JP6053444B2 - 金属酸化物ナノ粒子分散液の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、表面改質された金属酸化物ナノ粒子分散液の製造方法に関する。
金属酸化物粒子は、その特徴的な化学的、物理的特性から、顔料、紫外線吸収剤、触媒、光触媒、触媒担体、吸着剤、脱臭剤、バイオリアクター、充填剤、化粧品、コート剤、帯電防止剤、防菌剤、防汚剤、光学材料、電子・電気材料、光電変換材料等の多種多様な材料に用いられている。こうした中、無機化合物粒子を分散した複合材料への関心が集まっている。しかし、一般的な無機化合物粒子は、粒子表面の水酸基の存在により親水性を有しており、有機媒体中では粒子同士が凝集し易く分散安定性が極めて悪い。
以下の特許文献1には、SiH基を少なくとも2個有する化合物(A)を無機化合物微粒子と反応させ、そのときに残留するSiH基に下記一般式(I):
(CH=CH)Si(CH (I)
で表される構成単位を有する化合物(B)を更に反応させて得られうる表面改質された金属酸化物分散液を記載している。
また、以下の特許文献2には、ビーズを利用する湿式粉砕機を用いてナノ粒子の凝集粉体からナノ粒子分散体を製造する方法において、ビーズの平均粒子径が異なるn個{ここで、nは2以上の整数である。}の湿式粉砕工程を含み、[k−1]番目{ここで、2≦k≦nである。}の工程で用いるビーズの平均粒子径が[k]番目の工程で用いるビーズの平均粒子径よりも大きいことを特徴とする表面改質された金属酸化物分散液を記載している。
特開2010−90007号公報 特開2010−46630号公報
しかしながら、特許文献1では乾燥された酸化チタンを表面改質し、シリコーン樹脂への分散性を改良しているが、酸化チタンは2次凝集しており、分散液は懸濁し透明性は著しく低い。
また、特許文献2では、アルコキシシランを用いてビーズミル法により酸化チタンの分散液の製造方法を記載しているが、アルコキシシランでは表面改質速度が遅く、さらに酸化チタンを改質しない自己縮合体が生成してしまい、ナノ粒子間を結合してしまい凝集しやすくなるため、分散液の透明性が低下する。
かかる従来技術に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、有機物・シリコーン樹脂に対して分散性・透明性に優れた金属酸化物分散液の製造方法を提供することである。
前記課題を解決すべく、本願発明者らは鋭意検討し、実験を重ねた結果、以下の解決手段により上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下のとおりのものである。
[1]下記一般式(1):
―SiR (3−n) (1)
{式中、Rは、置換若しくは非置換の飽和若しくは不飽和のアルキル基、アルコキシ基、メタクリル基、アクリル基、シクロアルキル基、アリール基、有機シリル基又は有機シロキシ基を示し、Rは、置換若しくは非置換の飽和アルキル基を示し、そしてnは1〜3の整数である。}で表される表面修飾剤(A)と、表面にTiOH基を持つ金属酸化物(B)とをビーズミル法により液状媒体中に分散させる工程を含む、金属酸化物ナノ粒子分散液の製造方法。
[2]前記表面修飾剤(A)が、下記一般式(2):
Figure 0006053444
{式中、Rは、置換若しくは非置換の飽和アルキル基を示し、Rは、それぞれ独立に、水素原子、又は置換若しくは非置換のC1〜C8の飽和アルキル基を示し、Rは、それぞれ独立に、置換若しくは非置換の飽和若しくは不飽和のアルキル基、アルコキシ基、アリール基、有機シリル基又は有機シロキシ基を示し、nは1〜3の整数であり、そしてbは0〜10の整数である。}で表される構造を持つ、前記[1]に記載の方法。
[3]前記一般式(1)中、nが2又は3である、前記[1]に記載の方法。
[4]前記一般式(2)中、nが2又は3である、前記[2]に記載の方法。
[5]前記金属酸化物(B)がチタン酸バリウムである、前記[1]〜[4]のいずれかに記載の方法。
[6]前記金属酸化物(B)の平均一次粒子径が1〜60nmである、前記[1]〜[5]のいずれかに記載の方法。
[7]前記液体媒体が有機物又はオルガノシロキサン化合物である、前記[1]〜[6]のいずれかに記載の方法。
[8]前記液体媒体を、より高沸点の有機物で溶剤交換する工程をさらに含む、前記[1]〜[7]のいずれかに記載の方法。
[9]前記のより高沸点の有機物がオルガノシロキサン化合物である、前記[8]に記載の方法。
本発明によれば、粒子表面での改質反応が制御されており、有機媒体・シリコーン樹脂への分散性に優れ、高い透明性を有する表面改質された金属酸化物粒子分散液を得ることができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」と略記する。)について詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本実施形態は、下記一般式(1):
―SiR (3−n) (1)
{式中、Rは、置換若しくは非置換の飽和若しくは不飽和のアルキル基、アルコキシ基、メタクリル基、アクリル基、シクロアルキル基、アリール基、有機シリル基又は有機シロキシ基を示し、Rは、置換若しくは非置換の飽和アルキル基を示し、そしてnは1〜3の整数である。}で表される表面修飾剤(A)(本開示において、「表面修飾剤(A)」ともいう。)と、
表面にTiOH基を持つ金属酸化物(B)(本開示において、「金属酸化物(B)」ともいう。)とをビーズミル法により液状媒体中に分散させる工程を含む、金属酸化物ナノ粒子分散液の製造方法である。
本実施形態は、表面修飾剤(A)のケイ素原子に直接結合した水素原子と金属酸化物(B)のTiOHの脱水素反応による表面修飾反応を特徴とし、従来のアルコキシシラン系カップリング剤による表面修飾法に比べ修飾剤同士の自己縮合がなく、金属酸化物表面に対して選択的に反応するため、金属酸化物に対して単層的に表面を改質でき、金属酸化物同士の架橋反応を伴わずに表面修飾が可能である。
本実施形態の表面修飾剤(A)は、下記一般式(1)で表される化合物である。
―SiR (3−n) (1)
{式中、Rは、置換若しくは非置換の飽和若しくは不飽和のアルキル基、アルコキシ基、メタクリル基、アクリル基、シクロアルキル基、アリール基、有機シリル基又は有機シロキシ基を示し、Rは、置換若しくは非置換の飽和アルキル基を示し、そしてnは1〜3の整数である。}。
一般式(1)中にある複数のRは、それぞれ、同一でも異なっていてもよい。
としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基等の、C20までのアルキル基;フェニル基等のアリール基;ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘキセニルエチル基、ノルボルネニルエチル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、スチレニル基メタクリル基、アクリル基、メタクリロプロピル基、アクリロプロピル基等のアルケニル基;メトキシ基、エトキシ基、ノルマルプロポキシ基、イソプロポキシ基等のアルコキシ基;γ‐グリシドキシプロピル基、β‐(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基等のエポキシ基置換炭化水素基;水酸基;下記一般式(3):
Si− (3)
{式中、Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基等の、C20までのアルキル基、フェニル基等のアリール基、ビニル基又はアリル基であり、複数のRは、それぞれ、同じであってもよく、異なっていてもよい。}で表される有機シリル基;下記一般式(4):
Figure 0006053444
{式中、Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基等のC20までのアルキル基、フェニル基等のアリール基、ビニル基、アリル基、トリメチルシロキシ基、ジメチルフェニルシロキシ基、メチルジフェニルシロキシ基又はトリフェニルシロキシ基であり、複数のRは、それぞれ、同じであってもよく、異なっていてもよく、そしてcは、1〜20の整数である。}で表される有機シロキシ基;等が挙げられ、入手性の点から、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基等の、C20までのアルキル基;フェニル基、ビニル基、アリル基、メトキシ基、エトキシ基、アクリル基、メタクリロプロピル基、アクリロプロピル基、トリメチルシリル基、トリメチルシロキシ基、ジメチルフェニルシロキシ基、メチルジフェニルシロキシ基、トリフェニルシロキシ基であることが好ましい。
としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基等の、C20までのアルキル基が挙げられ、ハイドロジェンシランと金属酸化物表面の水酸基との反応性が高い点から、メチル基であることが好ましい。
金属酸化物表面に強塩基性を示すアルカリ土類金属由来の表面水酸基を有する金属酸化物では、表面修飾剤(A)は、分解抑制の観点から、下記一般式(2):
Figure 0006053444
{式中、Rは、置換若しくは非置換の飽和アルキル基を示し、Rは、水素原子、置換若しくは非置換のC1〜C8の飽和アルキル基を示し、Rは、置換若しくは非置換の飽和若しくは不飽和のアルキル基、アルコキシ基、アリール基、有機シリル基又は有機シロキシ基を示し、nは1〜3の整数であり、そしてbは0〜10の整数である。}で表される化合物であることが好ましい。
一般式(2)中にある複数のR、R、Rは、それぞれ、同一でも異なっていてもよい。
としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基等の、C20までのアルキル基であり、ハイドロジェンシランと金属酸化物表面の水酸基との反応性が高い点から、メチル基が好ましい。
としては、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基等の、C20までのアルキル基であり、ハイロジェンシランと金属酸化物表面の水酸基との反応性が高い点から、メチル基が好ましい。修飾剤の入手性の点から水素原子、もしくはメチル基であることが好ましい。
としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基等の、C20までのアルキル基;フェニル基等のアリール基;ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘキセニルエチル基、ノルボルネニルエチル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、スチレニル基メタクリル基、アクリル基、メタクリロプロピル基、アクリロプロピル基等のアルケニル基;メトキシ基、エトキシ基、ノルマルプロポキシ基、イソプロポキシ基等のアルコキシ基;γ‐グリシドキシプロピル基、β‐(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基等のエポキシ基置換炭化水素基;水酸基;下記一般式(3):
Si− (3)
{式中、Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基等の、C20までのアルキル基、フェニル基等のアリール基、ビニル基又はアリル基であり、複数のRは、それぞれ、同じであってもよく、異なっていてもよい。}で表される有機シリル基;下記一般式(4):
Figure 0006053444
{式中、Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基等のC20までのアルキル基、フェニル基等のアリール基、ビニル基、アリル基、トリメチルシロキシ基、ジメチルフェニルシロキシ基、メチルジフェニルシロキシ基又はトリフェニルシロキシ基であり、複数のRは、それぞれ、同じであってもよく、異なっていてもよく、そしてcは、1〜20の整数である。}で表される有機シロキシ基;等が挙げられ、入手性の点から、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基等の、C20までのアルキル基;フェニル基、ビニル基、アリル基、メトキシ基、エトキシ基、アクリル基、メタクリロプロピル基、アクリロプロピル基、トリメチルシリル基、トリメチルシロキシ基、ジメチルフェニルシロキシ基、メチルジフェニルシロキシ基、トリフェニルシロキシ基であることが好ましい。
一般式(2)において、bは1〜10であることが好ましく、1〜4であることがより好ましく、1〜3であることがさらに好ましい。修飾剤の分解抑制性の観点から1以上であることが好ましく、入手性の点から10以下であることが好ましい。
一般式(2)において、nは1〜3であり、nは2〜3であることが好ましく、3であることがより好ましい。金属酸化物表面水酸基との反応性の点から、nは1以上であることが好ましい。
本実施形態の表面にTiOH基を持つ金属酸化物(B)としては、酸化チタン、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、チタン酸カリウム、チタン酸鉛、チタン酸リチウム、チタン酸アルミニウム等が挙げられる。非常に大きな屈折率を有しており、さらに可視光領域での吸収も小さいことから、無色の透明性が要求される光学材料への利用に適している観点で、酸化チタンやチタン酸バリウムであることが好ましい。
金属酸化物(B)はその表面にTiOH基を有する限り、硫酸法、塩素法、ゾルゲル法、アルコキシド法、水熱法、固相法、シュウ酸法、超臨界流体法などいずれの方法で製造してもよい。表面のTiOH基の濃度は焼結等により温度、時間を設定することで任意に調整することができる。表面TiOHの濃度は拡散反射型のFT−IRによって準定量的に決定できる。
金属酸化物(B)の一次粒子径は、透過型電子顕微鏡観察(TEM)による直接観察により求めることができる。平均一次粒子径は1〜60nmが望ましく、3〜30nmが更に望ましい。結晶性の観点から1nm以上が好ましく、分散液の透明性の観点から60nm以下が好ましい。なお、本開示において、平均一次粒子径とは数平均での値を意味する。
用いる金属酸化物(B)としては、凝集体であってもよいし、溶剤分散体であってもよい。
金属酸化物(B)の形状は特に限定されるものではないが、球状粒子、針状粒子、鱗片状粒子、板状粒子、不定形粒子、中空状粒子等が挙げられる。
金属酸化物(B)に対する、表面修飾剤(A)の添加量は、金属酸化物(B)の全表面積と、表面修飾剤(A)が単分子修飾しうる面積(理論被覆表面積)との比から決定できる。
金属酸化物(B)の質量あたりの表面積(m/g)はBET法により測定される。表面修飾剤(A)の質量あたりの理論被覆表面積(m/g)は、6.02×1023×1.3×10−19÷(表面修飾剤の分子量)で計算される。
表面修飾剤の添加量は、表面修飾剤(A)の理論被覆表面積(m)/金属酸化物(B)の全表面積(m)の比が、0.3〜3.0であることが好ましく、0.7〜2.0であることがより好ましい。金属酸化物の分散性の観点から0.3以上が好ましく、作業性の観点から3.0以上が特に好ましい。
金属酸化物の液体分散媒体としては、例えば、アルコール、エステル、ケトン、エーテル、脂肪族炭化水素化合物、芳香族炭化水素化合物、アミド化合物、オルガノシロキサン化合物等が挙げられる。
上記アルコール類としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコールのような一価アルコール;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオールのような多価アルコール;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテルのような多価アルコールのモノエーテル類;等が挙げられる。
上記エステル類としては、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。ケトン類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソアミルケトン等が挙げられる。
上記エーテル類としては、上記の多価アルコールのモノエーテル類の他に、例えば、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジプロピルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルのような多価アルコールの水酸基の全てをアルキルエーテル化した多価アルコールエーテル類;テトラヒドロフラン;1,4−ジオキサン;アニソール等が挙げられる。
上記脂肪族炭化水素化合物としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン等が挙げられる。
上記芳香族炭化水素化合物としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。
上記アミド化合物としては、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等が挙げられる。
オルガノシロキサン化合物としては、例えば、ケイ素―酸素―ケイ素結合を持つものであって、直鎖状、分岐状、環状構造を持つシロキサン樹脂をあげることができ、その樹脂は分子量分布があっても単一分子であってもよい。
表面修飾剤(A)の相溶性の観点から、液体分散媒体として、ヘキサン、シクロヘキサン等脂肪族炭化水素、トルエン、ベンゼン、キシレン等芳香族炭化水素、テトラヒドロフラン等環状エーテル、シリコーン樹脂等を用いることが好ましい。
これらの溶媒は単独で用いてもよいし、相溶する異なる数種類の溶媒を混合させて用いることもできる。
金属酸化物の液体分散媒体の調製においては、初めに異なる溶媒に金属酸化物を分散させた後、沸点がより高い溶媒を添加し、低沸点の溶媒を留去することで、高沸点溶媒に置換してもよい(以下、実施例8と10参照)。溶剤を置換することで本来分散が困難な溶媒にも、再凝集することなく分散を維持することができる。また、溶媒置換を行うことで、不揮発性溶媒への金属酸化物の濃度の調整が容易になる。
ビーズミルは、ローター、ステータ及び遠心分離により撹拌粒子であるビーズを分離するビーズ分離機構を備えるビーズミルであって、撹拌粒子であるビーズも超微小ビーズであることが必要である。微小ビーズとしては、3〜300μmの大きさの微小ビーズが好ましく、10〜50μmの超微小ビーズがより好ましい。粒子径が3μm以上であれば、分散に必要な衝撃エネルギーが得られ、300μm以下であれば、過剰な衝撃エネルギーによる再凝集が抑制できる。さらに撹拌粒子は、十分に研磨したものを使用することが、分散液の光透過度を高くする観点から好ましい。
適応可能な撹拌粒子としては、ジルコニア、アルミナ、シリカ、ガラス、炭化珪素、窒化珪素が例示される。これらの中でも、撹拌粒子としての強度と安定性に優れるという観点から、ジルコニアを用いることが好ましい。さらにビーズミルは、セパレータの径をd、ステータの内径をDとしたとき、d/Dが0.5〜0.9であればより好ましい。このような形状を有するビーズミルであれば、短時間でより効率的にナノ粒子分散液を製造することできる。
ビーズミルのビーズの回転速度は、4m/secから16m/secが好ましく、6m/secから14m/secが特に好ましい。良好な分散効率を得る観点から、4m/sec以上であることが好ましく、金属酸化物粒子の再凝集を防止する観点から、16m/sec以下であることが好ましい。
ビーズミル処理時の、スラリーの流速は15mL/min〜200mL/minであることが好ましく、分散効率の点から30mL/min〜150mL/minであることが特に好ましい。
ビーズミル処理時の温度は、特に制限されるものではないが、スラリーに用いる溶媒の沸点以下であることが好ましく、分散効率の点から20〜60℃がより好ましい。
ビーズミル処理時のスラリー中の金属酸化物の濃度は、0.5〜40重量パーセントが好ましく、0.8〜25重量パーセントが特に好ましい。処理効率の観点から0.5質量パーセント以上であることが好ましく、分散性の点から40質量パーセント以下であることが好ましい。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下の例にて合成した金属酸化物粒子について、以下の(1)、(2)に従って測定を行った。
(1)金属酸化物の粒子径の測定
粒子分散液を微細試料捕獲用の膜(コロジオン膜)上に滴下、乾燥後、日本電子製2000−FX透過型電子顕微鏡(TEM)を用いた観察を行い、50個の粒子の一次粒子径の数平均を算出した。
(2)金属酸化物の粒子の同定
粒子分散液を一部乾燥させてリガク製X線回折装置RU−200Xを用いて粉末X線回折を行い、文献記載の回折パターンと比較することにより結晶構造の確認を行った。また、結晶子のサイズを決定した。
[合成例1]
窒素雰囲気下に置換した容量2Lのセパラブルフラスコに、エタノール(和光純薬製、純度99%以上)855mLを入れた。窒素雰囲気下で、そこに金属バリウム24.7g(0.1M)(関東化学製、純度99%以上)、テトラエトキシチタン37.7mL(0.1M)(東京化学製、純度97%以上)を入れ、撹拌しながら70℃で2時間加熱し、金属バリウムとテトラエトキシチタンとを完全に溶解させた。2時間後、イオン交換水324mL(10M)をエタノールで溶解した液を、全液量が1800mLになるように加えた。オイルバスを用いて70℃で3時間撹拌してチタン酸バリウムの分散溶液を得た。TEMにより平均7nmのナノ粒子が得られ、XRD回折ピークがチタン酸バリウムに一致することを確認し、結晶子サイズを6.7nmと同定した。
[合成例2]
窒素雰囲気下に置換した容量2Lのセパラブルフラスコに、エタノール833mLを入れた。窒素雰囲気下で、そこに金属バリウム37.1g(0.15M)、テトラエトキシチタン56.5mL(0.1M)を入れ、撹拌しながら70℃で2時間加熱し、金属バリウムとテトラエトキシチタンとを完全に溶解させた。2時間後、イオン交換水484mL(15M)をエタノールで溶解した液を、全液量が1800mLになるように加えた。オイルバスを用いて70℃で3時間撹拌してチタン酸バリウムの分散溶液を得た。TEMにより平均13nmのナノ粒子が得られ、XRD回折ピークがチタン酸バリウムに一致することを確認し、結晶子サイズを12.3nmと同定した。
[合成例3]
窒素雰囲気下に置換した容量2Lのセパラブルフラスコに、エタノール833mLを入れた。窒素雰囲気下で、そこに金属バリウム37.1g(0.15M)、テトラエトキシチタン56.5mL(0.1M)を入れ、撹拌しながら70℃で2時間加熱し、金属バリウムとテトラエトキシチタンとを完全に溶解させた。2時間後、イオン交換水648mL(15M)をエタノールで溶解した液を、全液量が1800mLになるように加えた。オイルバスを用いて70℃で3時間撹拌してチタン酸バリウムの分散溶液を得た。TEMにより平均13nmのナノ粒子が得られ、XRD回折ピークがチタン酸バリウムに一致することを確認し、結晶子サイズを17.3nmと同定した。
以下の例にて合成した表面修飾剤について、以下の(3)〜(5)に従って測定を行った。
(3)原料転化率の追跡
ガスクロマトグラフィーを用いて、原料の転化率を決定した。
[GC測定条件]
・GC装置:GC−14B(島津製作所製)
・カラム:DB−1(30m×250μm×0.25μmF)(アジレントテクノロジー製)
・カラム温度:50℃で5分間ホールドしたのち、300℃まで毎分10℃ずつ昇温
・キャリアガス:He(流量1.0mL/min)
(4)表面修飾剤の純度決定
ガスクロマトグラフィーを用いて、純度の決定を行った。
[GC測定条件]
・GC装置:GC−14B(島津製作所製)
・カラム:DB−1(30m×250μm×0.25μmF)(アジレントテクノロジー製)
・カラム温度:50℃で5分間ホールドしたのち、300℃まで毎分10℃ずつ昇温
・キャリアガス:He(流量1.0mL/min)(5)生成物の確認
1H−NMRを用いて、生成物の構造を同定し、正付加体と逆付加体の生成比率を決定した。
[合成例4]
窒素雰囲気下に置換した容量2Lのセパラブルフラスコにトルエン(和光純薬製、脱水)を800g、トリメチルビニルシラン(東京化成製)73.5g、トリエトキシシラン(東京化成製)126.5gを秤量し、還流管をセットし、窒素雰囲気下で、オイルバスを用いて60℃で加熱反応した。2時間後、室温まで空冷した。GCによるトリメチルビニルシランの転化率は100%だった。エバポレータを用いて4kPa、70℃でトルエンを留去した。さらに0.3kPa、90℃で減圧蒸留(沸点 65℃、0.3kPa)を行い精製し、トリメチルシリルエチルトリエトキシシランを得た。1H−NMRにより同定した2−トリメチルシリルエチルトリエトキシシランと1−トリメチルシリルエチルトリエトキシシランの生成比率は物質量比で87:13であった。
別途、減圧乾燥した1L容量の4つ口フラスコにリチウムアルミニウムハイドライド(東京化成製、以下、LAH)15.2gを秤量し、氷浴で冷やしながら、超脱水ジエチルエーテル(和光純薬製)400mLをシリンジを用いて窒素雰囲気下で添加した。窒素雰囲気下で滴下ロートにトリメチルシリルエチルトリエトキシシランを75.2g、超脱水ジエチルエーテルを100mLの混合液を用意し、窒素雰囲気下、氷冷中でLAHのジエチルエーテル懸濁液に内温が15℃を超えないようにゆっくりと滴下した。すべてを滴下後、室温に戻し室温で1時間反応させた。GCでトリメチルシリルエチルトリエトキシシランが定量的に還元されているのを確認した。再度、氷冷し、滴下ロートを用いてギ酸メチル(和光純薬製)36.0gを内温が15℃を超えないようにゆっくりと滴下した。滴下終了後、室温で8時間窒素雰囲気下、攪拌した。反応液を、セライト545(和光純薬製)を用いて桐山ロートで減圧濾過しLAHを除去したのち、ジエチルエーテルとギ酸メチルを留去した。残った反応液を窒素下、120℃で常圧蒸留(沸点96℃)を2回繰返し、精製しトリメチルシリルエチルシランを得た。1H−NMRにより同定した2−トリメチルシリルエチルシランと1−トリメチルシリルエチルシランの生成比率は物質量比で87:13であり、GCにより測定した純度は99%であった。
[合成例5]
窒素雰囲気下に置換した容量2Lのセパラブルフラスコにトルエンを640g、トリメトキシビニルシラン(東京化成製)78.0g、ペンタメチルジシロキサン(信越シリコーン製)82.0gを秤量し、還流管をセットし、窒素雰囲気下で、オイルバスを用いて60℃で加熱反応した。2時間後、室温まで空冷した。GCによるトリメトキシビニルシランの転化率は100%だった。エバポレータを用いて4kPa、70℃でトルエンを留去した。さらに0.7kPa、100℃で減圧蒸留(沸点 86℃、0.7kPa)を行い精製し、(トリメチルシロキシ)ジメチルシリルエチルトリメトキシシランを得た。1H−NMRにより同定した2−(トリメチルシロキシ)ジメチルシリルエチルトリメトキシシランと1−(トリメチルシロキシ)ジメチルシリルエチルトリメトキシシランの生成比率は物質量比で79:21であった。
別途、減圧乾燥した1L容量の4つ口フラスコにLAH15.2gを秤量し、氷浴で冷やしながら、超脱水ジエチルエーテル400mLをシリンジを用いて窒素雰囲気下で添加した。窒素雰囲気下で滴下ロートに(トリメチルシロキシ)ジメチルシリルエチルトリメトキシシランを84.4g、超脱水ジエチルエーテルを100mLの混合液を用意し、窒素雰囲気下、氷冷中でLAHのジエチルエーテル懸濁液に内温が15℃を超えないようにゆっくりと滴下した。すべてを滴下後、室温に戻し室温で1時間反応させた。GCで(トリメチルシロキシ)ジメチルシリルエチルトリメトキシシランが定量的に還元されているのを確認した。再度、氷冷し、滴下ロートを用いて酢酸エチル(和光純薬製)52.9gを内温が15℃を超えないようにゆっくりと滴下した。滴下終了後、室温で8時間窒素雰囲気下、攪拌した。反応液を、セライト545を用いて桐山ロートで減圧濾過しLAHを除去したのち、ジエチルエーテルと酢酸エチルを留去した。残った反応液を窒素下、4.4kPaで90℃減圧蒸留(沸点65℃、4.4kPa)を行い、精製し(トリメチルシロキシ)ジメチルシリルエチルシランを得た。1H−NMRにより同定した2−(トリメチルシロキシ)ジメチルシリルエチルシランと1−(トリメチルシロキシ)ジメチルシリルエチルシランの生成比率は物質量比で79:21であり、GCにより測定した純度は99%であった。
[合成例6]
窒素雰囲気下に置換した容量2Lのセパラブルフラスコにトルエンを640g、トリメトキシビニルシラン51.6g、トリス(トリメチルシロキシ)シラン(信越シリコーン製)108.4gを秤量し、還流管をセットし、窒素雰囲気下で、オイルバスを用いて100℃で加熱反応した。10時間後、室温まで空冷した。GCによるトリメトキシビニルシランの転嫁率は100%だった。エバポレータを用いて4kPa、70℃でトルエンを留去した。さらに0.76kPa、140℃で減圧蒸留(沸点 120℃、0.76kPa)を行い精製し、トリス(トリメチルシロキシ)シリルエチルトリメトキシシランを得た。1H−NMRにより同定した2−トリス(トリメチルシロキシ)シリルエチルトリメトキシシランと1−トリス(トリメチルシロキシ)シリルエチルトリメトキシシランの生成比率は物質量比で96:4であった。
別途、減圧乾燥した1L容量の4つ口フラスコにLAH11.4gを秤量し、氷浴で冷やしながら、超脱水ジエチルエーテル400mLをシリンジを用いて窒素雰囲気下で添加した。窒素雰囲気下で滴下ロートにトリス(トリメチルシロキシ)シリルエチルトリメトキシシランを94.9g、超脱水ジエチルエーテルを100mLの混合液を用意し、窒素雰囲気下、氷冷中でLAHのジエチルエーテル懸濁液に内温が15℃を超えないようにゆっくりと滴下した。すべてを滴下後、室温に戻し室温で1時間反応させた。GCでトリス(トリメチルシロキシ)シリルエチルトリメトキシシランが定量的に還元されているのを確認した。再度、氷冷し、滴下ロートを用いて酢酸エチル58.9gを内温が15℃を超えないようにゆっくりと滴下した。滴下終了後、室温で8時間窒素雰囲気下、攪拌した。反応液を、セライト545を用いて桐山ロートで減圧濾過しLAHを除去したのち、ジエチルエーテルと酢酸エチルを留去した。残った反応液を窒素下、0.5kPaで90℃減圧蒸留(沸点75℃、0.5kPa)を行い、精製しトリス(トリメチルシロキシ)シリルエチルシランを得た。1H−NMRにより同定した2−トリス(トリメチルシロキシ)シリルエチルシランと1−トリス(トリメチルシロキシ)シリルエチルシランの生成比率は物質量比で96:4であり、GCにより測定した純度は99%であった。
以下の例にて製造した表面修飾された金属酸化物分散液について、以下の(6)〜(9)に従って測定を行った。
(6)金属酸化物の表面積の同定
・前処理:試料0.5gを試料管にとり、本体前処理装置でRT〜200℃、0.01mmHg以下、12hr程度の条件下で減圧乾燥した金属酸化物の表面積を、BET法を用いて測定した。
<比表面積・細孔分布測定>
・装置:オートソーブ−3MP(ユアサ・アイオニクス製)
・吸着ガス:N2ガス
・測定温度:液体窒素(77.4°K)
(7)表面修飾剤の反応率
ガスクロマトグラフィーを用いて、検量線法を用いて決定した。
[GC測定条件]
・GC装置:GC−14B(島津製作所製)
・カラム:DB−1(30m×250μm×0.25μmF)(アジレントテクノロジー製)
・カラム温度:50℃で5分間ホールドしたのち、300℃まで毎分10℃ずつ昇温
・キャリアガス:He(流量1.0mL/min)
(8)透過率測定
分散液を1cmの石英セルに入れ、分光光度計(U−4100、日立ハイテク製)をもちいて波長が400nmの光の透過率を測定した。透過率が、80%以上のものを○、70%以上80%未満のものを△、70%未満のものを×と評価した。
(9)DLSによる2次粒子分布と分散安定性の測定
分散液を、大塚電子製DLS(FPAR−1000)を用いて分散2次粒子径と分散安定性を測定した。分散液を24時間静置後、散乱強度分布によるキュムラント測定で平均分散粒子径の上昇率が2倍以下のものを○、2倍から4倍のものを△、4倍以上のものを×とした。
[実施例1]
還流管をセットした500mLのセパラブルフラスコに表面積143m/gの酸化チタン粉体ST−01(一次粒子径7nm、石原産業製)10g、トルエンを323g、オクチルシラン理論被覆表面積/酸化チタンの表面積=1.43となるようにオクチルシラン(信越シリコーン製)を4.13g添加し、オイルバス中で、40℃で一時間反応させた。更にその反応液をビーズミル(UAM−015、寿工業製)のスラリータンクにいれトルエンを100g追加した。ジルコニアビーズDZB15マイクロメートル径(大研化学工業製)350g、ビーズ回転数12m/sec、流速80mL/min、32℃、N2雰囲気下、2時間ビーズミルで分散処理を行い、分散液を回収し30分間超音波で処理した。オクチルシランの反応率60%で、表面被覆率で90%だった。分散液の固形分濃度は、2.2重量パーセントだった。
[実施例2]
還流管をセットした500mLのセパラブルフラスコに表面積150m/gの合成例1のチタン酸バリウム(一次粒子径6.7nm)10g、トルエンを323g、オクチルシラン理論被覆表面積/チタン酸バリウムの表面積=1.49となるようにオクチルシランを4.13g添加し、オイルバス中で、40℃で一時間反応させた。更にその反応液をビーズミルのスラリータンクにいれトルエンを100g追加した。ジルコニアビーズDZB15マイクロメートル径350g、ビーズ回転数12m/sec、流速92mL/min、32℃、N2雰囲気下、2時間ビーズミルで分散処理を行い、分散液を回収し30分間超音波で処理した。オクチルシランの反応率64%で、表面被覆率で96%だった。分散液の固形分濃度は、2.1重量パーセントだった。
[実施例3]
還流管をセットした500mLのセパラブルフラスコに表面積150m/gの合成例1のチタン酸バリウム(一次粒子径6.7nm)10g、トルエンを323g、ジエチルシラン理論被覆表面積/チタン酸バリウムの表面積=1.45となるようにジエチルシラン(信越シリコーン製)を2.46g添加し、オイルバス中で、40℃で一時間反応させた。更にその反応液をビーズミルのスラリータンクにいれトルエンを100g追加した。ジルコニアビーズDZB30マイクロメートル径350g、ビーズ回転数12m/sec、流速86mL/min、32℃、N2雰囲気下、2時間ビーズミルで分散処理を行い、分散液を回収し30分間超音波で処理した。ジエチルシランの反応率68%で、表面被覆率で99%だった。分散液の固形分濃度は、2.0重量パーセントだった。
[実施例4]
還流管をセットした500mLのセパラブルフラスコに表面積82m/gの合成例2のチタン酸バリウム(一次粒子径12.3nm)10g、トルエンを323g、フェニルシラン理論被覆表面積/チタン酸バリウムの表面積=1.64となるようにフェニルシラン(信越シリコーン製)を1.86g添加し、オイルバス中で、40℃で一時間反応させた。更にその反応液をビーズミルのスラリータンクにいれトルエンを100g追加した。ジルコニアビーズDZB30マイクロメートル径350g、ビーズ回転数12m/sec、流速77mL/min、32℃、N2雰囲気下、2時間ビーズミルで分散処理を行い、分散液を回収し30分間超音波で処理した。フェニルシランの反応率60%で、表面被覆率で98%だった。分散液の固形分濃度は、2.0重量パーセントだった。
[実施例5]
還流管をセットした500mLのセパラブルフラスコに表面積57m/gの合成例3のチタン酸バリウム(一次粒子径17.3nm)10g、トルエンを323g、トリメチルシリルエチルシラン理論被覆表面積/チタン酸バリウムの表面積=1.57となるようにトリメチルシリルエチルシランを1.51g添加し、オイルバス中で、40℃で一時間反応させた。更にその反応液をビーズミルのスラリータンクにいれトルエンを100g追加した。ジルコニアビーズDZB15マイクロメートル径350g、ビーズ回転数12m/sec、流速70mL/min、32℃、N2雰囲気下、2時間ビーズミルで分散処理を行い、分散液を回収し30分間超音波で処理した。トリメチルシリルエチルシランの反応率69%で、表面被覆率で106%だった。分散液の固形分濃度は、2.0重量パーセントだった。
[実施例6]
還流管をセットした500mLのセパラブルフラスコに表面積150m/gの合成例1のチタン酸バリウム(一次粒子径6.7nm)10g、ヘキサンを323g、(トリメチルシロキシ)ジメチルシリルエチルシラン理論被覆表面積/チタン酸バリウムの表面積=1.49となるように(トリメチルシロキシ)ジメチルシリルエチルシランを5.90g添加し、オイルバス中で、40℃で一時間反応させた。更にその反応液をビーズミルのスラリータンクにいれヘキサンを100g追加した。ジルコニアビーズDZB15マイクロメートル径350g、ビーズ回転数12m/sec、流速110mL/min、32℃、N2雰囲気下、1.5時間ビーズミルで分散処理を行い、分散液を回収し30分間超音波で処理した。(トリメチルシロキシ)ジメチルシリルエチルシランの反応率60%で、表面被覆率で89%だった。分散液の固形分濃度は、2.2重量パーセントだった。
[実施例7]
溶媒をTHFに代えた以外は実施例6に準じた。(トリメチルシロキシ)ジメチルシリルエチルシランの反応率62%で、表面被覆率で92%だった。分散液の固形分濃度は、2.2重量パーセントだった。
[実施例8]
実施例7の固形分濃度2.2重量パーセントのTHF分散液30gに、20gのプロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテートを添加した。80℃でTHFを留去することで3.3重量%のプロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート分散液を得た。残THFは1重量%であることを、GCを用いて確認した。
[実施例9]
還流管をセットした500mLのセパラブルフラスコに表面積150m/gの合成例1のチタン酸バリウム(一次粒子径6.7nm)10g、トルエンを323g、トリス(トリメチルシロキシ)シリルエチルシラン理論被覆表面積/チタン酸バリウムの表面積=1.49となるようにトリス(トリメチルシロキシ)シリルエチルシランを10.1g添加し、オイルバス中で、40℃で一時間反応させた。更にその反応液をビーズミルのスラリータンクにいれトルエンを100g追加した。ジルコニアビーズDZB15マイクロメートル径350g、ビーズ回転数12m/sec、流速79mL/min、32℃、N2雰囲気下、3.5時間ビーズミルで分散処理を行い、分散液を回収し30分間超音波で処理した。トリス(トリメチルシロキシ)シリルエチルシランの反応率56%で、表面被覆率で82%だった。分散液の固形分濃度は、2.4重量パーセントだった。
[実施例10]
実施例9の固形分濃度2.4重量パーセントのトルエン分散液50gに、4.8gの両末端ビニル変性シリコーンDMS−V05(Gelest製)を添加した。70℃、1kPaでトルエンを留去することで20重量%のシロキサン樹脂分散液を得た。残トルエンは0.8重量%であることを、GCを用いて確認した。
[比較例1]
表面修飾剤をデシルトリメトキシシラン(信越シリコーン製)7.5gにした以外は実施例2に準じた。ジルコニアビーズDZB15マイクロメートル径350g、ビーズ回転数12m/sec、流速92mL/min、32℃、N雰囲気下、2時間ビーズミルで分散処理を行い、分散液を回収し30分間超音波で処理した。チタン酸バリウムは完全に分散されず、ビーズミル処理後も沈殿が生じた。XRFにより算出した表面修飾率は30%であった。
[比較例2]
還流管をセットした500mLのセパラブルフラスコに表面積150m/gの合成例1のチタン酸バリウム(一次粒子径6.7nm)10g、トルエンを323g、オクチルシラン理論被覆表面積/チタン酸バリウムの表面積=1.49となるようにオクチルシラン(信越シリコーン)4.13g添加し、オイルバス中で、40℃で8時間反応させた。オクチルシランの反応率は20%で、表面修飾率は29.8%だった。チタン酸バリウムは完全に分散されず、底に沈殿を伴う懸濁液であった。
Figure 0006053444
本発明の金属酸化物分散液は高い透明性と分散性を有するため、レンズ・封止材等透明光学材料の製造に好適に利用可能である。

Claims (6)

  1. 下記一般式():
    Figure 0006053444
    {式中、R は、置換若しくは非置換の飽和アルキル基を示し、R は、それぞれ独立に、水素原子、又は置換若しくは非置換のC1〜C8の飽和アルキル基を示し、R は、それぞれ独立に、置換若しくは非置換の飽和若しくは不飽和のアルキル基、アルコキシ基、アリール基、有機シリル基又は有機シロキシ基を示し、nは1〜3の整数であり、そしてbは0〜10の整数である。}で表される構造を持つ表面修飾剤(A)と、表面にTiOH基を持つチタン酸バリウム(B)とをビーズミル法により液状媒体中に分散させる工程を含む、金属酸化物ナノ粒子分散液の製造方法。
  2. 前記一般式(2)中、nが2又は3である、請求項に記載の方法。
  3. 前記チタン酸バリウム(B)の平均一次粒子径が1〜60nmである、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記液体媒体が有機物又はオルガノシロキサン化合物である、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記液体媒体を、より高沸点の有機物で溶剤交換する工程をさらに含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記のより高沸点の有機物がオルガノシロキサン化合物である、請求項に記載の方法。
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