JP5517879B2 - ディーゼルエンジンのpm排出量推定装置及びpm排出量制御装置 - Google Patents
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Description
排気通路にDPFを設けることで、エンジンで発生した排ガスは、DPFでPMを捕集されてから排出される。
従って、該推定によって求めたPM排出量が所定の規定値以内でない場合には、例えばアクセル開度等の運転条件を変更することによって、PM排出量を所定の規定値以内に保つことができる。
従って、前記フィルターとしてメタルDPFのようなPM除去率の低いフィルターを採用した場合であっても、低高度でPM排出量に過大なマージンを取ることなく、高高度でもPM排出量の規制値以内に抑える運転が可能となる。
なお、前記第1のPM浄化率マップは当該エンジン、フィルターにおいて予め実験的に作成しておく必要がある。
さらに、第2のPM浄化率マップにおいてPM浄化率を推定する際に入力する項目が2つと少ないため、第2のPM浄化率マップの作成にかかる時間の短縮が可能である。
これにより、熱効率を取り入れることでさらにさらに高精度で排ガス温度を推定することができ、該排ガス温度を用いることでさらに高精度でPM浄化率を推定することができる。
図1は、実施形態1に係るエンジン全体の構成図である。
まず、図1を用いてエンジン全体の構成について説明する。
16はエンジンであり、エンジン16の回転数Neを検出する回転数計30が設けられている。
排気通路9から分岐して、吸気通路3に接続されるEGR通路7が設けられており、EGR通路7にはEGRクーラ8、EGRバルブ6が設けられている。
吸気は、吸気通路3を通り、コンプレッサ2で圧縮昇圧された後、エアクーラ4で冷却され、吸気弁(不図示)で流量を調整されて、エンジン16に供給される。この際、エアフローメータ22、大気圧計24、インマニ温度計26、インマニ圧力計28によって、それぞれ吸気流量、大気圧、インマニ温度Tin、インマニ圧力Pinが検出される。
図2は、実施形態1におけるPM排出量制御装置のフロー図である。
51では、まず、PM排出量制御装置に大気圧計24で検出した大気圧、回転数計30で検出したエンジン回転数Ne及び図示しない検出手段により検出したアクセル開度の検出値が取り込まれる。そして、取り込まれた大気圧、エンジン回転数Ne及びアクセル開度を用いてPM浄化率を求める。
図3(a)は大気圧及びエンジン回転数Neを固定したときのPM浄化率とアクセル開度の関係を示すグラフであって、縦軸はPM浄化率、横軸はアクセル開度を示している。図3(a)に示すように、PM浄化率は、アクセル開度の増加に従って増加する。
また、図3(b)は大気圧及びアクセル開度を固定したときのPM浄化率とエンジン回転数の関係を示すグラフであって、縦軸はPM浄化率、横軸はエンジン回転数Neを示している。図3(b)に示すように、PM浄化率は、エンジン回転数の減少に従って増加する。
また、図3(c)はエンジン回転数Ne及びアクセル開度を固定したときのPM浄化率と高度の関係を示すグラフであって、縦軸はPM浄化率、横軸は高度を示している。図3(c)に示すように、PM浄化率は、高度の上昇に従って増加する。なお高度は大気圧と比例し、高度と大気圧は互いに換算することができるため、図3(c)はPM浄化率と大気圧の関係を示すグラフに置き換えることも可能である。
基本PM排出量とPM浄化率を乗算することによって、DPF14から排出されるPM量を算出することができる
ここで基本PM排出量とは、エンジン16から排出されるPM排出量であってDPF14に流入されるPM量である。該基本PM排出量は、従来技術によって求めることが可能であり、例えばエンジン回転数Ne、燃料噴射量及びPM排出量の関係を示したマップを予め作成しておき、エンジン回転数Ne、燃料噴射量の検出値から該マップを利用して求めることができる。
53における判断でYes即ちDPF14から排出されるPM量が規制値以下であればそのまま運転を継続する。
53における判断でNo即ちDPF14から排出されるPM量が規制値より大きければ54に進んで運転調整をする指令を出す。
実施形態2に係るエンジン全体の構成は実施形態1と同様であるため、全体の構成図は図1を流用し、その説明を省略する。
図4は、実施形態2におけるPM排出量制御装置のフロー図である。
61では、まずエアフローセンサ22で検出した吸気質量流量、図示しない検出手段によって検出したエンジン16への燃料噴射量、及びエンジン16の熱効率が取り込まれる。そして、取り込まれた吸気質量流量、燃料噴射量及び熱効率を用いて排ガス温度を求める。
図5(a)は燃料噴射量と吸気質量流量の関係を排ガス温度毎に示したグラフであって、縦軸は燃料噴射量、横軸は吸気質量流量を示している。図5(a)に示したように、排ガス温度毎に燃料噴射量と吸気質量流量は正の比例関係にある。
図5(b)は排ガス温度と熱効率の関係を示したグラフであって、縦軸は排ガス温度、横軸は熱効率を示している。図5(b)に示したように、排ガス温度は熱効率の上昇に従って減少する。
62では、排ガス温度マップによって求めた排ガス温度と、エンジン16からのPM排出量(基本PM排出量)を用いてPM浄化率を求める。
基本PM排出量とPM浄化率を乗算することによって、DPF14から排出されるPM量を算出することができる。
64における判断でYes即ちDPF14から排出されるPM量が規制値以下であればそのまま運転を継続する。
64における判断でNo即ちDPF14から排出されるPM量が規制値より大きければ65に進んで運転調整をする指令を出す。
65における運転調整は、実施形態1における図2に示した運転調整54と同様であるためその説明を省略する。
実施形態3に係るエンジン全体の構成は実施形態1及び実施形態2と同様であり、全体の構成図は図1を流用し、その説明を省略する。
図7は、実施形態3におけるPM排出量制御装置のフロー図である。
71では、まずエンジン16における酸素過剰率の実測値、回転数計30で検出したエンジン回転数Ne及び図示しない検出手段により検出したアクセル開度の検出値が取り込まれる。そして、取り込まれ酸素過剰率、エンジン回転数Ne及びアクセル開度を用いてNOx量を求める。
図8(a)はエンジン回転数とアクセル開度を固定した場合におけるNOx量と酸素過剰率の関係を示したグラフであって、縦軸はNOx量、横軸は酸素過剰率を示している。図8(a)に示したように、NOx量は酸素過剰率の増加に従って増加する。
図8(b)はアクセル開度とエンジン回転数の関係をNOx量毎に示したグラフであって、縦軸はアクセル開度、横軸はエンジン回転数を示している。
73については、実施形態2における図4に示した61と同様であるのでその説明を省略する。
74では、NOx/PM比率と排ガス温度を用いてPM浄化率を求める。
PM排出量とPM浄化率を乗算することによって、DPF14から排出されるPM量を算出することができる。
76における判断でYes即ちDPF14から排出されるPM量が規制値以下であればそのまま運転を継続する。
76における判断でNo即ちDPF14から排出されるPM量が規制値より大きければ77に進んで運転調整をする指令を出す。
77における運転調整は、実施形態1における図2に示した運転調整54及び実施形態2における図4に示した運転調整65と同様であるためその説明を省略する。
16 エンジン
51 PM浄化率マップ(第1のPM浄化率マップ)
62 PM浄化率マップ(第2のPM浄化率マップ)
74 PM浄化率マップ(第3のPM浄化率マップ)
61、73 排ガス温度マップ
71 NOx量マップ
Claims (4)
- エンジンの排気通路にPM(粒子状物質)を捕集するためのフィルターを有するディーゼルエンジンのPM排出量推定装置において、
エンジンの運転状態に応じてエンジンから前記排気通路に排出される基本PM排出量を推定する基本PM排出量推定手段と、
前記フィルターで捕集されるPMの割合を推定するPM浄化率算出手段と、
前記基本PM排出量推定手段によって推定される基本PM排出量と、前記PM浄化率算出手段によって算出されるPM浄化率を用いて、前記フィルター後のPM排出量を演算するPM排出量演算手段と、を備え、
前記PM浄化率算出手段は、
前記エンジンにおける大気圧と、エンジン回転数と、アクセル開度と、前記PM浄化率との関係を示した第1のPM浄化率マップを有し、
大気圧、エンジン回転数及びアクセル開度に基づいて、前記第1のPM浄化率マップを用いて前記PM浄化率を推定することを特徴とするディーゼルエンジンのPM排出量推定装置。 - エンジンの排気通路にPM(粒子状物質)を捕集するためのフィルターを有するディーゼルエンジンのPM排出量推定装置において、
エンジンの運転状態に応じてエンジンから前記排気通路に排出される基本PM排出量を推定する基本PM排出量推定手段と、
前記フィルターで捕集されるPMの割合を推定するPM浄化率算出手段と、
前記基本PM排出量推定手段によって推定される基本PM排出量と、前記PM浄化率算出手段によって算出されるPM浄化率を用いて、前記フィルター後のPM排出量を演算するPM排出量演算手段と、を備え、
前記PM浄化率算出手段は、
前記基本PM排出量と、排ガス温度と、前記PM浄化率との関係を示した第2のPM浄化率マップを有し、
前記基本PM排出量及び排ガス温度に基づいて、前記第2のPM浄化率マップを用いて前記PM浄化率を推定し、
さらに、前記PM浄化率算出手段は、
エンジンの吸気質量流量と、燃料噴射量と、排ガス温度と、熱効率の関係を示した排ガス温度マップを有し、該排ガス温度マップを用いて排ガス温度を推定し、該推定した排ガス温度を前記第2のPM浄化率マップに適用することを特徴とするディーゼルエンジンのPM排出量推定装置。 - エンジンの排気通路にPM(粒子状物質)を捕集するためのフィルターを有するディーゼルエンジンのPM排出量推定装置において、
エンジンの運転状態に応じてエンジンから前記排気通路に排出される基本PM排出量を推定する基本PM排出量推定手段と、
前記フィルターで捕集されるPMの割合を推定するPM浄化率算出手段と、
前記基本PM排出量推定手段によって推定される基本PM排出量と、前記PM浄化率算出手段によって算出されるPM浄化率を用いて、前記フィルター後のPM排出量を演算するPM排出量演算手段と、を備え、
前記PM浄化率算出手段は、
排ガス中に含まれるNOx量と前記基本PM排出量の比(NOx/PM比率)と、排ガス温度と、前記PM浄化率との関係を示した第3のPM浄化率マップを有し、
前記NOx/PM比率及び排ガス温度に基づいて、前記第3のPM浄化率マップを用いて前記PM浄化率を推定し、
さらに、前記PM浄化率算出手段は、
酸素過剰率と、エンジン回転数と、アクセル開度と排ガス中に含まれるNOx量との関係を示したNOx量マップと、
排ガス中に含まれるNOx量と前記基本PM排出量から前記NOx/PM比率を算出するNOx/PM比率算出手段とを有し、
酸素過剰率と、エンジン回転数及びアクセル開度に基づいて、前記NOx量マップを用いて排ガス中に含まれるNOx量を推定し、該推定したNOx量を用いて前記NOx/PM比率算出手段により前記NOx/PM比率を算出することを特徴とするディーゼルエンジンのPM排出量推定装置。 - 請求項1〜3何れかに記載のディーゼルエンジンのPM排出量推定装置と、
該PM排出量推定装置により推定されたPM排出量が所定の規定値以上であるときにPM排出量を減少するように運転指令を出す指令手段と、を有することを特徴とするディーゼルエンジンのPM排出量制御装置。
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