実施の形態1
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。まず、実施の形態1にかかるナースコールシステムのブロック図を図1に示す。図1にナースコールシステムは、本体部1、人感センサ2、呼び出し元表示装置4を有する。この中で実施の形態1にかかる電子ナースコール装置は、本体部1及び人感センサ2により構成される。
人感センサ2は、ベッドの近傍に配置され被介護者の動きを検出して、無線信号にて当該被介護者に動きがあったことを本体部1に通知する。人感センサ2は、無線信号を送信する無線送信部21と、動体を検出するセンサ部22と、を有する。センサ部22は、予め設定される検出エリア内にて動体の存在を検出すると動体検出信号SENを出力する。無線送信部21は、動体検出信号SENが入力されたことに応じて本体部1に無線信号を出力する。
本体部1は、無線信号によって人感センサ2から動体が検出されたことの通知を受けると、当該通知に応じてナースコール信号を生成する。このナースコール信号は、壁面に設けられた壁面端子NSTを介して呼び出し元表示装置4に伝える。呼び出し元表示装置4は、呼び出し元を示す表示を行う。ナースナースコールシステムでは、呼び出し元表示装置が親機として機能し、本体部1は子機として機能する。つまり、図1では、本体部1を1つのみ示したが、本体部1は、建物内に複数の部屋がある場合、各部屋に1つずつ設置される。また、呼び出し元表示装置は、表示装置側端子3を介してナースコール信号を受け取るが、この表示装置側端子3には交換器のような装置が組み込まれており、複数の部屋から出力されるナースコール信号のとりまとめを行う。なお、各部屋の壁面端子NSTから表示装置側端子3までは構内配線5により接続される
本体部1は、無線受信部11、制御部12、ナースコールインジケータ13、計測状態インジケータ(例えば、ケアタイムインジケータ14)を有する。無線受信部11は、無線信号により人感センサ2が動体検出したことを受信すると動作開始信号STを生成する。制御部12は、動作開始信号STの入力を受けてナースコール信号を生成する。また、制御部12は、動作状態に応じてナースコールインジケータ13及びケアタイムインジケータ14の点灯、点滅及び消灯を制御する。さらに、制御部12は、動作開始信号STの入力を受けた後にナースコール信号が誤って送信されることを防止するケアタイム制御処理を行う。このケアタイム制御処理の詳細は後述する。
続いて、人感センサ2の設置方法と、人感センサ2の検知エリアについて説明する。そこで、実施の形態1にかかる人感センサ2の設置位置と実施の形態1にかかるナースコールシステムの検出エリアとを説明するための図を図2に示す。
図2の上面視の図に示すように、人感センサ2は、人感センサ2を起点に扇状に拡がる検知エリアを有する。そして、実施の形態1にかかるナースコールシステムでは、被介護者の上半身を覆うように検知エリアを設定する。また、本体部1は、人感センサ2から見通せる位置に配置することが好ましい。そして、本体部1は壁面端子3にケーブルで接続する。
また、図2の側面視の図に示すように、実施の形態1では、検知エリアは、患者の上半身を覆うように設定される。また、検知エリアは、寝ている状態では被介護者の体が検知エリア外となり、被介護者が手を挙げる、あるいは、被介護者が起き上がったときに被介護者の体の一部が検知エリア内となるように設定される。
検知エリアをこのように設定することで、ベッド周辺(例えば、足下)の廊下を他人が通過したときに人感センサ2が動体を検出することを防止することができる。また、検知エリアをこのように設定することで、被介護者が起き上がった場合に早期にナースコール通知を行うことができる。このように、早期に起き上がりを検出することで、被介護者がベッドから転落する、あるいは、着地時に転倒する等の事故を防止することができる。
続いて、本体部1について詳細に説明する。そこで、図3に実施の形態1にかかる電子ナースコール装置(特に本体部1)のブロック図を示す。図3に示すように、本体部1は、無線受信部11、制御部12を有する。そして、制御部12は、通報信号生成部31、ナースコールスイッチ32、ケアタイム制御部33、LED駆動部34を有する。
通報信号生成部31は、無線受信部11が無線信号を受信したことに応じて生成した動作開始信号STに応じて通報信号CALを生成する。なお、通報信号生成部31は、動作開始信号STがイネーブル状態となっている期間の長さにかかわらず、予め所定のイネーブル期間を有する通報信号CALを生成する。これにより、人感センサ2による動体検知時間の間ずっと通知信号CALがハイレベルとなることを防止する。
ナースコールスイッチ32は、通報信号CALに応じてナースコール信号を出力する。このナースコールスイッチ32は、例えば、通報信号CALがハイレベルになったことに応じてナースコール信号を伝達する2つの配線間を短絡させるものである。
ケアタイム制御部33は、通報信号CALに応じてケアタイムの計時を開始し、ケアタイムの経過時間に応じて通報信号生成部31による通報信号CALの生成の可否を制御する。より具体的には、ケアタイム制御部33は、計測しているケアタイムが予め設定された終了時間に達するまで通報信号生成部31による通報信号の生成を停止させる。またケアタイム制御部33は、終了時間の前に設定される終了予告期間の間に動作開始信号STの入力があった場合には、ケアタイムの計測値をリセットした上で再度ケアタイムの計時処理を行う。つまり、ケアタイム制御部33は、人感センサ2による動体検出に応じて生成される動作開始信号STの有無にかかわらず、ケアタイム中に新たに通報信号CALが生成されることを禁止する。また、ケアタイム制御部33は、ケアタイムの終了間際に再度動作開始信号STが入力された場合にはケアタイムを延長することを可能とする。
ケアタイム制御部33は、ケアタイムの経過時間に応じて外部に設けられるケアタイムインジケータの点滅間隔を制御するインジケータ制御信号(例えば、ケアタイム信号LCS1及び終了予告信号LCS2)を出力し、ケアタイムが終了予告期間である場合は、他の期間よりもケアタイムインジケータの点滅間隔を短くする。より具体的には、ケアタイム制御部33は、ケアタイムの計測開始からケアタイムが終了時間に達するまでの期間ケアタイム信号LCS1をイネーブル状態(例えば、ハイレベル)とする。また、ケアタイム制御部33は、計測しているケアタイムの値が終了予告期間となった場合には終了予告信号LCS2をイネーブル状態(例えば、ハイレベル)とする。
LED駆動部34は、通報信号CALが入力された後、ケアタイム信号LCS1がディスイネーブル状態となるまでの期間ナースコールインジケータ13を点灯させる。また、LED駆動部34は、ケアタイム信号LCS1がイネーブル状態となったことに応じてケアタイムインジケータ14を点滅させる。さらに、LED駆動部34は、ケアタイム信号LCS1がイネーブル状態である期間に終了予告信号LCS2がイネーブル状態となった場合、ケアタイムインジケータ14の点滅間隔を他の期間よりも短くする。
続いて、実施の形態1にかかる電子ナースコール装置の動作について説明する。まず、実施の形態1にかかる電子ナースコール装置の動作を示すフローチャートを図4に示す。図4に示すように、実施の形態1の電子ナースコール装置は、電源が投入されたことに応じて、本体部1及び人感センサ2が動作し、人感センサ2にて動体が検出されるまで動体検出処理を継続する(ステップS1)。
そして、ステップS1にて、動体が検出されると、本体部1の無線受信部11が動作開始信号STを生成し、当該動作開始信号STに応じて通報信号生成部31が通報信号CALを生成する(ステップS2)。次いで、本体部1は、通報信号CALに応じてナースコール信号の発信し、ナースコールインジケータを点灯させる(ステップS3)。また、本体部1のケアタイム制御部33は、通報信号CALに応じてケアタイム信号LCS1を出力してケアタイムインジケータを点滅させる(ステップS3)。
続いて、本体部1のケアタイム制御部33は、通報信号CALが入力されたことに応じてケアタイムの計測値をリセットし(ステップS4)、ケアタイムの計測を開始する(ステップS5)。また、ケアタイム制御部33は、ケアタイムの計測の開始に合わせて通報無効化信号DISをイネーブル状態(例えば、ハイレベル)として、通報信号生成部31による新たな通報信号CALの生成を禁止する(ステップS6)。
続いて、ケアタイム制御部33は、ケアタイムの時間が予め設定した終了予告時間に達するまで現状態を維持し、ケアタイムの時間が終了予告時間に達したことに応じて、終了予告信号LCS2をイネーブル状態(例えば、ハイレベル)にしてケアタイムインジケータの点滅間隔をそれ以前に比べて短くする(ステップS7、S8)。
続いて、ケアタイム制御部33は、ケアタイムの値が予め設定した終了時間に達するまで人感センサ2による動体の検出を待つ(ステップS9、S10)。そして、ケアタイム制御部33は、ステップS9、S10の処理を行う終了予告期間において人感センサ2により動体が検出された場合(ステップS9のYESの枝)、ケアタイムの計測値をリセットして(ステップS4)、再度ケアタイムの計測を開始する(ステップS5)。一方、ケアタイム制御部33は、終了予告期間において人感センサ2にて動体が検出されなかった場合(ステップS10のYESの枝)、通報無効化信号DISをディスイネーブル状態(例えば、ロウレベル)として通報信号CALの生成禁止を解除する(ステップS11)。また、ケアタイム制御部33は、ケアタイム信号LCS1及び終了予告信号LCS2をディスイネーブル状態(例えば、ロウレベル)としてナースコールインジケータ13及びケアタイムインジケータ13を消灯して(ステップS12)、再び人感センサ2にて動体が検出されるのを待つ(ステップS1)。
続いて、図4に示したフローチャートに従った動作についてタイミングチャートを用いて説明する。図5に実施の形態1にかかる電子ナースコール装置の動作を示すタイミングチャートを示す。図5に示したタイミングチャートは、終了予告期間に動体が検出されずに、当初設定したケアタイムが延長されることなく処理が終了した場合を示すものである。
まず、図5に示す例では、タイミングT0において動体が検出される。そのため、タイミングT0では、人感センサ2にて動体の検出に応じて動体検出信号SENがイネーブル状態となる。そして、動体検出信号SENがイネーブル状態となったことが無線信号を介して本体部1に通知される。そのため、本体部1では、無線信号の受信に応じて無線受信部11が動作開始信号STをイネーブル状態とする。また、動作開始信号STがイネーブル状態となったことに応じて、通報信号生成部31は通報信号CALをイネーブル状態とし、イネーブル状態の通報信号CALに応じてナースコール信号NCSがイネーブル状態となる。また、通報信号CALがイネーブル状態となったことに応じてナースコールインジケータ13が点灯する。
続いて、実施の形態1にかかる電子ナースコール装置では、タイミングT1においてナースコールによる呼び出し処理が終了し、ケアタイムの計測が開始される。このタイミングT1では、通報信号生成部31が通報信号CALを立ち下げる。そして、通報信号CALの立ち下がりに応じて、ケアタイム制御部33は、通報無効化信号DISをイネーブル状態とする。これにより、通報信号生成部31は、新たな通報信号CALの生成を停止する。その後、ケアタイム制御部33は、ケアタイムの計測を開始する。このケアタイムの計測期間の間ケアタイム制御部33は、ケアタイム信号LCS1をイネーブル状態とする。これにより、ケアタイムインジケータ14は、遅い間隔で点滅する。
続いて、タイミングT2において、ケアタイムの値が終了予告時刻に達する。これにより、実施の形態1にかかる電子ナースコール装置では、ケアタイム制御部33は、終了予告信号LCS2をイネーブル状態とする。これにより、ケアタイムインジケータ14は早い間隔で点滅する。
そして、タイミングT3において、ケアタイムの値が終了時間に達する。そのため、実施の形態1にかかる電子ナースコール装置は、タイミングT3において、通報無効化信号DISをディスイネーブル状態として通報信号CALの生成禁止状態を解除する。また、タイミングT3において、実施の形態1にかかる電子ナースコールは、ケアタイム信号LCS1及び終了予告信号LCS2をディスイネーブル状態としてナースコールインジケータ13及びケアタイムインジケータ14を消灯する。つまり、実施の形態1にかかる電子ナースコール装置では、タイミングT1〜T3の期間がケアタイム期間となり、タイミングT2〜T3の期間が終了予告期間となる。
続いて、図6に実施の形態1にかかる電子ナースコール装置の動作を示すタイミングチャートを示す。図6に示したタイミングチャートは、終了予告期間に動体が検出され、当初設定したケアタイムが延長された後に処理が終了した場合を示すものである。なお、図6に示す例では、終了予告期間が開始されるタイミングT12までの処理については、図5に示したタイミングT0〜T2までの処理と同じであるためここでは説明を省略する。
図6に示すタイミングチャートでは、タイミングT12からT14の期間に設定される終了予告期間の途中で動体検出信号SENに基づき動作開始信号STがイネーブル状態となる。そのため、図6に示すタイミングチャートでは、動作開始信号STがイネーブル状態に切り替わったタイミングT13において終了予告信号LCS2がイネーブルからディスイネーブル状態に切り替わり、ケアタイムインジケータ14の点滅間隔が遅くなる。また、タイミングT13において、ケアタイム制御部33は、ケアタイムの計測値をリセットして、タイミングT13から新たにケアタイムの計測を開始する。なお、ケアタイムの再計測に応じて、当初設定されていた終了時間におけるケアタイムの終了処理は廃棄される
続いて、タイミングT15において、ケアタイムの値が再度終了予告時刻に達する。これにより、実施の形態1にかかる電子ナースコール装置では、ケアタイム制御部33が、終了予告信号LCS2をイネーブル状態とする。これにより、ケアタイムインジケータ14は早い間隔で点滅する。
そして、タイミングT16において、ケアタイムの値が終了時間に達する。そのため、実施の形態1にかかる電子ナースコール装置は、タイミングT16において、通報無効化信号DISをディスイネーブル状態として通報信号CALの生成禁止状態を解除する。また、タイミングT3において、実施の形態1にかかる電子ナースコールは、ケアタイム信号LCS1及び終了予告信号LCS2をディスイネーブル状態としてナースコールインジケータ13及びケアタイムインジケータ14を消灯する。図6に示したタイミングチャートに示すように、実施の形態1にかかる電子ナースコール装置では、ケアタイムの終了予告期間中に動作開始信号STの入力があった場合にはケアタイムを延長する。
上記説明より、実施の形態1にかかる電子ナースコール装置は、当初設定したケアタイムの終了直前に設定される終了予告期間中に動作開始信号STの入力があった場合にケアタイムを延長することができる。これにより、実施の形態1にかかる電子ナースコール装置は、当初設定したケアタイムの時間内に介護が完了しない場合においてもナースコール信号が誤って送信されることを防止することができる。
また、実施の形態1にかかる電子ナースコール装置では、非介護者の上半身の上方に設定される人感センサ2の検出エリア内の動体を検出することで動作開始信号STが生成される。例えば、介護作業中は体の一部が必然的に検出エリア内に入ることが多いため、実施の形態1にかかる電子ナースコール装置を用いることで、介護作業中は特にボタン操作等を行うことなくケアタイムが延長される。つまり、実施の形態1にかかる電子ナースコール装置は、介護者が離れた位置にあるボタンを操作することなく、非介護者の近傍に位置する検出エリアに体の一部を入れるのみでケアタイムの制限時間を気にせずに介護を行いながらナースコール信号の誤送信を防止することができる。
なお、介護作業中に検出エリア内に体の一部がない場合においても、ケアタイムインジケータ14の点滅間隔が短くなったことに応じて検出エリアに体の一部を入れることでケアタイムを延長することができる。この場合においても、介護者が離れた位置にあるボタンを操作することなく、ナースコール信号の誤送信を防止することができる。
また、実施の形態1にかかる電子ナースコール装置は、ナースコール信号を発信した直後から自動的に動体が検出されたことによるナースコール信号の生成を禁止することができる。これにより、実施の形態1にかかる電子ナースコール装置は、ナースコールに応じて介護者が駆けつけた場合にも何らボタン操作を行うことなくナースコール信号の誤送信を防止することができる。このように自動的にナースコール信号の誤送信を防止することで利用者の作業負担を大幅に削減することができる。
また、実施の形態1にかかる電子ナースコール装置は、ケアタイムの計測値が終了値に達したことに応じて、動作開始信号STに基づくナースコール信号の生成の禁止状態が介助される。つまり、実施の形態1にかかる電子ナースコール装置の利用者は、何らの操作を行うことなく人感センサ2による非介護者の見守り処理を復帰させることができる。これにより、実施の形態1にかかる電子ナースコール装置を用いることで、スイッチ等の操作ミスによって機器が動作しないことを防止することができる。
実施の形態2
実施の形態2では、1つの本体部1に対して複数の人感センサを設置する実施の形態について説明する。そこで、実施の形態2にかかるナースコールシステムのブロック図を図7に示す。図7に示すように、実施の形態2にかかるナースコールシステムは、実施の形態1にかかる本体部1に対して複数の人感センサ(例えば、人感センサ2a〜2d)を設けたものである。なお、実施の形態2において実施の形態1と同じ構成要素については、実施の形態1と同じ符号を付して説明を省略する。
この人感センサ2a〜2dは、例えば、本体部1が設置される部屋に設置されるものである。また、人感センサ2a〜2dは、同じ構成のものであるため、ここでは、人感センサ2aを例に実施の形態2にかかる人感センサを説明する。
図7に示すように、人感センサ2aは、センサ部22a、無線送信部21aに加えてライト制御部23a及び補助ライト24aを有する。センサ部22aと無線送信部21aは、実施の形態1にかかるセンサ部22及び無線送信部21と同じものである。ライト制御部23aは、センサ部22aから出力される動体検出信号SENに応じて一定期間の間補助ライト24aを点灯させる。補助ライト24aは、天井方向に向けられ、点灯状態において天井を照らす。
実施の形態2にかかる電子ナースコール装置では、ナースコール信号を生成する本体部1は1つのみであり、複数の人感センサのいずれかが動体検出した場合にも同じナースコール信号を出力する。そこで、実施の形態2にかかる電子ナースコール装置の動作について説明する。図8に、実施の形態2にかかる電子ナースコール装置の動作を示すタイミングチャートを示す。
図8に示すタイミングチャートは、人感センサ2aにおいて動体が検出された場合のものである。また、図8に示すタイミングチャートでは、本体部1の動作に関しては図5に示したタイミングチャートと同じ動作である。そこで、図8に示したタイミングチャートの説明では、人感センサ部分の動作について特に説明する。
図8に示す例では、タイミングT20において人感センサ2aが動体を検出する。そして、タイミングT20において、人感センサ2aのセンサ部22aが動体検出信号SENをイネーブル状態とする。そして、人感センサ2aのライト制御部23aが補助ライト24aを点灯させる。そして、ライト制御部23aは、所定の期間(例えば、ケアタイムが終了時間に達するまでの期間と同じ期間)の間補助ライトを点灯した状態に維持する。一方、動体を検出しなかった人感センサ2b〜2dは、補助ライト24b〜24dを消灯状態で維持する。
上記説明より、実施の形態2にかかる電子ナースコール装置では、1つの本体部1に対して複数の人感センサが設けられる。この場合、いずれの人感センサからナースコールの呼び出しがあったかが分かりづらい。しかし、実施の形態2にかかる電子ナースコール装置では、人感センサ2a〜2dは、動体検出信号SENに応じて補助ライトによって天井を照らす。これにより、駆けつけた介護者は補助ライトの明かりを手がかりに介助が必要な非介護者を迷うことなく認識することができる。
また、実施の形態2にかかる電子ナースコールでは、補助ライトが天井を照らすため、複数のベッドがカーテン等で仕切られた部屋においても天井の明かりを手がかりに介護者が呼び出し元のベッドを迷わずに認識することができる。
実施の形態3
実施の形態3では、ナースコール信号に代えて、電子メールにて被介護者からの通知を伝える実施の形態について説明する。実施の形態3にかかるナースコールシステムのブロック図を図9に示す。なお、実施の形態3において実施の形態1と同じ構成要素については実施の形態1と同じ符号を付して説明を省略する。
図9に示すように、実施の形態3にかかるナースコールシステムは、実施の形態1にかかる本体部1に代えて本体部1aを有する。また、実施の形態3にかかるナースコールシステムでは、構内配線及び親機として機能する呼び出し元表示装置に代えて、公衆ネットワークと、メールサーバー6と、被通報者端末(例えば、携帯電話)7と、を有する。
本体部1aは、実施の形態1にかかる本体部1にメール送信部15を追加したものである。また、本体部1aでは、制御部12で生成した通報信号CALをメール送信部15に出力する。実施の形態3にかかるナースコールシステムでは、ナースコール信号に代えてメール送信部15において生成された電子メールを公衆ネットワーク及びメールサーバー6を介して被通用者端末7に伝達することで被介護者からの呼び出しを介護者に伝える。
そこで、図10に実施の形態3にかかる本体部1aのブロック図を示す。図10に示すように、本体部1aは、制御部12からナースコールスイッチ32を削除し、メール送信部15を追加したものである。また、メール送信部15は、メール生成部41及び通信部(例えば、ルーター42)を有する。メール送信部41は、通報信号CALに応じて電子メールEMを生成する。ルーター42は、衆ネットワークを介して生成された電子メールEMを公メールサーバー6に送信する。なお、メール生成部41が生成する電子メールは、予め設定された定型文を含むものである。
続いて、実施の形態3にかかる電子ナースコール装置の動作について説明する。そこで、図11に実施の形態3にかかる電子ナースコール装置の動作を示すフローチャートを示す。図11に示すように、実施の形態3の電子ナースコール装置は、電源が投入されたことに応じて、本体部1a及び人感センサ2が動作し、人感センサ2にて動体が検出されるまで動体検出処理を継続する(ステップS1)。
そして、ステップS1にて、動体が検出されると、本体部1aの無線受信部11が動作開始信号STを生成し、当該動作開始信号STに応じて通報信号生成部31が通報信号CALを生成する(ステップS2)。次いで、本体部1aは、通報信号CALに応じてナースコールインジケータを点灯させる(ステップS21)。また、本体部1aのケアタイム制御部33は、通報信号CALに応じてケアタイム信号LCS1を出力してケアタイムインジケータを点滅させる(ステップS21)。さらに、本体部1aは、通報信号CALに応じて電子メールを生成し(ステップS22)、生成した電子メールを送信する(ステップS23)。
続いて、本体部1aは、実施の形態1にかかる本体部1と同様にケアタイム制御処理を実行する。このケアタイム制御処理は、図4に示したフローチャートのステップS4〜S12で説明した処理である。
続いて、図11に示したフローチャートに従った動作についてタイミングチャートを用いて説明する。図12に実施の形態3にかかる電子ナースコール装置の動作を示すタイミングチャートを示す。図12に示すタイミングチャートは、終了予告期間に動体が検出されずに、当初設定したケアタイムが延長されることなく処理が終了した場合を示すものである。つまり、図12に示したタイミングチャートは、実施の形態3にかかる電子ナースコール装置が図5に示したタイミングチャートと同じ動体検出信号SENに基づき動作した場合を示すものである。
図12に示すように、このタイミングチャートでは、電子メール送信処理以外の動作は図5に示した実施の形態1にかかる電子ナースコール装置と同じである。図12に示すように、実施の形態3にかかる電子ナースコール装置では、動作開始信号STに応じて通報信号CALが生成され、当該通報信号CALに応じて電子メールの送信処理が行われる。つまり、実施の形態3にかかる電子ナースコール装置では、ナースコール信号に代えて電子メールが送信される。
続いて、図13に実施の形態1にかかる電子ナースコール装置の動作を示すタイミングチャートを示す。図13に示したタイミングチャートは、終了予告期間に動体が検出され、当初設定したケアタイムが延長された後に処理が終了した場合を示すものである。つまり、図13に示したタイミングチャートは、実施の形態3にかかる電子ナースコール装置が図6に示したタイミングチャートと同じ動体検出信号SENに基づき動作した場合を示すものである。
図13に示す例においても、タイミングチャートは、電子メール送信処理以外の動作は図6に示した実施の形態1にかかる電子ナースコール装置と同じである。図13に示すように、実施の形態3にかかる電子ナースコール装置では、動作開始信号STに応じて通報信号CALが生成され、当該通報信号CALに応じて電子メールの送信処理が行われる。つまり、実施の形態3にかかる電子ナースコール装置では、ナースコール信号に代えて電子メールが送信される。また、実施の形態3にかかる電子ナースコール装置では、ケアタイムが延長された後も電子メールが誤送信されることは通報信号生成部31及びケアタイム制御部33により禁止される。
上記説明より、実施の形態3にかかる電子ナースコール装置では、実施の形態1にかかる電子ナースコール装置と同様の手順でナースコール信号の代わりに電子メールを送信する。つまり、実施の形態3にかかる電子ナースコール装置を用いることで、通報の誤送信の防止、ケアタイムの延長処理等を行うことができる。
また、実施の形態3にかかる電子ナースコール装置では、従来のナースコールシステムのように構内配線を必要としたないため、設置工事を行うことなく装置の設置を行うことができる。また、実施の形態3にかかる電子ナースコール装置では、電子メールにより通報を行うため、介護者が呼び出し元表示装置の見える位置にいなくても通報を受け取ることができる。つまり、実施の形態3にかかる電子ナースコール装置によれば、通報先の柔軟性を確保することができる。
また、実施の形態3にかかる電子ナースコール装置では、電子メールにより通報を行うため、この電子メールの統計を取ることで、被介護者の夜間の起き上がりの回数の推移等を把握することができる。このような統計データは、被介護者の健康状態の把握に役立てることができるものである。通常のナースコールシステムでは、このような統計データを取得するためには別途システムを構築しなければならないが、実施の形態3にかかる電子ナースコール装置では、システムの追加をすることなくこのような統計データを取得することができる。
また、実施の形態3にかかる電子ナースコール装置では、メール送信部15に決まった時刻に定期的に電子メールを送信する機能を付加することもできる。このように、人感センサ2による動体検出の有無にかかわらず、定期的に電子メールを送信することでシステムの故障を早期に発見することができる。つまり、実施の形態3にかかる電子ナースコール装置によれば信頼性の高いナースコールシステムを構築することが可能である。
実施の形態4
実施の形態4では、実施の形態1にかかる電子ナースコール装置に実施の形態3にかかる電子ナースコール装置のメール送信機能を付加した実施の形態について説明する。そこで、実施の形態4にかかるナースコールシステムのブロック図を図14に示す。なお、なお、実施の形態4において実施の形態1、3と同じ構成要素については実施の形態1、3と同じ符号を付して説明を省略する。
図14に示すように、実施の形態4にかかるナースコールシステムは、本体部1に代えて本体部1bを有する。また、実施の形態4にかかるナースコールシステムは、表示装置側端子3、呼び出し元表示装置4、構内配線5を含む構内のナースコールシステムに加えて公衆ネットワークを介して接続されるメールサーバー6及び被通報者端末7を有する。
本体部1bは、実施の形態1にかかる本体部1にメール送信部15を加えたものである。また、本体部1bは、実施の形態1にかかる本体部1と同様にナースコール信号を生成して、壁面端子NSTを介してナースコール信号を呼び出し元表示装置4に伝達する。
ここで、本体部1bについて詳細に説明する。図15に実施の形態3にかかる電子ナースコール装置のブロック図を示す。図15に示すように、本体部1bは、実施の形態1にかかる本体部1にメール送信部15を追加したものである。このメール送信部15は、メール生成部41及びルーター42を有し、通報信号CALに応じて電子メールを生成する。そして、メール送信部15は、生成した電子メールEMをルーター42によってメールサーバー6に伝達する。
続いて、実施の形態4にかかる電子ナースコール装置の動作について説明する。そこで、図16に実施の形態4にかかる電子ナースコール装置の動作を示すフローチャートを示す。図16に示すように、実施の形態4の電子ナースコール装置は、電源が投入されたことに応じて、本体部1b及び人感センサ2が動作し、人感センサ2にて動体が検出されるまで動体検出処理を継続する(ステップS1)。
そして、ステップS1にて、動体が検出されると、本体部1bの無線受信部11が動作開始信号STを生成し、当該動作開始信号STに応じて通報信号生成部31が通報信号CALを生成する(ステップS2)。次いで、本体部1bは、通報信号CALに応じてナースコール信号を発信し、さらに、ナースコールインジケータを点灯させる(ステップS21)。また、本体部1bのケアタイム制御部33は、通報信号CALに応じてケアタイム信号LCS1を出力してケアタイムインジケータを点滅させる(ステップS3)。さらに、本体部1bは、通報信号CALに応じて電子メールを生成し(ステップS22)、生成した電子メールを送信する(ステップS23)。
続いて、本体部1bは、実施の形態1にかかる本体部1と同様にケアタイム制御処理を実行する。このケアタイム制御処理は、図4に示したフローチャートのステップS4〜S12で説明した処理である。
なお、実施の形態1にかかる電子ナースコール装置のタイミングチャートは、例えば、図5に示したタイミングチャートに、図12に示したタイミングチャートの電子メール送信処理を加えたものとなるため、ここでは説明を省略する。
上記説明より、実施の形態4にかかる電子ナースコール装置は、実施の形態1にかかる電子ナースコールの通報信号生成部31、ナースコールスイッチ32、ケアタイム制御部33等の特徴と、実施の形態3にかかる電子ナースコール装置のメール送信部15等の特徴とを有する。これにより、実施の形態4にかかる電子ナースコール装置は、実施の形態1と同様にナースコール信号の誤送信の防止と、ケアタイムの延長処理と、作業ミスによるシステム非動作時間の防止と、を実現しながら、電子メールによる被介護者に関する統計データの蓄積と、信頼性確保と、通報先の柔軟性を確保と、を実現することができる。