JP6053647B2 - 回転電機の固定子、回転電機及び回転電機の製造方法 - Google Patents
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Description
そのようなものとして、分割された各コアに絶縁体を介して巻線が巻装されるとともに、その際、巻線間を繋ぐ複数の渡り線を、絶縁体に設けた渡り線収納溝に収納することで、電位差が大きい各相の渡り線同士の接触を防止し、また、モールドで一体とすることで渡り線の弛みを防止するようにした回転電動機が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
図1は、本発明の実施の形態1に係る回転電機60に用いるインシュレータ1を説明するための説明図である。図2は、回転電機60のステータコア8の構成を示す簡略斜視図である。図3は、回転電機60の固定子11の構成を簡略的に示す平面図である。図4は、回転電機60の固定子11の渡り線12の接続状態を説明するための説明図である。図1〜図4に基づいて、本発明の実施の形態1に係る回転電機60について説明する。なお、図1(a)はインシュレータ1の構成を示す概略斜視図、図1(b)、(c)はインシュレータ1に渡り線12を這い回した状態を示す概略斜視図である。
また、巻線後、渡り線12を巻枠3から外周方向に通す際に図1(c)のように中央立設部51の切り欠き51aに這わすことで渡り線12が固定され、巻線が緩むことを防止することが可能となる。
また、このような固定子11を備えた回転電機60によれば、渡り線12が樹脂に押し出されず、渡り線12の樹脂表面からの露出を回避でき、渡り線12とステータコア8との接触を防ぐことが可能になるので、製品信頼性の高いものとなる。
さらに、回転電機60の製造方法によれば、特段の手段や装置を用いることなく、渡り線12の樹脂表面からの露出を回避でき、渡り線12とステータコア8との接触を防ぐことが可能になるので、製造コストの大幅な抑制が可能となる。
また、上記説明では、インシュレータ1に突起6と突起7とを1箇所ずつ設けた場合を例に挙げたが、それぞれ2箇所以上設けても同様の効果を得ることは言うまでもない。突起6と突起7との個数が同数でなくてもよい。
さらに、突起6、突起7の形状を図示したものに限定するものではなく、樹脂に対しての障壁として機能するような形状、具体的には渡り線12の樹脂表面からの露出を回避でき、渡り線12とステータコア8との接触を防ぐことが可能な形状であればよい。
巻線は、ステータコア8のティース部50にインシュレータ1を介して巻き回される。便宜的に、一相目をU相(図4に示すU1〜U4)、二相目をV相(図4に示すV1〜V4)、三相目をW相(図4に示すW1〜W4)と呼ぶことにする。各相の巻線をU相、V相、W相の順番に並べて配置し、それぞれに120°位相のずれた交流の電流を流すことにより、固定子11を備えた回転電機60を駆動することになる。
図5は、本発明の実施の形態2に係る回転電機に用いるインシュレータ1Aを説明するための説明図である。図5に基づいて、本発明の実施の形態2に係る回転電機に用いるインシュレータ1Aについて説明する。なお、実施の形態2では実施の形態1との相違点を中心に説明し、実施の形態1と同一部分には、同一符号を付して説明を省略するものとする。また、本発明の実施の形態2に係る回転電機の基本構成は、実施の形態1に係る回転電機60と同様である。図5(a)はインシュレータ1Aの構成を示す概略斜視図、図5(b)はインシュレータ1Aに渡り線12を這い回した状態を示す概略斜視図である。
さらに、実施の形態2に係る回転電機の製造方法によれば、特段の手段や装置を用いることなく、渡り線12の樹脂表面からの露出を回避でき、渡り線12とステータコア8との接触を防ぐことが可能になるので、製造コストの大幅な抑制が可能となる。
また、上記説明では、結束バンド孔13を1つ設けているが、結束バンド孔13を2つ設けて2本の渡り線12をそれぞれ固定した場合でも同様の効果を得ることは言うまでもない。
また、上記説明では、インシュレータ1に突起6と突起7を1箇所ずつ設けた場合を例に挙げたが、それぞれ2箇所以上設けても同様の効果を得ることは言うまでもない。突起6と突起7の個数が同数でなくてもよい。
さらに、突起6、突起7の形状を図示したものに限定するものではなく、樹脂に対しての障壁として機能するような形状、具体的には渡り線12の樹脂表面からの露出を回避でき、渡り線12とステータコア8との接触を防ぐことが可能な形状であればよい。
図7は、本発明の実施の形態3に係る回転電機(以下回転電機60Bと称する)に用いるインシュレータ1Bを説明するための説明図である。図8は、回転電機60Bの固定子11の渡り線12の接続状態を説明するための説明図である。図9は、回転電機60Bの固定子11の構成を簡略的に示す平面図である。図10は、回転電機60Bの固定子11の渡り線12の這い回し状態を説明するための説明図である。図7〜図10に基づいて、回転電機60Bに用いるインシュレータ1Bについて説明する。
なお、インシュレータ1が、本発明の「第1インシュレータ」に相当する。
また、インシュレータ1Bが、本発明の「第2インシュレータ」に相当する。
インシュレータ1及びインシュレータ1Bを用意する。用意したインシュレータ1、インシュレータ1Bをステータコア8に装着する。具体的には、インシュレータ1、インシュレータ1Bの外壁4がステータコア8のバックヨーク部9に、インシュレータ1、インシュレータ1Bの内壁2が先端部10に、巻枠3がティース部50に、それぞれ位置するように、インシュレータ1、インシュレータ1Bをステータコア8に取り付けて装着する。そして、U相、V相、W相を構成するそれぞれのステータコア8の巻枠3に対して連続巻線にて巻線を施す。
また、上記説明では、インシュレータ1に突起6と突起7を1箇所ずつ設けた場合を例に挙げたが、それぞれ2箇所以上設けても同様の効果を得ることは言うまでもない。突起6と突起7の個数が同数でなくてもよい。
さらに、突起6、突起7の形状を図示したものに限定するものではなく、樹脂に対しての障壁として機能するような形状、具体的には渡り線12の樹脂表面からの露出を回避でき、渡り線12とステータコア8との接触を防ぐことが可能な形状であればよい。
Claims (13)
- ティース部を有する複数個のステータコアと、
前記ステータコアに装着されるインシュレータと、
前記インシュレータが装着された前記ステータコアのティース部に施される巻線と、
一端が前記巻線に結線される渡り線と、を有し、
前記インシュレータの外壁には、
外周方向へ突出させた第1突起と、
前記第1突起側に向けて開放された渡り線収納溝が形成された渡り線収納部と、
外周方向へ突出させた第2突起と、が設けられており、
前記渡り線を巻枠から中央立設部の切り欠きに這わし、高さ方向において、前記第1突起が一番上側に、前記第2突起が一番下側に、前記渡り線収納部が前記第1突起と前記第2突起との間に、それぞれ配置されている
ことを特徴とする回転電機の固定子。 - 前記第1突起及び前記第2突起のうち少なくとも1つの先端は、
テーパ面もしくは丸面を設けるような面取り加工がされている
ことを特徴とする請求項1に記載の回転電機の固定子。 - 前記第1突起及び前記第2突起を複数設けた
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の回転電機の固定子。 - 前記インシュレータは、
第1インシュレータと第2インシュレータとで構成されており、
前記第1インシュレータの外壁に、前記第1突起、前記渡り線収納部、及び、前記第2突起が形成されており、
前記第2インシュレータの外壁には、外周方向へ突出させた第3突起が形成されている
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の回転電機の固定子。 - ティース部を有する複数個のステータコアと、
前記ステータコアに装着されるインシュレータと、
前記インシュレータが装着された前記ステータコアのティース部に施される巻線と、
一端が前記巻線に結線される渡り線と、を有し、
前記インシュレータの外壁には、
前記渡り線を結束する結束部材が挿通される孔部と、
前記孔部側に向けて開放された渡り線収納溝が形成された渡り線収納部と、
外周方向へ突出させた突起と、が設けられており、
高さ方向において、前記孔部が一番上側に、前記突起が一番下側に、前記渡り線収納部が前記孔部と前記突起との間に、それぞれ配置されている
ことを特徴とする回転電機の固定子。 - 前記突起の先端は、
テーパ面もしくは丸面を設けるような面取り加工がされている
ことを特徴とする請求項5に記載の回転電機の固定子。 - 前記孔部及び前記突起を複数設けた
ことを特徴とする請求項5又は6に記載の回転電機の固定子。 - 前記インシュレータは、
第1インシュレータと第2インシュレータとで構成されており、
前記第1インシュレータの外壁に、前記孔部、前記渡り線収納部、及び、前記突起が形成されており、
前記第2インシュレータの外壁には、外周方向へ突出させた突起が形成されている
ことを特徴とする請求項5〜7のいずれか一項に記載の回転電機の固定子。 - 請求項1〜8のいずれか一項に記載の回転電機の固定子と、
回転子と、を備えた
ことを特徴とする回転電機。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の回転電機の固定子を備えた回転電機の製造方法であって、
前記巻線に結線される前記渡り線のうちの1本を前記インシュレータの内壁側に這い回し、
前記巻線に結線される前記渡り線のうちの残りの2本を前記インシュレータの外壁側の前記渡り線収納部の内側と前記第1突起の下側を通し、前記第2突起の内側を通るようにそれぞれ這い回し、
その後、樹脂でモールドする
ことを特徴とする回転電機の製造方法。 - 請求項5〜7のいずれか一項に記載の回転電機の固定子を備えた回転電機の製造方法であって、
前記巻線に結線される前記渡り線のうちの1本を前記インシュレータの内壁側に這い回し、
前記巻線に結線される前記渡り線のうちの残りの2本を前記インシュレータの外壁側の前記渡り線収納部の内側に通し、前記突起の内側を通るようにそれぞれ這い回し、
前記孔部に挿通された前記結束部材で前記渡り線収納部の内側に通した前記渡り線を結束し、
その後、樹脂でモールドする
ことを特徴とする回転電機の製造方法。 - 請求項4に記載の回転電機の固定子を備えた回転電機の製造方法であって、
離れた前記ステータコアの前記巻線に結線される前記渡り線のうちの1本を前記第1インシュレータの内壁側に這い回し、
前記巻線に結線される前記渡り線のうちの残りの2本を前記第1インシュレータの外壁側の前記渡り線収納部の内側と前記第1突起の下側を通し、前記第2突起の内側を通るようにそれぞれ這い回し、
隣り合う前記ステータコアの前記巻線の前記渡り線は前記第2インシュレータの突起の下側を通るように這い回し、
その後、樹脂でモールドする
ことを特徴とする回転電機の製造方法。 - 請求項8に記載の回転電機の固定子を備えた回転電機の製造方法であって、
離れた前記ステータコアの前記巻線に結線される前記渡り線のうちの1本を前記第1インシュレータの内壁側に這い回し、
前記巻線に結線される前記渡り線のうちの残りの2本を前記第1インシュレータの外壁側の前記渡り線収納部の内側に通し、前記突起の内側を通るようにそれぞれ這い回し、
前記孔部に挿通された前記結束部材で前記渡り線収納部の内側に通した前記渡り線を結束し、
隣り合う前記ステータコアの前記巻線の前記渡り線は前記第2インシュレータの突起の下側を通るように這い回し、
その後、樹脂でモールドする
ことを特徴とする回転電機の製造方法。
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