JP6051644B2 - 樹脂製ドア構造 - Google Patents

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本発明は、車両のバックドアにおいて樹脂製のインナパネル及びアウタパネル同士がウインド開口部に沿って接着剤により接着されたパネル接着部を備えた樹脂製ドア構造に関する技術分野に属する。
近年、自動車等の車両の軽量化のために、ドア(特に大きな面積を占めるバックドア)のインナパネル及びアウタパネルの両方を樹脂化することがなされている。インナパネルを樹脂化する場合、樹脂製であることを生かして、インナパネルの車両内側(車室側)の面を意匠面として成型することができ、これにより、インナパネルが鋼板製である場合に必要であったトリム部材を不要にすることができて、軽量化だけでなく、コスト面でも有利となる。
樹脂製のインナパネル及びアウタパネルは、接着剤により接着されるが、その接着箇所は、鋼板製のインナパネル及びアウタパネルの溶接箇所と同様である。すなわち、樹脂製のインナパネル及びアウタパネルは、該両パネルにおける外周端縁部にそれぞれ設けられたフランジ同士、及び、該両パネルにおけるウインド開口部周縁部にそれぞれ設けられたフランジ同士が接着される。上記両パネルにおけるウインド開口部周縁部にそれぞれ設けられるフランジは、通常、ウインド開口部の内側に突出する構成とされる(例えば、特許文献1参照)。
特開2012−030653号公報
ところで、上記両パネルにおけるウインド開口部周縁部にそれぞれ設けられるフランジ同士を接着する場合、その接着力を確保するためには、上記両パネルのフランジの面積を大きくする必要がある。この結果、上記両パネルにおけるフランジのウインド開口部内側への突出量が大きくなって、ウインド開口部の面積が小さくなるという問題がある。
一方、上記両パネルにおけるウインド開口部周縁部のフランジのウインド開口部内側への突出量が大きくならないように、接着剤の量を多くして接着力を確保しようとすると、上記両パネルのフランジ同士を合わせる際に、接着剤がフランジ端面からはみ出してしまう。この結果、車両内側から見たときの、ドアのウインド開口部周縁部の見栄えが悪化するとともに、接着剤のはみ出しを隠すためにはトリム部材を設ける必要がある。
ここで、上記両パネルにおけるウインド開口部周縁部のフランジを、ウインド開口部内側へ突出させるのではなく、ウインドパネルに略直交するように車両外側(バックドアの場合には、車両後側)に突出させるようにすれば、接着力を確保しつつ、ウインド開口部の面積が小さくなるのを防止することができる。しかし、この場合には、上記両パネルのフランジの車両外側への突出量の分だけ車両が大きくなってしまう(バックドアの場合には、車両が前後方向に長くなってしまう)。
また、インナパネルのフランジを、ウインド開口部外側(反ウインド開口部側)に突出させてアウタパネルのフランジと合わせるようにすれば、接着力を確保しつつ、ウインド開口部の面積が小さくなるのを防止することができる。しかし、この場合には、インナパネルを、車両内外方向に対向する2つの型(固定型及び可動型)で成型する場合の型抜きが困難になる。また、たとえ成型可能であっても、型構成が非常に複雑になり、製造コストがアップしてしまう。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、車両のバックドアにおいて樹脂製のインナパネル及びアウタパネル同士がウインド開口部に沿って接着剤により接着されたパネル接着部を備えた樹脂製ドア構造において、低コストでかつ車両を大きくすることなく、上記パネル接着部の接着力を確保しつつ、ウインド開口部の面積が小さくなるのを防止しようとすることにある。
上記の目的を達成するために、本発明では、車両のバックドアにおいて、該バックドアの車幅方向全体に亘って設けられたウインドパネルと、樹脂製のインナパネル及びアウタパネル同士が、該ウインドパネルにより閉じられるウインド開口部に沿って接着剤により接着されたパネル接着部を備え、該ウインドパネルが、該パネル接着部よりも反ウインド開口部側にて上記インナパネル及び上記アウタパネルの少なくとも一方に接着された樹脂製ドア構造を対象として、上記パネル接着部における上記インナパネルには、車両外側が開放された溝部が、上記ウインド開口部に沿って延びるように形成され、上記パネル接着部における上記アウタパネルには、車両内外方向に延びかつ上記溝部内に受け入れられるフランジが形成され、上記フランジは、上記溝部内に挿入された状態で、該溝部に上記接着剤により接着されており、上記溝部の接着剤が、該溝部のウインド開口部側の外側にはみ出すのを防止するはみ出し防止手段を備え、上記はみ出し防止手段は、上記溝部のウインド開口部側の側壁部で構成されており、上記溝部のウインド開口部側の側壁部は、該溝部の反ウインド開口部側の側壁部よりも高く形成されている、という構成とした。
上記の構成により、パネル接着部におけるアウタパネルに形成された、車両内外方向に延出するフランジが、パネル接着部におけるインナパネルに形成された、車両外向きに開口する溝部内に挿入された状態で、該溝部に接着剤により接着されていることで、ウインド開口部の面積が小さくなるのを防止することができるとともに、インナパネル及びアウタパネルを、基本的に、両パネルの車両内外方向に対向する2つの型(固定型及び可動型)でそれぞれ成型することができる。また、フランジのウインド開口部側及び反ウインド開口部側の両方の面をインナパネルの溝部との接着に利用することができ、フランジの車両内外方向の長さを長くしなくても(溝部の深さを深くしなくても)、接着面積を確保することができる。これにより、接着面積を確保しつつフランジの車両内外方向の長さを短くすることができて、車両を大きくしなくても済む。さらに、溝部の深さに対して接着剤の量を適切に設定することで、接着剤が溝部の外側にはみ出すのを防止することができる。この結果、車両内側(車室側)から見たときの、バックドアのウインド開口部周縁部の見栄えが悪化するようなことはなく、接着剤のはみ出しを隠すためのトリム部材を設ける必要もない。
また、はみ出し防止手段により、溝部の接着剤が、溝部のウインド開口部側の外側にはみ出すのを確実に防止することができる。この結果、車両内側から見たときの、バックドアのウインド開口部周縁部の見栄えが悪化するようなことはなく、接着剤のはみ出しを隠すためのトリム部材を設ける必要もない。尚、溝部の接着剤が、溝部の反ウインド開口部側の外側にはみ出したとしても、インナパネルの車両外側の面に流れるだけであり、そのはみ出した接着剤は車両内側から見えることはない。
さらに、上記はみ出し防止手段は、上記溝部のウインド開口部側の側壁部で構成されており、上記溝部のウインド開口部側の側壁部は、該溝部の反ウインド開口部側の側壁部よりも高く形成されていることで、溝部の接着剤が、溝部のウインド開口部側の外側にはみ出すのを確実に防止することができる。よって、溝部に、簡単な構成ではみ出し防止手段を設けることができる。
上記はみ出し防止手段は、上記溝部のウインド開口部側の側壁部で構成されていることに加えて、上記フランジのウインド開口部側の面に形成された、ウインド開口部側に隆起しかつ上記溝部の長さ方向に延びる隆起部を有していてもよい。
このような隆起部により、溝部の接着剤が、溝部のウインド開口部側の外側にはみ出すのを確実に防止することができる。また、隆起部の接着剤側の面を接着面として利用することができるので、フランジの溝部に対する接着面積を大きくすることができる。
以上説明したように、本発明の樹脂製ドア構造によると、パネル接着部におけるアウタパネルに形成された、車両内外方向に延出するフランジが、パネル接着部におけるインナパネルに形成された、車両外側に開放された溝部内に挿入された状態で、該溝部に接着剤により接着され、はみ出し防止手段が、上記溝部のウインド開口部側の側壁部で構成され、上記溝部のウインド開口部側の側壁部が、該溝部の反ウインド開口部側の側壁部よりも高く形成されていることで、低コストでかつ車両を大きくすることなく、上記パネル接着部の接着力を確保しつつ、ウインド開口部の面積が小さくなるのを防止することができる。また、はみ出し防止手段により、溝部の接着剤が、溝部のウインド開口部側の外側にはみ出すのを確実に防止することができて、車両内側から見たときの、バックドアのウインド開口部周縁部の見栄えが悪化するようなことはなく、接着剤のはみ出しを隠すためのトリム部材を設ける必要がなくなる。
本発明の実施形態に係る樹脂製ドア構造が適用された車両の後部を示す斜視図である。 バックドアのインナパネルを斜め車両前側から見た斜視図である。 バックドアを、図2のIII−III線に相当する箇所で切断した断面図である。 バックドアを、図2のIV−IV線に相当する箇所で切断した断面図である。 バックドアを、図2のV−V線に相当する箇所で切断した断面図である。 バックドアのウインドパネルを車両後側から見た図である。 アウタパネルにおけるウインド用開口部の左右の縁部に位置するフランジの溝部への接着手順を示す図である。 はみ出し防止手段の別の構成例を示す断面斜視図である。 はみ出し防止手段の別の構成例に対応する図7相当図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る樹脂製ドア構造が適用された車両1(本実施形態では、自動車)の後部を示す。この車両1の車体後部には、荷室に通じるドア開口部(図示せず)と、このドア開口部を開閉するバックドア11とが設けられている。このバックドア11は、該バックドア11の上端部にて車幅方向(左右方向)に延びる軸回りに回動可能に構成されていて、この回動により上記ドア開口部を開閉する。
上記車体後部におけるバックドア11の上側には、ハイマウントストップランプ2が設けられ、上記車体後部におけるバックドア11下部の左右両側には、リアコンビネーションランプ3がそれぞれ設けられている。上記車体後部におけるバックドア11及びリアコンビネーションランプ3の下側には、リアバンパ4が設けられている。
上記バックドア11は、車両内側のインナパネル12(図2参照)と車両外側のアウタパネル13とで構成されている。これらインナパネル12及びアウタパネル13は、共に樹脂製であり、例えば、ポリプロピレンやポリカABSからなる。
アウタパネル13における車両外側の面の上部は、ガラス製のウインドパネル15により覆われている。このウインドパネル15は、バックドア11のウインド開口部11a(図3参照)を閉じるように配設されている。ウインドパネル15は、車幅方向(左右方向)において、バックドア11の全体に亘って設けられている。ウインドパネル15の車両外側の面には、ウインドパネル15に付着した雨滴を揺動回動により払拭するリアワイパ8が設けられている。
バックドア11のアウタパネル13における車両外側の面の下部には、ライセンスプレート9と、このライセンスプレート9の上側位置でライセンスプレート9を照らすランプ(図示せず)とが設けられている。
図2及び図3に示すように、インナパネル12には、上記ウインド開口部11aに対応する略矩形状のウインド用開口部12aが形成されている。また、アウタパネルにも、上記ウインド開口部に対応する略矩形状のウインド用開口部13aが形成されている。本実施形態では、バックドア11のウインド開口部11aの形状及び大きさは、インナパネル12におけるウインド用開口部12aの形状及び大きさにより決まる。
バックドア11におけるウインド開口部11aの左右両側には、バックドア11の強度及び剛性を確保するためのピラー11bが上下方向にそれぞれ延びている。これら左右のピラー11bは、インナパネル12とアウタパネル13とにより閉断面状に形成されている。
インナパネル12の車両内側(車室側)の面は意匠面として成型されており、インナパネル12の車両内側にトリム部材は設けられていない。
インナパネル12及びアウタパネル13は、該両パネル12,13における外周端縁部全周と、該両パネル12,13におけるウインド開口部11a(ウインド用開口部12a,13a)の周縁部全周とにおいて、接着剤17(図3参照)により互いに接着されている。本実施形態では、両パネル12,13におけるウインド開口部11aの周縁部のうち左右の縁部が、インナパネル12及びアウタパネル13同士がウインド開口部11aに沿って接着剤17により接着された、本発明でいうところのパネル接着部11cとなる。
上記パネル接着部11cにおけるインナパネル12には、車両外側(車両後側)が開放された溝部12bが、ウインド開口部11aに沿って上下方向に延びるように形成されている。すなわち、パネル接着部11cにおけるインナパネル12の溝部12bは、インナパネル12におけるウインド用開口部12aの左右の縁部に形成されている。尚、本実施形態では、図4及び図5に示すように、溝部12aは、インナパネル12におけるウインド用開口部12aの上下の縁部にまで延設されていて、インナパネル12におけるウインド用開口部12aの周縁部全周に設けられていることになる。
溝部12bは、二股状に分岐したウインド開口部11c側及び反ウインド開口部11c側の側壁部12c,12dによって形成されている。本実施形態では、溝部12bのウインド開口部11c側の側壁部12cの高さ(車両内外方向(車両前後方向)の長さ)が、溝部12bの反ウインド開口部11c側の側壁部12dの高さ(車両内外方向(車両前後方向)の長さ)よりも高く設定されている。すなわち、溝部12bのウインド開口部11c側の側壁部12cは、後に説明するように、溝部12bの接着剤17が該溝部12bのウインド開口部11c側の外側にはみ出すのを防止するために、溝部12bの反ウインド開口部11c側の側壁部12dよりも高く形成されている。このことで、溝部12bのウインド開口部11c側の側壁部12cは、はみ出し防止手段を構成することになる。
上記パネル接着部11cにおけるアウタナパネル13には、車両内外方向(車両前後方向)に延びかつ上記溝部12b内に受け入れられるフランジ13bが形成されている。すなわち、パネル接着部11cにおけるアウタナパネル13のフランジ13bは、アウタパネル13におけるウインド用開口部13aの左右の縁部に、車両前後方向及び上下方向に延びるように形成されている。図4及び図5に示すように、アウタナパネル13におけるウインド用開口部13aの上下の縁部には、ウインドパネル15に沿って延びるフランジ13cと、このフランジ13cから車両内向き(車両前向きに)に突出して、インナパネル12におけるウインド用開口部12aの上下の縁部に位置する溝部12b内に受け入れられるフランジ13dとが形成されている。フランジ13dは、フランジ13bと接続されており、フランジ13b,13dは、アウタパネル13におけるウインド用開口部13aの周縁部全周に設けられていることになる。
上記フランジ13b,13dは、溝部12bの開放側(車両後側)から溝部12b内に挿入されていて、溝部12b内に挿入された状態で、該溝部12bに接着剤17により接着されている。本実施形態では、フランジ13b,13dは、上記接着剤17が充填された溝部12bに対しその開放側から挿入されて該接着剤17中に差し込まれることで、該溝部12bに接着されたものである。フランジ13b,13dの挿入先端部は、接着剤17中に差し込み易くするために尖っている。上記接着剤17は、本実施形態では、硬化促進剤を含むウレタン樹脂系の熱硬化型接着剤である。
図3に示すように、インナパネル12におけるウインド用開口部12aの左右の縁部に位置する溝部12b(パネル接着部11cにおけるインナパネル12の溝部12b)の左右両側(車幅方向外側)には、上記ピラー11bの一部を構成するピラー構成部12eがそれぞれ設けられている。各ピラー構成部12eは、互いに車幅方向に対向して車両前後方向に延びる内側部12f及び外側部12gと、内側部12f及び外側部12gの車両前側端部同士を接続する前側部12hと、外側部12gの車両後側端部から車幅方向外側へウインドパネル15に沿って延びるフランジ12iとで構成されている。内側部12fの車両後側端部は、上記側壁部12c,12d同士が接続された部分に接続されている。前側部12hの車両前側の面には、バックドア11が閉じられたときにバックドア11と車体との間をシールする不図示のシール部材が設けられる。前側部12hにおける内側部12f側の端部には、上記シール部材が車幅方向内側にはみ出すのを防止する突出部12jが設けられている。
アウタパネル13におけるウインド用開口部13aの左右の縁部に位置するフランジ13b(パネル接着部11cにおけるアウタパネル13のフランジ13b)の左右両側(車幅方向外側)には、インナパネル12のピラー構成部12eと共に、ピラー11bを構成するピラー構成部13eがそれぞれ設けられている。各ピラー構成部13eは、互いに車幅方向に対向して車両前後方向に延びる内側部13f及び外側部13gと、内側部13f及び外側部13gの車両前側端部同士を接続する前側部13hと、外側部13gの車両後側端部から車幅方向外側へウインドパネル15に沿って延びるフランジ13iとで構成されている。内側部13fの車両後側端部は、Uターンしてフランジ13bの車両後側端部に接続されている。アウタパネル13の前側部13hは、インナパネル12の前側部12hに対して、車両後側に所定量だけ隙間をあけて配置されている。また、インナパネル12の内側部12fとアウタパネル13の内側部13fとの間、及び、インナパネル12の外側部12gとアウタパネル13の外側部13gとの間には、車幅方向に僅かな隙間が形成されている。
インナパネル12及びアウタパネル13のフランジ12i,13iは、該両パネル12,13における外周端縁部のうちの車幅方向端縁部に相当していて、接着剤17により互いに接着される部分である。これらフランジ12i,13i同士の接着、及び、パネル接着部11cにおける溝部12bとフランジ13bとの接着により、閉断面状のピラー11bが構成される。
アウタパネル13のフランジ13iの車両外側の面(車両後側の面)には、ウインドパネル15の車幅方向端縁部が接着剤18により接着されている。すなわち、ウインドパネルの外周端縁部のうちの車幅方向両側の端縁部(左右の端縁部)は、左右のパネル接着部11cに接着されてはおらず、左右のパネル接着部11cよりも反ウインド開口部11a側(車幅方向外側)にてアウタパネル13にそれぞれ接着されていることになる。接着剤18は、インナパネル12とアウタパネル13との接着に用いる接着剤17と同じものであってもよく、異なるものであってもよい。尚、ウインドパネル15の車幅方向両側の端縁部の接着箇所は、左右のパネル接着部11cよりも反ウインド開口部11a側であればどこであってもよく、インナパネル12及びアウタパネル13の少なくとも一方に接着されていればよい。
図4及び図5に示すように、アウタパネル13におけるウインド用開口部13aの上下の縁部に位置するフランジ13cの車両外側の面(車両後側の面)には、ウインドパネル15の上下の端縁部が接着剤18によりそれぞれ接着されている。すなわち、ウインドパネル15の上下の端縁部は、アウタパネル13におけるウインド用開口部13aの上下の縁部(すなわち、インナパネル12におけるウインド用開口部12aの上下の縁部と接着される部分)にそれぞれ接着されている。このことから、本実施形態では、両パネル12,13におけるウインド開口部11aの上下の縁部は、本発明のパネル接着部11cには該当しない。
図3〜図6に示すように、ウインドパネル15の外周端縁部の全周には、セラミックコート15aが施されている(図6では、黒塗りの部分参照)。このセラミックコート15aの内側縁は、インナパネル12におけるウインド用開口部12aの周縁部(溝部12bのウインド開口部11a側の側壁部12c)に対応した形状とされている。このセラミックコート15aにより、車両外側からは、ウインド開口部11a(ウインド用開口部12a)よりも外側の部分が見えないようになされている。尚、ウインドパネル15の下部における車幅方向中央部には、リアワイパ8の揺動回動軸が貫通する貫通孔15bが形成されている。
ここで、主として、アウタパネル13におけるウインド用開口部13aの左右の縁部に位置するフランジ13bの溝部12bへの接着について、図7により説明しながら、インナパネル12、アウタパネル13及びウインドパネル15の組立について説明する。尚、アウタパネル13におけるウインド用開口部13aの上下の縁部に位置するフランジ13dの溝部12bへの接着についても、フランジ13bの溝部12bへの接着と同様である。
先ず、成型したインナパネル12を、車両外側の面(車両後側の面)が上側を向くように設置する。このとき、溝部12bは、上側が開放された状態となる。この状態で、図7(a)に示すように、溝部12b内全周に接着剤17を充填する。また、インナパネル12におけるフランジ12iを含む外周端縁部全周に接着剤17を塗布する。
続いて、上記インナパネル12の車両外側の面に対し、上側からアウタパネル13を接近させる。このとき、図7(b)に示すように、アウタパネル13のフランジ13b(13d)が溝部12b内に挿入され、やがて、図7(c)に示すように、フランジ13b(13d)が接着剤17中に差し込まれる。このとき、フランジ13b(13d)の差し込みによって、溝部12bに充填された接着剤17が溝部12bから押し出されようとするが、溝部12bのウインド開口部11c側の側壁部12cが、溝部12bの反ウインド開口部11a側の側壁部12dよりも高く形成されていることにより、溝部12bの接着剤17が、溝部12bのウインド開口部11a側の外側にはみ出すことはない。この結果、車両内側から見たときの、バックドア11のウインド開口部11aの周縁部の見栄えが悪化するようなことはなく、接着剤17のはみ出しを隠すためのトリム部材を設ける必要もない。尚、溝部12bに充填された接着剤17が、溝部12bの反ウインド開口部11a側の外側にはみ出す可能性はあるが、たとえそのようになったとしても、接着剤17はピラー11bの内部に流れるだけであり、乗員から見えるようなことはない。
そして、インナパネル12の外周端縁部とアウタパネル13の外周端縁部とが合わさると、フランジ13b,13dの溝部12b内への挿入が完了する(図7(d)参照)。
次いで、アウタパネル13のフランジ13c,13iの車両外側の面に、接着剤18を塗布した後、その面上に、ウインドパネル15の外周端縁部を合わせる。
次に、インナパネル12及びアウタパネル13の全体を高温(例えば約80℃)に晒すことで、接着剤17,18を硬化させる。こうして、フランジ13b,13dと溝部12bとの接着、及び、インナパネル12の外周端縁部とアウタパネル13の外周端縁部との接着が完了する。
尚、フランジ13b,13dを溝部12b内に挿入した状態で、溝部12bのウインド開口部11a側から溝部12b内に接着剤17を流し込むことで、フランジ13b,13dを溝部12bに接着することも可能である。但し、この場合、接着剤17が、溝部12b内においてフランジ13b,13dの反ウインド開口部11a側まで行き渡らない可能性があるので、本実施形態のように、フランジ13b,13dの挿入前に溝部12b内に接着剤17を充填しておくことが好ましい。
したがって、本実施形態では、パネル接着部11cにおけるインナパネル12に、車両外側が開放された溝部12bがウインド開口部11aに沿って上下方向に延びるように形成され、パネル接着部11cにおけるアウタパネル13に、車両内外方向(車両前後方向)に延びかつ溝部12b内に受け入れられるフランジ13bが形成され、フランジ13bが、溝部12b内に挿入された状態で、該溝部12bに接着剤17により接着されているので、両パネル12,13におけるウインド開口部11aの周縁部がウインド開口部11a側に突出した状態で接着される構成とは異なり、ウインド開口部11aの面積が小さくなるのを防止することができる。
また、インナパネル12及びアウタパネル13を、基本的に、両パネル12,13の車両内外方向(車両前後方向)に対向する2つの型(固定型及び可動型)でそれぞれ成型することができる。
さらに、フランジ13bのウインド開口部11a側及び反ウインド開口部11a側の両方の面を溝部12bとの接着に利用することができるので、フランジ13bの車両内外方向(車両前後方向)の長さを長くしなくても(溝部12bの深さを深くしなくても)、接着面積を確保することができる。これにより、接着面積を確保しつつフランジ13bの車両前後方向の長さを短くすることができて、車両1の前後方向の長さが長くなるのを抑制することができる。
さらにまた、上記の如く、簡単な構成で、溝部12bの接着剤17が溝部12bのウインド開口部11a側の外側にはみ出さないようにすることができるので、バックドア11のウインド開口部11aの周縁部の見栄えが悪化するようなことはなく、接着剤17のはみ出しを隠すためのトリム部材を設ける必要もない。
よって、低コストでかつ車両1を大きくすることなく、パネル接着部11cの接着力を確保しつつ、ウインド開口部11aの面積が小さくなるのを防止することができる。
図8は、上記はみ出し防止手段の別の構成例を示す。本例では、はみ出し防止手段は、溝部12bのウインド開口部11c側の側壁部12cで構成されている(溝部12bのウインド開口部11c側の側壁部12cの高さが、溝部12bの反ウインド開口部11c側の側壁部12dの高さよりも高く設定されている)ことに加えて、フランジ13bのウインド開口部11c側の面に形成された、ウインド開口部11c側に隆起しかつ溝部12bの長さ方向に延びる隆起部13jを有している。この隆起部13jは、フランジ13dのウインド開口部11c側の面にも形成されている。隆起部13jは、フランジ13b,13dと溝部12bのウインド開口部11c側の側壁部12cとの間において、溝部12bに充填された接着剤17が、隆起部13jよりも溝部12bの開放側に流動するのを阻止する。隆起部13jは、フランジ13dの車両外側の端部(車両後側の端部)に形成することが好ましい
上記隆起部13jが形成されたフランジ13bの溝部12bへの接着について、図9により説明する。図9(a)〜(d)は、図7(a)〜(d)とそれぞれ対応しており、主として、図7と異なる部分について説明する。
溝部12b内に接着剤17を充填し(図9(a)参照)、その後、インナパネル12の車両外側の面(車両後側の面)に対し、上側からアウタパネル13を接近させる。これにより、アウタパネル13のフランジ13b(13d)が溝部12b内に挿入され(図9(b)参照)、やがて、フランジ13b(13d)が接着剤17中に差し込まれる(図9(c)参照)。このとき、隆起部13jによって、フランジ13b(13d)と溝部12bのウインド開口部11c側の側壁部12cとの間の接着剤17が、隆起部13jよりも溝部12bの開放側に流動することはできない。この結果、溝部12bに充填された接着剤17が、溝部12bのウインド開口部11b側の外側にはみ出すことはない。
そして、インナパネル12の外周端縁部とアウタパネル13の外周端縁部とが合わさると、フランジ13b(13d)の溝部12b内への挿入が完了する(図9(d)参照)。
本例では、隆起部13jにより、溝部12bの接着剤17が、溝部12bのウインド開口部11c側の外側にはみ出すのを確実に防止することができるとともに、隆起部13jの接着剤17側の面(溝部12b奥側の面)を接着面として利用することができるので、フランジ13b(13d)の溝部12bに対する接着面積を大きくすることができる。
本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、請求の範囲の主旨を逸脱しない範囲で代用が可能である。
例えば、上記実施形態では、本発明のパネル接着部11cを、バックドア11のインナパネル12及びアウタパネル13におけるウインド開口部11aの周縁部のうちの左右の縁部のみとしたが、両パネル12,13におけるウインド開口部11aの周縁部全周にすることも可能である。この場合、ウインドパネル15の外周端縁部全周が、両パネル12,13におけるウインド開口部11aの周縁部(つまりパネル接着部11c)よりも反ウインド開口部11a側にてインナパネル12及びアウタパネル13の少なくとも一方に接着されることになる
上述の実施形態は単なる例示に過ぎず、本発明の範囲を限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって定義され、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
本発明は、車両のバックドアにおいて樹脂製のインナパネル及びアウタパネル同士がウインド開口部に沿って接着剤により接着されたパネル接着部を備え、該ウインド開口部を閉じるウインドパネルが、該パネル接着部よりも反ウインド開口部側にて上記インナパネル及び上記アウタパネルの少なくとも一方に接着された樹脂製ドア構造に有用である。
1 車両
11 バックドア
11a ウインド開口部
11c パネル接着部
12 インナパネル
12b 溝部
12c 溝部のウインド開口部側の側壁部(はみ出し防止手段)
12d 溝部の反ウインド開口部側の側壁部
13 アウタパネル
13b フランジ
13j 隆起部(はみ出し防止手段)
15 ウインドパネル
17 接着剤

Claims (2)

  1. 車両のバックドアにおいて、該バックドアの車幅方向全体に亘って設けられたウインドパネルと、樹脂製のインナパネル及びアウタパネル同士が、該ウインドパネルにより閉じられるウインド開口部に沿って接着剤により接着されたパネル接着部を備え、該ウインドパネルが、該パネル接着部よりも反ウインド開口部側にて上記インナパネル及び上記アウタパネルの少なくとも一方に接着された樹脂製ドア構造であって、
    上記パネル接着部における上記インナパネルには、車両外側が開放された溝部が、上記ウインド開口部に沿って延びるように形成され、
    上記パネル接着部における上記アウタパネルには、車両内外方向に延びかつ上記溝部内に受け入れられるフランジが形成され、
    上記フランジは、上記溝部内に挿入された状態で、該溝部に上記接着剤により接着されており、
    上記溝部の接着剤が、該溝部のウインド開口部側の外側にはみ出すのを防止するはみ出し防止手段を備え、
    上記はみ出し防止手段は、上記溝部のウインド開口部側の側壁部で構成されており、
    上記溝部のウインド開口部側の側壁部は、該溝部の反ウインド開口部側の側壁部よりも高く形成されていることを特徴とする樹脂製ドア構造。
  2. 請求項記載の樹脂製ドア構造において、
    上記はみ出し防止手段は、上記溝部のウインド開口部側の側壁部で構成されていることに加えて、上記フランジのウインド開口部側の面に形成された、ウインド開口部側に隆起しかつ上記溝部の長さ方向に延びる隆起部を有していることを特徴とする樹脂製ドア構造。
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