酸やアルカリを用いて重金属類を溶出させて回収する場合と比較して、土壌のpHの変化が抑制され、分離された重金属類の回収が容易である点で、環境負荷がより抑制される。なお、アクリル酸系重合物は中性から弱アルカリ性であり、土壌のpHの変化を小さくする観点からは、アクリル酸系重合物が望ましい。
請求項7の発明は、前記重金属類は、砒素、セレン、ふっ素、六価クロム、ホウ素、鉛、水銀、シアン、及びカドミウムの少なくとも一種が含まれる。
請求項7に記載の発明では、砒素、セレン、ふっ素、六価クロム、ホウ素、鉛、水銀、シアン、及びカドミウムの少なくとも一種を含む汚染土壌を効果的に浄化することができる。
請求項8の発明は、前記汚染土壌に注水された前記水に振動を与える振動手段を備える。
請求項8に記載の発明では、振動手段によって水に振動を与えることで、汚染土壌から重金属類が吸着した土粒子及びコロイドの水への分散が促進される。
本発明によれば、汚染土壌から重金属類を効率的に除去することができる。
本発明の実施形態にかかる浄化装置を示す模式図である。 土粒子及びコロイドに砒素が付着している状態を示す概念図である。 分散剤の仕様を記載した表である。 揚水井戸から汲み上げられた汚染水(地下水)の砒素濃度及び砒素回収累積量を示すグラフである。 土粒子及びコロイドに砒素が付着していることを確認する実験を(A)〜(E)に順番に示す説明図である。 分散剤による砒素の除去効果を確認する実験を説明する説明図である。 図6に示す実験の結果を示すグラフである。
本発明の一実施形態にかかる汚染土壌の浄化方法及び浄化装置について説明する。
[土壌]
図1に示すように、地盤10における地下水18の水位Sの上側は砂やシルト等で構成された透水層12となっている。また、地盤10における地下水位Sの下側は土粒子50及びコロイド52(図2参照)や礫を含んで構成された帯水層14となっている。なお、本実施形態の帯水層14の透水性は、10−4cm/秒以上とされている。
帯水層14には、重金属類である砒素60(図2を参照)を含む汚染土壌20が存在する。なお、汚染土壌20は、地表から約3m〜5m程度の深度に形成されている。また、汚染土壌20の下は、比較的透水性が低い非汚染土壌15となっている。なお、非汚染土とは、汚染物質(本実施形態では砒素60)に関する土壌環境基準に適合する土壌である。
図2に示すように、汚染土壌20中において、汚染土壌20に含まれる砒素60は、微細な土粒子50及びコロイド52に吸着している。なお、砒素60はイオン化することで負の電荷を持ち、微細な土粒子50及びコロイド52はこれらに含まれる鉄がイオン化することで正の電荷を持っている。そして、負の電荷を持つ砒素60が正の電荷を持つ土粒子50及びコロイド52に電気的に吸着している。
[浄化装置]
図1に示すように本実施形態の浄化装置100は、注水井戸110と、汚染土壌20から地下水18を汲み上げる揚水井戸120と、汚染土壌20の地下水18に振動を与える振動装置130と、を備えている。なお、図1では、注水井戸110の両側に間隔をあけて、それぞれ揚水井戸120が設けられている。しかし、この図1の配置は一例であって、この構成に特定されるものではない。
注水井戸110は、微細な土粒子50及コロイド52(図2参照)を地下水18に分散させる分散剤を含む水80(以降「洗浄水80」と記す場合がある)を汚染土壌20に注水する。
なお、本実施形態の分散剤は、中性から弱アルカリ性のアクリルアミド系のアクリル酸系重合物を用いている。具体的には、(株)テルナイト製の「テルフローE」を用いている。なお、テルフローEの詳細を図3に示す。
図1に示すように、注水井戸110及び揚水井戸120は、それぞれ下端部110A,120Aが、汚染土壌20の下の非汚染土壌15に達するように設けられている。また、注水井戸110から注入した洗浄水80が汚染土壌20を経由するように揚水井戸120が設けられている。
注水井戸110及び揚水井戸120における汚染土壌20の深度に対応する位置には、それぞれ編目状のスクリーン112,122が設けられている。そして、注水井戸110のスクリーン112から洗浄水80を汚染土壌20に吐出すると共に、揚水井戸120のスクリーン120から地下水18を吸入する。また、スクリーン112,122を設けることで、注水井戸110及び揚水井戸120への土壌の侵入が防止される。
振動装置130は、鋼製のパイプ132と振動源134とを含んで構成されている。パイプ132は、注水井戸110と揚水井戸120との間に設けられ、下端部132Aが汚染土壌20の下の非汚染土壌15に達するように埋設されている。
地上に突出した上端部132Bを振動源134によって振動させることでパイプ132全体が振動する。そして、このパイプ32の振動が汚染土壌20の地下水18に伝達され、地下水18が振動する。
なお、振動装置130は、このような構成に限定されるものではない。汚染土壌20の地下水18に振動を与え地下水18が振動することができれば、どのような構成の装置であってもよい。
[浄化方法]
注水井戸110から図示していないポンプによって洗浄水80を汚染土壌20に注水する。汚染土壌20に注水された洗浄水80に含まれる分散剤(図3参照)によって、汚染土壌20における砒素60が吸着した状態の土粒子50及びコロイド52(図2参照)が分離し、地下水18に分散する。
別の観点から説明すると、土粒子50及びコロイド52から砒素60を分離して地下水18に抽出させるのではなく、砒素60が吸着した土粒子50及びコロイド52を地下水18に分散させて地下水18に砒素60を抽出させている。
また、このとき振動装置130のパイプ132を振動させることで、地下水18が振動し、これにより土粒子50及びコロイド52の地下水18への分散が促進される。
そして、砒素60(図2参照)が吸着した土粒子50及びコロイド52が分散した地下水18(汚染水19)を揚水井戸120から図示していないポンプで汲み上げて回収することで、汚染土壌20から砒素60(図2参照)が除去される。
なお、揚水井戸120が回収した砒素60が吸着した土粒子50及びコロイド52が分散した汚染水19は、別の場所に設けた凝集沈殿処理施設等で処理する。なお、現地で汚染水19から砒素60を除去する処理を行って地盤10に注水して戻してもよい。
<作用及び効果>
つぎに本実施形態の作用及び効果について説明する。
砒素60が吸着した土粒子50及びコロイド52(図2参照)を地下水18に分散させ、地下水18(汚染水19)を回収することで、例えば土粒子50及びコロイド52から砒素60を分離して地下水18に抽出させる場合と比較し、汚染土壌20から砒素60が効果的に除去される。
また、振動装置130で地下水18に振動を与えることで、汚染土壌20の砒素60が吸着した土粒子50及びコロイド52の地下水18への分散が促進され、この結果、汚染土壌20から砒素60が更に効果的に除去される。
また、分散剤(図3参照)として、アクリル酸系重合物を使用することで、地盤10のpHの変化を小さくすることができる。
別の観点から説明すると、砒素60が吸着した土粒子50やコロイド52を分散剤にて分散させることで分離回収するので、酸やアルカリを用いて砒素60を溶出させて回収する場合と比較して、地盤10のpHの変化が抑制され、分離された砒素60の回収が容易である点で、環境負荷がより抑制される。
[汚染土壌の浄化結果]
つぎに、地盤10の汚染土壌20から砒素60が除去され浄化されたことを確認した結果について説明する。
図4には、揚水井戸120で汲み上げられた汚染水19(図1参照)の砒素60(図2参照)の濃度と砒素60の回収量累計とを示すグラフが図示されている。なお、(A)のグラフは一方の揚水井戸120が汲み上げた汚染水19の結果であり、(B)は他方の揚水井戸120が汲み上げた汚染水19の結果である。また、横軸は時間経過(週)を示している。
そして、この図4に示されているグラフから、約9週間目で汚染水19(地下水18)の砒素の濃度がほぼ0(ゼロ)となると共に、累積回収量が飽和している。つまり、本発明で除去可能な汚染土壌20の砒素60の除去が完了したことが判る(浄化完了後の土壌を採取し、分析を行った結果、土壌環境基準を満たしていたことから、浄化が完了したことが判る)。
[土粒子及びコロイドに砒素が吸着していることの検証実験]
つぎに、汚染土壌20に含まれる砒素60が微細な土粒子50及びコロイド52に吸着していることを確認した実験の結果について説明する。
実験は、平成15年環境省告示第18号に準拠し、ろ液(環告18号に基づく検液)の作成と測定を行った。具体的には、下記手順で行った。
図5(A)に示すように、汚染土壌20を採取して風乾させ、非金属製の2mmのふるい150を通過させる。
図5(B)に示すように、ふるいをかけた土壌20Aと溶媒152とを重量体積比10%の割合で混合する。なお、溶媒152は、純水に塩酸を加え、水素イオン濃度指数が5.8以上で6.3以下となるようにしたものである。
図5(C)に示すように、土壌20Aと溶媒152との混合物22を、常温・常圧において、振とう幅4〜5cmの毎分200回の条件で6時間連続振とうさせる。
図5(D)に示すように、更に、混合物22を毎分3000回転で20分間遠心分離する。
図5(E)に示すように、遠心分離した混合物22の上澄み液を、孔径0.45μmのメンブランフィルター154でろ過する。
このろ過したろ液24が環告18号に基づく検液である。そして、ろ液24(検液)は、0.45μmのメンブランフィルター154を通り抜けた微粒子、すなわち微細な土粒子50及びコロイド52(図2参照)が存在するため濁っている。そして、ろ過した液体24の定量分析を行った結果、砒素濃度が0.019mg/Lであった。また、このろ過した液体24を、更に2時間遠心分離をして、透明となった上澄みの砒素濃度は0.006mg/Lであった。
このように、汚染土壌20からフィルターを通り抜けた0.45μm以下の微粒子、すなわち微細な土粒子50及びコロイド52に砒素60が付着していることが確認された。
[分散剤の効果]
洗浄水80、すなわち分散剤(アクリル酸系重合物((株)テルナイト製の「テルフローE」)の分散作用による砒素60の除去効果の検証実験について説明する。
図6に示すように、実験装置160は、カラム162とポンプ170と液体容器172とを含んで構成されている。カラム162には汚染土壌20が充填されている。また、カラム162における排水側の端部にはグラスウール166が設けられている。液体容器172には洗浄水(分散剤を含む水)80が入れられている。そして、ポンプ170によって、洗浄水80を通水し、グラスウール166を通過して排水された排液中の砒素60(図2参照)の量を測定する。なお、微細な土粒子50及びコロイド52はグラスウール166を通過する。また、比較例として分散剤を含まない水でも同様の実験を行った。
図7に示すグラフに実験結果が示されている。なお、グラフの横軸は通水回数(通水量/土壌の間隙)を示し、縦軸は排液中の砒素の累積量(mg)を示している。そして、このグラフから判るように、洗浄水80の方が水よりも約7倍多く砒素60が除去された。また、目標とする砒素除去量2.1mgを10回の通水でクリアした。なお、この目標とする砒素除去量は、土壌環境基準(0.01mg/L以下)を達成するために必要な量である。
このように、砒素60が吸着した土粒子50及びコロイド52が洗浄水80に分散し排出されることが確認された。また、分散剤を含まない水を通水しても砒素60を排出する効果は低いことが確認された。つまり、洗浄水80、すなわち分散剤(アクリル酸系重合物((株)テルナイト製の「テルフローE」))の分散作用による砒素60の除去効果が、確認された。
また、この実験から、目標とする砒素除去量2.1mgをクリアする通水量とカラム162に充填した汚染土壌20の量とから、現地地盤10における土壌環境基準(0.01mg/L以下)をクリアするために必要な通水量を計算することがきる。
<その他>
尚、本発明は上記実施形態に限定されない。
上記実施形態では、分散剤は、アクリル酸系重合物(図3参照)を用いたが、これに限定されない。ただし、アクリル酸系重合物は中性から弱アルカリ性であり、土壌のpHの変化を小さくすることができる観点からは、アクリル酸系重合物が望ましい。
分散剤としては、土粒子及びコロイドの分散に有用なものであれば、特に制限はないが、ポリカルボン酸及びその塩、フミン酸塩、リグニンスルホン酸塩、ヘキサメタリン酸塩、ピロリン酸塩、及びトリポリリン酸塩などから選択される化合物が挙げられ、塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、炭酸塩などが好ましい。
より具体的には、ヘキサメタリン酸ナトリウム溶液、ピロリン酸ナトリウム溶液、トリポリリン酸ナトリウム溶液などのリン酸塩水溶液が挙げられる。ポリカルボン酸としては、アクリル酸由来のモノマーを含んで構成される重合体、共重合体であるポリアクリル酸及びそのナトリウム塩、カリウム塩など好ましい。
なかでも、ポリカルボン酸塩系の高分子化合物であるポリアクリル酸及びその塩が、水に分散、溶解した場合、中性から弱アルカリ性の性状を示し、土壌のpH変化が、他の分散剤に比較して低く抑えられる点、及び、土粒子に対する吸着性、分散安定性が良好である点などから好ましい。
本発明に使用しうる分散剤は、市販品としても入手可能であり、例えば、ポリカルボン酸系化合物としては、セメント分散剤として公知のテルフローE(商品名:テルナイト社製:ポリカルボン酸/ポリアクリル酸塩複合物)、テルフローMX(商品名:テルナイト社製:ポリカルボン酸炭酸塩)、アロンAKフロー/AKフロー(B)(商品名:AKテクノ社製、ポリカルボン酸塩/重炭酸ソーダ/炭酸ソーダ)、レオフローA−1000(商品名:ライオン社製、ポリカルボン酸系高分子水溶液)、ジオスパーF1、K(商品名:フローリック社製、ポリカルボン酸系高分子化合物、オキシカルボン酸塩)などが挙げられ、これらは本発明に好適に使用しうる。
更に、複数種類の分散剤を含む洗浄水を注水してもよい。
また、上記実施形態では、汚染土壌20に含まれる重金属類は砒素60であり、この砒素60の除去に本発明を適用したが、これに限定されない。例えば、セレン、ふっ素、六価クロム、ホウ素、鉛、水銀、シアン、及びカドミウムの除去にも本発明を適用することができる。また、複数種類の重金属類が含まれる汚染土壌の浄化にも本発明を適用することができる。言い換えると、土粒子及びコロイドに付着した重金属類の浄化に本発明を適用することができる。
また、上記実施形態では振動装置130で地下水18を振動させて、砒素60が吸着した土粒子50及びコロイド52の地下水18への分散を促進させたが、これに限定されない。振動装置130が設けられていなくてもよい(振動装置130の設置は必須ではない)。
更に、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは言うまでもない
10 地盤
20 汚染土壌
50 土粒子
52 コロイド
60 砒素(重金属類の一例)
80 洗浄水(分散剤を含む水)
100 浄化装置
110 注水井戸
120 揚水井戸
130 振動装置(振動手段の一例)

Claims (8)

  1. 重金属類が吸着した土粒子及びコロイドを分散させる分散剤を含む水を帯水層に存在する汚染土壌に注水井戸から注水する注水工程と、
    前記汚染土壌に注水され、前記重金属類が吸着した前記土粒子及び前記コロイドが分散した前記帯水層の水を、前記注水井戸と間隔をあけて設けられた揚水井戸で汲み上げて回収する回収工程と、
    を備える汚染土壌の浄化方法。
  2. 前記分散剤は、アクリル酸系重合物、ポリカルボン酸塩、フミン酸ソーダ、リグニンスルフォン酸ソーダ、ヘキサメタりん酸ナトリウム、ピロリん酸ナトリウム、及びトリポリりん酸ナトリウム、の少なくとも一種を含む、
    請求項1に記載の汚染土壌の浄化方法。
  3. 前記重金属類は、砒素、セレン、ふっ素、六価クロム、ホウ素、鉛、水銀、シアン、及びカドミウムの少なくとも一種を含む、
    請求項1又は請求項2に記載の汚染土壌の浄化方法。
  4. 前記汚染土壌に注水された前記水に振動を与える振動工程を備える、
    請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の汚染土壌の浄化方法。
  5. 重金属類が吸着した土粒子及びコロイドを分散させる分散剤を含む水を帯水層に存在する汚染土壌に注水する注水井戸と、
    前記注水井戸と間隔をあけて設けられ、前記汚染土壌に注水され、前記重金属類が吸着した前記土粒子及び前記コロイドが分散した前記帯水層の水を汲み上げる揚水井戸と、
    を備える浄化装置。
  6. 前記分散剤は、アクリル酸系重合物、ポリカルボン酸塩、フミン酸ソーダ、リグニンスルフォン酸ソーダ、ヘキサメタりん酸ナトリウム、ピロリん酸ナトリウム、及びトリポリりん酸ナトリウム、の少なくとも一種が含まれる、
    請求項5記載の浄化装置。
  7. 前記重金属類は、砒素、セレン、ふっ素、六価クロム、ホウ素、鉛、水銀、シアン、及びカドミウムの少なくとも一種が含まれる、
    請求項5又は請求項6に記載の浄化装置。
  8. 前記汚染土壌に注水された前記水に振動を与える振動手段を備える、
    請求項5〜請求項7のいずれか1項に記載の浄化装置。
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