JP6052669B2 - スピーカとそのスピーカを用いた電子機器 - Google Patents

スピーカとそのスピーカを用いた電子機器 Download PDF

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Description

本発明は、スピーカとそのスピーカを用いた電子機器に関し、特に薄型化を図るスピーカに関するものである。
近年、いわゆるハイビジョンやワイドビジョンテレビ等の普及により、テレビの画面は横長のものが一般的になりつつある。またテレビセット全体として薄型のものが望まれている。
薄型テレビに使用されるスピーカユニット(以下、スピーカと呼ぶ)には、テレビの薄型化、ディスプレイ周辺の筐体部分の幅の薄型化など、いわゆる狭額縁化により、スピーカの幅および厚みの縮小化が要求されている。また同時に、画面の高画質化に伴い音声の高音質化も要求されている。
薄型テレビに使用されている従来のトラック形の細長構造のスピーカ10について、図15A〜図15Cを用いて説明する。
図15Aに従来のトラック形の細長構造のスピーカ10の上面図を、図15Bに図15Aに示すA−A’断面図を、図15Cに図15Aに示すB−B’断面図を示す。
図15A〜図15Cにおいて、従来のトラック形の細長構造のスピーカ10は、振動板1と、エッジ2と、ボイスコイルボビン3と、ボイスコイル4と、プレート5と、マグネット6と、ヨーク7と、フレーム8とを備える。
振動板1は、その外周部がエッジ2の内周部に接着されている。その形状は、振動方向から見た平面形状が長手と短手とを有し、短手方向の断面形状が中空円形状で、長手方向両端が中空1/4球形状ある。
エッジ2は、その外周部がフレーム8に固着されている。
ボイスコイルボビン3は、振動板1の外周部に接着され、振動板1へ力を加える。
ボイスコイル4は、磁気回路の磁気ギャップG中に配置されるように、ボイスコイルボビン3によって支持される。
プレート5、マグネット6、及びヨーク7は、内磁型磁気回路を構成する。そして、この内磁型磁気回路は、プレート5とヨーク7との内壁間に形成される磁気ギャップGに磁束を発生させる。磁気回路の構成として、プレート5はマグネット6の上面に固着され、マグネット6はヨーク7の底面に固着される。また、プレート5、マグネット6、及びヨーク7は、振動板1と、長手方向が一致する方向に、かつそれらの中心軸が略一致するように配置される。
フレーム8は、エッジ2の外端部の下側に固着される。また、上記磁気回路の底面にも固着される。
以上のように構成された従来のトラック形の細長構造のスピーカ10について、以下にその動作を説明する。
ボイスコイル4に電流が印加されると、印加された電流および磁気ギャップGに発生した磁界によって、ボイスコイル4には駆動力が発生する。発生した駆動力は、ボイスコイルボビン3を介して振動板1に伝達される。発生した駆動力により、振動板1、ボイスコイルボビン3、及びボイスコイル4は、同一の振動運動を行う。そして、振動板1が振動することによって、音が空間へ放射される。
特開平8−265895号公報
しかしながら、上記の従来の構成のスピーカにおいて、次のような課題が考えられる。
振動方向から見た振動面の平面形状が長手と短手を有し、その長手方向の長さと短手方向の長さとの比が大きい細長い振動板の場合、長手方向の長さによってきまる固有振動モードが発生する。その結果、音圧周波数特性上の重要な音声帯域にピークディップが生じ、音質の劣化を招く可能性がある。この固有振動モードによる音圧周波数特性への影響を抑えるためには、振動板長手方向全体を駆動する必要がある。従来のスピーカ10では、振動方向から見た平面形状がトラック形状の細長いボイスコイルボビン3とボイスコイル4とを使用し、振動板長手方向全体を駆動している。
そこで、我々は、長手方向の長さと短手方向の長さとの比が約2:1の小さいボイスコイルを使用する構造を検討した。
しかしながら、前述のボイスコイルを使用する場合には、振動板の振動モードを全て抑えることが出来ないので、音圧周波数特性上で特に重要な音声帯域に影響を与える振動モードを出来るだけ減らし、残った振動モードのみを抑えるアプローチが必要となる。
そこで本発明は、振動モードの周波数を高くするとともに共振を抑制し、更なる広帯域化を図ることを目的とするものである。
本発明の一形態に係るスピーカは、両端が閉止されている筒形状の振動板と、前記振動板を振動可能に支持するエッジと、ボイスコイルが巻回され、前記振動板に接続されるボイスコイルボビンと、前記ボイスコイルを駆動させるための磁気回路とを備える。
一例として、前記振動板は、短手方向の断面形状が円形状であってもよい。
また、前記振動板は、各々が、短手方向の断面形状が半円形状の円弧部と、前記円弧部の両端から径方向外側に突出するフランジ部とで構成される第1の振動板及び第2の振動板を、前記フランジ部同士を結合することによって形成されてもよい。
さらに、前記振動板の両端は、長手方向の外向きに膨出する半球形状であってもよい。
一例として、前記スピーカは、2つの前記ボイスコイルボビンを備えてもよい。そして、2つの前記ボイスコイルボビンは、前記振動板の長手方向の中心に対して対称で、且つ前記振動板の第1次共振モードの節の位置に取り付けられてもよい。
具体的には、前記振動板の長手方向の一端を0、他端を1としたとき、第1の前記ボイスコイルボビンの取り付け位置は、0.224の位置を含み、第2の前記ボイスコイルボビンの取り付け位置は、0.776の位置を含んでもよい。
他の例として、前記スピーカは、4つの前記ボイスコイルボビンを備えてもよい。そして、4つの前記ボイスコイルボビンは、前記振動板の長手方向の中心に対して対称で、且つ前記振動板の第1次共振モード及び第2次共振モードの節の位置に取り付けられてもよい。
具体的には、前記振動板の長手方向の一端を0、他端を1としたとき、第1の前記ボイスコイルボビンの取り付け位置は、0.113の位置を含み、第2の前記ボイスコイルボビンの取り付け位置は、0.37775の位置を含み、第3の前記ボイスコイルボビンの取り付け位置は、0.62225の位置を含み、第4の前記ボイスコイルボビンの取り付け位置は、0.877の位置を含んでもよい。
さらに他の例として、前記スピーカは、2つの前記ボイスコイルボビンを備えてもよい。そして、2つの前記ボイスコイルボビンは、前記振動板の長手方向の中心に対して対称で、且つ前記振動板の第1次共振モードの節の位置と前記第2次共振モードの節の位置との間の位置に取り付けられてもよい。
具体的には、前記振動板の長手方向の一端を0、他端を1としたとき、第1の前記ボイスコイルボビンの取り付け位置は、0.332の位置を含み、第2の前記ボイスコイルボビンの取り付け位置は、0.668の位置を含んでもよい。
また、前記振動板は、前記ボイスコイルボビンの取り付け位置に貫通孔を有してもよい。そして、前記ボイスコイルボビンは、前記貫通孔に挿通されることによって、前記振動板に取り付けられてもよい。
本発明の一形態に係る電子機器は、スピーカを備える。そして、前記スピーカは、両端が閉止されている筒形状の振動板と、前記振動板を振動可能に支持するエッジと、ボイスコイルが巻回され、前記振動板に接続されるボイスコイルボビンと、前記ボイスコイルを駆動させるための磁気回路とを備える。
本発明によれば、両端を閉止した筒形状の振動板を採用したことにより、振動板の長手方向の剛性を向上させることができる。その結果、長手方向の振動モードの周波数を高くすることができるという効果を奏する。
図1Aは、実施例1における振動板の上面図である。 図1Bは、実施例1における振動板のA−A’方向断面図である。 図1Cは、実施例1における振動板のB−B’方向断面図である。 図2Aは、回転半径を計算するための中空半円形の断面形状モデル図である。 図2Bは、回転半径を計算するための中空円形の断面形状モデル図である。 図3は、断面形状が中空円形および中空半円形における各々の断面2次モーメント、回転半径、断面積の計算値表である。 図4は、実施例1における振動板と、従来の振動板の実形状モデルを組み込んだFEMによる固有振動モードの共振周波数の解析結果を示す図である。 図5Aは、実施例2におけるスピーカの上面図である。 図5Bは、実施例2におけるスピーカのA−A’方向断面図である。 図5Cは、実施例2におけるスピーカのB−B’方向断面図である。 図5Dは、実施例2におけるスピーカのC−C’方向断面図である。 図6Aは、第1次共振モードを制御する2点駆動の場合における特性を示す図である。 図6Bは、第2次共振モードを制御する2点駆動の場合における特性を示す図である。 図6Cは、第1次と第2次の両共振モードを制御する4点駆動の場合における特性を示す図である。 図7Aは、実施例3におけるスピーカの上面図である。 図7Bは、実施例3におけるスピーカのA−A’方向断面図である。 図7Cは、実施例3におけるスピーカのB−B’方向断面図である。 図7Dは、実施例3におけるスピーカのC−C’方向断面図である。 図8Aは、実施例4におけるスピーカの上面図である。 図8Bは、実施例4におけるスピーカのA−A’方向断面図である。 図8Cは、実施例4におけるスピーカのB−B’方向断面図である。 図8Dは、実施例4におけるスピーカのC−C’方向断面図である。 図9Aは、駆動位置を変化させるシミュレーションに用いたスピーカの上面図である。 図9Bは、図9AにおけるスピーカのA−A’方向断面図である。 図9Cは、図9AにおけるスピーカのB−B’方向断面図である。 図10は、シミュレーションにより求めた音圧周波数特性の共振モードによるピークディップを説明する図である。 図11は、駆動位置に対する共振モードによるピークディップの偏差幅を示す図である。 図12は、第1次共振モードを抑える位置と、第2次共振モードを抑える位置で駆動させた場合の音圧周波数特性のシミュレーション解析結果を示す図である。 図13は、振動板201へのボイスコイルボビン203の固着条件の違いによる音圧周波数特性の違いを示す図である。 図14は、本発明の実施例2におけるスピーカを搭載するテレビジョン受像機の外観図である。 図15Aは、従来のスピーカの上面図である。 図15Bは、従来のスピーカのA−A’方向断面図である。 図15Cは、従来のスピーカのB−B’方向断面図である。
この出願の発明に関連する先行技術文献としては、例えば、特許文献1が知られている。
しかし、細長い構造のボイスコイルおよびボイスコイルボビンを使用するには、下記のような課題がある。一つ目として、現在の薄型テレビ用の細長スピーカサイズ(例として幅10mm×厚み13mm×長さ100mm)に適用する細長いボイスコイルを作成する上で、長手方向直線部分の直線精度を確保することが難しい。
二つ目として、いくつかの特定の周波数(共振周波数)においてボイスコイルボビンの直線部分が共振し、振動板の振動方向とは直角の方向(ボイスコイルボビンを駆動する磁気回路の、磁気ギャップ内での磁束の方向)に振動する。直線部分が長くなるに従って共振周波数は低くなり、共振の振幅も増大する。上記二つの課題に対しては、特許文献1において、ボイスコイルボビンの内側に、振動板の短径方向に関して互いに対向する面の間を、振動板の振動方向と平行で、且つ、該対向面と直角に架張する薄板状連結部材を取り付けることで影響を抑えている。
三つ目として、その細長いボイスコイルを駆動するためには、大きなマグネットを必要となる。ボイスコイルの長手方向の長さに対応した長さが必要である。また、スピーカのサイズが小さくなれば、十分な磁束を得るために、磁気回路構造として外磁界型を適用し、かつマグネットにはフェライトではなくネオジウムマグネットを使用する必要がある。結果として、マグネットの材料コストが増加する。
そこで、本発明の実施例1〜4を参照して、上記の特許文献1とは別のアプローチで、音圧周波数特性上の重要な音声帯域にピークディップが生じるのを有効に防止するスピーカの構造について、詳しく説明する。
なお、以下で説明する実施例は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施例で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。本発明は、特許請求の範囲によって特定される。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、本発明の課題を達成するのに必ずしも必要ではないが、より好ましい形態を構成するものとして説明される。
(実施例1)
以下、本発明の実施例1におけるスピーカに用いられる振動板について図面を参照しながら説明する。
図1Aに本実施例におけるスピーカに用いられる振動板の上面図を、図1Bに図1Aに示すA−A’断面図を、図1Cに図1Aに示すB−B’断面図を示す。
図1A〜図1Cにおいて、振動板100は、振動方向から見た平面形状が長手と短手を有し、短手方向の断面形状が中空円形状で、長手方向両端が中空半球形状の構造を有する。言い換えれば、振動板100は、両端が閉止されている有底筒形状である。また、振動板100の短手方向の断面形状は真円形状である。さらに、振動板100の両端は、長手方向の外向きに膨出する半円形状となっている。この振動板100の材料は、薄型化に適し、軽量であるものが望ましい。例えば、紙あるいは高分子フィルムなどが最適であるが、アルミやチタンなどの軽量高剛性金属箔であってもよい。
振動板100は、短手方向の断面が半円形状の終端部に振動板張り合わせ部(フランジ部)102を設け、上面から見た平面形状がトラック形状である細長の第1及び第2の振動板101a、101bを2枚張り合わせたものである。
言い換えれば、第1及び第2の振動板101a、101bは、各々が、短手方向の断面形状が半円形状の円弧部(短手方向の断面形状が半円形状の部分)と、円弧部の両端から径方向外側に突出するフランジ部とで構成される。そして、振動板100は、第1及び第2の振動板101a、101bを、フランジ部同士を結合することによって形成される。
以上のように構成された振動板100について、以下に短手方向の断面形状を従来の中空半円形状から中空円形状にしたことによる効果を、理論及びシミュレーションの観点から説明する。まず、理論の観点から説明する。
振動板100は、通常その外周をエッジにより宙に浮いた状態で支持されているので、略両端自由な棒と見なせる。よって、両端自由の棒の振動モードの理論からその振動モードの共振周波数や剛性の断面形状による変化を考えることができる。次に、両端自由の棒の振動モードの理論について説明する。式1に両端自由の棒の振動モードの共振周波数式を示す。式1において、lは棒の長さ、ρは密度、Qは材料のヤング率、Kは回転半径を示す。
Figure 0006052669
式1において回転半径Kは、断面形状により異なる。
図2Aに中空半円形の断面形状を、図2Bに中空円形の断面形状を示す。次に、図2A及び図2Bを用いて、各々の断面形状に対する回転半径について説明する。
まず、図2Aの中空半円形の断面形状について説明する。
断面2次モーメントの定理によれば、管やトンネルのような中空断面の図形の断面2次モーメントは、外側の図形の断面2次モーメントから、中空の図形の断面2次モーメントを差し引いて求めることができる。ここで、断面モーメントを求める際の基準軸に対して、外側の図形の図心の位置と内側の図形の図心の位置は異なる。しかしながら、本振動板の断面形状の中空半円形の場合は、振動板の厚みが非常に薄いため、外側半円の半径と内側半円の半径とは略等しいと考えることができる。
よって、中空半円形の断面2次モーメントは、外側半円及び内側半円各々の断面2次モーメントの差と考えることができる。式2に中空でない半円の断面2次モーメントを、式3に断面形状が中空半円形の断面2次モーメントを、式4にその断面積を示す。式2でrsemiは中空でない半円の半径を示し、式3、式4でRは外側半円の半径を、rは内側半円の半径を示す。
Figure 0006052669
Figure 0006052669
Figure 0006052669
回転半径は、断面2次モーメントと断面積との商の平方根であるので、断面形状が中空半円形の回転半径は式5となる。
Figure 0006052669
図2Bの中空円形の場合についても、上記と同様の考え方で断面2次モーメントおよび回転半径を計算することができるので、式のみを示し、説明を省略する。式6に断面形状が中空円形の断面2次モーメントを、式7にその回転半径を、式8にその断面積を示す。
Figure 0006052669
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式3〜式8を用いて計算した断面形状が中空半円形および中空円形における各々の断面2次モーメント、回転半径、断面積を図3に示す。図3において、R=2mm、r=1.8mm、t=0.2mmを用いて計算した。
次に、図3の計算値を用いて、断面形状を中空半円形から中空円形に変化したことによる共振周波数の変化および剛性の変化について検討する。
式1より、棒の長さや材料定数が同じ場合、断面形状の変化による共振周波数の変化は、回転半径に比例することが分かる。また、棒の剛性(曲げ剛性)は、棒の材料のヤング率と断面2次モーメントとの積で表される。すなわち、棒の剛性は、断面2次モーメントに比例することがわかる。
よって、断面形状を中空半円形から中空円形に変化したことにより、回転半径は約1.9倍、断面2次モーメントは約7.2倍となる。その結果、共振周波数は約1.9倍高くなり、剛性は約7.2倍向上することがわかる。
次に、上記までに述べた理論結果を踏まえ、本実施例で説明した振動板100と、従来の技術で説明した振動板1との実形状モデルを組み込んだ有限要素法(Finite Element Method(FEM))による固有振動モードの共振周波数を解析した結果を、図4に示す。図4において、共振周波数(理論値)は、式1を用いて計算した結果である。
図4より、理論計算値とシミュレーション解析値とがよく一致していることがわかる。また、断面形状が中空半円形状の振動板1の共振周波数に比べて、断面形状が中空円形状の振動板100の共振周波数が約2倍高いことがわかる。このシミュレーション結果の共振周波数変化から、振動板の断面形状を中空半円形状から中空円形状へ変化したことによる剛性の変化を逆算する。
式1より、共振周波数は、回転半径に比例する。また、回転半径が断面2次モーメントと断面積との商の平方根であることから、断面2次モーメントは回転半径の二乗と断面積との積に比例する。よって図4から、振動板の断面形状を半円形状から円形状に変化すると、回転半径の変化は約2倍となり、断面積も2倍となる。その結果、剛性は約8倍となることがわかる。
以上のように、本実施例によれば、振動板100の長手方向の剛性を向上させ、モードの共振周波数を高くすることができる。このため、重要な音声帯域上で影響のある共振周波数の数を減少することができる。
なお、実施例1では、短手方向の断面形状が半円状の振動板100について説明したが、断面形状を長円状とすることで剛性をさらに高くすることができる。同様に中空台形や中空多面体であっても良い。すなわち、本実施例における振動板は、長手方向の両端面が閉止された筒形状であれば、短手方向の断面形状は特に限定されない。また、実施例1では、振動板100の両端が長手方向の外向きに膨出している例を示したが、本発明はこれに限定されない。振動板の長手方向の両端面の形状は、例えば、平坦であってもよいし、その他の形状であってもよい。
(実施例2)
以下、本発明の実施例2では、実施例1の振動板100の最適な駆動方法について図面を参照しながら説明する。なお、実施例1、2との共通点の詳しい説明は省略し、相違点を中心に説明する。
図5Aに本実施例におけるスピーカ200の上面図を、図5Bに図5Aに示すA−A’断面図を、図5Cに図5Aに示すB−B’断面図を、図5Dに図5A(a)に示すC−C’断面図を示す。
本実施例におけるスピーカ200は、図5A〜図5Dに示されるように、振動板201と、エッジ202と、ボイスコイルボビン203と、ボイスコイル204と、プレート205と、マグネット206と、ヨーク207と、フレーム208とを備える。なお、振動板201は、振動板100と略同様の構成であるが、振動板201の振動方向へ貫通し、ボイスコイルボビン203が挿通される貫通孔209が2箇所に形成されている点が異なる。
エッジ202は、その外周部がフレーム208に固着されている。また、エッジ202の断面は、中空半円形である。また、エッジ202は、その材料として薄型のスピーカ200ながら低域限界を下げるために、例えば、エラストマーやSBRのようなゴム材料が望ましい。エッジ202と振動板201との組立に関しては、例えば、それぞれを別々に成形した後に貼りあわせてもよいし、あるいはインサート成形などによって一体成形してもよい。
ボイスコイルボビン203は、振動板201の貫通孔209に挿通されて、貫通孔209の内壁面に接着され、振動板201に力を加える。振動方向から見た場合のボイスコイルボビン203の平面形状は、長手方向端部が半円もしくは楕円形状であり、全体としてはトラック形状である。ボイスコイルボビン203の材料は、例えば、紙やアルミ箔、あるいはポリイミド等の高分子樹脂フィルムで、それらを所望の形状に成型したものである。
ボイスコイル204は、ボイスコイルボビン203上に巻線(巻回)され、磁気回路の磁気ギャップG中に配置されるように振動板201によって支持される。振動方向から見た場合のボイスコイル204の平面形状は、長手方向端部が半円もしくは楕円形状であり、全体としてはトラック形状である。ボイスコイル204が固着されたボイスコイルボビン203は、スピーカ200の長手方向の中心に対して対称な位置に2箇所配置される。ボイスコイル204の材料は、銅やアルミ等の導体の巻き線からなる。
プレート205、マグネット206、及びヨーク207は、外磁型磁気回路を構成する。そして、この外磁型磁気回路は、プレート205とヨーク207との内壁間に形成される磁気ギャップGに磁束を発生させる。磁気回路の構成として、プレート205はマグネット206の上面に固着され、マグネット206はヨーク207の底面に固着される。
外磁型磁気回路は、フレーム208に固着される。そして、外磁型磁気回路とボイスコイル204が固着されたボイスコイルボビン203とは、振動方向から見た中心位置が一致するように、スピーカ200の長手方向の中心に対して対称な位置に2箇所配置される。マグネット206は、目標音圧、形状等に合わせてフェライトマグネットやネオジウムマグネット等の希土類マグネット、サマリウム鉄系ボンドマグネット等で構成される。
なお、上記構成のスピーカ200は、例えば、薄型のテレビジョン受像機600に取り付けられる。図15に示されるように、テレビジョン受像機600は厚みが非常に薄く、且つスピーカ200が設置される表示画面の外枠部分は、非常に幅が狭い。そして、本実施例に係るスピーカ200は、このような場所に設置されるのに適している。以降の各実施例についても同様である。
本実施例におけるスピーカ200のフレーム208は、図5Bに示されるように、テレビジョン受像機600のフレーム610にボルトで締結される。但し、フレーム208、610の固定方法はこれに限定されず、接着等の方法を採用してもよい。
次に、振動板201の駆動点の位置について説明する。
実施例1のスピーカは振動板100の中心を駆動点とし、1つのボイスコイル(図示省略)で駆動されるものである。使用周波数帯域内で振動板100の共振がない場合は、この構造で十分である。しかしながら、前述のとおり細長い振動板100では、低い周波数から共振が発生し、音圧周波数特性が乱れる。このため実施例1では振動板100の剛性を高める構造により、帯域を確保した。しかしながら、更なる音圧周波数特性の平坦化のためには、発生する共振モードの抑制が必要となる。
そこで、本実施例2では、最初に発生する第1次共振モードを抑制し、次の第2次共振モードまで平坦な特性を実現する。そのためにボイスコイル204は、中心から左右に距離d1離れた位置に対称に2個配置されている。すなわち、第1次共振モードを制御する駆動点は、第1次共振モードの節の位置を含むように設けられる。
振動板201の共振姿態は、エッジ202に比べて振動板201の剛性が高く、且つエッジ202の質量が振動板201と同様に軽い場合、両端自由の棒の共振姿態と略同様となる。このため、振動板201の長手方向の第1次共振モードの節の位置は、振動板201の長手方向の一端を0、他端を1としたとき、振動板201の長手方向の一端から0.224に相当する位置ならびに0.776に相当する位置となる。このように、ボイスコイルボビン203は、振動板201の長手方向の第1次共振モードの節である位置、すなわち、振動板201の長手方向の一端から0.224に相当する位置、ならびに、0.776に相当する位置に固着される。
なお、ボイスコイルボビン203は、第1次共振モードの節の位置(すなわち、0.224、0.776に相当する位置)と、ボイスコイルボビン203の中心(重心)位置とが一致するように取り付けるのが最も望ましい。しかしながら、必ずしもこれらが厳密に一致することまでは必要なく、ボイスコイルボビン203の上面の外形輪郭線(図5Aのトラック形状)の内部に、第1次共振モードの節の位置が含まれていれば、本実施例の効果が期待できる。以降の各実施例についても同様である。
以上のように構成されたスピーカ200について、以下にその動作を説明する。
ボイスコイル204に電流が印加されると、印加された電流および磁気ギャップGに発生した磁界によって、ボイスコイル204に駆動力が発生する。発生した駆動力は、ボイスコイルボビン203を介して振動板201に伝達される。発生した駆動力により、振動板201、ボイスコイルボビン203、及びボイスコイル204は、同一の振動運動を行う。そして、振動板201が振動することによって音が空間へ放射される。
図4より、実施例1の振動板100の重要な音声帯域上で影響を与える共振モードの数は、2つである。本実施例では、その内の最初の第1次共振モードの節の位置で振動板201を駆動するため、第1次共振モードは抑制され、次の第2次共振モードまでを平坦に再生することができる。
図6Aは、本実施例のスピーカ特性をFEM解析により計算したものである。図6Aにおいて、縦軸はSPL、横軸は周波数を示す。本実施のスピーカ200では、Fo(800Hz)から4.5kHzまでを再生することができる。図4の共振周波数より低い周波数となっているのは、エッジ202による共振周波数の低下と、ボイスコイル204の付加質量による共振周波数の低下とによるものである。
なお、さらなる帯域を確保するためには、下記実施例3のように、第2次共振モードをも抑制することが望ましい。
(実施例3)
以下、本発明の実施例3について図面を参照しながら説明する。なお、実施例1、2との共通点の詳しい説明は省略し、相違点を中心に説明する。
図7Aに本実施例におけるスピーカ300の上面図を、図7Bに図7Aに示すA−A’断面図を、図7Cに図7Aに示すB−B’断面図を、図7Dに図7Aに示すC−C’断面図を示す。なお、スピーカ300は対称形状のため、図7A及び図7Bでは、中心線の左半分のみ図示している。
本実施例におけるスピーカ300は、図7A〜図7Dに示されるように、振動板301と、エッジ302と、ボイスコイルボビン303と、ボイスコイル304と、プレート305と、マグネット306と、ヨーク307と、フレーム308とを備える。振動板301は、振動板100と略同様の構成であるが、振動板301の振動方向へ貫通し、ボイスコイルボビン303が挿通される貫通孔309が4箇所(2箇所のみ図示)に形成されている点で異なる。
エッジ302は、その外周部がフレーム308に固着されている。また、エッジ302の断面は、中空半円形である。また、エッジ302は、その材料として薄型のスピーカ300ながら低域限界を下げるために、例えば、エラストマーやSBRのようなゴム材料が望ましい。エッジ302と振動板301との組立に関しては、それぞれを別々に成形した後に貼りあわせてもよいし、あるいはインサート成形などによって一体成形してもよい。
ボイスコイルボビン303は、振動板301の貫通孔309に挿通されて、貫通孔309の内壁面に接着され、振動板301に力を加える。振動方向から見た場合のボイスコイルボビン303の平面形状は、長手方向端部が半円もしくは楕円形状をした、全体としてトラック形状である。ボイスコイルボビン303の材料は、例えば、紙やアルミ箔、あるいはポリイミド等の高分子樹脂フィルムで、それらを所望の形状に成型したものである。
ボイスコイルボビン303は、振動板301の長手方向の中心に対して対称に2個ずつ、合計4個固着される。
振動板301とボイスコイルボビン303との駆動位置d2、d3は、後述の通り、第1次共振モードと第2次共振モードとの両方を制御する位置である。両方を制御する駆動点に先立ち、第2次共振モードを制御する駆動点(節の位置)について説明する。
第2次共振モードの節の位置は、振動板301の長手方向の一端を0、他端を1としたとき、振動板301の長手方向の一端から0.0944、0.3558、0.6442、0.9056に相当する位置である。但し、第2次共振モードを制御する場合、前述した4点を全て駆動する必要はなく、振動板301の長手方向の中心に対して左右対称な節の位置を2箇所で駆動すればよい。すなわち、ボイスコイルボビン303は、振動板301の長手方向の一端から0.0944に相当する位置、ならびに、0.9056に相当する位置に固着されるか、あるいは振動板301の長手方向の一端から0.3558に相当する位置、ならびに、0.6442に相当する位置に固着されればよい。
その場合音圧周波数特性は、図6Bのように計算される。図6Bを参照すると、第2次共振モードは制御されるものの、第1次共振モードがそれより低い1.2kHzに存在する。このため、再生帯域は狭くなる。そこで本実施例では、第1次共振モードと第2次共振モードとの両方を制御する位置に駆動点を設けるものである。
各々の共振モードを個別に打ち消すためには、そのモードの節の位置で駆動させればよい。しかしながら、第1次共振モードと第2次共振モードとの両方を制御するためには、特別な4点で駆動する必要がある。その駆動点は、以下のように決められる。
両端自由の棒の共振姿態において、集中駆動力Fx*ejωtによる強制振動変位ξは、式9によって与えられる。
Figure 0006052669
ここで、ρは密度、sは棒の断面積、lは棒の長さ、Ξm(x)とΞm(y)とは振動姿態を表す規準関数、ωは角速度を示す。
次に、振動板301の長手方向長を1として当該長手方向の一端からx1、x2、x3、x4の4点を駆動した場合の振動変位ξは、式10によって与えられる。
Figure 0006052669
このとき、第1次共振モードと第2次共振モードとの両方が起こらない条件は、x1、x2、x3、x4が式11を満たすことである。すなわち、第1次共振モードと第2次共振モードとの両方を制御する駆動点としては、式11を満たすx1、x2、x3、x4を求めればよい。なお、中心に対して対称に駆動するので、非対称モードは発生しない。したがって、ここでは、非対称モードを除いて、低次モードから順に第1次共振、第2次共振モードと称する。
Figure 0006052669
ここで、同一力で中心に対して対称に駆動するため、以下の式12が成り立つ。
Figure 0006052669
したがって、式11を満たす条件は、式13と表すことができる。
Figure 0006052669
式13を同時に満足するように駆動ポイントxを求めると、次の式14〜式17のようになる。
x1=0.1130 ・・(式14)
x2=0.37775 ・・(式15)
x3=(1−x2)=0.62225 ・・(式16)
x4=(1−x1)=0.8770 ・・(式17)
以上より、式14〜式17を満たすx1〜x4により示される4点が駆動点となる。
図6Cは、FEMシミュレーション解析による本実施例のスピーカ特性の結果を示す。図6Cでは、第1次共振モードと第2次共振モードとの両方が低減されているのがわかる。本実施例によれば、第1次共振モードと第2次共振モードとの両方が抑制され、10kHz以上の広帯域再生を可能とするスピーカ300を提供することができるものである。
(実施例4)
上記結果から、第1次共振モードと第2次共振モードとの両方を制御する4点駆動を適用すれば最もよい。しかしながら、ボイスコイルを4個使用すれば、磁気回路も同様に4個必要となり、マグネットの材料コストが増加してしまう。そこで、使用するボイスコイルを2個に限定し、両共振モードによるピークディップの偏差幅を共に同程度まで最小限に抑えることができる駆動位置を見極める必要がある。本実施例4のスピーカ400は、駆動点を2つとしながら第1次共振と第2次共振との両方を適度に抑制し、広帯域再生を図るものである。
以下、本実施例4のスピーカ400について図面を参照しながら説明する。なお、実施例1〜3との共通点の詳しい説明は省略し、相違点を中心に説明する。
図8Aに本実施例におけるスピーカ400の上面図を、図8Bに図8Aに示すA−A’断面図を、図8Cに図8Aに示すB−B’断面図を、図8Dに図8Aに示すC−C’断面図を示す。なお、スピーカ400は対称形状のため、図8A及び図8Bでは、中心線の左半分のみ図示している。本実施例のスピーカ400において、その基本構成は実施例2と同等であるが、そのボイスコイル404の駆動位置d4が実施例2と異なる。
本実施例におけるスピーカ400は、図8A〜図8Dに示されるように、振動板401と、エッジ402と、ボイスコイルボビン403と、ボイスコイル404と、プレート405と、マグネット406と、ヨーク407と、フレーム408とを備える。振動板401は、振動板100と略同様の構成であるが、振動板401の振動方向へ貫通し、ボイスコイルボビン403が挿通される貫通孔409が2箇所に形成されている点が異なる。
駆動位置d4は、振動板401の長手方向の第1次共振モードと第2次共振モードとの両方を適度に制御する位置に設置される。その位置は、振動板401の第1次共振モードの節の位置(振動板の長手方向の長さを1とした場合0.224と0.776の位置)と、第2次共振モードの中心側の節の位置(振動板の長手方向の長さを1とした場合0.355と0.645の位置)の中間点もしくはその近傍(振動板の長手方向を1とした場合0.29と0.71の位置)に設置される。
次に、その駆動点についての検討内容を説明する。
図9A〜図9Cに示す中心駆動によるスピーカ500を想定し、その音圧周波数特性をシミュレーション解析する。図9A〜図9Cに示されるスピーカ500は、振動板501と、エッジ502と、ボイスコイルボビン503と、ボイスコイル504と、プレート505と、マグネット506と、ヨーク507と、フレーム508とを備える。そして、図9A〜図9Cの例では、ボイスコイルボビン503は振動板501の長手方向の中心に取り付けられている。
シミュレーション解析の結果を図10に示す。長手方向の第1次共振モードと第2次共振モードとにより、音圧周波数特性上に現れるピークディップの偏差をそれぞれP1、P2とする。ボイスコイルボビン503を振動板501の中心から長手方向端部に向かって移動させながら音圧周波数特性をシミュレーション解析して、それぞれの位置における音圧偏差P1、P2を求める。すなわち駆動点の位置の変化に対する音圧周波数特性のシミュレーション解析を行った。
図11に駆動位置に対する共振モードによるピークディップの偏差幅を示す。図11において、横軸は、振動板401の長手方向の全体の長さを1としたときの長手方向の一端からの距離の比を示している。グラフ中心の0.5は、振動板401の長手方向の中心位置を示す。また、グラフ内の実線は第1次共振モードの影響によるピークディップの偏差幅P1を、破線は第2次共振モードの影響によるピークディップの偏差幅P2を示す。また、図11内の縦線は、両端自由の棒の共振姿態より算出された第1次及び第2次共振モードの節の位置を示す。
図11より、偏差幅が最小になる駆動位置は、両端自由の棒の共振姿態より算出された第1次共振モードの節の位置及び第2次共振モードの節の位置から若干ずれはあるものの、略付近の位置に存在することがわかる。グラフより第1次共振モードを抑える位置は0.760、第2次共振モードを抑える位置は0.620であることがわかる。
また図7より、0.668の位置で両共振モードによるピークディップの偏差幅を共に同程度まで最小限の偏差幅に低減できることがわかる。
これらの結果より、両共振モードによるピークディップの偏差幅を共に同程度まで最小限の偏差幅に低減できる位置は、第1次共振モードの節の位置と第2次共振モードの内側の節の位置との間であり、その位置は振動板長さを1とした場合に0.668の位置となる。
以上のように本実施例によれば、第1次共振モードの節の位置と第2次共振モードの内側の節の位置との間で振動板401を駆動させることで、第1次共振モードおよび第2次共振モードによるピークディップの偏差幅を、共に同程度まで最小限の偏差幅に低減できる。
図12に、前述位置で駆動させた場合の音圧周波数特性のシミュレーション解析結果を示す。図12より、第1次共振モードおよび第2次共振モードのピークディップの偏差幅を共に同程度まで最小限に低減させ、平坦な音圧周波数特性に近づく。
なお、本実施例に係るスピーカ400は、ボイスコイルボビン403を振動板401の貫通孔409に挿通して固着することにより、振動板501の下側のみを固着した場合に発生する上側部分の高域での共振を制御することができる。このため、さらに平坦な音圧周波数特性を実現できるという効果が得られる。
図13に、振動板401へのボイスコイルボビン403の固着条件の違いによる音圧周波数特性の違いを示す。
図13より、ボイスコイルボビン403を振動板401の下側のみで固着した場合、7.6kHz付近で特性の乱れが見られる。これは、振動板401の上側部分の共振によるためである。一方、ボイスコイルボビン403を振動板401へその振動方向に貫通させて固着した場合、7.6kHz付近の特性の乱れが改善されていることがわかる。
さらに、本発明の各実施例に係るスピーカは、スリム化および薄型化が容易であるので、図15に示される薄型のテレビジョン受像機600に限定されず、携帯電話やPDA等の電子機器にも利用することが有効である。すなわち、電子機器は、本発明の各実施例に係るスピーカと、スピーカを内部に保持する筐体とを備える構成である。
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
本発明のスピーカ振動板は、細長構造でありながら分割共振を抑制することができるスピーカとして有用である。
1,100,201,301,401,501 振動板
2,202,302,402,502 エッジ
3,203,303,403,503 ボイスコイルボビン
4,204,304,404,504 ボイスコイル
5,205,305,405,505 プレート
6,206,306,406,506 マグネット
7,207,307,407,507 ヨーク
8,208,308,408,508,610 フレーム
10,200,300,400,500 スピーカ
101a 第1の振動板
101b 第2の振動板
102 振動板張り合わせ部
209,309,409,509 貫通孔
600 テレビジョン受像機

Claims (10)

  1. 両端が閉止されている筒形状の振動板と、
    前記振動板を振動可能に支持するエッジと、
    ボイスコイルが巻回され、前記振動板に接続されるボイスコイルボビンと、
    前記ボイスコイルを駆動させるための磁気回路と、を備え、
    前記振動板は、短手方向の断面形状が円形状であり、
    前記振動板は、各々が、短手方向の断面形状が半円形状の円弧部と、前記円弧部の両端から径方向外側に突出するフランジ部とで構成される第1の振動板及び第2の振動板で構成され、
    前記フランジ部同士結合している
    スピーカ。
  2. 前記振動板の両端は、長手方向の外向きに膨出する半球形状である
    請求項1に記載のスピーカ。
  3. 前記スピーカは、2つの前記ボイスコイルボビンを備え、
    2つの前記ボイスコイルボビンは、前記振動板の長手方向の中心に対して対称で、且つ前記振動板の第1次共振モードの節の位置に取り付けられる
    請求項1又は2に記載のスピーカ。
  4. 前記振動板の長手方向の一端を0、他端を1としたとき、
    第1の前記ボイスコイルボビンの取り付け位置は、0.224の位置を含み、
    第2の前記ボイスコイルボビンの取り付け位置は、0.776の位置を含む
    請求項3に記載のスピーカ。
  5. 前記スピーカは、4つの前記ボイスコイルボビンを備え、
    4つの前記ボイスコイルボビンは、前記振動板の長手方向の中心に対して対称で、且つ前記振動板の第1次共振モード及び第2次共振モードの節の位置に取り付けられる
    請求項1又は2に記載のスピーカ。
  6. 前記振動板の長手方向の一端を0、他端を1としたとき、
    第1の前記ボイスコイルボビンの取り付け位置は、0.113の位置を含み、
    第2の前記ボイスコイルボビンの取り付け位置は、0.37775の位置を含み、
    第3の前記ボイスコイルボビンの取り付け位置は、0.62225の位置を含み、
    第4の前記ボイスコイルボビンの取り付け位置は、0.877の位置を含む
    請求項5に記載のスピーカ。
  7. 前記スピーカは、2つの前記ボイスコイルボビンを備え、
    2つの前記ボイスコイルボビンは、前記振動板の長手方向の中心に対して対称で、且つ前記振動板の第1次共振モードの節の位置と第2次共振モードの節の位置との間の位置に取り付けられる
    請求項1又は2に記載のスピーカ。
  8. 前記振動板の長手方向の一端を0、他端を1としたとき、
    第1の前記ボイスコイルボビンの取り付け位置は、0.332の位置を含み、
    第2の前記ボイスコイルボビンの取り付け位置は、0.668の位置を含む
    請求項7に記載のスピーカ。
  9. 前記振動板は、前記ボイスコイルボビンの取り付け位置に貫通孔を有し、
    前記ボイスコイルボビンは、前記貫通孔に挿通され、前記貫通孔の内壁面に接着される
    請求項1〜8のいずれか1項に記載のスピーカ。
  10. スピーカを備える電子機器であって、
    前記スピーカは、
    両端が閉止されている筒形状の振動板と、
    前記振動板を振動可能に支持するエッジと、
    ボイスコイルが巻回され、前記振動板に接続されるボイスコイルボビンと、
    前記ボイスコイルを駆動させるための磁気回路と、を備え、
    前記振動板は、短手方向の断面形状が円形状であり、
    前記振動板は、各々が、短手方向の断面形状が半円形状の円弧部と、前記円弧部の両端から径方向外側に突出するフランジ部とで構成される第1の振動板及び第2の振動板で構成され、
    前記フランジ部同士結合している
    電子機器。
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