JP6060566B2 - 積層フィルムおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
ポリエステルフィルム(P)の少なくとも一面に、樹脂(α)を含む樹脂層(X)が設けられた積層フィルムであって、以下の(1)〜(4)の条件を満たす積層フィルム。
(1)樹脂層(X)の厚みが90〜500nmであること。
(2)樹脂(α)が、水酸基とアクリロイル基を有する樹脂(A)と、メチロール基を有するメラミン化合物(B)、及びカルボキシル基、スルホン酸基、アミノ基から選ばれる少なくとも1つの官能基を有する樹脂(C)を含む樹脂組成物から得られる樹脂であること。
(3)樹脂層(X)において、樹脂(A)とメラミン化合物(B)からなる樹脂成分が、ポリエステルフィルム(P)と接していない樹脂層(X)の表面側から、ポリエステルフィルム(P)と接している界面側に向かって含有量が多く偏在していること。
(4)樹脂層(X)の、ポリエステルフィルム(P)と接していない表面側の表面自由エネルギーが、ポリエステルフィルム(P)と接している界面側の表面自由エネルギーよりも2.0mN/m以上低いこと。
である。
本発明の積層フィルムの樹脂層(X)は、樹脂層(X)厚みが90nm以上、500nm以下であることが必要である。樹脂層(X)厚みを90nm以上とすることで、オリゴマー析出抑制性を付与が可能となる。樹脂層(X)厚みを500nm以下とすることで積層フィルムの透明性、ハンドリング性が良好となる。
本発明に用いる樹脂(α)は前述したように、水酸基とアクリロイル基を有する樹脂(A)とメチロール基を有するメラミン化合物(B)、及びカルボキシル基、スルホン酸基、アミノ基から選ばれる少なくとも1つの官能基を有する樹脂(C)を含む樹脂組成物から得られる樹脂である。樹脂(α)について以下に詳しく説明する。
本発明において用いられる、水酸基とアクリロイル基を有する樹脂(A)とは、少なくとも1つ以上の水酸基と、1つ以上のアクリロイル基を有する樹脂である。本発明において、アクリロイル基はメタクリロイル基を含むものである。また、樹脂層(X)が緻密な架橋構造を形成する点からアクリロイル基は多官能であることが好ましく、アクリロイル基の数が2以上、15以下であることが好ましい。
化合物(a1)は、樹脂(A)の主骨格を形成するモノマーである。化合物(a1)の具体例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸i−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸i−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸i−オクチル、アクリル酸t−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸i−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸i−オクチル、メタクリル酸t−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル酸及び/またはメタクリル酸の炭素数1〜18のアルキルエステルやその他、アクリル酸シクロヘキシル等のシクロ炭素数5〜12のシクロアルキルエステル、アクリル酸ベンジル炭素数7〜12のアラルキルエステルなどを挙げることができる。
化合物(b)は、水酸基を有することが必要である。かかる化合物(a2)をモノマーとして用いることにより、樹脂(A)に水酸基を持たせることができる。
本発明において用いられる、化合物(a3)は、多官能アクリロイル基を有することが必要である。本発明において、アクリロイル基はメタクリロイル基を含むものである。かかる化合物(a3)をモノマーとして用いることにより、樹脂(A)にアクリロイル基を持たせることができる。また、化合物(a3)は多官能アクリロイル基以外に分子内にウレタン構造を有することが好ましい。かかる化合物(a3)をモノマーとして用いることにより、樹脂(A)にアクリロイル基とウレタン構造を持たせることができる。
本発明において用いられる樹脂(A)の製造方法としては、特に限定されることなく公知の技術を適用することができるが、モノマーとして、化合物(a1)、(a2)及び(a3)を用いることが好ましい。さらに、樹脂(A)の製造方法としては、化合物(a1)、(a2)及び(a3)を用いて水系溶媒(E)中で乳化重合により製造することが好ましい。水系溶媒(E)を用いることで、水系溶媒(E)を用いた樹脂組成物を含む塗液の調整が容易となる。また乳化重合により樹脂(A)を製造することで、樹脂(A)の機械的分散安定性が優れるので好ましい。
動剤としては、n-ドデシルメルカプタン、t-ドデシルメルカプタン、n-ブチルメルカプタン、2-エチルヘキシルチオグリコレート、2-メルカプトエタノール、トリクロロブロモメタン等を挙げることができる。本発明の樹脂(A)の乳化重合において好適に採用される重合温度は約30〜100℃である。
本発明で用いることのできるメラミン化合物(B)は、1分子中にトリアジン環、及びメチロール基をそれぞれ1つ以上有している必要がある。かかるメラミン化合物(B)を用いることで、樹脂(α)に式(2)に示したメチロール基同士の架橋構造を持たせることができる。
本発明において、樹脂(α)は、樹脂(A)およびメラミン化合物(B)以外に、カルボキシル基、スルホン酸基、アミノ基、から選ばれる少なくとも1つの官能基を有する樹脂(C)を含有している。樹脂(C)は樹脂(A)の表面自由エネルギーよりも4.0mN/m以上低いことが好ましい。樹脂(C)の表面自由エネルギーを樹脂(A)の表面自由エネルギーよりも4.0mN/m以上低くにすることで、樹脂(C)からなる樹脂成分が樹脂層(X)最表層への偏在が促進され、本発明に用いる樹脂組成物から樹脂層(X)を形成させた時に、樹脂層(X)のポリエステルフィルム(P)と接していない表面側のの表面自由エネルギーが、ポリエステルフィルム(P)と接している界面側の表面自由エネルギーよりも2.0mN/m以上低くすることが可能となり、ポリエステルフィルム(P)からのオリゴマーの析出抑制とハードコート剤との良好な接着性を両立することができる。
化合物(c1)は、樹脂(C)の主骨格を形成するモノマーであり、化合物(c1)は樹脂(A)の主骨格を有する化合物(a1)と同一である。
樹脂(C)は、カルボキシル基、スルホン酸基、アミノ基から選ばれる少なくとも1つの官能基を有することが必要である。かかる化合物(c2)をモノマーとして用いることにより、樹脂(C)に各種ハードコート剤との接着性を付与することができる。
樹脂(C)は、N−メチロールアクリルアミド化合物(c3)有することが好ましい。。かかる化合物(c3)をモノマーとして用いることにより、樹脂(C)に自己架橋性の付与し、樹脂(C)からなる樹脂成分の架橋密度を向上させることができる。N−メチロールアクリルアミド化合物(c3)としては、N−メチロールアクリルアミド単独、及び/またはアクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N,N−ジメチロールアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−メトキシメチルメタクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミドなどのアミド基含有モノマーやアリルグリシジルエーテルなどのグリシジル基含有モノマーと併用したものなどが挙げられる。
本発明において用いられる樹脂(C)の製造方法としては、特に限定されることなく公知の技術を適用することができるが、モノマーとして、化合物(c1)、(c2)及び(c3)を用いることが好ましい。さらに、樹脂(C)の製造方法としては、樹脂(A)の製造方法と同様に、化合物(c1)、(c2)及び(c3)を用いて水系溶媒(E)中で乳化重合により製造することが好ましい。水系溶媒(E)を用いることで、水系溶媒(E)を用いた樹脂組成物を含む塗液の調整が容易となる。また乳化重合により樹脂(C)を製造することで、樹脂(A)の機械的分散安定性が優れるので好ましい。本発明で用いられる樹脂(C)においては、製造方法、及び乳化剤、重合開始剤や還元剤などの添加剤は樹脂(A)の製造方法と同様のものを用いることができる。
本発明において、前記樹脂組成物には、オキサゾリン化合物および/またはカルボジイミド化合物を含むことが好ましい。
−N=C=N− 式(4)
カルボジイミド化合物の製造は公知の技術を適用することができ、一般的には、ジイソシアネート化合物を触媒存在下で重縮合することにより得られる。ポリカルボジイミド化合物の出発原料であるジイソシアネート化合物としては、芳香族、脂肪族、脂環式ジイソシアネートなどを用いることができ、具体的にはトリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルジイソシアネートなどを用いることができる。
本発明の積層フィルムにおいて、基材フィルムとなるポリエステルフィルム(P)について詳しく説明する。本発明においてポリエステルフィルム(P)を構成するポリエステルとは、エステル結合を主鎖の主要な結合鎖とする高分子の総称であって、エチレンテレフタレート、プロピレンテレフタレート、エチレン−2,6−ナフタレート、ブチレンテレフタレート、プロピレン−2,6−ナフタレート、エチレン−α,β−ビス(2−クロロフェノキシ)エタン−4,4‘−ジカルボキシレートなどから選ばれた少なくとも1種の構成成分を主要構成成分とするものを表す。本発明では、ポリエステルフィルム(P)を構成するポリエステルとしてポリエチレンテレフタレートを用いることが好ましい。また積層フィルムに熱や収縮応力などが作用する場合には、ポリエステルフィルム(P)を構成するポリエステルとして耐熱性や剛性に優れたポリエチレン−2,6−ナフタレートを用いることが好ましい。
本発明では、樹脂(A)とメラミン化合物(B)、及び樹脂(C)とを含有する樹脂組成物をポリエステルフィルム(P)上に設け、その後に加熱し、ポリエステルフィルム(P)上に樹脂(α)を含む樹脂層(X)を形成させることが好ましい。このとき、加熱温度は150℃以上にすることが好ましい。加熱温度を150℃以上にすることで、式(1)〜(3)の構造を有し、且つ樹脂層(X)において、樹脂(A)とメラミン化合物(B)からなる樹脂成分が、ポリエステルフィルム(P)と接していない樹脂層(X)の表面側から、ポリエステルフィルム(P)と接している界面側に向かって含有量が多く偏在させることが可能となる。これによって、オリゴマーの析出が抑制され、ハードコート剤との接着性が良好な積層フィルムを得ることができる。
樹脂組成物を含む塗液を作成する場合、溶媒は水系溶媒(E)を用いることが好ましい。樹脂組成物を含む塗液は、必要に応じて水分散化または水溶化した樹脂(A)、メラミン化合物(B)、樹脂(C)、及び水系溶媒(E)を任意の順番で所望の重量比で混合、撹拌することで作製することができる。次いで必要に応じて易滑剤や無機粒子、有機粒子、界面活性剤、酸化防止剤、熱開始剤などの各種添加剤を、樹脂組成物により設けた樹脂層(X)の特性を悪化させない程度に任意の順番で混合、撹拌することができる。混合、撹拌する方法は、容器を手で振って行ったり、マグネチックスターラーや撹拌羽根を用いたり、超音波照射、振動分散などを行うことができる。
熱可塑性樹脂フィルムへの樹脂組成物の塗布方式は、公知の塗布方式、例えばバーコート法、リバースコート法、グラビアコート法、ダイコート法、ブレードコート法等の任意の方式を用いることができる。
本発明の積層フィルムの製造方法について説明する。ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略す)フィルムはまず、PETのペレットを十分に真空乾燥した後、押出機に供給し、約280℃でシート状に溶融押し出し、冷却固化せしめて未延伸(未配向)PETフィルム(Aフィルム)を作製する。このフィルムを80〜120℃に加熱したロールで長手方向に2.5〜5.0倍延伸して一軸配向PETフィルム(Bフィルム)を得る。このBフィルムの片面に所定の濃度に調製した、樹脂(A)とメラミン化合物(B)、及び樹脂(C)を含む樹脂組成物を有する塗液を塗布する。この時、塗布前にPETフィルムの塗布面にコロナ放電処理等の表面処理を行ってもよい。コロナ放電処理等の表面処理を行うことで、樹脂組成物のPETフィルムへの濡れ性を向上させ、樹脂組成物のはじきを防止し、均一な塗布厚みを達成することができる。
本発明における特性の測定方法、および効果の評価方法は次のとおりである。
一辺が5cmの正方形状の積層フィルムサンプルを3点(3個)準備する。次にサンプルを常態(23℃、相対湿度50%)において、40時間放置する。それぞれのサンプルを日本電色工業(株)製濁度計「NDH5000」を用いて、全光線透過率の測定はJIS「プラスチック透明材料の全光線透過率の試験方法」(K7361−1、1997年版)、ヘイズの測定はJIS「透明材料のヘーズの求め方」(K7136 2000年版)に準ずる方式で実施する。それぞれの3点(3個)の全光線透過率およびヘイズの値を平均して、積層フィルムの全光線透過率およびヘイズの値とする。
積層フィルムの樹脂層(X)をRuO4を用いて染色する。次に、積層フィルムを凍結せしめ、フィルム厚み方向に切断し、樹脂層(X)断面観察用の超薄切片サンプルを10点(10個)得る。それぞれのサンプル断面をTEM(透過型電子顕微鏡:(株)日立製作所製H7100FA型)にて1万〜100万倍で観察し、断面写真を得る。その10点(10個)のサンプルの樹脂層(X)厚みの測定値を平均して、積層フィルムの樹脂層(X)厚みとする。
積層フィルムの樹脂層(X)の断面を、飛行時間2次イオン質量分析装置(TOF−SIMS)(ION−TOF社製、TOF−SIMS5型)を用いて測定し、ポリステルフィルムと接していない樹脂層(X)の表面側から樹脂層厚み深さ10%、50%、90%の領域における、樹脂(A)とメラミン化合物(B)からなる樹脂成分に由来する2次イオンのピーク強度を確認する。ピーク強度が、ポリステルフィルムと接していない樹脂層(X)の表面側から樹脂層厚み深さ10%、50%、90%の領域で順次大きくなっていれば、樹脂(A)とメラミン化合物(B)からなる樹脂成分が、ポリエステルフィルムと接していない樹脂層(X)の表面側から、ポリエステルフィルムと接している界面側に向かって多く偏在しているとした。表中において、偏在しているものを「樹脂層(X)の構造」の項で「○」、偏在していないものを「×」とした。
本発明に積層フィルムのハードコート剤との接着性を評価するため、有機溶媒塗料系の紫外線硬化型ハードコート剤(ハードコートA、ハードコートB)や無溶媒型紫外線硬化型樹脂(ハードコートC)を用いた。
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート:70重量部
・N−ビニルピロリドン:30重量部
・1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン:4重量部。
ハードコートC:無溶媒型透明紫外線硬化型樹脂(下記の組成比で調整した)
・三洋化成(株)製“サンラッド”(登録商標)RC−610:60重量部
・三菱レイヨン(株)製“ダイヤビーム”(登録商標)UR−6530:20重量部
・日本化薬(株)製DPHA(ジペンタエリスリトールペンタアクリレート/ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート混合物):20重量部。
各種ハードコートの硬化膜に1mm2のクロスカットを100個入れ、ニチバン(株)製“セロハンテープ”(登録商標)をその上に貼り付け、ゴムローラーを用いて、荷重19.6Nで3往復させ、押し付けた後、90度方向に剥離し、該硬化膜の残存した個数により評価し、残存した個数が95以上を接着性特に良好「◎」、80以上を接着性良好「○」、79以下を接着性不良「×」とした。
一辺が10cmの積層フィルムサンプルを金属枠に4辺で固定する。次に、金属枠に固定した積層フィルムサンプルを150℃(風量ゲージ「7」)に設定したエスペック(株)製熱風オーブン「HIGH−TEMP−OVEN PHH−200」に、オーブン内の床に対して立てて入れ1時間加熱し、その後空冷で1時間放置した。樹脂層(X)と反対にあるポリエステルフィルム(P)の面を、アセトンを含ませた不織布(小津産業(株)製、ハイゼガーゼNT−4)にて拭き取り、さらにアセトンで流し、常態で40時間放置乾燥させ、樹脂層(X)とは反対面のポリエステルフィルム(P)面から析出したオリゴマーを除去した。その後(1)と同様にヘイズを測定し、加熱処理評価前のヘイズとの差をΔヘイズとして評価した。Δヘイズが0.3%未満を良好とした。尚、目安としてΔヘイズが0.3%未満であると加熱処理前後において目視ではヘイズ値の変化は分からない。0.3%以上、0.5%未満では個人差はあるが加熱処理前後で目視でのヘイズ値の変化が分かる可能性がある。0.5%以上では加熱処理前後で目視でのヘイズの変化が明らかに分かる。
まず、積層フィルムの樹脂層(X)の表面の表面自由エネルギーを以下の方法で算出する。積層フィルムを室温23℃相対湿度65%の雰囲気中に24時間放置後した。その後、同雰囲気下で、樹脂層(X)に対して、純水、エチレングリコール、ホルムアミド、ジヨードメタンの4種の溶液のそれぞれの接触角を、接触角計CA−D型(協和界面科学(株)社製)により、それぞれ5点測定する。5点の測定値の最大値と最小値を除いた3点の測定値の平均値をそれぞれの溶液の接触角とする。尚、樹脂層(X)のポリエステルフィルム(P)との界面側の測定は、一度溶剤によりポリエステルフィルム(P)を溶出させ、樹脂層(X)のポリエステルフィルム(P)との界面を露出させたもので測定する。
γS : 樹脂層(X)の表面自由エネルギー
γL : 表1に記載の既知の溶液の表面自由エネルギー
γS d: 樹脂層(X)の表面自由エネルギーの分散力成分
γS p: 樹脂層(X)の表面自由エネルギーの極性力成分
γS h: 樹脂層(X)の表面自由エネルギーの水素結合力成分
γL d : 表1に記載の既知の溶液の表面自由エネルギーの分散力成分
γL p : 表1に記載の既知の溶液の表面自由エネルギーの極性力成分
γL h: 表1に記載の既知の溶液の表面自由エネルギーの水素結合力成分
γS L=γS+γL−2(γS d・γL d)1/2−2(γS p・γLp)1/2−2(γS h・γL h)1/2 ・・・ 数式(1)。
(γS d・γL d)1/2+(γS p・γL p)1/2+(γS h・γL h)1/2=γL(1+cosθ)/2 ・・・ 数式(3)。
まず、樹脂(A)、および樹脂(C)の表面自由エネルギーを以下の方法で算出する。
ポリエステルフィルム(P)上に樹脂(A)、および樹脂(C)をそれぞれワイヤーバーコート法で、厚み約0.5μmになるように塗布し、100℃(風量ゲージ「7」)に設定したエスペック(株)製熱風オーブン「HIGH−TEMP−OVEN PHH−200」にて1時間加熱し、その後空冷で1時間放置する。この時、塗布前にポリエステルフィルム(P)の塗布面にコロナ放電処理等の表面処理を行ってもよい。コロナ放電処理等の表面処理を行うことで、樹脂(A)、および樹脂(C)のポリエステルフィルム(P)への濡れ性を向上させ、均一な塗膜を作成することができる。
樹脂層(X)中の式(1)〜(3)の構造の確認方法は、特に特定の手法に限定されないが、以下のような方法が例示できる。例えば、ガスクロマトグラフ質量分析(GC−MS)による式(1)〜(3)の構造に由来する重量ピークの有無を確認する。次に、フーリエ変換型赤外分光(FT−IR)にて、式(1)〜(3)の構造が有する各原子間の結合に由来するピークの有無を確認する。さらに、プロトン核磁気共鳴分光(1H−NMR)にて、式(1)〜(3)の構造が有する水素原子の位置に由来する化学シフトの位置と水素原子の個数に由来するプロトン吸収線面積を確認する。これらの結果を合わせて総合的に確認する手法が好ましい。表中、式(1)〜(3)の構造を有する場合を「○」、有さない場合を「×」と記載した。
・水酸基とアクリロイル基を有する樹脂(A):
ステンレス反応容器に、メタクリル酸メチル(a1)、メタクリル酸ヒドロキシエチル(a2)、ウレタンアクリレートオリゴマー(根上工業(株)製、“アートレジン”(登録商標)UN−3320HA、アクリロイル基の数が6)(a3)を表1の質量比で仕込み、乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを(a1)〜(a3)の合計100質量部に対して2質量部を加えて撹拌し、混合液1を調製した。次に、攪拌機、環流冷却管、温度計及び滴下ロートを備えた反応装置を準備した。上記混合液1を60重量部と、イソプロピルアルコール200重量部、重合開始剤として過硫酸カリウムを5重量部を反応装置に仕込み、60℃に加熱し、混合液2を調製した。混合液2は60℃の加熱状態のまま20分間保持させた。次に、混合液1の40重量部とイソプロピルアルコール50重量部、過硫酸カリウム5重量部からなる混合液3を調製した。続いて、滴下ロートを用いて混合液3を2時間かけて混合液2へ滴下し、混合液4を調製した。その後、混合液4は60℃に加熱した状態のまま2時間保持した。得られた混合液4を50℃以下に冷却した後、攪拌機、減圧設備を備えた容器に移した。そこに、25%アンモニア水60重量部、及び純水900重量部を加え、60℃に加熱しながら減圧下にてイソプロピルアルコール及び未反応モノマーを回収し、純水に分散された樹脂(A)を得た。
メチロール化メラミン((株)三和ケミカル製、“ニカラック”(登録商標)MW−035)を用いた。
ステンレス反応容器に、メタクリル酸メチル(c1)、アクリル酸(c2)、N−メチロールアクリルアミド(c3)を表1の質量比で仕込み、乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを(c1)〜(c3)の合計100質量部に対して2質量部を加えて撹拌し、混合液5を調製した。次に、攪拌機、環流冷却管、温度計及び滴下ロートを備えた反応装置を準備した。上記混合液5を60重量部と、イソプロピルアルコール200重量部、重合開始剤として過硫酸カリウムを5重量部を反応装置に仕込み、60℃に加熱し、混合液6を調製した。混合液2は60℃の加熱状態のまま20分間保持させた。次に、混合液5の40重量部とイソプロピルアルコール50重量部、過硫酸カリウム5重量部からなる混合液7を調製した。続いて、滴下ロートを用いて混合液3を2時間かけて混合液6へ滴下し、混合液8を調製した。その後、混合液8は60℃に加熱した状態のまま2時間保持した。得られた混合液8を50℃以下に冷却した後、攪拌機、減圧設備を備えた容器に移した。そこに、25%アンモニア水60重量部、及び純水900重量部を加え、60℃に加熱しながら減圧下にてイソプロピルアルコール及び未反応モノマーを回収し、純水に分散された樹脂(C)を得た。
樹脂(A)、メラミン化合物(B)、樹脂(C)を質量比で、(A)/(B)/(C)=65/35/40となるように混合した。そこに、積層フィルム表面に易滑性を付与させるために、無機粒子として数平均粒子径300nmのシリカ粒子((株)日本触媒社製 “シーホスター”(登録商標)KE−W30)を樹脂(A)100質量部に対して2質量部添加した。さらに、樹脂組成物のポリエステルフィルム(P)上への塗布性を向上させるために、フッ素系界面活性剤(互応化学(株)製 “プラスコート”(登録商標)RY−2)を、樹脂組成物を含む塗液に対する含有量が0.06質量部になるよう添加した。
実質的に粒子を含有しないPETペレット(極限粘度0.63dl/g)を充分に真空乾燥した後、押し出し機に供給し285℃で溶融し、T字型口金よりシート状に押し出し、静電印加キャスト法を用いて表面温度25℃の鏡面キャスティングドラムに巻き付けて冷却固化せしめた。この未延伸フィルムを90℃に加熱して長手方向に3.4倍延伸し、一軸延伸PETフィルム(Bフィルム)とした。
樹脂組成物を一軸延伸フィルムにバーコートを用いて塗布厚み約8μmで塗布した。続いて、樹脂組成物を塗布した一軸延伸フィルムの幅方向の両端部をクリップで把持して予熱ゾーンに導いた。予熱ゾーンの雰囲気温度は90℃〜100℃にし、樹脂組成物を含む塗液の溶媒を乾燥させた。引き続き、連続的に110℃の延伸ゾーンで幅方向に3.5倍延伸し、続いて235℃の熱処理ゾーンで20秒間熱処理を施し、樹脂(α)を形成せしめ、PETフィルムの結晶配向の完了した積層フィルムを得た。得られた積層フィルムにおいてPETフィルムの厚みは100μm、樹脂層(X)の厚みは95nmであった。
一軸延伸フィルムに対する樹脂組成物の塗布厚みを増加させ、樹脂層(X)厚みを表2に記載の厚みに変更した以外は、実施例1と同様の方法で、積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの特性等を表2に示す。実施例2では、実施例1と比較して樹脂層(X)の厚みを増加させたことにより、ハードコート剤との接着性を維持しながら、150℃1時間加熱処理後のヘイズ変化はより良好な結果であった。実施例3では、実施例1と比較して樹脂層(X)の厚みを増加させたことにより、ややヘイズが高くなったが、ハードコート剤との接着性を維持しながら、150℃1時間加熱処理後のヘイズ変化はより良好な結果であった。
樹脂(A)の組成質量比を表1に記載の組成質量比に変更した以外は、実施例2と同様の方法で、積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの特性等を表2に示す。実施例2と比較して、樹脂(A)の組成質量比を変更したが、全光線透過率やヘイズなどの透明性に優れ、且つハードコート剤との接着性、及び150℃1時間加熱処理後のヘイズ変化が0.3%以内と良好な結果であった。
樹脂(A)とメラミン化合物(B)の質量比を表1に記載した質量比に変更した以外は、実施例2と同様の方法で積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの特性等を表2に示す。実施例2と比較して、メラミン化合物(B)の質量比を変更したが、全光線透過率やヘイズなどの透明性に優れ、且つハードコート剤との接着性、及び150℃1時間加熱処理後のヘイズ変化が0.3%以内と良好な結果であった。
樹脂(C)の組成質量比を表1に記載の組成質量比に変更した以外は、実施例2と同様の方法で、積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの特性等を表2に示す。実施例2と比較して、樹脂(C)の組成質量比を変更したが、全光線透過率やヘイズなどの透明性に優れ、且つハードコート剤との接着性はハードコートの種類によってやや劣るものの「○」以上であり、150℃1時間加熱処理後のヘイズ変化が0.3%以内と良好な結果であった。
樹脂(A)、樹脂(C)それぞれの組成質量比を表1に記載の組成質量比に変更した以外は、実施例2と同様の方法で、積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの特性等を表2に示す。実施例2と比較して、樹脂(A)、樹脂(C)それぞれの組成質量比を変更したが、全光線透過率やヘイズなどの透明性に優れ、且つハードコート剤との接着性はやや劣るものの「○」以上であり、150℃1時間加熱処理後のヘイズ変化が0.3%以内と良好な結果であった。
樹脂層(X)中に樹脂(α)の含有率が88質量%となるように、オキサゾリン化合物((株)日本触媒製“エポクロス”WS−500)を12質量%添加した樹脂組成物を調整した以外は、実施例2と同様の方法で、積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの特性等を表2に示す。実施例2と同様に、ハードコート剤との接着性、及び150℃1時間加熱処理後のヘイズ変化ともに良好であった。
樹脂層(X)中に樹脂(α)の含有率が78質量%となるように、オキサゾリン化合物((株)日本触媒製“エポクロス”WS−500)、カルボジイミド化合物(日清紡ケミカル(株)“カルボジライト”V−04)をそれぞれ11質量%添加した樹脂組成物を調整した以外は、実施例2と同様の方法で、積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの特性等を表2に示す。実施例2と同様に、ハードコート剤との接着性、及び150℃1時間加熱処理後のヘイズ変化ともに良好であった。
樹脂層(X)厚みを表1に記載した厚みに変更した以外は、実施例1と同様の方法で、積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの特性等を表2に示す。実施例1と比較して樹脂層(X)の厚みを減少させたところ、150℃1時間加熱処理後のヘイズ変化が大きく、オリゴマーの析出抑制効果が十分ではなかった。
樹脂層(X)厚みを表1に記載した厚みに変更した以外は、実施例1と同様の方法で、積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの特性等を表2に示す。実施例1と比較して樹脂層(X)の厚みを増加させたところ、ハードコートとの接着性が不良であった。ポリエステルフィルム(P)と接しない樹脂層(X)の表面から樹脂層(X)厚み深さ方向に10%と50%の領域の樹脂(A)、メラミン化合物(B)からなる樹脂成分の2次イオンピーク強度の増加が確認できなかった。よって、樹脂層(X)厚みが厚かったため、樹脂(C)からなる樹脂成分がポリエステルフィルム(P)と接しない樹脂層(X)の表面に偏在しきれず、ハードコートとの接着性が不良になったものと考えられる。
樹脂(A)、樹脂(C)の質量比を表1に記載の質量比に変更した以外は、実施例2と同様の方法で、積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの特性等を表2に示す。実施例2と比較して、樹脂(A)と樹脂(C)の表面エネルギーが近似したため、樹脂層(X)の表面の表面自由エネルギーが、ポリエステルフィルム(P)との界面側の表面自由エネルギーよりも2.0mN/m未満となり、ポリエステルフィルム(P)と接しない樹脂層(X)の表面から樹脂層(X)厚み深さ方向に10%、50%、90%の領域の樹脂(A)、メラミン化合物(B)からなる樹脂成分の2次イオンピーク強度の増加が確認できなかった。よって、樹脂(C)からなる樹脂成分がポリエステルフィルム(P)と接しない樹脂層(X)の表面に偏在しきれず、ハードコートとの接着性が不良になったものと考えられる。
樹脂組成物(樹脂(A)とメラミン化合物(B)、及び樹脂(C)の混合物)の質量比を表1に記載の質量比に変更した以外は、実施例2と同様の方法で、積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの特性等を表2に示す。比較例4では、150℃1時間加熱処理後のヘイズ変化は良好なものの、ハードコートとの接着性が不良であった。これは樹脂層(X)中の樹脂(C)の質量比が小さく、ポリエステルフィルム(P)と接しない樹脂層(X)の表面から樹脂層(X)厚み深さ方向に10%、50%、90%の領域の樹脂(A)、メラミン化合物(B)からなる樹脂成分の2次イオンピーク強度の増加が確認できなかった。よって樹脂(C)からなる樹脂成分がポリエステルフィルム(P)と接しない樹脂層(X)の表面に偏在しきれず、にハードコート剤と接着性が不足したためと考えられる。
樹脂組成物(樹脂(A)とメラミン化合物(B)、及び樹脂(C)の混合物)の質量比を表1に記載の質量比に変更した以外は、実施例2と同様の方法で、積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの特性等を表2に示す。比較例5では、ハードコートとの接着性は良好なものの、150℃1時間加熱処理後のヘイズ変化が不良であった。これは樹脂(C)の質量比が大きく、相対的に樹脂(A)とメラミン化合物(B)の質量比が小さくなったため、樹脂層(X)のオリゴマー抑制効果が不足したためと考えられる。
樹脂(A)の組成質量比を表1に記載の組成質量比に変更した以外は、実施例2と同様の方法で、樹脂組成物を含む塗液を調整しようとしたが、樹脂(A)が溶媒である水に分散出来ず、樹脂(A)の塗液、及び樹脂組成物を調整することができなかった。
樹脂(A)の組成質量比を表1に記載の組成質量比に変更した以外は、実施例2と同様の方法で、積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの特性等を表2に示す。比較例6では、ハードコートとの接着性は良好なものの、150℃1時間加熱処理後のヘイズ変化が不良であった。これは樹脂(A)がアクリロイル基を有していなかったため、樹脂(α)の架橋密度が低下し、樹脂層(X)のオリゴマー抑制効果が不足したためと考えられる。
Claims (14)
- ポリエステルフィルム(P)の少なくとも一面に、樹脂(α)を含む樹脂層(X)が設けられた積層フィルムであって、以下の(1)〜(4)の条件を満たす積層フィルム。
(1)樹脂層(X)の厚みが90〜500nmであること。
(2)樹脂(α)が、水酸基とアクリロイル基を有する樹脂(A)と、メチロール基を有するメラミン化合物(B)、及びカルボキシル基、スルホン酸基、アミノ基から選ばれる少なくとも1つの官能基を有し、かつ、アクリル樹脂を含む樹脂(C)を含む樹脂組成物から得られる樹脂であること。
(3)樹脂層(X)において、樹脂(A)とメラミン化合物(B)からなる樹脂成分が、ポリエステルフィルム(P)と接していない樹脂層(X)の表面側から、ポリエステルフィルム(P)と接している界面側に向かって含有量が多く偏在していること。
(4)樹脂層(X)の、ポリエステルフィルム(P)と接していない表面側の表面自由エネルギーが、ポリエステルフィルム(P)と接触している界面側の表面自由エネルギーよりも2.0mN/m以上低いこと。 - ポリエステルフィルム(P)の少なくとも一面に、樹脂(α)を含む樹脂層(X)が設けられた積層フィルムであって、以下の(1)〜(5)の条件を満たす積層フィルム。
(1)樹脂層(X)の厚みが90〜500nmであること。
(2)樹脂(α)が、水酸基とアクリロイル基を有する樹脂(A)と、メチロール基を有するメラミン化合物(B)、及びカルボキシル基、スルホン酸基、アミノ基から選ばれる少なくとも1つの官能基を有し、かつ、アクリル樹脂を含む樹脂(C)を含む樹脂組成物から得られる樹脂であること。
(3)樹脂層(X)において、樹脂(A)とメラミン化合物(B)からなる樹脂成分が、ポリエステルフィルム(P)と接していない樹脂層(X)の表面側から、ポリエステルフィルム(P)と接している界面側に向かって含有量が多く偏在していること。
(4)樹脂層(X)の、ポリエステルフィルム(P)と接していない表面側の表面自由エネルギーが、ポリエステルフィルム(P)と接触している界面側の表面自由エネルギーよりも2.0mN/m以上低いこと。
(5)樹脂(α)が、アクリロイル基同士の架橋構造と、式(1)で示される化学構造と、式(2)で示される化学構造を有すること。
- 前記樹脂組成物に、さらにオキサゾリン化合物および/またはカルボジイミド化合物を含む請求項1〜5に記載の積層フィルム。
- ポリエステルフィルム(P)の少なくとも一面に樹脂層(X)が設けられた、以下の(i)〜(iii)の条件を満たす積層フィルムの製造方法であって、
該樹脂層(X)が、水酸基とアクリロイル基を有する樹脂(A)と、メチロール基を有するメラミン化合物(B)、およびカルボキシル基、スルホン酸基、アミノ基から選ばれる少なくとも1つの官能基を有し、かつ、アクリル樹脂を含む樹脂(C)を含む樹脂組成物を塗布し、加熱して形成する工程により得られる積層フィルムの製造方法。
(i) 樹脂層(X)の厚みが90〜500nmであること。
(ii) 樹脂層(X)を形成する樹脂が、アクリロイル基同士の架橋構造と、式(1)で示される化学構造と、式(2)で示される化学構造を有すること。
(iii) 樹脂(C)の表面自由エネルギーが樹脂(A)よりも4.0mN/m以下であること。
- 前記樹脂組成物中の樹脂(A)とメラミン化合物(B)含有量の和を100質量部としたとき、樹脂(A)の含有量が50〜80質量部、メラミン化合物(B)の含有量が20〜50質量部であり、且つ樹脂(A)とメラミン化合物(B)含有量の和を100質量部に対して、樹脂(C)の含有量が20〜50質量部である請求項7に記載の積層フィルムの製造方法。
- 前記樹脂組成物が、さらにオキサゾリン化合物、及び/またはカルボジイミド化合物を含む樹脂組成物である請求項7〜9のいずれかに記載の積層フィルムの製造方法。
- 前記(a3)の化合物が、さらにメチロール基を有する請求項11に記載の積層フィルムの製造方法。
- 樹脂(C)が、少なくとも以下の(c1)〜(c3)の化合物を用いて重合されてなる樹脂であって、用いられる各化合物の質量比が以下のとおりである、請求項7〜12のいずれかに記載の積層フィルムの製造方法。
・アクリル酸エステル化合物及び/又はメタクリル酸エステル化合物(c1):80〜98質量部
・カルボキシル基、スルホン酸基、アミノ基、アクリロイル基から選ばれる少なくとも1つの官能基を有する不飽和化合物(c2):1〜10質量部
・Nメチロールアクリルアミド化合物(c3):1〜10質量部
ただし、(c1)〜(c3)の質量の合計を100質量部とする。 - ポリエステルフィルム(P)の少なくとも一面に、前記樹脂組成物を塗布し、次いで少なくとも一軸方向に延伸し、その後、150℃以上に加熱し、樹脂層(X)を形成せしめる請求項7〜13のいずれかに記載の積層フィルムの製造方法。
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