JP6052532B2 - 早期変形性関節症の治療 - Google Patents

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Description

配列表
本出願はEFS−Webを経由して提出された配列表を含み、その配列表は参照によりその全体が本明細書に援用される。2009年12月15日に作成された前記ASCIIコピーは383295WO.txtと名付けられ、大きさは4,219バイトである。
本開示は、変形性関節症の治療に関し、より詳細には副甲状腺ホルモンまたは副甲状腺ホルモン由来の物質を投与することにより早期変形性関節症を治療するための方法に関する。
関節炎は身体における関節の損傷を含む一連の症状を包含する。関節炎は55歳以上の人における身体障害の主な原因である。関節炎、変形性関節症(OA)の最も一般的な形態は、関節の外傷、関節の感染症、または加齢を原因とするものである。変形性関節症は軽度の炎症が関節において痛みとなる臨床的症候群であり、それは関節内部で広がり、かつクッションの役目を果たす軟骨の異常な消耗、およびそれらの関節を滑らかにする滑液の特性が破壊または変化することによって引き起こされる。骨表面において軟骨による保護が不十分になると、患者は歩行および立つことを含めて、体重を支えると痛みを覚える。痛みによって増えた動作により、局所筋肉が萎縮し、かつ靭帯がより弛緩し得る。
変形性関節症は米国においてほぼ2100万人に影響し、それは一次診療医への訪問の25%、および非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)処方の半数を占める。人口の80%が65歳までにX線像による変形性関節症である証拠を得るが、それらの60%の人のみが症状を示すであろう。
多くの国において高齢者の数が増加するにつれ、変形性関節症はますます一般的な関節疾患となっている。例えば、米国では60歳以上の人口の10%がOAを有する。OAに対する現在の治療は、主に抗炎症薬、鎮痛薬、および潤滑補助剤の使用を含むものである。したがって、早期の段階においてOAの進行を抑制可能な薬剤を開発することが最優先される。
OAを患う患者において、軟骨細胞は骨端成長板において起こるような表現型の変化を再び始められることで知られており、軟骨細胞は肥大して鉱質沈着し、ついにはアポトーシスに至る最終分化の過程を経る(Blanco FJら、Arthritis Rheum 1998;41:284−9;Kirsch Tら、Osteoarthritis Cartilage 2000;8:294−302)。OAにおける軟骨細胞は、アネキシン、アルカリホスファターゼ、およびX型コラーゲン(ColX)を含む肥大軟骨細胞のマーカータンパク質を発現するが、そこにII型コラーゲン(ColII)は含まれない。
成長板において軟骨内石灰化を制御するフィードバックループは、副甲状腺ホルモン−関連タンパク質(PTHrP)、インディアンヘッジホッグ(IHH)、およびBcl−2を含む。PTHrPは増殖性軟骨細胞の機能を維持し、かつ肥大に向かう軟骨細胞の分化を抑制する(Horton WE Jrら、Matrix Biol 1998;17:107−15;Weisser Jら、Exp Cell Res、2002;279:1−13)。以前の報告で、OAが進行中の関節軟骨細胞における生物学的変化は、軟骨内石灰化のものと類似していることを示した(Blanco FJら、Arthritis Rheum 1998;41:284−9;Kirsch Tら、Osteoarthritis Cartilage 2000;8:294−302)。
成長板における軟骨細胞の分化に伴う生物学的変化は、変形性関節症の進行において観察されるものと類似している。変形性関節症では、軟骨細胞の表現型変化は、骨端成長板におけるものと類似しており、軟骨細胞は、最終分化、肥大、鉱質沈着し、最終的にはアポトーシスを経ることが報告されている(Arthritis.Rheum.(1998)41(2):284−9; Ann.Rheum.Dis.(2000)59(12):959−65; Osteoarthritis Cartilage(2000)(4):294−302)。変形性関節症における軟骨細胞は、アネキシン、アルカリホスファターゼ、およびX型コラーゲン(ColX)を含む肥大軟骨細胞のマーカータンパク質を発現するが、II型コラーゲン(ColII)の発現は除外される。
副甲状腺ホルモン関連タンパク質(PTHrP)は、変形性関節症を治療するために有益であり得ることが示唆されている。例えば国際公開2008/156725号などのPCT特許出願において、PTHrPを関節軟骨の深部に注射することで関節軟骨の石灰化を抑制することが記載されている。上述したように、軟骨細胞の分化は、細胞増殖、肥大、最終分化、石灰化および細胞死(アポトーシス)を含む複雑な過程を含んでいる。しかしながら、その技術は、患者の変形性関節症が進行する間に起こる関節軟骨の石灰化を含む軟骨細胞の変性過程を好転させ得るいかなる方法も提供していないように思われる。
したがって、軟骨の石灰化および軟骨細胞のアポトーシスを抑制または阻止し、早期変形性関節症において軟骨細胞の変性過程を抑制または好転させ、かつ変形性関節症、特に早期変形性関節症の治療のために使用可能な方法が必要とされている。
国際公開2008/156725号パンフレット
Blanco FJ et al.,Arthritis Rheum 1998;41:284−9 Kirsch T et al.,Osteoarthritis Cartilage 2000;8:294−302 Horton WE Jr et al.,Matrix Biol 1998;17:107−15 Weisser J et al.,Exp Cell Res、2002;279:1−13 Arthritis.Rheum.(1998)41(2):284−9 Ann.Rheum.Dis.(2000)59(12):959−65 Osteoarthritis Cartilage(2000)8(4):294−302
一態様では、本開示は動物における早期変形性関節症を治療するための方法を提供し、それは副甲状腺ホルモン(PTH)および副甲状腺ホルモン由来の物質、例えばPTH(1−34)から成る群より選択される薬剤の治療効果のある量を、このような治療を必要とする動物の罹患関節の関節腔に送達することを含む。
他の側面では、本開示は動物における関節軟骨細胞のアポトーシスを抑制するための方法を提供し、それは副甲状腺ホルモン(PTH)および副甲状腺ホルモン由来の物質、例えばPTH(1−34)から成る群より選択される薬剤の治療効果のある量を、このような治療を必要とする動物の罹患関節の関節腔に送達することを含む。
他の側面では、本開示は動物における罹患関節の関節軟骨細胞の変性過程を抑制するための方法を提供し、それは副甲状腺ホルモンおよび副甲状腺ホルモン由来の物質から成る群より選択される薬剤の治療効果のある量を、このような治療を必要とする動物の罹患関節の関節腔に送達することで、関節軟骨細胞が薬剤と接触することを含む。
本明細書に開示された方法におけるある実施形態では、薬剤はPTHのアミノ酸1−34を含み、このような実施形態の特定の側面では、薬剤はヒト副甲状腺ホルモンのアミノ酸1−34を含む。
本明細書に開示された方法におけるその他の実施形態では、薬剤は基本的にPTHのアミノ酸1−34から成り、このような実施形態の特定の側面では、薬剤は基本的にヒト副甲状腺ホルモンのアミノ酸1−34から成る。
1つの実施形態では、薬剤の送達は関節内注射において達成される。
本明細書に開示された方法におけるある実施形態では、治療動物はヒトであり、かつ罹患関節は、指、手首、肘、肩、首、腰、膝、足首およびつま先の関節から成る群より選択される滑膜関節である。このような実施形態のある側面では、薬剤の治療効果のある量は、滑膜関節の滑液内において、約0.1nMから約200nMの範囲内、約0.25nMから約100nMの範囲内、約0.5nMから約75nMの範囲内、約0.75nMから約50nMの範囲内、または約1nMから約25nMの範囲内で薬剤の初期濃度を提供する量である。
本明細書に開示された方法におけるある実施形態では、薬剤の治療効果のある量は、約0.1pmoleから約5000pmoleの範囲内、約0.5pmoleから約1500pmoleの範囲内、約1pmoleから約1000pmoleの範囲内、約2.5pmoleから約500pmoleの範囲内、または約5pmoleから約300pmoleの範囲内である。ある実施形態では、送達される溶液量は、約0.1mLから約10mLの範囲内であり、溶液中に存在する薬剤の濃度は、約1nMから約500nMの範囲内、約2.5nMから約250nMの範囲内、または約5nMから約100nMの範囲内であり得る。他の実施形態では、送達される溶液は、約1mLから約3mLの範囲内の量であり、約5nMから約100nMの範囲内の濃度の薬剤を含む。
本開示のその他の目的および特徴は、添付の図面と共に以下の詳細な説明を考慮することで明らかとなろう。
本開示における発明は、添付の図面を参照すると共に以下の説明によってさらに理解されるであろう。
図1A−1Fは、PTH(1−34)処理または未処理の、コントロールまたはazaC誘導ヒト関節軟骨細胞における、(A)アグリカン、(B)グリコサミノグリカン(GAG)、(C)II型α1コラーゲン(collagen type IIα1)(Col2a1)、(D)X型α1コラーゲン(collagen type Xα1)(Col10a1)、(E)アルカリホスファターゼ(ALP)、および(F)インディアンヘッジホッグ(IHH)のmRNAレベルの変化を示しており、34−アミノ酸長鎖ペプチドは、ヒト副甲状腺ホルモンのアミノ末端アミノ酸1から34で構成されている。 図1A−1Fは、PTH(1−34)処理または未処理の、コントロールまたはazaC誘導ヒト関節軟骨細胞における、(A)アグリカン、(B)グリコサミノグリカン(GAG)、(C)II型α1コラーゲン(collagen type IIα1)(Col2a1)、(D)X型α1コラーゲン(collagen type Xα1)(Col10a1)、(E)アルカリホスファターゼ(ALP)、および(F)インディアンヘッジホッグ(IHH)のmRNAレベルの変化を示しており、34−アミノ酸長鎖ペプチドは、ヒト副甲状腺ホルモンのアミノ末端アミノ酸1から34で構成されている。 図1A−1Fは、PTH(1−34)処理または未処理の、コントロールまたはazaC誘導ヒト関節軟骨細胞における、(A)アグリカン、(B)グリコサミノグリカン(GAG)、(C)II型α1コラーゲン(collagen type IIα1)(Col2a1)、(D)X型α1コラーゲン(collagen type Xα1)(Col10a1)、(E)アルカリホスファターゼ(ALP)、および(F)インディアンヘッジホッグ(IHH)のmRNAレベルの変化を示しており、34−アミノ酸長鎖ペプチドは、ヒト副甲状腺ホルモンのアミノ末端アミノ酸1から34で構成されている。 図1A−1Fは、PTH(1−34)処理または未処理の、コントロールまたはazaC誘導ヒト関節軟骨細胞における、(A)アグリカン、(B)グリコサミノグリカン(GAG)、(C)II型α1コラーゲン(collagen type IIα1)(Col2a1)、(D)X型α1コラーゲン(collagen type Xα1)(Col10a1)、(E)アルカリホスファターゼ(ALP)、および(F)インディアンヘッジホッグ(IHH)のmRNAレベルの変化を示しており、34−アミノ酸長鎖ペプチドは、ヒト副甲状腺ホルモンのアミノ末端アミノ酸1から34で構成されている。 図1A−1Fは、PTH(1−34)処理または未処理の、コントロールまたはazaC誘導ヒト関節軟骨細胞における、(A)アグリカン、(B)グリコサミノグリカン(GAG)、(C)II型α1コラーゲン(collagen type IIα1)(Col2a1)、(D)X型α1コラーゲン(collagen type Xα1)(Col10a1)、(E)アルカリホスファターゼ(ALP)、および(F)インディアンヘッジホッグ(IHH)のmRNAレベルの変化を示しており、34−アミノ酸長鎖ペプチドは、ヒト副甲状腺ホルモンのアミノ末端アミノ酸1から34で構成されている。 図1A−1Fは、PTH(1−34)処理または未処理の、コントロールまたはazaC誘導ヒト関節軟骨細胞における、(A)アグリカン、(B)グリコサミノグリカン(GAG)、(C)II型α1コラーゲン(collagen type IIα1)(Col2a1)、(D)X型α1コラーゲン(collagen type Xα1)(Col10a1)、(E)アルカリホスファターゼ(ALP)、および(F)インディアンヘッジホッグ(IHH)のmRNAレベルの変化を示しており、34−アミノ酸長鎖ペプチドは、ヒト副甲状腺ホルモンのアミノ末端アミノ酸1から34で構成されている。 図2A−2Cは、PTH(1−34)処理または未処理の、コントロールまたはazaC誘導ヒト関節軟骨細胞における、(A)Bcl−2のmRNA発現、(B)BaxのmRNA発現、および(C)Bcl−2とBaxの比率における変化を示す。 図2A−2Cは、PTH(1−34)処理または未処理の、コントロールまたはazaC誘導ヒト関節軟骨細胞における、(A)Bcl−2のmRNA発現、(B)BaxのmRNA発現、および(C)Bcl−2とBaxの比率における変化を示す。 図2A−2Cは、PTH(1−34)処理または未処理の、コントロールまたはazaC誘導ヒト関節軟骨細胞における、(A)Bcl−2のmRNA発現、(B)BaxのmRNA発現、および(C)Bcl−2とBaxの比率における変化を示す。 図3は、ヒト関節軟骨細胞におけるPTH(1−34)のazaC誘導アポトーシスに対する効果を示す。 図4は、正常および変形性関節症(OA)のラットの関節軟骨における、PTH(1−34)のグリコサミノグリカン(GAG)レベルに対する効果を示す。 図5は、正常および変形性関節症(OA)のラットの関節軟骨における、PTH(1−34)の免疫局在化(immunolocalized)II型コラーゲンに対する効果を示す。 図6は、正常および変形性関節症(OA)のラットの関節軟骨における、PTH(1−34)の軟骨細胞アポトーシスに対する効果を示す。 図7は、変形性関節症(OA)ラットの関節軟骨における、3つの投与量でのPTH(1−34)のグリコサミノグリカン(GAG)レベルに対する効果を示す。
以下の好ましい実施形態および図面の説明は単に例示することを目的として記載されており、本発明の限定を定義するものではない。そのためには添付の特許請求の範囲を参照すべきである。
本明細書において使用される用語は、単に発明の特定の実施形態を説明することを目的とするものであり、限定を意図するものではない。別段の定義がない限り、本明細書において使用される全ての技術および科学用語は、本発明と関連する当業者によって一般的に理解されるものと同様の意味を有する。
さらに、本明細書において上記または下記に引用される全ての刊行物、特許および特許出願は、参照によりそれらの全体が本明細書に援用される
最後に、本明細書および添付の特許請求の範囲において、特に内容に明確な指示がない限り、単数形「a」「an」および「the」は複数の指示対象を含む。
定義
本開示における用語「副甲状腺ホルモン(PTH)」および「PTH」は、副甲状腺ホルモン、特にヒト副甲状腺ホルモン、およびその誘導体を指す。本開示の方法において使用される副甲状腺ホルモンは、天然型のPTH、遺伝子工学技術によって製造されたPTH、または化学的に合成されたPTHなど様々な形態で生じ得る。PTH誘導体の例としては、上に定義したようにPTHの部分ペプチド、その他のアミノ酸によって部分的に置き換え可能なPTHまたはその部分ペプチドの構成アミノ酸、部分的に欠損し得るPTHまたはその部分ペプチドの構成アミノ酸、およびPTHまたはその部分ペプチドに加えられる1以上のアミノ酸を有するペプチドが挙げられる。ここで留意すべきは、PTH誘導体としてのペプチドはPTHそれ自体と同様の活性を有し得ることである。PTHの部分ペプチドの例としては、ヒトPTH(1−34)、ヒトPTH(1−64)、ヒトPTH(35−84)およびウシPTH(1−34)が挙げられる。PTH(1−34)は、PTHのN末端から数えて34個のアミノ酸で構成されるPTHの部分ペプチドを指す。本明細書に開示された方法におけるある実施形態では、投与される薬剤はPTH(1−34)(すなわちヒトPTH(1−34))である。したがって、本明細書において使用される用語「副甲状腺ホルモン(PTH)」および「PTH由来の物質」は、限定されるものではないが、ヒトPTH塩、ヒトPTH(1−34)、テリパラチドヒトPTH類似体、84−アミノ酸ヒト副甲状腺ホルモンの34N末端アミノ酸(生物学的活性領域)配列と同様にペプチド配列機能を有する近縁のペプチドおよび薬剤を含む。したがって、用語「副甲状腺ホルモン(PTH)」、「PTH」および「PTH由来の物質」は、限定されるものではないが、組み換えヒトPTH(1−34)、合成ヒトPTH(1−34)、PTH(1−34)、ヒトPTH(1−34)塩、テリパラチド、ヒトPTH(1−34)アミドなどのヒトPTH(1−34)の単純誘導体、ヒトPTH(1−33)またはヒトPTH(1−31)アミドなどの近縁分子、および近縁骨形成ペプチドを含む。適切なヒトPTH塩の例としては、限定されるものではないが、酢酸塩、アジピン酸塩、アンゲリカ酸塩、臭化物、酪酸塩、塩化物、クエン酸塩、シトラコン酸塩、シトラマル酸(citramalate)、クロトン酸塩、プロピオン酸塩、吉草酸塩、ヘキサン酸塩、ヘプタン酸塩、レブリン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、グリコール酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、3−ヒドロキシイソ酪酸塩、トリカルバリル酸塩(tricarballylicate)、マロン酸塩、グルタル酸塩、イタコン酸塩、メサコン酸塩、ジメチロールプロピオン酸塩、チグリン酸塩(tiglicate)、グリセリン酸塩、メタクリル酸塩、イソクロトン酸塩、β−ヒドロキシ酪酸塩、ヒドロアクリル酸塩(hydracrylate)、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩、2−ヒドロキシイソ酪酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、ピルビン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、硝酸塩、リン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、硫酸塩およびスルホン酸塩が挙げられる。また、記載された用語「副甲状腺ホルモン(PTH)」および「PTH由来の物質」は、酸、遊離塩基、荷電もしくは非荷電分子、分子錯体の成分、または非刺激性の薬理学的に受容可能な塩など様々な形態を包含し得る。
本明細書において使用される語句「早期変形性関節症」は、限定するものではないが、苦しんでいる動物−例えば、苦しんでいるヒトの関節軟骨がフィブリル化の兆候を全くかほとんど示さず、かつ全体としては軟骨の厚さは保護されているようでも、軟骨細胞のいくらかのクラスター化(clustering)が明らかであろう医学的状態を包含する。用語「早期変形性関節症」は、苦しんでいる動物の軟骨試料の70%以下の軟骨細胞が、アルカリホスファターゼ、アネキシン、およびX型コラーゲンに対して免疫染色を示すことを観察することにより特徴付けられる。(T.Kirschら、Osteoarthritis and Cartilage (2000) :294−302)。早期変形性関節症を患った、例えばヒトなどの苦しんでいる動物は、わずかなこわばりおよび時折の関節痛を感じ、彼らの中には局所的な関節痛を感じる人もいるであろう。
本明細書において使用される用語「関節腔」は、滑膜関節における骨の間の液体で満たされた空間を指す。
用語「関節内注射」は、注射器またはその他の注射器具の使用を含む、薬剤を患者の関節腔に投与する方法を指す。
開示された方法において治療される、苦しんでいる「対象」、「患者」または「動物」は、ヒトまたはヒト以外の哺乳類であるため、苦しんでいる「対象」、「患者」または「動物」は、ヒトと同様に、イヌ、ネコ、ネズミ、ラット、ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、または霊長類であり、かつ実験動物、家畜および畜類を含み得る。ある実施形態では、苦しんでいる対象、患者、または動物は、変形性関節症に苦しむヒトであり、より詳細には早期変形性関節症に苦しむヒトである。
軟骨細胞の変性に関する用語「変性過程」は、例えばII型コラーゲンの減少およびX型コラーゲンの増加などの軟骨細胞の基質成分の合成の変化を特徴とし、限定されるものではないが、軟骨細胞の最終分化を包含する。
早期変形性関節症およびその治療
早期変形性関節症の症状は、痛み、こわばり、制限された関節運動、腫れ、および骨の肥大を含み得る。これらの症状は、身体における腰、膝、手、またはその他の関節など、苦しんでいる動物の様々な部分においてそれらが現れる。さらに、これらの症状は、曲げ、膝立ち、階段を上ること、走ること、漕ぐこと、およびその他の激しいまたは拡張した身体運動などのある活動の最中に現れ、関節の痛みおよびこわばりは、関節を使用している間もしくはその後、非活動期間の後、またはそれらの組み合わせにおいて現れ得る。さらに、例えば気圧の変化に関連した、天気が変化する前または最中の関節の不快症状などのように、症状は天気に関連しているかまたは天気によって悪化し得る。
本明細書に開示された方法における、PTHまたはPTH由来の物質を用いた早期変形性関節症で苦しむヒトなどの動物の治療は、軟骨形成および関節軟骨細胞の持続的生存を維持するため、変形性関節症の進行を抑制可能である。
変形性関節症において生じる軟骨細胞の変化は、ヒトの関節軟骨細胞のazaC誘導による最終分化を含む確立された細胞培養モデルによって模倣され、それは早期変形性関節症の治療に対するPTHの使用を確立するために使用されていた。このヒト関節軟骨細胞培養モデルを用いて、PTH(1−34)による治療が、azaC誘導II型コラーゲン抑制を救済するだけでなく、II型コラーゲンの発現を増加させることが発見された。PTH(1−34)のグリコサミノグリカン(GAG)レベルの変化に対する同様の効果もまた発見された。正常な関節軟骨細胞は、関節軟骨の適切な機能のために必要とされるII型コラーゲンおよびアグリカンを発現する。変形性関節症を引き起こす最終分化を経るときに、軟骨細胞はアルカリホスファターゼおよびX型コラーゲンを含むマーカーを発現し、一方で、II型コラーゲンおよびアグリカンの発現は減少し得る。この変性過程は軟骨細胞の石灰化、そして最終的には細胞死の原因となり得る。したがって、本開示の方法は、早期OAにおける軟骨細胞の変性過程を抑制、停止、または好転させることを可能とするものである。
本明細書に開示される方法によると、PTHまたはPTH由来の物質、例えばPTH(1−34)を用いた早期変形性関節症の治療は、軟骨細胞の細胞死(アポトーシス)を抑制または阻止可能である。
変形性関節症の臨床的特徴は、関節痛、30分以上続く朝のこわばり、関節の不安定性、すなわち座屈(buckling)、および機能喪失を含む。変形性関節症の兆候は、罹患関節における骨の肥大、動作範囲の制限、関節動作による摩擦音、動作に伴う痛み、罹患関節の不整列(malalignment)、および罹患関節の変形を含む。早期変形性関節症を検出するための例示的な方法は、関節軟骨におけるグリコサミノグリカン(GAGs)の存在および濃度を検出および決定することが可能な放射線的方法に基づくものを含む。このような方法は、「軟骨の遅延型ガドリニウム造影MRI」(dGEMRIC)および「化学交換依存飽和転移」(gagCEST)(例えば、Lingら(2009)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 105(7):2266−70を参照のこと)、およびコンピューター断層撮影法(例えば、Joshら(2009)J.Am.Chem.Soc. 131(37):13234−35を参照のこと)として特定されるMRI技術を含む。変形性関節症の診断のためのさらなる方法は、超音波検査法および単純写真(X線)と同様に、関節造影法および関節鏡検査法を含む侵襲的方法も含む(例えば、Tsaiら(2007)OsteoArthritis and Cartilage 15:245−50、およびLeeら(2008)OsteoArthritis and Cartilage 16:352−58を参照のこと)。
一旦診断されると、早期変形性関節症は本明細書に開示された方法を用いて治療可能である。ある実施形態では、早期変形性関節症はPTHおよびPTH由来の物質、例えばPTH(1−34)(ヒトPTH(1−34))から成る群より選択される薬剤を、例えば滑膜関節における骨の間の液体で満たされた空間に注射し、患者の罹患関節腔に投与することによって治療される。このような実施形態の一態様では、薬剤はシリンジまたはその他の注射器具を使用して罹患関節の滑液に注入される。薬剤の量および処方設計ならびにそれの投与の頻度の決定は、本開示によって提供される、適切な医師の専門の範囲内にある。薬剤は、約0.1pmoleから約5000pmoleの範囲内、約0.5pmoleから約1500pmole、約1pmoleから約1000pmoleの範囲内、約2.5pmoleから約500pmoleの範囲内、または約5pmoleから約300pmoleの範囲内の量で投与される。ある実施形態では、治療効果のある投与量は、滑膜関節の滑液内において薬剤の初期濃度を、約0.1nMから約200nMの範囲内、約0.25nMから約100nMの範囲内、約0.5nMから約75nMの範囲内、約0.75nMから約50nMの範囲内、または約1nMから約25nMの範囲内で提供する量である。他の側面では、薬剤の治療のための投与量は、約0.1mLから約10mLの溶液を送達することで提供され、薬剤は約1nMから約500nMの範囲内の濃度で存在する。他の側面では、薬剤は約1mLから約3mLの範囲内の量で送達され、かつ薬剤は約5nMから約100nMの範囲内の濃度で溶液中に存在する。
本開示は、ラットにおける変形性関節症のパパイン誘発モデルを提供し、それは変形性関節症が進行している間、生体内におけるPTH(1−34)の関節軟骨に対する効果を検証するために使用された。この変形性関節症のパパイン誘発ラットモデルでは、PTH(1−34)の関節内投与は、GAGの減少を軽減させ、かつII型コラーゲンを修復した。さらに、5週間の治療によって、変形性関節症誘導軟骨におけるGAGを正常のレベルまで戻し、かつII型コラーゲンを正常のレベルを超えるレベルまで増強させた。さらに、PTH(1−34)を用いた3−5週間の治療によって、変形性関節症誘導に起因するX型コラーゲンの発現を抑制するように思われた。さらに、OA誘導に起因する軟骨細胞のアポトーシスは、1−5週間のPTH(1−34)処理によって著しく抑制された。
本明細書に開示される方法によると、PTH(1−34)処理は、正常ヒト関節軟骨細胞およびコントロールであるラットの膝関節(すなわち、非変形性関節症のラットの膝関節)において、II型コラーゲン、X型コラーゲン、ALP、アグリカンおよびGAGの発現を変化させないように思われた。出願人は、この信念に拘束されることを望むものではないが、PTHおよびPTH由来の物質、例えばPTH(1−34)の投与は、変形性関節症罹患軟骨にのみ影響し得ることを確信する。本開示の方法によると、PTHまたはPTH由来の物質、例えばPTH(1−34)は、変形性関節症にみられる進行と同様のヒト関節軟骨細胞の最終分化の進行を、抑制、停止または好転させることが可能である。したがって、PTHまたはPTH由来の物質、例えばPTH(1−34)は、正常軟骨細胞に影響することなく早期変形性関節症を治療するために使用可能である。
本開示の方法によると、PTHまたはPTH由来の物質、例えばPTH(1−34)は、早期変形性関節症を患う例えばヒトなどの苦しんでいる動物に対して連続してまたは定期的に投与可能である。それ故、関節のアポトーシスを抑制または阻止し、かつ関節軟骨細胞の変性過程を抑制、停止または好転させ得る。
処方設計および投与量
注射のための処方設計には、溶剤または分散媒であるキャリアが含まれていてもよい。適切なキャリアは、水、生理食塩水、静菌水、Cremophor EL(登録商標)(BASF社、ニュージャージー州パーシッパニー所在)、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、グリコール、プロピレングリコール等)、およびそれらの混合物を含む。これらの組成物は注射可能であるように無菌かつ液体でなければならない。流動性はレシチンまたは界面活性剤などのコーティング剤で維持可能である。微生物汚染は、パラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、およびチメロサールなどの抗菌剤および抗真菌薬を包含することによって阻止可能である。マンニトール、ソルビトール、塩化ナトリウムなどの糖類および多価アルコールは、組成物中で等張性を維持するために使用可能である。
本明細書に開示するように、早期変形性関節症の治療のためのPTHおよびPTH由来の物質、例えばPTH(1−34)(ヒトPTH(1−34))から成る群より選択される薬剤の治療効果のある投与量は、約0.1pmoleから約5000pmoleの範囲内、約0.5pmoleから約1500pmoleの範囲内、約1pmoleから約1000pmoleの範囲内、約2.5pmoleから約500pmoleの範囲内、または約5pmoleから約300pmoleの範囲内である。ある実施形態では、治療効果のある投与量は、滑膜関節の滑液内において薬剤の初期濃度を、約0.1nMから約200nMの範囲内、約0.25nMから約100nMの範囲内、約0.5nMから約75nMの範囲内、約0.75nMから約50nMの範囲内、または約1nMから約25nMの範囲内で提供する量である。他の側面では、薬剤の治療のための投与量は、約0.1mLから約10mLの溶液を送達することで提供され、薬剤は約1nMから約500nMの範囲内の濃度で存在する。他の側面では、薬剤は約1mLから約3mLの範囲内の量で送達され、かつ薬剤は約5nMから約100nMの範囲内の濃度で溶液中に存在する。
本開示の方法において送達される組成物は、有機ビスホスホネート、化学療法剤、放射性薬剤、TNF−αアンタゴニスト、非ステロイド系抗炎症薬、ステロイド、抗酸化剤、血管新生阻害剤、マトリックスメタロプロテアーゼ阻害剤、ビタミン、選択的エストロゲン受容体調節物質(SERM)、エストロゲン−プロゲスチン、アンドロゲン、カルシトニン、抗生物質、カテプシンK阻害剤、スタチン、インテグリン受容体アンタゴニスト、骨芽細胞同化剤、もしくは選択的セロトニン再取り込み阻害剤、グルコサミン、ヒアルロン酸、またはそれらの混合物などの、追加のまたは第2の薬剤を含み得る。
材料および方法
ヒト関節軟骨細胞培養
正常ヒト関節軟骨の試料は、交通事故によって亡くなった23歳のアジア人男性の膝関節から採取した。他の関節軟骨の試料は、関節形成術を受けた変形性関節症の64歳の女性のドナーから採取した膝関節の正常な部分から採取した。軟骨の試料は細かく刻み、続いてヒアルロニダーゼ(0.5mg/ml)、プロナーゼ(1mg/ml)、およびコラゲナーゼ(1mg/ml)中で消化した。その後、単離された軟骨細胞を、アルギン酸ビーズ内に封入した。15個のビーズを6ウェルプレートのそれぞれのウェル内で、5mlの培養培地で培養した。培養培地は、100mg/mlのアスコルビン酸、非必須アミノ酸、ペニシリン/ストレプトマイシン、1%インスリン−トランスフェリン−セレン、および10%ウシ胎仔血清(FBS)を含むダルベッコ変法イーグル培地から構成されていた。ビーズをそれぞれの実験の前に、7日間5%CO加湿インキュベータ内で37℃で培養し、培養培地を3日ごとに交換した。
軟骨細胞培養におけるAzaC誘導およびPTH処理
軟骨細胞培養を4つのグループに分割した。azaCプラスPTH群には最初にazaC誘導を行い、その後PTHで処理した。azaC群にはazaC誘導を行ったが、続けてPTHでは処理しなかった。PTH群ではPTHを受理するが、azaC誘導は行わなかった。コントロール群にはazaC誘導を行わず、かつPTH処理でも処理しなかった。azaC誘導を軟骨細胞における最終分化を誘導するために使用した(例えば、Cell Biol Int(2006) 30(3):288−94を参照のこと)。つまり、培養は48時間15μg/mlの5−アザシチジン(Sigma社、ミズーリ州セントルイス所在)で処理した。azaC誘導後のPTH処理は、10nMのPTH(1−34)を含む培地における軟骨細胞の培養を含むものであった。全ての群の細胞を、PTH(1−34)処理から3、7および10日目で採取した。ビーズをpH7.4の0.05Mのクエン酸二ナトリウムおよび0.03MのEDTAを含む0.9%のNaCl溶液中で溶解したときに、軟骨細胞がアルギン酸ビーズから放出された。細胞を1,500rpmで5分間低速遠心分離して収集した。
定量リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応(PCR)
軟骨細胞からの全RNAをRNeasy Mini Kit(Qiagen社、カリフォルニア州バレンシア所在)を使用して単離した。ファースト−ストランド相補的DNA(cDNA)を、Advantage RT−for−PCR Kit(Clontech社、カリフォルニア州パロアルト所在)を使用して1μgのRNAから変換した。SOX9、アグリカン、II型α1コラーゲン(Col2a1)、X型α1コラーゲン(Col10a1)、ALP、IHH、Bcl−2、およびBaxのメッセンジャーRNA(mRNA)のレベルを、iQ SYBR Green Supermix(Bio−Rad社、カリフォルニア州ハーキュリーズ所在)を用いて、Bio−Rad iQ5リアルタイムPCR解析システム(Bio−Rad社、カリフォルニア州ハーキュリーズ所在)により、定量リアルタイムPCRを使用して測定した。反応は、cDNA、それぞれの遺伝子に対する特定のプライマー、およびiQ SYBR Green Supermixを含む25μlの混合物中で行った。
特定のPCR産物を、二本鎖DNA結合蛍光染料であるSYBR Greenによって検出した。相対mRNAの濃度を、それぞれのPCR産物の閾値サイクル(threshold cycle)(Ct)値から算出し、比較Ct法を用いてGAPDHで標準化した。コントロール細胞におけるそれぞれの遺伝子発現の相対量を1に設定し、その他全てを比率に転換した。解離(融解)曲線をそれぞれのPCRの後に作成してその特異性を調べた。全てのPCR増幅を3重に(in triplicate)行い、実験は少なくとも3回繰り返した。
ジメチルメチレンブルー(DMMB)試験
アルギン酸ビーズを上述したように溶解し、さらに60℃で18時間パパイン(300μg/ml)で消化した。試料中のDNAおよび硫酸化グリコサミノグリカン(GAG)のレベルを、hoechst 33258染料および1,9−ジメチルメチレンブルー染料をそれぞれ用いて定量した。DMMB試験のための検量線を、0から25μg/μlの範囲の濃度の水性コンドロイチン硫酸C溶液(Sigma−Aldrich社、ミズーリ州セントルイス所在)を用いて作成した。
TUNEL染色
私達は、In Situ Cell Death Detection Kit, TMR red(Roche社、独国マンハイム所在)を使用して、TUNEL(terminal deoxy−nucleotidyl transferase mediated dUTP nick end labeling)染色法を用いてアポトーシス細胞を測定した。製造ガイドラインに従って、細胞をリン酸緩衝生理食塩水(PBS)中で4%のパラホルムアルデヒドを用いて1×10/mlの細胞密度にて固定し、室温で10分間インキュベートした。その後、サイトスピン(Cytospin 3;Shandon社、英国チェシャー州所在)を使用して、5分間2,000rpmの速度の遠心分離によって細胞をスライド上に定着させた。スライドをPBSで二回洗浄し、細胞を氷上で2分間、透過溶液(permeabilizationt solution)(0.1%クエン酸ナトリウム中で0.1%トリトンX−100)中でインキュベートすることによって透過化した。末端デオキシヌクレオチド転移酵素およびローダミン(標識染料)を含むTUNEL反応混合物をスライドに添加し、暗所加湿室内にて60分間37℃でインキュベートした。反応はブロッキング緩衝液(PBS中で0.1%トリトンX−100/0.5%ウシ血清アルブミン)で停止した。細胞を4’,6−ジアミジノ−2−フェニルインドール(DAPI)で対比染色した。スライドをローダミンの580nmおよびDAPIの365nmの励起波長を用いて蛍光顕微鏡下で観察した。細胞核はDAPIで青色に染色され、アポトーシス細胞のみがローダミンによって赤色に染色された。染色された細胞をそれぞれのスライド上の5顕微鏡視野(1.566mm/フィールド)において数えた。データをイメージ−プロプラス(Image−Pro Plus)解析ソフトウェア(Media Cybernetics社、メリーランド州シルバースプリング所在)を使用して解析した。軟骨細胞におけるアポトーシスの割合を、赤色染色細胞(アポトーシス細胞)の青色染色細胞(全細胞)に対する比率として定義した。
動物実験
54匹の12週の雄Sprague−Dawleyラット(250−300gm)をBioLASCO Taiwan社から購入し、餌および水を絶えず与えて(ad libitum)標準の実験室条件(温度24℃、12時間の明暗サイクル)下で飼育した。動物は実験前に1週間実験室環境に慣れさせた。
変形性関節症誘導およびPTH処理
ラットを以下の3つの群に分割した:OA(PTH[1−34]処理無しのOA誘導)(n=18)、OAプラスPTH(OA誘導に続いてPTH[1−34]処理)(n=18)、およびPTH(OA誘導無しのPTH[1−34]処理)(n=18)。対側コントロール膝としての役割を果たすそれぞれの左膝にPTH処理もOA誘導も行わずに賦形剤を注射した。右膝は調査用関節である。20μlの4%パパイン溶液および20μlの0.03Mシステインを関節内に注射して、OAおよびOAプラスPTH群のラットの右膝にOAを誘導した。注射は実験の1、4および7日目に、膝蓋腱を介して26ゲージ針を用いて行った(Nucl Med Commun(1996)17(6):529−35を参照のこと)。OAプラスPTH群では、OA誘導の後、ラットは殺されるまで3日ごとに40μlの10nMPTH(1−34)を右膝の関節内に注射された。PTH群では、同じPTH(1−34)処理を行ったが、OA誘導は行わなかった。それぞれの群の6匹のラットはOAプラスPTH群のラットと同時期にCO吸入によって殺され、PTH(1−34)処理は1、3および5週間行われた。
組織学的分析
ラットを殺した後に、膝を採取し、関節軟骨と共に脛骨プラトーを集めて、組織学的準備の前に10%の中性緩衝ホルマリンで固定した。その後、試料を10%のギ酸/PBS中で脱灰した。脱灰した脛骨関節(tibia articular)試料をパラフィンで包埋し、冠状面(coronary plane)における5−μmの検鏡試片を作成した。GAGをサフラニンO−ファストグリーン(1%のサフラニンO、対比染色は0.75%のヘマトキシリン、その後1%のファストグリーン)(Sigma社、ミズーリ州セントルイス所在)で染色した。局所II型コラーゲンおよびX型コラーゲンを免疫染色した。軟骨内のアポトーシス細胞はTUNEL染色した。
組織形態計測的分析
GAGはサフラニンOで赤色に染色され、それぞれの脛骨近位端における関節軟骨の全体および赤色染色領域を、イメージ−プロプラスソフトウェア、バージョン5.0を用いて測定した。それぞれの群における赤色染色領域の全体領域に対する比率(赤色:全体)を算出した。
免疫組織化学
脛骨関節の切片を水で戻し、組織内の内因性ペルオキシダーゼを3%の過酸化水素でブロックした。一次抗体と共にインキュベートする前に、エピトープを回復させるために酵素によって試料を消化した(例えば、J Histochem Cytochem(2002)50(8):1049−58を参照のこと)。II型コラーゲンの免疫染色のための酵素消化に対する最適な条件は、PBS(pH7.4;Sigma社)中で2.5%のヒアルロニダーゼおよび1mg/mlのプロナーゼの混合物を37℃で1時間であった。X型コラーゲンの免疫染色のための最適な条件は、0.1units/mlのコンドロイチナーゼABC(シグマ社)を1時間、およびトリス塩酸(pH3.0)中で1mg/mlのペプシンを37℃で15分であった。その後、切片は1時間ウシ胎仔血清(FBS)でブロックし、II型コラーゲンに対する一次抗体(マウスモノクローナル抗体;Chemicon社、カリフォルニア州テメキュラ所在)およびX型コラーゲンに対する一次抗体(ラットポリクローナル抗体)(1:200;Cosmo Bio社、日本、東京)または(マウスモノクローナル抗体)(1:100)(Sigma社)を37℃で4時間または室温で1時間インキュベートした。二次抗体を、II型コラーゲンに対するビオチン化ヤギ抗マウス免疫グロブリン(Dako社、カリフォルニア州カーピンテリア所在)、およびX型コラーゲンに対するビオチン化ヤギ抗ウサギ免疫グロブリン(Biocare Medical社、カリフォルニア州ウォールナットクリーク所在)、および西洋ワサビペルオキシダーゼ−複合化ストレプトアビジン(horseradish peroxidase−conjugated streptavidin)(Dako社、カリフォルニア州カーピンテリア所在またはBiocare Medical社)を用いて、30分間インキュベートした。0.01%の過酸化水素を含む3,3’−ジアミノベンジジン溶液を用いた染色により褐色となった。最後に、切片をヘマトキシリンで対比染色し、顕微鏡で観察した。免疫染色の相対密度(密度/領域;mean±SEM領域25.44±2.77mm)を、イメージ−プロプラスソフトウェア、バージョン5.0(Media Cybernetics社)を使用して測定した。
脛骨関節切片に対するTUNEL染色
それぞれの切片におけるアポトーシス細胞を、In Situ Cell Death Detection Kit, TMR redを使用したTUNEL染色によって測定した。切片を水で戻し、プロテイナーゼK(トリス塩酸[pH7.4]中で10μg/ml)と共に20分間インキュベートした。透過化の後、切片をペプシン(HCl[pH2.0]中で0.25%)と共に37℃で30分間インキュベートした。以下の方法は上述した軟骨細胞培養に対するものと同様である。また、切片はDAPIおよびヘマトキシリンおよびエオシンで染色して細胞の局在化を確認した。DAPI−染色細胞(mean±SEM 150±40)を脛骨プラトーにおける軟骨の中心領域で数えた。アポトーシスの割合は軟骨細胞培養において使用したものと同様の方法を用いて定義した。
統計的分析
データはインビトロ研究の4試料およびインビボ研究の6試料からのmean and SEMとして示す。全ての実験を少なくとも3回繰り返した。統計的有意性を一元配置分散分析により評価し、多重比較をシェフェの方法を用いて実施した。0.05未満のP値が有意であると判断した。
ヒト関節軟骨細胞の変性過程の抑制(インビトロ)
正常な関節軟骨細胞は、関節軟骨の適切な機能のために必要とされる、II型コラーゲン、GAGおよびアグリカンを発現する。OAをもたらす最終分化を経るとき、軟骨細胞はアルカリホスファターゼ(ALP)、インディアンヘッジホッグ(IHH)、およびX型コラーゲンを含むマーカーを発現し、それと同時に、II型コラーゲンおよびアグリカンの発現は減少し得る。この変性過程は軟骨細胞の石灰化そして最終的には細胞死をもたらし得る。
図1A−1Fは、副甲状腺ホルモン関連物質PTH(1−34)で処理した後のヒト関節軟骨細胞における、(A)アグリカン、(B)グリコサミノグリカン(GAG)、(C)II型α1コラーゲン(Col2a1)、(D)X型α1コラーゲン(Col10a1)、(E)アルカリホスファターゼ(ALP)、および(F)インディアンヘッジホッグ(IHH)のmRNAレベルの変化を示す。細胞は左から未処理(コントロール)、PTH単独で処理、azaC単独で処理、またはazaCおよびPTHの両方で処理したものである。azaCプラスPTH群がPTH処理から3、7および10日目に到達したときに、全群の細胞を採取した。mRNA発現はリアルタイムポリメラーゼ連鎖反応によって定量化した。バーは4つの同型培養のmean and SEMを示す。全ての実験は少なくとも3回繰り返した。データを一元配置分散分析により評価し、多重比較をシェフェの方法を用いて実施した。コントロールと比べて*=P<0.05;**=P<0.01;#=P<0.05;##=P<0.01。
材料および方法で上述したように、軟骨細胞からの全mRNAを単離し、ファースト−ストランド相補的DNA(cDNA)を調製した。SOX9、アグリカン、II型α1コラーゲン(Col2a1)、X型α1コラーゲン(Col10a1)、ALP、IHH、Bcl−2、およびBaxのメッセンジャーRNA(mRNA)レベルを、iQ SYBR Green Supermix(Bio−Rad社、カリフォルニア州ハーキュリーズ所在)を用いて、Bio−Rad iQ5リアルタイムPCR解析システム(Bio−Rad社、カリフォルニア州ハーキュリーズ所在)によって、定量リアルタイムPCRを使用して測定した。反応は、cDNA、それぞれの遺伝子に対する特定のプライマー、およびiQ SYBR Green Supermixを含む25μlの混合物中で行った。
サイクル条件は以下の通りである:II型α1コラーゲン(Col2a1)、X型α1コラーゲン(Col10a1)およびグリセルアルデヒド−3−リン酸脱水素酵素(GADPH)に対して、サイクル条件は1サイクルを95℃で3分間、続いて40サイクルを95℃で10秒、61℃で30秒よび55℃で1分とした;ALPに対しては、サイクル条件は1サイクルを95℃で3分間、続いて40サイクルを95℃で10秒、65℃で30秒および55℃で1分とした。プライマー配列は以下の通りである:(i)II型α1コラーゲン(81bp産物):フォワードプライマー:5’−CAA CAC TGC CAA CGT CCA GAT−3’、SEQ ID NO:1と指定;リバースプライマー:5’−TCT TGC AGT GGT AGG TGA TGT TCT−3’、SEQ ID NO:2と指定。(ii)X型α1コラーゲン(85bp産物):フォワードプライマー:5’−CAG ATT TGA GCT ATC AGA CCA ACA A−3’、SEQ ID NO:3と指定;リバースプライマー:5’−AAA TTC AAG AGA GGC TTC ACA TAC G−3’、SEQ ID NO:4と指定。(iii)GAPDH(126bp産物):フォワードプライマー:5’−TCT CCT CTG ACT TCA ACA GCG AC−3’、SEQ ID NO:5と指定;リバースプライマー:5’−CCC TGT TGC TGT AGC CAA ATT C−3’、SEQ ID NO:6と指定。(iv)アルカリホスファターゼ(64bp産物):フォワードプライマー:5’−AAC TTC CAG ACC ATT GGC TTG A−3’;SEQ ID NO:7と指定;リバースプライマー:5’−TTG CCG CGT GTC GTG TT−3’、SEQ ID NO:8と指定。(v)アグリカン(189bp産物):フォワードプライマー:5’− ACA GCT GGG GAC ATT AGT GG −3’、SEQ ID NO:9と指定;リバースプライマー:5’− GTG GAA TGC AGA GGT GGT TT −3’、SEQ ID NO:10と指定。(vi)インディアンヘッジホッグ(82bp産物):フォワードプライマー:5’− TCA TCT TCA AGG ACG AGG AG−3’、SEQ ID NO:11と指定;リバースプライマー:5’− ATA GCC AGC GAG TTC AGG −3’、SEQ ID NO:12と指定。(vii)Bcl−2(254bp産物):フォワードプライマー:5’− TCA TCT TCA AGG ACG AGG AG−3’、SEQ ID NO:13と指定;リバースプライマー:5’− ATA GCC AGC GAG TTC AGG−3’、SEQ ID NO:14と指定。(viii)Bax(161bp産物):フォワードプライマー:5’− TTT GCT TCA GGG TTT CAT CC、SEQ ID NO:15と指定;リバースプライマー:5’− TCC TCT GCA GCT CCA TGT TA、SEQ ID NO:16と指定。
特定のPCR産物を、二本鎖DNA結合染料であるSYBR Greenの蛍光によって検出した(Biotechniques(1998)24(6):954−8、960、962)。相対mRNAの発現レベルを、それぞれのPCR産物の閾値サイクル(Ct)値から算出し、比較Ct法を用いてGAPDHで標準化した(Methods(2001)25(4):402−8)。Azac誘導後3日のコントロール細胞のそれぞれの遺伝子発現の相対量を100%に設定し、その他全てを基準に対する変化率に転換した。PCR反応の後、解離(融解)曲線を作成してPCR反応の特異性を調べた。全てのPCR増幅を3重に行い、実験は少なくとも3回繰り返した。
PTH(1−34)処理後3−10日では、PTH群における、アグリカン、Col2a1(II型コラーゲン)、Col10a1(X型コラーゲン)、ALP、およびIHHの遺伝子発現は、コントロール群のものと著しい差異はなかった(図1Aおよび1C−1F)。azaC群では、アグリカンおよびCol2a1のmRNAレベルは、azaC誘導後3日および7日においてコントロール群におけるものよりも低かった(図1Aおよび1C)。azaC誘導後3日では、アグリカンレベルはコントロールの56%(P<0.05)、およびCol2a1レベルはコントロールの46.3%(p<0.01)であった。azaC誘導後7日では、アグリカンレベルはコントロールの31%(P<0.01)、およびCol2a1レベルはコントロールの64.8%(p<0.05)であった。さらに、azaC群におけるCol10a1のレベル(コントロールの2.3−2.4倍)およびALPのレベル(コントロールの5.3−10.9倍)は、azaC誘導後7および10日においてコントロール群よりも著しく高かった(P<0.01)(図1Dおよび1E)。また、IHH発現は、azaC誘導後3、7および10日において著しく上昇した(レベルはazaC誘導後3日ではコントロールの6.5倍[P<0.01]、azaC誘導後7日ではコントロールの2.6倍[P<0.05]、およびazaC誘導後10日ではコントロールの2.7倍[P<0.05])。(図1F)。azaCプラスPTH群において、azaC誘導後3、7および10日におけるPTH(1−34)処理により、Col2a1、Col10a1、ALP、IHHおよびアグリカンのmRNAレベルにおけるazaC誘導による変化が好転した(Col2a1およびアグリカンの10日培養を除いて)(図1)。azaCプラスPTH群におけるアグリカンのmRNAレベルは、処理後3および7日においてazaC群のものよりも著しく高く(処理から3日目に対してP<0.05、および処理から7日目に対してP<0.01)、コントロール群のものと著しい差異はなかった。しかしながら、PTH処理後10日では、アグリカンレベルはazaC群のものと差異はなく、コントロール培養のものよりも低かった(P<0.05)(図1A)。azaCプラスPTH群におけるCol2a1の発現レベルは、PTH(1−34)処理後3日においてazaC群のものよりも著しく高く(P<0.05)、コントロール群と著しい差異はなかった。PTH(1−34)処理後7日では、azaCプラスPTH群におけるCol2a1の発現レベルは、azaC(P<0.01)またはコントロール(P<0.05)群のそれよりも高かった(図1C)。しかしながら、PTH(1−34)処理後10日では、全ての3群間で著しい差異は見つからなかった。azaCによって誘導された、Col10a1、ALPおよびIHHのmRNAレベルにおける変化は、PTH(1−34)処理後のazaCプラスPTH培養において著しく取り除かれた(処理後3、7および10日のCol10a1およびALPに対してP<0.01;処理後3日のIHHに対してP<0.01;処理後7および10日のIHHに対してP<0.05)(図1D−1F)。特筆すべきは、PTH(1−34)処理から3日目において、azaCプラスPTH培養におけるCol10a1およびALPの発現は、コントロール培養のものよりも低かったことである(P<0.01)(図1Dおよび1E)。しかしながら、処理から7日目では、どちらの遺伝子の発現においても、コントロールとazaCプラスPTH群との間で著しい差異は見つからなかった。処理から10日目では、azaCプラスPTH培養におけるALPの発現は、コントロール培養のものよりも高かった(P<0.05)(図1E)。azaCプラスPTH群におけるIHHのmRNAレベルは、PTH(1−34)処理後3−10日においてコントロール培養のものより47−71%低かったが、10日後の差異のみが、統計的にほぼ有意であった(図1F)。
軟骨細胞培養におけるGAGレベルは、PTHとコントロール群との間で著しい差異はなかった。azaC群におけるGAGレベルは、azaC誘導後3および7日においてコントロールよりも著しく低かった(P<0.01)(図1B)。azaCプラスPTH群におけるGAGレベルは、PTH(1−34)処理後3、7および10日においてazaC群のものよりも著しく高かった(P<0.01)。アグリカンのmRNAの発現は、azaCプラスPTH群において、PTH(1−34)処理後10日において好転しないが、それでもazaCプラスPTH群におけるGAGレベルは、7および10日後におけるコントロール群のものよりも高い(P<0.01)(図1B)。azaC誘導OAを患うヒト関節軟骨細胞を、PTHを用いて治療する間に観察されたCol10a1、ALP、およびIHHの遺伝子発現の減少、アグリカン、Col2a1、およびGAGによって、PTH処理はヒト関節軟骨細胞の変性過程を好転させ、かつ軟骨細胞の最終分化を抑制可能であることが示された。さらに、アグリカン、Col2a1、およびGAGの発現は、正常ヒト関節軟骨細胞に対するPTH処理によって著しく影響されず、それはPTHまたはPTH由来の物質が正常軟骨細胞に影響せずに早期OAを治療するために使用可能であることを示している。
ヒト関節軟骨細胞アポトーシスの抑制(インビトロ)
Bcl−2およびBaxは、アポトーシスを制御する細胞質タンパク質のファミリーメンバーである。2つのタンパク質は非常によく似たアミノ酸配列を有するが、機能的には正反対である:Bcl−2はアポトーシスを抑制する一方、Baxはこの効果に対抗する(Hunter、J Biol Chem.(1996)271(15):8521−4)。
図2A−2Cは、副甲状腺ホルモン(PTH)で処理した後のヒト関節軟骨細胞における、(A)Bcl−2のmRNAの発現、(B)BaxのmRNAの発現、および(C)Bcl−2のBaxに対する比率における変化を示す。細胞は左から未処理(コントロール)、PTH単独で処理、azaC単独で処理、またはazaCおよびPTHの両方で処理したものである。azaCプラスPTH群がPTH処理から3、7、10および14日目に到達したときに、全群の細胞を採取した。mRNA発現はリアルタイムポリメラーゼ連鎖反応によって定量化した。バーは4つの同型培養のmean and SEMを示す。全ての実験は少なくとも3回繰り返した。データを一元配置分散分析によって評価し、多重比較をシェフェの方法を用いて実施した。コントロールと比べて*=P<0.05;**=P<0.01;#=P<0.05;##=P<0.01。
長期にわたるBcl−2およびBaxの発現における変化を調査するために、14日群を追加した。PTH群において、Bcl−2およびBaxの発現はコントロール群と比較して著しい差異を示さなかった。Bcl−2の発現は、処理後3−10日においてコントロールのものの1.7倍であったが、統計的に著しい差異は見つからなかった。azaC群では、Bcl−2のmRNAレベルは、azaC誘導後3および10日で著しく増加した(処理後3日でコントロールの3.2倍[P<0.05];処理後10日でコントロールの4.7倍[P<0.01])(図2A)。また、azaCプラスPTH群では、Bcl−2の発現はコントロール培養のものよりも高く(処理後3日でコントロールの2.1倍[P<0.05];処理後7日でコントロールの2.1倍[P<0.05];および処理後10日でコントロールの6.0倍[P<0.01])、それはPTH処理によってazaCのBcl−2発現に対する影響を好転させることは不可能であることを示していた。PTHによる処理後14日では、Bcl−2の発現は群間で著しい差異を示さなかった(図2A)。BaxのmRNA発現のレベルは、PTH処理後3−10日において、azaCおよびazaCプラスPTH群の両方においてわずかに減少したが(コントロールの61−88%)、差異は統計的に有意なものではなかった。しかしながら、azaC誘導後14日では、azaC群におけるBaxの発現が著しく増加し(コントロールの2.1倍[P<0.01])、かつazaCプラスPTH群におけるBaxの発現も依然コントロール培養のものの1.6倍であった。これは、PTH処理によってazaCのBax発現に対する影響を完全に好転させることは不可能であることを示していた(図2B)。Bcl−2のBaxに対する比率は、PTH処理後3日(P<0.05)および10日(P<0.01)では、azaCおよびazaCプラスPTH群においてコントロール群よりも高かった。PTH処理後7または14日では、azaCとazaCプラスPTH群との間で、Bcl−2:Baxの比率において著しい差異は見つからなかった(図2C)。軟骨細胞のアポトーシスが、例えば後期OAを患う患者に発生したとき、PTH処理によって細胞死を好転させることは不可能である。
TUNEL染色を用いて、コントロール、azaC、およびazaCプラスPTH群において、ヒト関節軟骨細胞培養におけるアポトーシスの比率を、(azaCプラスPTH群のために)PTH(1−34)処理から14日後に比較した。
図3はヒト関節軟骨細胞における副甲状腺ホルモンのazaC誘導によるアポトーシスに対する効果を示す。コントロール細胞、azaC単独で処理した細胞、およびazaCプラスPTHで処理した細胞におけるアポトーシスの割合を比較した。バーは4つの同型培養のmean and SEMを示す。データを一元配置分散分析によって評価し、多重比較をシェフェの方法を用いて実施した。コントロールと比べて**=P<0.01;##=P<0.01。
ヒト関節軟骨細胞におけるアポトーシスの割合は、azaC培養においてコントロール培養のものよりも著しく高かった(4.8倍の増加、P<0.01)。azaCプラスPTH培養におけるアポトーシスの割合は、azaC培養のものよりも著しく低いが(P<0.01)、それでもコントロール培養のものよりは高かった(3.1倍の増加、P<0.01)(図3)。一度アポトーシスが始まると、PTH処理によって軟骨細胞のアポトーシスを好転させることは不可能であるが、それらがOAの進行の早期の段階にあるとき、軟骨細胞の変性過程を好転させることによって、軟骨細胞死を阻止し、かつアポトーシスの割合を減少させることが可能である。
ラット動物モデルにおける関節軟骨細胞の変性過程の抑制
図4は、正常および変形性関節症(OA)のラットの関節軟骨における、副甲状腺ホルモンのグリコサミノグリカン(GAG)レベルに対する効果を示す。OA群におけるラットの対側コントロール関節、並びにOA、OAプラスPTH、およびPTH群のラットの調査用関節からの脛骨近位端におけるサフラニンOで染色された関節軟骨を、サフラニンO染色領域の全体領域に対する比率のため測定した。サフラニンO染色領域の全体領域に対する比率(赤色/全体)を、PTH処理後1、3および5週間の全群間で比較した。バーは6試料のmean and SEMを示す。データを一元配置分散分析によって評価し、多重比較をシェフェの方法を用いて実施した。それぞれの時点でのOA群における調査用関節と比べて**=P<0.01;##=P<0.01。
OA群におけるラットの対側コントロール関節と同様に、OA、OAプラスPTH、およびPTH群におけるラットの調査用関節からのサフラニンOで染色された(GAGポジティブ)関節軟骨の顕微鏡写真を前述した方法に従って作成した。サフラニンO染色領域の全体領域に対する比率(赤色/全体)を測定し、群間で比較した(図4)。OA、OAプラスPTH、およびPTH群における対側コントロール軟骨の赤色:全体の比率は、どの時点においても全ての3群間で著しい差異はなかった。OA群における調査用関節からの軟骨の赤色:全体の比率は、OA誘導後1、3および5週間において、対側コントロール軟骨のものよりも著しく低かった(P<0.01)(図4)。また、OAプラスPTH群における調査用軟骨の赤色:全体の比率も、OA誘導に続くPTH(1−34)処理後1および3週間において、対側コントロールのものよりも著しく低かった(P<0.01)。しかしながら、比率は時間と共に上昇した。PTH(1−34)処理の5週間後、OAプラスPTH群からの軟骨は、対側コントロール軟骨と著しい差異はなかった(図4)。OAプラスPTH群における赤色:全体の比率は、PTH(1−34)処理後1、3および5週間におけるOA群のものよりも著しく高かった(P<0.01)(図4)。PTH群では、どの時点においても、調査用軟骨と対側コントロール軟骨との間で著しい差異はなかった(図4)。
OA群におけるラットの対側コントロール関節と同様に、OAおよびOAプラスPTH群におけるラットの調査用関節からの免疫組織化学的染色を行った関節軟骨の顕微鏡写真を前述した方法に従って作成した。相対密度を定量化することによる免疫組織化学分析により、対側コントロール軟骨における免疫局在化II型コラーゲンの密度は3群間で著しい差異がないことが示された。
図5は、正常および変形性関節症(OA)のラットの関節軟骨における、副甲状腺ホルモンの免疫局在化II型コラーゲンに対する効果を示す。OA群におけるラットの対側コントロール関節、並びにOAおよびOAプラスPTH群のラットの調査用関節からの脛骨近位端における関節軟骨のII型コラーゲンの免疫染色によって関節軟骨を測定した。成長板軟骨をポジティブコントロールとして染色した。一次抗体なしで染色した成長板および関節軟骨試料をネガティブコントロールとして使用した。対側コントロール軟骨、OA軟骨、およびPTH処理後3および5週間のOA軟骨における相対密度を比較した。バーは6試料のmean and SEMを示す。データを一元配置分散分析によって評価し、多重比較をシェフェの方法を用いて実施した。それぞれの時点でのOA群における調査用関節と比べて*=P<0.05;**=P<0.01;#=P<0.05。
免疫局在化II型コラーゲンは、OA誘導後3および5週間におけるOA群のラットからの調査用軟骨において、対側コントロール軟骨と比較して著しく取り除かれた(P<0.05)。OAプラスPTH群の調査用軟骨では、免疫局在化II型コラーゲンの密度はOA群のものよりも著しく高かったが(P<0.05)、OA誘導に続くPTH(1−34)処理後3週間では、対側コントロール軟骨のものと差異はなかった(図5)。PTH(1−34)処理から5週間後、OAプラスPTH群の調査用軟骨における免疫局在化II型コラーゲンの密度は、OA群のもの(P<0.01)だけでなく、OAプラスPTH群の対側コントロールのもの(P<0.05)よりも著しく高かった。免疫局在化X型コラーゲンは、OA群の関節軟骨細胞において主に見られたが、PTH(1−34)処理後3および5週間のOAプラスPTH群の軟骨においては不明確であった。明らかなX型コラーゲン染色軟骨細胞は対側コントロール軟骨では見つからなかった。パパイン誘発OAを患うラット対してPTH処理を行ったとき、GAG、II型コラーゲンおよびX型コラーゲンの発現もまた、関節軟骨細胞の変性過程の好転させる効果を示した。
ラット動物モデルにおける関節軟骨細胞アポトーシスの抑制
OA群におけるラットの対側コントロール関節と同様に、OAおよびOAプラスPTH群におけるラットの調査用関節からのTUNEL染色された関節軟骨の代表的な顕微鏡写真を前述した方法に従って作成した。
図6は正常および変形性関節症(OA)のラットの関節軟骨における、副甲状腺ホルモンの軟骨細胞アポトーシスに対する効果を示す。PTH処理後1、3および5週間における、OA群のラットの対側コントロール関節、ならびにOAおよびOAプラスPTH群のラットの調査用関節からの脛骨近位端におけるTUNEL染色および4’,6−ジアミジノ−2−フェニルインドール(DAPI)染色した関節軟骨を測定した。対側コントロール関節、OA関節、およびPTHで処理したOA関節におけるアポトーシスの割合を比較した。バーは6試料のmean and SEMを示す。データを一元配置分散分析によって評価し、多重比較をシェフェの方法を用いて実施した。それぞれの時点でのOA群における調査用関節と比べて*=P<0.05;**P<0.01;#=P<0.05;##=P<0.01。
OA群の調査用軟骨における細胞のアポトーシスの割合は、OA誘導後3週間(P<0.05)および5週間(P<0.01)における対側コントロール軟骨のものよりも著しく高いという結果を示した(図6)。OAプラスPTH群では、調査用軟骨における軟骨細胞のアポトーシスの割合は、OA群のものよりも著しく低く(P<0.01)、かつ対側コントロール軟骨との著しい差異を示さなかった(図6)。したがって、パパイン誘発OAを患うラットをPTHで処理すると、軟骨細胞死は阻止され、かつアポトーシスの割合は減少した。
本明細書に開示するように、azaC誘導による軟骨細胞の最終分化(OA変化を模倣)培養モデルおよびパパイン誘発OAラットモデルは、副甲状腺ホルモン(PTH)は早期変形性関節症を治療し、関節軟骨細胞のアポトーシスを阻止し、かつ関節軟骨細胞の変性過程を好転させるために使用可能であることを実証するために使用された。さらに、本開示の方法によると、パパイン誘発OAラットモデルは、関節内注射を介した早期OAのPTHを用いた治療を実証するために使用された。
ラット動物モデルにおける関節軟骨細胞の変性過程を抑制するための投与量範囲
図7は、処理後5週間の正常および変形性関節症(OA)のラットの関節軟骨における、副甲状腺ホルモンのグリコサミノグリカン(GAG)レベルに対する効果を示す。方法は、PTH(1−34)の投与量の濃度が5nM、10nM、または100nMであることを除いて、「動物実験」および「変形性関節症誘導およびPTH処理」と題する節において上述した通りである。OA群におけるラットの対側コントロール関節、ならびにOAおよびOAプラスPTH群におけるラットの調査用関節からの脛骨近位端におけるサフラニンOで染色された関節軟骨を、サフラニンO染色領域の全体領域に対する比率のため測定する。サフラニンO染色領域の全体領域に対する比率(赤色/全体)を、PTH処理後5週間の全群間で比較する。バーは6試料のmean and SEMを示す。データを一元配置分散分析によって評価し、多重比較をシェフェの方法を用いて実施する。**=P<0.01:それぞれの時点でのOA群におけるコントロール関節対調査用関節;##=P<0.01:OA関節対OAプラスPTH5nM、OAプラスPTH10nM、およびOAプラスPTH100nM群における調査用関節。
OA群におけるラットの対側コントロール関節と同様に、OAおよびOAプラスPTH群におけるラットの調査用関節からのサフラニンOで染色された(GAGポジティブ)関節軟骨の顕微鏡写真を前述した方法に従って作成する。サフラニンO染色領域の全体領域に対する比率(赤色/全体)を測定し、群間で比較する(図7)。OAおよびOAプラスPTH群における対側コントロール軟骨の赤色:全体の割合は、全ての3群間で著しい差異はなかった。OA群における調査用関節の軟骨の赤色:全体の比率は、OA誘導後5週間において対側コントロール軟骨のものよりも著しく低かった(P<0.01)(図7)。PTH(1−34)処理から5週間後、OAプラスPTH群の軟骨は対側コントロール軟骨と著しい差異はなく(図7)、すなわち、OAプラスPTH群における赤色:全体の比率は、PTH(1−34)処理後5週間において、OA群のものよりも著しく高かった(P<0.01)(図7)。これらの結果から、5週間にわたる(3日ごとに注射)5、10および100nMのPTH(1−34)を用いた処理によって、GAGの損失を著しく抑制可能とすることが示される。OA群のGAGレベルはコントロール群のものより著しく低い(P<0.01)。5、10、または100nMのPTH(1−34)で処理した後に観察されたGAGレベルは、OA群のものよりも著しく高い(P<0.01)。さらに、コントロール群とPTH処理群との間に著しい差異はない。
本発明を実施例によって、および好ましい実施形態の観点から説明してきたが、本発明は開示された実施形態に限定されないことを理解すべきである。それとは反対に、(当業者に明確であるように)様々な修正および類似の変更を網羅することが意図される。したがって、添付の特許請求の範囲は、全てのこのような修正および類似の変更を包含するように、最も広い解釈が与えられるべきである。

Claims (9)

  1. PTH(1−34)を有効成分として含み、前記PTH(1−34)の投与量が0.1pmoleから5000pmoleの範囲内である、ヒトの早期変形性関節症の治療を目的とした関節腔に投与するための医薬組成物。
  2. 前記医薬組成物において、前記PTH(1−34)が1nMから500nMの濃度で存在し、0.1mLから10mLの溶液を送達することにより提供される請求項1に記載の医薬組成物。
  3. 前記医薬組成物において、前記PTH(1−34)が5nMから100nMの濃度で存在し、1mLから3mLの溶液を送達することにより提供される請求項1に記載の医薬組成物。
  4. PTH(1−34)を有効成分として含み、前記PTH(1−34)の投与量が0.1pmoleから5000pmoleの範囲内である、早期OAを患うヒトの罹患関節の関節軟骨細胞のアポトーシスの抑制を目的とした関節腔に投与するための医薬組成物。
  5. 前記医薬組成物において、前記PTH(1−34)が1nMから500nMの濃度で存在し、0.1mLから10mLの溶液を送達することにより提供される請求項4に記載の医薬組成物。
  6. 前記医薬組成物において、前記PTH(1−34)が5nMから100nMの濃度で存在し、1mLから3mLの溶液を送達することにより提供される請求項4に記載の医薬組成物。
  7. PTH(1−34)を有効成分として含み、前記PTH(1−34)の投与量が0.1pmoleから5000pmoleの範囲内である、早期OAを患うヒトの罹患関節の関節軟骨細胞の変性過程を抑制することを目的とした関節腔に投与するための医薬組成物。
  8. 前記医薬組成物において、前記PTH(1−34)が1nMから500nMの濃度で存在し、0.1mLから10mLの溶液を送達することにより提供される請求項7に記載の医薬組成物。
  9. 前記医薬組成物において、前記PTH(1−34)が5nMから100nMの濃度で存在し、1mLから3mLの溶液を送達することにより提供される請求項7に記載の医薬組成物。
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