JP6053112B2 - 採点支援装置、採点支援プログラム及びデータ構造 - Google Patents
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Description
<1.採点支援装置の概要>
図1に示す採点支援装置1は、本発明の一実施形態に係る採点支援装置であり、ハードウェア構成としては、汎用のパーソナルコンピュータである。採点支援装置1には、本発明の一実施形態に係る採点支援プログラムである採点支援プログラム2が、これを格納するCD−ROM等の記録媒体から、あるいはこれを格納するネットワーク端末からLANやインターネット等の通信回線を介して提供され、インストールされている。採点支援プログラム2は、解答として漢字を手書きさせる問題(以下、漢字の書き取り問題)をユーザが採点するのを支援するためのアプリケーションソフトウェアであり、採点支援装置1に後述する動作に含まれるステップを実行させる。
<2−1.解答データの取り込み>
ユーザは、漢字の書き取り問題の採点を開始するに当たり、まず、解答DB11内に、1以上の解答者による手書きの解答を取り込む必要がある。具体的には、ユーザは、画像読取装置50を操作して、手書きの解答が記入された1以上の答案用紙全体を画像データとして読み取り、これらの画像データを記憶部10内の所定のディレクトリに保存する。この状態で、ユーザが入力装置40を介して所定の操作を行うと、解答取得部22は、解答者別かつ問題別の解答を示す画像データ(以下、解答データ)を取得する。具体的には、解答取得部22は、上述の所定のディレクトリ内の答案用紙全体を写す画像データから、解答データを順次自動的に切り取ってゆく。そして、解答取得部22は、切り取った各解答データを、解答者ID(例えば、受験番号及び/又は解答者の氏名)及び問題ID(例えば、問題番号)に関連付けて、解答DB11内に格納する。なお、答案用紙上のどの位置に、すなわちこれを写す画像データ上のどの位置に解答者IDが存在し、どの問題の解答が配置されているかを示す情報については、解答取得部22が適宜参照可能なように、記憶部10内に予め設定されているものとする。また、解答者IDは、OCR技術等により答案用紙全体を写す画像データから読み取られ、文字列データとして認識されるものとする。
続いて、解答DB11内に解答データが格納された状態で、ユーザが入力装置40を介して所定の操作を行うと、表示制御部21は、表示装置30に採点画面W1(図2参照)を表示させる。なお、表示装置30上で行われる画面、ウィンドウ、ボタン等のオブジェクトの制御は、全て表示制御部21により制御されるものとする。そして、採点画面W1上には、図2に示すように、問題番号エリアA1、正答エリアA2及び解答エリアA3が表示されており、問題番号エリアA1には、現在選択されている問題ID(図2の例では、「〔三〕(2)」)を示す文字列データが表示される。なお、採点画面W1が立ち上がった直後に選択される問題IDは、デフォルト値(例えば、最初の問題)となるが、ユーザは、入力装置40を介して問題選択ボタンB1を操作することにより、現在選択されている問題IDを、問題の出題順に沿って前後に変更することができる。
ユーザは、採点画面W1上での解答データの採点作業を開始する前、及び/又はその作業中に、これから採点しようとしている、及び/又は現在採点している問題に係る漢字の採点基準を、採点基準ウィンドウW2(図6及び図7参照)上でいつでも確認することができるようになっている。採点基準ウィンドウW2は、ユーザが入力装置40を介して採点画面W1上の採点基準釦B4,B5(図2参照)を操作することにより、採点画面W1上に重ねて表示装置30上に表示される。そして、その後、表示制御部21は、ユーザからの指示に応じて、採点基準ウィンドウW2を表示装置30上で採点画面W1の上下左右に並べて表示したり、拡大/縮小したり、採点画面W1の前面/背面に移動させたり、閉じたり、開いたりすることが可能である。従って、ユーザは、適宜、入力装置40を操作しながら、採点基準ウィンドウW2の形態及び配置を自在に変更させることにより、必要に応じて採点基準ウィンドウW2内に表示される採点基準を確認しつつ、採点基準ウィンドウW2が採点画面W1上での採点作業の邪魔にならないようにすることができる。
採点画面W1上で正誤判定釦B3が押され、解答データの採点が実行されてゆくと、採点結果DB15内には、その採点結果が蓄積されてゆく。そして、採点結果DB15内に所定量以上、採点結果が格納された後であれば、集計部27は、解答者別、問題別等に採点結果を集計することができる。具体的には、ユーザが入力装置40を介して所定の操作を行うと、集計部27は、採点結果DB15を参照して、解答者別の正答率や点数等を計算したり、多数の受験者間での平均点や標準偏差を計算したり、多数の受験者間での問題別の正答率を計算したりする。計算結果は、表示装置30上に表示されたり、図示されないプリンタを介して印刷されたり、LANやインターネット等の通信回線を介して別の装置に提供されたりする。すなわち、集計部27は、採点結果DB15内の採点結果をユーザが所望する形式に加工して、ユーザに提示することができる。
<3−1>
上記実施形態では、漢字−要素DB13には、多数の漢字の各々に、当該漢字に含まれる1又は複数の要素を関連付ける情報が格納されている。また、採点基準DB15には、多数の要素の各々の採点基準が、当該要素に関連付けて格納されている。そして、これらの漢字−要素DB13及び採点基準DB14により、漢字の要素単位で、漢字の採点基準が管理されるようになっている。また、適宜、これらの漢字−要素DB13及び採点基準DB14が参照されることにより、特定の漢字の採点基準として、その漢字に含まれる1又は複数の要素にそれぞれ対応する1又は複数の採点基準が表示装置30に表示されるようになっている。従って、ユーザは、表示装置30上で、特定の漢字に含まれる要素別の複数の採点基準を確認しながら、その漢字について要素別に細やかな採点を行うことができる。その結果、漢字の書き取り問題をユーザが採点するに当たり、採点の均質性が保たれるようになっている。
上記実施形態では、図5から明らかなとおり、漢字−要素DB13内には、異なる漢字に共通の要素を関連付ける情報が格納されている。具体的には、要素ID「工A」の要素は、「工」「式」「試」の漢字に共通の要素であり、要素ID「木A」の要素は、「木」「検」の漢字に共通の要素であり、要素ID「言A」の要素は、「言」「試」の漢字に共通の要素であり、「検C」の要素は、「検」「験」の漢字に共通の要素である。従って、上記実施形態では、漢字−要素DB13及び採点基準DB14により、異なる漢字に共通の採点基準が関連付けられている。その結果、ある要素の採点基準に変更が生じた場合、ユーザは、採点基準DB14内のその要素に対応する採点基準を変更するだけで、その要素を一部分として含む複数の漢字の採点基準を変更することができる。よって、漢字の採点基準の変更作業が容易になる。なお、採点基準の変更は、ユーザが入力装置40を介して漢字−要素DB13にアクセスすることにより行われる。
上記実施形態では、採点者であるユーザは、採点画面W1上の解答データと、採点画面W1及び採点基準ウィンドウW2上の正答となる漢字データと、採点基準ウィンドウW2上の要素別の複数の採点基準(正答例及び誤答例)を示す画像データとを、表示装置30上で同時に確認することが可能である。さらに、ユーザは、これらのデータを見ながら、同じく表示装置30上に表示されている採点画面W1上で、手書きの解答の採点結果を採点結果DB15に入力することができる。従って、採点作業が効率化されている。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。例えば、以下の変更が可能である。
上記実施形態において、漢字−要素DB13及び採点基準DB14の少なくとも一方が保持している情報は、採点基準プログラム2自体が保持していてもよい。この場合、漢字を追加したり、漢字の要素の分類の仕方を変更したり、漢字の要素の採点基準を変更したりする場合には、漢字−要素DB13及び採点基準DB14内のレコードを変更するのではなく、採点基準プログラム2を改変すればよい。
上記実施形態では、ユーザが採点しようとしている、及び/又は現在採点している漢字に含まれる複数の要素の複数の採点基準(正答例及び誤答例を示す画像データ)は、採点基準ウィンドウW2上に一覧表示されるようになっていたが、この態様に限られず、スクロール形式、頁めくり形式等、連続的に表示されるようにしてもよい。
採点画面W1上で同時に採点される漢字数は、図2の例のように2つである場合に限られず、1つであっても、3つ以上であってもよい。特に、問題の正答が複数の漢字からなる漢字列である場合において、その正答に含まれる漢字別にまとめて採点が行われるようにしてもよい。
上記実施形態では、採点画面W1上に同じ問題に対する多数の受験者の解答データをまとめて表示することにより、同じ採点者に同じ問題の解答をまとめて採点させるようになっていたが、採点画面W1上に同じ受験者の異なる問題の解答データをまとめて表示することにより、採点者に受験者単位で解答データを採点させるようにしてもよい。
漢字の要素の選定の仕方は、上述したものに限られず、常に部首とそれ以外に分割したり、常に物理的に連結されている線図どうしを1つの要素としたり、常に上下左右等の所定のエリア単位で分割したり等、画一的な基準を利用して漢字を分割していくことも可能である。
漢字の要素の採点基準は、上述したものに限られず、漢字の要素の採点基準となり得るものであれば、任意のものを選択し得る。例えば、要素の正答例のみを示す画像データであってもよいし、要素の誤答例のみを示す画像データであってもよいし、正答例及び/又は誤答例を示す文字列データであってもよい。正答例及び/又は誤答例を示す文字列データとは、例えば、どういうものが正答/誤答であるかを記述したものである。また、画像データと文字列データとを組み合わせてもよい。
採点支援装置1のハードウェア構成は、上述したものに限られない。例えば、LANやインターネット等の通信回線を介して接続された複数のコンピュータにより、採点支援装置を構成してもよい。この場合、上述した採点支援装置1の機能をどのコンピュータに割り当てるかは、目的に応じて適宜選択することができる。
例えば、データベース11〜15をサーバに格納しておき、多数の採点者がそれぞれのネットワーク端末から、このサーバにLANやインターネット等の通信回線を介してアクセスし、必要な情報を取得するようにしてもよい。さらに、このような構成において、サーバが多数のネットワーク端末に対し、問題番号を割り振るようにしてもよい。
以上の構成は、受験生の総数が極めて多く、それにつれて採点者の人数も多くなるような漢字の書き取り問題の試験の採点が実施される場合に、特に有用である。
上述した採点支援装置1から、解答取得部22、採点受付部26、集計部27、解答DB11及び採点結果DB15を省略し、採点支援装置1を、単にユーザに対し漢字の要素の採点基準を表示可能な装置としてもよい。この場合、採点画面W1のような、ユーザが採点支援装置1上で採点を行うためのインターフェースは不要になるが、採点基準ウィンドウW2を表示する機能については残しておく。そして、ユーザが入力装置40を介してその採用基準を見たい漢字を入力することにより、表示装置30上にその漢字に対応する採点基準ウィンドウW2が表示されるようにすればよい。このシンプルな構成に係る変形例は、例えば、採点者が紙媒体の答案用紙に基づいて採点作業を行う場合等に、採点基準を簡単に閲覧可能にする装置として有用である。
2 採点処理プログラム
10 記憶部(データ構造)
13 漢字―要素データベース(第1記憶部、第1データ領域)
14 採点基準データベース(第2記憶部、第2データ領域)
21 表示制御部
22 解答取得部
23 漢字特定部
24 要素特定部
25 抽出部
26 採点受付部
30 表示装置
Claims (8)
- 採点者が行う、解答として漢字を手書きさせる問題の採点を支援するための採点支援装置であって、
複数の前記漢字の各々に、当該漢字に含まれる複数の要素を関連付ける情報を記憶する第1記憶部と、
複数の前記要素の各々の採点基準を、当該要素に関連付けて記憶する第2記憶部と、
前記第1記憶部を参照して、正答となる前記漢字に含まれる複数の前記要素を特定する要素特定部と、
前記第2記憶部から、前記要素特定部により特定された前記複数の要素にそれぞれ関連付けられた複数の前記採点基準を抽出する抽出部と、
前記抽出部により抽出された前記複数の採点基準を表示装置に一覧表示する表示制御部と
を備え、
前記第1記憶部は、異なる前記漢字に共通の前記要素を関連付ける情報を記憶し、
前記第1記憶部は、特定の前記漢字に、前記特定の漢字全体の形状に対応する前記要素と、前記特定の漢字の一部の形状に対応する前記要素とを関連付ける情報を記憶し、
前記表示制御部は、前記特定の漢字の前記採点基準を前記表示装置上に一覧表示する際には、前記特定の漢字全体の形状に対応する前記要素の前記採点基準と、前記特定の漢字の一部の形状に対応する前記要素の前記採点基準とを同時に表示する、
採点支援装置。 - 前記要素には、前記漢字の部首となる部分、及び前記部首以外の前記漢字の一部分の少なくとも一方が含まれる、
請求項1に記載の採点支援装置。 - 前記採点基準は、前記要素の正答例及び誤答例の少なくとも一方を含む、
請求項1又は2に記載の採点支援装置。 - 前記採点基準は、前記漢字の前記正答例及び前記誤答例の少なくとも一方を示す画像データを含む、
請求項3に記載の採点支援装置。 - 前記正答となる前記漢字を特定する漢字特定部
をさらに備え、
前記表示制御部は、前記正答となる前記漢字を前記表示装置にさらに表示する、
請求項1から4のいずれかに記載の採点支援装置。 - 前記問題の解答者による手書きの前記解答を示す解答情報を取得する解答取得部
をさらに備え、
前記表示制御部は、前記解答情報を前記表示装置にさらに表示する、
請求項1から5のいずれかに記載の採点支援装置。 - 前記採点者から前記問題の解答者による手書きの前記解答の採点結果の入力を受け付ける採点受付部
をさらに備える、
請求項1から6のいずれかに記載の採点支援装置。 - 採点者が行う、解答として漢字を手書きさせる問題の採点を支援するための採点支援プログラムであって、複数の前記漢字の各々に、当該漢字に含まれる複数の要素を関連付ける情報を記憶するとともに、複数の前記要素の各々の採点基準を、当該要素に関連付けて記憶する記憶装置に接続されるコンピュータに、
前記記憶装置を参照して、正答となる前記漢字に含まれる複数の前記要素を特定するステップと、
前記記憶装置から、前記特定された複数の要素にそれぞれ関連付けられた複数の前記採点基準を抽出するステップと、
前記抽出された複数の採点基準を表示装置に一覧表示するステップと
を実行させ、
前記記憶装置は、異なる前記漢字に共通の前記要素を関連付ける情報を記憶し、
前記記憶装置は、特定の前記漢字に、前記特定の漢字全体の形状に対応する前記要素と、前記特定の漢字の一部の形状に対応する前記要素とを関連付ける情報を記憶し、
前記一覧表示するステップは、前記特定の漢字の前記採点基準を前記表示装置上に一覧表示する際には、前記特定の漢字全体の形状に対応する前記要素の前記採点基準と、前記特定の漢字の一部の形状に対応する前記要素の前記採点基準とを同時に表示するステップを含む、
採点支援プログラム。
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