JP6060702B2 - ポリアリレート及びそれを用いた成形品 - Google Patents

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Description

本発明は、溶融流動性が高いポリアリレートとそれを用いた成形品に関するものである。
2, 2 − ビス( 4 − ヒドロキシフェニル) プロパン(以下、ビスフェノールAと略 )とテレフタル酸及びイソフタル酸類から誘導された非晶性ポリアリレートはエンジニアリングプラスチックとして知られている。かかるポリアリレートは耐熱性が高く、衝撃強度に代表される機械的強度や寸法安定性に優れ、加えて非晶性で透明であるためにその成形品は電気・電子、自動車、機械などの分野に幅広く応用されている。
しかしながら、耐熱性に優れる反面、高温でないと溶融流動性が発現せず、射出成形では、350℃以上の高温で成形せざるを得なかった。そのため、ポリアリレートに添加される各種離型剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、染料が分解し、金型に堆積したり、樹脂中に気泡状欠陥を生じさせることがあり、メンテナンス性や歩留まりを改善する余地があった。
例えば、ポリカーボネートとブレンドすることで溶融温度を下げ、あらかじめ水添脱気押出処理で金型付着成分を除く方法があった。(特許文献1)しかしながら、ポリアリレート単独で射出成形温度を下げる方法については、開示されていなかった。
特開2008−189717号公報
本発明が解決しようとする課題は、従来より低温で高い流動性を示すポリアリレートおよびそれを用いた成形品を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定の構造を有する二価フェノールから誘導されたポリアリレートが、低温で高い流動性を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下に示すポリアリレート及びそれを用いた成形品に関する。
(1)二価フェノール成分と芳香族ジカルボン酸成分から得られるポリアリレートであって、二価フェノール成分として一般式(A)で表される化合物を主原料とし、かつQ値(高架式フローテスターで温度280℃、圧力15.69MPa、直径1mm×長さ10mmのノズル穴より流出する溶融樹脂量)が1×10−2cm/秒以上であることを特徴とするポリアリレート。
(式中、RおよびRは、分岐化してもよい炭素数1〜6のアルキル基を表す。RおよびRは水素原子、分岐化してもよい炭素数1〜11のアルキル基を表すか、RおよびRが結合して炭素環を形成してもよい。)
(2)二価フェノール成分が、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、および2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−sec−ブチルフェニル)プロパンからなる群から選ばれた1種以上である前記(1)記載のポリアリレート。
(3)ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定されたポリスチレン換算重量平均分子量が2万以上8万未満である前記(1)または(2)記載のポリアリレート。
(4)前記(1)〜(3)のいずれかに記載のポリアリレートを成形してなる成形品。
(5)射出成形によって成形される前記(4)記載の成形品。
(6)押出成形によって成形される前記(4)記載の成形品。
本発明によれば、従来より低温で高い流動性が得られるポリアリレートおよびそれを用いた成形品が得られる。さらに、射出成形時の金型汚染が抑制され、メンテナンス性に優れる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明においてポリアリレートとは、二価フェノール成分と芳香族ジカルボン酸成分から得られるポリアリレートであって、具体的にはビスフェノール残基と芳香族ジカルボン酸残基とから構成されている芳香族ポリエステルであり、その製造方法としては界面重合法、溶液重合法、溶融重合法などが公知である。この中で界面重合法で製造されたポリアリレート樹脂は良好な色調と物性を有しているため好ましい。
本発明において、一般式(A)で表される二価フェノールは、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘプタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)ブタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−sec−ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−イソプロピルフェニル)プロパンなどが例示される。これらは、2種類以上併用して用いてもよい。また、これらの中でも特に1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−sec−ブチルフェニル)プロパンが好ましい。
本発明におけるポリアリレートは一般式(A)の二価フェノールを主成分とするものであり、具体的には全使用二価フェノールに対して、一般式(A)の二価フェノールの割合が50mol%以上であり、より好ましくは70mol%以上である。
前記主成分である一般式(A)の二価フェノール以外に使用可能な二価フェノールとして、具体的には2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン=(ビスフェノールA)、1,1’−ビフェニル−4,4’−ジオール、1,1’−ビフェニル−3,3‘−ジメチル−4,4’−ジオール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルファイド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロドデカン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、α,ω−ビス[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス[3−(o−ヒドロキシフェニル)プロピル]ポリジメチルシロキサン、4,4’−[1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビスフェノールなどが例示される。これらは、2種類以上併用して用いてもよい。また、これらの中でもビスフェノールAが好ましい。
また、本発明のポリアリレートを構成する芳香族ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、3−tert−ブチルイソフタル酸、ジフェン酸、4,4’−ジカルボン酸およびそれらの酸クロライド等が挙げられる。これらの2価のジカルボン酸は、単独で用いることもできるし、2種類以上を併用することも可能である。特に好適に用いることのできる芳香族ジカルボン酸は、テレフタル酸とイソフタル酸およびそれらの酸クロライドである。
本発明のポリアリレートを界面重合法により製造する場合は、前記二価フェノール類、アルカリ、重合触媒を溶解した水相と、芳香族ジカルボン酸成分を溶解した有機相とを混合し、攪拌しながら界面重縮合反応をおこなうことによって、ポリアリレートを得ることができる。
その場合の、重合触媒は、第4級アンモニウム塩であることが好ましく、具体的には、トリn−ブチルベンジルアンモニウムクロライド、トリn−ブチルベンジルアンモニウムブロマイド、トリn−ブチルベンジルアンモニウムヒドロキサイド、トリn−ブチルベンジルアンモニウムハイドロジェンサルフェート、テトラn−ブチルアンモニウムクロライド、テトラn−ブチルアンモニウムブロマイド、テトラn−ブチルアンモニウムヒドロキサイド、テトラn−ブチルアンモニウムハイドロジェンサルフェ−トが挙げられる。
水相に用いるアルカリとしては、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムが挙げられる。
有機相に用いる溶媒としては、水と相溶せず、かつ、生成するポリアリレート樹脂を溶解するような溶媒が用いられ、具体的には、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、p−ジクロロベンゼンなどの塩素系溶媒、トルエン、ベンゼン、キシレンなどの芳香族系炭化水素などが挙げられる。
なお、本発明のポリアリレートの分子量を調節するために、重合時に末端停止剤を使用することができる。末端停止剤の例として、フェノール、クレゾール、p−tert−ブチルフェノール等の1価のフェノール類、安息香酸クロライド、メタンスルホニルクロライド、フェニルクロロホルメート等の1価の酸クロライド等が挙げられる。また、所望に応じ亜硫酸ナトリウム、ハイドロサルファイトなどの酸化防止剤や、フロログルシン、イサチンビスフェノール、トリスフェノールエタンなど分岐化剤を少量添加してもよい。
本発明のポリアリレートは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、GPCと略称)で測定されるポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は2万以上8万未満であることが好ましい。またポリスチレン換算数平均分子量(Mn)は0.4万以上4万未満が好ましい。
本発明のポリアリレートは、湿式成形、押出成形、ブロー成形、射出成形等公知の方法で成形することが可能であるが、押出成形または射出成形が好ましく、さらには射出成形が好ましい。
本発明のポリアリレートを用いて射出成形する場合は、必要とされる安定性や離型性を確保するため、所望に応じて、ヒンダードフェノール系やホスファイト系酸化防止剤;シリコン系、脂肪酸エステル系、脂肪酸系、脂肪酸グリセライド系、密ろう等天然油脂などの滑剤や離型剤;ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ジベンゾイルメタン系、サリチレート系等の紫外線吸収剤や光安定剤;ポリアルキレングリコール、脂肪酸グリセライド等帯電防止剤などを適宜併用してよいものであり、さらにはコスト等から一般のポリカーボネートと性能を損なわない範囲で任意に混合して使用する事も可能である。
離型剤としては、具体的にはステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ブチルステアレート、ベヘニルベヘネート、エチレングリコールモステアレート、ステアリン酸モノグリセライド、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ビーズワックス、オレイン酸モノグリセライド、モンタン酸エステル、ラウリン酸ソルビタンエステル、ポリエチレンワックス、シリコンオイル等の離型剤が挙げられる。中でも、ステアリン酸モノグリセライドが好ましい。
酸化防止剤としては、具体的にはトリスノニルフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)スピロペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、トリフェニルホスファイト、ジステアリルチオジプロピオネート、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト等の酸化防止剤(安定剤)等が挙げられる。中でもサイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイトが好ましい。
帯電防止剤としては、具体的にはアルキルベンゼンスルホネート、ラウリルアルコール硫酸エステル、ノニルフェノール酸化エチレン、アクリル酸エステル、ポリビニルスルホン酸、ポリエチレングリコール、1−ヒドロキシエチル−2−アルキルイミダゾリン、アジピン酸ブチル、ポリアクリル酸等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、具体的にはフェニルサリチレート、p−t−ブチルフェニルサリチレート、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−(2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジノニルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5−メチルフェニル]ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−ベンゾトリアゾリルフェノール)等が挙げられる。
さらには、ペリレン系、ペリノン系、アンスラキノン系、複素環系等の染料を添加することも可能である。
前記、酸化防止剤や離型剤等の添加剤は2種類以上併用することも可能である。使用目的等にもよるが、物性に影響を与えない範囲で添加され、ポリアリレートに対して2質量%以下、更に好ましくは1質量%以下の添加量である。
本発明のポリアリレートを射出成形する場合の成形温度は、流動性の観点と金型汚染性の抑制の観点から280〜330℃が好ましい。さらには290〜320℃がましい。
本発明のポリアリレートは射出成形に必要な流動性を、従来のポリアリレートに比べ大幅に低くなっており、加熱溶融時の流動性の目安となるQ値(高架式フローテスターで温度280℃、圧力15.69MPa、直径1mm×長さ10mmのノズル穴より流出する溶融樹脂量)が1×10−2cm/秒以上である。さらに好ましくは、2×10−2cm/秒以上である。
以下に本発明の実施例を比較例と共に示し、発明の内容を詳細に示すが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<GPC条件>
Waters社製アライアンスHPLCシステム、
昭和電工株式会社製Shodex805Lカラム2本、
0.25w/v%クロロホルム溶液サンプル、1ml/分クロロホルム溶離液、
254nmのUV検出の条件で測定。
ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)を求めた。
<流動性(Q値)測定条件>
高架式フローテスター(株式会社島津製作所製CFT−500D)を使用して、温度280℃、圧力15.69MPaで、直径1mm×長さ10mmのノズル穴(オリフィス)より流出する溶融樹脂量(単位:×10-2cm/秒)を測定した。
<射出成形評価>
小型射出成形機((株)新興セルビック製C.Mobile)を用いて、射出圧283MPa、射出速度20mm/秒、ポリアリレートの樹脂温度を320℃、金型温度100℃、320℃で成形できない場合は、樹脂温度360℃、金型温度150℃で厚さ1mmのJIS7号引張ダンベル片を射出成形した。
<射出成形時金型汚染評価>
前記射出成形評価条件で、500ショット射出成形を繰り返した後、金型表面をウエスで拭き取り、付着物の有無を確認した。付着物が確認できなかった場合を○、付着物が確認できた場合を×で評価した。
<実施例1>
5w/w%の水酸化ナトリウム水溶液2.3リットルに、ハイドロサルファイト0.5gと1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン(本州化学工業株式会社製、以下OCZと略)296g(1mol)を溶解し、重合触媒としてトリn−ブチルベンジルアンモニウムクロライド2.1gを加え、さらにテレフタル酸クロライド/イソフタル酸クロライド=1/1混合物(東京化成工業製株式会社製)205gとp−ターシャリーブチルフェノール(DIC株式会社製、以下PTBPと略)12gを溶解した塩化メチレン溶液2.7リットルを加えて、約20℃で2時間界面重縮合反応をおこなった。反応終了後、反応液を水相と有機相に分離し、有機相をリン酸で中和し、洗液(水相)の導電率が10μS/cm以下になるまで水洗を繰り返した。得られた重合体溶液を、60℃に保った温水に滴下し、溶媒を蒸発除去して白色粉末状沈殿物を得た。得られた沈殿物を濾過し、105℃、24時間乾燥して、重合体粉末を得た。
この重合体のGPC測定によって得られた分子量(Mw=37800,Mn=9070)であった。得られた重合体を赤外線吸収スペクトルにより分析した結果、1750cm−1付近の位置にカルボニル基またはエステル基による吸収、1220cm−1付近の位置にエーテル結合による吸収が認められ、エステル結合を有するポリアリレート(であることが確認された。
得られたポリアリレートに離型剤としてステアリン酸モノグリセライド(花王株式会社製)を0.03質量%、ホスファイト系酸化防止剤サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト(株式会社ADEKA製、アデカスタブPEP−36)を0.03質量%添加、混合後、300℃、9.8MPa圧で5分間圧縮した固形物を粗粉砕し、Q値測定および320℃射出成形を行った。
<実施例2>
OCZを2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン(本州化学工業株式会社製、以下BPCと略)256gに変更した以外は、実施例1と同様に行い、Mw=33700、Mn=8810のポリアリレートを得た。得られたポリアリレートは、実施例1と同様に成形評価を行った。
<実施例3>
OCZの代わりに、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−sec−ブチルフェニル)プロパン(本州化学工業株式会社製、以下OSBAと略)238gとビスフェノールA(三菱化学株式会社製、以下BPAと略)68.4gを用いた以外は、実施例1と同様に行い、Mw=36000、Mn=9710のポリアリレートを得た。得られたポリアリレートは、実施例1と同様に成形評価を行った。
<実施例4>
OCZの代わりに、OSBA204gとBPC102.4gを用いた以外は、実施例1と同様に行い、Mw=34300、Mn=8650のポリアリレートを得た。得られたポリアリレートは、実施例1と同様に成形評価を行った。
<実施例5>
OCZを177.6gに変更し、さらにBPC102.4g用いた以外は、実施例1と同様に行い、Mw=36200,Mn=9530のポリアリレートを得た。得られたポリアリレートは、実施例1と同様に成形評価を行った。
<比較例1>
OCZをBPA228gに変更した以外は、実施例1と同様に行い、Mw=39600、Mn=12300のポリアリレートを得た。得られたポリアリレートは、実施例1と同様に成形評価を行ったが、320℃では射出成形できなかったため、360℃条件で射出成形を行った。
<比較例2>
OCZをBPZ268gに変更した以外は、実施例1と同様に行い、Mw=29100,Mn=5640のポリアリレートを得た。得られたポリアリレートは、実施例1と同様に成形評価を行ったが、Q値測定はほとんど樹脂が流れず、時間に対する流出量の傾きがほとんど無かったため検出せず(ND)とした。また、320℃では射出成形できなかったため、360℃条件で射出成形を行ったが、360℃条件でも金型に樹脂を充填には至らず、500ショット射出成形は出来なかった。
表1に、実施例1〜5、比較例1〜2の結果をまとめて示した。
本発明の活用例としては、従来のポリアリレートに比べ低温で射出成形可能であるため、省エネルギーであり、離型剤や添加剤の金型汚染も少なくメンテナンス性に貢献する。さらに、加熱溶融時に高流動性が求められる各種射出成形品、特にフラットパネルディスプレイの導光板や各種光学用レンズ、照明用カバー等に応用可能である。

Claims (7)

  1. 二価フェノール成分と芳香族ジカルボン酸成分から得られるポリアリレートであって、二価フェノール成分として一般式(A)で表される化合物を主原料とし、かつQ値(高架式フローテスターで温度280℃、圧力15.69MPa、直径1mm×長さ10mmのノズル穴より流出する溶融樹脂量)が1×10−2cm/秒以上であることを特徴とするポリアリレートであって、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定されたポリスチレン換算重量平均分子量が2万以上8万未満である、ポリアリレート

    (式中、R1およびR2は、分岐化してもよい炭素数1〜6のアルキル基を表す。R3およびR4は水素原子、分岐化してもよい炭素数1〜11のアルキル基を表すか、R3およびR4が結合して炭素環を形成してもよい。)
  2. 二価フェノール成分が、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、および2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−sec−ブチルフェニル)プロパンからなる群から選ばれた1種以上である請求項1記載のポリアリレート。
  3. 前記二価フェノール成分が、ビスフェノールAをさらに含む、請求項2に記載のポリアリレート。
  4. 前記芳香族ジカルボン酸成分が、テレフタル酸、イソフタル酸、それらの酸クロライドからなる群より選ばれるいずれか一種以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリアリレート。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載のポリアリレートを成形してなる成形品。
  6. 射出成形によって成形される請求項記載の成形品。
  7. 押出成形によって成形される請求項記載の成形品。
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