JP6058180B1 - 製造器具の温度制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造器具の温度変動に対して応答性のよい温度制御を提供する。【解決手段】製造器具の温度制御装置1は、金型装置100に冷却水Wを流動させることにより、金型装置100の金型温度(T1)を目標温度(T2)に制御する。温度制御装置1は、金型温度(T1)を得る金型温度計5と、金型温度(T1)と目標温度(T2)とを利用して冷却水Wの設定温度(T3)を得る設定動作を繰り返し行う条件設定部6と、冷却水Wの温度を設定温度(T3)に制御する温度制御部20と、設定温度(T3)に制御される冷却水Wを金型装置100に供給すると共に金型装置100の内部を流動した冷却水Wを回収するチラー3と、を備える。なお、温度制御装置1は、研磨装置における研磨定盤に用いられるプレート110や、加工機械に用いられるワーク取付テーブルに用いられるテーブルの温度制御にも適用することもできる。【選択図】図1

Description

本発明は、製造器具の温度制御装置に関する。
当該技術分野において、特許文献1に記載された金型温度調整装置が知られている。この装置は、金型に高温媒体と低温媒体とを切り替えながら供給する。この切り替えタイミングを調整することにより、設定温度に対する温度変化を少なくする。
特開2005−225042号公報
金型のような製造器具を利用する場合には、製品に要求される品質を確保するために製造器具の温度管理が要求される。製造器具の温度管理は、製造器具の稼働効率にも影響を及ぼし得る。従って、当該技術分野においては、応答性のよい製造器具の温度制御技術が望まれていた。
そこで、本発明は、製造器具の温度変動に対して応答性のよい温度制御が可能な温度制御装置を提供することを目的とする。
本発明の一形態は、製造器具に液体の熱媒体を流動させることにより、製造器具の対象温度を目標温度に制御するための製造器具の温度制御装置である。製造器具の温度制御装置は、対象温度を得る温度取得部と、対象温度と目標温度とを利用して熱媒体の設定温度を得る設定動作を繰り返し行う条件設定部と、熱媒体を加熱又は冷却することにより、熱媒体の温度を設定温度に制御する温度制御部と、熱媒体を製造器具に供給すると共に製造器具の流路を流動した熱媒体を回収する熱媒体供給部と、を備える。
この装置では、条件設定部が対象温度と目標温度とを利用して熱媒体の設定温度を決定する。そして、温度制御部は熱媒体の温度が決定された設定温度になるように制御し、熱媒体供給部が熱媒体を製造器具に供給する。換言すると、この装置は、熱媒体の温度を調整することによって、温度制御対象である製造器具の温度を制御している。熱媒体の温度を調整する温度制御によれば、製造器具に設けられた熱媒体の流路径などによる制限を受けることがない。このため、製造器具の実際の温度である対象温度と目標温度との差分が大きくなった場合であっても、温度が制御された熱媒体を供給することにより迅速に対象温度と目標温度との差分を小さくすることができる。従って、この温度制御装置によれば、製造器具の温度変動に対して応答性のよい温度制御を行うことができる。
条件設定部は、第1の温度制御動作と、第1の温度制御動作の次に行われる第2の温度制御動作と、を繰り返し行い、条件設定部は、対象温度と設定温度とを利用して、第1の温度制御動作が行われたタイミングから第2の温度制御動作が行われるタイミングまでの時間間隔を決定してもよい。この構成によれば、製造器具の対象温度と目標温度との差分が小さい場合の制御において、対象温度の発振が抑制される。従って、製造器具の温度を精密に制御することができる。
製造器具は、射出成形用の金型であり、対象温度は、射出成形用の金型の温度であってもよい。また、製造器具は、ブロー成形用の金型であり、対象温度は、ブロー成形用の金型の温度であってもよい。これらの金型は、成形作業が行われる際に熱量を受け取ってしまうので、成形作業を繰り返すごとに温度が上昇する傾向にある。しかし、金型の温度が所定温度よりも高くなると製造要求を満たしえる成形作業を行うことができなくなるおそれがあるので、金型の温度を迅速に冷却して規定の温度範囲に収束させる必要がある。この温度制御装置によれば、対象温度と目標温度とを利用して決定された設定温度を有する熱媒体を供給することにより迅速に製造器具の対象温度と目標温度との差分を小さくすることができる。従って、金型を迅速に冷却して規定の温度範囲に収束させることが可能になるので、成形品の品質低下を抑制すると共に成形サイクルを短縮化することができる。
製造器具は、プレートであり、対象温度は、プレートから排出された熱媒体の温度であり、目標温度は、プレートが配置された部屋の室温であってもよい。また、製造器具は、テーブルであり、対象温度は、テーブルから排出された熱媒体の温度であり、目標温度は、テーブルが配置された部屋の室温であってもよい。プレート又はテーブルの温度と室温との差分が大きくなるとプレート又はテーブル、が変形するので、プレート又はテーブルの平坦度が低下する場合がある。この構成によれば、プレート又はテーブルの温度と室温との差分が小さくなる。従って、温度制御装置は、プレート又はテーブルの平坦度の低下を抑制することができる。
この温度制御装置によれば、製造器具の温度変動に対して応答性のよい温度制御を提供可能な製造器具の温度制御装置が提供される。
実施形態に係る製造器具の温度制御装置の構成を示す図である。 製造器具の温度制御装置によって行われる温度制御の主要な工程を示す図である。 製造器具の温度制御装置の効果を説明するためのグラフである。 製造器具の温度制御装置の効果を説明するためのグラフである。 変形例に係る製造器具の温度制御装置の構成を示す図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明を実施するための形態を詳細に説明する。図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1に示されるように、製造器具の温度制御装置1は、製造器具に液体の熱媒体を流動させることにより、製造器具の対象温度を目標温度に制御する。すなわち、温度制御装置1は、製造器具である金型装置100に液体の熱媒体である冷却水Wを供給することにより、金型装置100の温度を制御する。金型装置100は、温度管理が必要とされる金型であれば特に限定はされない。金型装置100は、一対の金型部100−1,100−2を有する。それぞれの金型部100−1,100−2は冷却水入口部102と、金型部100−1,100−2の内部を流動させた後に排出させる冷却水排出部103と、を有する。また、それぞれの金型部100−1,100−2には、代表温度を得るための金型温度計5が埋め込まれている。例えば、金型装置100は、射出成形用の金型であってもよいし、ブロー成形用の金型であってもよい。また、金型装置100の冷却回路数は、複数回路で構成を有するものであっても良い。
以下、制御対象である金型装置100の実温度を、金型温度(T1)(対象温度)と呼ぶ。金型温度(T1)は、金型装置100に埋め込まれた金型温度計5などにより得られる。また、目標温度(T2)とは、制御対象である金型装置100の設定されるべき温度をいう。目標温度(T2)は、予め設定される値であり、成形作業における種々の成形条件に基づいて設定される。
温度制御装置1は、コントローラ2と、チラー3(熱媒体供給部)と、金型温度計5(温度取得部)と、を備える。
コントローラ2は、温度制御装置1において行われる各種の動作を制御する。コントローラ2は、シーケンサとも呼ばれ、いわゆるプログラマブルロジックコントローラ(PLC:programmable logic controller)である。コントローラ2は、冷却水Wの設定温度(T3)を決定し、設定温度(T3)を決める制御サイクルを制御し、冷却水Wの温度を加熱又は冷却させる制御を行う。ここで、設定温度(T3)とは、熱媒体である冷却水Wの設定されるべき温度をいう。設定温度(T3)は、金型温度(T1)と目標温度(T2)とに基づいて定期的に繰り返し算出される値である。
コントローラ2には、金型装置100に設けられた金型温度計5とチラー3とサイクルコントローラ9aとが接続されている。コントローラ2は、金型装置100に埋め込まれた金型温度計5から金型装置100の温度である金型温度(T1)を受け取る。また、コントローラ2は、チラー3へ冷却水Wの設定温度(T3)に関する情報を出力し、チラー3から冷却水温度(T4)を受け取る。ここで冷却水温度(T4)とは、水槽12に沈められた水槽温度計17などにより得られる冷却水Wの実温度をいう。
コントローラ2は、A/D変換部4と、条件設定部6と、通信部7と、ヒータ制御部8とを有する。
A/D変換部4は、金型温度計5からコントローラ2へ入力された金型温度(T1)に関する情報を変換する。金型温度計5から入力される情報はアナログ値である。A/D変換部4は、金型温度(T1)をアナログ値からディジタル値へ変換する。A/D変換部4は、変換された金型温度(T1)を条件設定部6へ出力する。
条件設定部6は、A/D変換部4から入力された金型温度(T1)と目標温度(T2)とを利用して冷却水Wの設定温度(T3)を得る設定動作を繰り返し行う。設定温度(T3)は、通信部7に出力される。また、条件設定部6は、冷却水Wを加熱又は冷却する制御を行う。具体的には、条件設定部6は、設定温度(T3)と冷却水温度(T4)とを比較して、設定温度(T3)が冷却水温度(T4)よりも高い場合に、制御信号をヒータ制御部8に出力する。
また、条件設定部6は、金型温度(T1)と設定温度(T3)とを利用して、次の制御タイミングまでの時間間隔(Pr)を算出する。具体的には、条件設定部6は、金型温度(T1)と設定温度(T3)との温度差(ΔT1)を得る。そして、条件設定部6は、その温度差(ΔT1)に基づいて制御タイミングまでの時間間隔(Pr)を算出する。温度差(ΔT1)が大きいときには、時間間隔(Pr)を例えば1秒のように短く設定する。また、温度差(ΔT1)が小さいときには、時間間隔(Pr)を例えば20秒のように長く設定する。
ヒータ制御部8は、条件設定部6から入力された制御信号に基づいて、ヒータ11を動作させる。ヒータ11は、チラー3の水槽12内に配置される。条件設定部6から入力された制御信号は、ヒータ11の最大出力に対する割合を規定する。ヒータ制御部8は、このような制御信号を、具体的なヒータ11の駆動情報(アナログ値)としてサイクルコントローラ9aに出力する。サイクルコントローラ9aは、駆動情報に比例した交流信号のサイクル数でリレー9bを制御する。リレー9bは、サイクルコントローラ9aから入力される交流信号に基づいてヒータ11をON又はOFFする。ヒータ制御部8、サイクルコントローラ9a、リレー9b及びヒータ11は、後述する制御部16及び冷却機構14と共に温度制御部20を構成する。
チラー3は、金型装置100に配管を介して接続される。チラー3は、配管を通じて冷却水Wを金型装置100に供給する。また、チラー3は、コントローラ2から入力された設定温度(T3)に基づいて冷却水Wの温度を制御する。チラー3は、水槽12と、制御部16と、を有する。
水槽12は、冷却水Wを収容する容器であり、金型装置100へ冷却水Wを供給する供給口と、金型装置100から回収された冷却水Wを受け入れる回収口とを有する。供給口と回収口とは、金型装置100に設けられた流路にそれぞれ接続されている。また、水槽12には、冷却水Wを金型装置100に向けて搬送するポンプ13が設けられる。また、水槽12には、冷却水Wの実温度を測定するための水槽温度計17が設けられる。さらに、水槽12には、加熱用のヒータ11と、冷却機構14とが設けられる。冷却機構14は、チラー3が備える機構である。ヒータ11は、上述したように、コントローラ2によってチラー3の外部から制御される。
制御部16は、チラー3の動作を制御する。例えば、制御部16は、コントローラ2から設定温度(T3)に関する情報を受け入れる。また、制御部16は、冷却水温度(T4)が設定温度(T3)よりも高い場合に、設定温度(T3)に関する情報を利用して冷却水Wの温度を下げる制御を行う。具体的には、制御部16は、冷却機構14に制御信号を出力して冷却機構14を動作させることにより温度を下げる制御を行う。また、制御部16は、水槽温度計17から冷却水温度(T4)を取得する。そして、コントローラ2からの信号に応じて、冷却水温度(T4)をコントローラ2に出力する。
次に、温度制御装置1の動作について、図2に示されたフローチャートを参照しつつ説明する。
まず、コントローラ2は、金型温度計5から金型温度(T1)を得る(ステップS1)。コントローラ2は、金型温度(T1)をA/D変換部4においてアナログ値からディジタル値に変換し、条件設定部6に出力する。
次に、コントローラ2の条件設定部6は、金型温度(T1)と目標温度(T2)との温度差(ΔT1)を得る(ステップS2)。条件設定部6は、メモリ10から目標温度(T2)を読み込み、金型温度(T1)から目標温度(T2)を減算することにより温度差(ΔT1=T1−T2)を得る。
次に、条件設定部6は、温度差(ΔT1)を利用して設定温度(T3)を決定する(ステップS3)。温度差(ΔT1)がプラスであるとき、金型温度(T1)は目標温度(T2)よりも高いので、設定温度(T3)を目標温度(T2)よりも低い温度に設定する。逆に、温度差(ΔT1)がマイナスであるとき、金型温度(T1)は目標温度(T2)よりも低いので、設定温度(T3)を目標温度(T2)よりも高い温度に設定する。具体的には、温度の設定には下記式(1)を利用する。
T3=α×(T2−ΔT1)…(1)
ここで、係数αは、実際の装置を利用して事前に行われる試験の結果に基づいて決定される。
次に、条件設定部6は、金型温度(T1)と設定温度(T3)との温度差(ΔT2=T1−T3)を得る(ステップS4)。条件設定部6は、金型温度(T1)から設定温度(T3)を減算することにより温度差(ΔT2)を得る。そして、温度差(ΔT2)に基づいて、時間間隔(Pr)を決定する。具体的には、時間間隔(Pr)は、後述するステップS9,S10のループを繰り返す時間である。また、時間間隔(Pr)は、後述するステップS11,S12のループを繰り返す時間である。このステップS5によれば、金型装置100の金型温度(T1)と目標温度(T2)との差分が小さい場合の制御において、金型温度(T1)の発振が抑制される。従って、金型温度(T1)を精密に制御することができる。この時間間隔(Pr)は、ステップS1を実施した後に再びステップS1を実施するまでの時間間隔である。すなわちステップS1〜ステップS10又はステップS1〜ステップS12を行う時間であるともいえる。例えば、ステップS1〜ステップS10を行う時間において、その大部分を占める時間はステップS9である。従って、時間間隔(Pr)はステップS9を実施する時間であるともいえる。
次に、コントローラ2は、設定温度(T3)に関する情報を通信部7に出力する。通信部7は、設定温度(T3)に関する情報をEIA規格RS485準拠の規格を利用してチラー3に送信する(ステップS6)。
次に、コントローラ2は、冷却水温度(T4)を得る(ステップS7)。コントローラ2の通信部7は、チラー3の制御部16に対して水槽温度計17の温度情報を要求する。要求を受けた制御部16は、水槽温度計17において取得された冷却水温度(T4)に関する情報を提供する。
次に、コントローラ2の条件設定部6は、設定温度(T3)と冷却水温度(T4)とを比較する。具体的には、冷却水温度(T4)が設定温度(T3)よりも低いか否かを判断する(ステップS8)。
ステップS8において、冷却水温度(T4)が設定温度(T3)よりも低い場合(ステップS8:YES)は、コントローラ2は、条件設定部6からヒータ制御部8へ設定温度(T3)に基づく制御信号を出力する。そして、ヒータ制御部8は、ヒータ11を駆動させて、冷却水Wの冷却水温度(T4)を設定温度(T3)に近づける制御を行う(ステップS9:第1の温度制御動作、第2の温度制御動作)。次に、コントローラ2は、ステップS5において決定された時間間隔(Pr)が経過したか否かを判断する(ステップS10)。時間間隔(Pr)が経過していないと判断された場合(ステップS10:NO)、コントローラ2は、引き続き、冷却水Wの冷却水温度(T4)を設定温度(T3)にする制御を行う(ステップS9)。このステップS9における温度制御は、冷却水温度(T4)を設定温度(T3)に近づける制御と、冷却水温度(T4)が設定温度(T3)となった後に設定温度(T3)に維持する制御と、を含む。また、時間間隔(Pr)が経過したと判断された場合(ステップS10:YES)、コントローラ2は、再び金型温度(T1)を得る工程(ステップS1)から順に各ステップを実行する。
また、ステップS8において、冷却水温度(T4)が設定温度(T3)よりも高い場合(ステップS8:NO)は、チラー3の制御部16は、冷却機構14を利用して、冷却水Wの冷却水温度(T4)を設定温度(T3)に近づける制御を行う(ステップS11:第1の温度制御動作、第2の温度制御動作)。次に、コントローラ2は、ステップS5において決定された時間間隔(Pr)が経過したか否かを判断する(ステップS12)。時間間隔(Pr)が経過していないと判断された場合(ステップS12:NO)、コントローラ2は、引き続き、冷却水Wの冷却水温度(T4)を設定温度(T3)にする制御を行う(ステップS11)。このステップS12における温度制御は、冷却水温度(T4)を設定温度(T3)に近づける制御と、冷却水温度(T4)が設定温度(T3)となった後に設定温度(T3)に維持する制御と、を含む。一方、時間間隔(Pr)が経過したと判断された場合(ステップS12:YES)、コントローラ2は、再び金型温度(T1)を得る工程(ステップS1)から順に各ステップを実行する。
本実施形態に係る温度制御装置1は、条件設定部6が金型温度(T1)と目標温度(T2)とを利用して冷却水Wの設定温度(T3)を決定する。そして、制御部16は冷却水Wの温度が決定された設定温度(T3)になるように制御し、チラー3が冷却水Wを金型装置100に供給する。換言すると、この温度制御装置1は、冷却水Wの温度を調整することによって、温度制御対象である金型装置100の温度を制御している。
ここで、比較例に係る温度制御装置と比較しつつ本実施形態に係る温度制御装置1の効果について説明する。
図3の(a)部は、比較例に係る温度制御装置における温度制御の原理を模式的に示す図である。グラフG1は金型温度を示し、グラフG2は冷却水温度を示す。横軸は時間を示し、縦軸は温度を示す。図3の(a)部に示されるように、比較例の温度制御装置では、一定の温度に制御された冷却水を金型に供給する。この場合、成形作業により金型の温度が上昇して、ある一定の温度範囲に収束する。この温度の収束は、成形作業により金型に供給される熱量と、冷却水などにより金型から排出される熱量の均衡が取れた状態であるともいえる。しかし、収束する温度範囲を予想することは一般には困難である。そうすると、制御対象である金型の収束温度が不明である場合に、所定の水温を有する冷却水を供給したとしても金型の温度を所望の範囲に制御することは難しい。つまり、一定の水温を有する冷却水を供給しつづける温度制御装置では、金型を所望の温度範囲に管理することができない。
一方、図3の(b)部は、本実施形態に係る温度制御装置1における目標温度可変制御の原理を模式的に示す図である。グラフG3は金型温度(T1)を示し、グラフG4は設定温度(T3)を示し、グラフG2は目標温度(T2)を示す。横軸は時間を示し、縦軸は温度を示す。図3の(b)部に示されるように、金型温度(T1、グラフG3)が目標温度(T2、グラフG2)を上回った場合には、条件設定部6が設定温度(T2、グラフG3)を下げる。この制御により、低水温の冷却水Wが金型装置100に供給される。従って、比較例に係る温度制御装置では金型温度の収束に収束期間B1を要する。なお、この金型の収束温度を予想することはできない。本実施形態に係る温度制御装置1では収束期間B1よりも短い収束期間B2で金型温度(T1)を目標温度(T2)に近づけることができる。
従って、冷却水Wの温度を調整する手法による温度制御によれば、冷却水Wの流路径などによる制限を受けることがない。このため、金型装置100の金型温度(T1)と目標温度(T2)との温度差(ΔT1)が大きくなった場合であっても、設定温度(T3)に制御される冷却水Wを供給することにより迅速に金型装置100の金型温度(T1)と目標温度(T2)との差分を小さくすることができる。従って、この温度制御装置1によれば、金型装置100の温度変動に対して応答性のよい温度制御が提供されるので、金型装置100によって成形される製品の品質を守ると共に成形サイクルを短縮することができる。
また、冷却水温度(T4)を一定とした場合には、金型ごとに温度のばらつきが発生し成形品の品質が安定し難かった。一方、温度制御装置1は、冷却水温度(T4)を、コントローラ2及びチラー3によって自動的に制御している。従って、金型ごとに最適な温度制御を提供できるので、金型ごとに温度のばらつきを低減し、成形品の品質が安定させることができる。
さらに、所定の条件を設定したシミュレーションを行い、温度制御装置1による温度を収束させる効果について確認した。図4は、シミュレーション結果を示すグラフである。横軸は時間を示し、縦軸は温度を示す。グラフG5は、本実施形態の温度制御装置1に用いられる目標温度可変制御の結果を示す。グラフG6は、比較例に係る温度制御装置に用いられる目標温度制御の結果を示す。グラフG7は、設定温度(T3)を示す。
このシミュレーションでは、金型温度(T1)と目標温度(T2)とにより導出される設定温度(T3)は、T3=1×(T2−ΔT1)であるとした。すなわち、上記式(1)において、係数αを1とした。また、金型温度(T1)と設定温度(T3)とにより導出される時間間隔(Pr)は、金型温度(T1)と設定温度(T3)との温度差(ΔT2)に基づいて、以下のとおりに設定した。つまり、温度差(ΔT2)が20℃以上である場合には時間間隔(Pr)を1秒とし、温度差(ΔT2)が15℃以上である場合には時間間隔(Pr)を2秒とし、温度差(ΔT2)が10℃以上である場合には時間間隔(Pr)を4秒とし、温度差(ΔT2)が5℃以上である場合には時間間隔(Pr)を6秒とし、温度差(ΔT2)が1℃以上である場合には時間間隔(Pr)を10秒とした。また、金型温度(T1)は、1秒後に温度差(ΔT1)の1/20だけ変化すると仮定した。さらに、設定温度(T3)と冷却水温度(T4)とは等しいと仮定した。
グラフG5とグラフG6を比較すると、温度制御装置1が比較例の温度制御装置よりも早く金型温度(T1)を目標温度(T2)に収束させ得ることがわかった。また、グラフG5とグラフG7とを参照すると、温度差(ΔT1)が小さくなるにつれて、時間間隔(Pr)を長く設定することにより金型温度(T1)の発振が抑制できていることがわかった。
なお、上述した実施形態は本発明に係る製造器具の温度制御装置の一例を示すものである。本発明に係る製造器具の温度制御装置は、実施形態に係る製造器具の温度制御装置に限られるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で、変形し又は他のものに適用したものであってもよい。
例えば、温度制御装置は、金型装置とは異なる製造機器に適用してもよい。例えば、加工機械におけるワーク取付テーブルに用いられるテーブルに適用してもよい。また、図5に示されるように研磨装置における研磨定盤に用いられるプレート110に適用してもよい。まず、比較例に係る装置について説明する。比較例に係る装置が有するプレートは、例えば研磨装置に利用される。研磨装置では、互いに対面するように配置されたプレート間に加工ワークを挟み込んで摺動させる。このとき、加工熱が発生する。比較例に係る研磨装置では、プレートが加工熱を除去するための冷却機構を有する。この比較例に係る冷却機構では、一定の水温を有する冷却水をプレートに供給する。この場合、冷却水の温度によっては、プレートの温度が室温と異なる温度に収束することが生じ得る。プレートの温度が室温と異なる温度に収束した場合、プレートの取り付け部とプレートとの間で温度差が生じて、いわゆるバイメタルの状態となる。この状態によれば、ひずみが発生してプレートの平坦度が低下してしまう。要するに、プレート110は、所定の平坦度が要求される。この平坦度は、プレート110の温度(T1)とプレート110が配置された部屋の室温(T2)との温度差(ΔT1)に関係する。従って、プレート110の平坦度を確保するためには、プレート110の温度(T1)を室温(T2)に近づけて、それらの温度差(ΔT1)を小さくすることが望まれる。そこで、この温度制御装置1Aは、金型温度(T1)としてプレート110から排出される冷却水Wの温度を配管温度計5Aにより取得する。また、目標温度(T2)として、室内に設置された室温計21から取得された室温(T2)を利用する。従って、この温度制御装置1Aによれば、プレート110の温度(T1)を室温(T2)に近づける温度制御が行われる。従って、プレート110の温度(T1)と室温(T2)との差分が小さくなり、プレート110の平坦度を確保することができる。また、プレート110がステンレス鋼(SUS)製である場合には、鋳物である場合よりも温度変化による変形が生じやすいので、本変形例に係る温度制御装置1Aを好適に適用できる。
また、本発明に係る製造器具の温度制御装置は、工場において既に稼働している製造器具に対して適用しても、上記のような効果を得ることができる。例えば、金型に金型温度計を埋め込むといった簡易な改造により製造器具の温度制御装置を適用できる。
1,1A…温度制御装置、2…コントローラ、3…チラー(熱媒体供給部)、4…A/D変換部、5…金型温度計(温度取得部)、6…条件設定部、7…通信部、8…ヒータ制御部、11…ヒータ、9a…サイクルコントローラ、9b…リレー、12…水槽、13…ポンプ、16…制御部、14…冷却機構、20…温度制御部、100…金型装置、110…プレート、W…冷却水(熱媒体)。

Claims (5)

  1. 製造器具に液体の熱媒体を流動させることにより、前記製造器具の対象温度を目標温度に制御するための製造器具の温度制御装置であって、
    前記対象温度を得る温度取得部と、
    前記対象温度と前記目標温度とを利用して前記熱媒体の設定温度を得る設定動作を繰り返し行う条件設定部と、
    前記熱媒体を加熱又は冷却することにより、前記熱媒体の温度を前記設定温度に制御する温度制御部と、
    前記熱媒体を前記製造器具に供給すると共に前記製造器具に設けられた流路を流動した前記熱媒体を回収する熱媒体供給部と、を備え、
    前記条件設定部は、前記熱媒体の設定温度を得る設定動作を繰り返し行うにあたって、前記設定動作が行われたタイミングから次の前記設定動作が行われるタイミングまでの時間間隔を設定する動作をさらに行い、
    前記時間間隔を設定する動作では、前記設定動作を繰り返す毎に前記対象温度と前記設定温度との温度差を算出すると共に、前記温度差が大きい場合には前記時間間隔が短くなるように前記時間間隔を設定し、前記温度差が小さい場合には前記時間間隔が長くなるように前記時間間隔を設定する、製造器具の温度制御装置。
  2. 前記製造器具は、射出成形用の金型であり、
    前記対象温度は、前記射出成形用の金型の温度である、請求項1に記載の製造器具の温度制御装置。
  3. 前記製造器具は、ブロー成形用の金型であり、
    前記対象温度は、前記ブロー成形用の金型の温度である、請求項1に記載の製造器具の温度制御装置。
  4. 前記製造器具は、プレートであり、
    前記対象温度は、前記プレートから排出された前記熱媒体の温度であり、
    前記目標温度は、前記プレートが配置された部屋の室温である、請求項1に記載の製造器具の温度制御装置。
  5. 前記製造器具は、テーブルであり、
    前記対象温度は、前記テーブルから排出された前記熱媒体の温度であり、
    前記目標温度は、前記テーブルが配置された部屋の室温である、請求項1に記載の製造器具の温度制御装置。
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