JP6053480B2 - 無機粒子を含むゴム成形体及びその製造方法 - Google Patents

無機粒子を含むゴム成形体及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、高い充填密度でかつ均一に分散された無機粒子を含むゴム成形体及びその製造方法に関する。
ゴム成形体に導電性、電磁波吸収性、放射線遮蔽性等を付与するために、金属や金属化合物で形成された無機粒子が分散されたゴム組成物が知られている。例えば、放射線遮蔽体では、薄く加工しても十分な放射線遮蔽能を有する放射線遮蔽体を得るために、放射線遮蔽能を有する無機粒子をゴムマトリックス中に高い充填密度で分散させる必要がある。
特開平8−110393号公報(特許文献1)には、放射線遮蔽体としてのパッキン材を形成するための放射線遮蔽ゴム材料として、酸化鉛粉末を分散させたゴム組成物が開示されている。この文献では、エチレンプロピレンゴム及びイソプレンゴムからなるゴムマトリックス100重量部に対して30〜100重量部の酸化鉛粉末が配合されている。
しかし、無機粒子が未加硫ゴムへの混練りによって配合されるゴム組成物では、無機粒子の割合が多くなると、混練りによる無機粒子間の加圧接触により未加硫ゴムが発熱し、それによって意図しない架橋反応が進行する現象がある。このような架橋反応は、無機粒子の均一な分散を阻害する要因となるため、ゴム組成物中の無機粒子の配合量を制限する必要がある。そのため、特許文献1では、酸化鉛粉末の配合量はゴムマトリックス100重量部に対して最大100重量部程度に限定されていると推定される。
特開平8−110393号公報(特許請求の範囲)
従って、本発明の目的は、無機粒子が高い充填密度でかつ均一に分散された無機粒子含有ゴム成形体及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、未加硫ゴム及び良溶媒の混合物に無機粒子を配合し、溶媒を除去して加硫すると、無機粒子が高い充填密度でかつ均一に分散された無機粒子含有ゴム成形体を製造できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の無機粒子含有ゴム成形体の製造方法は、未加硫ゴムを含む未加硫ゴム組成物、前記未加硫ゴムの良溶媒及び前記未加硫ゴム組成物100質量部に対して100質量部を超え3000質量部以下(特に1000〜3000質量部)の無機粒子を混合して粘稠組成物を調製する混合工程、前記粘稠組成物から良溶媒を除去して無機粒子含有未加硫ゴム組成物を調製する揮発工程、前記無機粒子含有未加硫ゴム組成物を加硫する加硫工程を含む。前記混合工程において、未加硫ゴム組成物を良溶媒に膨潤させた後、攪拌して未加硫ゴム組成物を良溶媒に溶解させて液状組成物を調製し、得られた液状組成物に無機粒子を添加して攪拌することにより粘稠組成物を調製してもよい。前記液状組成物の固形分濃度は10〜20質量%程度である。前記液状組成物のB型粘度計で測定した25℃の粘度は1〜100Pa・s程度であってもよい。前記無機粒子の比重は6〜20程度である。前記無機粒子の平均粒径は300μm以下であってもよい。前記無機粒子は金属を含んでいてもよい。前記無機粒子はビスマス粉末であってもよい。前記良溶媒は芳香族炭化水素であってもよい。前記未加硫ゴムはエチレン−α−オレフィンエラストマーであってもよい。前記揮発工程において、支持体上に粘稠組成物をキャストした後、良溶媒を揮発させてもよい。また、前記揮発工程において、良溶媒と相溶する未加硫ゴムの貧溶媒中に粘稠組成物を射出した後、良溶媒を揮発させてもよい。
本発明には、前記製造方法で得られた無機粒子含有ゴム成形体も含まれる。さらに、本発明には、90質量%以上の無機粒子を含み、かつ任意の3領域で測定した密度の最大値に対する最小値の割合が98%以上である無機粒子含有ゴム成形体も含まれる。
なお、本明細書では、未加硫ゴムの良溶媒とは、未加硫ゴムに対する溶解性の大きい溶媒(未加硫ゴムを溶解する溶媒)を意味し、貧溶媒とは、未加硫ゴムに対する溶解性の小さい溶媒(未加硫ゴムを溶解しない溶媒)を意味する。
本発明では、未加硫ゴム及び良溶媒の混合物に無機粒子を配合し、溶媒を除去して加硫することにより、無機粒子が高い充填密度でかつ均一に分散された無機粒子含有ゴム成形体を製造できる。詳しくは、従来の技術常識では想定されていなかった大量(未加硫ゴム組成物100質量部に対して1000質量部以上)の無機粒子あっても、ゴム成形体中に均一に分散できる。
[無機粒子含有ゴム成形体の製造方法]
本発明の無機粒子含有ゴム成形体の製造方法は、未加硫ゴムを含む未加硫ゴム組成物、前記未加硫ゴムの良溶媒及び前記未加硫ゴム組成物100質量部に対して100質量部を超え3000質量部以下の無機粒子を混合して粘稠組成物を調製する混合工程、前記粘稠組成物から良溶媒を除去して無機粒子含有未加硫ゴム組成物を調製する揮発工程、前記無機粒子含有未加硫ゴム組成物を加硫する加硫工程を含む。
(混合工程)
本発明では、混合工程において、未加硫ゴムの良溶媒を用いることにより、従来のように、未加硫ゴム組成物と無機粒子とを機械的に混練する方法に比べて、飛躍的に無機粒子の割合を増大できる。
(A)未加硫ゴム組成物
未加硫ゴムとしては、例えば、ジエン系ゴム(例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(ニトリルゴム)(NBR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、又はこれらのジエン系ゴムの水添物(水素化ニトリルゴム、水素化ニトリルゴムと不飽和カルボン酸金属塩との混合ポリマーなど)など)、オレフィン系ゴム[例えば、エチレン−α−オレフィン共重合体(エチレンプロピレンゴム(EPR)など)、エチレン−α−オレフィン−ジエン共重合体(エチレンプロピレン非共役ジエンゴム(EPDM)など)など]、アクリル系ゴム、フッ素ゴム、シリコーン系ゴム、ウレタン系ゴム、エピクロロヒドリンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、アルキルクロロスルホン化ポリエチレン(ACSM)、オレフィン−ビニルエステル共重合体(例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EAM)など)などが挙げられる。これらの未加硫ゴムは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
これらの未加硫ゴムのうち、大量の無機粒子を必要とする用途(例えば、放射線遮蔽材)では、耐候性や耐熱性が重視されることが多く、耐候性や耐熱性に優れるエチレン−α−オレフィンエラストマー(エチレン−α−オレフィン系ゴム)が好ましい。
エチレン−α−オレフィンエラストマー(エチレン−α−オレフィン系ゴム)としては、例えば、エチレン−α−オレフィンゴム、エチレン−α−オレフィン−ジエンゴムなどが挙げられる。
α−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、ブテン、ペンテン、メチルペンテン、ヘキセン、オクテンなどのα−C3−12オレフィン(特に鎖状オレフィン)などが挙げられる。α−オレフィンは、単独又は2種以上組み合わせて使用できる。これらのα−オレフィンのうち、プロピレンなどのα−C3−4オレフィン(特にプロピレン)が好ましい。
ジエンモノマーとしては、通常、非共役ジエン系単量体、例えば、ジシクロペンタジエン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、シクロオクタジエンなどが例示できる。これらのジエンモノマーは単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
代表的なエチレン−α−オレフィンエラストマーとしては、例えば、エチレン−α−オレフィンゴム(エチレン−プロピレンゴム(EPR))、エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム(エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDMなど))などが例示できる。好ましいエチレン−α−オレフィンエラストマーはEPDMである。
エチレン−α−オレフィンゴムにおいて、エチレンとα−オレフィンとの割合(質量比)は、前者/後者=40/60〜90/10、好ましくは45/55〜85/15、さらに好ましくは47/53〜80/20(特に50/50〜75/25)程度であってもよい。また、ジエンモノマーの割合は、モノマー全体に対して4〜15質量%(例えば、4.1〜14質量%)程度の範囲から選択でき、例えば、4.2〜13質量%、好ましくは4.3〜12質量%、さらに好ましくは4.4〜11.5質量%(特に4.5〜11質量%)程度であってもよい。
未加硫ゴム組成物は、未加硫ゴムに加えて、さらに加硫剤を含む。加硫剤としては、硫黄系加硫剤、有機過酸化物、アゾ化合物などが挙げられる。加硫剤は、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。加硫剤の割合は、例えば、未加硫ゴム100質量部に対して、0.01〜15質量部、好ましくは0.1〜10質量部、さらに好ましくは0.3〜5質量部(例えば、0.5〜3質量部)程度であってもよい。
未加硫ゴム組成物は、さらに慣用のゴム用添加剤、例えば、加硫促進剤、共加硫剤、充填剤、加硫助剤、架橋助剤、加硫遅延剤、滑剤、老化防止剤、着色剤、粘着付与剤、可塑剤、加工助剤、カップリング剤、安定剤、発泡剤、難燃剤、帯電防止剤、接着性成分などを含んでいてもよい。
未加硫ゴム組成物中における未加硫ゴムの割合は50質量%以上程度であり、例えば、50〜99質量%、好ましくは60〜95質量%、さらに好ましくは70〜90質量%(特に75〜85質量%)程度である。
未加硫ゴム組成物の調製方法は、特に限定されず、慣用の方法を利用でき、例えば、未加硫ゴム、顆粒剤及び他の添加剤をロール、ニーダー、バンバリーミキサーなどのゴム混練り装置を用いて混練りする方法などを利用できる。
(B)良溶媒
未加硫ゴムの良溶媒としては、未加硫ゴムを溶解できればよく、未加硫ゴムの種類に応じて適宜選択できる。良溶媒の選択は、例えば、両者の溶解度指数(SP値)を基準にして選択してもよい。例えば、未加硫ゴムのSP値との差(絶対値)が2以下、好ましくは1.5以下、さらに好ましくは1以下(特に0.5以下)の溶媒を選択してもよい。
汎用のゴムでは、極性の小さい溶媒(疎水性溶媒)が良溶媒となる傾向があり、具体的な良溶媒としては、例えば、ケトン類(メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなど)、エーテル類(ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランなど)、脂肪族炭化水素類(ペンタン、ヘキサン、オクタンなど)、脂環式炭化水素類(シクロヘキサンなど)、芳香族炭化水素類(トルエン、ベンゼン、キシレンなど)、ハロゲン化炭素類(ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、トリクロロエチレン、塩化ビニルなど)、エステル類(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチルなど)、アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)、ニトリル類(アセトニトリルなど)などが例示できる。これらの良溶媒は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
これらの良溶媒のうち、例えば、未加硫ゴムがエチレン−α−オレフィンエラストマーの場合、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭素が好ましく、トルエンやキシレンなどの芳香族炭化水素が特に好ましい。
(C)無機粒子
無機粒子としては、特に限定されないが、ゴム中に均一に分散できる点から、適度な比重を有する無機粒子が好ましい。無機粒子の比重は5以上(例えば、5〜20程度)であればよく、例えば、5〜19.5、好ましくは5.5〜15、さらに好ましくは6〜12(特に8〜10)程度である。比重が小さすぎると(特に6未満であると)、未加硫ゴムを含む液状組成物中で無機粒子が浮遊し易く、ゴム中に均一に分散させるのが困難となる。一方、比重が大きすぎると、前記液状組成物中で無機粒子が沈殿し易く、ゴム中に均一に分散させるのが困難となる。さらに、幅広い固形分濃度の液状組成物に対して無機粒子を分散でき、取り扱い性に優れる点から、無機粒子の比重は6以上(例えば、6〜20)であってもよく、例えば、7〜20、好ましくは8〜19.5、さらに好ましくは9〜15(特に9.5〜12)程度であってもよい。
無機粒子としては、特に限定されないが、導電性、電磁波吸収性、放射線遮蔽性に優れる点から、少なくとも金属を含む粒子(金属単体や金属化合物で形成された粒子)が好ましい。
具体的な金属としては、例えば、周期表第4族金属[ジルコニウム(比重6.5)、ハフニウム(比重13.3)]、第5族金属[バナジウム(比重6.1)、ニオブ(比重8.6)、タンタル(比重16.7)]、第6族金属[クロム(比重7.1)、モリブデン(比重10.3)、タングステン(比重19.3)]、第8族金属[鉄(比重7.9)、ルテニウム(比重12.4)]、第9族金属[コバルト(比重8.9)、ロジウム(比重12.4)]、第10族金属[ニッケル(比重8.9)、パラジウム(比重12.0)]、第11族金属[銅(比重8.9)、銀(比重10.5)、金(比重19.3)]、第12族金属[亜鉛(比重7.1)、カドミウム(比重7.3)]、第13族金属[インジウム(比重7.3)、タリウム(比重11.9)]、第14族金属[スズ(比重7.3)、鉛(比重11.3)]、第15族金属[アンチモン(比重6.7)、ビスマス(比重9.8)]などが挙げられる。さらに、これらの金属の合金であってもよく、前記比重の範囲内で、これらの金属と他の金属とを組み合わせた合金(例えば、鋼、ステンレス)であってもよい。これらの金属は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
金属化合物としては、例えば、金属酸化物[酸化スズ(比重7.0)、酸化タングステン(比重7.2)、酸化ビスマス(比重8.9)、酸化鉛(比重9.5)]などが挙げられる。
これらの金属のうち、ビスマス、鉄、アンチモン、タングステンなどの金属粉末が好ましく、原子量及び比重のいずれも大きく、放射線遮蔽性に優れる上に、毒性がなく、環境負荷が小さい点から、放射線遮蔽材に用いる場合は、ビスマスが特に好ましい。
無機粒子の形状は、特に限定されず、球状、楕円体状、多角体形(多角錘状、正方体状、直方体状など)、板状又は鱗片状、棒状、繊維状、不定形状などが挙げられる。これらのうち、均一に分散し易い点から、等方形状(略球状、多角体状、不定形状など)が好ましい。
無機粒子の平均粒径(異方形状の場合、長径と短径との平均値に基づく平均粒径)は、300μm以下であってもよく、例えば、10〜250μm(例えば、30〜250μm)、好ましくは20〜200μm、さらに好ましくは30〜100μm(特に40〜80μm)程度である。粒径が小さすぎると、均一に分散させるのが困難となり、大きすぎると、ゴムの機械的特性が低下する。なお、本明細書では、平均粒径は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて測定できる。
無機粒子(特に金属粉末)の割合は、未加硫ゴム組成物100質量部に対して100質量部を超え3000質量部以下の範囲から選択できるが、本発明の方法では、従来の技術常識では想定されていなかった大量の無機粒子(特に金属粉末)をゴム成形体に均一に分散でき、例えば、1000〜3000質量部、好ましくは1000〜2500質量部、さらに好ましくは1000〜2000質量部(特に1200〜2000質量部)程度であってもよい。無機粒子の割合が多すぎると、ゴム成形体の可撓性が低下し、ゴム成形体の成形自体が困難になる。
(D)未加硫ゴム組成物及び良溶媒を含む液状組成物の調製
本発明では、混合工程で未加硫ゴムの良溶媒を用いることにより、無機粒子の含有割合を増大できるが、無機粒子の分散性を向上させるために、無機粒子を添加する前に、未加硫ゴム組成物及び良溶媒を含む液状組成物を調製するのが好ましい。
液状組成物の調製方法としては、未加硫ゴム組成物と良溶媒とを攪拌してもよいが、未加硫ゴム組成物が塊状で残存して無機粒子の分散性を低下するのを抑制できる点から、攪拌処理の前に、未加硫ゴム組成物を良溶媒で膨潤又は溶解させるのが好ましい。未加硫ゴム組成物の膨潤(溶解)方法としては、未加硫ゴム組成物と良溶媒とを接触させて放置し、未加硫ゴム組成物中に良溶媒を浸透させる方法であればよく、例えば、容器に未加硫ゴム組成物と良溶媒とを投入し(良溶媒中に未加硫ゴム組成物を浸漬し)、放置する方法を利用できる。
浸漬温度は、例えば、5〜50℃、好ましくは10〜45℃、さらに好ましくは15〜40℃(特に20〜35℃)程度であればよく、通常、室温(20〜30℃程度)である。浸漬時間は、室温の場合、例えば、5時間以上であってもよく、好ましくは6〜24時間、さらに好ましくは7〜20時間(特に8〜10時間)程度であってもよい。浸漬時間が短すぎると、未加硫ゴム組成物中への良溶媒の浸透が不十分で、未加硫ゴムを十分に溶解できず、攪拌処理しても未加硫ゴム組成物の塊状物が残存し、無機粒子の分散性が低下し易い。
良溶媒で膨潤させた未加硫ゴム組成物は、攪拌することにより良溶媒中で十分に溶解させるのが好ましい。攪拌方法としては、慣用の攪拌手段、例えば、機械的攪拌手段(攪拌棒、攪拌子など)、超音波分散機などが利用できる。これらの攪拌手段のうち、簡便に均一に攪拌できる点から、攪拌子として回転羽根を有するミキサー(撹拌機)が好ましい。このようなミキサーとしては、例えば、ホモミキサー、ホモディスパー、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、リボンミキサー、V型ミキサーなどの慣用のミキサーなどが挙げられる。回転羽根の形状は、特に限定されず、例えば、プロペラ形、かい形、タービン形などが利用できる。回転羽根(特にプロペラ形)の回転数は、例えば、1〜1000rpm程度範囲から選択でき、例えば、3〜500rpm、好ましくは5〜300rpm、さらに好ましくは10〜200rpm(特に30〜100rpm)程度であってもよい。攪拌時間(特にプロペラ形での攪拌時間)は1時間以上であってもよく、例えば、2〜24時間、好ましくは3〜18時間、さらに好ましくは4〜15時間(特に5〜10時間)程度であってもよい。
液状組成物の固形分濃度は5〜30質量%程度の範囲から選択でき、例えば、6〜25質量%、好ましくは8〜23質量%、さらに好ましくは10〜20質量%(特に10〜15質量%)程度である。固形分濃度が小さすぎると、組成物の粘度が小さくなりすぎるため、無機粒子が沈殿し易く、均一な分散が困難となる。一方、大きすぎると、組成物の粘度が大きくなりすぎるため、攪拌混合が困難となり、無機粒子を均一に分散するのが困難となる。
液状組成物の粘度は、例えば、25℃において、0.1〜200Pa・s程度の範囲から選択でき、例えば、0.5〜150Pa・s、好ましくは1〜100Pa・s、さらに好ましくは1.2〜50Pa・s(特に1.5〜10Pa・s)程度であってもよい。なお、この粘度は、B型粘度計を用いて測定される値である。
(E)無機粒子の添加
得られた液状組成物は、未加硫ゴム組成物が良溶媒に溶解しているため、多量の無機粒子であっても、慣用の方法で添加して攪拌することにより、無機粒子が均一に分散した粘稠組成物を調製できる。攪拌方法としては、機械的攪拌手段の他、ステンレス製のヘラや攪拌棒を用いた手動の攪拌手段であってもよい。液状組成物は未加硫ゴムが良溶媒中に十分に溶解しているため、手動の攪拌又は機械的攪拌手段(例えば、プロペラ式攪拌機で回転数60rpmの攪拌)でも、例えば、5分以上、好ましくは10分以上、さらに好ましくは15分以上の攪拌時間で十分に液状組成物中に無機粒子を均一に分散できる。なお、本発明の方法では、15分程度の手動による攪拌で液状組成物中に均一に無機粒子を分散できるが、良溶媒の一部は攪拌中に揮発するため、攪拌時間を15分以上に調整することにより、揮発工程の前に良溶媒の一部を揮発させて粘稠組成物の粘度を調整してもよい。
(揮発工程)
揮発工程では、得られた粘稠組成物から良溶媒を除去して、加硫工程に供するための無機粒子含有未加硫ゴム組成物を調製する。良溶媒を揮発する方法は、特に限定されず、自然乾燥や加熱により良溶媒を揮発できればよいが、簡便な方法で、無機粒子の均一な分散性を損なうことなく、良溶媒を揮発できる点から、支持体上に粘稠組成物をキャストした後、良溶媒を揮発させるキャスト法、良溶媒と相溶する未加硫ゴムの貧溶媒中に粘稠組成物を射出した後、良溶媒を揮発させる射出法が好ましい。揮発方法を選択する目安としては、良溶媒の揮発性が高い場合にキャスト法を選択し、良溶媒の揮発性が低い場合には射出法を選択してもよい。具体的には、良溶媒の飽和蒸気圧(室温)が10kPaを超える場合、キャスト法を選択するのが好ましく、良溶媒の飽和蒸気圧(室温)が1kPa未満の場合、射出法を選択するのが好ましい。また、良溶媒の飽和蒸気圧(室温)が1〜10kPaである場合、キャスト法、射出法のいずれの方法も好ましく利用できる。
キャスト法において、支持体の上に粘稠組成物をキャストする方法としては、例えば、ステンレス製のヘラなどを用いて、支持体の上に薄く拡げる方法などを利用できる。粘稠組成物の厚みは、乾燥厚みが、例えば、0.01〜1mm、好ましくは0.02〜0.5mm、さらに好ましくは0.03〜0.3mm(特に0.05〜0.1mm)程度となる厚みであってもよい。良溶媒の揮発方法としては、特に限定されず、自然乾燥させる方法であってもよく、30〜90℃(特に35〜85℃)程度の温度で加熱する方法であってもよい。通常、オーブンなどを用いて加熱することにより容易に揮発できる。良溶媒の揮発状態は、目視及びフィルム状無機粒子含有未加硫ゴム組成物に触れた際に溶媒の付着がないことを触感により確認できる。得られたフィルム状無機粒子含有未加硫ゴム組成物は、支持体から剥離され、次の加硫工程に供されるが、スクレーパーなどを用いて支持体から剥離してもよい。
射出法において、貧溶媒中に粘稠組成物を射出する方法としては、例えば、粘稠組成物を充填した射出口付き容器と、貧溶媒を充填した吸引用容器とを射出口を介して連通するように気密状態で装着し、吸引容器を減圧にすることにより、射出口を介して粘稠組成物を貧溶媒中に射出し、糸状の無機粒子含有未加硫ゴム組成物を沈殿させる方法などを利用できる。特に、射出口付き容器と吸引容器とを吸引瓶の口に射出口付き容器を気密状態で装着した後、吸引瓶にアスピレータを接続し、アスピレータを作動させて吸引瓶内を減圧してもよい。射出口の口径は、例えば、0.1〜5mm、好ましくは0.3〜3mm、さらに好ましくは0.5〜2mm(特に0.6〜1mm)程度であってもよい。
未加硫ゴムの貧溶媒としては、未加硫ゴムに対して溶解性が小さい溶媒であれば、特に限定されず、例えば、極性の大きい溶媒が貧溶媒となる傾向があり、具体的な貧溶媒としては、例えば、水、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール、シクロヘキサノールなど)、ケトン類(アセトンなど)、セロソルブ類(メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテルなど)、カルビトール類(カルビトール、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテルなど)、セロソルブアセテート類、スルホキシド類(ジメチルスルホキシドなど)などが挙げられる。これらの貧溶媒のうち、良溶媒との相溶性にも優れる点から、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類が好ましい。
沈殿した糸状無機粒子含有未加硫ゴム組成物は、吸引瓶から溶媒を排出した後、ピンセットなどの把持具を用いて回収してもよい。回収した糸状無機粒子含有未加硫ゴム組成物に含まれる溶媒を揮発する方法としては、特に限定されず、自然乾燥させる方法であってもよく、30〜90℃(特に35〜85℃)程度の温度で加熱する方法であってもよい。通常、オーブンなどを用いて加熱する方法が用いられる。
(加硫工程)
加硫工程では、揮発工程で得られた金属分散未加硫ゴム配合物を慣用の方法で加硫することにより、加硫ゴム成形体が得られる。
キャスト法又は射出法で得られたフィルム状又は糸状金属分散未加硫ゴム組成物は、未加硫ゴムの種類に応じて、例えば、温度120〜200℃(特に150〜180℃)程度で加硫してもよく、未加硫ゴムがエチレン−α−オレフィンエラストマーの場合、温度160〜180℃(特に165℃〜175℃)程度で加熱して加硫してもよい。加硫処理は、加圧下で行ってもよく、例えば、金属分散未加硫ゴム配合物をプレス金型に投入し、例えば、10〜30MPa(特に15〜20MPa)程度の圧力で加圧してもよい。加硫時間は、例えば、5〜40分(特に10〜30分)程度であってもよい。
フィルム状又は糸状金属分散未加硫ゴム組成物は、所望の成形体厚さ(例えば、1〜10mm程度)に応じて、プレス金型などに投入すればよく、例えば、フィルム状金属分散未加硫ゴム組成物は、複数枚積層して加硫してもよい。
[加硫ゴム成形体]
前記製造方法で得られた加硫ゴム成形体は、無機粒子を高い充填密度で均一に分散された形態で含んでいる。無機粒子(特に金属粉末)の含有量は50質量%を超えており、例えば、80質量%以上(例えば、80〜99質量%)、好ましくは85質量%以上(例えば、85〜98質量%)、さらに好ましくは90質量%以上(例えば、90〜97質量%)程度であってもよい。
本発明の加硫ゴム成形体は、前記多量の無機粒子を含有しているにも拘わらず、ゴム中で無機粒子が均一に分散している。そのため、本発明の加硫ゴム成形体の密度分布も均一であり、任意の3領域で測定した密度の最大値に対する最小値の割合が90%以上であり、例えば、90〜99.9%、好ましくは93〜99.8%、さらに好ましくは95〜99.7%程度である。特に、本発明では、比重6〜10の無機粒子を用いる方法などにより、密度分布の均一性を98%以上に向上することもでき、例えば、98〜99.9%、好ましくは98.5〜99.8%、さらに好ましくは99〜99.7%程度であってもよい。本明細書では、任意の3領域としては、例えば、長手方向に3等分した各領域の略中央部の2cmの領域を測定する。
本発明の加硫ゴム成形体は、用途に応じて所望の形状に成形できるが、多量の無機粒子が均一に分散されているため、薄肉のシートでも無機粒子の効果を十分に発現できる。そのため、シート状加硫ゴム成形体の厚みは、薄肉であってもよく、例えば、0.3〜30mm、好ましくは0.5〜20mm、さらに好ましくは1〜10mm程度であってもよい。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。以下の例において、各物性における測定方法又は評価方法、実施例に用いた原料を以下に示す。なお、特にことわりのない限り、「部」及び「%」は質量基準である。
[未加硫ゴム組成物の評価]
未加硫ゴム組成物について、実施例1に記載の方法で、溶液に対して金属粉末を添加したときの分散性について目視で以下の基準で評価するとともに、分散性が良好な金属粉末含有未加硫ゴム組成物について、実施例1に記載の方法で、キャスト法で成形したときの成形性を以下の基準で評価した。
○:分散性良好、成形性良好
△:分散性良好、成形性不良
×:分散性不良。
[未加硫ゴム組成物溶液の粘度]
粘度は、B型粘度計を用いて、ロータM4を使用し、回転数100rpmの回転数で、25℃における見かけ粘度として測定した。
[加硫ゴム成形体の密度]
100mm×100mm×厚さ4mmの加硫ゴム成形体の任意の3つの領域の略中央部から20mm×10mm×厚さ4mmの部位を抜き取り、比重測定用試料とした。比重計((株)島津製作所製「AUW220D」)を用いて、JIS K6268に準じて各試料の密度を測定した。
[原料]
EPDMポリマー:住友化学(株)製「エスプレン5527F」
カーボンブラック:東海カーボン(株)製「シースト6」
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製「ノクラックMB」
架橋促進剤A:大内新興化学工業(株)製「ノクセラーCZ−G」
架橋促進剤B:大内新興化学工業(株)製「ノクセラーTT−P」
(金属粉末含有未加硫ゴム組成物の調製)
表1に示す組成の未加硫ゴム組成物を4.7g、10g、22.5g、30g秤量し、それぞれ104mlのトルエンに8時間浸漬後、プロペラ式撹拌機(東京理化器械(株)製「マゼラNZ−1100」)を用いて回転数50rpmで8時間撹拌することにより、それぞれ5%、10%、20%、25%濃度の未加硫ゴム組成物溶液を得た。
Figure 0006053480
さらに、得られた未加硫ゴム組成物溶液に対して、表2に示す各量の金属粉体を混合して、ステンレス製のヘラを用いて15分間撹拌混合することにより、粘稠な組成物を作製し、未加硫ゴム組成物を評価した結果も表2に示す。
Figure 0006053480
表2の結果から明らかなように、固形分濃度10%の未加硫ゴム組成物溶液が最も分散性及び成形性に優れていたため、以下の実験において、固形分濃度10%に焦点を絞り、加硫成形体における金属粉末の分散性(密度分布)を評価した。
実施例1〜3(キャスト法)
表1に示す組成の未加硫ゴム組成物10gを、その固形分濃度が10%となるように104mlのトルエンに8時間浸漬後、プロペラ式撹拌機(東京理化器械(株)製「マゼラNZ−1100」)を用いて、回転数50rpmで8時間撹拌し、さらに表3に示す各量のビスマス粉末(三井金属鉱業(株)製「アトマイズビスマス粉MA−BIC」、平均粒径45μm)を混合してステンレス製のヘラを用いて15分間撹拌混合することにより、粘稠な組成物を調整した。
得られた粘稠な組成物をステンレス製のヘラを用いて300mm×300mmのガラス板上に塗布し、250mm×250mm×膜厚0.06mmのフィルム状ビスマス分散未加硫ゴム組成物を形成した。40℃のオーブンで10分間加熱してトルエンの揮発を確認した後、スクレーパーを用いてフィルム状ビスマス粉末含有未加硫ゴム組成物をガラス板から剥離した。
得られたフィルム状ビスマス粉末含有未加硫ゴム組成物を20枚作製し、すべてのフィルム状ビスマス粉末含有未加硫ゴム組成物をプレス金型(キャビティ部サイズ:100mm×100mm)に投入した。温度170℃、圧力18MPaの条件で25分間加熱加圧してビスマス粉末含有未加硫ゴム組成物を加硫し、100mm×100mm×厚さ4mmのビスマス粉末含有ゴム成形体を得た。
実施例4〜6(射出法)
実施例1と同様にして粘稠な組成物を作製した。容量1000ml、口径33mmの吸引瓶に1000mlのエタノールを入れ、その吸引口にゴム管を介してアスピレータを接続した。一方、口径0.8mmの射出口を有する容量180mlの射出口付容器に、粘稠な組成物を入れた。吸引瓶の口に射出口付容器を気密状態で接続し、アスピレータを作動させて、粘稠な組成物をエタノール中に射出し、糸状のビスマス粉末含有未加硫ゴム組成物をエタノール中に沈殿させた。吸引瓶からエタノールを排出し、ピンセットを用いてビスマス粉末含有未加硫ゴム組成物を回収した。得られたビスマス粉末含有未加硫ゴム組成物を4回分作製し、すべてのビスマス粉末含有未加硫ゴム組成物を40℃のオーブンで2時間乾燥後、実施例1と同じプレス金型に投入した。温度170℃、圧力18Mpaの条件で25分間加熱加圧してビスマス粉末含有未加硫ゴム組成物を加硫し、100mm×100mm×厚さ4mmのビスマス粉末含有ゴム成形体を得た。
実施例7(キャスト法)
ビスマス粉末の代わりに鉄粉末(パウダーテック(株)製「RSグレード」、平均粒径:75μm)を用いた以外は実施例1と同様にして鉄粉末含有ゴム成形体を作製した。
実施例8(キャスト法)
ビスマス粉末の代わりにアンチモン粉末(日本精鉱(株)製「METAL−P」、平均粒径:250μm)を用いた以外は実施例1と同様にしてアンチモン粉末含有ゴム成形体を作製した。
実施例9(キャスト法)
未加硫ゴム組成物の固形分濃度を10%から20%に変更した以外は実施例2と同様にしてビスマス粉末含有ゴム成形体を作製した。
実施例10(キャスト法)
ビスマス粉末の代わりにタングステン粉末(日本タングステン(株)製「タングステン粉」、平均粒径:10μm)を用いた以外は実施例1と同様にしてタングステン粉末含有ゴム成形体を作製した。
実施例11(キャスト法)
ビスマス粉末の代わりにタングステン粉末(日本タングステン(株)製「タングステン粉」、平均粒径:10μm)を用いた以外は実施例2と同様にしてタングステン粉末含有ゴム成形体を作製した。
得られた各金属粉末含有ゴム成形体について、任意の3ヶ所の密度(D1〜D3)を測定した結果を表3に示す。なお、表3中における各金属粉末の割合は、未加硫ゴム組成物100部に対する割合である。
Figure 0006053480
表3の結果から明らかなように、各実施例において、ゴム中に金属粉末が均一に分散されていることが確認できた。なお、実施例1〜9の成形体は、実施例10及び11の成形体よりも密度の均一性が向上しているが、その理由は、実施例1〜9の金属粉末の比重が実施例10及び11よりも小さく、適度な範囲にあるため、液状組成物中で金属粉末が沈殿することなく、均一に分散するためであると推定できる。
本発明の製造方法で得られた無機粒子含有ゴム成形体は、多量の無機粒子(特に金属粉末)が均一に分散されているため、導電性、電磁波吸収性、放射線遮蔽性を要求される用途に使用でき、薄肉であっても、高い放射線遮蔽性を実現できるため、放射線遮蔽材として有用である。

Claims (12)

  1. 未加硫ゴムを含む未加硫ゴム組成物、前記未加硫ゴムの良溶媒及び前記未加硫ゴム組成物に対して無機粒子を混合して粘稠組成物を調製する混合工程、前記粘稠組成物から良溶媒を除去して無機粒子含有未加硫ゴム組成物を調製する揮発工程、前記無機粒子含有未加硫ゴム組成物を加硫する加硫工程を含む無機粒子含有ゴム成形体の製造方法であって、前記混合工程において、未加硫ゴム組成物を良溶媒に溶解させて、固形分濃度10〜20質量%の液状組成物を調製し、この液状組成物に、比重6以上の無機粒子を前記未加硫ゴム組成物100質量部に対して1000〜3000質量部の割合で添加して粘稠組成物を調製する、無機粒子含有ゴム成形体の製造方法
  2. 混合工程において、未加硫ゴム組成物を良溶媒に膨潤させた後、攪拌して未加硫ゴム組成物を良溶媒に溶解させて液状組成物を調製し、得られた液状組成物に無機粒子を添加して攪拌することにより粘稠組成物を調製する請求項1記載の製造方法。
  3. 液状組成物のB型粘度計で測定した25℃の粘度が1〜100Pa・sである請求項1又は2記載の製造方法。
  4. 無機粒子の比重が6〜20である請求項1〜のいずれかに記載の製造方法。
  5. 無機粒子が金属を含む請求項1〜のいずれかに記載の製造方法。
  6. 無機粒子がビスマス粉末である請求項1〜のいずれかに記載の製造方法。
  7. 良溶媒が芳香族炭化水素である請求項1〜のいずれかに記載の製造方法。
  8. 無機粒子の平均粒径が300μm以下である請求項1〜のいずれかに記載の製造方法。
  9. 未加硫ゴムがエチレン−α−オレフィンエラストマーである請求項1〜のいずれかに記載の製造方法。
  10. 揮発工程において、支持体上に粘稠組成物をキャストした後、良溶媒を揮発させる請求項1〜のいずれかに記載の製造方法。
  11. 揮発工程において、良溶媒と相溶する未加硫ゴムの貧溶媒中に粘稠組成物を射出した後、良溶媒を揮発させる請求項1〜10のいずれかに記載の製造方法。
  12. 90質量%以上の無機粒子を含み、かつ任意の3領域で測定した密度の最大値に対する最小値の割合が98%以上である無機粒子含有ゴム成形体を製造する請求項1〜11のいずれかに記載の製造方法
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