JP6060141B2 - グラウト材の注入器具および注入方法 - Google Patents

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Description

本発明は、建築工事や土木工事において、ねじ鉄筋を連結する機械式継手(いわゆるカプラー)や定着金物(いわゆるプレート)の内部に、グラウト材を注入するために使用する注入器具およびそれを用いた注入方法に関するものである。
以下では、機械式継手をカプラー、定着金物をプレートと読みかえる。ただし、カプラーもプレートも、2本のねじ鉄筋を連結する位置(図4参照)にあるか、ねじ鉄筋の端部(図5参照)にあるかが違うだけであり、グラウト材の注入方法は全く同じである。よって、以下では、機械式継手と定着金物を代表してカプラーと記す。
建築工事や土木工事において、図4に示すように、ねじ鉄筋1をカプラー2に螺合して連結する技術が広く使用されている。そして螺合した後、カプラー2に設けられたグラウト注入孔3からグラウト材を注入することによって、ねじ鉄筋1を固定する。それら一連の、カプラー2とねじ鉄筋1を螺合し、さらにカプラー2の内部にグラウト材を注入する作業は工事現場で行なうので、効率良くグラウト材を注入する技術が検討されている。
たとえば特許文献1には、(A)カプラーのグラウト注入孔に注入ガンを嵌めて、カプラーの内部にグラウト材を注入する技術、および、(B)注入ガンにフレキシブルチューブを連結して、カプラーの内部にグラウト材を注入する技術が開示されている。特許文献1に開示された(A)の技術は、注入ガンを直接グラウト注入孔に嵌めることになるので、工事現場の鉄筋構造体が入り組んだ限られた空間で、しかも作業員の姿勢やグラウト注入孔の向き等の制約を受けながら、確実に注入ガンをグラウト注入孔に嵌めて、グラウト材を注入するのは困難である。
特許文献1に開示された(B)の技術は、注入ガンのミキサー吐出口とグラウト注入孔に嵌めるノズルとを連結するためにフレキシブルチューブを使用する。特許文献1の実施例によれば、フレキシブルチューブの具体的な長さは1〜3mであり、注入ガンとグラウト注入孔とが離れていても対応できるとしている。この技術は、フレキシブルチューブの先端のノズルが自在に変形しないとう問題がある。つまり、フレキシブルチューブを使用するので、作業員の姿勢やグラウト注入孔の向き等の制約は緩和されるものの、硬質なノズルはそれ自体に柔軟性がなく、グラウト注入孔に嵌めようとしてもその硬さのためにグラウト注入孔に滑らかに挿入できず、作業性が悪い。
特許文献1に開示された先端にノズルを装着したフレキシブルチューブの例を図3(a)に示し、市販されている階段状の硬質なノズル装着したフレキシブルチューブの例を図3(b)に示す。特許文献1には、フレキシブルチューブの外径の記載はないが、市販されている硬質(たとえばプラスチック製等)なノズルと組み合わせて使用するフレキシブルチューブの外径は12mmを超える。カプラー2(図4参照)に設けられるグラウト注入孔3の内径は5mmまたは6mmであることが多いので、図3(a)、(b)に示すように、円錐状や階段状を呈するノズルの先端をグラウト注入孔の内径に合わせている。
いずれにせよ、上記したように硬質なノズルは柔軟性がないので、作業者がノズルを持ってグラウト注入孔に案内する作業も挿入する作業も困難である。特に、鉄筋が過密に配設される部位(たとえば建築構造物の梁と柱が交叉する部位等)では、鉄筋の間の空間が狭小であることから、作業者が手を差し入れるのが困難な状態で、グラウト材をカプラーに注入しなければならない。
そのような過密に配設された鉄筋の間の狭小な空間に配設されたカプラーの内部に、グラウト材を容易に注入する技術は、未だ確立されていない。
特許第2743873号公報
本発明は、従来の技術の問題点を解消し、工事現場の鉄筋構造体が入り組んだ限られた空間で、作業者の姿勢やグラウト注入孔の向き等の制約を受ける環境において、作業者が注入用チューブをグラウト注入孔に容易に挿入することができ、とりわけ作業者が手を差し入れることが困難な狭小な空間に配設されたカプラーであっても、容易に注入用チューブをグラウト注入孔に挿入でき、グラウト材をカプラーの内部に注入できる注入器具、およびそれを用いた注入方法を提供することを目的とする。
本発明者は、硬質なノズルを使用せずに、グラウト材をカプラー内に注入する技術について検討した。そして、
(a)軟質な素材からなる注入用チューブの先端の外径を収縮(以下、縮径という)することによって、作業者の姿勢やグラウト注入孔の向き等の制約が緩和されて、作業者が容易に注入用チューブをグラウト注入孔に挿入することができる、
(b)硬質な材質からなり真っ直ぐな形状を有する補強パイプの一端から注入用チューブを突出させて、その補強パイプを作業者が把持、制御することによって、グラウト注入孔に手元を近づけることができない場合でも容易に注入用チューブをグラウト注入孔に案内、挿入することができる、
(c)上記の(a)(b)を兼ね備えた注入器具を用いることによって、工事現場の鉄筋構造体が入り組んだ限られた空間で、作業者が容易に注入用チューブをグラウト注入孔に挿入することができる
ということが分かった。
本発明は、このような知見に基づいてなされたものである。
すなわち本発明は、ねじ鉄筋を螺合した機械式継手または定着金物の内部にグラウト材を注入するための注入器具であって、硬質な素材からなり真っ直ぐな形状を保持する長さ100〜500mmの補強パイプと、自在に湾曲する軟質な素材からなり補強パイプの一端から5〜80mmの長さで突出するように装着される注入用チューブと、を有し、グラウト注入孔に挿入される注入用チューブの先端が縮径されてなるグラウト材の注入器具である。
本発明の注入器具においては、補強パイプの内径DPI(mm)、長さLP(mm)と、注入用チューブの外径DTO(mm)、全長LTA(mm)と、が下記の(1)式および(2)式を満足するとともに、補強パイプの内部に注入用チューブを挿入して、注入用チューブの縮径された先端を補強パイプの一端から突出させることが好ましい。さらに、補強パイプは銅合金またはアルミ合金からなることが好ましく、注入用チューブは熱可塑性樹脂からなることが好ましい。
また本発明は、ねじ鉄筋を螺合した機械式継手または定着金物の内部にグラウト材を注入する注入方法において、自在に湾曲する軟質な素材からなり先端を縮径した注入用チューブを、硬質な素材からなり真っ直ぐな形状を保持する長さ100〜500mmの補強パイプの一端から5〜80mmの長さで突出するように装着し、注入用チューブの縮径された先端をグラウト注入孔に挿入し、補強パイプの他端から前記グラウト材を圧送して機械式継手または定着金物の内部に注入するグラウト材の注入方法である。
本発明の注入方法においては、補強パイプの内径DPI(mm)、長さLP(mm)と、注入用チューブの外径DTO(mm)、全長LTA(mm)と、が下記の(1)式および(2)式を満足する補強パイプと注入用チューブを用い、補強パイプの内部に注入用チューブを挿入して貫通させ、注入用チューブの縮径された先端を補強パイプの一端から突出させ、注入用チューブの先端をグラウト注入孔に挿入し、注入用チューブの後端からグラウト材を圧送して機械式継手または定着金物の内部に注入することが好ましい。さらに、補強パイプは銅合金またはアルミ合金からなることが好ましく、注入用チューブは熱可塑性樹脂からなることが好ましい。
PI>DTO ・・・(1)
P<LTA ・・・(2)
本発明によれば、工事現場の鉄筋構造体が入り組んだ限られた空間で、作業者の姿勢やグラウト注入孔の向き等の制約を受ける環境において、作業者が注入用チューブをグラウト注入孔に容易に挿入することができ、とりわけ作業者が手を差し入れることが困難な狭小な空間に配設されたカプラーであっても、容易に注入用チューブの先端をグラウト注入孔に案内、挿入でき、グラウト材をカプラーの内部に注入できるので、産業上格段の効果を奏する。
本発明の注入器具の例を模式的に示す側面図である。 本発明の注入器具の他の例を模式的に示す側面図である。 従来のフレキシブルチューブの例を模式的に示す側面図である。 ねじ鉄筋をカプラーで連結した例を模式的に示す側面図である。 ねじ鉄筋をプレートで連結した例を模式的に示す側面図である。
本発明を適用する注入器具は、図1、2に示すように、ミキサー4の吐出口に接続され、そのミキサー4の反対側端部には圧送機(図示せず)が配設される。ミキサー4は、有機系グラウト材を使用する場合に、薬液を混合するために使用するものである。無機系グラウト材を使用する場合は、ミキサー4を必ずしも使用する必要はない。ミキサー4を使用しない場合は、本発明を適用する注入器具を圧送機の吐出口に接続する。
まず図1を参照して、本発明の注入器具について説明する。
図1(a)(b)は、硬質な素材からなる真っ直ぐな形状の補強パイプ8の一端に注入用チューブ7を突出するように装着した例である。補強パイプ8の他端はミキサー4に接続する。補強パイプ8から突出した注入用チューブ7は、補強パイプ8と同様に真っ直ぐな形状(図示せず)にしても良いが、それを使用する場合には、グラウト注入孔に対して垂直な方向から注入用チューブ7を挿入せざるを得ないので、作業者の姿勢が制約を受ける。したがって、注入用チューブ7を、図1(a)に示すように、「く」の字状に屈曲させるのが好ましい。注入用チューブ7の屈曲位置と補強パイプ8との距離、および屈曲する角度は特に限定せず、グラウト注入孔周辺の鉄筋の配置やその隙間の空間等に応じて適宜設定する。
あるいは、図1(b)に示すように、補強パイプ8から突出した注入用チューブ7を円弧状に成形しても良い。その場合の曲率は特に限定せず、グラウト注入孔周辺の鉄筋の配置やその隙間の空間等に応じて適宜設定する。
工事現場の鉄筋構造体が入り組んだ限られた空間に配設されたカプラーであっても、このような「く」の字状あるいは円弧状の注入用チューブ7を使用することによって、作業者の姿勢やグラウト注入孔の向き等の制約を解消できる。
そして注入用チューブ7は、自在に湾曲する軟質な素材からなるものを使用する。グラウト注入孔に注入用チューブ7の先端を挿入した後に作業者の姿勢が変化しても、軟質な注入用チューブ7が自在に湾曲して追随するので、注入用チューブ7がグラウト注入孔から外れるのを防止できる。図1(a)に示すような「く」の字状、あるいは図1(b)に示すような円弧状に注入用チューブ7を予め成形し、かつその形状を保つために、熱可塑性樹脂(たとえばポリウレタン等)からなる注入用チューブ7を使用することが好ましい。熱可塑性樹脂からなる注入用チューブ7は、工事現場でも作業者が簡便な道具を用いて、容易に成形することができる。
補強パイプ8から突出した注入用チューブ7の長さLTT(mm)が長すぎても短すぎても、注入用チューブ7をグラウト注入孔に挿入するのが困難になる。したがって、補強パイプ8から突出した注入用チューブ7の長さLTTは5〜80mmの範囲内とする。なおLTTは、注入用チューブ7の形状(たとえば「く」の字状、円弧状等)に関わらず、真っ直ぐに伸ばした状態の長さを指す。図1に示す注入器具において、補強パイプ8から突出した注入用チューブ7の長さLTT=注入用チューブの全長LTA(mm)である。
注入用チューブ7の外径DTO(mm)は、グラウト注入孔の内径と同じか、それよりも大きいことが望ましい。注入用チューブ7がグラウト注入孔の内径より細い場合は、グラウト注入孔に挿入した後で注入用チューブ7が抜け易くなるからである。具体的には、広く使用されているカプラーのグラウト注入孔の内径が5mm、6mmであることから、それぞれ5mm以上、6mm以上が好ましい。一方で、注入用チューブ7の外径DTOが10mmを超えると、過密に配設された鉄筋(たとえば建築構造物の梁と柱が交叉する部位等)の間の狭小な空間おいて、注入用チューブ7をグラウト注入孔に挿入するのが困難になる。したがって、DTOは10mm以下が好ましい。
そして、注入用チューブ7の先端を縮径して使用する。縮径することによって、工事現場の鉄筋構造体が入り組んだ限られた空間で、作業者が容易に注入用チューブ7をグラウト注入孔に挿入することができる。熱可塑性樹脂(たとえばポリウレタン等)からなる注入用チューブ7を使用すれば、工事現場でも作業者が簡便な道具を用いて、容易に縮径することができる。
注入用チューブ7の厚さが薄すぎると、グラウト材を圧送する際に、注入用チューブ7が破れ易くなる。一方で、厚すぎると、グラウト材の流路が狭くなるので、圧送が困難になるばかりでなく、自在に湾曲するという注入用チューブ7の特性が失われる。したがって注入用チューブ7の厚さは、1mm程度が好ましい。
補強パイプ8は、真っ直ぐな直線状の形状を有し、グラウト材を注入する間に変形しないように硬質な素材からなるものを使用し、作業者が補強パイプ8を把持して、注入用チューブ7の縮径された先端をグラウト注入孔に案内、挿入する。したがって補強パイプ8は、十分な強度を有し、かつ軽量な素材(たとえば銅合金、アルミ合金等)からなるものを使用することが好ましい。
補強パイプ8の外径、厚さは特に限定せず、注入用チューブ7の外径DTOに応じて適宜選定する。
補強パイプ8の長さLP(mm)が長すぎると、作業者が補強パイプを把持して、注入用チューブの先端をグラウト注入孔に案内、挿入するのが困難になる。LPが短すぎると、本来の目的を果たせず、グラウト材を注入が困難になる。したがって、補強パイプ8の長さLPは100〜500mmの範囲内とする
このようにして、工事現場の鉄筋構造体が入り組んだ限られた空間で、とりわけ作業者が手を差し入れることが困難な狭小な空間に配設されたカプラーにグラウト材を注入する際に、グラウト注入孔から離れた位置にいる作業者が補強パイプを把持して、注入用チューブの先端をグラウト注入孔に容易に案内、挿入することができる。注入用チューブの先端が縮径されているので、挿入段階で既にある程度グラウト注入孔に固定され、さらにグラウト材の注入が始まると、軟質な注入用チューブの外径がやや膨張するので、その先端がグラウト注入孔に密着することから、注入用チューブとグラウト注入孔は外れ難くなる。そして、その後も作業者が補強パイプを把持し続けることによって、さらに注入用チューブが外れるのを防止できる。その間、作業者の姿勢が変化しても、注入用チューブが自在に湾曲するので、注入用チューブの脱落を防止できる。
次に図2を参照して、本発明の注入器具の別の態様について説明する。
図2(a)(b)は、補強パイプ8の内部に注入用チューブ7を挿入して貫通させて、注入用チューブ7の先端を補強パイプ8から突出させた例である。この場合も、図1と同様に、補強パイプ8から突出した注入用チューブ7を「く」の字状あるいは円弧状に成形することが好ましい。注入用チューブ7と補強パイプ8の寸法、形状や素材は、図1の例と同様であるから、説明を省略する。
以下では、図2に示す注入器具の特有の要件について説明する。
図2の注入器具を使用する際には、注入用チューブ7の後端をミキサー4の吐出口に接続する。ミキサー4を使用しない場合は、注入用チューブ7の後端を圧送機の吐出口に接続する。
補強パイプ8の内径DPI(mm)が、注入用チューブ7の外径DTOに対してDPI=DTOであれば、注入用チューブ7を挿入しかつ貫通させることが困難である。したがって、補強パイプ8の内径DPIは、注入用チューブ7の外径DTOに対してDPI>DTOとする。つまり、補強パイプ8の内面と注入用チューブ7の外面との間に隙間が生じる。隙間を設けることによって、補強パイプ8内部に注入用チューブ7を挿入し貫通させることが容易になる。しかし隙間が大きすぎると、必然的に補強パイプ8の外径が増大する。その結果、鉄筋が過密に配設された狭小な空間で、注入用チューブ7の縮径された先端をグラウト注入孔に挿入するのが困難になる。したがって補強パイプ8の内面と注入用チューブ7の外面との間隔(=〔DPI−DTO〕/2)は0.4〜2.0mmの範囲内が好ましい。
注入用チューブ7の全長LTA(mm)は、補強パイプ8の長さLPおよび補強パイプ8から突出した注入用チューブ7の長さLTTに対してLTA≧LP+LTTとする。そして、補強パイプ8から突出した注入用チューブ7の長さLTTを、上記の好適な範囲内に保つために、注入用チューブ7と補強パイプ8との相対的位置が変動しないように固定する。注入用チューブ7と補強パイプ8を固定する手段は、特に限定しない。
図2に示すようにミキサー4を使用する場合は、補強パイプ8の端面をミキサー4に当接させて固定する。ミキサー4を使用しない場合は、補強パイプ8の端面を圧送機に当接させて固定する。いずれも、LTA=LP+LTTとなる。
また、接着剤で注入用チューブ7と補強パイプ8を固定しても良い。
図4に示すようにカプラー2とねじ鉄筋1を螺合した後に、本発明を適用してグラウト材をカプラー2の内部に注入した。その手順について説明する。
まず、アルミ合金製の補強パイプ8(外径10mm、内径DPI7mm、長さLP270mm)の内部に、ポリウレタン製の注入用チューブ7(外径DTO6mm、内径4mm、長さLTA300mm)を挿入して貫通させた後に、注入用チューブ7の先端を加熱して外径4mmに縮径し、さらに「く」の字状に屈曲させた(図2(a)参照)。ミキサー4は、硬質プラスチック製で、長さ170mmのものを使用した。
次に、作業者が補強パイプ8を把持して、その後端をミキサーに当接させながら、カプラー2のグラウト注入孔3(内径5mm)に、注入用チューブ7の先端を挿入した。鉄筋が過密に配設された狭小な空間であったが、注入用チューブ7の先端を容易にかつ速やかに挿入することができた。
次いで、有機系グラウト材をカプラー2に注入した。そして、有機系グラウト材がカプラー2内部に充満するまで、支障なく注入を続けることができた。
以上が発明例である。
これに対して比較のために、発明例と同じ材質からなる直径14mmのフレキシブルチューブ5の先端に硬質プラスチック(PET)製のノズル6を装着(図3(b)参照)して、有機系グラウト材の注入を行なった。作業者がそのノズルを把持して、発明例と同様に鉄筋が過密に配設された狭小な空間において、カプラー2のグラウト注入孔3に、ノズル6の先端を挿入したが、その作業に長時間を要した。
次いで、有機系グラウト材をカプラー2に注入した。ところが、その途中でノズル6がグラウト注入孔3から外れるという問題が発生して、有機系グラウト材がカプラー2内部に充満するまで長時間を要した。
これを比較例とする。
発明例における注入用チューブ7の挿入から有機系グラウト材の注入終了までの所要時間TINV(分)と、比較例におけるノズル6の挿入から有機系グラウト材の注入終了までの所要時間TCOM(分)とを比べると、TINV=0.33×TCOMであった。つまり、本発明を適用することによって、グラウト材の注入に要する時間を1/3に短縮することができるという、著しい効果が得られた。
1 ねじ鉄筋
2 カプラー
3 グラウト注入孔
4 ミキサー
5 フレキシブルチューブ
6 ノズル
7 注入用チューブ
8 補強パイプ

Claims (4)

  1. ねじ鉄筋を螺合した機械式継手または定着金物の内部にグラウト材を注入するための注入器具であって、硬質な素材からなり真っ直ぐな形状を保持する長さ100〜500mmの補強パイプと、自在に湾曲する軟質な素材からなり前記補強パイプの一端から5〜80mmの長さで突出するように装着される注入用チューブと、を有し、グラウト注入孔に挿入される前記注入用チューブの先端が縮径されてなることを特徴とするグラウト材の注入器具。
  2. 前記補強パイプの内径DPI(mm)、長さLP(mm)と、前記注入用チューブの外径DTO(mm)、全長LTA(mm)と、が下記の(1)式および(2)式を満足するとともに、前記補強パイプの内部に前記注入用チューブを挿入して、前記注入用チューブの縮径された先端を前記補強パイプの一端から突出させてなることを特徴とする請求項1に記載のグラウト材の注入器具。
    PI>DTO ・・・(1)
    P<LTA ・・・(2)
  3. ねじ鉄筋を螺合した機械式継手または定着金物の内部にグラウト材を注入する注入方法において、自在に湾曲する軟質な素材からなり先端を縮径した注入用チューブを、硬質な素材からなり真っ直ぐな形状を保持する長さ100〜500mmの補強パイプの一端から5〜80mmの長さで突出するように装着し、前記注入用チューブの縮径された先端をグラウト注入孔に挿入し、前記補強パイプの他端から前記グラウト材を圧送して前記機械式継手または前記定着金物の内部に注入することを特徴とするグラウト材の注入方法。
  4. 前記補強パイプの内径DPI(mm)、長さLP(mm)と、前記注入用チューブの外径DTO(mm)、全長LTA(mm)と、が下記の(1)式および(2)式を満足する前記補強パイプと前記注入用チューブを用い、前記補強パイプの内部に前記注入用チューブを挿入して貫通させ、前記注入用チューブの縮径された先端を前記補強パイプの一端から突出させ、前記注入用チューブの先端をグラウト注入孔に挿入し、前記注入用チューブの後端から前記グラウト材を圧送して前記機械式継手または前記定着金物の内部に注入することを特徴とする請求項3に記載のグラウト材の注入方法。
    PI>DTO ・・・(1)
    P<LTA ・・・(2)
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