JP6061119B1 - ココアバター - Google Patents

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Abstract

本発明は、光劣化耐性の弱いココアバターに対して、簡易な方法で光劣化耐性を付与する方法を提供することを課題とする。ホスホリパーゼを使用した脱ガム処理を行うことで、ココアバターに光劣化耐性を付与できる。得られたココアバターを使用してホワイトチョコレートを調製した場合、光劣化が顕著に抑制された。ホスホリパーゼはあらゆる種類を使用することができるが、特にホスホリパーゼA2を使用した場合に、効果が顕著であり、好ましい。

Description

本発明は、ココアバターに関するものである。
ココアバターは比較的安定な油脂である。しかし、その使用態様によっては、強い光に曝された場合に、風味が悪くなる場合がある。
特許文献1には、「ホワイトチョコレートにおいては光に曝されると照射される光エネルギーにより成分変化し、異味が生じ著しく商品価値を下落させ、この解決は従来当業者では非常に難しいとされ、この原因がホワイトチョコレート中の成分である乳成分にあると考えられていた。」旨記載され、その解決手段として、「ロビボンド比色計のY値が20以下の精製ハードバター」を使用する旨記載されている。
特許文献2では、ココアバターを有機酸処理し、有機酸共存下で漂白した後脱臭することを特徴とする、脱臭ココアバターの製造法について記載がある。これにより、経日的な風味劣化が抑制される等の効果がある旨記載されている。
特許文献3には、ホスホリパーゼA1及び/又はA2を用いる脱ガム法についての記載があるが、その目的は、効率的な脱ガムに関するものである。
なお、特許文献4には、ホスホリパーゼA1を使用する油脂の精製方法について記載されている。
特開2006−197830号公報 特開2005−245313号公報 特開平11−228986号公報 特開平11−131089号公報
本発明は、光劣化耐性の弱いココアバターに対して、簡易な方法で光劣化耐性を付与する方法を提供することを課題とする。
本発明者は、課題の解決に向け鋭意検討を行った。
特許文献1の方法では、ココアバター以外のハードバターを使用することを提唱しており、ココアバターを使用する場合の光劣化耐性付与については参考とはならなかった。
特許文献2では、油脂を脱臭する必要があり、煩雑であった。特許文献3及び4では、ホスホリパーゼA1ないしA2を使用する油脂の精製法について記載がある。しかし、このような精製が、ココアバターの光劣化耐性付与に効果がある旨の記載はなかった。
本発明者はさらに検討を行ったところ、ココアバターにホスホリパーゼを作用させ、脱ガム処理を行うことで、得られたココアバターは光劣化耐性を有することを見出し、本発明を完成させた。
即ち本発明は、
(1)ココアバターに対し、ホスホリパーゼを作用させ脱ガムする、光劣化耐性を有するココアバターの製造法、
(2)ホスホリパーゼがホスホリパーゼA2である、(1)記載の光劣化耐性を有するココアバターの製造法、
(3)ココアバターに対し、ホスホリパーゼを作用させ脱ガムする、ココアバターに対する光劣化耐性付与方法、
(4)ホスホリパーゼがホスホリパーゼA2である、(3)記載のココアバターに対する光劣化耐性付与方法、
(5)ココアバターとして、ホスホリパーゼを作用させ脱ガムされたココアバターを含有し、非油成分がカカオ成分を含まない、光劣化耐性を有するチョコレート様食品、
(6)ホスホリパーゼがホスホリパーゼA2である、(5)記載の光劣化耐性を有するチョコレート様食品、
(7)ココアバターとして、ホスホリパーゼを作用させ脱ガムされたココアバターを使用することを特徴とする、非油成分がカカオ成分を含まない光劣化耐性を有するチョコレート様食品の製造法、
(8)ホスホリパーゼがホスホリパーゼA2である、(7)記載の光劣化耐性を有するチョコレート様食品の製造法、
に関するものである。
また換言すれば
(9)ココアバターに対し、ホスホリパーゼを作用させ脱ガムする、光劣化耐性を有するココアバターの製造法、
(10)ホスホリパーゼがホスホリパーゼA2である、(9)記載の光劣化耐性を有するココアバターの製造法、
(11)ホスホリパーゼA2の使用量が、ココアバター1kgに対し500〜200000IUである、(10)記載の製造法、
(12)ホスホリパーゼがホスホリパーゼA1である、(9)記載の光劣化耐性を有するココアバターの製造法、
(13)ホスホリパーゼA1の使用量が、ココアバター1kgに対し500〜200000IUである、(12)記載の製造法、
(14)ココアバターに対し、ホスホリパーゼを作用させ脱ガムする、ココアバターに対する光劣化耐性付与方法、
(15)ホスホリパーゼがホスホリパーゼA2である、(14)記載のココアバターに対する光劣化耐性付与方法、
(16)ホスホリパーゼA2の使用量が、ココアバター1kgに対し500〜200000IUである、(15)記載のココアバターに対する光劣化耐性付与方法、
(17)ホスホリパーゼがホスホリパーゼA1である、(14)記載のココアバターに対する光劣化耐性付与方法、
(18)ホスホリパーゼA1の使用量が、ココアバター1kgに対し500〜200000IUである、(17)記載のココアバターに対する光劣化耐性付与方法、
(19)ココアバターとして、ホスホリパーゼを作用させ脱ガムされたココアバターを含有し、非油成分がカカオ成分を含まない、光劣化耐性を有するチョコレート様食品、
(20)ホスホリパーゼがホスホリパーゼA2である、(19)記載の光劣化耐性を有するチョコレート様食品、
(21)ホスホリパーゼがホスホリパーゼA1である、(19)記載の光劣化耐性を有するチョコレート様食品、
(22)ココアバターとして、ホスホリパーゼを作用させ脱ガムされたココアバターを使用することを特徴とする、非油成分がカカオ成分を含まない、(19)記載の光劣化耐性を有するチョコレート様食品の製造法、
(23)ホスホリパーゼがホスホリパーゼA2である、(22)記載の光劣化耐性を有するチョコレート様食品の製造法、
(24)ホスホリパーゼA2の使用量が、ココアバター1kgに対し500〜200000IUである、(23)記載のチョコレート様食品の製造法、
(25)ホスホリパーゼがホスホリパーゼA1である、(22)記載の光劣化耐性を有するチョコレート様食品の製造法、
(26)ホスホリパーゼA1の使用量が、ココアバター1kgに対し500〜200000IUである、(25)記載のチョコレート様食品の製造法、
に関するものである。
本発明により、ココアバターに対して、簡易な方法で光劣化耐性を付与することが出来る。
本発明で言うココアバターとは、カカオ豆の脂肪分である。一般的には未精製のものが流通する場合が多いが、精製したものも流通する場合がある。本発明では、精製の有無にかかわらず、市販のココアバターを適宜使用することができる。
本発明で言うホスホリパーゼとは、リン脂質に作用する酵素の事である。作用する場所によりA1,A2,B,C,Dが存在するが、本発明ではいずれのホスホリパーゼも使用することが出来る。このうち、A2,A1,Dを使用することが望ましく、特にA2を使用することが好ましい。適当なホスホリパーゼを使用することで、光劣化耐性付与効果が顕著に現れる。
本発明において、各ホスホリパーゼの活性は、以下の様に定義する。
ホスホリパーゼA2及びA1の活性(ユニット:IU)は次のようにして定められる。
基質の大豆レシチンを加水分解したときに生じる遊離脂肪酸を市販の遊離脂肪酸定量試薬キット・デタミナーNEFA755(協和メデックス株式会社製)にて定量する。そして、1分間に1μmolの脂肪酸を遊離する酵素量を1Uとする。
ホスホリパーゼDの活性(ユニット:IU)は次のようにして定められる。
基質のホスファチジルコリンを加水分解したときに生成するコリンを、市販のコリンエステラーゼキット−NC(和光純薬工業株式会社製289−75181)にて定量する。ここで、生成したコリンはキット中のコリンオキシダーゼ、ペルオキシダーゼ等により赤色キノン色素を生成する。そして、1分間に1μmolのコリンを遊離する酵素量を1Uとする。
本発明において、ホスホリパーゼの使用量は、反応温度や反応時間の設定により一概には言えないが、一般的な脱ガム条件においてホスホリパーゼを使用する場合を想定すると、ココアバター1kgに対し、500〜200000IUが望ましく、より望ましくは1000〜100000IUであり、さらに望ましくは5000〜50000IUである。適当な量のホスホリパーゼを使用することで、光劣化耐性付与効果が顕著に現れる。
本発明において脱ガムとは、植物油に含まれるリン脂質を除去する工程のことである。リン脂質は植物油脂に一般的に含まれているもので、脱ガムによりリン脂質を除くことで、油脂の品質改善に効果がある。通常、脱ガムは粗油に温水を加えて撹拌した後、遠心分離する事で行われる場合が多い。また、ホスホリパーゼA1ないしA2を使用する場合もある。
本発明に係る、ホスホリパーゼを使用した脱ガムは、従来法で行うことが出来る。すなわち、水に懸濁したホスホリパーゼを、融解した油脂に添加して撹拌し、所定の温度で保持した後にガム質を遠心分離することで行う。なお、酵素の至適pHや、安定pH範囲を加味して、適宜pHを調整することもできる。また、金属イオンを封鎖する目的で、クエン酸処理を併せて行う場合もある。
本発明で言う、光劣化耐性とは、光を照射した場合に経時的に発生する劣化であって、主に異臭や、異風味として感知されるものである。光劣化耐性の具体的評価法は実施例に記載する。
本発明に係る、ホスホリパーゼを使用した脱ガムを行ったココアバターを使用することで、光劣化耐性を有するチョコレート様食品を得ることが出来る。ここで、当該チョコレート様食品は、油脂以外の成分(非油成分という)としてカカオ成分を含まないものであることが望ましい。これは、非油成分としてカカオ成分を含むもの、すなわち、いわゆる黒系チョコでは、光劣化に対してある程度耐性があるからである。非油成分としてカカオ成分を含まないチョコレート様食品、即ち、ホワイトチョコレート等においては、光劣化に対しての耐性が弱く、その分本発明に係る効果がより顕著に現れ、本発明を適用する上で、より好適である。
以下に実施例を記載する。
検討1 ホスホリパーゼA2によるココアバターの処理
表1に記載する通り、ホスホリパーゼA2の量を変えて脱ガム処理を行った。方法は、以下に記載する「○ココアバターのホスホリパーゼA2処理による脱ガム法」に従った。なお、検討例1は、ホスホリパーゼA2を添加しないこと以外、「○ココアバターのホスホリパーゼA2処理による脱ガム法」に従い処理を行った。また、検討例2は通常の化学的脱ガム法による処理を行った。
ココアバターはBarry Callebaut Cocoa Asia Pacific Pte Ltd社製「ココアバター DF200」を使用した。本品は、カカオ豆から圧搾抽出した、未精製のココアバターであった。
表1 ホスホリパーゼA2の濃度
Figure 0006061119
ホスホリパーゼA2にはナガセケムテックス製「PLA2ナガセ10P/R」を使用した。活性値は100000IU/gであった。
○ココアバターのホスホリパーゼA2処理による脱ガム法
1.ココアバターを65〜70 ℃とし、融解した。
2.45重量%クエン酸水溶液をココアバターに対し、0.144%混合した。
3.ホモミクサー(プライミクス社製)で 3000rpm にて30分撹拌した。
4.油温を50〜55℃とした。
5.4%水酸化ナトリウム水溶液を混合し、pHを7.0〜7.5とした。
6.所定濃度のホスホリパーゼA2懸濁液を1重量%混合した。
7.油温50〜55℃にて、ホモミクサー 3000rpm にて60分撹拌した。
8.遠心分離(2000g×10分)を行い、下層を除去した。
9.油温を65〜70 ℃とした。
10.70℃の温水を20重量%混合し、ホモミクサー 3000rpm にて3分撹拌した。
11.遠心分離(2000g×10分)を行い、下層を除去した。
12.110℃、10分、5mmHgにて、脱水および酵素の失活を行った。
○ココアバターの通常の化学的脱ガム法による検討例2の調製
1.ココアバターを75 ℃とし、融解した。
2.75重量%リン酸水溶液をココアバターに対し、0.1%、また75℃の温水をココアバターに対し2%混合した。
3.ホモミクサー(プライミクス社製)で 5000rpm にて3分撹拌した。
4.遠心分離(2000g×10分)を行い、下層を除去した。
5.75℃の温水を20重量%混合し、ホモミクサー 3000rpm にて3分撹拌した。
6.遠心分離(2000g×10分)を行い、下層を除去した。
12.110℃、10分、5mmHgにて、脱水を行い検討例2の油脂を得た。
検討2 ホスホリパーゼA1によるココアバターの処理
表2に記載する通り、ホスホリパーゼA1の量を変えて脱ガム処理を行った。方法は、以下に記載する「○ココアバターのホスホリパーゼA1処理による脱ガム法」に従った。
ココアバターはBarry Callebaut Cocoa Asia Pacific Pte Ltd社製「Cocoa butter DF200」を使用した。本品は、カカオ豆から圧搾抽出した、未精製のココアバターであった。
表2 ホスホリパーゼA1の濃度
Figure 0006061119

ホスホリパーゼA1には三菱化学フーズ製「ホスホリパーゼA1」を使用した。活性値は10000IU/gであった。
○ココアバターのホスホリパーゼA1処理による脱ガム法
1.ココアバターを65〜70 ℃とし、融解した。
2.45重量%クエン酸水溶液をココアバターに対し、0.144%混合した。
3.ホモミクサー(プライミクス社製)で 3000rpm にて30分撹拌した。
4.油温を50〜55℃とした。
5.4%水酸化ナトリウム水溶液を混合し、pHを4.5〜5.0とした。
6.所定濃度のホスホリパーゼA1懸濁液を1重量%混合した。
7.油温50〜55℃にて、ホモミクサー 3000rpm にて60分撹拌した。
8.遠心分離(2000g×10分)を行い、下層を除去した。
9.油温を65〜70 ℃とした。
10.70℃の温水を20重量%混合し、ホモミクサー 3000rpm にて3分撹拌した。
11.遠心分離(2000g×10分)を行い、下層を除去した。
12.110℃、10分、5mmHgにて、脱水および酵素の失活を行った。
表2に記載する通り、ホスホリパーゼA1の量を変えて脱ガム処理を行った。方法は、以下に記載する「○ココアバターのホスホリパーゼA1処理による脱ガム法」に従った。
ココアバターはBarry Callebaut Cocoa Asia Pacific Pte Ltd社製「Cocoa butter DF200」を使用した。本品は、カカオ豆から圧搾抽出した、未精製のココアバターであった。
検討3 ホスホリパーゼDによるココアバターの処理
表3に記載する通り、ホスホリパーゼDの量を変えて脱ガム処理を行った。方法は、以下に記載する「○ココアバターのホスホリパーゼD処理による脱ガム法」に従った。
ココアバターはBarry Callebaut Cocoa Asia Pacific Pte Ltd社製「Cocoa butter DF200」を使用した。本品は、カカオ豆から圧搾抽出した、未精製のココアバターであった。
表3 ホスホリパーゼDの濃度
Figure 0006061119

ホスホリパーゼDにはSIGMA−ALDRICH製「Phospholipase D form Streptomyces Choromofuscus」を使用した。活性値は50000IU/gであった。
○ココアバターのホスホリパーゼD処理による脱ガム法
1.ココアバターを65〜70 ℃とし、融解した。
2.45重量%クエン酸水溶液をココアバターに対し、0.144%混合した。
3.ホモミクサー(プライミクス社製)で 3000rpm にて30分撹拌した。
4.油温を50〜55℃とした。
5.4%水酸化ナトリウム水溶液を混合し、pHを7.0〜7.5とした。
6.所定濃度のホスホリパーゼD懸濁液を1重量%混合した。
7.油温50〜55℃にて、ホモミクサー 3000rpm にて60分撹拌した。
8.遠心分離(2000g×10分)を行い、下層を除去した。
9.油温を65〜70 ℃とした。
10.70℃の温水を20重量%混合し、ホモミクサー 3000rpm にて3分撹拌した。
11.遠心分離(2000g×10分)を行い、下層を除去した。
12.110℃、10分、5mmHgにて、脱水および酵素の失活を行った。
検討4 チョコレート様食品の調製
検討1で調製した油脂をはじめ、他の油脂を含め、表4の配合に従いチョコレート様食品を調製した。
調製法は以下に記載の「○チョコレート様食品の調製法」に従った。その後、「○光劣化加速試験法」に従い、光劣化の加速試験を行った。得られたサンプルについて、以下に記載の「○チョコレート様食品の官能評価法」に従い、官能評価を行った。結果を表5に示した。
表4 チョコレート様食品の配合
Figure 0006061119
・油脂1には不二製油株式会社製「NEWSS7」を使用した。本品は、ココアバター類似脂(CBE)であった。
・油脂2には、検討1で使用したココアバターをそのまま使用した。
○チョコレート様食品の調製法
1.油脂、砂糖、全脂粉乳を混合し、ロールを用いて微細化した。
2.レシチンを加えた。
3.60℃、2時間、コンチングを行った。
4.30℃に温調し、不二製油株式会社製「チョコシードA」を、対チョコレート0.2%添加し、シードテンパリングを行った。
4.PCチョコレートモールド No.81(38mm×38mm×3mm:油脂3.5g、チョコレート4.2g)に充填し、10℃、30分にて固化した。
「○光劣化加速試験法」
1.チョコレート様食品のサンプルを、ポリエチレン製の袋に入れ、23℃、1000lx下にて放置した。
2.1日毎に3日目までサンプリングした。各サンプルは、それ以上光劣化が進まないように、冷暗所にて保管した。
○チョコレート様食品の官能評価法
「○光劣化加速試験法」で光劣化されたサンプル及びコントロールサンプルを、熟練したパネラー7名により官能評価した。評価基準は以下の通りとし、パネラーによる合議にて採点した。
加速試験3日目の段階で、3点以上を合格とした。
5点 コントロールと同等と評価できるもの。
4点 コントロールに比べ風味が若干劣るものの、僅差であるもの。
3点 コントロールに比べ風味が劣るものの、許容範囲と言えるもの。
2点 コントロールに比べ風味が明らかに劣り、許容できないもの。
1点 コントロールに比べ風味が大きく劣り、許容できないもの。
加速試験3日目の段階で、3点以上を合格とした。
表5 結果
Figure 0006061119
考察
比較例1はココアバターを含まないチョコレート様食品であり、光劣化耐性を有していた。
市販のココアバターを使用した比較例2、及びホスホリパーゼ処理以外検討例2〜5と同様の処理を行ったココアバターを使用した比較例3、通常の脱ガム処理を行った比較例4は、いずれも風味は経時的に低下し、不合格であった。
ホスホリパーゼ処理を行ったココアバターを使用した実施例1〜7は、経時的な一定の風味低下はあるものの、全て合格であった。このことから、ココアバターにホスホリパーゼ処理を行うことで、光劣化耐性を付与できることが明らかとなった。

Claims (5)

  1. ココアバターに対し、ホスホリパーゼを作用させ脱ガムする、ココアバターに対する光劣化耐性付与方法。
  2. ホスホリパーゼがホスホリパーゼA2である、請求項1記載のココアバターに対する光劣化耐性付与方法。
  3. ホスホリパーゼA2の使用量が、ココアバター1kgに対し500〜200000IUである、請求項2記載のココアバターに対する光劣化耐性付与方法。
  4. ホスホリパーゼがホスホリパーゼA1である、請求項1記載のココアバターに対する光劣化耐性付与方法。
  5. ホスホリパーゼA1の使用量が、ココアバター1kgに対し500〜200000IUである、請求項4記載のココアバターに対する光劣化耐性付与方法。
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