次に、本発明の一実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明においては、まず、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の一例としてのレーザプリンタの全体構成を説明した後、本発明の特徴部分を詳細に説明する。
以下の説明において、方向は、レーザプリンタ使用時のユーザを基準にした方向で説明する。すなわち、図1において、紙面に向かって右側を「前(手前)側」、紙面に向かって左側を「後(奥)側」とし、紙面に向かって手前側を「左側」、紙面に向かって奥側を「右側」とする。また、紙面に向かって上下方向を「上下方向」とする。
<レーザプリンタの概略構成>
図1に示すように、レーザプリンタ1は、装置本体2と、記録シートの一例としての用紙Sを供給するためのフィーダ部3と、用紙Sに画像を形成するための画像形成部4とを備えている。
装置本体2は、筐体21と、トップカバー22と、カバーの一例としてのフロントカバー23とを備えている。
筐体21は、左右方向で対向する一対のサイドフレーム21Aと、筐体21の前面を構成する前壁21Bとを備えている。
一対のサイドフレーム21Aは、左右方向において互いに離れて配置され、その間に画像形成部4を挟んでいる。各サイドフレーム21Aは、1つの部品からなる継ぎ目のない壁として形成されている。例えば、サイドフレーム21Aは、それぞれ1つの金型に樹脂を注入して成形されている。そして、一対のサイドフレーム21Aには、画像形成部4と対向する面に、後述するプロセスカートリッジ6の着脱を案内するガイド21Gが設けられている。
前壁21Bは、一対のサイドフレーム21Aの前端部同士を連結するように設けられ、下端が一対のサイドフレーム21Aの下端部よりも上方に配置されている。これにより、筐体21は、側面の一例としての前面(サイドフレーム21Aや前壁21B等により構成される前側の側面)の下部に、用紙Sを差込可能な開口の一例としての差込口21Cが形成されている。具体的には、差込口21Cは、前壁21Bの下端縁B1により上端縁が構成され、後述する給紙トレイ31により下端縁が形成されている。また、差込口21Cは、一対のサイドフレーム21Aにより左右の端縁が構成されている。ここでいう前壁21Bの下端縁B1は、後述する待機状態の用紙載置板31Aと対向する前壁21Bの下面の前端である。
また、筐体21には、トップカバー22を回動させることで開閉される上方に開放した図示しない開口が形成されている。
トップカバー22は、後端部に配置された回動軸22Aを中心にして回動可能となるように筐体21に支持されている。そして、トップカバー22の上面は、後述する排出ローラ8で筐体21外へ排出された用紙Sが載置される排出トレイ9となっている。また、排出トレイ9には、延長カバー10が設けられている。延長カバー10は、トップカバー22に対して回動することで、2点鎖線で示す排出トレイ9の上面を覆う位置と、実線で示す排出トレイ9上の用紙Sの前端部を支持する排出トレイ9と隣接する位置との間を移動可能となっている。
フロントカバー23は、筐体21の前面のうち前壁21Bの前方を覆うカバーであり、下端部が筐体21に回動可能に支持されている。これにより、フロントカバー23は、前後方向に回動させることで、筐体21の差込口21Cを開閉可能となっている。
フィーダ部3は、装置本体2の下方に位置し、差込口21Cの下部から差し込まれた用紙Sを載置可能な第1載置部の一例としての給紙トレイ31と、差込口21Cの上部から差し込まれた用紙Sを載置可能な第2載置部の一例としての手差しトレイ100と、給紙トレイ31上の用紙Sを画像形成部4に向けて給紙する給紙機構32とを主に備えて構成されている。
給紙トレイ31は、筐体21の下部に配置される持上部材の一例としての用紙載置板31Aと、前述したフロントカバー23とによって構成されている。具体的には、給紙トレイ31は、フロントカバー23を前側に倒した状態で筐体21内から差込口21Cの外側まで延びている。そして、用紙載置板31Aは、給紙トレイ31の筐体21の内側の部分を構成し、フロントカバー23は、前方へ倒して差込口21Cを開いた状態で、給紙トレイ31の筐体21の外側の部分を構成している。なお、筐体21の外側とは、用紙載置板31Aの前端部よりも前方側であって、サイドフレーム21Aの前端部よりも前方側である。
用紙載置板31Aは、筐体21の前端から後端付近の位置まで延設されており、前端部に設けられた回動軸を中心に後端部が上下に回動可能になっている。そして、用紙載置板31Aは、用紙載置板31Aの下に設けられている押上部材31Bが図示しない公知の機構と制御装置により回動軸31Cを中心に回動することで、後端部が押し上げられて、後述するピックアップローラ32Aに対して近接または離間するように回動可能となっている。
具体的には、印字指令がない状態では、押上部材31Bは、作動していない。このときには、用紙載置板31Aは、2点鎖線で示すようなピックアップローラ32Aから最も離れて略水平に延びる待機状態となっている。そして、印字指令があった場合には、用紙載置板31Aは、作動した押上部材31Bに押し上げられることで、ピックアップローラ32Aに近接するように上方に回動し、給紙トレイ31に載置された用紙Sをピックアップローラ32Aに向けて持ち上げるようになっている。
手差しトレイ100は、給紙トレイ31の上方に配置され、手差しトレイ100に載置された用紙Sの先端をピックアップローラ32A側に案内するように構成されている。手差しトレイ100の詳細な構成については後述する。
給紙機構32は、ピックアップローラ32Aと、分離ローラ32Bと、分離パッド32Cとを主に備えている。ピックアップローラ32Aは、筐体21内の後部、つまり、差込口21Cを挟んでフロントカバー23とは反対側に設けられている。より詳細には、ピックアップローラ32Aは、用紙載置板31Aの後端の上方に配置されている。分離ローラ32Bは、ピックアップローラ32Aよりも用紙Sの搬送方向下流側で、分離パッド32Cと対向して配置されている。
このフィーダ部3では、フロントカバー23を前側に倒して給紙トレイ31を形成した後で、差込口21Cから用紙Sを差し込んで、給紙トレイ31上または手差しトレイ100上に用紙Sを載せる。そして、印字指令があると、用紙載置板31Aの後端部が上昇して、給紙トレイ31上または手差しトレイ100上に載置された用紙Sにピックアップローラ32Aが接触する。この状態でピックアップローラ32Aが回転することで、給紙トレイ31上または手差しトレイ100上に載置された用紙Sが分離ローラ32Bへ送り出され、送り出された用紙Sが、分離ローラ32Bと分離パッド32Cとの間で1枚ずつに分離されて用紙Sに画像を形成する画像形成部4に供給される。
画像形成部4は、スキャナユニット5と、プロセスカートリッジ6と、定着装置7とを備えている。
スキャナユニット5は、装置本体2内の前側のフィーダ部3の上方に設けられ、スキャナプレート51、図示しないレーザ発光部、ポリゴンミラーおよびレンズなどを備えている。このスキャナユニット5では、レーザ光を、後述する感光ドラム61の表面上に高速走査にて照射する。
スキャナプレート51は、レーザ発光部、ポリゴンミラーおよびレンズを支持しており、一対のサイドフレーム21Aに位置決めされて固定されている。
プロセスカートリッジ6は、装置本体2の後側のフィーダ部3の上方に設けられ、筐体21に対して、トップカバー22を開けることで開放される装置本体2上部の開口を通って着脱可能となっている。また、プロセスカートリッジ6は、一対のサイドフレーム21Aに設けられたガイド21Gに後述する感光ドラム61の軸61Aを挿入することで、装着位置に案内されるようになっている。
プロセスカートリッジ6は、感光ドラム61や、感光ドラム61と対向する転写ローラ62と、符号を省略して示す帯電器と、現像ローラ63と、図示しないトナー収容室などを備えている。
このプロセスカートリッジ6では、回転する感光ドラム61の表面が、帯電器により一様に帯電された後、スキャナユニット5からのレーザ光の高速走査により露光される。これにより、露光された部分の電位が下がって、感光ドラム61の表面に画像データに基づく静電潜像が形成される。
次いで、トナー収容室内に収容されたトナーが現像ローラ63によって感光ドラム61の静電潜像に供給され、感光ドラム61の表面上にトナー像が形成される。その後、感光ドラム61と転写ローラ62の間で用紙Sが搬送されることで、感光ドラム61の表面に担持されているトナー像が用紙S上に転写される。
定着装置7は、装置本体2の後方で、プロセスカートリッジ6の上方に配置されており、主に、加熱ローラ71と、加圧ローラ72とを備えている。
加熱ローラ71は、用紙Sを加熱する部材であり、その内側には、ハロゲンランプ等の熱源が設けられている。
加圧ローラ72は、加熱ローラ71との間で用紙Sを挟持して搬送する部材であり、加熱ローラ71の後斜め上側に設けられている。
そして、このように構成される定着装置7では、用紙S上に転写されたトナーを、用紙Sが加熱ローラ71と加圧ローラ72との間を通過する間に熱定着している。なお、定着装置7で熱定着された用紙Sは、定着装置7の下流側に配設される排出ローラ8に搬送され、この排出ローラ8から排出トレイ9上に排出される。
<手差しトレイ周辺の詳細構成>
次に、手差しトレイ100周辺の詳細な構成について説明する。
手差しトレイ100は、図1に示すように、前後方向において、フロントカバー23とピックアップローラ32Aの間に設けられる第1案内部111と、第1案内部111のピックアップローラ32A側の端部、すなわち、第1案内部111の後端から延びる第2案内部112とからなる本体部110を有している。
第1案内部111は、待機状態の用紙載置板31Aの記録シート載置面の一例としての上面311(2点鎖線参照)に沿って略水平に延びている。第2案内部112は、ピックアップローラ32A側に向かうにつれて用紙載置板31Aの上面311に近づくように第1案内部111に対して後下側に傾斜している。
このように構成された手差しトレイ100は、載置された用紙Sの先端を、用紙載置板31Aの後端部上に案内するようになっている。
また、手差しトレイ100には、取手120が設けられている。取手120は、本体部110の差込口21C側の端部、すなわち、本体部110の前端部から差込口21Cよりもフロントカバー23側へ向けて突出している。そして、手差しトレイ100は、図2に示すように、この取手120を把持して前後方向に移動させることで、差込口21Cを通して筐体21に対して着脱可能となっている。
筐体21は、手差しトレイ100の装着を案内する案内部の一例としてのレール200と、給紙トレイ31に載置された用紙Sの先端位置を規制する規制壁21Eとを有している。また、筐体21は、ピックアップローラ32Aを支持する支持フレーム300を備えている。
レール200は、筐体21の内面から突出するリブによって形成され、筐体21の内側で前後方向に延びている。このレール200は、図3に示すように、サイドフレーム21Aの内面に設けられる第1レール210と、前壁21Bに設けられる第2レール220とから構成されている。つまり、レール200は、サイドフレーム21Aと前壁21Bにわたって形成されている。
第1レール210は、支持フレーム300より前で、スキャナユニット5と用紙載置板31Aの間に設けられている。第1レール210は、前方が開放した略U字状に形成されている。
また、第1レール210には、上面から下方へ突出するストッパ211が設けられている。
第2レール220は、第1レール210の前方に設けられ、レール200の前端部を構成している。前壁21Bは、左右方向両端部において、差込口21Cの縁を構成する下端縁から下方へ延びる延出部21Dを有し、この延出部21Dに第2レール220が形成されている。
図2に示すように、規制壁21Eは、前後方向において差込口21Cを挟んでフロントカバー23とは反対側に配置され、給紙トレイ31に載置された用紙Sの先端に当接するように設けられている。この規制壁21Eは、待機状態の用紙載置板31Aの上面311に対して直交する方向に延びている。
<手差しトレイの詳細構成>
手差しトレイ100は、図4に示すように、前述した本体部110および取手120と、本体部110に設けられる左右一対のサイドガイド130と、本体部110の左右両端部に設けられる被ガイド部140とを備えている。
本体部110は、1枚の板状に形成され、前述したように第1案内部111と第2案内部112とを有している。さらに、本体部110は、第1案内部111と第2案内部112の間で屈曲した形状を有している。
そして、第1案内部111は、上面の用紙Sの幅方向、すなわち、左右方向における略中央部に、他部よりも一段高い位置に設けられ、用紙Sの下面に接触する記録シート載置面の一例としての第1案内面111Aを有している。この第1案内面111Aは、第1案内部111の前端から後端にわたって設けられている。
第2案内部112は、上面の左右方向における略中央部に、他部よりも一段高い位置に設けられ、用紙Sの下面に接触する記録シート載置面の一例としての第2案内面112Aを有している。第2案内面112Aは、第1案内面111Aの後端から連続して延びている。
取手120は、本体部110の左右方向における略中央部、より詳細には、第1案内面111Aが設けられている範囲に設けられている。
取手120は、本体部110から前斜め下方に垂れ下がった形状を有している。これにより、取手120の上側の面である外面121は、第1案内面111Aのフロントカバー23側の端部である前端から前斜め下方に向けて延びている。つまり、取手120の外面121は、取手120の本体部110と反対側の端部から第1案内部111に向かうにつれて、第1案内面111Aよりも下側から第1案内面111Aに近づくように、第1案内面111Aに対して傾斜している。これにより、用紙Sが取手120の外面121に案内されるので、用紙Sを手差しトレイ100に差し込みやすくなっている。
一対のサイドガイド130は、本体部110の左右両端部に設けられている。一対のサイドガイド130は、それぞれ、ガイド部130Aと、ラックギヤ部130Bとを有している。
ガイド部130Aは、前後方向に長く形成され、本体部110の第1案内部111および第2案内部112の上面に沿った形状を有している。各ガイド部130Aは、断面視略コ字状に形成され、第1案内部111や第2案内部112に対して略垂直に延びる第1規制部131と、第1規制部131の上端および下端から左右方向内側へ突出する規制部の一例としての一対の第2規制部132とを有している。
このように構成された一対のガイド部130Aは、手差しトレイ100に載置された用紙Sを左右方向から挟むことで、第1規制部131が用紙Sの幅方向の端部と当接することにより用紙Sの幅方向の位置を規制するようになっている。また、各ガイド部130Aは、一対の第2規制部132によって用紙Sを上下方向から挟むことで、下側規制面の一例としての下側の第2規制部132の上面132Aが、用紙Sに下側から接触し、上側規制面の一例としての上側の第2規制部132の下面132Bが、用紙Sに上側から接触するようになっている。
これにより、一対のガイド部130Aは、第1規制部131によって手差しトレイ100に載置された用紙Sの幅方向の位置を規制するとともに、第2規制部132によって厚み方向の位置を規制することが可能である。
そして、第1規制部131と第2規制部132は、前端部が本体部110の第1案内部111よりも前側へ突出している。つまり、第1規制部131と第2規制部132は、本体部110のフロントカバー23側の端部よりもフロントカバー23側に向けて突出している。特に、下側の第2規制部132は、差込口21Cよりもフロントカバー23側に突出している。これにより、用紙Sを手差しトレイ100に差し込むときに、用紙Sを一対のサイドガイド130の内側へ挿入しやすくなっている。
そして、本実施形態では、前方へ向かうにつれて、一対の第2規制部132の間隔が広がるように形成されている。これにより、用紙Sを一対の第2規制部132の間へより挿入しやすくなっている。
具体的には、下側の第2規制部132の上面132Aは、本体部110の前端部よりも前側へ突出する第1誘い込み面132Cを有している。また、上側の第2規制部132の下面132Bは、本体部110の前端部よりも前側へ突出する第2誘い込み面132Dを有している。
第1誘い込み面132Cは、第1案内部111側に向かうにつれて、第1案内部111の第1案内面111Aよりも下側から第1案内面111Aに近づくように、第1案内面111Aに対して傾斜している。また、第2誘い込み面132Dは、第1案内部111側に向かうにつれて第1案内部111の第1案内面111Aよりも上側から第1案内面111Aに近づくように、第1案内面111Aに対して傾斜している。
ラックギヤ部130Bは、図5に示すように、ガイド部130Aの下部から本体部110に形成されている孔を通って、本体部110の下面側へ回り込み、左右方向の内側へ向かって延びている。各ラックギヤ部130Bは、互いに向かい合う側にギヤ歯が形成されており、本体部110の2つのラックギヤ部130Bの間に設けられているピニオンギヤ150に噛合している。これにより、用紙Sのサイズに合わせて一方のサイドガイド130を幅方向へ移動させると、それに連動してもう一方のサイドガイド130も幅方向へ移動するので、本体部110の上に載置された用紙Sをガイド部130Aで左右方向から挟み込み、当該用紙Sを左右方向中央部に寄せることできる。
被ガイド部140は、本体部110の左右端部から左右方向外側へ向けて延びる連結部141と、連結部141の後端部に設けられる第1円柱部142と、連結部141の前端部に設けられる第2円柱部143と、左側の連結部141に設けられる被位置決め部の一例としての第1被位置決め部144および第2被位置決め部145とを有している。
また、連結部141は、図4に示すように、前後方向における中央部に開口141Aを有しており、この開口141Aの内側には、係合アーム146が設けられている。係合アーム146は、開口141Aの後端縁から前方へ突出し、その先端の上面に三角形状の突部147が設けられている。この係合アーム146は、基端部が撓むことで、先端が上下に移動可能になっている。
第1円柱部142および第2円柱部143は、軸線が左右方向に延びる円柱状に形成されている。そして、第2円柱部143は、第1円柱部142よりも直径が大きくなっている。
第1被位置決め部144は、連結部141の後端部に設けられている。第1被位置決め部144は、第1円柱部142の側面から後方へ向けて延びる板状に形成されている。
第2被位置決め部145は、連結部141の前端部の左端に設けられている。つまり、第2被位置決め部145は、第1被位置決め部144に対し手差しトレイ100の装着方向である前後方向にずれた位置に設けられている。第2被位置決め部145は、連結部141から左右方向外側へ延びた後、後方へ向けて延びるクリップ状に形成されている(図5も参照)。また、第2被位置決め部145の先端は、外側に開いた形状になっている。
このように構成された手差しトレイ100は、図2において2点鎖線で示すように、被ガイド部140の第1円柱部142と第2円柱部143が筐体21のレール200に載ることで、筐体21のレール200に支持されて筐体21に装着されている。また、係合アーム146の突部147がストッパ211に対し後側、つまり、手差しトレイ100の引出方向上流側から当接しているので、手差しトレイ100が不必要に筐体21から飛び出さないようになっている(図2参照)。なお、手差しトレイ100の筐体21に対する位置決めについては後述する。
図6に示すように、手差しトレイ100が筐体21に装着された状態において、本体部110(ハッチングを施した部分)の第1案内部111は、差込口21Cよりも筐体21の内側、すなわち、フロントカバー23よりも後側に配置されている。より詳細には、第1案内部111のフロントカバー23側の端部は、差込口21Cを挟んでフロントカバー23とは反対側に配置されている。つまり、第1案内部111のフロントカバー23側の端部は、差込口21Cよりも筐体21の内側に配置されている。また、第1案内部111の第1案内面111Aは、ピックアップローラ32Aよりも上に配置されている。
第2案内部112は、ピックアップローラ32A側の端部、すなわち、先端が、前後方向において、ピックアップローラ32Aよりも差込口21C側に配置され、第2案内部112の第2案内面112Aの延長線上には、用紙載置板31Aが設けられている。
そして、第1案内部111の第1案内面111Aを延長した第1延長面S1と第2案内部112の第2案内面112Aを延長した第2延長面S2とが交差する位置C1は、筐体21の差込口21Cの内側に形成されているスペースの前後方向における中央部よりも後側に配置されている。つまり、第1延長面S1と第2延長面S2とが交差する位置C1は、筐体21の差込口21Cと待機状態の用紙載置板31Aの後端との中央部Cよりも用紙載置板31Aの後端に寄った位置に配置されている。
取手120およびサイドガイド130の一対の第2規制部132は、差込口21Cから筐体21の外側へ突出している。
そして、取手120が差込口21Cよりもフロントカバー23側へ突出しているため、図7に示すように、フロントカバー23の内面から突出する複数のリブ23Aは、フロントカバー23を閉じたときに、取手120にぶつからない位置に配置されている。より詳細には、フロントカバー23の複数のリブ23Aは、フロントカバー23が差込口21Cを閉じた状態でフロントカバー23と差込口21Cが重なる方向、すなわち、前後方向に見て、取手120と異なる位置に配置されている(図9も参照)。
<支持フレームの詳細構成>
図8に示すように、支持フレーム300は、左右方向における略中央部に、ローラ受入部310が形成されている。ローラ受入部310は、下側に開口を有する空間であり、その内側に、ピックアップローラ32Aや分離ローラ32Bが配置されている。
ローラ受入部310に配置されたピックアップローラ32Aや分離ローラ32Bは、軸受け等の部品を介して、支持フレーム300に回転可能に支持されている。また、ピックアップローラ32Aと分離ローラ32Bは、ローラ受入部310の下側の開口を通して、支持フレーム300から露出している。
そして、支持フレーム300は、用紙載置板31A側を向く下面320に、対向面321と、傾斜面322とを有している。
対向面321は、左右方向においてローラ受入部310の左右方向両側に設けられ、前後方向においてピックアップローラ32Aよりも前側に設けられている。対向面321は、待機状態の用紙載置板31Aの上面311に沿って延びている。
傾斜面322は、対向面321やローラ受入部310の前端から前方へ向けて延び、前方に向かうにつれて、上方に位置するように傾斜して形成されている。つまり、傾斜面322は、ピックアップローラ32A側、すなわち、後側に向かうにつれて用紙載置板31Aの上面311に近づくように延びている。
具体的には、傾斜面322は、支持フレーム300の前端に設けられるガイド面の一例としての第1ガイド面323と、第1ガイド面323と対向面321の間に設けられる第2ガイド面324とを有している。また、第2ガイド面324には、左右方向における略中央部に、突起325が設けられている。
図6に示すように、第1ガイド面323は、ピックアップローラ32Aと手差しトレイ100の第2案内部112の間に設けられ、第2案内部112側を向いている。そして、第1ガイド面323と待機状態にある用紙載置板31Aの上面311がなす角度βは、第2案内部112の第2案内面112Aと待機状態にある用紙載置板31Aの上面311がなす角度αよりも大きくなっている。
第2ガイド面324は、第1ガイド面323よりも待機状態にある用紙載置板31Aの上面311に対する角度が小さくなっている。
突起325は、第2ガイド面324から手差しトレイ100に供給された用紙Sの幅方向中央部に向けて下方へ突出している。
<手差しトレイを位置決めするための構成>
次に、手差しトレイ100の筐体21に対する位置決めについて、図9を参照して説明する。
左側のサイドフレーム21Aの手差しトレイ100と対向する面には、手差しトレイ100の第1被位置決め部144が係合可能な第1位置決め部410と、第2被位置決め部145が係合可能な第2位置決め部420とが設けられている。
第1位置決め部410は、第1被位置決め部144が入り込める前方に開放した凹部である。具体的に、第1位置決め部410は、左側のサイドフレーム21Aの内面から左右方向内側へ向けて延びたあと、前方へ向けて延びる係合部411を有している。そして、第1位置決め部410は、この係合部411と左側のサイドフレーム21Aの内面412との間で第1被位置決め部144を左右方向から挟んでいる。これにより、手差しトレイ100の後端部が、左右方向において左側のサイドフレーム21Aに対して位置決めされている。また、係合部411の先端が、手差しトレイ100の連結部141の後端に当接することで、手差しトレイ100が前後方向において左側のサイドフレーム21Aに対して位置決めされている。
また、係合部411は、先端が左右方向内側へ開くように屈曲しており、手差しトレイ100を装着するときに、第1被位置決め部144を係合部411と左側のサイドフレーム21Aの内面412との間に誘い込めるようになっている。
第2位置決め部420は、第1位置決め部410よりも差込口21C側、つまり、手差しトレイ100の装着方向で手前側にずれた位置に設けられている。第2位置決め部420は、左側のサイドフレーム21Aの内面から突出した突出部421の前から前方へ向けて延びる突起である。この第2位置決め部420は、第2被位置決め部145により左右方向から挟み込まれている。これにより、手差しトレイ100の前端部が左右方向に移動しなくなるので、手差しトレイ100が第1被位置決め部144を支点に回転し、手差しトレイ100がピックアップローラ32Aの軸線方向に対して傾くのを抑制することが可能となっている。
また、第2位置決め部420は、先端部が先細となるようにテーパーが設けられている。これにより、手差しトレイ100を装着するときに、第2被位置決め部145に第2位置決め部420が入り込みやすくなっている。また、第2被位置決め部145の先端部も外側に開いた形状になっているので、より第2被位置決め部145に第2位置決め部420が入り込みやすくなっている。
<画像形成部と筐体の関係>
次に、画像形成部4を構成するユニットの筐体21に対する位置決めについて、図10を参照して説明する。
スキャナプレート51は、左端部が左側のサイドフレーム21Aに固定され、右端部が右側のサイドフレーム21Aに固定されている。つまり、一対のサイドフレーム21Aは、スキャナプレート51によって左右の間隔が決められている。
プロセスカートリッジ6は、右側のサイドフレーム21Aに設けられたバネ状の電極25によって左側のサイドフレーム21Aに向けて押圧されている。具体的には、電極25は、例えば、帯電器に電力を供給するためのものである。そして、プロセスカートリッジ6が電極25に右側から押圧されることにより、感光ドラム61の軸61Aが、左側のサイドフレーム21Aに形成されたガイド21Gの底面に押し付けられている。つまり、プロセスカートリッジ6は、左側のサイドフレーム21Aに寄せて配置されている。
定着装置7は、加熱ローラ71や加圧ローラ72を収容する定着フレーム73を備えており、この定着フレーム73は、一対のサイドフレーム21Aに支持されている。この定着装置7は、手差しトレイ100が位置決めされている左側のサイドフレーム21Aに対して位置決めされている。
具体的には、左側のサイドフレーム21Aには、上面に第1ボス26が設けられ、右側のサイドフレーム21Aには、上面に第2ボス27が設けられている。一方、定着フレーム73は、左端部に孔73Aを有し、右端部に溝73Bを有している。孔73Aは、第1ボス26と略同じ大きさで形成され、溝73Bは、孔73Aに向かう方向に長く延びている。
そして、孔73Aは、左側のサイドフレーム21Aの第1ボス26に嵌合し、溝73Bは、右側のサイドフレーム21Aの第2ボス27に係合している。つまり、定着フレーム73は、左側のサイドフレーム21Aに寄せて配置されている。また、定着フレーム73は、第1ボス26を中心に回転しないようになっている。
このように、手差しトレイ100が位置決めされている左側のサイドフレーム21Aに対し、定着フレーム73も位置決めされているので、手差しトレイ100と定着装置7の位置関係が正確になる。また、左側のサイドフレーム21Aは、スキャナユニット5やプロセスカートリッジ6を支持しているので、手差しトレイ100とスキャナユニット5およびプロセスカートリッジ6の位置関係も正確になる。
以上のように構成されたレーザプリンタ1の作用および効果について説明する。
図11に示すように、手差しトレイ100に用紙Sを差し込むときには、フロントカバー23を前側へ倒し、差込口21Cの上部から用紙Sを差し込む。このとき、手差しトレイ100の用紙Sを案内可能な取手120の外面121やガイド部130Aが差込口21Cから筐体21の外側に突出しているので、手差しトレイ100全体が筐体21の内部に入り込んでいる構成に比べて、用紙Sを差し込みやすい。
そして、手差しトレイ100に用紙S(実線参照)を差し込むと、差し込まれた用紙Sの先端は、用紙載置板31A上に載る。
このとき、第2案内部112の第2案内面112Aの延長線上に用紙載置板31Aがあるため、用紙Sの先端は、規制壁21Eに当接する前に用紙載置板31Aに当接する。これにより、手差しトレイ100上の用紙Sの先端が用紙載置板31Aに当接する前に規制壁21Eに当たって座屈するのが抑制され、用紙Sの先端が用紙載置板31Aの下に潜り込むのを抑制することができる。
なお、1点鎖線で示すように、手差しトレイ100に差し込んだ用紙Sの先端が第2案内部112から離れる方向に向けて反っていた場合には、この先端が支持フレーム300の第1ガイド面323に当たって用紙載置板31A側へ案内される。
また、2点鎖線で示すように、手差しトレイ100に差し込んだ用紙Sが、下面が第2案内部112から浮き上がり、第2案内部112から垂れ下がった先端が下向きにカールする場合でも、支持フレーム300の突起325が当該用紙Sに当接することで、用紙Sの先端をピックアップローラ32A側へ向けることができる。
そして、本実施形態においては、第1ガイド面323や突起325が支持フレーム300に設けられているため、第1ガイド面や突起を支持フレーム300とは別の部材として設ける場合に比べて、部品点数を削減することができる。
そして、手差しトレイ100に載置された用紙Sは、印字指令があったときに、用紙載置板31Aが押上部材31Bにより押し上げられることにより、ピックアップローラ32Aに接触し、画像形成部4に供給される。
このように、用紙載置板31Aを利用して手差しトレイ100上の用紙Sをピックアップローラ32Aに向けて押し上げることができるので、用紙載置板31Aとは別に設けた部材で手差しトレイ100上の用紙Sをピックアップローラ32Aへ向けて案内する場合に比べて、部品点数を削減することができる。
そして、用紙Sが詰まってしまった場合には、ユーザは、差込口21Cから手を入れて詰まった用紙Sを取り出すためのメンテナンスを行う。
本実施形態では、手差しトレイ100のフロントカバー23側に配置されている第1案内部111が待機状態の用紙載置板31Aの上面311に沿って延びているため、第1案内部111と用紙載置板31Aの間隔は、前後方向において略一定になっている。これにより、例えば、手差しトレイ100全体が傾斜し、手差しトレイ100と用紙載置板31Aの間隔が奥側に向かうにつれて徐々に狭くなる構成に比べて、筐体21の差込口21Cの内側のスペースを広くすることができる。
このように、筐体21の差込口21Cの内側のスペースを広くすることで、ユーザが差込口21Cから手を入れやすいので、メンテナンスがしやすい。
また、手差しトレイ100の第1案内部111は、ピックアップローラ32Aよりも上に配置されているので、第1案内部111と用紙載置板31Aの間隔がより広くなり、筐体21の差込口21Cの内側のスペースをより広くすることができる。
そして、第1案内部111の第1案内面111Aを延長した第1延長面S1と第2案内部112の第2案内面112Aを延長した第2延長面S2とが交差する位置C1が、筐体21の差込口21C側の端部と用紙載置板31Aの後端の中央部Cよりもフロントカバー23とは反対側に寄った位置に配置されているので、差込口21Cの内側のスペースを筐体21の後側まで広くすることができる。
そして、図2に示すように、手差しトレイ100は、取手120を持って手前に引くことで、筐体21から取り外すことができる。このように手差しトレイ100を筐体21から取り外すと、差込口21Cの内側のスペースがより広くなるので、ユーザがよりメンテナンスをしやすくなる。また、取手120が設けられていることで、ユーザが取手120を持って手差しトレイ100を着脱しやすい。
取り外した手差しトレイ100は、被ガイド部140を筐体21のレール200に差し込んで移動させることで、筐体21に装着することができる。このとき、レール200は、前端部が差込口21Cの縁を構成する前壁21Bに形成されているので、ユーザがレール200の位置を目視で確認しながら被ガイド部140をレール200に差し込みやすい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではない。具体的な構成については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
前記実施形態では、取手120と一対のサイドガイド130が別々に設けられていたが、本発明はこれに限定されず、例えば、サイドガイドが前記実施形態のように可動なものでなければ、取手とサイドガイドが一体に形成されていてもよい。