JP6052890B2 - 構造部材用アルミニウム合金押出管および車体構造部材 - Google Patents
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Description
また、前記アルミニウム合金押出管の、前記厚肉化された曲げ内側になる部位のうちで最も曲げ内側になる部位と、前記厚肉化された曲げ外側になる部位のうちで最も曲げ外側にある部位とが、前記押出管の長手方向全長に亘って、それぞれ最も厚肉とされていることが好ましい。
また、前記第一と第二の各差厚化が前記押出管の内側に向かってのみなされ、前記押出管中空部の断面形状が、前記押出管の長手方向全長に亘って、前記断面の外形とは異なる形状とされていることが好ましい。
また、前記押出管中空部の断面形状が前記押出管の長手方向全長に亘って前記外形と非同心である楕円形とされていることが好ましい。
また、前記押出管中空部が、前記押出管の長手方向全長に亘って、前記荷重負荷方向に対して、あるいは前記曲げ加工方向に対して、直角方向に延在する管内面壁を、前記曲げ内側になる部位と前記曲げ外側になる部位との両方に有していることが好ましい。
図1、2において、本発明アルミニウム合金押出管1の断面の外形1aは、従来の押出管と同じく、その長手方向(管軸方向)の全長に亘って均一な円形の外形を有している。押出管1の断面の外形とは、押出管1の外側の形状や輪郭あるいは押出管外側の断面形状(以下、単に外形とも言う)を言う。
ここで、押出管1の断面方向に負荷されると想定される荷重(主として曲げ荷重)は、曲げ加工の他に、使用される構造部材の用途や使用態様に応じて種々異なる。例えば、この荷重が自動車車体などの衝突による荷重だとしても、その荷重方向や荷重位置、そして強さは、条件や状況に応じて種々異なる。このため、本発明の押出管の形状設計は、このような構造部材の用途や使用態様、使用位置などに応じて、最も負荷されやすいと想定されるとともに、その位置や方向、そして強さも想定される荷重に応じて(対して)行う。この荷重は、場合によっては複数想定される場合もあり、これらの荷重のうち、本発明の対策が必要であると認識される、主要な(重要な)荷重を、ひとつだけ、あるいは複数選択して、これに応じて(対して)行われる。
図1、2において、押出管1は、押出管の長手方向全長に亘って、管の肉厚を部位によって異ならせた差厚化(肉厚分布付与)されている。この差厚化によって、押出管1の外形1aと、押出管1の中空部(内面側、内側)における、断面形状(管の内面、内側形状)1bとは、押出管の長手方向全長に亘って、異形化されている。
この差厚化のうち、押出管1の管肉厚の管断面方向での第一の差厚化では、断面の外形が円形あるいは楕円形とされた押出管1の、想定される荷重が負荷された際や、曲げ加工される際の、曲げ内側および曲げ外側になる二つの部位3、4の肉厚を、管外形の軸中心を通る中立軸Aが交差する部位4、5の肉厚よりも、押出管1の長手方向全長に亘って、各々厚くする。
このような第一の差厚化は、図1、2において、押出管1の外形(外側)に向かって、部位2、3を厚肉化、あるいは部位4、5を薄肉化しても良いが、その場合には、押出管1の外形が、その大きさ(径)とともに、元の円形や楕円形から変化する。したがって、用途や取り付け空間などの外形の制約があり、元の押出管1の外形1aを維持(保持)し、元の管外形をその大きさ(径)とともに、できるだけ変えたくない場合には、押出管1の内側(内部、中空部)に向かって、押出管の長手方向全長に亘って、差厚化を行う。すなわち、押出管1の内側(内部、中空部)に向かって、かつ押出管の長手方向全長に亘って、曲げ外側部位2、曲げ内側部位3を厚肉化および、管外形の中心軸Aの交差部位あるいは管外形の中心軸Aの近傍部位4、5を薄肉化する。これによって、押出管内側(中空部)の断面形状1bの方のみを、押出管1の長手方向(管軸方向)に亘って変化させ、元の押出管1の外形1aである真円を維持する。
図1、2において、この第一の差厚化の程度は、要求される曲げ加工条件や衝突荷重特性によっても異なり、前記した断面二次モーメント、断面係数を、どの程度高くするか、管の曲げ強度や曲げ剛性をどの程度向上させるかによって決まる。
本発明では、前記管肉厚の第一の差厚化と同時に、管肉厚の管断面方向での第二の差厚化として、図1、2に示すように、押出管1の長手方向全長に亘って、曲げ外側になる部位2の肉厚t2を、曲げ内側になる部位3の肉厚t3よりも厚くする。これによって、曲げ外側部位2の断面積を、曲げ内側部位3に比べて大きくでき、曲げ加工(曲げ変形)時の中立軸Bを、押出管の長手方向全長に亘って、管外形中心軸Aから外れて、曲げ外側になる部位2側に移動させる(片寄らせる)ことができる。
この第二の差厚化の仕方も、第一の差厚化の仕方と同様に行う。すなわち、好ましくは、図1、2のように、押出管1の長手方向全長に亘って、各々押出管1の内側に向かって、曲げ外側になる部位2の肉厚t2を厚肉化および、前記曲げ内側になる部位3の肉厚t3を薄肉化する。この第二の差厚化の結果でも、押出管1内側の断面形状は楕円形1bとされている。この結果、押出管1の外形1aは、元の押出管の外形を維持しており、肉厚tが断面方向で均一な元の真円形の外形1aから、断面方向に亘る外径(大きさ)や形状を変えていない。これは図2でも同様である。
この第二の差厚化の程度は、第一の差厚化と同様、要求される曲げ加工条件や衝突荷重特性によっても異なり、曲げ加工時に曲げ外側表面2aに発生するひずみ量をどの程度抑制するかによって決まる。また、車体衝突時に負荷される衝突荷重が負荷される方向などにも依存しており、どの程度、管の曲げ強度や曲げ剛性に方向性を持たせるかによっても決まる。
図2は、本発明アルミニウム合金押出管1の別の断面形状を示し、その外形(外側の断面形状)1aは、図1と同じく、その長手方向(管軸方向)全長に亘って均一な円形の外形を有している。図2でも、管肉厚の管断面方向での第一、第二の差厚化の仕方や程度は、前記した図1の場合と同じである。
以上の押出管lは、曲げ加工や他の部材との接合するための、成形や種々の加工(穴あけ、切削、切断など)が施された上で、構造部材として、組み立て、セッティングされる。この際、自動車の車体構造部材としては、車体衝突時に負荷される衝突荷重の想定方向に応じて、前記第一、第二の差厚化による肉厚配分部位の位置に応じてに行う。具体的には、押出管1の前記第一の差厚化がなされている部位のうち、前記厚肉化された曲げ外側になる部位2を、車体の外側(車体上方向の外側、車体幅方向の外側、車体の前後方向の外側)に向けて配置することが好ましい。例えば、乗員の座席となるシートフレームでは、前記厚肉化された曲げ外側になる部位2を、車体幅方向の外側に向けて配置することが好ましい。また、ロールバーでは、前記厚肉化された曲げ外側になる部位2を、(ルーフの)車体上方向の外側に向けて配置することが好ましい。
本発明押出管に用いるアルミニウム合金としては、比較的強度が高く、構造部材の中空管状部品や輸送機の各種フレームとして汎用されている、JIS乃至AAの規格で言う、5000系、6000系、7000系から選択されるアルミニウム合金が好適である。これらのアルミニウム合金は、押出管として、通常の熱間押出加工にて製造され、所望の強度と成形性を得る調質(熱処理)や室温時効硬化を回復(キャンセル)する復元処理などを施して、押出管として使用する。本発明は、想定される荷重の負荷や曲げ加工に対して、素材押出管の側での曲げ強度や曲げ剛性を形状面から向上させるものである。したがって、素材押出管の側で、これらの効果をより向上させるための、素材押出管の組成、製法、熱処理などの手段の付加や工夫を行うことを許容するし、範囲に含みうるものである。
Claims (6)
- 断面の外形が円形あるいは楕円形とされた構造部材用アルミニウム合金押出管であって、曲げ加工された際に、曲げ内側および曲げ外側になる二つの部位の肉厚を、曲げ加工時の圧縮応力及び引張応力が作用しない中立面が交差する部位の肉厚よりも、前記押出管の長手方向全長に亘って、各々厚くする第一の差厚化がなされ、
前記曲げ加工の際に前記曲げ外側になる部位の肉厚を、前記曲げ加工の際に前記曲げ内側になる部位の肉厚よりも、前記押出管の長手方向全長に亘って厚くする第二の差厚化がなされたアルミニウム合金押出管。 - 前記アルミニウム合金押出管の、前記厚肉化された曲げ内側になる部位のうちで最も曲げ内側になる部位と、前記厚肉化された曲げ外側になる部位のうちで最も曲げ外側にある部位とが、前記押出管の長手方向全長に亘って、それぞれ最も厚肉とされている請求項1に記載のアルミニウム合金押出管。
- 前記第一と第二の各差厚化が前記押出管の軸中心側に向かってのみなされ、前記押出管中空部の断面形状が、前記押出管の長手方向全長に亘って、前記断面の外形とは異なる形状とされている請求項1又は請求項2に記載のアルミニウム合金押出管。
- 前記押出管中空部の断面形状が楕円形とされている請求項1乃至3のいずれか1項に記載のアルミニウム合金押出管。
- 前記押出管中空部が、前記押出管の長手方向全長に亘って、前記曲げ加工方向に対して、直角方向に延在する管内面壁を、前記曲げ内側になる部位と前記曲げ外側になる部位との両方に有している請求項1乃至4のいずれか1項に記載のアルミニウム合金押出管。
- 前記請求項1から5のうちのいずれかのアルミニウム合金押出管からなり、この押出管の前記差厚化がなされている部位のうち、前記厚肉化された曲げ外側になる部位を、車体の外側に向けて配置したことを特徴とする車体構造部材。
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