JP6060663B2 - 画像信号符号化装置及び方法、並びに、画像信号復号装置及び方法 - Google Patents

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本発明は、画像信号を符号化する画像信号符号化装置及び方法、並びに、符号化した画像信号を復号する画像信号復号装置及び方法に関する。
近年、デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラ等のデジタル撮影装置が広く普及している。デジタル撮影装置の撮像部は、R(赤),G(緑),B(青)の色フィルタを設けたイメージセンサを備える。イメージセンサは、被写体からの光をR,G,Bの各色光に分解し、RAWデータと称されるデジタル画像信号を出力する。デジタル撮影装置は、RAWデータに対して各種の画像処理を施したり、JPEGフォーマット等の所定のフォーマットに形式変換したりする。
RAWデータはデータ量が非常に大きい。従って、上記の画像処理や形式変換の際にRAWデータをメモリに記憶させる場合には、大容量のメモリが必要となる。大容量のメモリはコストの増大につながる。そこで、画像符号化技術を用いてRAWデータのデータ容量を削減して、メモリ容量を減らすことが行われている。画像符号化技術は、例えば特許文献1,2に記載されている。
特許文献1に記載の符号化装置においては、符号化の対象となっている対象画素と周辺画素との差分値を求め、差分値を量子化テーブルに基づいて画像信号を符号化している。特許文献2に記載の符号化装置においては、R,G,Bの色ごとに、対象画素の周辺に位置する複数の周辺画素のうち、対象画素と最も相関の高い周辺画素を求めて、対象画素と周辺画素との差分値に基づいて画像信号を符号化している。
特開平3−145887号公報 特開2009−194760号公報
画像信号を符号化して復号する際の誤差を極力抑えることが求められる。そこで、本発明はこのような要望に対応するため、画像信号を符号化して復号する際の誤差を抑えることができる画像信号符号化装置及び方法、並びに、画像信号復号装置及び方法を提供することを目的とする。
本発明は、上述した従来の技術の課題を解決するため、第1のビット数を有する複数の色データそれぞれに対応して設けられ、前記複数の色データが個々に入力されて、入力された色データを符号化する複数の符号化部(14R,14G,14B)を備え、前記複数の符号化部はそれぞれ、前記入力された色データにおける符号化の対象となっている対象画素の画素データと、前記対象画素より過去に入力され、前記対象画素の周辺に位置する同色である複数の周辺画素のうち、予測方向信号が示す予測方向に位置する周辺画素の画素データとの差分値を、量子化テーブル(1431)に基づいて前記第1のビット数より小さい第2のビット数に量子化する差分量子化部(143)と、前記差分量子化部によって量子化された前記第2のビット数を有する色データを逆量子化テーブル(1441)に基づいて復号差分値に変換し、前記復号差分値前記予測方向信号が示す予測方向に位置する周辺画素の画素データに加算して、前記第1のビット数を有する色データを復号する差分逆量子化部(144)と、前記対象画素と前記複数の周辺画素とのそれぞれの差分値を求め、前記対象画素に隣接する他の色の色データの画素において決定した予測方向を参照した上で、前記それぞれの差分値に基づいて予測方向を決定して前記予測方向信号を生成する予測方向決定部(145)とを備え、前記差分逆量子化部によって復号された前記第1のビット数を有する色データは、前記差分量子化部及び前記予測方向決定部に入力され、前記差分量子化部と前記差分逆量子化部と前記予測方向決定部とがそれぞれ用いる前記周辺画素の画素データは、前記差分逆量子化部によって復号された前記第1のビット数を有する色データの画素データであることを特徴とする画像信号符号化装置を提供する。
また、本発明は、上述した従来の技術の課題を解決するため、第1のビット数を有する複数の色データそれぞれを符号化の対象として入力し、前記入力された色データにおける符号化の対象となっている対象画素の画素データと、前記対象画素より過去に入力され、前記対象画素の周辺に位置する同色である複数の周辺画素のうち、予測方向信号が示す予測方向に位置する周辺画素の画素データとの差分値を、量子化テーブルに基づいて前記第1のビット数より小さい第2のビット数に量子化し、量子化された前記第2のビット数を有する色データを逆量子化テーブルに基づいて復号差分値に変換し、前記復号差分値前記予測方向信号が示す予測方向に位置する周辺画素の画素データに加算して、前記第1のビット数を有する色データを復号し、前記対象画素と前記複数の周辺画素とのそれぞれの差分値を求め、前記対象画素に隣接する他の色の色データの画素において決定した予測方向を参照した上で、前記それぞれの差分値に基づいて予測方向を決定して前記予測方向信号を生成することを特徴とする画像信号符号化方法を提供する。
さらに、本発明は、上述した従来の技術の課題を解決するため、第1のビット数を有する複数の色データそれぞれが前記第1のビット数より小さい第2のビット数に符号化された複数の符号化色データが個々に入力され、入力された符号化色データを復号する複数の復号部(16R,16G,16B)を備え、前記複数の復号部はそれぞれ、前記入力された符号化色データにおける符号化の対象となっている対象画素の符号化色データを逆量子化テーブル(1641)に基づいて復号差分値に変換し、前記復号差分値予測方向信号が示す予測方向に位置する周辺画素の画素データに加算して、前記第1のビット数を有する色データを復号する差分逆量子化部(164)と、前記対象画素と前記対象画素の周辺に位置する同色である複数の周辺画素とのそれぞれの差分値を求め、前記対象画素に隣接する他の色の色データの画素において決定した予測方向を参照した上で、前記それぞれの差分値に基づいて予測方向を決定して前記予測方向信号を生成する予測方向決定部(165)とを備えることを特徴とする画像信号復号装置を提供する。
さらにまた、本発明は、上述した従来の技術の課題を解決するため、第1のビット数を有する複数の色データそれぞれが前記第1のビット数より小さい第2のビット数に符号化された複数の符号化色データそれぞれを復号の対象として入力し、前記入力された符号化色データにおける符号化の対象となっている対象画素の符号化色データを逆量子化テーブルに基づいて復号差分値に変換し、前記復号差分値予測方向信号が示す予測方向に位置する周辺画素の画素データに加算して、前記第1のビット数を有する色データを復号し、前記対象画素と前記対象画素の周辺に位置する同色である複数の周辺画素とのそれぞれの差分値を求め、前記対象画素に隣接する他の色の色データの画素において決定した予測方向を参照した上で、前記それぞれの差分値に基づいて予測方向を決定して前記予測方向信号を生成することを特徴とする画像信号復号方法を提供する。
本発明の画像信号符号化装置及び方法、並びに、画像信号復号装置及び方法によれば、画像信号を符号化して復号する際の誤差を抑えることができる。
一実施形態の画像信号符号化装置及び画像信号復号装置である画像信号符号化・復号装置を示すブロック図である。 図1に示す画像信号符号化・復号装置に入力される画像データの画素配列の一例を示す図である。 図1中の符号化部14R,14G,14Bで用いる量子化テーブルの一例を示す図である。 図1中の符号化部14R,14G,14B及び復号部16R,16G,16Bで用いる逆量子化テーブルの一例を示す図である。 Rの色画素において対象画素と最も相関の高い周辺画素を検出する際の候補となる周辺画素を示す図である。 Rの色画素を対象画素として予測方向を決定する際に参照する他の色の隣接画素を示す図である。 Gの色画素において対象画素と最も相関の高い周辺画素を検出する際の候補となる周辺画素を示す図である。 Gの色画素を対象画素として予測方向を決定する際に参照する他の色の隣接画素を示す図である。 Bの色画素において対象画素と最も相関の高い周辺画素を検出する際の候補となる周辺画素を示す図である。 Bの色画素を対象画素として予測方向を決定する際に参照する他の色の隣接画素を示す図である。
以下、一実施形態の画像信号符号化装置及び方法、並びに、画像信号復号装置及び方法について、添付図面を参照して説明する。図1は、入力された画像データを符号化して復号する画像信号符号化・復号装置を示している。図1の画像信号符号化・復号装置は、一実施形態の画像信号符号化装置及び画像信号復号装置を含んで構成されている。
図1において、色成分分離部13には、入力画像データとして、図示していないイメージセンサから出力されたRAWデータが入力される。入力画像データは例えば8ビットである。RAWデータは、R,G,Bの各色データを含む。
イメージセンサは、一例として、R,G,Bの各色画素が図2に示すように配列したベイヤ配列となっている。従って、色成分分離部13には、R,G,R,G,R,…の画素データと、G,B,G,B,G,…の画素データとが、ラインごとに交互に入力される。色成分分離部13に入力される画素データは1系統である。
色成分分離部13は、入力された画素データのうち、Rの画素データのみを選択したRデータDrと、Gの画素データのみを選択したGデータDgと、Bの画素データのみを選択したBデータDbとに分離する。RデータDr,GデータDg,BデータDbは、符号化部14R,14G,14Bに個々に入力される。
デジタル撮影装置がR,G,B個別のイメージセンサを備える場合には、色成分分離部13は不要である。この場合、Rのイメージセンサから出力されたRの画素データを符号化部14Rに入力し、Gのイメージセンサから出力されたGの画素データを符号化部14Gに入力し、Bのイメージセンサから出力されたBの画素データを符号化部14Bに入力すればよい。
符号化部14R,14G,14Bは、それぞれ入力されたRデータDr,GデータDg,BデータDbを符号化する。
符号化部14Rは、差分量子化部143,差分逆量子化部144,予測方向決定部145を有する。差分量子化部143は量子化テーブル1431を有し、差分逆量子化部144は逆量子化テーブル1441を有する。図1では、符号化部14Rのみ詳細構成を示しているが、符号化部14G,14Bも符号化部14Rと同様の構成を有する。
差分量子化部143は、符号化の対象となっている対象画素の画素データと、対象画素より過去に入力され、対象画素の周辺に位置するいずれかの周辺画素の画素データとの差分値を求める。差分量子化部143は、複数の周辺画素のうち、後述する予測方向決定部145によって対象画素と最も相関の高い方向であると決定された予測方向に位置する周辺画素を選択する。
実際には、差分量子化部143において対象画素を符号化するタイミングで、その対象画素における予測方向を予測方向決定部145によって求めることはできない。そこで、差分量子化部143は、同じ水平位置の2ライン上に位置する同色の画素において求めた予測方向を対象画素の予測方向として用いる。
ここで、差分量子化部143が対象画素の画素データとの差分値を求める周辺画素の画素データとは、RデータDr,GデータDg,BデータDbとして入力された周辺画素の画素データそのものではなく、周辺画素が対象画素となっていた時点の画素データを差分量子化部143によって符号化し、差分逆量子化部144によって復号した画素データである。
そして、差分量子化部143は、量子化テーブル1431に基づいて差分値を4ビットの符号化データに符号化する。量子化テーブル1431は、図3に示すように、対象画素と周辺画素との差分値を複数の領域に分け、それぞれの領域に例えば4ビットの符号化データを対応させたものである。図3に示す量子化テーブル1431は単なる一例である。
ここでは1つの量子化テーブル1431を示しているが、差分量子化部143に複数の量子化テーブルを保持させておき、対象画素のレベルに応じて使用する量子化テーブルを切り替えることが好ましい。本実施形態では、簡略化のため、使用する量子化テーブルを図3に示す1つの量子化テーブル1431として説明する。
差分量子化部143は、入力されたRデータDr,GデータDg,BデータDbにおけるそれぞれの対象画素と選択された周辺画素との差分値が図3に示す量子化テーブルのどの領域に属するかを判定して、属する領域に対応した符号化データを4ビットの符号化RデータDer,符号化GデータDeg,符号化BデータDebとして出力する。
差分逆量子化部144は、逆量子化テーブル1441に基づいて、入力された符号化RデータDer,符号化GデータDeg,符号化BデータDebを復号差分値に変換する。逆量子化テーブル1441は、図4に示すように、4ビットの符号化データと復号差分値とを対応させたものである。図4に示す逆量子化テーブル1441は単なる一例である。
ここでは1つの逆量子化テーブル1441を示しているが、差分量子化部143が複数の量子化テーブルを保持している場合には、差分逆量子化部144は複数の量子化テーブルに対応する逆量子化テーブルを保持する。本実施形態では、簡略化のため、使用する逆量子化テーブルを図4に示す1つの逆量子化テーブルとして説明する。
差分逆量子化部144は、図4に示す逆量子化テーブルを参照して、入力された符号化RデータDer,符号化GデータDeg,符号化BデータDebに対応する復号差分値を選択する。
そして、差分逆量子化部144は、復号の対象となっている対象画素の復号差分値を、対象画素より過去に入力され、対象画素の周辺に位置するいずれかの周辺画素の画素データに加算して、8ビットの画素データに復号する。
差分逆量子化部144は、複数の周辺画素のうち、後述する予測方向決定部145によって対象画素と最も相関の高い方向であると決定された予測方向に位置する周辺画素を選択して、対象画素の復号差分値を周辺画素の画素データに加算する。
差分逆量子化部144においても、対象画素を復号するタイミングで、その対象画素における予測方向を予測方向決定部145によって求めることはできない。そこで、差分逆量子化部144も、同じ水平位置の2ライン上に位置する同色の画素において求めた予測方向を対象画素の予測方向として用いる。
ここでの周辺画素の画素データも、周辺画素が対象画素となっていた時点の画素データを差分量子化部143によって符号化し、差分逆量子化部144によって復号した画素データである。
符号化部14Rの予測方向決定部145は、符号化部14Rの差分逆量子化部144より出力された復号データに基づいて、対象画素と複数の周辺画素との差分値を求めることによって対象画素と周辺画素と相関を検出して予測方向信号Sdr1を生成する。差分値が最も小さい周辺画素が最も相関が高いということである。
但し、符号化部14Rの予測方向決定部145は、単に最も相関が高い周辺画素を予測方向として決定するのではなく、符号化部14Gにおいて決定した予測方向信号Sdg1と符号化部14Bにおいて決定した予測方向信号Sdb1とを参照して、予測方向を決定する。
同様に、符号化部14Gの予測方向決定部145は、符号化部14Gの差分逆量子化部144より出力された復号データに基づいて予測方向信号Sdg1を生成する。但し、符号化部14Gの予測方向決定部145は、単に最も相関が高い周辺画素を予測方向として決定するのではなく、符号化部14Rにおいて決定した予測方向信号Sdr1と符号化部14Bにおいて決定した予測方向信号Sdb1とを参照して、予測方向を決定する。
同様に、符号化部14Bの予測方向決定部145は、符号化部14Bの差分逆量子化部144より出力された復号データに基づいて予測方向信号Sdb1を生成する。但し、符号化部14Bの予測方向決定部145は、単に最も相関が高い周辺画素を予測方向として決定するのではなく、符号化部14Rにおいて決定した予測方向信号Sdr1と符号化部14Gにおいて決定した予測方向信号Sdg1とを参照して、予測方向を決定する。
ここで、図5〜図7を用いて、符号化部14R,14G,14Bそれぞれの予測方向決定部145における動作について説明する。
まず、符号化部14Rの予測方向決定部145の動作を説明する。図5に示すように、RデータDrにおけるRの画素のうち例えば画素R33が符号化及び復号の対象画素であるとする。符号化部14Rの予測方向決定部145は、同色である画素R11,R13,R15,R31を対象画素である画素R33の周辺画素とする。符号化部14Rの予測方向決定部145は、画素R33の画素データと画素R11,R13,R15,R31それぞれの画素データとの差分値を求める。
画素R11,R13,R15は、画素R33に対して、同じRの画素としては上方に隣接するラインの画素である。画素R33のラインと画素R11,R13,R15のラインとは2ライン分ずれている。画素R31は、画素R33に対して、同じRの画素としては左側に隣接する画素である。画素R31と画素R33とは2画素分ずれている。画素R33に対して、画素R11を左上の画素、画素R13を上の画素、画素R15を右上の画素、画素R31を左の画素とする。
符号化部14Rの予測方向決定部145は、図5に示す対象画素とそれぞれの周辺画素との差分値のうち、対象画素に隣接する他の色であるGの画素及びBの画素において決定された予測方向の差分値に対して重み付けした上で、最も差分値の小さい方向を予測方向として決定する。
具体的には、画素R33が対象画素の場合には、符号化部14Rの予測方向決定部145は、図6に示すように、上方に隣接するラインのBの画素B22,B24とGの画素G23、左側に隣接するGの画素G32それぞれで得られた予測方向信号Sdg1,Sdb1を参照して差分値に対して重み付けする。
差分値に対する重み付けの仕方は種々考えられる。一例として、次のように重み付けする。図5に示す対象画素とそれぞれの周辺画素との差分値の絶対値をdif0〜dif3とすると、差分値dif0〜dif3は次のように表される。
dif0=|R11-R33|
dif1=|R13-R33|
dif2=|R15-R33|
dif3=|R31-R33|
図6における例えば画素G23において、左上方向が予測方向として決定されたとする。この場合、差分値dif0にα<1なる係数αを乗算して、差分値α・dif0とする。差分値dif1〜dif3はそのままとする。画素B22,B24,G32においても同様に、決定された予測方向が示す差分値に係数αを乗算し、他の差分値はそのままとする。このように、画素B22,B24,G23,G32において予測方向が示す差分値のみ1より小さく重み付けした上で、全ての差分値を加算して、最も値の小さい方向を画素R33の予測方向として決定する。
ここでは、画素B22,B24,G23,G32の全てで同じ係数αを用いて重み付けを同じとしているが、画素の位置に応じて重み付けを異ならせてもよい。また、符号化部14Rの予測方向決定部145は、予測方向信号Sdg1,Sdb1のうちの一方のみを参照して差分値に対して重み付けしてもよい。
次に、符号化部14Gの予測方向決定部145の動作を説明する。図7に示すように、GデータDgにおけるGの画素のうち例えば画素G43が符号化及び復号の対象画素であるとする。符号化部14Gの予測方向決定部145は、同色である画素G23,G32,G34,G41を対象画素である画素G43の周辺画素とする。符号化部14Gの予測方向決定部145は、画素G43の画素データと画素G23,G32,G34,G41それぞれの画素データとの差分値を求める。
画素G23は、画素G43に対して、同じ水平位置で2ライン上方に位置するラインの画素である。画素G32,G34は、画素G43に対して1ライン上方に位置するラインの画素である。画素G41は、画素G43に対して、同じGの画素としては左側に隣接する画素である。画素G41と画素G43とは2画素分ずれている。画素G43に対して、画素G32を左上の画素、画素G23を上の画素、画素G34を右上の画素、画素G41を左の画素とする。
符号化部14Gの予測方向決定部145は、図7に示す対象画素とそれぞれの周辺画素との差分値のうち、対象画素に隣接する他の色であるRの画素及びBの画素において決定された予測方向の差分値に対して重み付けした上で、最も差分値の小さい方向を予測方向として決定する。
具体的には、画素G43が対象画素の場合には、符号化部14Gの予測方向決定部145は、図8に示すように、上方に隣接するラインのRの画素R33、左側に隣接するBの画素B42それぞれで得られた予測方向信号Sdr1,Sdb1を参照して差分値に対して重み付けする。差分値に対する重み付けの仕方は、上記のとおりである。
さらに、符号化部14Bの予測方向決定部145の動作を説明する。図9に示すように、BデータDbにおけるBの画素のうち例えば画素B44が符号化及び復号の対象画素であるとする。符号化部14Bの予測方向決定部145は、同色である画素B22,B24,B26,B42を対象画素である画素B44の周辺画素とする。符号化部14Bの予測方向決定部145は、画素B44の画素データと画素B22,B24,B26,B42それぞれの画素データとの差分値を求める。
画素B44と画素B22,B24,B26,B42との位置関係は、画素R33と画素R11,R13,R15,R31との位置関係と同じである。
符号化部14Bの予測方向決定部145は、図9に示す対象画素とそれぞれの周辺画素との差分値のうち、対象画素に隣接する他の色であるGの画素及びRの画素において決定された予測方向の差分値に対して重み付けした上で、最も差分値の小さい方向を予測方向として決定する。
具体的には、画素B44が対象画素の場合には、符号化部14Bの予測方向決定部145は、図10に示すように、上方に隣接するラインのRの画素R33,R35とGの画素G34、左側に隣接するGの画素G43それぞれで得られた予測方向信号Sdr1,Sdg1を参照して差分値に対して重み付けする。差分値に対する重み付けの仕方は、上記のとおりである。
以上のように、符号化部14R,14G,14Bは、それぞれ、RデータDr,GデータDg,BデータDbを符号化して復号した画素データのみに基づいて予測方向を決定するのではなく、少なくとも1つの他の色の画素データにおける予測方向を参照した上で予測方向を決定する。
一例として、符号化部14Rにおいて、左上方向の差分値dif0と上方向の差分値dif1とが同じ値であり、予測方向信号Sdg1,Sdb1が上方向を示す場合には、符号化部14Rの予測方向決定部145は上方向を示す予測方向信号Sdr1を生成することになる。また、左上方向の差分値dif0が上方向の差分値dif1より小さい値であっても、予測方向信号Sdg1,Sdb1が上方向を示す場合には、符号化部14Rの予測方向決定部145は上方向を示す予測方向信号Sdr1を生成する場合が発生する。
符号化部14R,14G,14Bより出力された符号化RデータDer,符号化GデータDeg,符号化BデータDebは、メモリ15に入力されて記憶される。メモリ15は、符号化RデータDer,符号化GデータDeg,符号化BデータDebを1または複数フレーム遅延させるために用いることができる。また、メモリ15は、符号化RデータDer,符号化GデータDeg,符号化BデータDebを貯蔵するために用いることもできる。
符号化RデータDer,符号化GデータDeg,符号化BデータDebのデータ量が削減されているため、メモリ15の容量は、RデータDr,GデータDg,BデータDbをそのまま記憶する場合と比較して少なくてよい。メモリ15に転送するデータ量が少ないので、短い転送時間で転送することができる。
メモリ15から読み出された符号化RデータDer,符号化GデータDeg,符号化BデータDebは、復号部16R,16G,16Bに個々に入力される。
復号部16Rは、差分逆量子化部164と予測方向決定部165とを有する。差分逆量子化部164は逆量子化テーブル1641を有する。逆量子化テーブル1641は、図4に示す逆量子化テーブル1441と同じでよい。図1では、復号部16Rのみ詳細構成を示しているが、復号部16G,16Bも復号部16Rと同様の構成を有する。
復号部16R,16G,16Bは、図4に示す逆量子化テーブル1641を用いて、符号化RデータDer,符号化GデータDeg,符号化BデータDebを復号し、8ビットの復号RデータDdr,復号GデータDdg,復号BデータDdbを出力する。
具体的には、復号部16R,16G,16Bの差分逆量子化部164は、逆量子化テーブル1641を参照して、入力された符号化RデータDer,符号化GデータDeg,符号化BデータDebに対応する復号差分値を選択する。差分逆量子化部164は、予測方向決定部165によって生成された予測方向信号Sdr2,Sdg2,Sdb2が示す対象画素と最も相関の高い方向である予測方向に位置する周辺画素を選択して、対象画素の復号差分値を周辺画素の画素データに加算する。
復号部16R,16G,16Bにおける差分逆量子化部164及び予測方向決定部165の動作は、符号化部14R,14G,14Bにおける差分逆量子化部144及び予測方向決定部145の動作と同じである。
予測方向決定部165も、符号化RデータDer,符号化GデータDeg,符号化BデータDebを復号した画素データのみに基づいて予測方向を決定するのではなく、少なくとも1つの他の色の画素データにおける予測方向を参照した上で予測方向を決定する。
復号RデータDdr,復号GデータDdg,復号BデータDdbは色成分合成部17に入力される。色成分合成部17は、復号RデータDdr,復号GデータDdg,復号BデータDdbを入力画像データと同じ配列となるように合成し、1系統の出力画像データとして出力する。色成分分離部13を備えていない構成の場合には、色成分合成部17も備える必要はない。色成分分離部13を備えている場合であっても、復号RデータDdr,復号GデータDdg,復号BデータDdbを1系統に合成する必要がない場合には、色成分合成部17を省略することが可能である。
なお、図1において、出力画像データは、入力画像データを符号化して復号することによる誤差を含むことから、出力画像データは入力画像データとは完全には一致しない。
本実施形態においては、符号化部14R,14G,14Bの予測方向決定部145と、復号部16R,16G,16Bの予測方向決定部165は、少なくとも1つの他の色の画素データにおける予測方向を参照した上で予測方向を決定する。従って、本実施形態によれば、予測方向の精度を向上させることができ、画像信号を符号化して復号する際の誤差を抑えることができる。
本実施形態において、入力画像データはRAWデータに限定されるものではない。但し、RAWデータは、一般的に、異なる色であっても対象画素に隣接する画素であれば類似の周波数特性を有する。よって、RAWデータは、本実施形態の画像信号符号化装置及び画像信号復号装置によって符号化し復号する対象の入力画像データとして好適である。
本発明は以上説明した本実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。図1では、画像信号符号化・復号装置をハードウェアにて構成した例を示している。例えば符号化部14R,14G,14Bと復号部16R,16G,16Bの部分をコンピュータプログラムによるソフトウェアによって構成してもよい。
14R,14G,14B 符号化部
15 メモリ
16R,16G,16B 復号部
143 差分量子化部
144,164 差分逆量子化部
145,165 予測方向決定部
1431 量子化テーブル
1441 逆量子化テーブル

Claims (6)

  1. 第1のビット数を有する複数の色データそれぞれに対応して設けられ、前記複数の色データが個々に入力されて、入力された色データを符号化する複数の符号化部を備え、
    前記複数の符号化部はそれぞれ、
    前記入力された色データにおける符号化の対象となっている対象画素の画素データと、前記対象画素より過去に入力され、前記対象画素の周辺に位置する同色である複数の周辺画素のうち、予測方向信号が示す予測方向に位置する周辺画素の画素データとの差分値を、量子化テーブルに基づいて前記第1のビット数より小さい第2のビット数に量子化する差分量子化部と、
    前記差分量子化部によって量子化された前記第2のビット数を有する色データを逆量子化テーブルに基づいて復号差分値に変換し、前記復号差分値前記予測方向信号が示す予測方向に位置する周辺画素の画素データに加算して、前記第1のビット数を有する色データを復号する差分逆量子化部と、
    前記対象画素の画素データと前記複数の周辺画素の画素データとのそれぞれの差分値を求め、前記対象画素に隣接する他の色の色データの画素において決定した予測方向を参照した上で、前記それぞれの差分値に基づいて予測方向を決定して前記予測方向信号を生成する予測方向決定部と、
    を備え
    前記差分逆量子化部によって復号された前記第1のビット数を有する色データは、前記差分量子化部及び前記予測方向決定部に入力され、
    前記差分量子化部と前記差分逆量子化部と前記予測方向決定部とがそれぞれ用いる前記周辺画素の画素データは、前記差分逆量子化部によって復号された前記第1のビット数を有する色データの画素データである
    とを特徴とする画像信号符号化装置。
  2. 前記予測方向決定部は、前記それぞれの差分値のうち、前記対象画素に隣接する他の色の色データの画素において決定した予測方向と同じ方向に位置する周辺画素の差分値が小さくなるように重み付けして、重み付けした差分値を含む前記それぞれの差分値に基づいて予測方向を決定して前記予測方向信号を生成することを特徴とする請求項1記載の画像信号符号化装置。
  3. 第1のビット数を有する複数の色データそれぞれを符号化の対象として入力し、
    前記入力された色データにおける符号化の対象となっている対象画素の画素データと、前記対象画素より過去に入力され、前記対象画素の周辺に位置する同色である複数の周辺画素のうち、予測方向信号が示す予測方向に位置する周辺画素の画素データとの差分値を、量子化テーブルに基づいて前記第1のビット数より小さい第2のビット数に量子化し、
    量子化された前記第2のビット数を有する色データを逆量子化テーブルに基づいて復号差分値に変換し、前記復号差分値前記予測方向信号が示す予測方向に位置する周辺画素の画素データに加算して、前記第1のビット数を有する色データを復号し、
    前記対象画素と前記複数の周辺画素とのそれぞれの差分値を求め、前記対象画素に隣接する他の色の色データの画素において決定した予測方向を参照した上で、前記それぞれの差分値に基づいて予測方向を決定して前記予測方向信号を生成する
    ことを特徴とする画像信号符号化方法。
  4. 第1のビット数を有する複数の色データそれぞれが前記第1のビット数より小さい第2のビット数に符号化された複数の符号化色データが個々に入力され、入力された符号化色データを復号する複数の復号部を備え、
    前記複数の復号部はそれぞれ、
    前記入力された符号化色データにおける符号化の対象となっている対象画素の符号化色データを逆量子化テーブルに基づいて復号差分値に変換し、前記復号差分値予測方向信号が示す予測方向に位置する周辺画素の画素データに加算して、前記第1のビット数を有する色データを復号する差分逆量子化部と、
    前記対象画素と前記対象画素の周辺に位置する同色である複数の周辺画素とのそれぞれの差分値を求め、前記対象画素に隣接する他の色の色データの画素において決定した予測方向を参照した上で、前記それぞれの差分値に基づいて予測方向を決定して前記予測方向信号を生成する予測方向決定部と、
    を備えることを特徴とする画像信号復号装置。
  5. 前記予測方向決定部は、前記それぞれの差分値のうち、前記対象画素に隣接する他の色の色データの画素において決定した予測方向と同じ方向に位置する周辺画素の差分値が小さくなるように重み付けして、重み付けした差分値を含む前記それぞれの差分値に基づいて予測方向を決定して前記予測方向信号を生成することを特徴とする請求項4記載の画像信号復号装置。
  6. 第1のビット数を有する複数の色データそれぞれが前記第1のビット数より小さい第2のビット数に符号化された複数の符号化色データそれぞれを復号の対象として入力し、
    前記入力された符号化色データにおける符号化の対象となっている対象画素の符号化色データを逆量子化テーブルに基づいて復号差分値に変換し、前記復号差分値予測方向信号が示す予測方向に位置する周辺画素の画素データに加算して、前記第1のビット数を有する色データを復号し、
    前記対象画素と前記対象画素の周辺に位置する同色である複数の周辺画素とのそれぞれの差分値を求め、前記対象画素に隣接する他の色の色データの画素において決定した予測方向を参照した上で、前記それぞれの差分値に基づいて予測方向を決定して前記予測方向信号を生成する
    ことを特徴とする画像信号復号方法。
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