JP6056385B2 - 回転機用ロータおよび回転機用ロータの製造方法 - Google Patents

回転機用ロータおよび回転機用ロータの製造方法 Download PDF

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本発明は、回転機に用いられるロータおよびその製造方法に関するものである。
小型で大出力が得られる回転機として埋込磁石型同期回転機(以下、「IPMモータ」と称する)がある。このIPMモータのロータは、強磁性板を積層したロータコアに軸方向に延在する直方体状のスロットが形成され、該スロットに直方体状の永久磁石が挿入された構成となっている。このロータを備えたIPMモータによれば磁石トルクにリラクタンストルクが加わることにより大出力が得られる。しかし、スロットの端部の径方向外側に位置するブリッジ部等において、回転トルクに寄与しない漏れ磁束が発生する。
そこで、例えば、特開2005−130604号公報(特許文献1)には、ブリッジ部等を低透磁率にして漏れ磁束を減少させたロータが記載されている。しかし、特許文献1に記載のロータでは、プレス加工による加工硬化によりブリッジ部等を低透磁率にしているため、透磁率を大きく低下させることが困難であり、漏れ磁束を十分に減少させることができない。そこで、例えば、特開2011−83157号公報(特許文献2)には、ブリッジ部を通電加熱することにより非磁性化して漏れ磁束を減少させたロータが記載されている。
特開2005−130604号公報 特開2011−83157号公報
しかし、特許文献2に記載のロータでは、加熱により強磁性板を被覆している絶縁被膜が破れ、積層された強磁性板が軸方向に導通して渦電流が発生するおそれがある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、漏れ磁束および渦電流の発生の抑制が可能な回転機用ロータおよび回転機用ロータの製造方法を提供することを目的とする。
(請求項1)本発明の回転機用ロータは、複数枚の積層された強磁性板により形成され、軸方向にスロットを形成されたロータコアと、前記スロットに収容された永久磁石と、を備えた回転機用ロータであって、前記ロータコアは、前記スロット周辺に形成され、かつ、前記ロータコアの軸長に対して軸方向に部分的に形成された複数の低透磁率部を備え、接触する2枚の強磁性板のうち一方の強磁性板には、固溶合金化された第一の低透磁率部が形成され、他方の強磁性板には、前記第一の低透磁率部とは異なるものであって固溶合金化された第二の低透磁率部が形成され、前記一方の強磁性板における前記第一の低透磁率部と前記他方の強磁性板における前記第二の低透磁率部は、前記ロータコアの軸方向から見た場合に相互に重ならないようにずらして形成される。
(請求項2)前記第一の低透磁率部は、複数枚の積層された前記強磁性板における一端側から奇数枚目に形成され、前記第二の低透磁率部は、複数枚の積層された前記強磁性板における一端側から偶数枚目に形成され、前記奇数枚目の強磁性板における前記第一の低透磁率部と前記偶数枚目の強磁性板における前記第二の低透磁率部は、前記ロータコアの軸方向から見た場合に相互に重ならないようにずらして形成されるようにしてもよい。
(請求項3)前記スロットは、一対で一極を構成するように形成され、前記複数の低透磁率部は、一対の前記スロット間のセンタブリッジ部に形成されるようにしてもよい。
(請求項4)前記ロータコアは、コア本体部と、前記スロットの径方向外側に位置する外周磁性体領域と、前記コア本体部の外周縁と前記外周磁性体領域の周方向端とを接続し前記スロットの端部の径方向外側に位置するアウタブリッジ部と、を備え、前記複数の低透磁率部は、前記アウタブリッジ部に形成されるようにしてもよい。
(回転機用ロータの製造方法)
(請求項5)回転機用ロータの製造方法であって、前記回転機用ロータは、複数枚の積層された強磁性板により形成され、軸方向にスロットを形成されたロータコアと、前記スロットに収容された永久磁石と、を備え、前記ロータコアは、前記スロット周辺に形成され、かつ、前記ロータコアの軸長に対して軸方向に部分的に形成された複数の低透磁率部を備え、接触する2枚の強磁性板のうち一方の強磁性板には、第一の低透磁率部が形成され、他方の強磁性板には、前記第一の低透磁率部とは異なる第二の低透磁率部が形成され、前記一方の強磁性板における前記第一の低透磁率部と前記他方の強磁性板における前記第二の低透磁率部は、前記ロータコアの軸方向から見た場合に相互に重ならないようにずらして形成され、前記回転機用ロータの製造方法は、前記強磁性板のロール部材を巻き出して前記ロール部材に前記スロットをプレス形成するスロット形成工程と、前記第一の低透磁率部とする部分および前記第二の低透磁率部とする部分を加熱により溶融させ合金元素を配置することで溶融された部位を低透磁率処理する第一の低透磁率処理工程および第二の低透磁率処理工程と、前記ロール部材を前記ロータコアの外周形状にプレス形成してロータコア板を作製するロータコア板作製工程と、複数枚の前記ロータコア板を積層して前記ロータコアを作製するロータコア作製工程と、前記第一の低透磁率部とする部分および前記第二の低透磁率部とする部分を加熱により当該部分の外周縁から内周部に向かって溶融させてキーホールを形成し、前記キーホール周囲の溶融池に合金元素を配置することで溶融された部位を低透磁率処理する第三の低透磁率処理工程および第四の低透磁率処理工程と、を備え、前記第一、第二の低透磁率処理工程および前記第三、第四の低透磁率処理工程の少なくとも一方実行する。
(請求項1)第一および第二の低透磁率部は、スロット周辺に形成されているので、永久磁石からの漏れ磁束を抑制することができる。また、第一の低透磁率部と第二の低透磁率部は、ロータコアの軸方向から見た場合に相互に重ならないようにずらして形成されているので、第一および第二の低透磁率部において絶縁被膜が破れても、第一の低透磁率部と第二の低透磁率部との間で軸方向に導通することはなく絶縁状態を確保することができ、渦電流の発生を抑制することができる。
(請求項2)第一および第二の低透磁率部が、強磁性板の積層毎に交互にずれることになるので絶縁状態を確保することができ、渦電流の発生をより効果的に抑制することができる。
(請求項3)一対のスロット間のセンタブリッジ部が低透磁率処理されるので、一対のスロットに収容されている永久磁石間の漏れ磁束を抑制することができる。
(請求項4)スロット端部のアウタブリッジ部が低透磁率処理されるので、スロットに収容されている永久磁石とコア本体部の外周縁との間の漏れ磁束を抑制することができる。
(請求項5)第一および第二の低透磁率処理工程が、強磁性板を積層するロータコア作製工程よりも前に行われる場合、強磁性板を積層した後のロータコアの外周側から低透磁率処理できない部位でも低透磁率処理することができる。また、第および第の低透磁率処理工程が、強磁性板を積層するロータコア作製工程の後に行われる場合、ロータコアの外周側から連続して行えるので、低透磁率処理を短時間で行うことが可能となり、生産効率を向上させることができる。
そして、第一および第二の低透磁率処理工程が、強磁性板を積層するロータコア作製工程よりも前に行われる場合、強磁性板の厚さは一般的に薄いため、合金元素は、低透磁率処理する部位において厚さ方向(軸方向)に十分に拡散し、当該部位全体の低透磁率処理が行われる。また、第および第の低透磁率処理工程が、強磁性板を積層した後のロータコア作製工程の後に行われる場合、低透磁率処理する部位に対し加熱によりキーホールを形成し、キーホール周囲の溶融池に合金元素が供給される。これにより、合金元素は、溶融池内で対流し、低透磁率処理する部位において深さ方向(径方向)に拡散し、当該部位においては内周部にまで達する。つまり、低透磁率処理する部位における溶融した部位(キーホールが形成された部分を含む)において、当該部位の内周部にまで確実に合金元素が拡散し、当該部位の外周縁から内周部に至るまで低透磁率処理が行われる。なお、低透磁率処理する部位への合金元素の供給は、キーホール形成前、形成中、又は形成後でも良い。つまり、結果として、溶融池に合金元素が配置されていれば良い。
本発明の第一実施形態:回転機用ロータの平面図である。 図1のセンタブリッジ部およびその周辺部の部分拡大図である。 センタブリッジ部およびその周辺部の部分拡大透視斜視図である。 センタブリッジ部の低透磁率処理方法を説明するための模式斜視図である。 第一および第二の低透磁率部の形態を示す側面図である。 第一および第二の低透磁率部の別の形態を示す側面図である。 第一実施形態のロータの製造方法を説明するためのフローチャートである。 ロータの製造装置および製造過程を示す図である。 本発明の第二実施形態:回転機用ロータの平面図である。 図8のアウタブリッジ部およびその周辺部の部分拡大斜視図である。 アウタブリッジ部の低透磁率処理方法を説明するための模式斜視図である。 アウタブリッジ部の低透磁率処理方法を説明するための模式断面図である。 本発明の第一実施形態の別例:回転機用ロータの平面図である。
(1.回転機用ロータの第一の実施形態の構成)
第一の実施形態の回転機に用いられるロータとして、IPMモータのロータについて、図1を参照して説明する。なお、以下の説明において、「径方向」および「軸方向」とは、ロータ(ロータコア)の径方向および軸方向を指す。
図1に示すように、ロータ11は、ロータコア12と、16個の永久磁石13とを備えて構成される。ロータコア12は、例えば電磁鋼板でなる薄板円盤状のロータコア板(強磁性板)14が複数枚積層されて構成され、中心にロータ軸が嵌入されるシャフト孔12aが穿孔されている。16個の永久磁石13は、例えばネオジム磁石で直方体状にそれぞれ形成されている。一対の永久磁石13の組が、所定間隔をあけて径方向内側が凸となる山形に配置されて一極を構成している。16個の永久磁石13は、8極を構成するようにロータコア12に配置されている。すなわち、8組の一対の永久磁石13は、ロータコア12の外周縁の近傍に45度間隔で軸方向に貫通形成した8組の一対のスロット15にそれぞれ収容され、ロータコア12に固定保持されている。
図1および図2に示すように、一対のスロット15は、所定間隔をあけて径方向内側が凸となる山形の配置となるように形成された一対の矩形状開口部61、一対の矩形状開口部61の対向する各端部から上記所定間隔を狭めるように延びる略三角形状の内側開口部62、および一対の矩形状開口部61の両側の各端部からロータコア12の外周縁に向かってそれぞれ延びる略三角形状の外側開口部63で構成されている。内側開口部62および外側開口部63は、磁気に対するエアギャップとして形成されている。
図1〜図3に示すように、ロータコア12には、一対のスロット15の内側開口部62の間に位置し、一対のスロット15を互いに接続するセンタブリッジ部40が設けられている。このセンタブリッジ部40には、第一の低透磁率部41(図1〜図3において細かい目の網掛け部分)および第二の低透磁率部42(図1〜図3において粗い目の網掛け部分)が、ロータコア12の軸方向から見た場合に相互に重ならないように、且つ、ロータコア12の軸長に対して軸方向に部分的に形成されている。
すなわち、第一の低透磁率部41は、複数枚の積層されたロータコア板14において、上端のロータコア板14から奇数枚目のロータコア板14におけるセンタブリッジ部40の径方向の中央から径方向内側にかけて形成されている。また、第二の低透磁率部42は、複数枚の積層されたロータコア板14において、上端のロータコア板14から偶数枚目のロータコア板14におけるセンタブリッジ部40の径方向の中央から径方向外側にかけて形成されている。ここで、低透磁率とは、比透磁率が1となる完全な非磁性化、および比透磁率が電磁鋼板の比透磁率よりも低い弱磁性化を含む。なお、図では積層枚数を上端から数えた場合を示すが、下端から数えてもよい。
センタブリッジ部40の低透磁率処理は、既知の技術、例えばセンタブリッジ部40に対する通電加熱や非磁性塗料の塗布等により処理可能であるが、ロータコア12に使用されるロータコア板14は非常に薄い板(例えば、0.5mm)であるため、センタブリッジ部40を加熱溶融し合金元素(マンガンまたはニッケル・クロム等)を配置して固溶合金化することにより処理可能である。この低透磁率処理について図4を参照して説明する。
図4に示すように、ロータコア板14のセンタブリッジ部40に対し、センタブリッジ部40の上方側からレーザLを照射し、センタブリッジ部40を部分的に加熱溶融させる。このとき、ロータコア板14は非常に薄い板であるため、低出力のレーザLの照射によってセンタブリッジ部40におけるレーザ照射面から裏面に至るまで溶融される。そして、溶融部分Qに合金元素により形成されたワイヤWを当接して溶融させ、合金元素を溶融部分Q内に混入させ拡散させる。そうすると、溶融部分Qは、合金元素の存在によって合金化されて、センタブリッジ部40におけるレーザ照射面から裏面に亘って低透磁率処理される。センタブリッジ部40に対するレーザL照射位置を相対移動させ、レーザL照射位置に合わせてワイヤWも相対移動させることにより、センタブリッジ部40の所定範囲を低透磁率処理することができる。
以上のように、第一および第二の低透磁率部41,42は、一対のスロット15間のセンタブリッジ部40に形成されているので、永久磁石13からの漏れ磁束を抑制することができる。また、第一の低透磁率部41と第二の低透磁率部42は、ロータコア板14の積層毎に交互にずれるように形成されているので、第一および第二の低透磁率部41,42において低透磁率処理により絶縁被膜が破れても、第一の低透磁率部41と第二の低透磁率部42との間で軸方向に導通することはなく絶縁状態を確保することができ、渦電流の発生を抑制することができる。
ここで、第一の低透磁率部41と第二の低透磁率部42との間で絶縁状態を確保することにより、渦電流の発生を抑制することができる理由について説明する。ロータコア12内で生じる渦電流は、渦電流損を生じさせる。この渦電流損Peは次式(1)で表される。
Pe=ke(tfBm)/ρ・・・(1)
なお、Pe:渦電流損、t:ロータコア板14の厚さ、f:周波数、B:最大磁束密度、ρ:ロータコア板14の抵抗率、k:比例定数
式(1)から明らかなように、渦電流の大きさはロータコア板14の厚さの2乗に比例する。よって、両面に絶縁加工を施した薄いロータコア板14を重ねることにより、渦電流の発生を抑制することができる。
なお、第一の低透磁率部41と第二の低透磁率部42は、ロータコア板14を積層する際に一枚毎に交互にずれるように形成したが、第一の低透磁率部41は、接触する2枚のロータコア板14のうち一方のロータコア板14に形成され、第二の低透磁率部42は、接触する2枚のロータコア板14のうち他方のロータコア板14に形成されていれば同様の効果を得ることができる。例えば、図5Aに示すように、ロータコア板14を積層する際に任意の枚数毎(図では3枚毎)に交互にずれるように形成してもよい。すなわち、接触する2枚のロータコア板14a,14bのうち一方のロータコア板14aに第一の低透磁率部41が形成され、他方のロータコア板14bに第二の低透磁率部42が形成されている。なお、図5Aでは、ロータコア12の軸に平行になるように第一および第二の低透磁率部41,42を低透磁率処理した例を示したが、図5Bに示すように、ロータコア12の軸に対し傾斜するように第一および第二の低透磁率部41,42を低透磁率処理してもよい。
(2.回転機用ロータの第一の実施形態の製造方法)
次に、回転機用ロータの製造方法について図6のフローチャートおよび図7の製造装置を参照して説明する。電磁鋼板のロール部材Rを巻き出し(ステップS1)、ロール部材Rの加工部位を第一のプレス成形機M1に搬送して位置決めし、図7(a)に示すように矩形状開口部61を打ち抜き加工する(ステップS2)。そして、加工部位を第二のプレス成形機M2に搬送して位置決めし、図7(b)に示すように内側開口部62および外側開口部63を打ち抜き加工してスロット15を形成する(ステップS3、本発明の「スロット形成工程」に相当する)。
次に、加工部位を低透磁率処理装置M3に搬送して位置決めし、当該加工部位がロールコア板14に加工されて積層される際に奇数枚目となるか否かを判断する(ステップS4)。積層順が奇数枚目となる場合は、低透磁率処理装置M3のレーザ照射装置M31および合金元素供給装置M32をセンタブリッジ部40、すなわち一対のスロット15の内側開口部62間に移動させ、図7(c)に示すようにセンタブリッジ部40の径方向の中央から径方向内側に亘って低透磁率の処理を行い、第一の低透磁率部41を形成する(ステップS5、本発明の「第一の低透磁率処理工程」に相当する)。すなわち、センタブリッジ部40をレーザ光Lにより加熱溶融し、合金元素でなるワイヤWを配置して拡散させることにより低透磁率の処理を行う。
一方、積層順が偶数枚目となる場合は、低透磁率処理装置M3のレーザ照射装置M31および合金元素供給装置M32をセンタブリッジ部40、すなわち一対のスロット15の内側開口部62間に移動させ、図7(c)に示すようにセンタブリッジ部40の径方向の中央から径方向外側に亘って低透磁率の処理を行い、第二の低透磁率部42を形成する(ステップS6、本発明の「第二の低透磁率処理工程」に相当する)。なお、図7(c)においては、説明の便宜上、第一および第二の低透磁率部41,42を示すが、製造時はどちらか一方を形成する。
次に、加工部位を第三のプレス成形機M4に搬送して位置決めし、図7(d)に示すようにスロット孔12aを打ち抜き加工する(ステップS7)。そして、加工部位を第四のプレス成形機M5に搬送して位置決めし、図7(e)に示すようにロータコア板14の外周形状に打ち抜き加工し、ロータコア板14を積層する(ステップS8,S9、本発明の「ロータコア板作製工程」に相当する)。打ち抜かれたロータコア板14は、第四のプレス成形機M5の金型M51内に押し込まれ積層されるようになっている。そして、ロータコア板14の積層枚数が所定の積層枚数になったら(ステップS10、本発明の「ロータコア作製工程」に相当する)、金型M51内から完成したロータコア12を取り出す(ステップS11)。
上述のように、第一および第二の低透磁率処理工程が、ロータコア板14を積層するロータコア作製工程よりも前に行われるので、ロータコア板14を積層した後のロータコア12の外周側から低透磁率処理できないセンタブリッジ部40、すなわちロータコア12の内部に形成されているセンタブリッジ部40であっても低透磁率処理することができる。
(1.回転機用ロータの第二の実施形態の構成)
第二の実施形態の回転機に用いられるロータとして、IPMモータのロータについて、図8を参照して説明する。
図8に示すように、4極の場合、ロータ1は、ロータコア2と、4つの永久磁石3とを備えて構成される。ロータコア2は、例えば電磁鋼板でなる薄板円盤状のロータコア板4が複数枚積層されて構成されている。4つの永久磁石3は、例えばネオジム磁石で直方体状にそれぞれ形成され、ロータコア2に矩形配置されている。すなわち、各永久磁石3は、ロータコア2の外周縁の近傍に90度間隔で軸方向に貫通形成した4つのスロット5にそれぞれ収容され、ロータコア2に固定保持されている。4つのスロット5は、矩形状開口部51および矩形状開口部51の両端からロータコア2の外周縁に向かってそれぞれ延びる台形状開口部52で構成されている。台形状開口部52は、磁気に対するエアギャップとして形成されている。
図8および図9に示すように、ロータコア2は、コア本体部20と、スロット5の矩形状開口部51の半径方向の内周部51aの径方向外側に位置する外周磁性体領域23と、コア本体部20の外周縁21と外周磁性体領域23の周方向端とを接続し、スロット5の台形状開口部52の半径方向の内周部52aの径方向外側に位置するアウタブリッジ部22とを備えて構成される。アウタブリッジ部22には、第一の低透磁率部31(図8および図9において細かい目の網掛け部分)および第二の低透磁率部32(図8および図9において粗い目の網掛け部分)が、ロータコア2の軸方向から見た場合に相互に重ならないように、且つ、ロータコア2の軸長に対して軸方向に部分的に形成されている。
すなわち、第一の低透磁率部31は、複数枚の積層されたロータコア板4において、上端のロータコア板4から奇数枚目のロータコア板4におけるアウタブリッジ部22の周方向の中央から外周磁性体領域23の内側に向かって形成されている。また、第二の低透磁率部32は、複数枚の積層されたロータコア板4において、上端のロータコア板4から偶数枚目のロータコア板4におけるアウタブリッジ部22の周方向の中央から外周磁性体領域23の外側に向かって形成されている。なお、図では積層枚数を上端から数えた場合を示すが、下端から数えてもよい。
アウタブリッジ部22の低透磁率処理は、第一の実施形態のセンタブリッジ40と同様の処理により可能であるが、アウタブリッジ部22の径方向の厚さが比較的厚い(例えば、3〜5mm)ので、アウタブリッジ部22を加熱溶融してキーホールを形成し、キーホールの周囲に合金元素を配置することにより処理可能である。このキーホールによる低透磁率処理について図10および図11を参照して説明する。低透磁率処理は、キーホール形成工程および元素配置工程で構成される。キーホール形成工程は、ロータコア2のアウタブリッジ部22に対し、アウタブリッジ部22の外周縁(コア本体部20の外周縁)側からレーザLを照射してキーホールHを形成する工程である。キーホールHとは、レーザLの照射によって、レーザLが照射されるアウタブリッジ部22の外周縁から台形状開口部52の内周部52aに向かって形成される円形穴を意味する。そして、キーホールH形成時には、キーホールHの周囲には溶融池Pが形成される。溶融池Pは、アウタブリッジ部22におけるレーザ照射面から裏面に至るまで形成される。
元素配置工程は、キーホールH周囲の溶融池Pに合金元素Aを配置し、固溶合金化する工程である。合金元素A(マンガンまたはニッケル・クロム等)により形成されたワイヤWをアウタブリッジ部22の外周縁のレーザL照射位置周辺に配置する。そして、アウタブリッジ部22の外周縁に対するレーザL照射位置を相対移動させ、レーザL照射位置に合わせてワイヤWも相対移動させる。レーザL照射位置が相対移動すると、前照射位置のキーホールHは、溶融したアウタブリッジ部22により埋められる。
ワイヤWは、溶融池Pに当接して溶融し、溶融したワイヤW(すなわち、合金元素A)は、溶融池P内に混入し拡散する。溶融池Pでは、対流(図11の円弧状の矢印参照)が発生しやすい。特に、レーザLの照射位置の進行方向の後方にて対流が発生しやすい。そして、溶融池Pに供給された合金元素Aは、溶融池Pの対流によって、アウタブリッジ部22の内周部側から外周縁側へ拡散され、外周縁側まで供給される。そうすると、溶融池Pの部分は、合金元素Aの存在によって合金化されて、アウタブリッジ部22におけるレーザ照射面から裏面に亘って低透磁率処理される。なお、アウタブリッジ部22への合金元素Aの供給は、キーホールH形成前、形成中、又は形成後でも良い。
このロータ1の製造も第一の実施形態のロータ11と同様の方法により可能であるが、さらに、アウタブリッジ部22がロータコア2の外周側に位置しているため、第一および第二の低透磁率処理工程を、ロータコア板4を積層するロータコア作製工程の後に行うことができる。これにより、低透磁率処理をロータコア2の外周側から連続して行えるので、低透磁率処理を短時間で行うことが可能となり、生産効率を向上させることができる。
(3.変形例)
上述の各実施形態では、上述の実施形態では、第一および第二の低透磁率処理工程を、ロータコア板4を積層するロータコア作製工程の前もしくは後で実行するように構成したが、製造工程の最初に実行する構成としてもよい。また、ロータコア2,12の平面形状は円形状にしたが、磁極中央部が飛び出た所謂花びら形状のロータコアにも適用可能である。
また、合金元素Aにより形成されたワイヤWをセンタブリッジ部40の表面又はアウタブリッジ部22の外周面のレーザL照射位置周辺に配置し、キーホールH周囲に形成される溶融池Pに合金元素Aを供給して低透磁率処理するようにしたが、以下の方法により低透磁率処理するようにしてもよい。すなわち、センタブリッジ部40又はアウタブリッジ部22に合金元素Aのペレットを配置し、プレス加工により合金元素Aのペレットをセンタブリッジ部40又はアウタブリッジ部22に打込み、該合金元素AのペレットにレーザLを照射して低透磁率処理するようにしてもよい。また、センタブリッジ部40又はアウタブリッジ部22に合金元素Aの粉末や粗粒あるいは薄膜を配置し、該合金元素Aの粉末にレーザ2を照射して低透磁率処理するようにしてもよい。また、キーホールHの形成手段としては、高密度エネルギを照射可能な手段であればよく、レーザLの代わりに例えば電子ビーム等でもよい。
また、上述の第一の実施形態では、2個の永久磁石13を用いて1極を構成し、センタブリッジ部40は1極につき1つ設けられたロータ11に適用する場合を説明したが、例えば図12に示すように、2個以上の複数(図12の例では、3個)の永久磁石73を用いて1極を構成し、1極につきセンタブリッジ部72が複数個所(図12の例では、2個所)設けられたロータ71に適用することも可能である。
1,11,71:ロータ、 2,12:ロータコア、 3,13,73:永久磁石、 4,14:ロータコア板、 5,15:スロット、 22:アウタブリッジ部、 40,72:センタブリッジ部、 31,41:第一の低透磁率部、 32,42:第二の低透磁率部

Claims (5)

  1. 複数枚の積層された強磁性板により形成され、軸方向にスロットを形成されたロータコアと、
    前記スロットに収容された永久磁石と、
    を備えた回転機用ロータであって、
    前記ロータコアは、前記スロット周辺に形成され、かつ、前記ロータコアの軸長に対して軸方向に部分的に形成された複数の低透磁率部を備え、
    接触する2枚の強磁性板のうち一方の強磁性板には、固溶合金化された第一の低透磁率部が形成され、他方の強磁性板には、前記第一の低透磁率部とは異なるものであって固溶合金化された第二の低透磁率部が形成され、
    前記一方の強磁性板における前記第一の低透磁率部と前記他方の強磁性板における前記第二の低透磁率部は、前記ロータコアの軸方向から見た場合に相互に重ならないようにずらして形成される、回転機用ロータ。
  2. 前記第一の低透磁率部は、複数枚の積層された前記強磁性板における一端側から奇数枚目に形成され、前記第二の低透磁率部は、複数枚の積層された前記強磁性板における一端側から偶数枚目に形成され、前記奇数枚目の強磁性板における前記第一の低透磁率部と前記偶数枚目の強磁性板における前記第二の低透磁率部は、前記ロータコアの軸方向から見た場合に相互に重ならないようにずらして形成される、請求項1の回転機用ロータ。
  3. 前記スロットは、一対で一極を構成するように形成され、
    前記複数の低透磁率部は、一対の前記スロット間のセンタブリッジ部に形成される、請求項1又は2の回転機用ロータ。
  4. 前記ロータコアは、コア本体部と、前記スロットの径方向外側に位置する外周磁性体領域と、前記コア本体部の外周縁と前記外周磁性体領域の周方向端とを接続し前記スロットの端部の径方向外側に位置するアウタブリッジ部と、を備え、
    前記複数の低透磁率部は、前記アウタブリッジ部に形成される、請求項1又は2の回転機用ロータ。
  5. 回転機用ロータの製造方法であって、
    前記回転機用ロータは、
    複数枚の積層された強磁性板により形成され、軸方向にスロットを形成されたロータコアと、
    前記スロットに収容された永久磁石と、を備え、
    前記ロータコアは、前記スロット周辺に形成され、かつ、前記ロータコアの軸長に対して軸方向に部分的に形成された複数の低透磁率部を備え、
    接触する2枚の強磁性板のうち一方の強磁性板には、第一の低透磁率部が形成され、他方の強磁性板には、前記第一の低透磁率部とは異なる第二の低透磁率部が形成され、
    前記一方の強磁性板における前記第一の低透磁率部と前記他方の強磁性板における前記第二の低透磁率部は、前記ロータコアの軸方向から見た場合に相互に重ならないようにずらして形成され、
    前記回転機用ロータの製造方法は、
    前記強磁性板のロール部材を巻き出して前記ロール部材に前記スロットをプレス形成するスロット形成工程と、
    前記第一の低透磁率部とする部分および前記第二の低透磁率部とする部分を加熱により溶融させ合金元素を配置することで溶融された部位を低透磁率処理する第一の低透磁率処理工程および第二の低透磁率処理工程と、
    前記ロール部材を前記ロータコアの外周形状にプレス形成してロータコア板を作製するロータコア板作製工程と、
    複数枚の前記ロータコア板を積層して前記ロータコアを作製するロータコア作製工程と、
    前記第一の低透磁率部とする部分および前記第二の低透磁率部とする部分を加熱により当該部分の外周縁から内周部に向かって溶融させてキーホールを形成し、前記キーホール周囲の溶融池に合金元素を配置することで溶融された部位を低透磁率処理する第三の低透磁率処理工程および第四の低透磁率処理工程と、
    を備え、
    記第一、第二の低透磁率処理工程および前記第三、第四の低透磁率処理工程の少なくとも一方実行する、回転機用ロータの製造方法。
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