JP6052783B2 - 造塊方法 - Google Patents

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本発明は、溶鋼を鋳型に注入して鋼塊を製造する造塊方法に関する。
周知の如く、溶鋼を鋳型に注入して鋼塊を製造する手法の一つとして、溶鋼を上方から鋳型に注入する上注ぎ造塊方法がある。この造塊方法においては、鋳型の上部に対応する溶鋼を押湯とし、この押湯の部位に粗大介在物、偏析などを集めて鋼塊本体に欠陥が少ないものとしている。
造塊において、押湯の機能を確実に発揮させるためには、鋼塊本体よりも押湯が後に凝固する必要があり、押湯を最後まで未凝固状態とするための鋳型技術が数々開発されている。
例えば、特許文献1に開示された鋼塊の製造方法においては、鋳型押湯部の外周を押湯最下端から上下に少なくとも該鋳型の肉厚以上の範囲にわたり、かつその下端が該鋼塊下端より少なくとも鋼塊厚さもしくは相当径の1/2以上上方であるように加熱若しくは断熱保存することとしている。すなわち、特許文献1の技術は、鋳型の外周部を加熱若しくは保温することによって押湯部の保温性を確保することとし、そのために鋳型の押湯部に1つの断熱ボード(単層の保温材)が施工されている。
また、特許文献2には、造塊鋳型の押湯スリーブが開示されており、この造塊鋳型では、設けられる断熱スリーブを多層構造となし、しかもその内層の1つ以上を前記鋳型内溶湯に接触する層の材質よりも熱伝導率の小さい材質で構成したものとなっている。
特開昭55−19451号公報 特開昭54−138820号公報
しかしながら、特許文献1に開示された鋳型を用いて、上注ぎ造塊方法により鋼塊を製造した場合、高温の溶鋼を鋳型の上方から注入する故、鋳型の押湯部に施工された断熱ボードが溶鋼に触れて剥がれ落ちたりするトラブルが発生することが報告されている。剥がれ落ちた断熱ボードが、鋼塊中に入り込んだ場合は鋳造欠陥となり問題である。
斯かる状況は、真空上注ぎ造塊を行う際、特に問題となる。
上記の問題を解決するために、特許文献2の如く、溶鋼が接触しても剥がれ落ち難い耐火煉瓦を押湯内側に施工し、押湯部に施工する断熱スリーブを多層構造(複層構造)とした鋳型を採用することが考えられる。
しかしながら、特許文献2の技術は、単に押湯部を多層構造としたことが開示されているだけで、多層構造とした場合の保温性の度合い、多層構造の鋳型を用いてどのように造塊を行うかといった方法などが詳細に述べられていない。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたもので、押湯部の保温性が向上された鋳型を用いると共に、造塊の際に押湯比を設定することによって、鋳込み後の鋼塊の品質を向上させることができる造塊方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は、次の手段を講じた。
即ち、本発明における課題解決のための技術的手段は、溶鋼を鋳型に注入して鋼塊を製造する造塊方法において、前記鋳型の押湯部の内側に耐火煉瓦を施工すると共に前記耐火煉瓦の外側に熱伝導率が0.18[W/(m・K)]以下の断熱煉瓦を施工しておき、溶鋼を鋳型に鋳込むときの鋳込温度差ΔT、鋳型高さH、鋳型平均幅D、鋼塊重量W及び式(2)で定義される保温性指数yが、式(1)を満たすように押湯比rを設定し、設定した押湯比rを基に造塊を行うことを特徴とする。
本発明によれば、押湯部の保温性が向上された鋳型を用いると共に、造塊の際に押湯比を設定することによって、鋳込み後の鋼塊の品質を向上させることができる。特に、真空上注ぎ造塊を行うにあたっては、溶鋼が押湯部に達したとしても耐火煉瓦が剥がれ落ちて介在物になることなく、鋳造欠陥のない鋼塊を製造できる。
本発明で用いる鋳型に溶鋼を注入した状態を示したものである。 鋳型で造塊した鋼塊を示したものである。 耐火煉瓦と断熱煉瓦との関係に保温性指数を関連付けしたものである。 式(1)とC濃度偏析比との関係を示した図である(鋼塊重量=100ton、H/D=1.26、押湯比=21.5%の条件)。 式(1)とC濃度偏析比との関係を示した図である(鋼塊重量=360ton、H/D=1.52、押湯比=20.2%の条件)。 式(1)とC濃度偏析比との関係を示した図である(鋼塊重量=100ton、H/D=1.26、保温性指数r=2.12の条件)。 断熱煉瓦としてマイクロポーラスの断熱煉瓦を用いた場合の鋳型の状態を示した図である。
以下、本発明の造塊方法について図を基に説明する。
本発明の造塊方法は、溶鋼を上側から鋳型に注入することにより鋼塊を製造する上注ぎ造塊法によるものである。
図1に示すように、本発明の造塊方法で用いられる鋳型2は、有底状のものであって、主に、底部(定盤)3と、この底部3から上方に立ち上がる本体部(鋳型本体)4とから構成され、この本体部4の上部側には押湯部5が設けられている。
さて、従来の押湯部5では、その内壁に空気層が多く欠けやすい断熱部材(断熱ボード)を設けていたが、図1に示すように、本発明に係る鋳型2では、押湯部5の内壁には、断熱部材の代わりに断熱煉瓦6を設け、その断熱煉瓦6のさらに内側に耐火煉瓦7(シャモット煉瓦)を設けている。
まず、押湯部5について詳しく説明する。
図1に示すように、押湯部5は、本体部4の上部に施工された鋳鉄リング8を介して断熱煉瓦6及び耐火煉瓦7を施工すると共に、断熱煉瓦6及び耐火煉瓦7を押湯枠9(鋼板で構成された支持枠)により支持することによって構成されている。
詳しくは、本体部4の上部側で最外側に押湯枠(支持枠)9が施工され、この押湯枠9の内側に断熱煉瓦6が施工され、断熱煉瓦6の内側に耐火煉瓦7が施工され、押湯部5は、断熱煉瓦6及び耐火煉瓦7とを備えた多層構造(2層構造)となっている。言い換えれば、溶鋼1と接触する側(稼働面側)に耐火煉瓦7が施工され、耐火煉瓦7の外側に断熱煉瓦6が施工されている。
このように、耐火煉瓦7と断熱煉瓦6とによって押湯部5を厚み方向に2層構造にすることによって、押湯部5に到達した溶鋼1の抜熱を防止して保温性を確保すると共に、従来のような断熱ボードに直接溶鋼が接触する構造とは異なるものとなっている。
このような鋳型2を用いて鋼塊を製造する上注ぎ造塊法は、製鉄所内の幾つかの工程にて採用されているが、以下の説明では、Alキルド鋼塊を真空上注ぎ造塊法で製造するに当たり、本発明の鋳型2を用いた例を説明する。なお、Alキルド鋼塊を製造するものに限定されない。
真空上注ぎ造塊法では、まず、鋳型2の全体を真空引き装置(図示せず)内に入れ、真空引きを行いながら、例えば、Alによって脱酸されたアルミキルドの溶鋼1(Alキルド鋼)を上方から鋳型2に注入すると共に、溶鋼1の浴面上に保温材10を散布し、造塊を行う。鋳型2内に注入された溶鋼1は、鋳型2内にて冷却されたインゴット等の鋼塊となる。
上述したように、溶鋼1を鋳型2に注入して鋼塊を製造するに際して、本発明では、式(2)で定義される保温性指数yを考慮して、造塊を行うこととしている。
式(2)に示した保温性指数yは、熱伝達率の逆数(1/H)であって熱の伝わり難さを数値化したもので、数値が大きいほど保温性が良いことを示す。式(2)に示すhは、断熱煉瓦6と耐火煉瓦7とによって押湯部5を2層構造(多層構造)とした場合の熱伝達率である。したがって、式(2)に示す保温性指数yは、どの程度熱を伝わり難く保温性を確保出来たかということを示している。
2層構造の熱伝達率は、式(3)に示すように耐火煉瓦7の厚みLや断熱煉瓦6の厚みLによって求めることができる。
なお、耐火煉瓦7の熱伝導率λ1や断熱煉瓦6の熱伝導率λ2の例としては、以下の表1で示される値である。
ところで、図3は、耐火煉瓦7の厚みLと断熱煉瓦6の厚みLとの関係に保温性指数yを関連付けしたものである。なお、図において耐火煉瓦7の厚みL、断熱煉瓦6の厚みLはLにより無次元化されている。このLは従来の耐火ボードを基準とした60mmであり、図中の丸印内の数値が保温性指数yである。図3に示すように、耐火煉瓦7の厚みLや断熱煉瓦6の厚みLを変化させることによって保温性指数yを、例えば、1.07〜4.86の範囲で高いものにすることができる。
ここで、押湯部5に耐火煉瓦7や断熱煉瓦6を施工することを考えたとき、耐火煉瓦7や断熱煉瓦6の厚み(大きさ)にも限界があり、煉瓦の施工性(たとえば、押湯部に多少のテーパーがある一般的な押湯形状において、押湯煉瓦の施工可否など)やコスト面を考えると、現実的な保温性指数yは1.62〜3.74(太枠範囲内)となる。即ち、上述したように、保温性指数yが1.62〜3.74の範囲内となるように、耐火煉瓦7の厚みLや断熱煉瓦6の厚みLを設定するとよい。例えば、表1に示すような耐火煉瓦7及び断熱煉瓦6を用いて、耐火煉瓦7の厚みLや断熱煉瓦6の厚みLを適宜設定することにより、例えば、図3の太丸に示すように保温性指数yを3.24とすることができる。なお、この実施形態では、実操業を考慮して、保温性指数yを1.62〜3.74としたが、この範囲に限定されない。
以上のように、保温性指数yを適正にすれば、保温性が保たれ押湯が正常に機能して、鋼塊の品質が向上することができると考えられる。
さて、上述したように、保温性指数yを適正にすれば、保温性を保つことができ、鋼塊の品質が向上することができるが、実際の真空上注ぎ造塊法では、鋳型の形状(鋳型高さH、鋳型平均幅D)、鋼塊重量W、鋳込温度差ΔT(鋳込温度[℃]−溶鋼の液相線温度[℃])も鋼塊の品質に影響を与える。
発明者らは、これらのパラメータ(鋳型高さH、鋳型平均幅D、溶鋼重量W、鋳込温度差ΔT)を用いて、鋼塊の品質が良くなる適正な押湯比rについて様々な実験等により検証を行った。その結果、鋳型高さH、鋳型平均幅D、溶鋼重量W、鋳込温度差ΔT及び押湯比rが式(1)を満たすように、押湯比rを設定して真空上注ぎ造塊を行えば、鋼塊の品質を向上させることができることを見出した。
なお、鋳型高さHは、押湯部5を除く鋳型2の高さ(本体部4の高さ)であり、鋳型平均幅Dは、押湯部5を除く鋳型2の平均幅(本体部4の内側壁間の平均値)をDとしたものである。鋼塊重量Wは、造塊後の鋼塊の重量を示したものである。
次に、式(1)について、説明する。
式(1)は、様々な実験のデータ(後述する表2、表3のデータ)を多変量回帰分析することで得られたものである。実験では、まず、押湯部5を多層構造としたうえで造塊を行い、造塊後の鋼塊(後述する鋼塊本体13のトップ部13a)の炭素濃度[C]と、造塊前の溶鋼の炭素濃度[C]との比であるC濃度偏析比を算出することにより、鋼塊についての品質の評価を行った。
詳しくは、造塊終了後、押湯に対応する部分を切り取った残りの部分(鋼塊本体13)に対して、ドリル等を用いてサンプリング片を採取する。即ち、図2に示すように、本体部4によって鋼塊となった鋼塊本体13の上側(押湯側)であって、鋼塊本体13の中心軸A上を通るトップ部13a(本体中心トップ部という)を、ドリル等によって縦方向に切断し、切断した部分をサンプリング片とする。そして、燃焼赤外線吸収法を用いて従来法及び本法のそれぞれのサンプリング片のC濃度を算出し、式(4)を用いてC濃度偏析比を求める。式(4)のレードル値は、造塊前の溶鋼の炭素濃度[C]である。
そして、実験では、C濃度偏析比が1.3以内では良好(偏析比≦1.3、「○」)とし、C濃度偏析比が1.3超では不良(偏析比>1.3、「×」)とし、C濃度偏析比が1.3以下となる鋳型高さH、鋳型平均幅D、溶鋼重量W、鋳込温度差ΔT、押湯比rの関係について整理し、式(1)を見出した。
それゆえ、実際の造塊にあたって、上述した式(1)を満たすように押湯比rを設定し、設定した押湯比rを満たすように造塊を行うことによって、鋳込み後の鋼塊の品質を向上させることができるようになる。
具体体には、まず、造塊を行う前に、多層鋳型2の押湯部5に関し、耐火煉瓦7の厚みL1や断熱煉瓦6の厚みL2を設定する。また、本体部4の高さH及び本体部4の平均幅D(例えば、H=3430mm、D=2018mm)を設定して多層鋳型2を構成する。即ち、造塊を行う場合での保温性指数y、鋳型高さH、鋳型平均幅Dを設定する。そして造塊を行う際は、溶鋼重量W、鋳込温度差ΔT、押湯比rが式(1)を満たすように、押湯比rなどを設定して、設定した押湯比rにて造塊を行う。
なお、本発明では造塊を行うにあたって、式(1)を満たすように、鋳込温度差ΔT、鋳型高さH、鋳型平均幅D、鋼塊重量W、保温性指数y、押湯比rを設定すればよいため、各種パラメータの設定方法や手順は、上述した方法に限定されない。
図4〜6は、鋳型高さH、鋳型平均幅D、溶鋼重量W、鋳込温度差ΔT及び保温性指数yの5つのパラメータのうち、4つのパラメータを固定値(一定値)として、造塊を行った実験結果をまとめたものである。なお、この実験では、押湯比rは、16〜24%の範囲とした。
具体的には、図4は、鋼塊重量W=100ton、H/D=1.26、押湯比r=21.5に固定した場合での式(1)のグラフとC濃度偏析比を示したものである。図4に示すように、鋼塊重量W=100ton、H/D=1.26、押湯比r=21.5に固定した場合は、鋳込温度差ΔT及び保温性指数yが第1境界線[y≧(2.233−0.0255ΔT)/0.098]を満たすようにすれば、C濃度偏析比を1.3以下にすることができる。
図5に示すように、鋼塊重量W=360ton、H/D=1.52、押湯比r=20.2に固定した場合は、鋳込温度差ΔT及び保温性指数yが第2境界線[y≧(1.695−0.0255ΔT)/0.098]を満たすようにすれば、C濃度偏析比を1.3以下にすることができる。
また、図6に示すように、鋼塊重量W=100ton、H/D=1.26、保温性指数2.12に固定した場合であっては、押湯比r及び鋳込温度差ΔTが第3境界線L2[y≧(23.53−r)/0.025]を満たすようにすれば、C濃度偏析比を1.3以下にすることができる。
様々な実験を通して、H/Dについては、「1.0≦H/D≦2.0」、鋼塊重量Wについては、「50≦W(ton)≦500」、保温性指数yについては、「1.07≦y≦4.86」の範囲において、式(1)を満たすようにすれば、C濃度偏析比を1.3以下にすることができる。特に、鋼塊重量Wについては、「50≦W(ton)≦450」の範囲が好ましく、鋼塊重量Wは、「50≦W(ton)≦420」の範囲がより好ましい。
さて、表2及び表3は、本発明の造塊方法により造塊を行った実施例と、本発明とは異なる方法で造塊を行った比較例とを示したものである。
表2及び表3において、CTOPは、本体中心トップ部13aの炭素濃度[C]のことであり、Cは、造塊前の溶鋼の炭素濃度[C]のことである。鋳込み温度とは、鋳型へ注入する溶鋼の平均温度である。また、実施例及び比較例では、鋼塊重量W、鋳型高さH/鋳型平均幅Dの関係は、W=100tonであるときH/D=1.26、W=110tonであるときH/D=1.7、W=230tonであるときH/D=1.20および1.66、W=360tonであるときH/D=1.52、W=300tonであるときH/D=1.30および1.80、W=130tonであるときH/D=1.60、W=150tonであるときH/D=1.59、W=190tonであるときH/D=1.70、W=70tonであるときH/D=1.70、W=380tonであるときH/D=1.20および1.80とした。
実施例1〜54に示すように、真空造塊を行うにあたって、押湯比r、鋳込温度差ΔT、鋳型高さH、鋳型平均幅D、鋼塊重量W、式(2)で定義される保温性指数yの関係が、式(1)を満たすようにすれば、C濃度偏析比を確実に1.3以下にすることができ、鋳込み後の鋼塊の品質を向上させることができる。
一方、比較例55〜98に示すように、真空造塊を行うにあたって、押湯比r、鋳込温度差ΔT、鋳型高さH、鋳型平均幅D、鋼塊重量Wが式(1)を満たさない場合は、C濃度偏析比は1.3を超えてしまうことになり、鋼塊の品質を向上させることができなかった。
て、図7は、押湯部5の内壁に、例えば、断熱煉瓦6として、マイクロポーラスの断熱煉瓦を施工した場合を示している。なお、断熱煉瓦6は、マイクロポーラス断熱煉瓦に限定されず、0.18W/m・K以下の熱伝導率が低い煉瓦を用いることができる。
ここで、断熱煉瓦として、マイクロポーラス断熱煉瓦6を用いる際、マイクロポーラス断熱煉瓦6が高温(例えば、1100℃以上)に晒されると、マイクロポーラス断熱煉瓦6が収縮してしまい、断熱性が低下してしまう場合がある。そのため、図7に示すように、耐火煉瓦7とマイクロポーラス断熱煉瓦6との間にセラミックシート12を装入した3層の構造にすることで、マイクロポーラス断熱煉瓦6の温度を低下させ、収縮を起こさずに、断熱性を確保することとしている。
図7に示すように、耐火煉瓦7、セラミックシート12、マイクロポーラス断熱煉瓦6の3層にした場合、3層構造の熱伝達率は、式(5)で求めることができる。
3層の熱伝達率を求めるにあたって、耐火煉瓦7の熱伝導率λ1、セラミックシート12の熱伝導率λ2、マイクロポーラス断熱煉瓦の熱伝導率λ3は、表4に示される値である。
表5は、図7に示すように、断熱煉瓦としてマイクロポーラス断熱煉瓦6を用いた場合(3層構造)での本発明の造塊方法により造塊を行った実施例と、本発明とは異なる方法で造塊を行った比較例とを示したものである。
実施例55に示すように、断熱煉瓦としてマイクロポーラス断熱煉瓦6を用いたとしても、真空造塊を行うにあたって、押湯比r、鋳込温度差ΔT、鋳型高さH、鋳型平均幅D、鋼塊重量W、式(2)で定義される保温性指数yの関係が、式(1)を満たすようにすれば、C濃度偏析比を確実に1.3以下にすることができ、鋳込み後の鋼塊の品質を向上させることができる。
一方、比較例99に示すように、真空造塊を行うにあたって、押湯比r、鋳込温度差ΔT、鋳型高さH、鋳型平均幅D、鋼塊重量Wが式(1)を満たさない場合は、C濃度偏析比は1.3を超えてしまうことになり、鋼塊の品質を向上させることができなかった。
以上、本発明によれば、押湯部5を多層構造とすることによって押湯部5の保温性が向上された鋳型2とし、当該鋳型2を用いて造塊するにあたっては、鋳込温度差ΔT、鋳型高さH、鋳型平均幅D、鋼塊重量W、保温性指数yが式(1)を満たすように造塊することにより、鋳造欠陥のない鋼塊を製造することができる。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 溶鋼
2 鋳型
3 底部
4 本体部
5 押湯部
6 断熱煉瓦
7 耐火煉瓦
8 鋳鉄リング
9 押湯枠(支持枠)
10 保温材
12 セラミックシート
13 鋼塊本体
13a 本体中心トップ部
y 保温性指数
r 押湯比

Claims (1)

  1. 溶鋼を鋳型に注入して鋼塊を製造する造塊方法において、
    前記鋳型の押湯部の内側に耐火煉瓦を施工すると共に前記耐火煉瓦の外側に熱伝導率が0.18[W/(m・K)]以下の断熱煉瓦を施工しておき、
    溶鋼を鋳型に鋳込むときの鋳込温度差ΔT、鋳型高さH、鋳型平均幅D、鋼塊重量W及び式(2)で定義される保温性指数yが、式(1)を満たすように押湯比rを設定し、設定した押湯比rを基に造塊を行うことを特徴とする造塊方法。
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