JP6057787B2 - 排気温度推定装置 - Google Patents

排気温度推定装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6057787B2
JP6057787B2 JP2013050814A JP2013050814A JP6057787B2 JP 6057787 B2 JP6057787 B2 JP 6057787B2 JP 2013050814 A JP2013050814 A JP 2013050814A JP 2013050814 A JP2013050814 A JP 2013050814A JP 6057787 B2 JP6057787 B2 JP 6057787B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
exhaust
temperature
oxidation catalyst
exhaust gas
amount
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2013050814A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014177875A (ja
Inventor
祐吉 林
祐吉 林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mercedes Benz Group AG
Original Assignee
Daimler AG
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daimler AG filed Critical Daimler AG
Priority to JP2013050814A priority Critical patent/JP6057787B2/ja
Publication of JP2014177875A publication Critical patent/JP2014177875A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6057787B2 publication Critical patent/JP6057787B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、内燃機関の排気通路に酸化触媒及びDPFが設けられ、該排気通路における排気温度を推定可能な排気温度推定装置の技術分野に関する。
ディーゼルエンジンなどの内燃機関の排気に含まれる大気汚染物質の削減は、近年、大きな課題となっている。そこで排気通路には、排気中に含まれる酸素を利用して排気中の炭化水素(HC)を主とした未燃焼物質を酸化して水(H0)と二酸化炭素(CO)に分解する酸化触媒(DOC)や、排気中の未燃焼微細物質(PM)を捕集することによって浄化を行うディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)などからなる排気後処理装置が設けられている。この種の排気後処理装置では、DPFにおけるPMの蓄積量が増えると浄化能力が低下することから、所定タイミングで再生処理を実施することによって、蓄積したPMの燃焼処理を行う。
排気後処理装置では、その性能確保のために温度管理が重要である。特に酸化触媒では十分な浄化能力が発揮できるように活性温度以上に昇温する必要がある一方で、過昇温が生じると劣化や破損が生じるおそれがあるため、適切な温度範囲に管理する必要がある。そのため、排気通路に設けられた酸化触媒の前後には、排気温度センサがそれぞれ設置されている。しかしながらこの種の排気温度センサは比較的高価であるため、コスト削減の観点から設置箇所の低減が望まれている。
このような排気温度センサの設置箇所低減のための一策として、所定箇所に設置した排気温度センサの検出値に基づいて、他の箇所における排気温度を推定することによって、センサ数の低減を図ることが考えられる。特許文献1及び2は排気温度センサ数の低減を目的とするものではないが、排気通路において酸化触媒の前後いずれか一方に設置した排気温度センサの検出値に基づいて、他方の排気温度を推定する技術が開示されている。
特開2006−22730号公報 特許第4325367号
特許文献1では、内燃機関の運転状態が所定の安定状態ある場合に限り、排気温度の推定が可能となっている。また特許文献2では、酸化触媒におけるHC酸化燃焼熱が無視できるような限られた運転条件が成立した場合に限って、排気温度の推定が可能である。このように、従来技術ではごく限られた条件が成立した場合にのみ排気温度の推定が可能であるため(例えばDPF再生中や過渡的な運転状態では推定できないため)、内燃機関の運転中に定常的に使用される排気後処理装置の監視用には適していない。そのため、上記技術をそのまま適用したのでは、排気温度センサの削減に至ることは難しい。
また特許文献2では、排気温度を推定するために酸化触媒を含む一連の系をモデル化しているが、運転条件の変化に対する排気温度の遅れを単純な1次遅れフィルタ等の伝達関数で表しているため、良好な推定精度を得ることが難しい。
本発明は上述の問題点に鑑みなされたものであり、広い条件下において排気通路における排気温度の推定を、低コスト且つ高精度で実現可能な排気温度推定装置を提供することを目的とする。
本発明に係る排気温度推定装置は上記課題を解決するために、内燃機関の排気通路に酸化触媒及び該酸化触媒より下流側にDPFが設けられ、前記排気通路のうち前記酸化触媒の上流側、又は、前記酸化触媒及び前記DPF間のいずれか一方における排気温度を推定する排気温度推定装置であって、前記排気通路のうち前記酸化触媒の上流側、又は、前記酸化触媒及び前記DPF間の他方における第1排気温度を検出する排気温度検出手段と、前記酸化触媒へのHC添加量を検出するHC添加量検出手段と、前記HC添加量から前記酸化触媒における酸化燃焼熱量を算出する酸化燃焼熱量算出手段と、前記酸化触媒と該酸化触媒を流れる排気との間における熱交換量を算出する熱交換量算出手段と、前記検出された第1排気温度、前記酸化燃焼熱量及び熱交換量に基づいて、前記一方における第2排気温度を推定する排気温度推定手段とを備え、前記酸化燃焼熱量算出手段では、前記第1排気温度をパラメータとするアレニウス則を用いて前記酸化触媒で反応可能なHC最大反応量を求め、前記HC添加量が前記HC最大反応量より大きい場合、前記HC最大反応量を前記HC添加量として前記酸化燃焼熱量を算出することを特徴とする。
また前記酸化燃焼熱量算出手段は、前記内燃機関の回転数及び燃料噴射量に基づいて前記内燃機関から排出される排気に含まれるHC含有量を算出し、前記HC含有量を前記HC添加量に合算して前記酸化燃焼量を算出してもよい。
本発明によれば、ポスト噴射等によるHC添加量から求められる酸化燃焼熱量や、酸化触媒と排気との間における熱交換量を算出することにより、酸化触媒における熱収支モデルを構築し、第1排気温度(酸化触媒の上流側、又は、酸化触媒及びDPF間のいずれか一方における排気温度の検出値)から第2排気温度(酸化触媒の上流側、又は、酸化触媒及びDPF間の他方における排気温度)を推定できる。このような排気温度の推定は、内燃機関の運転状態に関わらず広い条件下において実施可能であるため、酸化触媒の前後いずれか一方の排気温度検出手段を廃止して、コスト削減を図ることができる。
また、このような熱収支モデルは、従来技術のような1次遅れフィルタ等の伝達関数を用いた場合に比べて実体に近いため、良好な推定精度を得ることができる。
本発明の一態様では、外気温度を検出する外気温度検出手段と、前記外気と前記酸化触媒との温度差から、前記酸化触媒から外気への放熱量を算出する放熱量算出手段とを備え、前記熱交換量算出手段は、前記放熱量に基づいて前記熱交換量を算出する。
この態様によれば、熱収支モデルに酸化触媒から外気への放熱量を組み込むことによって、より高精度に排気温度を推定することができる。
また他の態様では、前記酸化燃焼熱量算出手段では、前記酸化触媒温度をパラメータとするアレニウス則を用いて前記酸化触媒で反応可能なHC最大反応量を求め、前記HC添加量が前記HC最大反応量より大きい場合、前記HC最大反応量を前記HC添加量として酸化燃焼熱を算出する。
この態様によれば、ポスト噴射等によってHCが過剰に添加された場合に酸化触媒で反応することなく下流側へ流出する分を考慮し、HC最大反応量(酸化触媒で反応可能なHC量の最大値)に基づいて酸化燃焼熱を算出することで、より高精度に排気温度を推定することができる。
また他の態様では、前記排気温度検出手段では、前記排気通路のうち前記酸化触媒及び前記DPF間における排気温度を前記第1排気温度として検出する。
この態様によれば、酸化触媒及びDPF間の排気温度を検出することによって、酸化触媒の上流側における排気温度を推定できる。このように酸化触媒及びDPF間における排気温度を第1排気温度として検出することで、酸化触媒を通過後の排気温度を実測値として監視できるので、酸化触媒の上流側の排気温度を第1排気温度として検出する場合に比べて、酸化触媒の実状態を確実に把握することができる。
尚、前記排気温度検出手段で、前記排気通路のうち前記酸化触媒の上流側の排気温度を第1排気温度として検出した場合には、酸化触媒の上流側における排気温度を検出することで、酸化触媒及びDPF間の排気温度を推定できる。この場合、酸化触媒を通過する前の排気温度を検出することで、検出値にタイムラグが少なく、酸化触媒及びDPF間における排気温度を第1排気温度として検出する場合に比べて精度のよい排気温度推定ができる。
また他の態様では、前記排気温度検出手段は前記排気通路のうち前記酸化触媒及び前記DPF間に設けられている。
この態様によれば、排気温度検出手段を酸化触媒及びDPF間に設けることによって、酸化触媒の上流側における排気温度を推定できる。このように酸化触媒及びDPF間における排気温度を第1排気温度として検出することで、酸化触媒を通過後の排気温度を実測値として監視できるので、酸化触媒の上流側の排気温度を第1排気温度として検出する場合に比べて、酸化触媒の実状態を確実に把握することができる。
尚、排気温度検出手段を酸化触媒の上流側に設けた場合には、酸化触媒及びDPF間の排気温度を推定できる。この場合、酸化触媒を通過する前の排気温度を検出することで、検出値にタイムラグが少なく、排気温度検出手段を酸化触媒及びDPF間に設けた場合に比べて精度のよい排気温度推定ができる。
本発明によれば、ポスト噴射等によるHC添加量から求められる酸化燃焼熱量や、酸化触媒と排気との間における熱交換量を算出することにより、酸化触媒における熱収支モデルを構築し、第1排気温度(酸化触媒の上流側、又は、酸化触媒及びDPF間のいずれか一方における排気温度の検出値)から第2排気温度(酸化触媒の上流側、又は、酸化触媒及びDPF間の他方における排気温度)を推定できる。このような排気温度の推定は、内燃機関の運転状態に関わらず広い条件下において実施可能であるため、酸化触媒の前後いずれか一方の排気温度検出手段を廃止して、コスト削減を図ることができる。
また、このような熱収支モデルは、従来技術のような1次遅れフィルタ等の伝達関数を用いた場合に比べて実体に近いため、良好な推定精度を得ることができる。
本実施例に係る排気温度推定装置を搭載した車両の内部構造を示す構成図である。 排気温度推定制御のフローチャートである。 排気温度推定制御の制御内容を概念的に示す図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を例示的に詳しく説明する。但し、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りはこの発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
(全体構成)
図1は本実施例に係る排気温度推定装置を搭載した車両の内部構造を示す構成図である。
符号1はコモンレール式の燃料噴霧装置を備えた内燃機関であるディーゼルエンジン(以下、適宜「エンジン」と称する)であり、各気筒の燃焼室内には燃料噴射弁から燃料が直接噴射され、圧縮着火燃焼が行われる。燃料噴射弁の燃料噴射時期及び噴射量は電子制御ユニット(以下、適宜「ECU」と称する)10によって電気的に制御されている。
外部からエアクリーナ2を介して導入された吸気は吸気管3を介してエンジン1に取り込まれ、燃焼室にて圧縮着火燃焼によって発生した排気は排気管4に排出される。排気管4には上流側から順に酸化触媒(DOC)5及びディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)6を備えている。
DOC5では、排気中に含まれる酸素を利用して、排気中の炭化水素(HC)を主とした未燃焼物質を酸化して水(H0)と二酸化炭素(CO)に分解する。
DPF6では、排気中の未燃焼微細物質(PM)を捕集することによって浄化を行う。DPF6に捕集されたPMの蓄積量が増えると浄化能力が低下することから、所定のタイミングでDPF6の再生処理が実施される。再生処理時には、DOC5の上流側に設けられたHC添加装置7によって排気管4中に燃料(HC)を噴射し、DOC5で当該排気中に含まれる燃料を酸化させて排気を昇温し、高温になった排気をDPF6に送り込むことによって、蓄積したPMを燃焼処理する。
このようにDOC5及びDPF6で浄化された排気は、更に下流側に配置された不図示のNOx選択還元型触媒において排気中の窒素酸化物(NOx)を水(H0)と窒素(N)に分解浄化した後、外部に排出される。
吸気管3には吸気流量Gair[kg/s]を検出するための吸気流量センサ8が設けられている。DOC5の上流側の排気管4にはDOC5の入口圧力Pinを検出するための圧力センサ9が設けられている。排気管4のうちDOC5及びDPF6間にはDOC5の下流側温度Tout[K]を検出するための排気温度センサ11が設けられている。また車両には外気温度Tamb[K]を検出するための外気温度センサ12、及び、車速Vvehicle[km/h]を検出するための車速センサ13が設けられている。
吸気流量センサ8の検出値Gair[kg/s]、入口圧力センサ9の検出値Pin[Pa]、排気温度センサ11の検出値Tout[K]、外気温度センサ12の検出値Tamb[K]、及び、車速センサ13の検出値Vvehicle[km/h]は、それぞれ演算装置であるECU10に送られ、後述の排気温度推定制御の演算に利用される。
ECU10はエンジン1をはじめとする車両全体の制御を統括するコントロールユニットであり、一般的なエンジン制御に加えて、本実施例ではDOC5の下流側に配置された排気温度センサ11の検出値に基づいて、DOC5の入口温度Tin[K]を推定する排気温度推定方法を実施する排気温度推定装置として機能する。尚、当該推定方法の実施に必要な制御ロジックはECU10が備えるメモリ等の記憶部に予めプログラムとして記憶されており、演算装置によって適宜読みだされることによって実施可能に構成されている。
図1では特に、ECU10の内部構成として、該ECU10で実施される後述の排気温度算出方法の各ステップに対応する機能ブロックを示しており、HC添加装置7によるHC添加量を検出するHC添加検出手段15と、酸化燃焼熱量QHC[W]を算出する酸化燃焼熱量算出手段16と、放熱量Qrad[W]を算出する放熱量算出手段17と、熱交換量Qexh[W]を算出する熱交換量算出手段18と、排気温度の推定結果を求める排気温度推定手段19とを含んで構成されている。
尚、本実施例では、HC添加装置7を用いてHCを添加する場合を示しているが、これに代えてエンジン燃焼室内に設けられた燃料インジェクタによるポスト噴射を用いてHC添加を行ってもよい。
続いてECU10において実施される排気温度推定方法の具体的内容について説明する。この排気温度推定方法では、DOC5における熱収支モデルを構築することによって、第1排気温度(DOC5の上流側、又は、DOC5及びDPF6間のいずれか一方における排気温度の検出値)から第2排気温度(DOC5の上流側、又は、DOC5及びDPF6間の他方における排気温度)を推定する。
本実施例では、第1排気温度としてDOC5及びDPF6間に配置された排気温度センサ11によって検出される排気温度値を用い、DOC5の上流側における排気温度Tin[K]を推定する場合について、以下詳述する。
尚、排気温度センサ11をDOC5の上流側に配置することにより、DOC5の上流側での排気温度検出値を第1排気温度として用いた場合も同様の技術的思想に基づいて、DOC5及びDPF6間における排気温度を推定することができる。
図2はECU10において実施される排気温度推定方法が採用するDOC5の熱収支モデルを概念的に示す図である。DOC5には上流側でHC添加装置7によって添加された燃料が酸化することによって酸化燃焼熱量QHC[W]が与えられる一方で、該DOC5を流れる排気との間に生じる温度差に基づいた熱交換量Qexh[W]が生じる。また酸化燃焼熱量QHC[W]や熱交換量Qexh[W]に比べて排気温度に与える影響は小さいものの、DOC5と外気との間の温度差に基づいて放熱量Qrad[W]が生じる。本実施例における排気温度推定方法では、これら3つの熱量の移動を考慮することによって、DOC5を熱収支モデル化して排気温度を推定することができる。
図3は本実施例に係る排気温度推定方法の実施プロセスを示すフローチャートである。
まずECU10は各センサ類の検出値(吸気流量Gair[kg/s]、入口圧力Pin[Pa]、排気温度Tout[K]、外気温度Tamb[K]、車速Vvehicle[km/h])を取得する(ステップS101)。そして、取得した検出値を用いて、DOC5の上流側に設けられたHC添加装置7から添加された燃料が酸化されることによって与えられる酸化燃焼熱量QHC[W]を算出し(ステップS102)、DOC5から外気への放熱量Qrad[W]を算出し(ステップS103)、DOC5及び排気間の熱交換量Qexh[W]を算出する(ステップS104)。そして、最後にステップS102〜S104の算出結果に基づいて、DOC5の上流側における排気温度Tin[K]の推定が行われる(ステップS105)。
以下、ステップS102〜S105における具体的な算出方法について詳しく説明する。尚、図3ではステップS102〜S104を順に実施するように示しているが、これらのステップは同時に実施してもよい。
(酸化燃焼熱量QHCの算出方法)
ECU10の酸化燃焼熱量算出手段16において、酸化燃焼熱量はHC添加装置7によって排気中に添加されたHCがDOC5で酸化反応した際に発生する熱量であり、大まかにはHC添加量qHC[kg/s]と燃料の低位発熱量Hufuel[J/kg]とに基づいて次式
HC1=(qHC+qHC_exh)・Hufuel (1)
から求められる。ここでHC添加量qHC[kg/s]はECU10のHC添加装置7に対する指示値を用い(機能ブロック的に言えば、図1に示すようにHC添加量検出手段15によってHC添加装置7の添加量を取得する)、燃料の低位発熱量Hufuel[J/kg]は予めメモリ等の記憶部に記憶された代表値を読み出すことによって取得したものを用いるとよい。またqHCexh[kg/s]は、エンジンから排出された排気に含まれるHC含有量であり、不図示のエンジン回転数センサの検出値であるエンジン回転数Nengと、ECU10の指示値である燃料噴射量qfuel[kg/s]をパラメータとする任意関数により算出される。
ところでHC添加装置7から過剰に燃料が添加された場合には、その一部が未反応のままDOC5の下流側に流出する。このような未燃分を加味することによって、より精度よく酸化燃焼熱量QHC[W]を求めることができる。DOC5で反応可能な添加燃料の最大反応値は、アレニウス則を用いて次式
HC2=A・NHC・NO2・exp(−E/(R・Tsub(i−1)) (2)
により得られる。ここでA及びEは適合係数であり、Rは気体定数である。また、NHC[mol/L]及びNO2[mol/L]はそれぞれ排気中の燃料濃度及び酸素濃度であり、吸気流量センサ8の検出値Gair[kg/s]、ECU10のHC添加装置7に対するHC添加量指示値qHC[kg/s]、エンジンから排出された排気に含まれるHC含有量qHCexh[kg/s]、ECU10の燃料噴射装置(図1において不図示)に対する燃料噴射量指示値qfuel[kg/s]、当該排気温度推定方法の前回実施時に求められたDOC5の温度推定値(触媒温度の前回推定値)Tsub(i−1)に基づいて算出することができる。
ECU10は、HC添加量に基づいた算出値QHC1[W]とDOC5で反応可能な添加燃料の最大反応値QHC2[W]とを比較し、より大きい方を酸化燃焼熱量QHC[W]として特定する。
HC=max(QHC1,QHC2) (3)
これにより、HC添加装置7から過剰に添加された場合にDOC5で反応せずに下流側へ流出する分を考慮し、精度よく酸化燃焼熱量を求めることができる。
DOC5に与えられる酸化燃焼熱量QHC[W]は、所定の割合dHCsub(0≦dHCsub≦1)でDOC5及び該DOC5を流れる排気に分配される。DOC5及び排気に分配される熱量をそれぞれQHCsub[W]及びQHCexh[W]とすると、
HCsub=dHCsub・QHC (4)
HCexh=(1−dHCsub)・QHC (5)
となる。
ここで分配係数dHCsubは排気流量Gexh[kg/s]をパラメータとする任意の関数として次式
HCsub=f(Gexh) (6)
により得られる。
尚、排気流量Gexh[kg/s]は、吸気流量センサ8の検出値Gair[kg/s]及びエンジン制御パラメータであるエンジン燃料噴射量qfuel[kg/s]に基づいて次式
exh=Gair+qfuel (7)
により得られる。
(放熱量Qradの算出方法)
ECU10の放熱量算出手段17はDOC5と外気との温度差や、DOC5の周りの外気の流れを考慮することにより、放熱量Qrad[W]を算出する。
まずECU10は、外気の特性を規定するパラメータである動粘度νair[m/s]、比熱Cair[J/kg・K]、密度ρair[kg/m]、熱伝導率λair[W/m・K]、体積膨張係数βair[1/K]について、それぞれ外気温度センサ12の検出値Tamb[K]をパラメータとする任意関数を用いて、次式
νair=f(Tamb) (8)
air=f(Tamb) (9)
ρair=f(Tamb) (10)
λair=f(Tamb) (11)
βair=f(Tamb) (12)
により求める。
続いて、DOC5の周りを流れる外気について、流体の熱伝達性を特徴付けるパラメータであるレイノルズ数Reamb、プラントル数Pramb、グラスホフ数Gramb、ヌッセルト数Nuambを算出する。
Reamb=vvehicle・Lsub/νair (13)
Pramb=Cair・ρair・νair/λair (14)
Gramb=Lsub ・g・βair・(Tsub(i−1)−Tamb)/νair (15)
Nuamb=c0・(Gramb・Pramb1/3 (vvehicle=0) (16−1)
Nuamb=c1・Reamb m1・Pramb n1 (vvehicle>0) (16−2)
ここでvvehicleは車速センサ13の検出値[km/h]であり、Lsubは酸化触媒の長さ[m]であり、gは重力加速度(≒9.80)[m/s]であり、Tsub(i−1)は当該排気温度推定方法で求めたDOC5の触媒温度Tsubの前回推定値[K]である。c0は任意の適合定数である。またc1、m1、n1はヌッセルト数Nuambの補関数であり任意関数fを用いて
c1=f(Reamb) (17)
m1=f(Reamb) (18)
n1=f(Reamb) (19)
により表わされる。
上記計算結果を用いて、外気の熱伝達係数hamb[W/m・K]は次式
amb=Nuamb・λair/Lsub (20)
で表わされ、DOC5及び外気間の熱伝達係数kは、DOC5のカバー外径dcov[m]、DOC5の外径dsub[m]を用いて次式
k=1/(ln(dcov/dsub)/(2・λcov)+1/(hamb・dcov)) (21)
により表わされる。従って、DOC5から外気への放熱量Qrad[W]は
rad=k・π・Lsub・(Tsub(i−1)−Tamb) (22)
となる。
(熱交換量Qexhの算出方法)
ECU10の熱交換量算出手段18は、DOC5と該DOC5を流れる排気との温度差を考慮することにより、熱交換量Qexh[W]を算出する。
まずECU10は、排気の特性を規定するパラメータである動粘度νexh[m/s]、比熱Cexh[J/kg・K]、密度ρexh[kg/m]、熱伝導率λexh[W/m・K]について、それぞれDOC5の入口温度の前回推定値Tin(i−1)をパラメータとする任意関数を用いて、次式
νexh=f(Tin(i−1)) (23)
exh=f(Tin(i−1)) (24)
ρexh=f(Tin(i−1)) (25)
λexh=f(Tin(i−1)) (26)
により求める。
続いて、DOC5を流れる排気について、流体の熱伝達性を特徴付けるパラメータであるレイノルズ数Reexh、プラントル数Prexh、ヌッセルト数Nuexhを算出する。
Reexh=uexh・Lsub/νexh (27)
exh=Gexh・(R/Mexh)・Tin(i−1)/Pin (28)
exh=vexh/(nsub・psub ) (29)
Prexh=Cexh・ρexh・νexh/λexh (30)
Nuexh=c2・Reexh m2・Prexh n2 (31)
ここでc2、m2、n2はヌッセルト数Nuexhの補関数であり任意関数fを用いて
c2=f(Reexh) (32)
m2=f(Reexh) (33)
n2=f(Reexh) (34)
により表わされる。
上記計算結果を用いて、排気の熱伝達係数hamb[W/m・K]は次式
exh=Nuexh・λexh/Lsub (35)
で表わされ、DOC5から排気への熱交換量Qexh[W]は
exh=hexh・nsub・4・psub・Lsub・(Tsub(i−1)−Tin) (36)
となる。
尚、nsubはDOC5のセル数、psubはDOC5のセルピッチ[m]であり、予めメモリ等の記憶部に記憶された設計値を読み出すことによって取得するとよい。
(排気温度Tinの推定方法)
ECU10の排気温度推定手段19では、上述の演算により得られた酸化燃焼熱量QHC[W]、放熱量Qrad[W]及び熱交換量Qexh[W]を、図2に示す熱収支モデルに適用することにより、DOC5の上流側の排気温度Tin[K]は次式
in=Tout−(QHCexh+Qexh)/(Gexh・Cexh) (37)
により推定される。
またDOC5の触媒温度Tsub[K]もまた次式
sub=Tsub(i−1)+(QHCsub−Qrad−Qexh)/(msub・Csub) (38)
により推定される。尚、msubはDOC5の質量[kg]であり、CsubはDOC5の特性温度[J/kg・K]であり、予めメモリ等の記憶部に記憶された設計値を読み出すことによって取得するとよい。
以上説明したように、本実施例によれば、排気温度推定装置として機能するECU10において排気温度推定方法を実施することで、HC添加装置7からのHC添加量に基づいて求められる酸化燃焼熱量QHCや、DOC5と排気との間における熱交換量Qexh[W]を算出することにより、DOC5における熱収支モデルを構築し、第1排気温度(DOC5の上流側、又は、DOC5及びDPF6間のいずれか一方における排気温度の検出値)から第2排気温度(DOC5の上流側、又は、DOC5及びDPF6間の他方における排気温度)を推定できる。このような排気温度の推定は、エンジン1の運転状態に関わらず広い条件下において実施可能である。
特に、熱収支モデルにDOC5から外気への放熱量Qrad[W]を組み込むことによって、より高精度に排気温度を推定することができる。
また、このような熱収支モデルは、従来技術のような1次遅れフィルタ等の伝達関数を用いた場合に比べて実体に近いため、良好な推定精度を得ることができる。
このように排気通路4においてDOC5の前後いずれか一方に配置した排気温度センサ11によって他方側の排気温度を推定できるので、該他方側に排気温度センサを設ける必要がなくなり、センサ類の削減に貢献することで、コスト削減を図ることができる。
本発明は、内燃機関の排気通路に酸化触媒及びDPFが設けられ、該排気通路における排気温度を推定可能な排気温度推定装置に利用可能である。
1 エンジン
2 エアクリーナ
3 吸気管
4 排気管
5 酸化触媒(DOC)
6 ディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)
7 HC添加装置
8 吸気流量センサ
9 入口圧力センサ
10 ECU
11 排気温度センサ
12 外気温度センサ
13 車速センサ
15 HC添加量検出手段
16 酸化燃焼熱量算出手段
17 放熱量算出手段
18 熱交換量算出手段
19 排気温度推定手段

Claims (5)

  1. 内燃機関の排気通路に酸化触媒及び該酸化触媒より下流側にDPFが設けられ、前記排気通路のうち前記酸化触媒の上流側、又は、前記酸化触媒及び前記DPF間のいずれか一方における排気温度を推定する排気温度推定装置であって、
    前記排気通路のうち前記酸化触媒の上流側、又は、前記酸化触媒及び前記DPF間の他方における第1排気温度を検出する排気温度検出手段と、
    前記酸化触媒へのHC添加量を検出するHC添加量検出手段と、
    前記HC添加量から前記酸化触媒における酸化燃焼熱量を算出する酸化燃焼熱量算出手段と、
    前記酸化触媒と該酸化触媒を流れる排気との間における熱交換量を算出する熱交換量算出手段と、
    前記検出された第1排気温度、前記酸化燃焼熱量及び熱交換量に基づいて、前記一方における第2排気温度を推定する排気温度推定手段と
    を備え
    前記酸化燃焼熱量算出手段では、前記第1排気温度をパラメータとするアレニウス則を用いて前記酸化触媒で反応可能なHC最大反応量を求め、前記HC添加量が前記HC最大反応量より大きい場合、前記HC最大反応量を前記HC添加量として前記酸化燃焼熱量を算出することを特徴とする排気温度推定装置。
  2. 前記酸化燃焼熱量算出手段は、前記内燃機関の回転数及び燃料噴射量に基づいて前記内燃機関から排出される排気に含まれるHC含有量を算出し、前記HC含有量を前記HC添加量に合算して前記酸化燃焼量を算出することを特徴とする請求項1に記載の排気温度推定装置。
  3. 外気温度を検出する外気温度検出手段と、
    前記外気と前記酸化触媒との温度差から、前記酸化触媒から外気への放熱量を算出する放熱量算出手段と
    を備え、
    前記熱交換量算出手段は、前記放熱量に基づいて前記熱交換量を算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の排気温度推定装置。
  4. 前記排気温度検出手段では、前記排気通路のうち前記酸化触媒及び前記DPF間における排気温度を前記第1排気温度として検出することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の排気温度推定装置。
  5. 前記排気温度検出手段は前記排気通路のうち前記酸化触媒及び前記DPF間に設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の排気温度推定装置。
JP2013050814A 2013-03-13 2013-03-13 排気温度推定装置 Expired - Fee Related JP6057787B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013050814A JP6057787B2 (ja) 2013-03-13 2013-03-13 排気温度推定装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013050814A JP6057787B2 (ja) 2013-03-13 2013-03-13 排気温度推定装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014177875A JP2014177875A (ja) 2014-09-25
JP6057787B2 true JP6057787B2 (ja) 2017-01-11

Family

ID=51698071

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013050814A Expired - Fee Related JP6057787B2 (ja) 2013-03-13 2013-03-13 排気温度推定装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6057787B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6146427B2 (ja) * 2015-02-10 2017-06-14 マツダ株式会社 エンジンの制御装置

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4165236B2 (ja) * 2003-01-28 2008-10-15 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の排気状態検出装置
FR2877043B1 (fr) * 2004-10-27 2006-12-22 Renault Sas Procede et dispositif pour l'estimation des gaz d'echappement entrant dans un systeme de post-traitement place en aval d'un systeme de traitement de ces gaz
JP2009299597A (ja) * 2008-06-13 2009-12-24 Toyota Motor Corp 車載内燃機関の排気浄化装置
JP2012087628A (ja) * 2010-10-15 2012-05-10 Mitsubishi Fuso Truck & Bus Corp 内燃機関の排気浄化装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014177875A (ja) 2014-09-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20200284179A1 (en) Dual-purpose heater and fluid flow measurement system
US9702293B2 (en) Diagnostic device
JP4530081B2 (ja) 内燃機関の触媒劣化診断装置及び触媒劣化診断方法
US9695732B2 (en) Diagnostic device
JP2004340138A (ja) コンピューターによる圧力センサーの診断システム及び方法
US20190271274A1 (en) An inferential flow sensor
JP2005140111A (ja) ディーゼル・パティキュレート・フィルターの圧力モニター
JP6163996B2 (ja) 診断装置
US9885273B2 (en) Diagnostic device for an oxidation catalyst
JP2006250058A (ja) 燃料噴射量の制御方法
JP6057787B2 (ja) 排気温度推定装置
JP5912494B2 (ja) ディーゼルエンジンの排気浄化装置
JP2014222021A (ja) 排気温度センサの異常診断装置
WO2016103398A1 (ja) 排気センサの管理装置及び管理方法
JP5891734B2 (ja) NOxセンサの異常診断方法、NOxセンサの異常診断システム、及び内燃機関
JP6191355B2 (ja) 診断装置
JP5915111B2 (ja) NOxセンサの異常診断方法、NOxセンサの異常診断システム、及び内燃機関のNOx排出濃度推定方法
JP2015055167A (ja) 排気浄化装置
JP5517879B2 (ja) ディーゼルエンジンのpm排出量推定装置及びpm排出量制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150713

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20150713

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160428

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160506

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160808

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161202

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161206

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6057787

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees