JP6056174B2 - 故障診断方法、故障診断装置及びプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、故障診断方法、故障診断装置及びプログラムに関する。
チップ、たとえば、LSI(Large Scale Integrated circuit)などの半導体集積回路の故障診断の際に行われる技術として、スピードパス解析がある。
スピードパス解析は、フリップフロップ(以下FFと略す)間の信号伝搬経路となるパスにおいて発生する遅延の、遅延試験での測定値と設計時における予測値との間のずれの要因を特定する技術である。スピードパス解析では、上記ずれと、ずれを生む要因の候補である特徴集合を入力として、スピードパス解析対象の各パスに対する線形の回帰式を用いて各特徴の重み値が算出され、ずれを生む要因が特定される。ずれを生む要因の候補である特徴の例としては、チップ内の低電力トランジスタ数、各層での配線長、ノイズなどがある。
特開2011−128023号公報
しかしながら、FFに対して、そのFFに至る複数本の活性化パス(信号が伝搬するパス)が存在する場合、どれか1つを解析対象パスとして選択してスピードパス解析が行われる。ここで、解析対象パスの選択を誤ると、ずれの要因が正しく特定できず、故障診断結果の信頼性が悪化する問題があった。
発明の一観点によれば、以下に示すような故障診断方法が提供される。
その故障診断方法は、制御部が、記憶部に記憶された設計情報と実チップに対する遅延試験の結果を読み出し、各フリップフロップに至る1または複数の活性化パスから、それぞれ1つの解析対象パスを選択し、前記制御部が、前記解析対象パスによる遅延時間の設計時の予測値と前記遅延試験での測定値とのずれからずれ算出モデルを構築し、前記制御部が、前記ずれ算出モデルを用いて前記各フリップフロップが正しくデータを取り込める遅延時間の予測値の確率分布を算出し、前記制御部が、前記確率分布と、前記遅延試験における測定結果との一致度を算出し、前記制御部が、選択する前記解析対象パスの組み合わせを変更し、前記一致度が改善した解析対象パスの組み合わせを用いて、前記ずれの要因を特定する。
また、発明の一観点によれば、以下に示すような故障診断装置が提供される。
その故障診断装置は、制御部と、設計情報と実チップに対する遅延試験の結果を記憶する記憶部と、を有し、前記制御部は、記憶部に記憶された設計情報と実チップに対する遅延試験の結果を読み出し、各フリップフロップに至る1または複数の活性化パスから、それぞれ1つの解析対象パスを選択し、前記解析対象パスによる遅延時間の設計時の予測値と前記遅延試験での測定値とのずれからずれ算出モデルを構築し、前記ずれ算出モデルを用いて前記各フリップフロップが正しくデータを取り込める遅延時間の予測値の確率分布を算出し、前記確率分布と、前記遅延試験における測定結果との一致度を算出し、選択する前記解析対象パスの組み合わせを変更し、前記一致度が改善した解析対象パスの組み合わせを用いて、前記ずれの要因を特定する。
開示の故障診断方法、故障診断装置及びプログラムによれば、故障診断結果の信頼性の悪化を抑制できる。
第1の実施の形態の故障診断方法の一例を示す図である。 第1の実施の形態の故障診断装置の一例を示す図である。 半導体装置の製造工程の一例を示す図である。 故障診断装置のハードウェアの一例を示す図である。 第2の実施の形態の故障診断方法の一例の流れを示すフローチャートである。 確率分布の算出法の一例を説明する図である。 カイ二乗値の計算例を示す図である。 算出された重み値w1〜wxの例を示す図である。
以下、発明を実施するための形態を、図面を参照しつつ説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態の故障診断方法の一例を示す図である。
また、図2は、第1の実施の形態の故障診断装置の一例を示す図である。
図2に示されている故障診断装置17は、制御部18と、半導体集積回路の設計情報と実チップに対する遅延試験の結果などを記憶する記憶部19を有している。制御部18は、図1に示すような故障診断方法を実行する。
まず、制御部18は、記憶部19に記憶された設計情報や遅延試験結果を読み出す。そして、制御部18は、FF10−1〜10−nに至る1または複数の活性化パスから、それぞれ1つの解析対象パスを選択する(ステップS1)。図1の例では、FF10−1〜10−nは、たとえば、所定のクロック周波数でデータを取り込めなかったなど、遅延試験で仕様を満たさなかったfailed FFである。
図1では、FF10−1へと至るパスの例が示されている。パスPaは、FF11から組み合わせ回路部13、バッファ回路14、AND回路16を介してFF10−1へと至る活性化パスである。パスPbは、FF12から組み合わせ回路部13、NAND回路15、AND回路16を介してFF10−1へと至る活性化パスである。他のFFへ至るパスについては図示を省略している。
ステップS1の処理では、たとえば、図1のようなパスPa,Pbの何れかが解析対象パスとして選択される。
次に、制御部18は、解析対象パスによる遅延時間の設計時の予測値と遅延試験での測定値とのずれ(差分値)を用いて、各FFが正しくデータを取り込める遅延時間の予測値の確率分布を算出する(ステップS2)。
各FF10−1〜10−nが正しくデータを取り込める遅延時間とは、仕様で定められたクロックの周波数で、前段のFFからのデータを取り込めるぎりぎりの遅延時間である。たとえば、FF10−1への活性化パスがPa,Pbであるとき、FF11,FF12から出力されるデータがFF10−1で取り込めるぎりぎりの遅延時間である。以下、この遅延時間を、“failing timing”と表記することにする。
failing timingの予測値の確率分布は、モンテカルロ法や統計的遅延解析技術などを用いて求めることができる。確率分布の算出法の例は後述する。
図1の例では、解析対象パスがパスPaを含む場合と、解析対象パスがパスPbを含む場合とで、異なる確率分布が得られている。確率分布のグラフにおいて、横軸は、failing timingの予測値、縦軸は、確率を示している。
次に、制御部18は、算出した確率分布と、遅延試験におけるfailing timingの測定結果との一致度を算出する(ステップS3)。一致度は、たとえば、対数尤度やカイ二乗値などを用いて求めることができる。一致度の算出法の例は後述する。
制御部18は、選択する解析対象パスの組み合わせを変更し、一致度が改善した解析対象パスの組み合わせを用いて、上記ずれの要因を特定する(ステップS4)。
図1の例では、解析対象パスとしてパスPaが選択されたときの一致度がC1であったとする。続いて、解析対象パスとしてパスPbが選択されたとき、ステップS2,S3の処理が行われ、一致度がC2であったとする。ここで、一致度C1<C2、つまり、解析対象パスとしてパスPbが選択された場合のほうが、測定結果とよく一致する場合には、たとえば、パスPbを含む解析対象パスの組み合わせを用いて、ずれ要因が特定される。
ずれ要因の特定には、スピードパス解析が用いられる。選択された各解析対象パスに対して、線形の回帰式をたてられ、ずれを生む要因の候補である各特徴の重み値が求められ、重み値の大きさに応じて、ずれを生む要因が特定される。
上記のような、第1の実施の形態の故障診断方法によれば、算出した確率分布が、遅延試験でのfailing timingの測定結果とより一致するようになる解析対象パスの組み合わせを特定して、その組み合わせを用いて、ずれの要因を特定する。つまり、測定結果をよく反映したモデルが得られたときの解析対象パスの組み合わせを用いることが可能となる。そのため、故障診断結果の信頼性の悪化を抑制できる。
(第2の実施の形態)
以下、第2の実施の形態の故障診断方法を説明する。
故障診断方法は、たとえば、以下に示すような半導体装置の製造工程の一工程として行われる。
図3は、半導体装置の製造工程の一例を示す図である。
まず、設計装置により、EDA(Electronic Design Automation)を用いた設計及び各種検証が行われ(ステップS10)、その後、実チップの作成が行われる(ステップS11)。実チップ作成後には、遅延試験が行われる(ステップS12)。遅延試験では、FF間のfailing timingが測定される。そして、チップが規格を満たすか否かが判定される(ステップS13)。規格を満たさなかった場合には、故障診断処理が行われ、故障の要因などが特定される(ステップS14)。その後、設計の修正を行うために、たとえば、ステップS10からの処理が繰り返される。
チップが規格を満たすと判定された場合には、他の試験か、生産工程に移る(ステップS15)。
以下、ステップS14の故障診断処理は、たとえば、以下のような故障診断装置で実行される。
図4は、故障診断装置のハードウェアの一例を示す図である。故障診断装置20は、CPU(Central Processing Unit)21、RAM(Random Access Memory)22、HDD(Hard Disk Drive)23、画像信号処理部24、入力信号処理部25、ディスクドライブ26および通信部27を有する。上記ユニットは、故障診断装置20内でバス28に接続されている。
CPU21は、故障診断装置20における情報処理を制御する演算装置である。CPU21は、HDD23に記憶されたプログラムやデータの少なくとも一部を読み出してRAM22に展開し、プログラムを実行する。なお、故障診断装置20は、複数の演算装置を備えて、情報処理を分散して実行してもよい。
RAM22は、CPU21が扱うプログラムやデータを一時的に記憶しておく揮発性メモリである。なお、故障診断装置20は、RAM以外の種類のメモリを備えていてもよく、複数個のメモリを備えてもよい。
HDD23は、OS(Operating System)プログラムやアプリケーションプログラムなどのプログラム、および、情報処理に用いられるデータを記憶する不揮発性の記憶装置である。HDD23は、CPU21の命令にしたがって、内蔵の磁気ディスクに対する読み書きを行う。なお、故障診断装置20は、HDD以外の不揮発性の記憶装置(たとえば、SSD(Solid State Drive))を備えていてもよく、複数の記憶装置を備えてもよい。
画像信号処理部24は、CPU21の命令にしたがって、故障診断装置20に接続されたディスプレイ24aに画像を出力する。ディスプレイ24aとして、たとえば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイや液晶ディスプレイなどを用いることができる。
入力信号処理部25は、故障診断装置20に接続された入力デバイス25aから入力信号を取得し、CPU21に出力する。入力デバイス25aとして、たとえば、マウスやタッチパネルなどのポインティングデバイスや、キーボードなどを用いることができる。
ディスクドライブ26は、記録媒体26aに記録されたプログラムやデータを読み取る駆動装置である。記録媒体26aとして、たとえば、フレキシブルディスク(FD: Flexible Disk)やHDDなどの磁気ディスク、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)などの光ディスク、光磁気ディスク(MO:Magneto-Optical disk)を使用できる。ディスクドライブ26は、たとえば、CPU21の命令にしたがって、記録媒体26aから読み取ったプログラムやデータをRAM22またはHDD23に格納する。
通信部27は、ネットワーク27aに接続して通信を行う通信インタフェースである。ネットワーク27aへの接続方法は、有線でも無線でもよい。すなわち、通信部27は、有線通信インタフェースでも無線通信インタフェースでもよい。
なお、上記のようなハードウェアを有する複数の装置により、故障診断処理を行ってもよい。
図5は、第2の実施の形態の故障診断方法の一例の流れを示すフローチャートである。
故障診断方法は、たとえば、図3に示したような故障診断装置20で行われる。たとえば、HDD23には、故障診断処理を実行するためのプログラム、故障診断対象の半導体装置の設計情報、遅延試験での各種測定結果などが格納されている。故障診断対象の半導体装置の設計情報、遅延試験での各種測定結果などは、たとえば、ユーザが、入力デバイス25aを用いて入力したものがHDD23に格納される。CPU21は、プログラムを実行し、たとえば、適宜、HDD23に格納されたデータを読み出し、RAM22に展開することで、以下に示すような処理を実行する。
まず、CPU21は、実チップに対する遅延試験で仕様を満たさなかった各FFに対して、各FFに至る1または複数の活性化パスから、それぞれ1つの解析対象パスを選択する(ステップS20)。ステップS20の処理では、たとえば、前述した図1では、FF10−1に対しては、パスPa,Pbの何れかが解析対象パスとして選択される。
次に、CPU21は、上記各FFに対して選択された解析対象パスを用いて、ずれ算出モデルを構築する(ステップS21)。
スピードパス解析におけるずれ算出モデルは、たとえば、以下のような回帰式によって表される。
Figure 0006056174
式(1)において、Δd(a)は、パスaについての遅延時間の測定値と予測値とのずれ、Δd(b)は、パスbについての遅延時間の測定値と予測値とのずれを示している。たとえば、パスaの遅延時間の測定値が484ps、予測値が450psであった場合、ずれは、+34psとなる。
また、f1(a),f2(a),…,fx(a)とf1(b),f2(b),…,fx(b)は、パスaとパスbについての上記ずれを生む要因の候補である各特徴の値を示している。ずれを生む要因の候補である特徴の例としては、チップ内の低電力トランジスタ数、各層での配線長、ノイズなどがあり、これらの値は設計情報などから求められる。たとえば、f1(a)=2,f2(a)=0,…,fx(a)=6などと指定される。w1,w2,…,wxは、各特徴の重み値である。
次に、CPU21は、ずれ算出モデルを用いて、failing timingの予測値の確率分布を算出する(ステップS22)。
failing timingの予測値の確率分布は、たとえば、モンテカルロ法を用いて以下のように算出される。
図6は、確率分布の算出法の一例を説明する図である。図6では、FF30からFF(failed FF)31へと至るパスaが活性化パスである例が示されている。パスa上には、組み合せ回路部32、バッファ回路33、AND回路34がある。また、図6には、算出される確率分布の例が合わせて示されている。横軸は、failing timingの予測値、縦軸は、確率を示している。
CPU21は、チップ内の回路素子の遅延時間を乱数で変化させる。たとえば、AND回路34の遅延時間の設計時の予測値が、30psであるとすると、CPU21は、遅延時間を28,35,31psなどとばらつかせる。
CPU21は、値を変更するたびに、各活性化パスのパス遅延を求め、求めたパス遅延とずれ算出モデルから得られるそのパスのずれの加算値を算出する。そして、CPU21は、複数の活性化パスにおいて算出された加算値の最大値をfailing timingの予測値とし、たとえば、x回遅延時間をばらつかせたときに得られたx個のfailing timingの予測値を用いて、図6のような確率分布を算出する。
failing timingの予測値の確率分布を算出する手法は、上記のような方法に限定されない。たとえば、統計的遅延解析技術を用いて確率分布を求め、そこに、活性化パス上における回路素子間のパス(部分パス)における、測定時の遅延時間と設計時の遅延時間とのずれを組み込むようにして、failing timingの予測値の確率分布を求めてもよい。部分パスにおける上記のずれは、ずれ算出モデルから得られる。
なお、統計的遅延解析技術については、たとえば、K. Homma et al., "Non-Gaussian Statistical Timing Models of Die-to-Die and Within-Die Parameter Variations for Full Chip Analysis", ASP-DAC 2008に記載されている。また、A. Devgan et al., "Block-Based Static Timing Analysis with Uncertainty", ICCAD 2003にも記載されている。
次に、CPU21は、算出した確率分布と、遅延試験におけるfailing timingの測定結果との一致度を算出する(ステップS23)。一致度は、たとえば、対数尤度やカイ二乗値などを用いて求めることができる。以下では、一致度をCostと表記する。
対数尤度を用いた場合、遅延試験でのfailing timingの測定値がft1,…,ftnとn個あるとき、Cost(対数尤度)は以下の式で表せる。
Figure 0006056174
式(2)において、p(fti)は、ステップS22の処理で算出した確率分布において、測定値ftiをとる確率である。Costが大きいほど、一致度が高いことを意味しており、算出した確率分布が測定結果をよく反映していることになる。
なお、対数尤度については、たとえば、坂本慶行,石黒真木夫,北川源四郎「情報量統計学」共立出版株式会社,1983年、に記載されている。
一致度の他の算出方法であるカイ二乗値は、測定データと、算出された確率分布の偏りの一致度を算出するものである。
図7は、カイ二乗値の計算例を示す図である。
ftはfailing timingを示しており、単位はpsである。図7の例では、failing timingの大きさが4つの範囲で区分されている。すなわち、failing timingが、400psより小さい範囲、400ps以上420ps未満の範囲、420ps以上440ps未満の範囲、440ps以上の範囲、の4つである。
各範囲では、算出した確率分布から得られるfailing timingの予測値がその範囲に存在する確率(prob[%])、その範囲に存在する測定データの個数、上記確率と、測定データの総数から求まる期待値の個数が示されている。図7の例では、測定データ数は50個であるため、たとえば、400ps未満の範囲では、prob=5%であるため、期待値は、50×0.05=2.5[個]となっている。
図7の例の場合、Cost(カイ二乗値)は、Cost=(8−2.5)2/2.5+(15−15)2/15+(21−27.5)2/27.5+(6−5)2/5=13.836となる。カイ二乗値の場合は、Costは、0に近いほど一致度が高いことを示す。
以上のような一致度の算出処理が終わると、CPU21は、ずれの要因を特定するために用いる解析対象パスの入れ替えを行うか否かを判定する(ステップS24)。たとえば、一致度が、前回選択された解析対象パスの組み合わせを適用して算出されたものよりも高い場合には、その解析対象パスの組み合わせがずれの要因を特定するために、よりふさわしいため、入れ替えが行われる。
解析対象パスの入れ替えには、たとえば、山登り法(Hill Climbing)が適用可能である。山登り法では、一致度が改善したときに解析対象パスの入れ替えが行われる。
たとえば、解析対象パスの集合M1が(pa,pb,pc,…,pn)のとき、Cost(対数尤度)=−3で、解析対象パスの集合M2が(pa,pb,pc’,…,pn)のとき、Cost=−2.5であった場合、M1からM2への入れ替えが行われる。
なお、解析対象パスの入れ替えには、焼きなまし法(Simulated Annealing)も適用可能である。焼きなまし法では、解析対象パスの入れ替え前後の一致度と温度からエネルギーが求められ、受理確率関数により、解析対象パスの入れ替えが決定される。
解析対象パスを入れ替えると判定した場合、たとえば、CPU21は、RAM22に保持されている、ずれ算出モデル、一致度、解析対象パスを更新する(ステップS25)。
ステップS24の処理で、解析対象パスを入れ替えないと判定した場合、またはステップS25の処理の後、CPU21は、解析対象パスの入れ替えを終了するか否かを判定する(ステップS26)。たとえば、全ての解析対象パスの組み合わせについて一致度の算出が終わった場合、または、計算時間などを考慮して、所定数回の入れ替えが行われた場合、解析対象パスの入れ替えを終了すると判定される。
解析対象パスの入れ替えを終了しないと判定した場合、CPU21は、解析対象パスの入れ替え候補を決定する(ステップS27)。たとえば、CPU21は、ランダムにFF(failed FF)を選択し、そのFFに至る複数の活性化パスから、解析対象パスをランダムに選択することで、入れ替えを行う。ステップS27の処理の後は、ステップS21からの処理が繰り返される。
なお、一致度がもっともよい解析対象パスの組み合わせを求めるために、遺伝的アルゴリズム(Genetic Algorithm)を適用することも可能である。その場合、たとえば、CPU21が全FFに対する解析対象パスの組み合わせをx通り作成し、交叉・突然変異、選択をn世代まで繰り返しながら、一致度がもっともよい組み合わせを求める。
解析対象パスの入れ替えを終了すると判定した場合、CPU21は、RAM22に保持されている解析対象パスの組み合わせを用いて、式(1)の回帰式を解き、重み値w1〜wxを得る。
回帰式を解く手法としては、たとえば、サポートベクター回帰、最小二乗法などを適用することが可能である。
図8は、算出された重み値の例を示す図である。横軸は特徴f1,f2,f3,…,fxを示し、縦軸は、重み値w1,w2,w3,…,wxの大きさを示している。
図8の例では、特徴f1の重み値w1が最大となっている。したがって、特徴f1がずれの要因として最も大きいものである可能性が高いことがわかる。
以上のように、本実施の形態の故障診断方法では、算出したfailing timingの予測値の確率分布が、遅延試験での測定結果とよく一致する解析対象パスの組み合わせを特定して、その組み合わせを用いて、ずれの要因を特定できる。そのため、故障診断結果の信頼性の悪化を抑制できる。
なお、解析対象パスの組み合わせを選択する手法として、failing timingの予測値が、たとえば、チップx枚分の測定値の集合の平均値によく一致するような解析対象パスの組み合わせを、組み合わせ最適化問題で選択することも考えられる。しかし、測定値に特異的なものがあると、その値に引っ張られて平均値がずれる。その場合、ずれの要因を特定するための適切な解析対象パスが選択できない可能性がある。これに対し、本実施の形態の故障診断方法では、failing timingの予測値の確率分布を算出して、その確率分布と、failing timingの測定値の集合との一致度から、解析対象パスの組み合わせを特定する。そのため、測定値の特異的なものに引っ張られることが抑制され、より適切な解析対象パスが選択でき、故障診断結果の信頼性をより向上できる。
ところで、上記の故障診断方法は、たとえば、図4に示したようなハードウェア要素を有するコンピュータによって実現することができる。その場合、そのコンピュータが有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記憶装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリなどがある。磁気記憶装置には、HDD、FD、磁気テープなどがある。光ディスクには、DVD、DVD−RAM、CD−ROM(Read Only Memory)/RW(ReWritable)などがある。光磁気記録媒体には、MOなどがある。
プログラムを流通させる場合には、たとえば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROMなどの可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
プログラムを実行するコンピュータは、たとえば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムにしたがった処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムにしたがった処理を実行することもできる。また、コンピュータは、ネットワークを介して接続されたサーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムにしたがった処理を実行することもできる。
また、上記の処理機能の少なくとも一部を、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)などの電子回路で実現することもできる。
以上、実施の形態に基づき、本発明の故障診断方法、故障診断装置及びプログラムの一観点について説明してきたが、これらは一例にすぎず、上記の記載に限定されるものではない。
10−1〜10−n,11,12 FF
13 組み合わせ回路部
14 バッファ回路
15 NAND回路
16 AND回路

Claims (4)

  1. 制御部が、記憶部に記憶された半導体集積回路の設計情報と実チップに対する遅延試験の結果を読み出し、複数のフリップフロップのうちの1つに至る1または複数の活性化パスから、1つの解析対象パスを選択する処理を、前記複数のフリップフロップのそれぞれに対して行い、
    前記制御部が、前記設計情報と、前記複数のフリップフロップのそれぞれに対して選択した前記解析対象パスの組み合わせからなる解析対象パス集合と、前記解析対象パス集合に含まれる前記解析対象パスのそれぞれによる複数の遅延時間である、設計時の複数の第1の予測値及び前記遅延試験における複数の測定値と、に基づき、記第1の予測値と前記測定値とのずれを生じさせる要因の候補である複数の特徴値と、前記複数の特徴値のそれぞれに対する重み値とからなる回帰式により表されるずれ算出モデルを構築し、
    前記制御部が、前記ずれ算出モデルを用いて前記複数のフリップフロップが正しくデータを取り込める、前記解析対象パスによる遅延時間である設計時の第2の予測値の確率分布を算出し、
    前記制御部が、前記確率分布と、前記複数のフリップフロップが正しくデータを取り込める、前記遅延試験における前記実チップに含まれる活性化パスによる遅延時間である測定値の集合との一致度を算出し、
    前記制御部が、前記1または複数の活性化パスから選択する前記解析対象パスを入れ替えることで前記組み合わせを変更し、前記ずれ算出モデル、前記一致度を更新し、前記一致度が改善した前記組み合わせを用いて、前記回帰式を解き、前記重み値を求めることで前記ずれの要因を特定する、
    故障診断方法。
  2. 前記制御部が、前記ずれ算出モデルにより得られた前記複数のフリップフロップのそれぞれに対して選択した前記解析対象パスのそれぞれによる前記遅延時間の前記ずれに、チップ内の回路素子の遅延時間を乱数で変化させたときの前記複数のフリップフロップのそれぞれに対して選択した前記解析対象パスのそれぞれによる前記遅延時間を加算したもののうち、最大値を前記第2の予測値とし、前記乱数による前記回路素子の遅延時間の変化を繰り返したときに得られる前記第2の予測値の集合を用いて、前記確率分布を算出する、請求項1記載の故障診断手法。
  3. 制御部と、
    半導体集積回路の設計情報と実チップに対する遅延試験の結果を記憶する記憶部と、を有し、
    前記制御部は、
    記憶部に記憶された前記設計情報と実チップに対する前記遅延試験の結果を読み出し、複数のフリップフロップのうちの1つに至る1または複数の活性化パスから、1つの解析対象パスを選択する処理を、前記複数のフリップフロップのそれぞれに対して行い、
    前記設計情報と、前記複数のフリップフロップのそれぞれに対して選択した前記解析対象パスの組み合わせからなる解析対象パス集合と、前記解析対象パス集合に含まれる前記解析対象パスのそれぞれによる複数の遅延時間である、設計時の複数の第1の予測値及び前記遅延試験における複数の測定値と、に基づき、記第1の予測値と前記測定値とのずれを生じさせる要因の候補である複数の特徴値と、前記複数の特徴値のそれぞれに対する重み値とからなる回帰式により表されるずれ算出モデルを構築し、
    前記ずれ算出モデルを用いて前記複数のフリップフロップが正しくデータを取り込める、前記解析対象パスによる遅延時間である設計時の第2の予測値の確率分布を算出し、
    前記確率分布と、前記複数のフリップフロップが正しくデータを取り込める、前記遅延試験における前記実チップに含まれる活性化パスによる遅延時間である測定値の集合との一致度を算出し、
    前記1または複数の活性化パスから選択する前記解析対象パスを入れ替えることで前記組み合わせを変更し、前記ずれ算出モデル、前記一致度を更新し、前記一致度が改善した前記組み合わせを用いて、前記回帰式を解き、前記重み値を求めることで前記ずれの要因を特定する、
    故障診断装置。
  4. 制御部が、記憶部に記憶された半導体集積回路の設計情報と実チップに対する遅延試験の結果を読み出し、複数のフリップフロップのうちの1つに至る1または複数の活性化パスから、1つの解析対象パスを選択する処理を、前記複数のフリップフロップのそれぞれに対して行い、
    前記制御部が、前記設計情報と、前記複数のフリップフロップのそれぞれに対して選択した前記解析対象パスの組み合わせからなる解析対象パス集合と、前記解析対象パス集合に含まれる前記解析対象パスのそれぞれによる複数の遅延時間である、設計時の複数の第1の予測値及び前記遅延試験における複数の測定値と、に基づき、記第1の予測値と前記測定値とのずれを生じさせる要因の候補である複数の特徴値と、前記複数の特徴値のそれぞれに対する重み値とからなる回帰式により表されるずれ算出モデルを構築し、
    前記制御部が、前記ずれ算出モデルを用いて前記複数のフリップフロップが正しくデータを取り込める、前記解析対象パスによる遅延時間である設計時の第2の予測値の確率分布を算出し、
    前記制御部が、前記確率分布と、前記複数のフリップフロップが正しくデータを取り込める、前記遅延試験における前記実チップに含まれる活性化パスによる遅延時間である測定値の集合との一致度を算出し、
    前記制御部が、前記1または複数の活性化パスから選択する前記解析対象パスを入れ替えることで前記組み合わせを変更し、前記ずれ算出モデル、前記一致度を更新し、前記一致度が改善した前記組み合わせを用いて、前記回帰式を解き、前記重み値を求めることで前記ずれの要因を特定する、
    処理をコンピュータに実行させるプログラム。
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