JP6053369B2 - 医療用縫合具 - Google Patents

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Description

本発明は、胃や膀胱等の臓器の内臓壁を体外から腹壁等の体表側に保持する縫合糸を、内臓内に導入したり、内臓内から引き抜いたりする際に用いられる医療用縫合具に関する。
従来、高齢や疾病により自力で口から食べ物を摂取する機能が低下した人(以下、患者と記す。)に対して、瘻孔カテーテルを用いて流動食や栄養剤等を供給する経腸栄養投与が行われている。たとえば、経皮内視鏡的胃瘻造設術(PEG;Percutaneous Endoscopic Gastrostomy)を用いる場合においては、患者の腹壁と内臓壁(胃壁)とを貫通する貫通孔(たとえば胃瘻などの瘻孔)を造設し、この貫通孔に瘻孔カテーテルを装着し、瘻孔カテーテルを通じて患者に流動食等を供給する。
貫通孔を造設する際、貫通孔を容易に形成するため、通常、動きやすい内臓壁と腹壁とを縫合糸を用いて経皮的に縫合固定する。そして、内臓壁と腹壁とを縫合固定するために使用する医療用縫合具も様々なものが提案されている。
そのようなものとして、「ケース体内に、縫合糸挿入用穿刺針20の基端より内部に挿入された縫合糸を先端方向へ順次送り出す送出機構と、縫合糸把持用穿刺針30の内部に収納されたスタイレットの環状部材を縫合糸把持用穿刺針30の先端より突出させる突出機構を収納した」医療用器具が開示されている(たとえば、特許文献1、2参照)。この医療用器具は、生体内における結紮を、術者1名のみ、あるいは術者と補助者の2名でも効率良く安全に行なうことができるようにしたものである。
特開2009−213763号公報(たとえば、図5や図6) 特開2009−213764号公報(たとえば、図5や図6)
特許文献1、2に記載されているような医療用器具においては、術者が縫合糸を医療用器具内に挿入しなければならず、術者の手間が増加することになっていた。また、縫合糸の挿入に関わる作業が煩雑になることが多く、作業性の低いものになっていた。さらに、特許文献1、2に記載されているような医療用器具においては、縫合糸挿入用穿刺針及び縫合糸把持用穿刺針を腹壁から胃内に穿刺後、環状部材を環状に形成するためにスタイレットを押し込む操作、縫合糸を胃内に挿入するために操作ローラーを回す操作、及び、環状部材で縫合糸を把持するために解除ボタンを押す操作が必要になり、操作性が低いものとなっていた。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、作業性及び操作性を大幅に向上させた医療用縫合具を提供するものである。
本発明に係る医療用縫合具は、ハウジングと、前記ハウジングの先端側に設けられたループ導入用針と、前記ループ導入用針から所定の距離を隔ててほぼ平行に前記ハウジングの先端側に設けられ、縫合糸が収容される縫合糸導入用針と、先端にループが形成され、前記ループ導入用針の内部に移動可能に挿入されているループ形成部と、前記ハウジング内に設けられ、前記ループ形成部を移動させるループ送り戻し機構と、前記ハウジング内に設けられ、前記縫合糸を送り出す縫合糸送り機構と、前記ループ送り戻し機構及び前記縫合糸送り機構を動作させる操作部と、を備え、前記ループ送り戻し機構は、前記操作部の動きが伝達される弾性部材と、前記弾性部材を介して移動し、前記ループ形成部を送り戻すループ送り戻し部と、を有し、前記縫合糸送り機構は、前記縫合糸が挿通可能な中空部を有し、前記操作部の動きが伝達される第1中空部材と、前記操作部の動きに応じて、前記縫合糸、又は、前記第1中空部材を締め付ける縫合糸締結部材と、を有しており、前記操作部の操作が開始されると、前記縫合糸締結部材は前記縫合糸を締め付け、前記操作部の操作が継続されると、前記縫合糸締結部材は前記第1中空部材を締め付けることで前記縫合糸の締め付けを解除するものである。
本発明に係る医療用縫合具によれば、操作部の押し引き操作だけで、縫合糸を内臓内に導入したり、内臓内から引き抜いたりできるので、術者の操作負担を大幅に軽減でき、作業性が著しく向上することになる。
本発明の実施の形態に係る医療用縫合具の構成例の一つを示す概略外観図である。 本発明の実施の形態に係る医療用縫合具の外観構成を示す概略斜視図である。 本発明の実施の形態に係る医療用縫合具の内部構成例の一つを示す概略内部構成図である。 本発明の実施の形態に係る医療用縫合具の操作手順を簡略的に示した概略断面図である。 本発明の実施の形態に係る医療用縫合具の操作手順を簡略的に示した概略断面図である。 本発明の実施の形態に係る医療用縫合具の操作手順を簡略的に示した概略断面図である。 本発明の実施の形態に係る医療用縫合具の操作手順を簡略的に示した概略断面図である。 本発明の実施の形態に係る医療用縫合具の作用を説明するための説明図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る医療用縫合具(以下、単に縫合具100と称する)の構成例の一つを示す概略外観図である。図2は、縫合具100の外観構成を示す概略斜視図である。図3は、縫合具100の内部構成例の一つを示す概略内部構成図である。図1〜図3に基づいて、縫合具100の構成及び動作について説明する。縫合具100は、瘻孔カテーテルを挿入する瘻孔形成を容易にするために、胃や膀胱等の臓器の内臓壁を、体外から腹壁側に吊り上げて保持する縫合糸を内臓内に導入する際に用いられるものである。なお、図1を含め、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。
[縫合具100の全体構成]
縫合具100は、外観的には、ハウジング50と、ハウジング50の先端側に設けられたループ導入用針60と、ループ導入用針60から所定の距離を隔ててほぼ平行にハウジング50の先端側に設けられた縫合糸導入用針70と、を備えている。また、縫合具100は、ハウジング50内に、術者により操作される締結部材保持部10の動きに連動して動作するループ送り戻し機構30と、締結部材保持部10の動きに連動して動作する縫合糸送り機構40と、を備えている。さらに、縫合具100は、ループ導入用針60の内部に、移動可能に挿入されているループ形成部80を備えている。
なお、図1〜図3では、縫合糸送り機構40によって縫合糸導入用針70の先端(刃先)から送り出す縫合糸1を併せて図示している。また、先端側とは患者に挿入される側(患者側)を称しており、基端側とは術者に操作される側(操作側)を称している。また、以下の説明において、先端側を前方向、基端側を後方向と称する場合があるものとする。さらに、縫合糸1は、複数回分の長さを有している。
また、図1及び図2では、ガイド穴55から見える内部構造(特に縫合糸送り機構40の構造)については図示を省略している。さらに、図3(a)が縫合具100の概略内部構成図を、図3(b)が縫合具100の主要部である図3(a)のA−A断面図を、図3(c)が縫合具100の主要部である図3(a)のB−B断面図を、図3(d)が縫合糸送り機構40側の一部及び締結部材保持部10の拡大斜視図を、それぞれ示している。そして、図3以降に示す縫合具100は、図1及び図2とは反対側から見た状態を示している。なお、図3(b)においてはループ送り戻し機構30及び縫合糸送り機構40の図示を省略し、図3(c)においてはループ送り戻し機構30の図示を省略している。
(縫合糸1)
縫合糸1は、縫合具100を構成するものではないが、臓器固定具として機能するものであるので簡単に説明しておく。縫合糸1は、生体内に挿通させたときに生体組織に沿って撓ることができる程度の柔軟性と、臓器を吊り上げ可能な程度の引っ張り強度とを有する材料(たとえば、ナイロン糸等)で構成するとよい。また、縫合糸1は、患者に取り付けあるいは取り外す際に切断される。このため、縫合糸1は、ハサミ等の医療現場に備えられている道具で切断可能な材料及び径寸法で構成するのが好ましい。また、縫合糸1が縫合糸導入用針70の先端まで挿入された状態で縫合具100を患者に穿刺する。
(ハウジング50)
ハウジング50は、中空状であって、前後方向が長手方向となるような略直方体形状に構成されている。このハウジング50は、ループ送り戻し機構30と縫合糸送り機構40を格納するものである。ループ送り戻し機構30及び縫合糸送り機構40は、ハウジング50内でほぼ平行に並ぶように格納され、ハウジング50内で前後方向に移動可能になっている。このハウジング50は、縫合具100の全体をユニット化するものであり、術者が操作する際に実際に握る部分にもなる。なお、ハウジング50は、略直方体形状でなくてもよく、外観形状を特に限定するものではない。また、ハウジング50を骨組のみの構成としてもよい。つまり、ハウジング50は、以下に説明する他の構成を機能させることができるような構成であればよい。
また、ハウジング50の先端側には、ループ導入用針60と縫合糸導入用針70とが所定の距離を隔ててほぼ平行となるように取り付けられている。たとえば、図3に示すように、ハウジング50の先端側に支持部(支持部52、支持部53)を設け、この支持部にループ導入用針60及び縫合糸導入用針70の基端部を挿入し、ループ導入用針60及び縫合糸導入用針70を着脱自在に支持するとよい。支持部は、たとえば合成樹脂等の材料を略直方体、略円柱状、または、それらを複数組み合わせたもの(複数の略直方体を組み合わせたもの、複数の略円柱状を組み合わせたもの、略直方体と略円柱状とを組み合わせたもの)で成形するとよい。また、図示するように、支持部の外周に突起を複数設けておくとよい。なお、支持部がハウジング50の先端側から突出しないようになっていてもよい。
なお、ループ導入用針60及び縫合糸導入用針70の基端部を予め支持部材で支持しておき、その支持部材をハウジング50の先端側に着脱自在に取り付けるようにしてもよい。また、ループ導入用針60及び縫合糸導入用針70をハウジング50に予め固定していてもよい。さらに、ループ導入用針60及び縫合糸導入用針70は、ハウジング50の最先端に取り付けられている必要はなく、ハウジング50の先端側に取り付けられていればよい。つまり、ループ導入用針60及び縫合糸導入用針70の基端側が、ハウジング50の内部に延びるようになっていてもよい。
ハウジング50の縫合糸送り機構40の先端側には、縫合糸送り機構40を構成する第2弾性部材46の先端側が位置し、第2弾性部材46が伸縮自在に収容されるような空間部54bが形成されている。この空間部54bには、縫合糸送り機構40を構成する第2中空部材43が挿通された状態で設置されている。第2中空部材43の先端は、支持部52に固定されている。なお、空間部54bの基端側開口周縁を構成するハウジング内壁面を、単に内壁面54aと称する。この内壁面54aは、図3に示すハウジング50の構成では縫合糸送り機構40側にのみ形成されていることになる。
ハウジング50のループ送り戻し機構30の先端側には、ループ送り戻し機構30を構成するループ送り戻し部31の先端側が前後方向に移動可能に収容されるような空間部54cが形成されている。この空間部54cの内壁の少なくとも一部には、ループ送り戻し部31の先端側の外周部の一部と当接する段差部54dが形成されている。この段差部54dにループ送り戻し部31の外周部の一部が当接することで、ループ送り戻し部31の前方向の移動を規制する。ただし、段差部54dを形成することは必須ではなく、ループ送り戻し部31の前方向の移動を支持部53で規制するようにしてもよい。また、内壁面54aをループ送り戻し機構30側にまで設け、ループ送り戻し部31の前方向の移動を内壁面54aで規制するようにしてもよい。
ハウジング50の縫合糸送り機構40側の内壁の一部には、縫合糸送り機構40を構成する糸ガイド部41が突出するように設置されている(図3(c)参照)。この糸ガイド部41は、ハウジング50の基端側から先端側に向かって所定の長さで形成されている。また、糸ガイド部41の縫合糸載置面41a(突出先端面)は、断面形状がたとえばU字形状に形成されている。糸ガイド部41は、縫合糸1の直進方向に合わせて縫合糸載置面41aの位置が決定されている。なお、糸ガイド部41については、縫合糸送り機構40の説明箇所で詳述するものとする。
ハウジング50の縫合糸送り機構40側の基端側には、縫合糸1をハウジング50の外部からハウジング50の内部に挿通するための貫通孔50aが形成されている。図3では、貫通孔50aが直線状に形成されているものを例に示している。ただし、貫通孔50aを直線状に限定するものではなく、貫通孔50aの基端側が先端に向かって縮径するテーパー状部分を一部に有していてもよい。なお、貫通孔50aに糸ガイド部41の基端部を装着してもよい。この場合、糸ガイド部41は、テーパー状に形成されている部分を除いた貫通孔50aに装着されて、支持されることになる。また、糸ガイド部41の基端部をハウジング50の外部に突出させるようにしてもよい。このようにしておけば、縫合糸1の挿入という操作の負担を軽減することが可能になる。ただし、図1〜図3に示すように、糸ガイド部41の基端部をハウジング50の外部に突出させなくてもよい。
また、ハウジング50の縫合糸送り機構40側の内壁側面の一部には、ストッパー51が形成されている。ストッパー51は、ハウジング50の内壁側面の一部をハウジング50の内部に向けて突出させたり、ハウジング50の内壁面の一部に段差を設けたりして形成するとよい。ストッパー51は、第1中空部材42に固定されている移動規制部材47の後方向への移動を規制する機能を有している。
ただし、第1中空部材42の基端が糸ガイド部41の先端に当接したり、第1中空部材42の先端が第2中空部材43の基端(内側)に当接(係止)したりすることで、第1中空部材42の後方向の移動を規制する場合には、ストッパー51は必須なものではない。また、第1中空部材42の先端を第2中空部材43の基端(内側)に当接(係止)させる場合には、第1中空部材42の先端を径方向外側に向かって突出させ、第2中空部材43の基端を径方向内側に向かって突出させ、これらを係止させることで第1中空部材42の後方向の移動を規制すればよい。
移動規制部材47の前方向への移動は、内壁面54aで規制している。ただし、第1中空部材42の先端が、支持部52に当接したり、第2中空部材43の内壁の一部に当接したり、移動規制部材47が第2中空部材43の基端に当接したりすることで、第1中空部材42の前方向の移動を規制してもよい。また、ハウジング50の内壁側面の一部にストッパーを形成して、移動規制部材47の前方向への移動を規制してもよい。
また、ハウジング50の側面の一部には、締結部材保持部10が外部から操作可能なガイド穴55がハウジング50の長手方向に沿って形成されている。このガイド穴55を介して、術者は、締結部材保持部10を前後方向に移動させる操作が可能になっている。ガイド穴55は、ハウジング50の側面を貫通し、所定の長さで形成される。なお、ガイド穴55の先端側の内壁面を先端側内壁面55aと、ガイド穴55の基端側の内壁面を基端側内壁面55bと、それぞれ称するものとする。
ハウジング50の内部における縫合糸送り機構40とループ送り戻し機構30との間には、先端側内壁面(以下、当接部55c)が形成されている。この当接部55cには、締結部材保持部10の先端面が当接するようになっている。締結部材保持部10の先端面が当接部55cに当接すると、締結部材保持部10は、それ以上、前方向に移動しなくなる。また、ハウジング50の内部側壁に、締結部材保持部10の前後方向の移動をガイドするガイド溝を設けておくとよい。
なお、ハウジング50の構成材料を特に限定するものではなく、たとえばポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート等の合成樹脂を利用して構成すればよい。なお、ハウジング50の先端外壁には、径方向外側につば状に突出するつば部56が設けられている。このつば部56は、穿刺操作を補助するためのものである。
(締結部材保持部10)
締結部材保持部10は、ガイド穴55を介して術者からの操作が可能なようにハウジング50内に設けられている。締結部材保持部10は、ハウジング50の側面の一部に形成されているガイド穴55に沿って前後方向に移動可能になっている。締結部材保持部10は、縫合具100を使用して臓器固定具を内臓内に導入する際に術者からの操作を受け付ける操作部としての機能を有する他、術者から加えられた力をループ送り戻し機構30及び縫合糸送り機構40に伝達する機能を有する。なお、締結部材保持部10が本発明の「操作部」に相当する。
締結部材保持部10は、締結部材保持部10の先端側の一部が先端側内壁面55a、及び、当接部55cに当接可能になっている。また、締結部材保持部10は、締結部材保持部10の基端側が基端側内壁面55b、及び、以下で説明するハウジング50の内壁面57bに当接可能になっている。すなわち、締結部材保持部10は、先端側内壁面55a及び当接部55cによって前方向への移動が規制され、基端側内壁面55b及び内壁面57bによって後方向への移動が規制されるようになっている。
締結部材保持部10は、本体部10aと、延設部10bと、突出部10dと、で構成されている。本体部10aが縫合糸送り機構40に、延設部10bがループ送り戻し機構30に、術者から加えられた力をそれぞれ伝達する。また、本体部10aには、第1スリット10cが形成されている。さらに、本体部10aには突出部10dが延設部10bとは反対側に突出するように形成されている。この突出部10dは、必須なものではないが、ハウジング50の内部側壁にガイド溝を形成するような場合、このガイド溝に移動自在に挿入され、締結部材保持部10の前後方向の移動を円滑にする機能を果たす。
図3(d)に示すように、本体部10aには、縫合糸送り機構40を構成する縫合糸締結部材44が収容されている。この本体部10aが、術者からの実際の操作を受け付ける。本体部10aには第1スリット10cが形成されている。この第1スリット10cは、糸ガイド部41が挿通可能に形成されている。つまり、締結部材保持部10が糸ガイド部41の位置にあるときは糸ガイド部41が第1スリット10cに挿通された状態になり、締結部材保持部10が糸ガイド部41の位置にないときは糸ガイド部41が第1スリット10cから抜けた状態になる。
なお、縫合糸締結部材44については、縫合糸送り機構40の説明箇所で詳述するものとするが、図3(d)では縫合糸締結部材44が第1スリット10cにまで設けられている状態を例に示している。こうすることで、糸ガイド部41の挟み込みを滑らかに実行することができ、糸ガイド部41を挟み込んだ状態における締結部材保持部10の前後方向の移動も滑らかに実行することができる。ただし、縫合糸締結部材44を、第1スリット10cにまで設けるということは必須ではない。
延設部10bは、本体部10aの一部をループ送り戻し機構30側に延設させて構成されている。この延設部10bは、ループ送り戻し機構30を構成する第1弾性部材32の基端部32aとループ送り戻し部31の基端部31bとの間に設置される。延設部10bは、第1弾性部材32の基端部32aを前方向に押すことができる形状であればよく、特に形状を限定するものではない。
なお、締結部材保持部10の構成材料を特に限定するものではなく、ハウジング50と同様の合成樹脂で構成してもよく、ハウジング50とは異なる構成材料で構成してもよい。また、本体部10aと、延設部10bと、を連結可能に別体として形成してもよい。さらに、締結部材保持部10の形状を特に限定するものではなく、術者の操作を受け付け、術者の操作をループ送り戻し機構30及び縫合糸送り機構40に伝達可能な形状であればよい。
たとえば、締結部材保持部10の一部を進行方向に対して直交する方向に突出させるような形状とし、この突出部をガイド穴55からハウジング50の外側に露出させてもよい。このような形状とすることにより、術者の指が引っかかり易くなり、操作性が向上することになる。また、締結部材保持部10の基端を後向きに延設させ、ハウジング50の基端側から突出させたロッドを設け、このロッド部分を締結部材保持部10の一部としてハウジング50の内部に出し入れ可能にしてもよい。ロッドの基端部にボタンなどを設け、操作性を向上させるとよい。この場合、ガイド穴55は必須ではなくなる。
(ループ送り戻し機構30)
ループ送り戻し機構30は、ループ導入用針60の内部に移動可能に挿入されているループ形成部80を、締結部材保持部10の動きに連動し、ループ導入用針60の先端側に送ったり、ハウジング50の内部に戻したりするものである。ループ送り戻し機構30は、ループ送り戻し部31と、第1弾性部材32と、で構成されている。なお、第1弾性部材32は本発明の弾性部材に相当する。
ループ送り戻し部31は、先端部31aと、基端部31bと、側壁部31cと、収容部34とで構成され、締結部材保持部10の動きに応じてハウジング50内を前後方向に移動可能になっている。なお、ループ送り戻し部31は、内部に第1弾性部材32が設置できるような収容部34が形成され、前後方向に移動可能になっていればよく、たとえば中空の円柱部材(円筒部材)や角柱部材(角筒部材)等で構成することができる。また、ループ送り戻し部31の側壁部31cにスリット(または切れ目)を形成し、収容部34と外部とが連通するようになっていてもよい。図3では、延設部10bが前後方向に移動可能なように縫合糸送り機構40側を解放したループ送り戻し部31を例に示している。
先端部31aは、ループ送り戻し部31の先端側部分を構成しており、ループ形成部80の基端側固定部83が固定される。
基端部31bは、ループ送り戻し部31の基端側部分を構成しており、その収容部34側に締結部材保持部10が設置される。この基端部31bは、ループ送り戻し部31の後方向への移動を規制するものである。つまり、基端部31bが、ハウジング50の基端側内壁面(以下、単に内壁面57aと称する)に突き当たると、ループ送り戻し部31はそれ以上後方向へ移動できなくなる。なお、ループ送り戻し機構30側と、縫合糸送り機構40側とで基端側内壁面の位置が異なるため、縫合糸送り機構40側のハウジング50の基端側内壁面を内壁面57bと称するものとする。
側壁部31cは、先端部31aと基端部31bとを接続し、ハウジング50内の内壁側面に摺動可能に当接している。ただし、側壁部31cが収容部34の全体を覆っている必要はなく、スリット(または切れ目)を形成し、収容部34と外部とが連通するようになっていてもよい。
収容部34は、ループ送り戻し部31の先端部31a、基端部31b、側壁部31cで囲まれた空間であり、第1弾性部材32が伸縮自在に収容されるものである。
第1弾性部材32は、弾性力を有し、前後方向に伸縮する部材(たとえば、バネ(コイルバネ、空気バネなど)やゴム等)で構成されている。この第1弾性部材32は、ループ導入用針60に収容されているループ82の摩擦力以上の力が加えられた圧縮状態で収容部34に収容されている。つまり、第1弾性部材32は、収容部34に収容された状態において、ループ82の摩擦力以上の力が加えられなければ変形しないようになっている。よって、第1弾性部材32が収容部34に収容されたままの状態、つまり締結部材保持部10が第1弾性部材32と基端部31bとの間に位置している状態でループ送り戻し部31の前後方向の移動が可能になっている。
なお、ループ送り戻し部31を前後にまっすぐ移動させるためのガイド(たとえば、ループ送り戻し部31が嵌るような溝)をハウジング50内に形成しておくとよい。
ここでは、先端部31aの外周の一部が段差部54dに突き当たると、ループ送り戻し部31はそれ以上前方向へ移動できなくなる場合を例に示している。ただし、先端部31aを支持部53に当接させたり、ループ送り戻し機構30にまで内壁面54aを形成し、先端部31aを内壁面54aに当接させたりすることで、ループ送り戻し部31の前方向の移動を規制してもよい。
(縫合糸送り機構40)
縫合糸送り機構40は、縫合糸導入用針70の内部に移動可能に挿入されている縫合糸(図1〜図3に示す縫合糸1)を、締結部材保持部10の動きに連動し、縫合糸導入用針70の先端(刃先)から送り出すものである。縫合糸送り機構40は、糸ガイド部41と、第1中空部材42と、第2中空部材43と、縫合糸締結部材44と、第2弾性部材46と、移動規制部材47と、で構成されている。
糸ガイド部41は、板状に形成されており、ハウジング50の縫合糸送り機構40の内壁に固定されている。糸ガイド部41は、その縫合糸載置面41aが、縫合糸1を送り出す際のガイドとして機能する。
糸ガイド部41は、ハウジング50の縫合糸送り機構40側の内壁の一部に突出するように所定の長さで設置されている。糸ガイド部41の前後方向の長さは、縫合糸導入用針70の先端から送り出す縫合糸1の長さに応じて調整すればよい。また、糸ガイド部41の縫合糸載置面41aを、第1中空部材42の内壁面に一致させると、縫合糸1の直進性が向上する。
糸ガイド部41は、ハウジング50の内壁の一部を突出させてハウジング50と一体的に構成するとよい。ただし、ハウジング50とは別体として形成した糸ガイド部41を、ハウジング50の内部に装着してもよい。この場合、ハウジング50の内壁面の一部に糸ガイド部41を装着する凹部等を形成し、この凹部に糸ガイド部41の一端部を装着するとよい。また、貫通孔50aに糸ガイド部41の基端部を装着してもよい。さらに、接着剤などの接合部材を用いて糸ガイド部41をハウジング50に取り付けてもよい。糸ガイド部41の構成材料を特に限定するものではなく、ハウジング50と別体に構成する場合には、たとえばポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート等の合成樹脂を利用して糸ガイド部41を構成すればよい。
糸ガイド部41の縫合糸載置面41aの断面形状をU字形状にしている状態を例に示しているが、これに限定するものではない。縫合糸載置面41aは、縫合糸1を送り出す際にガイドとなる部分であるため、縫合糸1が縫合糸載置面41aから外れることなく、縫合糸1を送り出せるような形状であればよい。たとえば、縫合糸載置面41aの断面形状をV字形状にしてもよく、縫合糸載置面41aの幅方向の両側面を立設させたような形状にしてもよい。
糸ガイド部41は、縫合糸締結部材44に挟み込み可能な幅を有し、縫合糸1をガイドできるような縫合糸載置面41aを有していればよく、その形状を特に限定するものではない。
第1中空部材42は、中空状に形成されており、締結部材保持部10の動きに応じてハウジング50内を前後方向に移動可能になっている。第1中空部材42は、外径が第2中空部材43の内径よりも小さくなっている。そして、第1中空部材42は、先端側が第2中空部材43の中空部に挿入された状態で前後方向に移動するようになっている。なお、第1中空部材42の内径は、縫合糸1が挿通できればよく、特に数値を限定するものではない。また、糸ガイド部41、第1中空部材42、及び、第2中空部材43の軸方向長さは、ハウジング50の大きさ、縫合糸導入用針70の先端から突出させたい縫合糸1の長さを考慮して決定されており、特に長さを限定するものではない。
第1中空部材42の基端側外周には、移動規制部材47が固定されている。この移動規制部材47は、第1中空部材42の前後方向の移動を規制するものである。つまり、移動規制部材47がハウジング50の内壁面54a及びストッパー51に当接する間で第1中空部材42が前後方向に移動することになる。本実施の形態では、移動規制部材47が内壁面54aに当接することで第1中空部材42の前方向の移動を規制する場合を例に説明する。また、本実施の形態では、移動規制部材47がストッパー51に当接することで第1中空部材42の後方向の移動を規制する場合を例に説明する。
なお、第1中空部材42の先端を支持部52に当接させて、第1中空部材42の前方向の移動を規制するようにしてもよい。また、第2中空部材43を設置しない場合には、第1中空部材42の先端を内壁面54aに当接させて、第1中空部材42の前方向への移動を規制するようにしてもよい。さらに、第1中空部材42の前方向の移動を第2中空部材43の内壁の一部で停止させる場合には、第2中空部材43の内径が先端側に向かって縮径するようなテーパー形状にしたり、第2中空部材43の内腔に突起部などを形成したりしておけばよい。
第1中空部材42の後方向の移動を糸ガイド部41の先端に当接させて停止させてもよい。また、第1中空部材42の後方向の移動を第1中空部材42の先端を第2中空部材43の基端(内側)で停止させる場合には、第1中空部材42の先端を径方向外側に向かって突出させ、第2中空部材43の基端を径方向内側に向かって突出させ、これらを係止可能に形成しておけばよい。
ただし、第1中空部材42の先端側外周面が第2中空部材43の内壁の一部に当接することで、第1中空部材42の前方向の移動を規制する場合には、移動規制部材47は第1中空部材42の後方向の移動のみを規制することになる。また、第1中空部材42の基端が糸ガイド部41の先端に当接したり、第1中空部材42の先端が第2中空部材43の基端(内側)に当接したりすることで、第1中空部材42の後方向の移動を規制する場合には、移動規制部材47は第1中空部材42の前方向の移動のみを規制することになる。つまり、移動規制部材47は、必須なものではなく、糸ガイド部41、第1中空部材42、第2中空部材43、内壁面54a、ストッパー51の構成により設置するかどうかを決定すればよい。
第2中空部材43は、中空状に形成されており、ハウジング50の先端側に固定されている。第1中空部材42、及び、第2中空部材43には、ハウジング50の外部からハウジング50の内部に挿通され、糸ガイド部41にガイドされた縫合糸1が挿通されるようになっている。特に、第2中空部材43は、縫合糸1のたわみを防止する手段としても機能する。ただし、第2中空部材43を設けず、縫合糸1をハウジング50内で露出させてもよい。
なお、第1中空部材42、及び、第2中空部材43は、内部に縫合糸1を挿通させるので、その内径を縫合糸1が挿通可能な程度にしておく。また、糸ガイド部41は、後述する縫合糸締結部材44に挟み込まれることが可能になっている。したがって、糸ガイド部41の幅(糸ガイド部41の短手方向の幅)を縫合糸締結部材44の第2スリット44aに挟み込み可能な程度にしておく必要がある。加えて、糸ガイド部41の幅(特に、縫合糸載置面41aの短手方向の幅)は、糸ガイド部41が縫合糸締結部材44の第2スリット44aに挟み込まれた際、縫合糸1が縫合糸締結部材44によって締め付けられない程度にしておく必要がある。さらに、第1中空部材42は、後述する縫合糸締結部材44に挿通可能になっている。したがって、第1中空部材42の外径を縫合糸締結部材44の第2スリット44aに挿通可能な程度にしておく必要がある。
また、第1中空部材42、及び、第2中空部材43は、内部が中空状になっていればよく、たとえば中空の円柱部材(円筒部材)や角柱部材(角筒部材)等で構成することができる。また、第1中空部材42、及び、第2中空部材43の一部にスリット(または切れ目)を形成し、それらの中空部と外部とが連通するようになっていてもよい。
さらに、第2中空部材43は、第1中空部材42の前後方向の移動をガイドする機能も有している。よって、第2中空部材43の軸方向長さは、縫合糸導入用針70の先端から送り出させたい縫合糸1の長さだけでなく、第1中空部材42の長さも考慮して決定するとよい。つまり、第2中空部材43の軸方向長さは、第1中空部材42が最も後方向に移動した状態においても、第1中空部材42の一部が第2中空部材43の中空部に位置する程度の長さに構成されている。
縫合糸締結部材44は、たとえば天然ゴムや合成ゴム、金属等で形成されており、前後方向に切れ目(第2スリット44a)が形成されている。この第2スリット44aは、縫合糸締結部材44が締結部材保持部10の本体部10aに収容された状態で第1スリット10cと同じように糸ガイド部41が挿通される位置に形成されている。また、縫合糸締結部材44は、締結部材保持部10によって、前後方向に移動可能になっている。そして、縫合糸締結部材44は、第2スリット44aで糸ガイド部41、縫合糸1又は第1中空部材42を締め付け可能になっている。つまり、縫合糸締結部材44は、締結部材保持部10の動きに応じて変化する位置によって、糸ガイド部41、縫合糸1又は第1中空部材42のいずれかを締め付けるようになっている。なお、第2スリット44aが本発明の「スリット」に相当する。
上述したように、縫合糸締結部材44は、締結部材保持部10の本体部10aに収容された状態で前後方向に移動される。そして、縫合糸締結部材44は、締結部材保持部10の前後方向の移動に合わせて、締結部材保持部10が先端側内壁面55a及び当接部55cに当接するまで前方向への移動が可能になっており、締結部材保持部10が基端側内壁面55b及び内壁面57bに当接するまで後方向への移動が可能になっている。
縫合糸締結部材44は、第2スリット44aで糸ガイド部41又は第1中空部材42を挟み込んでいない状態において、縫合糸1を挟み込み、前方向の移動に応じて縫合糸1を送り出す。つまり、縫合糸1は、縫合糸締結部材44が糸ガイド部41又は第1中空部材42を挟み込んでいる状態では第2スリット44aに挟み込まれることがない。第2スリット44aには、糸ガイド部41を挟み込んでいる状態において、縫合糸載置面41aの幅によって縫合糸1を挟み込まない程度の空間が形成される。よって、縫合糸締結部材44が糸ガイド部41から外れ、第1中空部材42を締結するまでの間、縫合糸1は、縫合糸締結部材44に締結され、送り出されることになる。
また、縫合糸締結部材44を、締結部材保持部10の第1スリット10cにまで設け、第1スリット10cの位置に対応する部分に第2スリット44aを形成するとよい。こうすることで、縫合糸締結部材44による糸ガイド部41の挟み込みを滑らかに実行することができることになる。加えて、縫合糸締結部材44が糸ガイド部41を挟み込んだ状態において、締結部材保持部10の前後方向の移動が滑らかに実行することができることになる。
縫合糸締結部材44は、たとえば天然ゴムや合成ゴム等の弾性体や、銅のような比較的柔らかな金属リングのようなもので構成するとよい。弾性体で縫合糸締結部材44を構成すれば、その弾性力を利用して縫合糸1を締め付けることができる。また、金属リングのようなもので縫合糸締結部材44を構成すれば、糸ガイド部41から外れると同時に塑性変形して縫合糸1を締め付けることができる。また、縫合糸締結部材44に形成されている第2スリット44aには、単なる切れ目の他に、所定の隙間を設けたスリット状等も含まれる。
第2弾性部材46は、弾性力を有し、前後方向に伸縮する部材(たとえば、バネ(コイルバネ、空気バネなど)やゴム等)で構成されている。この第2弾性部材46は、支持部52と第1中空部材42に固定されている移動規制部材47との間に設置され、支持部52と移動規制部材47との間で伸縮するようになっている。そして、第2弾性部材46は、反発力を利用して移動規制部材47を押すことで移動規制部材47を後方向に移動させるようになっている。この第2弾性部材46をバネで構成する場合、第2弾性部材46は、第2中空部材43及び第1中空部材42の外周部を巻くようにして設置するとよい。
移動規制部材47は、第1中空部材42の前後方向の移動を規制する機能を有している。ただし、上述したように、第1中空部材42の前後方向の移動を他の部材で規制する場合には、移動規制部材47は必須のものではない。
(ループ導入用針60)
ループ導入用針60は、内腔を有し、その内腔にループ形成部80を前後方向に移動可能に収容するものである。ループ導入用針60は、ハウジング50に取り付けられた状態において、基端部がハウジング50内に開口し、ハウジング50の内部と連通するようになっている。このループ導入用針60は、その軸心がループ送り戻し機構30の軸心と一致するようにハウジング50の先端側に取り付けられる。このようにループ導入用針60をハウジング50に取り付ければ、ループ形成部80を直線的に送り戻すことが可能になる。このループ導入用針60は、たとえばステンレス等の金属で形成するとよい。
また、ループ導入用針60は、皮膚への穿刺用の刃面を先端に有している。この刃面は、ループ導入用針60の軸心と斜めに交差する面で切断されて形成するとよい。ループ導入用針60の先端開口は、後述するループ形成部80のループ82が確実に縫合糸導入用針70の方向に延びるようにするために、縫合糸導入用針70に向かっているとよい。なお、ループ導入用針60の先端側とは、ループ導入用針60の最先端だけを意味するものではなく、ループ導入用針60の先端付近の側面部も含んでいる。
なお、ループ導入用針60は、皮膚への穿刺とループ形成部80の挿入ができればよく、形状を特に限定するものではない。たとえば、ループ導入用針60としては、外径が21〜17G(好ましくは20〜18G)程度、長さが70〜120mm(好ましくは80〜100mm)程度のものを利用するとよい。また、ループ導入用針60の先端には、把持した縫合糸1が切れないような面取り部を形成しておくとよい。さらに、支持部52の位置によって、ループ導入用針60の先端の位置(送り出された縫合糸1との相対的な位置)を調整できるようにしておくとよい。
(縫合糸導入用針70)
縫合糸導入用針70は、内腔を有し、その内腔に縫合糸1を前後方向に移動可能に挿入されるものである。縫合糸導入用針70は、ハウジング50に取り付けられた状態において、基端部が第2中空部材43の中空部と連通するようになっている。この縫合糸導入用針70は、その軸心が縫合糸送り機構40の軸心と一致するようにハウジング50の先端側に取り付けられる。このように縫合糸導入用針70をハウジング50に取り付ければ、縫合糸1を直線的に送り出すことが可能になる。この縫合糸導入用針70は、たとえばステンレス等の金属で形成するとよい。なお、縫合糸導入用針70の基端部を第2中空部材43として機能させるようにしてもよい。
また、縫合糸導入用針70は、皮膚への穿刺用の刃面を先端に有している。この刃面は、縫合糸導入用針70の軸心と斜めに交差する面で切断されて形成するとよい。縫合糸導入用針70の先端開口の向きは、特に限定するものではないが、ループ導入用針60の方向に向かっているとよい。なお、縫合糸導入用針70の先端側とは、縫合糸導入用針70の最先端だけを意味するものではなく、縫合糸導入用針70の先端付近の側面部も含んでいる。
なお、縫合糸導入用針70は、皮膚への穿刺と縫合糸1の挿入ができればよく、形状を特に限定するものではない。たとえば、縫合糸導入用針70としては、外径が21〜17G(好ましくは20〜18G)程度、長さが70〜120mm(好ましくは80〜100mm)程度のものを利用するとよい。また、支持部53の位置によって、ループ導入用針60の先端の位置(送り出されたループ82との相対的な位置)を調整できるようにしておくとよい。
上述したように、ループ導入用針60及び縫合糸導入用針70は、互いに所定の距離だけ離れた状態で平行にハウジング50の先端側に支持される。そして、ループ導入用針60及び縫合糸導入用針70の間の距離は、縫合糸1が患者の腹壁と内臓壁とを固定する長さ(たとえば10〜30mm程度)に設定しておくとよい。ループ導入用針60及び縫合糸導入用針70の間の距離がこの範囲であれば、縫合糸1による患者の腹壁と内臓壁との固定も十分に行なえる。
(ループ形成部80)
ループ形成部80は、ループ導入用針60の内部に前後方向に移動可能に挿入されている。ループ形成部80は、ループ送り戻し部31の先端部に固定された基端側固定部83と、先端に固定されたループ82と、ループ導入用針60の内径より小さい外径を有し、基端側固定部83とループ82とを接続する棒状軸部81と、で構成されている。ループ82は、弾性材料により形成されており、ループ導入用針60の先端から送り出された状態(外力が加わっていない状態)では、環状に復元し、ループ導入用針60の先端から送り出されていない状態では、ほぼ直線状に変化してループ導入用針60の内部に収納可能になっている。
ループ82は、ループ導入用針60の先端から送り出された状態において、縫合糸導入用針70の先端から送り出される縫合糸1が、ループ82の内部を貫通するように縫合糸導入用針70の方向に延びるようになっている。たとえば、ループ82は、棒状軸部81の先端に所定の角度を有して固定し、ループ導入用針60の先端から送り出された状態において湾曲形状となるように形成するとよい。この湾曲形状は、たとえばループ82を側面視した状態において、湾曲している部分の頂点部分が前方向に突出しているような形状であるとよい。このような形状でループ82を形成すれば、縫合糸1を、より確実にループ82の内部に位置させることが可能になる。また、縫合糸導入用針70の延長上にループ82の中心がくると、縫合糸1がまっすぐ伸びたときに、縫合糸1をより確実にループ82内に位置させることができる。
また、ループ82の先端形状を特に限定するものではないが、先端を中心とする略V字または略U字形状にしておき、縫合糸1を把持する部分(略V字、略U字状となっている部分)の距離を狭めるようにしておくとよい。こうしておけば、縫合糸導入用針70の先端から送り出された縫合糸1をより確実に把持することが可能になる。ループ82は、変形可能な部材で構成されていればよく、たとえばステンレス鋼線(バネ用高張力ステンレス鋼)、ピアノ線(ニッケルメッキあるいはクロムメッキが施されたピアノ線)、または超弾性合金線(チタンとニッケルの合金、銅と亜鉛の合金(あるいは、それにベリリウム、ケイ素、スズ、アルミニウム、ガリウム等を含めた合金)、ニッケルとアルミニウムの合金等)等で構成することができる。
棒状軸部81は、金属(たとえばステンレス)や合成樹脂(たとえば、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン、PTFE、ETFE等のフッ素樹脂)等を用いて構成することができる。この棒状軸部81は、スタイレット等を利用して構成することができる。また、基端側固定部83は、ループ送り戻し部31の先端部に固定されていればよく、固定の仕方を特に限定するものではない。たとえば、接着剤等を用いて固定してもよく、ループ送り戻し部31の先端部に切欠等を設け、その切欠に嵌め込むようにして固定してもよい。なお、ループ82を比較的剛性がある材料で構成する場合には、棒状軸部81とループ82とを同じ材質で構成してもよい。この場合、棒状軸部81とループ82とを、一体に構成してもよく、別体で構成してもよい。
(その他の構成部品)
図示はしていないが、ループ導入用針60及び縫合糸導入用針70が貫通された平板部を前後方向に移動させる支持棒をハウジング50の先端側に設けておいてもよい。平板部及び支持棒を設けておけば、ループ導入用針60及び縫合糸導入用針70の穿刺時に平板部を先端側に移動させることで、ループ導入用針60と縫合糸導入用針70との距離の変化を抑制することができる。こうすることで、ループ導入用針60と縫合糸導入用針70とが撓み、それらの距離が大幅に変化してしまうことを防止することができる。また、平板部は支持棒を介してループ導入用針60及び縫合糸導入用針70に対して前後方向に移動可能になっているので、平板部が穿刺作業を邪魔することにもならない。
平板部及び支持棒を設ける場合、平板部の平面形状を特に限定するものではないが、たとえば矩形状、円形状、多角形状にするとよい。また、平板部の先端側面(患者側の面)は、患者の皮膚に刺激を与えないように平坦にしておくとよい。このような平板部を設ける場合、ループ導入用針60及び縫合糸導入用針70と平行に延びる支持棒の先端を平板部に固定するようにしておくとよい。支持棒を設けておくことで、平板部の移動の安定性が向上するとともに、平板部からループ導入用針60及び縫合糸導入用針70に伝達されてしまう力を低減できる。
ガイド穴55にバネやゴム等の弾性部材を設け、この弾性部材の反発力を利用して締結部材保持部10を後方向へ移動させるようにしてもよい。このような弾性部材を設けておけば、締結部材保持部10を後方向に移動する際の操作が簡便になり、術者の操作負担が更に軽減されることになる。つまり、後述する戻し操作を術者が実行しなくて済み、実質的にワンタッチ操作で縫合糸1を内臓壁と腹壁とを通した状態にできる。
[縫合具100の動作]
縫合具100では、締結部材保持部10と、ループ送り戻し機構30及び縫合糸送り機構40とが連結していない。加えて、ループ送り戻し機構30と、縫合糸送り機構40とも連結していない。すなわち、締結部材保持部10と、ループ送り戻し機構30と、縫合糸送り機構40とは、互いに独立した構成となっている。ただし、縫合具100は、術者に過度な操作負担を要求することなく、簡便な操作で、ループ82の送り出しタイミングと、縫合糸1の送り出しタイミングとに時間差を設けることが可能になっており、縫合糸1を内臓壁と腹壁とを通した状態にすることを可能にしている。その仕組みについて、詳しく説明する。
縫合具100の予備操作として、術者は、まず縫合糸1をハウジング50の貫通孔50aに挿入する。貫通孔50aに挿入された縫合糸1は、糸ガイド部41の縫合糸載置面41aによって第1中空部材42に導かれる。このとき、術者は、縫合糸1が縫合糸導入用針70の先端から突出しない程度の長さで縫合糸導入用針70に縫合糸1を送り込む。縫合具100を内臓内へ穿刺した後、この状態で、締結部材保持部10を前方向に移動させると、締結部材保持部10の前方向の動きが、まずループ送り戻し機構30に伝達され、続いて縫合糸送り機構40に伝達される。なお、縫合糸1が予め縫合具100にセットされている状態のものを術者が使用してもよい。
(ループ送り戻し機構30の動作)
締結部材保持部10が操作されていない初期状態(あるいは2回目以降の操作前の状態)において、ループ送り戻し機構30側では、ループ送り戻し部31の基端部31bがハウジング50の内壁面57aに当接した状態となっている。このとき、収容部34には、所定の力が加えられた圧縮状態の第1弾性部材32が収容されている。また、締結部材保持部10の延設部10bは、第1弾性部材32とループ送り戻し部31の基端部31bとに挟持されている。さらに、締結部材保持部10の本体部10aは、その基端面が基端側内壁面55b及び内壁面57bに当接している。
術者により締結部材保持部10が前方向に移動されると、その力が延設部10bを介して第1弾性部材32に伝達される。第1弾性部材32は、所定の力で圧縮されているので、第1弾性部材32の先端側でループ送り戻し部31の先端部31aが押されることになる。すなわち、締結部材保持部10、ループ送り戻し部31、第1弾性部材32が、それぞれの位置を保ったまま前方向に移動することになる。そうすると、ループ送り戻し部31の先端部31aに固定されているループ形成部80も前方向に移動し、ループ形成部80の先端に位置しているループ82が、ループ導入用針60の先端から飛び出し環状に開く。
さらに、締結部材保持部10が前方向に移動されると、ループ送り戻し部31の先端部31aの外周の少なくとも一部が、段差部54dに突き当たることになる。この状態で、更に第1弾性部材32に加えられている力よりも大きな力が締結部材保持部10を介して第1弾性部材32に伝達されると、ループ送り戻し部31の前方向への移動を規制しつつ、第1弾性部材32が更に圧縮されていくことになる。すなわち、ループ導入用針60の先端から送り出されたループ82を、開いたままの状態で保持することが可能になっている。このような構成とすることで、縫合糸1の送り出しタイミングをループ82の送り出しタイミングよりも遅らせる等、縫合糸1の送り出しタイミングとループ82の送り出しタイミングとが調整可能となっている。つまり、締結部材保持部10の前方向へ移動を継続しつつ、ループ82の環状形状を維持できる。
次に、締結部材保持部10の先端側への操作が解除されると、第1弾性部材32の圧縮力が解放され、ループ送り戻し部31が後方向への移動を開始する。そして、術者により締結部材保持部10が更に後方向に移動されると、ループ送り戻し部31の基端部31bに当接した締結部材保持部10の後方向への力がループ送り戻し部31に伝達される。それによって、ループ送り戻し部31の基端部31bが後方向に押され、ループ送り戻し部31が後方向に移動することになる。
なお、第1弾性部材32の他に、別のバネやゴム等の弾性体を設け、この弾性体の反発力を利用して締結部材保持部10を後方向へ移動させるようにしてもよい。このような弾性体を設けておけば、締結部材保持部10を後方向に移動する際の操作が簡便になり、術者の操作負担が更に軽減されることになる。つまり、後述する戻し操作を術者が実行しなくて済み、実質的にワンタッチ操作で縫合糸1を内臓壁と腹壁とを通した状態にできる。
ループ送り戻し部31が後方向に移動すると、ループ82も後方向に移動を開始する。このとき、縫合糸導入用針70の先端から送り出された縫合糸1はループ82に貫通されている。したがって、ループ82が後方向に移動を開始するとループ82の環状形状が徐々に小さくなり、ループ82で縫合糸1が把持された状態になる。さらに、ループ82が後方向に移動すると、ループ導入用針60の先端で縫合糸1を把持した状態となる。
(縫合糸送り機構40の動作)
締結部材保持部10が操作されていない初期状態(あるいは2回目以降の操作前の状態)において、縫合糸送り機構40側では、縫合糸締結部材44が第2スリット44aで糸ガイド部41を挟み込んだ状態となっており、縫合糸1は、縫合糸締結部材44によって締結されておらず、移動可能なフリーの状態(縫合糸1が縫合糸締結部材44に締め付けられていない状態)となっている。つまり、糸ガイド部41によって、第2スリット44aに縫合糸1を締め付けない程度の空間が形成されるようになっており、これにより縫合糸1がフリーの状態になっている。
締結部材保持部10が前方向に移動されると、縫合糸締結部材44も併せて前方向に移動する。縫合糸締結部材44が所定の距離を移動すると、糸ガイド部41が縫合糸締結部材44の第2スリット44aから抜ける。そして、縫合糸締結部材44の第2スリット44aに縫合糸1が挿通されている状態、つまり縫合糸締結部材44が縫合糸1を締め付けている状態になる。この状態では、縫合糸締結部材44の締め付け力が縫合糸1に到達し、縫合糸1は縫合糸締結部材44に把持されていることになる。つまり、糸ガイド部41によって第2スリット44aに形成されていた空間が塞がれ、第2スリット44aによって縫合糸1が締め付けられるようになる。
更に締結部材保持部10が前方向に移動され、締結部材保持部10に保持されている縫合糸締結部材44の先端面に第1中空部材42の基端が当接することで、第1中空部材42が移動規制部材47とともに前方向の移動を開始する。なお、糸ガイド部41が締結部材保持部10から完全に抜けたときに、締結部材保持部10を第1中空部材42に接触させてもよく、糸ガイド部41が締結部材保持部10からまだ抜けていないときに、締結部材保持部10を第1中空部材42に接触させてもよい。つまり、後方向への移動が規制されている状態の第1中空部材42の基端の位置に応じて、縫合糸締結部材44と第1中空部材42との当接位置を決定すればよい。
そして、締結部材保持部10の動きが縫合糸締結部材44を介して第1中空部材42に伝達され、縫合糸締結部材44によって押されることで第1中空部材42も前方向に移動することになる。なお、第1中空部材42の前方向の移動とともに前方向に移動している移動規制部材47によって、第2弾性部材46は前方向に向かって圧縮されていく。
縫合糸1は、縫合糸締結部材44に把持された状態になっているため、第1中空部材42の前方向の移動に併せて縫合糸導入用針70の先端から送り出される。すなわち、縫合糸1は、ループ導入用針60の先端からループ82が送り出されるタイミングよりも遅いタイミングで縫合糸導入用針70の先端から送り出される。したがって、ループ82の送り出しタイミングと、縫合糸1の送り出しタイミングとに時間差を設けることができ、容易にループ82内に縫合糸1が挿入された状態にできる。なお、縫合具100では、縫合糸1の送り出しタイミングとループ82の送り出しタイミングとが任意に調整可能となっている。
さらに、締結部材保持部10が前方向に移動されると、移動規制部材47が内壁面54aに突き当たる。そうすると、第1中空部材42の前方向への移動が停止する。この状態で、更にループ送り戻し機構30側の第1弾性部材32に加えられている力よりも大きな力が締結部材保持部10を介して第1弾性部材32に伝達され、締結部材保持部10が更に前方向に移動されると、第1中空部材42の基端側が縫合糸締結部材44の第2スリット44aに突き刺さることになる。
そうすると、縫合糸締結部材44による縫合糸1への締め付けが解除され、縫合糸1がフリーの状態になる。つまり、第2スリット44aが第1中空部材42を挟み込むことになるため、第1中空部材42の内腔に挿通されている縫合糸1にまで縫合糸締結部材44の締め付け力が伝達しない。この状態では、縫合糸1が前方向に移動しない。なお、ここでは、移動規制部材47が内壁面54aに突き当たることで第1中空部材42の前方向の移動を規制した場合を例に説明するが、これに限定するものではないことは前述した通りである(段落[0053]、[0054]参照)。
次に、締結部材保持部10の先端側への操作が解除されると、第2弾性部材46の圧縮力が解放され、移動規制部材47がストッパー51に突き当たる位置まで締結部材保持部10が後方向へ移動する。ただし、縫合糸締結部材44には、第1中空部材42が突き刺さったままの状態である。なお、ここでは、移動規制部材47がストッパー51に突き当たることで第1中空部材42の後方向の移動を規制したが、これに限定するものではないことは前述した通りである(段落[0055]、[0056]参照)。
移動規制部材47がストッパー51に当接した状態で、更に締結部材保持部10が後方向に移動されると、第1中空部材42はストッパー51で移動が停止されているので、締結部材保持部10だけが後方向へ移動することになる。そして、第1中空部材42が縫合糸締結部材44の第2スリット44aから抜け、縫合糸締結部材44は、その第2スリット44aで再度糸ガイド部41を締め付けることになる。つまり、縫合糸締結部材44の締め付け力が第1中空部材42から糸ガイド部41に移動する。
なお、ループ導入用針60の先端で縫合糸1が把持されたときに遅れて、各部(締結部材保持部10、ループ送り戻し機構30、縫合糸送り機構40)を初期状態に戻すようにしてもよい。また、ループ導入用針60の先端で縫合糸1が把持されたときと同時に、各部を初期状態に戻すようにしてもよい。
ループ導入用針60の先端で縫合糸1が把持された状態で、縫合具100のループ導入用針60及び縫合糸導入用針70を内臓内から腹壁側に抜いてくると、縫合糸1はフリーとなっているため、縫合糸1がスムーズに誘導され、内臓壁と腹壁とを略U字に通した状態になる。次に、体外に引き出した縫合糸導入用針70の刃先又は他のカット手段(ハサミやカッター等)で縫合糸1をカットする。そして、ループ導入用針60の先端で把持している余分な縫合糸1を取り除く。そうすると、ループ導入用針60の先端で縫合糸1が把持されたときに遅れて、各部を初期状態に戻す場合、ループ形成部80がループ導入用針60に入り込める状態となり、ループ送り戻し部31が後方向へ移動可能になる。この状態で、締結部材保持部10を更に後方向へ移動させると、締結部材保持部10が基端側内壁面55b及び内壁面57bに当接し、各部が初期状態と同様の位置に戻る。
よって、縫合糸1は縫合糸導入用針70の先端まで挿入されている初期状態と同じとなるため、何度でも上記手順で内臓壁の固定ができることになる。なお、縫合糸1をカットした後、縫合糸1が縫合糸導入用針70の刃先よりも先端側に出ている場合は、縫合糸1を基端側に手で引っ張って初期状態と同じ状態にするとよい。また、ループ導入用針60の先端で縫合糸1が把持されたときと同時に、各部を初期状態に戻す場合には、初期状態に戻った状態で、縫合具100のループ導入用針60及び縫合糸導入用針70を内臓内から腹壁側に抜いてくることになる。
(ループ82と縫合糸1の送り出しタイミング)
縫合具100によれば、先に締結部材保持部10の前方向への動きをループ82に伝達し、それから締結部材保持部10の前方向への動きを縫合糸1に伝達することを可能にしているので、縫合糸1の送り出しタイミングをループ82の送り出しタイミングよりも遅らすことが可能になっている。こうすることで、縫合糸1を確実にループ82の内部に挿入することができ、縫合糸1を確実に把持させることが可能になっている。
具体的には、締結部材保持部10が先端側に動かされると、まずループ送り戻し機構30が動作を開始し、第1弾性部材32の弾性力を利用して先にループ82のみが送り出される。そして、ループ82が完全に送り出された状態、ループ82の環状形状を維持した状態で縫合糸1が送り出されるように、ループ送り戻し機構30側では第1弾性部材32のみに締結部材保持部10の動きを伝達し、ループ82の形状を維持できるようにしている。ただし、縫合糸1の送り出しタイミングとループ82の送り出しタイミングとを調整し、ループ82が完全に送り出された状態でなくても、縫合糸1を送り出すようにしてもよい。また、縫合糸1とループ82とを同時に送り出すようにしてもよい。
一方、縫合糸送り機構40は、ループ送り戻し機構30の動作よりも遅れて動作を開始する。締結部材保持部10の移動開始直後、縫合糸送り機構40では、縫合糸締結部材44がその第2スリット44aで糸ガイド部41を挟み込んだ状態を利用し、縫合糸1をフリーなままにしておく。次に、縫合糸送り機構40側では、縫合糸締結部材44の第2スリット44aが糸ガイド部41から抜けて縫合糸1を締め付け、締結部材保持部10の動きを縫合糸1に伝達するようになっている。
このようにして、縫合具100では、ループ82の送り出しタイミングと、縫合糸1の送り出しタイミングとに時間差を設けることが可能になっている。具体的には、縫合具100では、ループ82が先に送り出された状態で、縫合糸1を送り出すことができ、環状形状が形成されたループ82の内部に縫合糸1が容易に挿入されることになる。したがって、縫合具100によれば、ループ送り戻し部31、糸ガイド部41及び第1中空部材42の長さ、並びに、内壁面54a、ストッパー51の位置を調整することによって、縫合糸1の送り出しタイミングとループ82の送り出しタイミングとを変更、修正することが可能になっている。
(ループ送り戻し機構30と縫合糸送り機構40の戻りタイミング)
締結部材保持部10が後方向に移動されると、縫合糸送り機構40側では、縫合糸締結部材44に挟み込まれている第1中空部材42も併せて後方向に移動する。締結部材保持部10の後方向への移動途中で第1中空部材42の後方向への移動が規制され、縫合糸締結部材44が第1中空部材42から抜けて糸ガイド部41を挟み込む。締結部材保持部10が後方向へ移動されている間、縫合糸締結部材44は第1中空部材42又は糸ガイド部41を挟み込んでいるので、縫合糸1が縫合糸導入用針70から送り出された状態が維持されている。
ループ送り戻し機構30側では、第1中空部材42の後方向への移動が規制された後、締結部材保持部10の延設部10bがループ送り戻し部31の基端部31bの先端面に当接する。この状態では、まだ縫合糸1がループ82に把持されていない。締結部材保持部10が更に後方向に移動されると、延設部10bがループ送り戻し部31の基端部31bが後方向へ押され、ループ82がループ導入用針60に引き込まれ始める。このとき、縫合糸1がループ82に引き寄せられる。そして、締結部材保持部10が停止するまで後方向へ移動されると、縫合糸1がループ導入用針60の先端で把持された状態になる。
[縫合具100の具体的な操作手順]
図4〜図7は、縫合具100の操作手順を簡略的に示した概略断面図である。図4〜図7に基づいて、縫合具100の具体的な操作手順について説明する。図4が縫合具100の穿刺操作を、図5及び図6が各部の前方向の移動操作(以下、押込操作(押込操作1(B1)〜押込操作4(B4))と称する)を、図7が各部の後方向の移動操作(以下、戻し操作(戻し操作1(C1)〜戻し操作3(C3))と称する)を、それぞれ示している。また、図5〜図7には、縫合糸1及びループ82の送り出し状況を抽出した図を併せて示している。なお、図5〜図7では、便宜的に、ループ送り戻し機構30、ループ送り戻し部31、縫合糸送り機構40、ループ形成部80の符号を省略している。
(A)穿刺(縫合具100の初期状態時(2回目以降の操作前の状態時も含む)を表している)
まず、術者は、ループ形成部80のループ82がループ導入用針60の内部に収納され、縫合糸1が縫合糸導入用針70の内部に収納された状態の縫合具100を患者に穿刺する。このとき、縫合糸1は、縫合糸導入用針70の先端から突出しないように縫合糸導入用針70の内部に挿入されている。また、縫合糸締結部材44が糸ガイド部41を挟み込んだ状態であり、縫合糸1はフリー、つまり前方向に移動しない状態となっている。さらに、締結部材保持部10の本体部10aは、その基端面が基端側内壁面55b及び内壁面57bに当接し、ループ送り戻し部31の基端部31bが内壁面57aに当接した状態となっている。
(B1)押込操作1(ループ82の送り出し開始)
術者によって締結部材保持部10に前方向の力が加えられると、第1弾性部材32を介してループ送り戻し部31が前方向への移動を開始する。ループ送り戻し部31が前後方向に移動すると、ループ形成部80も前後方向に移動する。ループ送り戻し部31は、ループ送り戻し部31の先端部31aの外周の少なくとも一部が、段差部54dに突き当たるまで前方向の移動が可能になっている。ループ送り戻し部31が移動しなくなるまで前方向に移動されているとき、ループ形成部80もループ導入用針60の内腔を先端側に移動し、ループ82がループ導入用針60の先端から送り出され、外力が加わっていない状態となり、環状に復元する。
縫合糸送り機構40側では、縫合糸締結部材44が締結部材保持部10と一緒に既に動作を開始するものの、それ以外の部材についてはループ送り戻し機構30が動きを開始してもまだ動かない。そして、縫合糸締結部材44が、第2スリット44aで糸ガイド部41を挟みこんでいる状態では、縫合糸1はフリーなままである。つまり、縫合糸1は縫合糸締結部材44に締め付けられておらず、縫合糸1に締結部材保持部10の動きは伝達されない。
(B2)押込操作2(縫合糸送り機構40の動作開始)
縫合具100では、ループ82の形状を維持しつつ、締結部材保持部10の動きを縫合糸送り機構40に伝達するため、締結部材保持部10の動きが第1弾性部材32のみに伝達されるようになっている。締結部材保持部10の動きが第1弾性部材32に伝達されると、第1弾性部材32がループ送り戻し部31の収容部34内で前方向に向かって圧縮される。したがって、ループ82の形状を維持した状態で第1弾性部材32だけが前方向に移動する。このとき、第1弾性部材32の作用によって、締結部材保持部10を介して術者の手元に徐々に荷重がかかっていくことになる。したがって、締結部材保持部10をスムーズに前方向に移動することが可能になる。
縫合糸送り機構40では、縫合糸締結部材44が糸ガイド部41から抜け、縫合糸締結部材44の先端面が第1中空部材42の基端に当接する。ここから、縫合糸送り機構40側では、縫合糸締結部材44以外の部材が前方向への動きを開始する。このとき、縫合糸締結部材44は糸ガイド部41ではなく縫合糸1を把持しているため、締結部材保持部10によって第1中空部材42が前方向に押されると同時に縫合糸1も前方向に移動を開始することになる。なお、締結部材保持部10の前方向の移動に伴い、移動規制部材47も前方向に移動をしているため、第2弾性部材46が圧縮され始める。
(B3)押込操作3(縫合糸1の送り出し開始)
そして、術者によって締結部材保持部10が更に前方向に移動させられると、ループ送り戻し機構30側では、第1弾性部材32が前方向に向かって更に圧縮される。
縫合糸送り機構40側では、締結部材保持部10が前方向への移動を継続し、縫合糸1が縫合糸導入用針70の先端から送り出されることになる。その後、移動規制部材47が内壁面57bに突き当たるまで、第1中空部材42は前方向への移動を継続する。このとき、縫合糸導入用針70の先端から必要な長さ分の縫合糸1が送り出されていることになる。そして、既に送り出されているループ82の内部に縫合糸1が貫通される。
(B4)押込操作4(縫合糸1の送り出し完了)
ループ送り戻し機構30では、押込操作3に引き続き、締結部材保持部10の動きが第1弾性部材32のみに伝達され、第1弾性部材32の圧縮が継続される。
縫合糸送り機構40側では、第1中空部材42が移動しなくなった状態で締結部材保持部10が更に前方向に移動させられると、第1中空部材42が縫合糸締結部材44に突き刺さることになる。そうすると、縫合糸締結部材44による縫合糸1への締め付けが解除され、縫合糸1が再度フリーになる。つまり、縫合糸1が前方向に移動しなくなる。したがって、ループ82の内部に縫合糸1が貫通された状態が維持される。
(C1)戻し操作1(各部の後方向の移動開始)
術者により締結部材保持部10に加えられている先端側への力が解除されると、第1弾性部材32及び第2弾性部材46の圧縮状態が解除される。第1弾性部材32の圧縮状態が解除されると、締結部材保持部10の延設部10bが第1弾性部材32に押され、後方向に移動する。縫合糸締結部材44には第1中空部材42が挟み込まれているので、縫合糸締結部材44と一緒に第1中空部材42も後方向に移動される。それから、縫合糸締結部材44は、移動規制部材47がストッパー51に突き当たることによって移動が規制される第1中空部材42と一緒に一旦後方向への移動が停止される。
なお、図では、第2弾性部材46の圧縮状態の解放によって、締結部材保持部10が移動規制部材47を介して後方向に移動されている場合を例に示しているが、以下に説明するように第2弾性部材46がなくても、締結部材保持部10の後方向への移動は可能になっている。
(C2)戻し操作2(ループ82の戻し開始)
第1中空部材42の後方向への移動が停止した後、締結部材保持部10が更に後方向へ移動されると、締結部材保持部10の延設部10bがループ送り戻し部31の基端部31bに当接する。そして、締結部材保持部10の延設部10bが、ループ送り戻し部31の基端部31bを押し、ループ送り戻し部31が後方向への移動を開始する。ループ送り戻し部31が後方向に移動するに伴い、縫合糸1をループ導入用針60の先端に引き寄せるように、ループ82がループ導入用針60内に収容され始める。
縫合糸送り機構40側では、縫合糸締結部材44の第2スリット44aが、第1中空部材42から抜け、初期状態と同様に糸ガイド部41を挟み込んだ状態となる。縫合糸1はフリーなままである。つまり、縫合糸1は移動しない。
(C3)戻し操作3(縫合糸1の把持完了)
術者によって締結部材保持部10が更に後方向に移動させられると、ループ送り戻し部31が後方向への移動を継続する。ループ送り戻し部31の後方向への移動に伴い、ループ82が縫合糸1をループ導入用針60の先端に引き寄せて、最終的に縫合糸1はループ導入用針60の先端で把持されることになる。ここでは、縫合糸1がループ導入用針60の先端で把持されたときには、まだループ送り戻し部31の基端部31bが内壁面57aに当接しない状態、つまり初期状態ではない状態となっている。
縫合糸送り機構40側でも、また締結部材保持部10の基端面がハウジング50の基端側の内壁面57bに当接しない状態、つまり初期状態ではない状態となっている。
ただし、ループ導入用針60の先端で縫合糸1が把持された状態では、ループ形成部80がループ導入用針60に入り込めないため、締結部材保持部10が後方向に移動されたとしても、ループ送り戻し部31も縫合糸締結部材44もそれ以上、後方向へ移動できない。
この状態で、縫合具100を抜去すると、縫合糸1はフリーとなっているため、縫合糸1がスムーズに誘導され、内臓壁と腹壁とを略U字に通した状態になる。つまり、術者は、押込操作(押込操作1〜4)、戻し操作(戻し操作1〜3)の操作だけで、縫合糸1を内臓壁と腹壁とを略U字に通した状態にできることになる。そして、術者により、体外に引き出した縫合糸導入用針70の刃先又は他のカット手段(ハサミやカッター等)で縫合糸1がカットされ、縫合糸1が取り除かれると、ループ形成部80がループ導入用針60に入り込める状態となり、ループ送り戻し部31が後方向へ移動可能になる。
この状態で、締結部材保持部10を更に後方向へ移動させると、締結部材保持部10が基端側内壁面55b及び内壁面57bに当接する。このとき、各部も一緒に初期状態に戻る(図4参照)。
よって、縫合糸1は縫合糸導入用針70の先端まで挿入されている初期状態と同じとなるため、何度でも上記手順で内臓壁の固定ができることになる。なお、縫合糸1をカットした後、縫合糸1が縫合糸導入用針70の刃先よりも先端側に出ている場合は、縫合糸1を基端側に手で引っ張って初期状態と同じ状態にするとよい。
[縫合具100を使用した臓器の固定手技]
図8は、縫合具100の作用を説明するための説明図である。図8に基づいて、縫合具100の作用を、縫合具100を使用した手技の流れに沿って説明する。ここでは、縫合具100を用いて、患者の腹壁101と内臓壁102(たとえば胃壁)との固定について説明する。
まず、術者は、患者の口又は鼻から内臓内(たとえば胃内)に内視鏡を挿入する。その後、術者は、内臓内に十分に気体(たとえば二酸化炭素)を供給して、内臓を膨張させる。そうして、内臓壁102を腹壁101に密着させる。それから、ループ導入用針60及び縫合糸導入用針70で穿刺しようとする箇所を含め、皮膚103を消毒する。それから、内視鏡から放たれる光により内臓の位置を確認し、この部位に局所麻酔を行なう。
続いて、ループ形成部80のループ82がループ導入用針60の内部に収納され、縫合糸1が縫合糸導入用針70の内部に収納された状態の縫合具100を用意する(図4で図示した状態)。このとき、縫合糸1は、縫合糸導入用針70の先端から突出しないように縫合糸導入用針70の内部に収納されている。そして、縫合具100のループ導入用針60及び縫合糸導入用針70を患者の腹壁101に穿刺し、内臓壁102から内臓内にループ導入用針60及び縫合糸導入用針70を突出させる(図8(a))。
この状態を内視鏡で確認した後、術者は、締結部材保持部10を前方向に移動させる。そして、術者は、図5〜図7で示した一連の操作を実行し、縫合糸1を体外に露出させた状態にする(図8(b))。つまり、縫合糸1が、内臓壁102と腹壁101とを略U字に通した状態になる。最後に、術者は、体外に引き出した縫合糸1をカットし、縫合糸1の両端部を結紮する(図8(c))。この結紮により、内臓壁102と腹壁101とが固定される。
さらに、その結紮部分と所定距離、たとえば20〜30mm程度離した位置にほぼ平行に、再び縫合具100を穿刺し、内臓壁102と腹壁101とを固定する。つまり、縫合糸1が臓器固定具として機能することで、内臓壁102と腹壁101とが固定され、瘻孔カテーテルを挿入する際に利用される瘻孔が容易に形成することができる。このとき、縫合糸1を複数回に備えた長さとしておけば、連続的に縫合具100を使用することが可能になる。
[縫合具100の奏する効果]
縫合具100によれば、縫合糸1を縫合具100に毎回挿入する必要がなく、縫合糸1がなくなるまで何度でも臓器固定が可能になる。また、縫合具100によれば、締結部材保持部10の押し引き操作(押込操作(押込操作1〜4)、戻し操作(戻し操作1〜3))だけで、縫合糸1を内臓壁102と腹壁101とを略U字に通した状態にできる。具体的には、術者は、締結部材保持部10を前方向に移動させる操作を実行するだけで縫合糸1を内臓壁102及び腹壁101に通した状態にできるので、術者に要求される手技が非常に簡便化できる。さらに、ループ82が環状に開いた状態になってから縫合糸1が送り出されるようになっているため、縫合糸1を確実にループ82の内部に挿入することができる。
したがって、術者の操作負担を大幅に軽減でき、作業性が著しく向上することになる。また、手技自体を非常に簡便に実行することができるので、作業性だけでなく、操作性も著しく向上することになる。さらに、簡便な手技でありながらも、縫合糸1の把持を確実に実行できるため、何回も穿刺してしまうようなことを極力低減でき、術者の負担だけでなく、患者の負担の軽減にも寄与することができる。加えて、第1弾性部材32を備えているため、この第1弾性部材32の作用により、押込操作がスムーズに行なえ、より施術の際の安定性が向上する。
なお、上記実施の形態では、縫合具100を繰り返し使用することを前提とした場合を例に説明したが、必ずしも縫合具100を繰り返し使用することはない。すなわち、1回の手技に対応するための長さを有する縫合糸1を挿入しておき、縫合具100を繰り返し使用しないようにしてもよい。
1 縫合糸、10 締結部材保持部、10a 本体部、10b 延設部、10c 第1スリット、10d 突出部、30 ループ送り戻し機構、31 ループ送り戻し部、31a 先端部、31b 基端部、31c 側壁部、32 第1弾性部材、32a 基端部、34 収容部、40 縫合糸送り機構、41 糸ガイド部、41a 縫合糸載置面、42 第1中空部材、43 第2中空部材、44 縫合糸締結部材、44a 第2スリット、46 第2弾性部材、47 移動規制部材、50 ハウジング、50a 貫通孔、51 ストッパー、52 支持部、53 支持部、54a 内壁面、54b 空間部、54c 空間部、54d 段差部、55 ガイド穴、55a 先端側内壁面、55b 基端側内壁面、55c 当接部、56 つば部、57a 基端側内壁面、57b 基端側内壁面、60 ループ導入用針、70 縫合糸導入用針、80 ループ形成部、81 棒状軸部、82 ループ、83 基端側固定部、100 縫合具、101 腹壁、102 内臓壁、103 皮膚。

Claims (6)

  1. ハウジングと、
    前記ハウジングの先端側に設けられたループ導入用針と、
    前記ループ導入用針から所定の距離を隔ててほぼ平行に前記ハウジングの先端側に設けられ、縫合糸が収容される縫合糸導入用針と、
    先端にループが形成され、前記ループ導入用針の内部に移動可能に挿入されているループ形成部と、
    前記ハウジング内に設けられ、前記ループ形成部を移動させるループ送り戻し機構と、
    前記ハウジング内に設けられ、前記縫合糸を送り出す縫合糸送り機構と、
    前記ループ送り戻し機構及び前記縫合糸送り機構を動作させる操作部と、を備え、
    前記ループ送り戻し機構は、
    前記操作部の動きが伝達される弾性部材と、
    前記弾性部材を介して移動し、前記ループ形成部を送り戻すループ送り戻し部と、を有し、
    前記縫合糸送り機構は、
    前記縫合糸が挿通可能な中空部を有し、前記操作部の動きが伝達される第1中空部材と、
    前記操作部の動きに応じて、前記縫合糸、又は、前記第1中空部材を締め付ける縫合糸締結部材と、を有しており、
    前記操作部の操作が開始されると、前記縫合糸締結部材は前記縫合糸を締め付け、
    前記操作部の操作が継続されると、前記縫合糸締結部材は前記第1中空部材を締め付けることで前記縫合糸の締め付けを解除する
    ことを特徴とする医療用縫合具。
  2. 前記ループ送り戻し機構では、
    前記ループ送り戻し部が移動しなくなった後に、前記弾性部材のみに前記操作部の動きを伝達して前記弾性部材を圧縮することで前記ループの形状を維持し、
    前記縫合糸送り機構では、
    前記操作部とともに移動する前記縫合糸締結部材が、前記縫合糸を締め付け、前記第1中空部材を押しながら、前記縫合糸を前記縫合糸導入用針の先端側から送り出す
    ことを特徴とする請求項1に記載の医療用縫合具。
  3. 前記縫合糸送り機構は、
    前記縫合糸締結部材に締結可能であり、前記縫合糸を前記第1中空部材にガイドする糸ガイド部を備え、
    前記操作部とともに移動する前記縫合糸締結部材が、前記糸ガイド部から抜けた状態で前記縫合糸を締め付け、前記縫合糸を移動させる
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の医療用縫合具。
  4. 前記縫合糸締結部材にはスリットが形成されており、
    前記縫合糸締結部材は、
    前記操作部の動きに応じて、前記縫合糸、又は、前記第1中空部材の他にも前記糸ガイド部を前記スリットにより締め付け可能になっており、
    前記操作部が操作されていないとき、前記縫合糸締結部材は前記糸ガイド部を締め付けることで前記縫合糸を締め付けておらず、
    前記操作部が操作されると、前記縫合糸締結部材は前記糸ガイド部の締め付けを解除してから前記縫合糸を締め付ける
    ことを特徴とする請求項3に記載の医療用縫合具。
  5. 前記縫合糸締結部材は、
    前記糸ガイド部を締め付けている状態において、前記縫合糸を締め付けない空間が形成される
    ことを特徴とする請求項3又は4に記載の医療用縫合具。
  6. 前記縫合糸締結部材は、
    前記第1中空部材が移動しなくなるまで移動させ、
    前記第1中空部材が停止すると、前記第1中空部材を締め付けて前記縫合糸の締め付けを解除する
    ことを特徴とする請求項3〜5のいずれか一項に記載の医療用縫合具。
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