JP6057147B2 - 有機膜の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は有機膜の製造方法に関し、特に複数の有機膜を積層形成する製造方法に関する。
有機EL表示パネルやTFT基板等のデバイスにおいては、特定の機能を発揮するための有機膜が形成される。有機膜の例としては、有機EL表示パネルにおける有機発光層や、TFT基板における有機半導体層等の機能層が挙げられる。これらのデバイスでは、異なる機能の有機膜を2層以上にわたり積層形成する場合がある。
現在、上記デバイスにおいてはパネルや基板の大型化が進んでいる。そこで各有機膜を効率よく形成する手法として、有機材料を含むインクをインクジェット法等のウエットプロセスで塗布し、乾燥させることにより、有機膜を形成する技術が研究されている(特許文献1を参照)。
ウエットプロセスによる有機膜の製造方法は、有機膜を所定位置に塗り分ける際の位置精度が基本的に基板サイズに依存せず、パネルや基板の大型化への技術的障壁が比較的低いというメリットがある。
特開2004−253332号公報
ところで、ウエットプロセスによってインクを塗布し、複数の有機膜を積層形成する場合、下層の有機膜に空孔が存在すると、下層の有機膜上にインクを塗布した際に下層の有機膜の空孔に含まれる気体がインク中に混入して気泡を生じ、上層の有機膜の膜質を不均一にさせたり、膜密度を低下させることがある。
また、下層の有機膜上に塗布したインクを加熱処理で乾燥させる際、下層の有機膜の空孔に起因してインクが突沸し、突沸跡の周囲で不要な結晶体や凝集体を生じて上層の有機膜の膜質の低下を招く場合もある。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、ウエットプロセスで複数の有機膜を塗布して積層形成する場合に、良好且つ均一な膜質で各有機膜を適切に形成することを期待できる有機膜の製造方法を提供する。
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る有機膜の製造方法は、基材の表面に第1有機材料を含む第1溶液を塗布して有機塗布膜を形成する、有機塗布膜形成ステップと、前記有機塗布膜を加熱して溶媒を蒸発させる溶媒蒸発ステップと、溶媒蒸発ステップを実施後、前記有機塗布膜の雰囲気圧を大気圧未満の第1気圧に調整し、前記有機塗布膜を膨張させる第1気圧調整ステップと、第1気圧調整ステップを実施後、前記有機塗布膜の雰囲気圧を前記第1気圧よりも高い第2気圧に調整し、前記有機塗布膜を収縮させて第1有機膜を成膜する第2気圧調整ステップと、前記第1有機膜の表面に、前記第1有機材料とは異なる第2有機材料を含む第2溶液を塗布し、乾燥させて第2有機膜を形成する第2有機膜形成ステップとを有するものとする。
本発明の一態様における有機膜の製造方法によれば、有機塗布膜形成ステップで基材上に有機塗布膜を形成した後、溶媒蒸発ステップで有機塗布膜の溶媒を蒸発させ、第1気圧調整ステップで有機塗布膜を大気圧未満の第1気圧下に置く。この第1気圧調整ステップでは有機塗布膜が減圧雰囲気下で膨張するため、膜内部の空孔が脱気される。
その後、第2気圧調整ステップで有機塗布膜の雰囲気圧を第1気圧より高い第2気圧に置くことで、有機塗布膜を収縮させて空孔を押し潰し、高い膜密度の第1有機膜を形成する。これにより第1有機膜上に第2溶液を塗布した際、第1有機膜の空孔内の気体が第2溶液へ混入するのを防止し、第2有機膜の膜密度の低下を防止できる。
また第2溶液を塗布した後に加熱処理を行う際、第1有機膜の空孔に起因して生じる第2溶液の突沸を抑制できるため、突沸跡周辺における不要な凝集体や結晶体の発生も防止できる。よって、第1有機膜上に形成される第2有機膜でも均一且つ良好な膜質が得られる。
従って本発明の一態様における有機膜の製造方法によれば、良好且つ均一な膜質の第1有機膜及び第2有機膜を適切に積層形成することを期待できる。
有機EL表示パネル10の部分断面図である。 有機EL表示パネル10の1画素周辺部分を示す正面図である。 有機EL素子100R、100G、100Bの製造ステップ図である。 機能層形成ステップにおけるサブステップ図である。 有機EL素子100R、100G、100Bの製造プロセスにおける様子を示す模式的な断面図である。 有機EL素子100R、100G、100Bの製造プロセスにおける様子を示す模式的な断面図である。 有機EL素子100R、100G、100Bの製造プロセスにおける様子を示す模式的な断面図である。 減圧処理ステップ時と加圧処理ステップ時の有機塗布膜6AY周辺の様子を示す模式的な断面図である。 形成された機能層周辺の構成を示す断面図である。 従来の機能層周辺の構成を示す断面図である。 減圧処理時の減圧値を変化させたときの機能層の状態を示す写真である。 減圧処理時の減圧速度を変化させたときの機能層の状態を示す写真である。 有機発光層の乾燥温度及び乾燥時間を変化させたときの機能層の状態を示す写真である。
<実施の態様>
本発明の一態様に係る有機膜の製造方法は、基材の表面に第1有機材料を含む第1溶液を塗布して有機塗布膜を形成する、有機塗布膜形成ステップと、前記有機塗布膜を加熱して溶媒を蒸発させる溶媒蒸発ステップと、溶媒蒸発ステップを実施後、前記有機塗布膜の雰囲気圧を大気圧未満の第1気圧に調整し、前記有機塗布膜を膨張させる第1気圧調整ステップと、第1気圧調整ステップを実施後、前記有機塗布膜の雰囲気圧を前記第1気圧よりも高い第2気圧に調整し、前記有機塗布膜を収縮させて第1有機膜を成膜する第2気圧調整ステップと、前記第1有機膜の表面に、前記第1有機材料とは異なる第2有機材料を含む第2溶液を塗布し、乾燥させて第2有機膜を形成する第2有機膜形成ステップとを有する。
ここで、前記第2有機材料の分子量を、前記第1有機材料の分子量より小さくすることもできる。
また前記第1有機膜は、前記第1有機材料の分子が結合してなる高分子を含む膜とすることもできる。
また前記高分子は、前記第1有機材料の分子が三次元網目結合した構造を有することもできる。
また前記第1気圧は10Pa以下とすることもできる。
また前記第2気圧は大気圧とすることもできる。
また前記第1気圧調整ステップでは、20分以上40分以下にわたり前記有機塗布膜の雰囲気圧を前記第1気圧に維持することもできる。
また前記第1気圧調整ステップでは、1.7×103Pa/s以上2.5×104Pa/s以下の減圧速度で前記有機塗布膜の雰囲気圧を前記第1気圧まで減圧することもできる。
また前記第2気圧調整ステップでは、1.7×103Pa/s以上2.5×104Pa/s以下の加圧速度で前記有機塗布膜の雰囲気圧を前記第2気圧まで加圧することもできる。
また前記第1気圧調整ステップにおける前記雰囲気の温度範囲を25℃以上50℃未満とすることもできる。
また、本発明の一態様は、基板の上方に第1電極を形成する第1電極形成ステップと、前記第1電極の位置に対応して開口部を有するように隔壁を形成する隔壁形成ステップと、前記隔壁の内部に複数の機能層を形成する機能層形成ステップと、前記機能層の上方に第2電極を形成する第2電極形成ステップとを有する有機EL素子の製造方法であって、前記機能層形成ステップは、前記開口部の内部に、第1有機材料を含むインクを塗布して有機塗布膜を形成する有機塗布膜形成ステップと、前記有機塗布膜を加熱して溶媒を蒸発させる溶媒蒸発ステップと、溶媒蒸発ステップを実施後、前記有機塗布膜の雰囲気圧を大気圧未満の第1気圧とする第1気圧調整ステップと、前記第1気圧調整ステップを実施後、前記有機塗布膜の雰囲気圧を前記第1気圧よりも高い第2気圧に調整し、前記有機塗布膜を乾燥させて第1機能層を成膜する第2気圧調整ステップと、前記第1機能層の表面に、前記第1有機材料とは異なる第2有機材料を含むインクを塗布し、乾燥させて第2機能層を形成する第2機能層形成ステップとを有するものとする。
ここで本発明の別の態様として、前記第2有機材料の分子量を、前記第1有機材料の分子量より小さくすることもできる。
また本発明の別の態様として、前記第1機能層は、前記第1有機材料の分子が結合してなる高分子を含む膜とすることもできる。
また本発明の別の態様として、前記高分子は、前記第1有機材料の分子が三次元網目結合した構造を有することもできる。
また本発明の別の態様として、前記第1気圧は10Pa以下とすることもできる。
また本発明の別の態様として、前記第2気圧は大気圧とすることもできる。
また本発明の別の態様として、前記第1気圧調整ステップでは、20分以上40分以下にわたり前記有機塗布膜の雰囲気圧を前記第1気圧に維持することもできる。
また本発明の別の態様として、前記第1気圧調整ステップでは、1.7×103Pa/s以上2.5×104Pa/s以下の減圧速度で前記有機塗布膜の雰囲気圧を前記第1気圧まで減圧することもできる。
また本発明の別の態様として、前記第2気圧調整ステップでは、1.7×103Pa/s以上2.5×104Pa/s以下の加圧速度で前記有機塗布膜の雰囲気圧を前記第2気圧まで加圧することもできる。
また本発明の別の態様として、前記第1有機材料はホール輸送層材料であり、前記第1機能層はホール輸送層とすることもできる。
また本発明の別の態様として、前記第2有機材料は有機発光材料であり、前記第2機能層は有機発光層であるとすることもできる。
また本発明の別の態様として、前記第1気圧調整ステップにおける前記雰囲気の温度範囲を25℃以上50℃未満とすることもできる。
<発明の経緯>
本願発明者らは、有機EL素子の製造時における有機膜(有機発光層)を形成するためのウエットプロセスにおいて、図10の部分断面図に示すように、ホール注入層4の上にホール輸送層6A0を形成し、その上面に低分子有機発光材料を含むインクを塗布して有機発光層6B0を形成した際、有機発光層6B0中に不要な気泡や凝集体、または結晶体(不図示)が発生しうることを確認した。この有機発光層6B0の結晶性や膜質は、同じ低分子有機発光材料を用い、蒸着膜として得た有機膜の結晶性や膜質に比べて低いものであった。
このような問題を生じる原因を本願発明者らが検討したところ、有機発光層6B0の下層として形成するホール輸送層6A0の膜質が関係していることが分かった。ホール輸送層6A0の内部には微小な空孔が存在し、この空孔がホール輸送層6A0の膜密度を低下させて膜質を下げる原因となっていた。このホール輸送層6A0の上に有機発光材料を含むインクを塗布すると、ホール輸送層6A0中の空孔に含まれる気体が有機発光材料を含むインク中に混入し、インク中に気泡を形成しうる。
また、有機発光材料を含むインクを塗布した後、ベーク処理を実施する際、ホール輸送層6A0の空孔によってインクが突沸現象を生じる場合がある。この突沸跡を中心に、有機発光層6B0において不要な凝集体や結晶体が形成されると考えられる。
このような問題は、比較的低分子量の有機発光材料を含むインクを塗布し、有機発光層6B0を形成する場合に生じ易い。しかしながら同様の問題は、高分子量の有機発光材料を含むインクを塗布し、有機発光層6B0を形成する場合にも生じる可能性がある。
ホール輸送層6A0や有機発光層6B0の膜質が低いと、有機EL素子では駆動時に有機発光層中でキャリア再結合を適切に生じさせることが困難となり、本来の発光特性を発揮できない。
そこで本発明の一態様の有機膜の製造方法では、ホール輸送材料を含む第1溶液(インク)を基板上に塗布し、ベーク処理を行った後(溶媒蒸発ステップ後)、有機塗布膜を大気圧未満の第1気圧下に置き、その後に有機塗布膜を第2気圧下に置く。これにより、第1気圧下では有機塗布膜を膨張させ、膜中の空孔中より気体を脱気させる。その後は第2気圧下で有機塗布膜を収縮させ、膜中の空孔を押し潰して消失させることにより膜密度を向上させ、均一且つ高い膜密度のホール輸送層を形成する。
このような各ステップを経ることで、本発明の一態様における有機膜の製造方法を用いれば、例えば基板のホール輸送層上に有機発光材料を含む第2溶液(インク)を塗布し、ベーク処理を実施する場合、ホール輸送層の空孔から発生した気体がインクに混入し、インク内に気泡を発生するのを回避でき、高い膜密度の有機発光層を形成することができる。
また、空孔に起因するインクの突沸現象の発生も抑制でき、突沸跡の周囲における不要な凝集体や結晶体の発生を防止して、均一且つ良好な膜質の有機発光層を形成できる。
このようにホール輸送層及び有機発光層を適切に積層形成した結果、優れた発光特性の有機ELを実現することが可能となる。
<実施の形態>
(有機EL表示パネル10)
図1は、有機EL表示パネル10の部分断面図である。図2は、有機EL表示パネル10の1画素周辺部分を示す正面図である。
有機EL表示パネル10では、赤(R)色、青(B)色、緑(G)色の各発光色の有機EL素子100R、100G、100Bがバンク5で区画された各領域にX方向に沿って配置されている。有機EL素子100R、100G、100Bの各々がサブピクセルを構成する。そして、隣接する3つの有機EL素子100R、100G、100Bが1組として1画素(ピクセル)を構成している。
尚、X方向に沿って、例えば1画素毎や数画素毎にバスバー(補助配線)領域が設けられることもある。
図1に示すように、有機EL表示パネル10は、TFT基板1(以下、単に「基板1」と記載する。)と、その上面に同順に積層された第1電極(ここでは陽極)2と、電極被覆層3と、ホール注入層4とを有する。さらにホール注入層4の上には、隣接するバンク(隔壁)5の間に、機能層6(ホール輸送層6A及び有機発光層6B)と、電子輸送層7と、第2電極(ここでは陰極8)と、封止層9とを有する。
陽極2、電極被覆層3、ホール輸送層6A、有機発光層6Bは、有機EL素子100R、100G、100B毎に個別に形成される。ホール注入層4、電子輸送層7、陰極8、封止層9は基板1の基板の平面全体にわたり一様に形成される。ここでは基板1、陽極2を可視光反射材料で構成し、陰極2を可視光透過材料で構成することで、有機EL素子100R、100G、100Bをトップエミッション型として構成している。
有機EL表示パネル10の利用形態としては、オーディオ装置と組み合わせたテレビジョンシステムの一部とすることができる。有機EL表示パネル10は液晶ディスプレイ(LCD)のようにバックライトを必要としないので薄型化に適しており、システムデザイン設計という観点から優れた特性を発揮する。
以下、有機EL素子100R、100G、100Bの各構成要素を述べる。
[基板1]
基板1は有機EL素子100R、100G、100Bの基材となる部分であり、基板本体の表面に公知のTFT配線部が形成されてなる。
[陽極2]
陽極2は、有機発光層6B側にホールを供給するための電極である。実施の形態では、有機EL素子100R、100G、100Bをトップエミッション構造とするため、陽極2に可視光反射特性を持たせている。
[電極被覆層3]
電極被覆層3は、陽極2の上面を被覆することで陽極2を保護するための層である。
[ホール注入層4]
ホール注入層(HIL)4は有機発光層6B側にホールを注入する際の注入効率を高める目的で配設される。
[バンク5]
バンク5は絶縁性材料からなり、サブピクセルを区画する開口部101R、101G、101Bを確保しつつ、ホール注入層4の表面において、一定の台形(テーパー状)断面を持つストライプ構造または井桁構造をなすように形成される。バンク5の開口部101R、101G、101Bは、一例として図2に示すように、Y方向を長軸、X方向を短軸とする形状とすることができる。
[ホール輸送層6A]
ホール輸送層(IL)6Aは、有機発光層6B側にホールを輸送する際の輸送効率を高める目的で配設される。一例としてホール輸送層6Aは、アミン系分子が三次元網目結合をなすように結合してなる高分子で構成できる。
[有機発光層6B]
有機発光層(EML)6Bは、駆動時に陽極2側から供給されるホールと、陰極8側から供給される電子とを再結合し、発光する役目をなす。有機EL素子100R、100G、100Bの各素子の有機発光層6Bは、同順に赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の有機発光材料で構成されている。
なお、赤色及び緑色の発光色の有機発光層6Bは高分子有機発光材料を含んで構成することができる。一方、青色の発光色の有機発光層6Bは、ホール輸送層6Aの材料となるホール輸送材料よりも低分子量の有機材料を用いて構成することができる。
[電子輸送層7]
電子輸送層7は、有機発光層6B側へ電子を輸送する際の輸送効率を高める目的で配設される。
[陰極8]
陰極8は、有機発光層6B側に電子を供給する電極であり、有機発光層6Bの発光を透過させるために可視光透過性を持たせている。
[封止層9]
封止層9は、有機発光層6Bが水分や空気等に触れることによる劣化を抑制するために用いられる。
(効果)
以上の構成を持つ有機EL素子100R、100G、100Bでは、機能層であるホール輸送層6Aと有機発光層6Bが、均一且つ優れた膜質でそれぞれ形成されている。
すなわち、ホール輸送層6Aは層内部における空孔が排除され、高い膜密度の均一な膜質を持つように形成されている。
一方、有機発光層6Bは、ホール輸送層6Aの層内の空孔が排除されていることで、製造時にホール輸送層6A上に有機発光材料を含むインクを塗布した際にホール輸送層6Aの空孔内の気体が混入して気泡を発生するのが抑制されている。また、塗布したインクを加熱処理する際、ホール輸送層6Aの空孔に起因して生じうる突沸現象も低減されている。このため有機発光層6Bでは、突沸跡周辺で発生しうる、不要な凝集体や結晶体の発生も回避でき、高い膜密度及び優れた結晶性の均一な膜質を持つように形成されている。
このようにホール輸送層6Aと有機発光層6Bとが均一且つ優れた膜質でそれぞれ形成されているため、有機EL素子100R、100G、100Bの駆動時には、ホール輸送層6Aにおいて高い輸送効率でホールを輸送でき、且つ、有機発光層6Bにおいて高い発光効率による優れた発光特性を期待できる。
<有機EL素子100R、100G、100Bの製造方法>
次に、有機EL素子100R、100G、100Bの製造方法を図3〜9を用いて例示する。図3は、製造プロセスの全体的なステップの流れを示し、図4は、機能層形成ステップにおけるサブステップの流れを示す。また図5〜9は、有機EL素子の各製造プロセスにおける様子を示す、模式的な断面図である。
[基板準備ステップからバンク形成ステップまで]
まず、基板本体にTFT配線部を形成し、基板1を準備する(図3のS1)。
次に、基板1上にパターンマスクを介し、真空蒸着法に基づいてアルミニウム材料を成膜する。これにより、基板1上に所定間隔ごとに陽極2を形成する(図3のS2)。
次に、真空蒸着法等に基づきパターンマスクを介し、各陽極2の上面の位置に透明導電材料を成膜する。これにより電極被覆層3を形成する(図3のS3、図5(a))。
次に、電極被覆層3を形成した基板1の表面全体にわたり、真空蒸着法等に基づき、遷移金属酸化物材料等を用いてホール注入層4を成膜する(図3のS4、図5(b))。
次に、基板1の表面に感光性レジスト層を一様に配設する。フォトリソグラフィー法に基づき、パターンマスクを介して露光処理を行い、次に現像処理を実施することで、所定のパターニング形状を有するバンク5を形成する(図3のS5、図5(c))。このとき、陽極2の真上に開口部101R、101G、101Bが存在するように、バンク5をパターニング形成する。
以上のステップで基板1、陽極2、電極被覆層3、ホール注入層4、バンク5からなる基材が構成される。なお、ここで言う「基材」とは、実施の形態にてウエットプロセスで有機膜(機能層)を形成するためのベースとなる構成要素である。
[機能層形成ステップ]
次に、機能層形成ステップ(図3のS6)を実施し、基材上に機能層を配設する。当該ステップは実施の形態の主たる特徴の一つであり、図4に示すように、複数のサブステップS60〜S65を順次経ることにより実施する。
以下、各サブステップを具体的に説明する。
(塗布ステップS60)
まず、ホール輸送層6Aの材料となる第1有機材料(ホール輸送材料)を含む第1溶液(インク6AX)を用意する。次に開口部101R、101G、101Bの各内部に対し、インクジェット法等に基づき、塗布装置のノズルを用いてインク6AXを滴下して塗布し、液状の有機塗布膜を形成する(図4のS60、図5(d))。
(ILベーク処理(溶媒蒸発)ステップS61)
その後、液状の有機塗布膜を形成した基板1をベーク処理し、インク6AX中の有機溶媒を蒸発させる(図4のS61、図6(a))。これにより有機溶媒の大部分を除去し、ある程度流動性が無くなって固形化した有機塗布膜6AYを形成する(図8(a)参照)。
なお、ベーク処理の条件は適宜調整が可能であるが、基板1側に熱損傷を与えない程度に調整する。例えば加熱温度を200℃とし、加熱時間を30分とすることができる。ここでベーク処理を経た有機塗布膜6AYでは、ホール輸送材料分子が三次元網目結合した構造をなすように架橋反応を生じ、重合して高分子となる。このため有機塗布膜6AYは、一定の柔軟性を有する有機高分子層として構成されている。
(減圧処理ステップS62)
次に、有機塗布膜6AYを形成した基板1を真空チャンバー等の減圧装置内に載置する。減圧装置内を密閉し、例えば雰囲気温度を35℃とし、基板1周囲の雰囲気圧を大気圧未満に減圧していき、第1気圧まで到達させる。その後、雰囲気圧を第1気圧で一定時間維持する。この減圧装置としては、例えばヤマト科学株式会社の角型真空低温乾燥器(DP23/33等)、または同社の角型真空乾燥器(DP83/103等)の真空乾燥装置を使用できる。しかしながら、使用可能な減圧装置はこの限りではない。
この第1気圧としては、例えば10Paとすることができる。大気圧から第1気圧への減圧速度は、例えば1.7×103Pa/s以上2.5×104Pa/s以下とすることができる。また、雰囲気圧を第1気圧(10Pa)に維持する時間は、例えば20分以上40分以下の範囲とすることができる。また、減圧処理ステップS62における雰囲気の温度範囲は25℃以上50℃未満の範囲とすることができる。
この減圧処理ステップS62を実施することによって、有機塗布膜6AYの厚みが膨張する(図6(b))。ここで図8(a)は、図6(b)の領域Pの拡大断面図である。減圧処理ステップS62では有機塗布膜6AYが膨張し、有機塗布膜6AY中の残留溶媒が除去される(図6(b))。これととともに図8(a)に示すように、有機塗布膜6AY内の空孔に残留していた気体が気泡となって現れ、脱気(脱泡)される。
(加圧処理ステップS63)
次に、有機塗布膜6AYを形成した基板1を上記と同じ減圧装置内に載置した状態で、雰囲気温度を35℃に維持し、基板1周囲の雰囲気圧を加圧していき、第1気圧よりも高気圧の第2気圧に到達させる。その後、雰囲気圧を第2気圧で一定時間維持する。
この第2気圧としては、例えば大気圧とすることができる。第1気圧から第2気圧への加圧速度は、減圧処理ステップS62の減圧速度と同様に、例えば1.7×103Pa/s以上2.5×104Pa/s以下とすることができる。また、雰囲気圧を第2気圧に維持する時間は、20分以上40分以下の範囲とすることができる。
この加圧処理ステップS63を実施することによって、有機塗布膜6AYは厚みが収縮する(図6(c))。ここで図8(b)は、図6(c)の領域Qの拡大断面図である。当図に示すように、有機塗布膜6AYは、減圧処理ステップS62での最大厚みD1から厚みD2まで圧縮されて体積が収縮する。これによって有機塗布膜6AY中に存在する空孔が押し潰され、消失する。
この加圧処理ステップS63を終了すると、ホール輸送層6Aが形成される。
ここで、加圧処理ステップS63において有機塗布膜6AY内の空孔を消失させることにより、図10の部分断面図に示すように、ホール輸送層6A0中に空孔が残留して膜密度を低下させる問題の発生を防止し、高い膜密度を有し、均一な優れた膜質のホール輸送層6Aを得ることができる。
(有機発光材料塗布ステップS64)
次に、RGB色毎に、有機発光層(EML)の材料となる第2有機材料(有機発光材料)を含む第2溶液(インク6BX)を調整する。続いて開口部101R、101G、101Bの各内部におけるホール輸送層6Aの各上面に対し、インクジェット法等に基づき、塗布装置のノズルを用いてインク6BXを滴下して塗布し、液状の有機塗布膜を形成する(図4のS64、図6(d))。
(EMLベーク処理ステップS65)
次に、液状の有機塗布膜を形成した基板1をベーク処理し、インク6BX中の溶媒を蒸発させる(図7(a))。このときのベーク処理の条件は、例えば加熱温度を130℃とし、加熱時間を10分間とすることができるが、この条件に限定されない。ベーク処理により溶媒蒸発が進み、乾燥が終了すると有機発光層6Bが形成される(図7(b))。
ここで図9は、図7(b)の領域Rの拡大断面図である。上記したように、ホール輸送層6Aは空孔を消失させることで高い膜密度を持つように構成されているため、インク6BXをベーク処理する際にはホール輸送層6Aの空孔から気体がインク6BXに混入したり、ホール輸送層6Aの空孔に起因してインク6BXの内部で突沸が発生する問題を防止できる。これにより図10に示すように、有機発光層6B0中に気泡が発生したり、突沸跡の周辺で不要な凝集体や結晶体が生じる従来の問題を防止し、高い結晶性を有し、均一な優れた膜質を持つ有機発光層6Bを得ることができる。
なお有機EL素子100R、100G、100Bでは、低分子有機発光材料を含むインク6BXを用い、ウエットプロセスにていずれかの発光色(例えば青色(B))の有機発光層6Bを形成する場合がある。この低分子有機発光材料を含むインク6BXをウエットプロセスで塗布する際、有機発光層6Bの膜質はホール輸送層6Aの膜質に影響を受け易い。これに対して実施の形態では、上記のようにホール輸送層6Aと有機発光層6Bを良好に積層形成することで、低分子有機発光材料からなる有機発光層6Bの膜質を、当該低分子有機発光材料を用いてドライプロセスで成膜した蒸着膜の膜質と同等以上に確保することができる。
その結果、有機EL表示パネル10の製造において、大型の基板1を用いる場合でも、ドライプロセスに依存することなく、ウエットウエットプロセスで低分子有機発光材料からなる良好な膜質の有機発光層6Bを形成でき、優れた発光特性を持つ有機EL表示パネル10を高い生産性で製造することを期待できる。
ベーク処理ステップS65にて有機発光層6Bを形成すると、機能層6の形成が終わり、機能層形成ステップS6が終了する。
[電子輸送層形成ステップS7]
次に有機発光層6Bの上面、及びバンク5の露出している表面に対し、真空蒸着法に基づき、一様に電子輸送層7を形成する(図3のS7)。
次に、S7と同様の要領で、基板1の表面に対して一様に陰極8を形成する(図3のS8、図7(c))。その後、S7、S8と同様の容量で陰極8の上面に封止層9を成膜すると、有機EL素子100R、100G、100Bが得られる(図3のS9、図7(d))。
以上のS1〜S9の各ステップで有機EL素子100R、100G、100Bを基板1上に複数形成することで、有機EL表示パネル10が完成する。
<有機EL素子100R、100G、100Bの各構成材料について>
有機EL素子100R、100G、100Bを上記製造方法で製造する際、各構成要素の材料例としては、次の各材料を用いることができる。
[基板1の材料]
基板1の材料としては、例えば、無アルカリガラス、ソーダガラス、無蛍光ガラス、燐酸系ガラス、硼酸系ガラス、石英、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエチレン、ポリエステル、シリコーン系樹脂、又はアルミナ等の絶縁性材料が挙げられる。また、有機樹脂フィルムを用いることもできる。
[陽極2の材料]
陽極2の材料としては、アルミニウム、銀、クロム、ニッケル及びこれらの合金の群より選ばれる少なくとも一つの材料が挙げられる。
[電極被覆層3の材料]
電極被覆層3の材料としては、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)等の透明導電性材料が挙げられる。
[ホール注入層4の材料]
ホール注入層4の材料としては、酸化タングステン、酸化モリブデン等の線に金属酸化物材料を利用できる。
[バンク5の材料]
バンク5の材料としては、絶縁性を有する樹脂等の有機材料が挙げられる。有機材料の例として、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ノボラック型フェノール樹脂等がある。バンク5は、有機溶剤耐性を有することが好ましい。さらに、バンク5はエッチング処理、ベーク処理等がなされるので、それらの処理に対して過度に変形、変質を起こさない耐性の高い材料で形成することが好ましい。
[ホール輸送層6Aの材料]
ホール輸送材料としては、フルオレン部位とトリアリールアミン部位を含む共重合体材料や、低分子量のトリアリールアミン誘導体等のアミン系材料を例示できる。いずれも、青色(B)で有機発光層6Bを構成する際に用いる有機発光材料の分子量より低分子量であって、塗布された後に架橋反応により三次元網目構造をなすように重合し、有機高分子層としてホール輸送層6Aを形成できる材料を用いる。
[有機発光層6Bの材料]
有機発光層6Bは、赤色(R)、緑色(G)の発光材料としては有機高分子材料を利用する。有機高分子材料としてはポリフルオレン、ポリフェニレンビニレン、ポリアセチレン、ポリフェニレン、ポリパラフェニレンエチレン、ポリ3−ヘキシルチオフェンやこれらの誘導体などの高分子材料や、特開平5−163488号公報に記載のオキシノイド化合物、ペリレン化合物、クマリン化合物、アザクマリン化合物、オキサゾール化合物、オキサジアゾール化合物、ペリノン化合物、ピロロピロール化合物、ナフタレン化合物、アントラセン化合物、フルオレン化合物、フルオランテン化合物、テトラセン化合物、ピレン化合物、コロネン化合物、キノロン化合物及びアザキノロン化合物、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、ローダミン化合物、クリセン化合物、フェナントレン化合物、シクロペンタジエン化合物、スチルベン化合物、ジフェニルキノン化合物、スチリル化合物、ブタジエン化合物、ジシアノメチレンピラン化合物、ジシアノメチレンチオピラン化合物、フルオレセイン化合物、ピリリウム化合物、チアピリリウム化合物、セレナピリリウム化合物、テルロピリリウム化合物、芳香族アルダジエン化合物、オリゴフェニレン化合物、チオキサンテン化合物、シアニン化合物、アクリジン化合物、8−ヒドロキシキノリン化合物の金属錯体、2−ビピリジン化合物の金属錯体、シッフ塩とIII族金属との錯体、オキシン金属錯体、希土類錯体等の蛍光物質を挙げることができる。
なお、RGB各色有機発光材料としては、全ての発光色について上記のような有機高分子材料を用いても良いし、RGBいずれかの発光色のみ、有機低分子材料を用いてもよい。例えば赤色(R)、緑色(G)の発光色については有機高分子材料を用い、青色(B)の発光色については低分子有機材料を利用することができる。ここで言う「低分子有機材料」とは、真空蒸着法等の真空プロセスにて成膜可能な低分子量の有機材料であって、重合前のホール輸送材料の有機材料よりも低分子量のものを指す。
[電子輸送層7の材料]
電子輸送層7の材料としては、例えばバリウム等のアルカリ土類金属材料やナトリウム等のアルカリ金属材料を挙げることができる。
[陰極8の材料]
陰極8は、例えばITOやIZO等の透明導電性材料を挙げることができる。
[封止層9の材料]
封止層9の材料としては、例えば酸化シリコン(SiO)、窒化シリコン(SiN)、酸窒化シリコン(SiON)、炭化ケイ素(SiC)、炭素含有酸化シリコン(SiOC)、窒化アルミニウム(AlN)、酸化アルミニウム(Al23)等の材料がある。
<性能確認試験>
以下、本実施の形態が奏する諸効果を確認するための各実験と結果について述べる。
(実験1:減圧度について)
まず複数のサンプルを次の手順で用意した。複数のガラス基板を用意し、各ガラス基板の表面に陽極を形成し、陽極の上からホール輸送材料を含むインクをスピンコートして有機塗布膜を形成した。各ガラス基板を加熱温度200℃、加熱時間30分間の条件でベーク処理(ILベーク処理)し、有機塗布膜中の溶媒の大部分を蒸発させた。
その後、有機塗布膜を形成した各ガラス基板を真空乾燥炉内に入れた。減圧処理ステップとして、有機塗布膜の雰囲気圧を、大気圧から次のいずれかの第1気圧まで減圧した(1kPa、100Pa、20Pa、10Pa)。このときの雰囲気圧の減圧速度はいずれも一定とし、到達させた第1気圧の値を35℃で20分間維持した。
減圧処理ステップ終了後、各基板を取り出して大気圧下に置くことによって、基板の雰囲気圧を第2気圧(大気圧)まで上昇させた(加圧処理ステップ)。この加圧処理ステップを終了してホール輸送層(厚み20nm)を得た。
次に、ホール輸送層の上面に1.84%濃度の有機発光材料を含むインクを2000rpmでスピンコートし、その後加熱温度130℃、加熱時間10分にてベーク処理(EMLベーク処理)することにより有機発光層を得た。以上で、減圧処理ステップの第1気圧値のみ異なるサンプルNo.1〜4を得た。
また、ILベーク処理後に減圧処理ステップを実施しない比較例サンプルNo.0も併せて作製した。
これらの各サンプルNo.0〜No.4における各基板の有機発光層を、基板上方から顕微鏡で撮影した。この写真を図11(a)〜(e)に示す。なお図11(a)〜(e)の各写真において、左右方向の横断線より下の領域が陽極上にホール輸送層、有機発光層を積層した領域を示し、横断線より上の領域が陽極のみ存在する領域を示している。
まず、図11(a)の比較例サンプルNo.0の写真では、横断線より下の領域にて、有機発光層中に細かな粒状物が密集して生じているのが確認できた。これらの粒状物は、有機発光層の有機分子からなる微小な凝集体であり、減圧処理ステップ及び加圧処理ステップを実施しなかったためにホール輸送層中に空孔が存在し、これによって有機発光材料を含むインクにて突沸が生じたため形成されたものであると考えられる。
一方、図11(b)〜(e)の写真を見ると、ILベーク処理後に1kPa以下の減圧処理ステップを実施したサンプルNo.1〜4の基板では、いずれも有機発光層中にサンプルNo.0の写真で見られたような凝集体は確認されず、サンプルNo.0に比べて高い膜質の有機発光層が形成されているのが確認された。また図11(b)〜(e)を比較すると、これらのサンプルNo.1〜4では減圧処理ステップの減圧値が高いほど、有機発光層の膜質が滑らかになり、凝集体の生成が抑制されていることが分かった。また、図11(b)〜(e)では、サンプルNo.1〜4の有機発光層は気泡がほとんど脱泡されていることから、いずれも高密度を有しているものと推測される。
このうちサンプルNo.4に係る図11(e)に示す有機発光層の膜質が最も優れていることから、減圧処理ステップでは減圧時温度を35℃とし、到達させた第1気圧値での維持時間を20分間とする場合、第1気圧値としては10Pa以下に設定することが望ましいと考えられる。
(実験2:減圧速度について)
次に実験1と同様の手順で、複数のガラス基板上にそれぞれ陽極と有機塗布膜を形成した。各基板に対し、加熱温度200℃、加熱時間30分間にてILベーク処理を実施した。
ILベーク処理の実施後、基板を真空乾燥炉内に入れて減圧処理ステップを実施した。
ここで、サンプルNo.5の基板では減圧速度約3.47×102Pa/sにて、第1気圧(20Pa)まで減圧させ(所要時間4分55秒)、減圧温度35℃で20分保持した。一方、サンプルNo.6の基板では減圧速度約3.19×102Pa/sにて、第1気圧(20Pa)まで減圧させ(所要時間6分18秒)、減圧温度35℃で20分保持した。
減圧処理ステップの実施後、サンプルNo.5、6の各基板を取り出し、加圧処理ステップとして、雰囲気圧を第2気圧(大気圧)まで上昇させ、ホール輸送層(厚み20nm)を得た。
次に、ホール輸送層の上面に濃度1.84%の有機発光材料を含むインクを2000rpmでスピンコートし、加熱温度130℃、加熱時間10分でEMLベーク処理を実施し、有機発光層を得た。
有機発光層を形成した各サンプルNo.5、6と、比較例サンプルNo.0の各基板を上方から顕微鏡で撮影した結果を図12(a)〜(c)に示す。
この実験結果では、ILベーク処理後に減圧処理ステップを実施しない比較例サンプルのNo.0(図12(a))に比べ、減圧処理ステップを実施するサンプルNo.5、6において、気泡及び凝集体の発生を抑制した高密度の均一な膜質の有機発光層が得られた(図12(b)、(c))。しかしながら図12(b)、(c)を比較する限り、このサンプルNo.5、6同士では有機発光層の膜質について明確な差異を確認できなかった。
従って実験2の結果から、当該実験2で設定した減圧処理ステップにおける減圧速度差に関しては、有機発光層の膜質に与える影響は小さいと考えられる。
(実験3:減圧処理の温度及び時間について)
実験1と同様の手順で、複数のガラス基板上にそれぞれ陽極を形成した。陽極の上からホール輸送材料を含むインクをスピンコートし、有機塗布膜を得た。この有機塗布膜に対し、加熱温度200℃、加熱時間30分間にてILベーク処理を実施し、ホール輸送層を形成した。
その後、減圧処理ステップとして、基板を真空乾燥炉内に入れ、第1気圧(10Pa)まで基板の雰囲気圧を減圧した。
ここで、到達させた第1気圧にて以下の各温度で各保持時間を設定した。サンプルNo.7では35℃で20分保持し、サンプルNo.8では35℃で60分保持し、サンプルNo.9では60℃で20分保持し、サンプルNo.10では90℃で20分保持するものとした。
減圧処理ステップの実施後、サンプルNo.7〜10の各基板を取り出し、加圧処理ステップとして、雰囲気圧を第2気圧(大気圧)まで上昇させた。これによりホール輸送層(厚み20nm)を得た。
次に、ホール輸送層の上面に濃度1.84%の有機発光材料を含むインクを2000rpmでスピンコートし、加熱温度130℃、加熱時間10分でEMLベーク処理を実施した。これにより有機発光層を得た。
有機発光層を形成した各サンプルNo.7〜10と、比較例サンプルNo.0の各基板を上方から顕微鏡で撮影した様子を図13(a)〜(e)に示す。
実験3に供したいずれのサンプルNo.7〜10も、図13(a)の比較例サンプルNo.0に比べて膜密度が高く、気泡や凝集体を排した均一な膜質の有機発光層が得られることが分かった(図13(b)〜(e))。
なお若干であるが、乾燥時間が長い場合或いは乾燥温度が高い場合に有機発光層中に突沸跡が確認された(図13(b)〜(e)において見られる白点部分)。本願発明者らの検討によれば、突沸跡は有機発光層の凝集の前駆体であると考えられ、有機発光層の膜質を向上させるために突沸跡は無い方が望ましい。
従ってこのような突沸の発生をできるだけ抑えるため、前記減圧処理ステップの雰囲気温度を25℃以上50℃未満の範囲、好ましくは25℃以上35℃以下とするのが良い。また、減圧処理ステップの維持時間としては20分以上40分以下程度とすることが望ましい。
(実験4:駆動電圧及び発光効率について)
次に、駆動電圧及び発光効率について調べるため、以下の手順で実施例サンプルNo.11及び比較例サンプルNo.12を作製した。
実施例及び比較例で共通するサンプル構成としては、陽極(ITO、50nm厚)/ホール注入層(PEDOT、25nm厚)/ホール輸送層(高分子材料、20nm厚)/有機発光層(低分子青色発光材料、30nm厚)/電子輸送層兼注入層(汎用的な電子輸送層材料、20nm厚)/陰極(Al、120nm厚)/ガラス缶封止の積層構造を持つ有機EL素子とした。以下、具体的な素子作製プロセスを述べる。
まず、ガラス基板上に陽極(ITO)をパターニング形成した。
次にベーク処理後の厚みが25nmとなるように、予め設定した条件にて、PEDOTを含むインクをスピンコートし、ホットプレート上で加熱温度180℃、加熱時間10分でHILベーク処理を実施することによりホール注入層を形成した。
次に、ベーク処理後の厚みが20nmとなるように予め設定した条件にてホール輸送材料を含むインクをスピンコートし、有機塗布膜を形成した。この有機塗布膜をホットプレート上で加熱温度160℃、加熱時間30分でILベーク処理した。次に、実施例における減圧処理ステップと加圧処理ステップとして、雰囲気温度を35℃に設定した真空乾燥炉の中で雰囲気圧を第1気圧(10×10-4Pa)まで減圧させ、第1気圧にて有機塗布膜を20分間減圧乾燥させた。その後、雰囲気圧を第2気圧(大気圧)まで加圧し、ホール輸送層を形成した。
一方、比較例ではこの減圧処理ステップと加圧処理ステップとを省略してホール輸送層を形成した。
次に、ベーク処理後の厚みが30nmとなるように予め設定した条件にて、有機発光材料を含むインクをスピンコートし、有機塗布膜をホットプレート上で加熱温度130℃、加熱時間10分にてEMLベーク処理を実施し、有機発光層を形成した。
次に、蒸着機内にて、真空度10×10-4Paまで減圧し、膜厚が20nmになるまで蒸着を行い、電子輸送層兼注入層を形成した。
次に、前記と同じ蒸着機内にて、真空度10×10-4Paまで減圧し、膜厚が120nmになるまで蒸着を行い、陰極を形成した。
続いて、陰極形成後に基板を窒素雰囲気下に搬出し、ガラス缶にて封止を行った。
上記プロセスにて作製したサンプルNo.11、12について、表1に示すように各種測定と顕微鏡観察を行った。
表1に示すように、顕微鏡観察を行った結果では、比較例サンプルNo.12において、有機発光層中に凝集体と思われる粒状結晶の発生を確認した。一方、実施例サンプルNo.11では、有機発光層中に粒状結晶の発生は認められなかった。
次に測定結果を見ると、実施例サンプルNo.11の測定結果では比較例サンプルNo.12に比べると駆動電圧が若干高いものの、発光効率、外部量子効率ともに比較例サンプルNo.12より優れた結果が得られた。また実施例サンプルNo.11はCIE表色系における色空間においてバランスの良い色合いの表色特性を示すことが確認された。
このように実施例サンプルNo.11が比較例サンプルNo.12より優れた結果を示す理由としては、減圧処理ステップと加圧処理ステップを経てホール輸送層を形成し、その上に有機発光層を形成することにより、これらの機能層が均一且つ優れた膜質を有するように形成された結果、駆動時には高いホール輸送効率と優れた発光効率が発揮された図られたことが考えられる。実施例No.11で駆動電圧が若干高くなったのは、ホール輸送層の膜質が改善された結果、比較例No.12よりも多くのホールが輸送されたからであると考えられる。
以上の各実験より、従来技術に対する本発明の実施の形態の優位性を確認することができた。
<その他の事項>
上記実施の形態において、ILベーク処理ステップS61を減圧下にて実施することもできるが、これにより減圧処理ステップS62を省略することはできない点に留意する。
上記実施の形態では、有機EL表示パネル10におけるバンク5の形状をピクセルバンク構造としたが、バンク5の形状はこれに限定されず、Y方向にストライプ状に形成する、いわゆるラインバンク形状であってもよい。
また、機能層としてはホール輸送層、有機発光層の他、バッファ層を含むこともできる。
上記実施の形態では、ホール注入層4を蒸着膜として構成したが、PEDOT等を含むインクを塗布し、乾燥させることにより塗布膜としてホール注入層4を構成する場合がある。この場合、ホール注入層4とホール輸送層6Aを積層形成する場合や、ホール注入層4と有機発光層6Bとを積層形成する場合、さらにホール注入層4、ホール輸送層6A、有機発光層6Bを順次積層形成する場合にも、本発明の有機膜の製造方法を適用することが可能である。
上記実施の形態は、有機EL表示パネル10について述べたため、基材が基板1、陽極2、電極被覆層3、ホール注入層4及びバンク5の積層体で構成されていたが、基材はこれに限定されない。例えばEL照明の製造方法に本発明を適用する場合、基材は基板と、基板上に形成された電極のみで構成することもできる。或いは腐食耐性の有機膜膜付鋼板の製造方法に本発明を適用する場合は、鉄板のみを基材とすることも可能である。また、基材も板状体に限定されず、立方体や直方体、球体のいずれかであってもよい。
本発明は、例えば携帯電話用のディスプレイやテレビなどの表示素子、各種光源などに使用される有機EL素子の製造方法として利用可能である。いずれの用途においても良好な発光特性または画像表示性能を発揮することのできる有機EL素子や有機EL表示パネルの製造を期待することが可能である。
1 TFT基板
2 第1電極(透明陽極)
3 電極被覆層
4 ホール注入層
5 バンク(隔壁)
6 機能層
6A、6A0 ホール輸送層
6B、6B0 有機発光層
6AX ホール輸送材料を含むインク
6BX 有機発光材料を含むインク
6AY 固形化した有機塗布膜
7 電子輸送層
8 第2電極(陰極)
9 封止層
10 有機EL表示パネル
100R、100G、100B 有機EL素子
101R、101G、101B 開口部

Claims (20)

  1. 基材の表面に第1有機材料を含む第1溶液を塗布して有機塗布膜を形成する、有機塗布膜形成ステップと、
    前記有機塗布膜を加熱して溶媒を蒸発させる溶媒蒸発ステップと、
    溶媒蒸発ステップを実施後、前記有機塗布膜の雰囲気圧を大気圧未満の第1気圧に調整し、前記有機塗布膜を膨張させる第1気圧調整ステップと、
    第1気圧調整ステップを実施後、前記有機塗布膜の雰囲気圧を前記第1気圧よりも高い第2気圧に調整し、前記有機塗布膜を収縮させて第1有機膜を成膜する第2気圧調整ステップと、
    前記第1有機膜の表面に、前記第1有機材料とは異なる第2有機材料を含む第2溶液を塗布し、乾燥させて第2有機膜を形成する第2有機膜形成ステップとを有し、
    前記第1気圧調整ステップでは、1.7×10 3 Pa/s以上2.5×10 4 Pa/s以下の減圧速度で前記有機塗布膜の雰囲気圧を前記第1気圧まで減圧する
    有機膜の製造方法。
  2. 前記第2有機材料の分子量は、前記第1有機材料の分子量より小さい
    請求項1に記載の有機膜の製造方法。
  3. 前記第1有機膜は、前記第1有機材料の分子が結合してなる高分子を含む膜である
    請求項1または2に記載の有機膜の製造方法。
  4. 前記高分子は、前記第1有機材料の分子が三次元網目結合した構造を有する
    請求項3に記載の有機膜の製造方法。
  5. 前記第1気圧は10Pa以下である
    請求項1〜4のいずれかに記載の有機膜の製造方法。
  6. 前記第2気圧は大気圧である
    請求項1〜5のいずれかに記載の有機膜の製造方法。
  7. 前記第1気圧調整ステップでは、20分以上40分以下にわたり前記有機塗布膜の雰囲気圧を前記第1気圧に維持する
    請求項1〜6のいずれかに記載の有機膜の製造方法。
  8. 前記第2気圧調整ステップでは、1.7×103Pa/s以上2.5×104Pa/s以下の加圧速度で前記有機塗布膜の雰囲気圧を前記第2気圧まで加圧する
    請求項1〜のいずれかに記載の有機膜の製造方法。
  9. 前記第1気圧調整ステップにおける前記雰囲気の温度範囲を25℃以上50℃未満とする
    請求項1〜のいずれかに記載の有機膜の製造方法。
  10. 基板の上方に第1電極を形成する第1電極形成ステップと、前記第1電極の位置に対応して開口部を有するように隔壁を形成する隔壁形成ステップと、前記隔壁の内部に複数の機能層を形成する機能層形成ステップと、前記機能層の上方に第2電極を形成する第2電極形成ステップとを有する有機EL素子の製造方法であって、
    前記機能層形成ステップは、
    前記開口部の内部に、第1有機材料を含むインクを塗布して有機塗布膜を形成する有機塗布膜形成ステップと、
    前記有機塗布膜を加熱して溶媒を蒸発させる溶媒蒸発ステップと、
    溶媒蒸発ステップを実施後、前記有機塗布膜の雰囲気圧を大気圧未満の第1気圧とする第1気圧調整ステップと、
    前記第1気圧調整ステップを実施後、前記有機塗布膜の雰囲気圧を前記第1気圧よりも高い第2気圧に調整し、前記有機塗布膜を乾燥させて第1機能層を成膜する第2気圧調整ステップと、
    前記第1機能層の表面に、前記第1有機材料とは異なる第2有機材料を含むインクを塗布し、乾燥させて第2機能層を形成する第2機能層形成ステップとを有し、
    前記第1気圧調整ステップでは、1.7×10 3 Pa/s以上2.5×10 4 Pa/s以下の減圧速度で前記有機塗布膜の雰囲気圧を前記第1気圧まで減圧する
    有機EL素子の製造方法。
  11. 前記第2有機材料の分子量は、前記第1有機材料の分子量より小さい
    請求項10に記載の有機EL素子の製造方法。
  12. 前記第1機能層は、前記第1有機材料の分子が結合してなる高分子を含む膜である
    請求項10または11に記載の有機EL素子の製造方法。
  13. 前記高分子は、前記第1有機材料の分子が三次元網目結合した構造を有する
    請求項12に記載の有機EL素子の製造方法。
  14. 前記第1気圧は10Pa以下である
    請求項10〜13のいずれかに記載の有機EL素子の製造方法。
  15. 前記第2気圧は大気圧である
    請求項10〜14のいずれかに記載の有機EL素子の製造方法。
  16. 前記第1気圧調整ステップでは、20分以上30分以下にわたり前記有機塗布膜の雰囲気圧を前記第1気圧に維持する
    請求項10〜15のいずれかに記載の有機EL素子の製造方法。
  17. 前記第2気圧調整ステップでは、1.7×103Pa/s以上2.5×104Pa/s以下の加圧速度で前記有機塗布膜の雰囲気圧を前記第2気圧まで加圧する
    請求項10〜16のいずれかに記載の有機EL素子の製造方法。
  18. 前記第1有機材料はホール輸送層材料であり、前記第1機能層はホール輸送層である
    請求項10〜17のいずれかに記載の有機EL素子の製造方法。
  19. 前記第2有機材料は有機発光材料であり、前記第2機能層は有機発光層である
    請求項10〜18のいずれかに記載の有機EL素子の製造方法。
  20. 前記第1気圧調整ステップにおける前記雰囲気の温度範囲を25℃以上50℃未満とする
    請求項10〜19のいずれかに記載の有機EL素子の製造方法。
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