JP6061114B1 - 作業用バケット - Google Patents
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Abstract
【課題】 簡単な構造で、クレーンのブームの先端に取り付けることが可能な、高所作業用のバケットを提供する。【解決手段】 クレーンのブーム先端部14に、別途調製した接続部材6を取り付け、接続部材6を介してバケット本体1を取り付ける。接続部材6には、水平方向にピンを取り付けることが可能で、バケット本体1には、ピンに遊嵌する貫通穴3aが設けられ、バケット本体1は、ピンを軸として回動可能に接合される。バケット本体1の貫通穴3aの上部には、レバーブロックのフックを取り付けるためのフックの接合手段2が取り付けられ、ロードチェーン6を、接続部材8に取り付けた滑車9に周回させた状態でレバーブロックを取り付ける。これによって、バケット本体1の上部とブーム先端部14の間に距離を調整できる。【選択図】図1
Description
本発明は、クレーン車などの既製のクレーンのブームの先端に取り付けることが可能な、高所作業に用いられるバケットに関するものである。
建物の外壁への看板の取付作業や窓ガラスの清掃、植木の手入れなどの高所作業には、様々な形式の足場が用いられる。作業内容が簡略で、作業の対象箇所の高さが2〜3m程度であれば、梯子や脚立が用いられるが、それ以上の高さで、足元に安定性が必要な場合は、ゴンドラやバケットと称される高所作業用の機器が必要となる。
例えば、ビルの窓の清掃には、屋上からワイヤを用いて昇降可能に吊り下げるバケットが用いられている。また、電柱へのケーブルや変圧器などを設置する作業には、ブームの先端にバケットが設けられた、車載型のクレーンが用いられている。
しかし、バケット付の車載型クレーンは、高所作業で作業員を載せることに特化されているために、重量物の吊り下げのような、一般的なクレーンを用いた作業には適用できない。
このような課題に対処するための技術として、特許文献1には、台車に取り付けたクレーンのブームの先端に、ワイヤでつり下げる方式のバケットが開示されている。しかし、ここに開示されているバケットは、前記のようにワイヤで吊り下げられた状態なので、揺動して安定性が確保できないことがある他、基本的にブームの先端の下部から、一定距離をおいた範囲内でしか昇降できない。
また、特許文献2には、クレーンのブームの先端に連結用の部材を介して取りけられたバケットを、例えば油圧シリンダのようなアクチュエータで動作させる、移動式クレーン及び高所作業装置が開示されている。しかし、ここに開示されている高所作業装置は、アクチュエータの他に動力源が必要となり、装置のコンパクト化やコストの点で改善の余地がある。
従って、本発明の課題は、簡単な構造で、クレーンのブームの先端に取り付けることが可能な、高所作業用のバケットを提供することにある。
本発明者は、前記の課題解決の方策を鋭意検討した結果、手動で重量物を移動させたり、固定したりする器具を応用することに想到し、本発明をなすに至ったものである。
即ち、本発明は、高さ方向の中間部のほぼ水平方向に、ピンを挿通するために設けられてなる貫通穴と、前記ピンよりも上に設けられてなる、レバーブロックの上フックを取り付けるための第一の接合手段と、前記ピンよりも上に設けられてなる、前記レバーブロックの下フックを取り付けるための第二の接合手段穴と、前記貫通穴に挿通可能で、ほぼ水平に設けられてなるピンと、前記レバーブロックのロードチェーンをほぼ180°巻き回すため滑車と、クレーンのブームの先端部に取り付けるための接続部材を有し、クレーンのブームの先端部に取り付け可能であることを特徴とする、作業用バケットである。
本発明者が、前記課題の解決の検討に際して着目したのは、レバーブロックである。これはラチェット機構を備えたハンドルを動かすことによって、二つのフックに付属するロードチェーンを、大きな力で曳いたり緩めたりすることが可能で、トラックの荷台に積載した荷物を固定する目的に用いることが多い。
本発明のバケットは、前記のようにクレーンのブームの先端に取り付けるが、取付の構造が1点支持では、支持箇所を中心としてバケットが揺動して、危険が生じることがあり、安定な接合構造とするには、3点支持が必要となる。しかし、本発明のバケットにおいては、クレーンのブームの先端に完全に固定すると、ブームの回動に伴い、バケットの底部がブームと地面のなす角度に連動して、傾斜してしまうという問題がある。
これを解決するため、本発明においては、バケットを、ブームの水平方向に固定したピンに貫通穴を挿通して接合するので、貫通穴を一定以上の長さとするか、複数とすることで、ピンと垂直をなす面内では、回動するが、それ以外の方向には動かない構造である。
そして、前記のように、ピンよりも上のバケットの上端の近傍に、上フックと下フックを接合したレバーブロックを取付けることで、レバーブロックの取付位置とブームの先端との距離をロードチェーンの伸縮により、一定範囲で調整することが可能となる。
従って本発明によれば、市販のレバーブロックと、ブームの先端形状に併せて調製する簡単な構造の接続部材があれば、既存のクレーンに高所作業用のバケットを取り付けることが可能となる。
次に本発明を実施するための形態について説明する。図1は、本発明に係る作業用バケットの一例の各部材を組み立てる前の状態を示す図である。図1において、1はバケット本体、2a、2bはレバーブロックのフックの接合手段、3aは貫通穴、3bは貫通穴に挿通するピンの取付位置、4はレバーブロック、5a、5bはレバーブロックのフック、6はレバーブロックのロードチェーン、7はレバーブロックのレバー、8はバケットをブームの先端に取り付けるための接続部材、9は滑車、10は角度計、11はバケットをブーム先端に取り付けるためのボルト、12a、12bはボルトを介して、接続部材をブーム先端に固定させるためのナット、13a、13bは接続部材をブーム先端に固定させるためのブラケット、14はブーム先端部である。つまり、ボルト11、ナット12a、12b、ブラケット13a、13bとで、接続部材8をブーム先端部14へ係合する係合手段を構成している。
図1に示した例においては、バケット本体1の貫通穴3aを、接続部材8に設けられた、ピン取付位置に配し、図示していないピンを挿通する。これによってバケット本体1は、ピンを中心として回動可能な状態で接続部材8に接合される。そして、レバーブロックのロードチェーン6を滑車9の周囲を半周させた状態で、その両端に接続されている二つのフック5a、5bをフックの接合手段2に接合する。
そして、二つのブラケット13a、13bをボルト11とナット12aとナットによって接合することで、バケット本体1は、接続部材8を介して、ブーム先端部14に取り付けられる。これらの一連の作業は、部材の係合やボルト・ナットの締付のみで行うことができ、溶接のような接合作業を要しないのも、本発明の特徴である。
図2は、本発明に係る作業用バケットの一例を上昇させた状態を示す図である。図1に示した手順で、ブーム先端部14に取り付けられバケット本体1は、ブームを上方向に旋回させることで、上昇する。その際に、レバーブロック4のロードチェーン6を緩めて繰り出すと、バケット本体1は、自重で、図における時計回りの方向に回動し、バケット本体1の底部を水平状態に保持することができる。
図3は、本発明に係る作業用バケットの一例をクレーンのブームへの取付作業の状態を示す図である。図3において、15はバケットを引き揚あげるための取付用ブラケットである。バケット本体1をブーム先端部に取り付ける際には、図3に示したようにレバーブロックを取付用ブラケット15の先端に取り付け、レバーブロック4をウインチと同様に用いて、一人作業で、バケット本体1をブーム先端部14に取り付けることができる。
図4は、本発明に係る作業バケットを、ブーム先端に接合した状態の一例を示す写真で、図5は本発明に係る作業バケットを、ブームの先端に接合した状態の一例の詳細を示す写真である。これらの写真は、ロードチェーン6が滑車9に周回した状態で取り付けられていることを示している。
図6及び図7は、本発明に係る、作業用バケットを、接合部材8を介して、ブーム先端に組み付ける状態の一例を示す写真である。また、図8及び図9は、本発明に係る作業用バケットを、取付ブラケットを用いてブーム先端に吊り下げる状態の一例を示す写真である。このように本発明の作業用バケットは、一人作業により、ブーム先端に取り付けることが可能である。
図10及び図11は、本発明に係る接続部材の一例の詳細を示す写真であり、図12は本発明に係る作業用バケットの一例の詳細を示す写真である。
以上に説明したように、本発明によれば、簡単な構造で、クレーンのブーム先端部への、取付及び取り外しが可能な、高所作業用のバケットを提供することが可能である。なお、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の分野における通常の知識を有する者であれば想到し得る、各種変形、修正を含む、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても、本発明に含まれることは勿論である。
1・・・バケット本体 2・・・フックの接合手段
3a・・・貫通穴 3b・・・ピン取付位置 4・・・レバーブロック
5a,5b・・・レバーブロックのフック
6・・・レバーブロックのロードチェーン 7・・・レバーブロックのレバー
8・・・接続部材 9・・・滑車 10・・・角度計
11・・・ボルト、12a,12b・・・ナット
13a,13b・・・ブラケット 14・・・ブーム先端部
15・・・取付用ブラケット
3a・・・貫通穴 3b・・・ピン取付位置 4・・・レバーブロック
5a,5b・・・レバーブロックのフック
6・・・レバーブロックのロードチェーン 7・・・レバーブロックのレバー
8・・・接続部材 9・・・滑車 10・・・角度計
11・・・ボルト、12a,12b・・・ナット
13a,13b・・・ブラケット 14・・・ブーム先端部
15・・・取付用ブラケット
Claims (1)
- バケット本体と、
前記バケット本体の一つの側面の、高さの中間部よりも上の位置の、ほぼ水平方向に、ピンを挿通するために設けられてなる貫通穴と、
前記ピンよりも上に設けられてなる、レバーブロック本体側に設けられた上フックを取り付けるための第一の接合手段と、
前記ピンよりも上に設けられてなる、前記レバーブロックのロードチェーン側に設けられた下フックを取り付けるための第二の接合手段と、
前記貫通穴に挿通可能で、ほぼ水平に設けられてなるピンと、前記レバーブロックのロードチェーンをほぼ180°巻き回すため滑車と、クレーンのブームの先端部に取り付けるための係合手段を備えてなる接続部材を有し、
前記上フックを前記第一の接合手段に係合し、前記ロードチェーンを前記滑車に巻き回した状態の前記下フックを前記第二の接合手段に係合することにより、前記レバーブロックのレバーを、バケット内部から操作可能な状態で、前記ピン及び前記接続部材を介して、クレーンのブームの先端部に取り付け可能であることを特徴とする、作業用バケット。
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