JP6051225B2 - シクロプロパン誘導体の調製方法 - Google Patents

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Description

本発明は、シクロプロパン誘導体の調製および前記調製で得られる中間体に関する。
2−アミノ−9−[[(1S,2R)−1,2−ビス(ヒドロキシメチル)シクロプロピル]メチル]−1,9−ジヒドロ−6H−プリン−6−オンなどのシクロプロパン誘導体は、強力な抗ウイルス活性を有することが知られている。
2−アミノ−9−[[(1S,2R)−1,2−ビス(ヒドロキシメチル)シクロプロピル]メチル]−1,9−ジヒドロ−6H−プリン−6−オンの調製のための第1の方法は、欧州特許第0502690号明細書に開示されている。これらの文献に開示された反応順序は、R−(−)−エピクロロヒドリンとマロン酸ジエチルから高い光学純度で(1S,5R)−2−オキソ−3−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン−1−カルボン酸エチルを調製することを含む。後続のp−トルエンスルホン酸(1S,2R)−1,2−ビス(ベンゾイルオキシメチル)シクロプロピルメチルへの変換は、数回の保護および脱保護工程を含む8つのさらなる工程を必要とする。p−トルエンスルホン酸(1S,2R)−1,2−ビス(ベンゾイルオキシメチル)シクロプロピルメチルは、次いで2−アミノ−6−ベンジルオキシ−プリンとカップリングされる。最後にヒドロキシル保護基をすべて除去すると、所望の生成物が形成される。これらの工程の1つでは、エステル官能基をヒドロキシルに変換させる際にジメチルケタール官能基がジオール保護基として使用される。しかしながら、この保護基は安定性が低いため、ヒドロキシルをさらに脱離基に変換させるためにはこの保護基を交換しなければならない。
欧州特許第0649840号明細書に記載された2−アミノ−9−[[(1S,2R)−1,2−ビス(ヒドロキシメチル)シクロプロピル]メチル]−1,9−ジヒドロ−6H−プリン−6−オン類似体の合成では、より堅牢なジフェニルケタール官能基の使用により、合成時にジオール保護基の交換の必要性が排除されることがさらに示されている。しかしながら、該保護基を設けるには、毒性の高い2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノベンゾキノン(DDQ)および潜在的に爆発性のあるジフェニルジアゾメタンの使用を必要とする。
2−アミノ−9−[[(1S,2R)−1,2−ビス(ヒドロキシメチル)シクロプロピル]メチル]−1,9−ジヒドロ−6H−プリン−6−オンの別の調製方法が欧州特許第0675123号明細書に開示されている。この文献に開示された反応順序は、上述した方法と類似している。具体的には、(1S,5R)−2−オキソ−3−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン−1−カルボン酸エチルをR−(−)−エピクロロヒドリンとマロン酸ジエチルから高い光学純度で調製する。次いで、エステル官能基をヒドロキシルに選択的に還元するとともに、ラクトン部分を開環し、再閉環する。次いでヒドロキシル基をさらに脱離基に変換させ、その化合物を2−アミノ−6−クロロプリンとカップリングさせる。最後に、塩基部分をグアニンに加水分解し、続いてラクトン環をジオールに還元すると所望の生成物が生成される。
2−アミノ−9−[[(1S,2R)−1,2−ビス(ヒドロキシメチル)シクロプロピル]メチル]−1,9−ジヒドロ−6H−プリン−6−オンの定型的な合成は、主要な工程としてD−リボース由来の不飽和ジアゾ化合物の分子内シクロプロパン化を伴うことが、ガロス(Gallos)らによってテトラヒドロンレターズ(Tetr.Lett.)2001年,42巻,7489頁に記載されている。
上記の方法はいくつかの不都合点を有する。すなわち、合成経路には時間のかかる数回の保護および脱保護工程を伴い、有害な生成物の使用が必要とされ、および/または、安定性の低い中間体の使用を伴う。したがって、上記の問題の少なくとも1つを軽減する2−アミノ−9−[[(1S,2R)−1,2−ビス(ヒドロキシメチル)シクロプロピル]メチル]−1,9−ジヒドロ−6H−プリン−6−オンなどのシクロプロパン誘導体の合成方法が必要とされる。
本発明の目的は、2−アミノ−9−[[(1S,2R)−1,2−ビス(ヒドロキシメチル)シクロプロピル]メチル]−1,9−ジヒドロ−6H−プリン−6−オンおよび関連化合物の作製のための新規で改善された方法を提供することである。本発明のさらなる目的は、容易に入手可能な出発物質を使用し、工業規模で容易に達成可能な反応条件を使用する方法を提供することである。本発明のさらなる目的は、新しい有用な中間体、特に、式(5)で表される、(4−フェニル−3,5−ジオキサビシクロ[5.1.0]オクタン−1−イル)メタノールおよび/または(4−フェニル−3,5−ジオキサビシクロ[5.1.0]オクタン−1−イル)メタンアミンの誘導体

(式中、nは0〜5の整数であり、XはC1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルコキシまたはアミノから選択され;R11はヒドロキシルまたはアミノである)、
または、それらの互変異性体、ラセミ化合物もしくは立体異性体を提供することである。
本発明者らは、フェニルアセタール官能基をジオール保護基として使用することにより、例えば2−アミノ−9−[[(1S,2R)−1,2−ビス(ヒドロキシメチル)シクロプロピル]メチル]−1,9−ジヒドロ−6H−プリン−6−オンの合成時にジオール保護基を置換する必要性がなくなることを見出した。
さらに、本発明者らは、該保護基の導入が立体選択的プロセスであることを確認し、この場合、主生成物の立体異性体を結晶化によって容易に単離できることを見出した。実際、[(1S,7R)−4−フェニル−3,5−ジオキサビシクロ[5.1.0]オクタン−1−イル]メタノールおよびその誘導体は、非常に有用な合成中間体であることが判明し、これらの中間体は、結晶性が高いという特性のため容易に単離し、保存することができた。
重要なことに、式(5)の化合物は、いくつかの2−アミノ−9−[[(1S,2R)−1,2−ビス(ヒドロキシメチル)シクロプロピル]メチル]−1,9−ジヒドロ−6H−プリン−6−オン類似体の合成において前駆体として使用することができる。例えば、式(5a’)または(5b’)の化合物は、式(A’):

(式中、Bは、プリニル、ピリミジルまたはそのアザもしくはデアザ類似体、または、−NRからなる群より選択され;各基は独立して、ハロ、アミノ、ヒドロキシル、C1−6アルキル、アミノC1−6アルキル、ニトロ、ホルムアミド、−NHR18またはORから選択される1種類以上の置換基で任意に置換されており;前記プリニルまたはピリミジルの炭素原子は酸化されてC=Oを形成していてもよく、ここで、Rは、C1−4アルキル、C6−10アリールC1−6アルキレンまたはC6−10アリールから選択され、R18は、C6−10アリールC1−6アルキレン、C1−6アルキルカルボニル、ハロC1−6アルキルカルボニル、C1−6アルキルオキシカルボニル、9−フルオレニルメチルオキシカルボニルまたはC6−10アリールC1−6アルキルオキシカルボニルから選択され;
は、水素、C6−10アリール、C6−10アリールC1−6アルキレン、C1−4アルキル、C6−10ハロアリール、C1−4ハロアルキルまたはC6−10ハロアリールC1−6アルキレンから選択され;
は、C6−10アリール、C6−10アリールC1−6アルキレン、C1−4アルキル、C6−10ハロアリール、C1−4ハロアルキルまたはC6−10ハロアリールC1−6アルキレンから選択される)
のいくつかの2−アミノ−9−[[(1S,2R)−1,2−ビス(ヒドロキシメチル)シクロプロピル]メチル]−1,9−ジヒドロ−6H−プリン−6−オン類似体の合成における前駆体として使用することができる。
さらに、式(5a”)または(5b”)の化合物は、式(A”):

のいくつかの他の2−アミノ−9−[[(1S,2R)−1,2−ビス(ヒドロキシメチル)シクロプロピル]メチル]−1,9−ジヒドロ−6H−プリン−6−オン類似体の合成に使用することができる。
したがって、第1の態様において、本発明は、本明細書において上記した式(5)の化合物、または、その互変異性体、ラセミ化合物もしくは立体異性体を提供する。
さらなる一態様において、本発明は、式(5):

(式中、n、XおよびR11は、本明細書で定義したものと同じ意味を有する)
の化合物、または、その互変異性体、ラセミ化合物もしくは立体異性体の調製方法であって、
式(4):

(式中、R12は、−ORまたはアミノであり、Rは、C1−6アルキル、C6−10アリール、C6−10アリールC1−6アルキレン、C6−10ハロアリール、C1−6ハロアルキルまたはC6−10ハロアリールC1−6アルキレンから選択される)
の化合物の−COR12部分を変換させる工程を含む方法を提供する。
さらなる一態様において、本発明は、式(A):

(式中、Bは、プリニル、ピリミジルまたはそのアザもしくはデアザ類似体、または、−NRからなる群より選択され;各基は独立して、ハロ、アミノ、ヒドロキシル、C1−6アルキル、アミノC1−6アルキル、ニトロ、ホルムアミド、−NHR18またはORから選択される1種類以上の置換基で任意に置換されており;前記プリニルまたはピリミジルの炭素原子は酸化されてC=Oを形成していてもよく、ここで、Rは、C1−4アルキル、C6−10アリールC1−6アルキレンまたはC6−10アリールから選択され、R18は、C6−10アリールC1−6アルキレン、C1−6アルキルカルボニル、ハロC1−6アルキルカルボニル、C1−6アルキルオキシカルボニル、9−フルオレニルメチルオキシカルボニルまたはC6−10アリールC1−6アルキルオキシカルボニルから選択され;
は、水素、C6−10アリール、C6−10アリールC1−6アルキレン、C1−4アルキル、C6−10ハロアリール、C1−4ハロアルキルまたはC6−10ハロアリールC1−6アルキレンから選択され;
は、C6−10アリール、C6−10アリールC1−6アルキレン、C1−4アルキル、C6−10ハロアリール、C1−4ハロアルキルまたはC6−10ハロアリールC1−6アルキレンから選択される)
のシクロプロパン誘導体の調製のための式(5)のシクロプロパン誘導体の使用を提供する。
また、本発明は、式(A)の化合物の調製方法も包含している。
本発明を特定の実施形態に関して説明するが、本発明はこれらに限定されず、特許請求の範囲によってのみ限定される。特許請求の範囲における参照符号(あれば)は、該範囲を限定するものと解釈すべきでない。
本明細書で用いる場合、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈からそうでないことが明白でない限り、単数の指示対象物と複数の指示対象物の両方を包含している。
用語「comprising(〜を含む)」、「comprises(〜を含む)」および「comprised of(〜で構成されている)」は、本明細書で用いる場合、「including(〜を含む)」、「includes(〜を含む)」または「containing(〜を含む)」、「contains(〜を含む)」と同義であり、包含的またはオープンエンドであり、記載されていないさらなる部材、要素または方法工程を排除しない。また、用語「comprising」、「comprises」および「comprised of」は、用語「consisting of」も包含している。
さらに、本明細書および特許請求の範囲における第1、第2、第3などの用語は、指定のない限り、類似した要素を識別するために用いており、必ずしも逐次的または時間的順序を示すために使用しているのではない。そのように使用している該用語は、適切な状況において互換的であること、および、本明細書に記載の本発明の実施形態は、本明細書に記載または例示したものでない他の順序でも機能し得ることが理解されよう。
用語「約」は、本明細書で用いる場合、パラメータ、量、継続期間などの測定可能な値に言及しているとき、明記した値からの+/−10%以下、好ましくは+/−5%以下、より好ましくは+/−1%以下、さらにより好ましくは+/−0.1%以下の変動を包含している(かかる変動が、開示した本発明において機能発揮に適切である限り)ことを意図する。修飾語句「約」が示された値は、該値自体も具体的に好ましくは開示されていることが理解されよう。
両端による数値範囲の記載は、それぞれの範囲内に含まれるすべての数値および分数ならびに記載の両端を包含している。
特に別途の明示がない限り、以下の各用語はここに示した意味を有する。
用語「アシル」は、カルボン酸からのヒドロキシの除去によって形成されるラジカル(すなわち、R−C(=O)−)をいう。好ましいアシル基としてはアセチル、ホルミルおよびプロピオニルが挙げられ、アセチルが最も好ましい。
用語「カルボニル」は、単独で、または別の置換基の一部分として基−C(=O)−をいう。
用語「C1−6アルキル」は、基または基の一部分として、式C2n+1(式中、nは1〜6の範囲の数)のヒドロカルビルラジカルをいう。一般に、アルキル基は1〜6個の炭素原子、例えば1〜4個の炭素原子を含むものである。アルキル基は直鎖であっても分岐状であってもよく、本明細書に示したとおりに置換されていてもよい。本明細書において炭素原子の後に下付き文字を使用している場合、下付き文字は、名称を示した基に含まれ得る炭素原子の数を示す。したがって、例えば、C1−4アルキルは1〜4個の炭素原子のアルキルを意味する。アルキル基の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチルおよびその鎖形異性体(chain isomers)、ヘキシルおよびその鎖形異性体である。
用語「C2−6アルケニル」は、単独で、または別の置換基の一部分として、直鎖であっても分岐状であってもよく、1つ以上の炭素−炭素二重結合を含む不飽和ヒドロカルビル基をいう。したがって、好ましいアルケニル基は、2〜6個の炭素原子を、好ましくは2〜4個の炭素原子を含むものである。C2−6アルケニル基の非限定的な例としては、エテニル、2−プロペニル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−ペンテニルおよびその鎖形異性体、2−ヘキセニルおよびその鎖形異性体、2,4−ペンタジエニルなどが挙げられる。
用語「C2−6アルキニル」は、単独で、または別の置換基の一部分として、直鎖であっても分岐状であってもよく、1つ以上の炭素−炭素三重結合を含む不飽和ヒドロカルビル基をいう。したがって、好ましいアルキニル基は、2〜6個の炭素原子を、好ましくは2〜4個の炭素原子を含むものである。C2−6アルキニル基の非限定的な例としては、エチニル、2−プロピニル、2−ブチニル、3−ブチニル、2−ペンチニルおよびその鎖形異性体、2−ヘキシニルおよびその鎖形異性体などが挙げられる。
本明細書で用いる場合、用語「C3−8シクロアルキル」は、単独で、または別の置換基の一部分として、約3〜約8個の炭素原子を含む飽和または部分飽和型の環状アルキルラジカルをいう。C3−8シクロアルキルの例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルが挙げられる。
本明細書で用いる場合、用語「C6−10アリール」は、単独で、または別の置換基の一部分として、単一の環(すなわち、フェニル)、もしくは、互いに縮合している(例えば、ナフタレン)または共有結合により連結している多数の芳香族環を有し、典型的には6〜10個の原子を含み;少なくとも1つの環が芳香族である多価不飽和の芳香族ヒドロカルビル基をいう。アリール環は非置換であってもよく、該環が1〜4個の置換基で置換されていてもよい。アリールは、ハロ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、カルボキシ、アミノ、アシルアミノ、アルキル、ヘテロアルキル、ハロアルキル、フェニル、アリールオキシ、アルコキシ、ヘテロアルキルオキシ、カルバミル、ハロアルキル、メチレンジオキシ、ヘテロアリールオキシまたはそれらの任意の組合せで置換され得る。C6−10アリールの例としては、フェニル、ナフチル、インダニルまたは1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフチルが挙げられる。
用語「アルキル」が「ヒドロキシアルキル」におけるように別の用語に続く接尾語として使用されている場合、これは、上記に定義したアルキル基が、具体的に名称を示した他方の基(これも本明細書において定義している)から選択される1個または2個(好ましくは1個)の置換基で置換されていることを示すことを意図する。したがって、用語「ヒドロキシアルキル」は、−R−OH基(式中、Rは、本明細書で定義したアルキレンである)を示す。用語「C1−6アルコキシ」または「C1−6アルキルオキシ」は、本明細書で用いる場合、式−OR(式中、RはC1−6アルキルである)を有するラジカルをいう。好適なアルコキシの非限定的な例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシおよびヘキシルオキシが挙げられる。
本明細書で用いる場合、用語「C1−6アルキレン」は、単独で、または別の置換基の一部分として、二価である、すなわち、他の2つの基との結合のための2つの単結合を有するC1−6アルキル基をいう。アルキレン基は直鎖であっても分岐状であってもよく、本明細書に示したとおりに置換されていてもよい。アルキレン基の非限定的な例としては、メチレン(−CH−)、エチレン(−CH−CH−)、メチルメチレン(−CH(CH)−)、1−メチル−エチレン(−CH(CH)−CH−)、n−プロピレン(−CH−CH−CH−)、2−メチルプロピレン(−CH−CH(CH)−CH−)、3−メチルプロピレン(−CH−CH−CH(CH)−)、n−ブチレン(−CH−CH−CH−CH−)、2−メチルブチレン(−CH−CH(CH)−CH−CH−)、4−メチルブチレン(−CH−CH−CH−CH(CH)−)、ペンチレンおよびその鎖形異性体、ヘキシレンおよびその鎖形異性体が挙げられる。
用語「C6−10アリールC1−6アルキレン」は、基または基の一部分として、水素原子が本明細書に定義したC6−10アリールで置換されている本明細書に定義したC1−6アルキルを意味する。C6−10アリールC1−6アルキルラジカルの例としては、ベンジル、フェネチル、ジベンジルメチル、メチルフェニルメチル、3−(2−ナフチル)−ブチルなどが挙げられる。
本明細書で用いる場合、用語「C1−6アルキルC6−10アリーレン」は、単独で、または別の置換基の一部分として、水素原子が本明細書に定義したC1−6アルキルで置換されている本明細書に定義したC6−10アリール基をいう。本明細書で用いる場合、用語「C3−6シクロアルキレン」は、単独で、または別の置換基の一部分として、式C2n−2の飽和型の同素環式ヒドロカルビルビラジカルをいう。シクロアルキレンの非限定的な例としては、1,2−シクロプロピレン、1,1−シクロプロピレン、1,1−シクロブチレン、1,2−シクロブチレン、1,3−シクロペンチレン、1,1−シクロペンチレン、またはシクロヘキシレンが挙げられる。
用語「アミノC1−6アルキル」は、単独で、または別の置換基の一部分として、−R−NR基(式中、R1−6アルキレンであり、Rは水素または本明細書に定義したC1−6アルキルであり、Rは水素または本明細書に定義したC1−6アルキルである)をいう。
用語「C1−6アルキルエーテル」は、「C1−6アルコキシC1−6アルキル」ともいい、単独で、または別の置換基の一部分として、1〜2個のR、(ここで、Rは以下に定義するC1−6アルコキシである)で置換されているC1−6アルキル基をいう。
用語「C2−6アルケニルエーテル」は、「C1−6アルケニルオキシC1−6アルケニル」ともいい、単独で、または別の置換基の一部分として、1〜2個のR(ここで、RはC1−6アルケニルオキシである)で置換されているC1−6アルケニル基をいう。
「ハロ」または「ハロゲン」はフルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードである。
用語「C1−6アルキルスルフィニル」、「C6−10アリールスルフィニル」または「C6−10アリールC1−6アルキレンスルフィニル」は、単独で、または別の置換基の一部分として、−S(O)R基(ここで、Rは、それぞれ、C1−6アルキル、C6−10アリールまたはC6−10アリールC1−6アルキレンである)をいう。C1−6アルキルスルフィニルの一例はメチルスルフィニルである。
用語「C1−6アルキルスルホニル」、「C6−10アリールスルフィニルまたはC6−10アリールC1−6アルキレンスルホニルは、単独で、または別の置換基の一部分として、−S(=O)基(ここで、Rは、それぞれ、C1−6アルキル、C6−10アリールまたはC6−10アリールC1−6アルキレンである)をいう。C1−6アルキルスルホニルの一例はメチルスルホニルである。
用語「C1−6アルキルチオ」、「C6−10アリールチオ」または「C6−10アリールC1−6アルキレンチオ」は、単独で、または別の置換基の一部分として、−SR基(式中、Rは、それぞれ、C1−6アルキル、C6−10アリールまたはC6−10アリールC1−6アルキレンである)をいう。好適なC1−6アルキルチオの非限定的な例としては、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、イソブチルチオ、sec−ブチルチオ、tert−ブチルチオ、ペンチルチオおよびヘキシルチオが挙げられる。
用語「C1−6アルキルスルホナート」、「C6−10アリールスルホナートまたは「ハロC1−4アルキルスルホナート」は、単独で、または別の置換基の一部分として、−S(=O)−O−R基(ここで、Rは、それぞれ、C1−6アルキル、C6−10アリールまたはハロC1−3アルキルである)をいう。C1−6アルキルスルホナートの一例はメチルスルホナートである。ハロC1−4アルキルスルホナートの例は、ノナフルオロブタンスルホナート(ノナフラート)およびトリフルオロメタンスルホナート(トリフラート)である。
用語「C1−6アルキルホスホナート」または「C6−10アリールホスホナート」は、単独で、または別の置換基の一部分として、基−OP(=O)(OR)(OR)(式中、RおよびRは、それぞれ、C1−6アルキルまたはC6−10アリールである)をいう。好ましくは、RおよびRは同一である。C1−6アルキルホスホナートの一例はジエチルホスホナートである。
用語「ホルムアミド」は、本明細書で用いる場合、−NH−C(=O)−H基をいう。
用語「アミノ」は、単独で、または別の置換基の一部分として−NHをいう。
用語「薬学的に許容される塩」または「獣医学的に許容される塩」は、本明細書で用いる場合、化学式の化合物から形成することができ、かつ、かかる化合物の塩基形態を適切な塩基または酸で処理することにより簡便に得られる治療上活性な無毒性の付加塩形態を意味する。本明細書において上記した、または本明細書において後述する薬学的に許容される酸付加塩および塩基付加塩は、式(A)の化合物から形成され得る治療上活性な無毒性の酸付加塩形態および塩基付加塩形態を包含していることを意図する。薬学的に許容される酸付加塩は、該塩基形態をかかる適切な酸で処理することにより簡便に得ることができる。適切な酸には、例えば、無機酸、例えば、塩酸もしくは臭化水素酸などのハロゲン化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの酸;または、有機酸、例えば、酢酸、プロパン酸、ヒドロキシ酢酸、乳酸、ピルビン酸、シュウ酸(すなわち、エタン二酸)、マロン酸、コハク酸(すなわち、ブタン二酸)、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、シクラミン酸、サリチル酸、p−アミノサリチル酸、パモ酸などの酸などが含まれる。反対に、前記塩形態を、適切な塩基での処理によって遊離塩基形態に変換させてもよい。また、酸性プロトンを含む式(A)の化合物は、適切な有機塩基および無機塩基での処理によって、その無毒性の金属塩またはアミン付加塩形態に変換され得る。適切な塩基塩形態には、例えば、アンモニウム塩、アルカリ金属およびアルカリ土類金属塩(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムの塩など)、有機塩基、例えば、第1級、第2級および第3級の脂肪族および芳香族アミン(例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、4種類のブチルアミン異性体、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジエタノールアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、キヌクリジン、ピリジン、キノリンおよびイソキノリン)との塩;ベンザチン、N−メチル−D−グルカミン、ヒドラバミンの塩、ならびに、アミノ酸(例えば、アルギニン、リシンなど)との塩などが含まれる。反対に、塩形態を、酸での処理によって遊離酸形態に変換させてもよい。
さらに、生理学的に許容されるものでない酸または塩基の塩もまた、例えば、生理学的に許容される化合物の調製または精製において使用され得る。全ての塩は、生理学的に許容される酸または塩基から誘導されたものであるか否かにかかわらず、本発明の範囲に含まれる。
用語「異性体」は、本明細書で用いる場合、式(A)、(A’)、(A”)、(1)〜(8)または(1’)〜(8’)の化合物がとり得る、可能なすべての異性体形態(例えば、互変異性体形態)を意味する。別途の記載のない限り、標準的な化学物質表示は、基本分子構造の可能なすべての立体化学的異性体形態、例えば、すべてのジアステレオマーおよびエナンチオマーを示している(本明細書に記載の化合物は少なくとも1つのキラル中心を有し得るものであるため)。より具体的には、別途の記載のない限り、不斉中心はR−またはS−配置のいずれを有するものであってもよく、置換基はシス−またはトランス−配置のいずれを有するものであってもよい。
前記化合物の純粋な異性体形態とは、同じ基本分子構造の他のエナンチオマー形態またはジアステレオマー形態を実質的に含有していない異性体と定義される。特に、用語「立体異性体的に純粋な」または「キラル的に純粋な」は、少なくとも約80%(すなわち、1つの異性体が少なくとも90%であり、その他の考えられる異性体が最大で10%である)、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも94%、最も好ましくは少なくとも97%の立体異性体過剰率(stereoisomeric excess)を有する化合物に関する。用語「エナンチオマー的に純粋な」および「ジアステレオマー的に純粋な」も、それぞれ、対象混合物のエナンチオマー過剰率、ジアステレオマー過剰率を考慮して同様に理解されたい。そのため、以下のいずれかの調製方法の際にエナンチオマーの混合物が得られた場合、適切なキラル固定相を用いた液体クロマトグラフィーによって分離することができる。好適なキラル固定相は、例えば、多糖類、特にセルロースまたはアミロース誘導体である。市販の多糖系キラル固定相は、ChiralCel(商標)CA、OA、OB、OC、OD、OF、OG、OJおよびOK、ならびに、Chiralpak(商標)AD、AS、OP(+)およびOT(+)である。前記多糖キラル固定相との組合せにおける使用のための適切な溶離液または移動相は、エタノール、イソプロパノールなどのアルコールで修飾されたヘキサンなどである。シスおよびトランスという用語は、本明細書では、ケミカルアブストラクツ(Chemical Abstracts)の命名法に従って用いており、環部分上における置換基の位置を示している。化学式の式の化合物の絶対立体化学配置は、当業者により例えばX線回折などのよく知られた方法を使用して容易に判定され得る。
また、当業者には、本発明の化合物が、とりわけその環境のpHに応じて多くの異なるプロトン化状態で存在し得ることも認識されよう。本明細書に示した構造式では、その化合物のいくつかの考えられるプロトン化状態のうちの1つしか示していないが、このような構造は例示にすぎないこと、および本発明はなんら特定のプロトン化状態に限定されず、該化合物の任意のすべてのプロトン化形態が本発明の範囲に含まれることが意図されていることが理解されよう。
本明細書において挙げた文献はすべて、引用によりその全体が本明細書に組み込まれる。
別途の定義がない限り、本発明の開示において用いている用語(例えば、科学技術用語)はすべて、本発明が属する技術分野の当業者に一般に理解されているものと同じ意味を有する。追加的なガイダンスとして、本発明の教示がよりよくわかるように本明細書で用いている用語の定義は挙げられている。本明細書で用いている用語または定義は、単に本発明の理解を補助することを目的に示している。
本明細書全体を通して、「one embodiment(一実施形態)」または「an embodiment(一実施形態)」という記載は、実施形態に関して記載した特定の特色、構造または特徴が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれていることを意味している。したがって、本明細書全体を通して種々の箇所における語句「in one embodiment(一実施形態では)」または「in an embodiment(一実施形態では)」の登場は、必ずしも、すべてが同じ実施形態に言及しているわけではない(が、そうである場合もある)。さらに、該特定の特色、構造または特徴は、本開示により当業者に自明であり得るように、1つ以上の実施形態において任意の適切な様式で組み合わされ得る。さらに、本明細書に記載の一部の実施形態とは、他の実施形態に含まれた一部の特色を含んでいるが他の特色は含んでいないものであるが、当業者に理解され得るように、異なる実施形態の特色の組合せは本発明の範囲に含まれることを意図し、異なる実施形態を構成する。例えば、以下の特許請求の範囲において、請求項に記載の任意の実施形態は、任意の組合せで用いられる。
第1の態様において、本発明は、式(5):

(式中、nは0〜5の整数であり、XはC1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルコキシまたはアミノから選択され;R11はヒドロキシルまたはアミノである)
の化合物、または、その互変異性体、ラセミ化合物もしくは立体異性体を提供する。
特定の実施形態では、nは0、1、2、3、4または5である。好ましい実施形態では、nは0、1または2、好ましくは0または1である。一部の実施形態では、nは0、1または2であり、XはC1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルコキシまたはアミノから選択される。ある種の実施形態では、nは0である。
式(5)において、「★」は不斉中心を示す。式(A)の化合物の具体的な立体異性体(RまたはS配置)は、このような特定の不斉中心の1つ以上での該化合物の分割されたエナンチオマーを示す。したがって、用語「立体異性体的に純粋な」は、式(5)の化合物に言及して用いている場合、「★」で表示された不斉中心の1つ以上において式(5)の化合物が立体化学的に純粋であることを意味する。X基に不斉中心が含まれている場合、これは、別途の記載のない限りR、S、およびRSのいずれの立体化学配置であってもよい。
特定の実施形態では、本発明による式(5)の化合物は立体異性体的に純粋である。ある種の実施形態では、式(5)の化合物は式(5’)または(5”):の化合物である。
式(5’)および(5”)において、「★」は不斉中心を示し、R、S、およびRSのいずれの立体化学配置であってもよい。
さらなる一態様において、本発明はまた、式(4):

(式中、R12は−ORまたはアミノであり、Rは、C1−6アルキル、C6−10アリール、C6−10アリールC1−6アルキレン、C6−10ハロアリール、C1−6ハロアルキルまたはC6−10ハロアリールC1−6アルキレンから選択される)
の化合物の−COR12部分を変換させ、それにより式(5)の化合物を得る工程を含む、式(5)の化合物、または、その互変異性体、ラセミ化合物もしくは立体異性体の調製方法も包含している。
一部の実施形態では、前記式(4)の化合物の調製は、式(2)の化合物を式(3)の化合物と反応させ:

それにより化合物(4a):

(式中、R19はOR23であり、R23は、C1−6アルキル、C6−10アリール、C6−10アリールC1−6アルキレン、C6−10ハロアリール、C1−6ハロアルキルまたはC6−10ハロアリールC1−6アルキレンから選択され、RおよびRは、各々独立して、C1−6アルキル、C6−10アリールC1−6アルキレンまたはC6−10アリールから選択される)
を得ることを含む。
さらなる一実施形態では、該方法が、化合物(4a)のエステル部分をアミド部分に変換させ、それにより式(4b):

(式中、Xおよびnは、上記に定義したものと同じ意味を有する)
の化合物を得る工程をさらに含む。
式(5)、(5’)または(5”)の化合物は、本明細書において後述する式(A)、(A’)または(A”)の化合物の合成における前駆体として特に有用である。
さらなる一態様において、本発明は、式(A):

(式中、Bは、プリニル、ピリミジルまたはそのアザもしくはデアザ類似体、または、−NRからなる群より選択され;各基は独立して、ハロ、アミノ、ヒドロキシル、C1−6アルキル、アミノC1−6アルキル、ニトロ、ホルムアミド、−NHR18またはORから選択される1種類以上の置換基で任意に置換されており;前記プリニルまたはピリミジルの炭素原子は酸化されてC=Oを形成していてもよく、ここで、Rは、C1−4アルキル、C6−10アリールC1−6アルキレンまたはC6−10アリールから選択され、R18は、C6−10アリールC1−6アルキレン、C1−6アルキルカルボニル、ハロC1−6アルキルカルボニル、C1−6アルキルオキシカルボニル、9−フルオレニルメチルオキシカルボニルまたはC6−10アリールC1−6アルキルオキシカルボニルから選択され;
は、水素、C6−10アリール、C6−10アリールC1−6アルキレン、C1−4アルキル、C6−10ハロアリール、C1−4ハロアルキルまたはC6−10ハロアリールC1−6アルキレンから選択され;
は、C6−10アリール、C6−10アリールC1−6アルキレン、C1−4アルキル、C6−10ハロアリール、C1−4ハロアルキルまたはC6−10ハロアリールC1−6アルキレンから選択される)
の化合物またはその互変異性体、ラセミ化合物、立体異性体、薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物の調製方法を提供する。
特定の実施形態では、R18は、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル、tert−ブチルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、メチルカルボニル、ベンジルおよびトリフェニルメチルから選択される。
特定の実施形態では、Bは、プリニルまたは好ましくはプリン環の9位で結合しているプリニル誘導体、ピリミジルもしくはピリミジル誘導体またはそれらのアザおよび/またはデアザ類似体を表す。アザ類似体では、B内の少なくとも1個の炭素が窒素で置換されており;デアザ類似体では、B内の少なくとも1個の窒素が炭素で置換されている。かかる置換の組合せもまた本発明の範囲に含まれる。
好ましいプリニル誘導体は、アデニル、グアニル、2−アミノ−6−クロロプリニル、2−アミノプリニル、2,6−ジアミノプリニル、キサンチルまたはヒポキサンチル(hypoxhanthyl)である。好ましいピリミジル誘導体は、チミニル、ウラシリルおよびシトシニルである。したがって、特定の実施形態では、Bは、プリニル、アデニル、グアニル、2−アミノ−6−クロロプリニル、2−アミノプリニル、2,6−ジアミノプリニル、キサンチルまたはヒポキサンチル、ピリミジル、チミニル、ウラシリルおよびシトシニルを含む群から選択される。
ある種の実施形態では、Bは、2−アミノ−6−クロロプリニルまたはグアニルを表す。
式(A)の化合物は非溶媒和形態および溶媒和形態のどちらでも存在し得る。用語「溶媒和物」は、本明細書において、化合物(A)と化学量論量の1種類以上の薬学的に許容される溶媒分子、例えばエタノール、を含む分子複合体を示すために用いている。用語「水和物」は前記溶媒が水である場合に使用される。
式(A)において、「★」は不斉中心を示す。式(A)の化合物の具体的な立体異性体(特定の不斉中心のRまたはS配置)は、このような特定の不斉中心での該化合物の分割されたエナンチオマーを示す。したがって、用語「立体異性体的に純粋な」は、式(A)の化合物に言及して用いられる場合、「★」が表示された不斉中心において式(A)の化合物が立体化学的に純粋であることを意味する。B基に不斉中心が含まれている場合、これは、別途の記載のない限りR、S、およびRSのいずれの立体化学配置であってもよい。
特定の実施形態では、本発明による式(A)の化合物は立体異性体的に純粋である。さらに特定の実施形態では、式(A)の化合物は、式(A’)または(A”)の特定のエナンチオマーである。
特定の実施形態では、式(A)の化合物は、式(Ac’)で表される2−アミノ−9[[(1S,2R)−1,2−ビス(ヒドロキシメチル)シクロプロピル]メチル]−1,9−ジヒドロ−6H−プリン−6−オンである。
また、本発明は、式(A):

(式中、Bは、プリニル、ピリミジルまたはそのアザもしくはデアザ類似体、または、−NRを含む群から選択され;各基は独立して、ハロ、アミノ、ヒドロキシル、C1−6アルキル、アミノC1−6アルキル、ニトロ、ホルムアミド、−NHR18またはORから選択される1種類以上の置換基で任意に置換されており;前記プリニルまたはピリミジルの炭素原子は酸化されてC=Oを形成していてもよく、ここで、Rは、C1−4アルキル、C6−10アリールC1−6アルキレンまたはC6−10アリールから選択され、R18は、C6−10アリールC1−6アルキレン、C1−6アルキルカルボニル(carbony)、ハロC1−6アルキルカルボニル、C1−6アルキルオキシカルボニル、9−フルオレニルメチルオキシカルボニルまたはC6−10アリールC1−6アルキルオキシカルボニルから選択され;
は、水素、C6−10アリール、C6−10アリールC1−6アルキレン、C1−4アルキル、C6−10ハロアリール、C1−4ハロアルキルまたはC6−10ハロアリールC1−6アルキレンから選択され;
は、C6−10アリール、C6−10アリールC1−6アルキレン、C1−4アルキル、C6−10ハロアリール、C1−4ハロアルキルまたはC6−10ハロアリールC1−6アルキレンから選択される)
の化合物またはその互変異性体、ラセミ化合物、立体異性体、薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物の調製方法であって;
式(8)の化合物を加水分解または還元する工程を含む方法も包含している

(式中、nは0〜5の整数であり、XはC1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルコキシまたはアミノであり;
B’は、Bであるか、あるいはプリニル、ピリミジルまたはそのアザもしくはデアザ類似体、または、−NRからなる群より選択され;各基は独立して、ハロ、アミノ、ヒドロキシル、C1−6アルキル、アミノC1−6アルキル、ニトロ、ホルムアミド、−NHR18、−NR2425またはORから選択される1種類以上の置換基で任意に置換されており;前記プリニルまたはピリミジルの炭素原子は酸化されてC=Oを形成していてもよく、ここで、Rは、C1−4アルキル、C6−10アリールC1−6アルキレンまたはC6−10アリールから選択され、R18は、C6−10アリールC1−6アルキレン、C1−6アルキルカルボニル、ハロC1−6アルキルカルボニル、C1−6アルキルオキシカルボニル、9−フルオレニルメチルオキシカルボニルまたはC6−10アリールC1−6アルキルオキシカルボニルから選択され、R24およびR25は、独立して、水素またはC1−6アルキルであり;
は、水素、C6−10アリール、C6−10アリールC1−6アルキレン、C1−4アルキル、C6−10ハロアリール、C1−4ハロアルキルまたはC6−10ハロアリールC1−6アルキレンから選択され;
は、C6−10アリール、C6−10アリールC1−6アルキレン、C1−4アルキル、C6−10ハロアリール、C1−4ハロアルキルまたはC6−10ハロアリールC1−6アルキレンから選択される)。
一部の実施形態では、前記式(8)の化合物が、式(5a)の化合物と式B’−Hの化合物とのカップリングによって調製される


(式中、Xおよびnは請求項1に定義したものと同じ意味を有し、B’は本明細書において先に定義したものと同じ意味を有し、Hは水素である)。
一部の実施形態では、式(5a)の化合物と化合物B’−Hとのカップリングの前に、式(5)の化合物のヒドロキシル部分を変換させ、式(6)の化合物を得る

(式中、LGは、ハロ、メシラート、トシラート、アジド、ノシラート、トリフラート、シアノまたはイミダゾリルから選択される脱離基を表す)。
また、この方法は、式(5b)の化合物を式(13)の化合物:

(式中、R15は−OR27またはR28であり、R16は、アミノ、ニトロ、ホルムアミドおよび水素からなる群より選択され、R17は、ハロ、C1−6アルコキシ、C1−6アリールオキシ、C6−10アリールC1−6アルキレンオキシ、C1−6アルキルスルフィニル、C6−10アリールスルフィニル、C6−10アリールC1−6アルキレンスルフィニル、C1−6アルキルスルホニル、C6−10アリールスルフィニル、C6−10アリールC1−6アルキレンスルホニル、C1−6アルキルチオ、C6−10アリールチオ、C6−10アリールC1−6アルキレンチオ、C1−6アルキルスルホナート、C6−10アリールスルホナート、ハロC1−4アルキルスルホナート、C1−6アルキルホスホナートおよびC6−10アリールホスホナートから選択され;
27は、水素、C1−6アルキル、C6−10アリールおよびC6−10アリールC1−6アルキレンからなる群より選択され、R28は、ハロ、C1−6アルコキシ、C1−6アリールオキシ、C6−10アリールC1−6アルキレンオキシ、C1−6アルキルスルフィニル、C6−10アリールスルフィニル、C6−10アリールC1−6アルキレンスルフィニル、C1−6アルキルスルホニル、C6−10アリールスルフィニル、C6−10アリールC1−6アルキレンスルホニル、C1−6アルキルチオ、C6−10アリールチオ、C6−10アリールC1−6アルキレンチオ、C1−6アルキルスルホナート、C6−10アリールスルホナート、ハロC1−4アルキルスルホナート、C1−6アルキルホスホナートおよびC6−10アリールホスホナートから選択され;
26は、水素、C6−10アリールC1−6アルキレンまたはCOR30(ここで、R30は、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、9−フルオレニルメチルオキシもしくはC6−10アリールC1−6アルキルオキシから選択される)から選択される)
と反応させる工程などの工程をさらに含んでもよい。
一部の実施形態では、化合物(5a)または(5b)は、本明細書の上述した式(5)の化合物の調製方法を用いて調製することができる。
この方法は、前記式(5a)または(5b)の化合物を結晶化し、精製する工程をさらに含んでもよい。
好ましくは、本発明の方法において、式(A)の化合物は式(A’):

の化合物である。
一実施形態では、式(A)の化合物の調製方法はスキームIに示すようにして行うことができる。

式中n、XおよびBは、先に定義したものと同じ意味を有し、Hは水素であり、B’はBであるか、あるいはプリニル、ピリミジルまたはそのアザもしくはデアザ類似体、または、−NRからなる群より選択され;各基は独立して、ハロ、アミノ、ヒドロキシル、C1−6アルキル、アミノC1−6アルキル、ニトロ、ホルムアミド、−NHR18またはORから選択される1種類以上の置換基で任意に置換されており;前記プリニルまたはピリミジルの炭素原子は酸化されてC=Oを形成していてもよく、ここで、Rは、C1−4アルキル、C6−10アリールC1−6アルキレンまたはC6−10アリールから選択され、R18は、C6−10アリールC1−6アルキレン、C1−6アルキルカルボニル、ハロC1−6アルキルカルボニル、C1−6アルキルオキシカルボニル、9−フルオレニルメチルオキシカルボニルまたはC6−10アリールC1−6アルキルオキシカルボニルから選択され;
は、水素、C6−10アリール、C6−10アリールC1−6アルキレン、C1−4アルキル、C6−10ハロアリール、C1−4ハロアルキルまたはC6−10ハロアリールC1−6アルキレンから選択され;
は、C6−10アリール、C6−10アリールC1−6アルキレン、C1−4アルキル、C6−10ハロアリール、C1−4ハロアルキルまたはC6−10ハロアリールC1−6アルキレンから選択され、
は、C1−6アルキル、C6−10アリール、C6−10アリールC1−6アルキレン、C6−10ハロアリール、C1−6ハロアルキルまたはC6−10ハロアリールC1−6アルキレンから選択され、
およびRは、各々独立して、C1−6アルキル、C6−10アリールC1−6アルキレンまたはC6−10アリールから選択される。
スキームIにおいて、「★」は不斉中心を示す。好ましい実施形態において、本発明の方法は、シクロプロパン部分の不斉中心の立体配置が保存される点で立体選択的である。スキームI’は、シクロプロパン誘導体の特定のエナンチオマーの調製を示す。しかしながら、本発明の方法は、このようなエナンチオマーに限定されるのではなく、出発生成物の立体配置に応じて式(A)の任意のエナンチオマーを得るために用いられる。

スキームI’において、「★」は不斉中心を示し、別途の記載のない限りR、S、およびRSのいずれの立体化学配置であってもよい。
スキームIおよびI’に例示した特定の実施形態では、本発明の方法はラクトンエステル(1a)または(1a’)を用いて開始され、該ラクトンエステルは、当業者に知られた手順によって、好ましくは、ヘルベチカ ケミカ アクタ(Helvetica Chimica Acta) 1989,72(6),1301、または、欧州特許第0502690号明細書に記載された方法によって調製される。ラクトンエステル(1a)または(1a’)は、C6−10アリール、C6−10アリールC1−6アルキレン、C1−6アルキル、C6−10ハロアリール、C1−6ハロアルキルまたはC6−10ハロアリールC1−6アルキレンを含む群から選択される保護基Rを含むものであり得る。特定の実施形態では、RはC6−10アリールまたはC1−4アルキルである。好ましい実施形態では、Rはフェニル、ベンジル、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルまたはt−ブチルである。より好ましい実施形態では、Rはメチル、エチルまたはフェニル基である。
好ましい実施形態では、スキームIおよびスキームI’の工程(a)に示すように、ラクトンエステル(1a)または(1a’)を選択的に還元し、式(2a)または(2a’)の化合物を得る。この選択的還元は、好ましくは適切な溶媒の存在下で、1種類以上の還元剤を用いて達成され得る。水素化金属化合物などの該1種類以上の還元剤、例えば水素化金属化合物は、NaBH/CeCl、LiAlH、NaBH、NaBH(OAc)およびZnBHを含む群から選択することができる。好ましくは、該1種類以上の還元剤は、アルカリ水素化ホウ素またはアルカリ水素化アルミニウム、より好ましくは水素化ホウ素ナトリウムまたは水素化アルミニウムリチウムを含む。
好適な溶媒の非限定的な例は、好ましくはエタノールまたはテトラヒドロフラン(THF)であり得る。
工程(a)は任意であり、式(2a)または(2a’)の化合物が得られる任意の他の方法に置き換えることができる。
特定の実施形態では、式(2a)または(2a’)の化合物は、スキームIおよびI’の工程(b)に従って式(3)の化合物と縮合される。式(3)の化合物において、RおよびRは、各々独立して、C1−6アルキル、C6−10アリールC1−6アルキレンまたはC6−10アリールから選択される。特定の実施形態では、RおよびRは同一の基、好ましくはメチルであり;nは0〜5の整数であり、XはC1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルコキシまたはアミノから選択される。
好ましい実施形態では、XはC1−4アルキルまたはハロゲンである。特定の実施形態では、nは0、1、2、3、4または5である。好ましくは、nは0、1または2、より好ましくは0または1である。
一部の実施形態では、式(3)の化合物はジアルコキシメチルベンゼン、例えば、ジメトキシメチルベンゼンであり得、これは、市販のものまたは式(4a)もしくは(4a’)の化合物を取得する当業者に知られた手順によって作製されるもののいずれかである。
特定の実施形態では、縮合反応(b)は、1種類以上の酸触媒の存在下で、任意に式(4a)もしくは(4a’)の化合物が得られる適切な溶媒(例えば、非プロトン性溶媒、好ましくは、シクロヘキサンおよび/またはトルエン)中で行うことができる。好ましい実施形態では、該1種類以上の酸触媒は、カンファースルホン酸、メタンスルホン酸および/または硫酸から選択され得る。
本発明の方法における工程(b)は、欧州特許第0649840号明細書に開示された方法で使用されているような有害な化合物、例えば、ジクロロ−5,6−ジシアノベンゾキノン(DDQ)および潜在的に爆発性のあるジフェニルジアゾメタンの必要性が排除されるという利点を有する。
特定の実施形態では、スキームIおよびスキームI’の工程(c)に示すように、式(4a)または(4a’)の化合物のエステル部分が式(5a)または(5a’)のアルコールに選択的に還元される。好ましい実施形態では、これは、好ましくは1種類以上の溶媒(好ましくはエタノールおよび/またはTHF)の存在下で、1種類以上の還元剤を用いて達成される。好ましい還元剤は、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化アルミニウムリチウム、水素化ジイソブチルアルミニウム、水素化トリエチルホウ素リチウムおよび水素化トリ−sec−ブチルホウ素リチウムである。
式(5a)または(5a’)の化合物の生成は、かかる化合物は結晶化によって大規模に精製および/または単離することができるという利点を有する。したがって、好ましい実施形態では、工程(c)の後で式(5a)または(5a’)の化合物を結晶化し、精製する。特定の実施形態では、結晶化は極性溶媒と無極性溶媒との混合物中で、好ましくは0℃〜70℃の範囲の温度で行なわれる。好ましい極性溶媒は、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリルおよびジメチルスルホキシドである。好ましい無極性溶媒は、石油エーテル、ペンタン、シクロペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、1,4−ジオキサン、クロロホルムおよびジエチルエーテルである。
次の(任意の)工程(d)では、式(5a)または(5a’)の化合物のヒドロキシル基を脱離基(LG)に変換することで、式(6)または(6’)の化合物を得てもよい。好ましい実施形態では、脱離基は、フルオロ、クロロ、ヨード、ブロモ、メシラート、トシラート、アジド、ノシラート、トリフラート、シアノまたはイミダゾリルである。具体的な実施形態では、脱離基は、ハロゲン、メシラートおよびトシラートを含む群から選択される。さらなる実施形態において、式(6)または(6’)の化合物は、式(5a)または(5a’)の化合物から、ハロゲン化試薬(ハロゲン化チオニル、ハロゲン化アシルもしくはハロゲン化リンなど)、メシル化試薬(ハロゲン化メタンスルホニルなど)またはトシル化試薬(ハロゲン化p−トリルスルホニルなど)を用いて調製することができる。この反応は、塩基、例えば、トリエチルアミン、ジメチルアミノピリジンおよび/またはピリジンの存在下で行うことができる。この反応は、適切な溶媒中、例えば、非プロトン性溶媒(好ましくはTHFおよび/またはジクロロメタン)中で、触媒なしで、または、ジメチルホルムアミドおよび/またはジメチルアミノピリジンなどの触媒とともに行うことができる。
他の実施形態では、脱離基はハロゲンであり、この場合、式(6)または(6’)の化合物は、式(5a)または(5a’)の化合物から、これをハロゲン化試薬(好ましくは、四塩化炭素、四臭化炭素またはヨウ素)とトリフェニルホスフィンとの存在下で反応させて合成される。この反応は、慣用的な溶媒、好ましくは、アセトニトリルおよび/またはジクロロメタンの存在下で、塩基なしで、あるいはトリエチルアミンおよび/またはイミダゾールなどの塩基とともに行うことができる。
後続の(任意の)工程(e)では、式(6)または(6’)の化合物が、式(8)または(8’)の化合物を得るべく、化合物B’−H(7)と縮合され得る。特定の実施形態では、化合物(7)は、プリンまたはピリミジン誘導体、好ましくは、スキームIIaに示すプリン誘導体(7a)またはスキームIIbに示すピリミジン誘導体(7b)である。
式(7a)の化合物において、これは、市販のものまたは当業者に知られた手順によって作製されるもののいずれかであり、Rは水素、ヒドロキシル、C1−6アルコキシ、C1−6チオアルキル、ハロゲン(フルオロ、クロロ、ヨード、ブロモ)、−ORまたは−NRから選択され、R20はNH、NHR21、水素、NO、ハロゲンから選択され、ここで、R21は、C6−10アリールC1−6アルキレンまたはCOR22から選択され、R22は、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、9−フルオレニルメチルオキシまたはC6−10アリールC1−6アルキルオキシから選択される。Rは、C1−4アルキル、C6−10アリールC1−6アルキレンまたはC6−10アリールから選択される。RおよびRは、独立して水素またはC1−6アルキルである。好ましい実施形態では、Rは、クロロ、ブロモ、C1−6アルコキシまたはC1−6チオアルキルから選択され、より好ましくはクロロである。特定の実施形態では、R21は、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(9−fluroenylmethyloxycarbonyl)、tert−ブチルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、メチルカルボニル、ベンジルおよびトリフェニルメチルから選択される。
20がNHR21である場合、化合物(7a)とのカップリング後、式(8a)の化合物(式中、R20はNH)を得る脱保護工程を行うことができる。
20がNOである場合、式(7a)の化合物とのカップリング後、Zn、Fe、Mg、Fe/HCl、SnCl/HCl、Pd/H、Ni/HまたはNaを含む群から選択される還元剤を用いて、式(8a)の化合物(式中、R20はNH)を得る還元工程を行うことができる。R20がクロロなどのハロゲンである場合、化合物(7a)とのカップリング後、NH基を、例えばNH/MeOHを用いて導入することができる。R20が水素である場合、式(7a)の化合物とのカップリング後、R20としてNO基を、例えば(n−ブチル)NO /無水トリフルオロ酢酸(trifluoracetic)またはCu(NO/無水酢酸を用いて導入することができる。その後、Zn、Fe、Mg、Fe/HCl、SnCl/HCl、Pd/H、Ni/HまたはNaを含む群から選択される還元剤を用いてNO基をNHに還元することができ、式中のR20がNHである式(8a)の化合物が得られる。
ある種の実施形態では、化合物(7a)はアデニン、グアニン、2−アミノ−6−クロロプリン、2−アミノプリン、2,6−ジアミノプリン、キサンチンまたはヒポキサンチン(hypoxhanthine)である。具体的な実施形態では、化合物(7a)は2−アミノ−6−クロロプリンまたはグアニンである。
ある種の実施形態では、化合物(7a)はプリン、2−ニトロ−プリン、2−クロロプリン、2−アセチルアミノプリン、2−ベンジルアミノプリン、2−N−tert−ブチルカルバミルプリン、2−ニトロ−6−アミノプリン、2−ニトロ−6−クロロプリン、2−クロロ−6−アミノプリン、2−アセチルアミノ−6−アミノプリン、2−ベンジルアミノ−6−アミノプリン、2−N−tert−ブチルカルバミル−6−クロロプリンである。
式(7b)の化合物において、これは、市販のものまたは当業者に知られた手順によって作製されるもののいずれかであり、R10はハロゲン、C2−5アルキル、トリフルオロメチル、C1−6ハロアルキル、C2−6アルケニルまたはC2−6アルキニルである。
特定の実施形態では、化合物(7b)はチミン、ウラシルまたはシトシンである。
好ましい実施形態では、縮合反応(e)は、強塩基、好ましくは水素化ナトリウムまたは炭酸カリウムを用いて行なわれる。この反応は、極性非プロトン性溶媒中、好ましくは、アセトニトリルまたはジメチルホルムアミド中で行なわれ得、好ましくはHMPAまたは18−クラウン−6などのキレート剤を用いて行なってもキレート剤なしで行なってもよい。
一部の実施形態では、工程(e)は、化合物(7)がプリン誘導体である場合に特に好都合である。本発明者らは、スキームIIaの式(8a)に示すように、工程(e)においてアルキル化反応が好ましくはN−9において起こることを見出し、これにより先行技術でみられるようなさらなる精製工程の必要性が低減または排除される。
本明細書において上述したように、スキームIおよびスキームI’に示す工程(d)および(e)は任意である。
特定の実施形態では、スキームIIIおよびスキームIII’に示すように、式(5a)または(5a’)の化合物を化合物(7)と光延条件下でカップリングさせることで化合物(8)または(8’)を得る。したがって、スキームIIIおよびスキームIII’に示す工程(e’)は、スキームIおよびスキームI’に示す工程(d)および(e)の代替法である。
光延反応は、アゾ試薬およびリン含有試薬の存在下でのアルコールと求核試薬間の脱水−縮合反応である。光延法は、ヒューズ、オーガニック リアクションズ(Hughes,Org.Reac.)1992,42,335に概説されている。
特定の実施形態では、光延反応は、2−メチルテトラヒドロフラン、ジクロロメタン、トルエン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、tert−ブチルメチルエーテル、アセトニトリル、プロピオニトリル、Ν,Ν−ジメチルホルムアミドおよびN,N−ジメチル−2−イミダゾリジノンから選択される溶媒中で行なわれる。さらなる実施形態では、光延反応は、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、トルエンおよびアセトニトリルから選択される溶媒中で行なわれる。上記リン含有試薬の例としては、トリフェニルホスフィン、トリ(o−トリル)ホスフィン、トリ(p−フルオロフェニル)ホスフィン、トリス(2,4,6−トリメトキシフェニル)ホスフィン、トリメチルホスフィンおよびトリ(n−ブチル)ホスフィンが挙げられ、トリフェニルホスフィンが特に好ましい。
上記アゾ試薬の例としては、アゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(DIAD)、アゾジカルボン酸ジ−tert−ブチル(DBAD)、テトラメチルアゾジカルボキサミド(TMAD)、テトライソプロピルアゾジカルボキサミド(TIPA)、アゾジカルボニルジピペリジン(ADDP)およびジメチルヘキサヒドロテトラゾシンジオン(DHTD)が挙げられる。これらのうち、アゾジカルボン酸ジエチル、アゾジカルボン酸ジイソプロピル、アゾジカルボン酸ジ−tert−ブチルおよびテトラメチルアゾジカルボキサミドが好ましく、アゾジカルボン酸ジイソプロピルおよびアゾジカルボン酸ジ−tert−ブチルが特に好ましい。

ある種の実施形態では、式(8)または(8’)の化合物は、式(5)または(5’)の化合物と式(7)の化合物との縮合によって得ることができる。好ましくは、これはトリフェニルホスフィンの存在下で、アゾジカルボン酸ジアルキル(DEAD)またはアゾジカルボン酸ジ−p−クロロベンジルを用いて行われ、好ましくは非プロトン性溶媒(例えば、THFおよび/またはジクロロメタン)中で行なわれる。
式(A)または(A’)の化合物は、TiCl、SnCl、硝酸セリウムアンモニウム(CAN)、AlCl、HX(XはClなどのハロゲン)、HSO、p−トルエンスルホン酸(pTSA)などの酸の存在下における、式(8)または(8’)の化合物の加水分解によって得られる。上記加水分解は、溶媒中、例えばプロトン性溶媒(その非限定的な例としては水および/またはエタノールが挙げられる)中で行うことができる。
スキームIおよびスキームI’に示すように、置換基B’は、式(8)または(8’)の化合物の加水分解または水素化の際にBに変換され得る。特定の実施形態では、置換基B’を式(8)または(8’)の化合物の加水分解または水素化後にさらに変換することで、式(A)または(of)(A’)の化合物を得てもよい。
特定の実施形態では、式(A)または(A’)の化合物は、式(8)または(8’)の化合物の水素化によって取得され得る。本明細書において先に説明したように、水素化反応は、置換基B’をBに変換させるために用いられる。例えば、B’はニトロ基を含んでよく、該ニトロ基は水素化によってアミノ基に変換することができる。また、上記水素化反応は、特にルイス酸として作用する金属(例えば、PdまたはNi)の存在下では脱保護ジオールの生成を導き得る。
化合物(A)は任意で精製してもよい。適切な精製方法の非限定的な一例は、欧州特許第0890574号明細書(これは引用により本明細書に組み込まれる)に開示されている。
したがって、本発明は、高い立体選択性を有し、反応工程が少なく、かつ、例えば、結晶化により精製が容易な中間体を伴う、式(A)、(A’)または(A”)のシクロプロパン誘導体の合成方法も包含している。さらに、この方法ではまた高い収率ももたらされる。
本明細書において先に示したように、式(5)の化合物の置換基R11はヒドロキシルまたはアミノである。特定の実施形態では、R11はアミノである。さらなる一実施形態では、式(A)または(A’)の化合物の調製方法は、スキームIVまたはスキームIV’に示すようにして行うことができる。
スキームIVおよびIV’において、Rは、C1−6アルキル、C6−10アリール、C6−10アリールC1−6アルキレン、C6−10ハロアリール、C1−6ハロアルキルまたはC6−10ハロアリールC1−6アルキレンから選択される。
15は、−OR27またはR28である。R27は、水素、C1−6アルキル、C6−10アリールおよびC6−10アリールC1−6アルキレンからなる群より選択される。R28は、例えば、ハロ、C1−6アルコキシ、C1−6アリールオキシ、C6−10アリールC1−6アルキレンオキシ、C1−6アルキルスルフィニル、C6−10アリールスルフィニル、C6−10アリールC1−6アルキレンスルフィニル、C1−6アルキルスルホニル、C6−10アリールスルフィニル、C6−10アリールC1−6アルキレンスルホニル、C1−6アルキルチオ、C6−10アリールチオ、C6−10アリールC1−6アルキレンチオ、C1−6アルキルスルホナート、C6−10アリールスルホナート、ハロC1−4アルキルスルホナート、C1−6アルキルホスホナートおよびC6−10アリールホスホナートから選択される脱離基である。特定の実施形態では、R15は、−OR27である。
16は、アミノ、ニトロ、ホルムアミドおよび水素からなる群より選択され、R17は脱離基である。特定の実施形態では、R17は、ハロ、C1−6アルコキシ、C1−6アリールオキシ、C6−10アリールC1−6アルキレンオキシ、C1−6アルキルスルフィニル、C6−10アリールスルフィニル、C6−10アリールC1−6アルキレンスルフィニル、C1−6アルキルスルホニル、C6−10アリールスルフィニル、C6−10アリールC1−6アルキレンスルホニル、C1−6アルキルチオ、C6−10アリールチオ、C6−10アリールC1−6アルキレンチオ、C1−6アルキルスルホナート、C6−10アリールスルホナート、ハロC1−4アルキルスルホナート、C1−6アルキルホスホナートおよびC6−10アリールホスホナートから選択される。ある種の実施形態では、R17は、ハロ、C1−6アルコキシ、C1−6アリールオキシ、C6−10アリールC1−6アルキレンオキシ、C1−6アルキルスルフィニル、C6−10アリールスルフィニル、C6−10アリールC1−6アルキレンスルフィニル、C1−6アルキルスルホニル、C6−10アリールスルフィニル、C6−10アリールC1−6アルキレンスルホニル、C1−6アルキルチオ、C6−10アリールチオ、C6−10アリールC1−6アルキレンチオ、C1−6アルキルスルホナート、C6−10アリールスルホナートおよびハロC1−4アルキルスルホナートから選択される。
特定の実施形態では、R15およびR17は、同一である。
26は水素またはアミノ保護基である。特定の実施形態では、R26は、水素、C6−10アリールC1−6アルキレンまたはCOR30から選択され、R30は、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、9−フルオレニルメチルオキシまたはC6−10アリールC1−6アルキルオキシから選択される。ある種の実施形態では、R26は、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル、tert−ブチルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、メチルカルボニル、ベンジルおよびトリフェニルメチルから選択される。特定の実施形態では、R26は、水素である。
スキームIVおよびIV’の工程(g)に例示した特定の実施形態では、本発明の方法は、化合物(4a)または(4a’)のCOOR部分をアミド部分に変換させ、それにより化合物(4b)または(4b’)を得る工程を含む。化合物(4a)または(4a’)は、本明細書で上述したようにして得ることができる。ある種の実施形態では化合物(4a)または(4a’)をアンモニア源と反応させることができ、それにより式(4b)または(4b’)の化合物を得る。さらなる実施形態において、アンモニア源は、溶液状のアンモニア、アンモニウム塩(例えば、塩化アンモニウム)またはヘキサメチルジシラザン(HMDS)である。この反応は水、メタノールまたはエタノールなどの極性溶媒中で行なわれ得る。
ある種の実施形態では、化合物(4a)または(4a’)のエステル部分(COOR)がカルボキシル基(COOH)に加水分解でき、次いで、これを、塩化チオニルまたは塩化オキサリルなどの塩素化剤を用いて酸塩化物(COCl)に変換させる。このような反応は、ジクロロメタン、アセトニトリルまたはTHFなどの非プロトン性溶媒中で行うことができる。生成した酸塩化物はさらにアンモニアと反応させることができ、式(4b)または(4b’)の化合物が作製される。
ある種の実施形態では、化合物(4a)または(4a’)のエステル部分を対応する酸に加水分解し、次いで、ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、ヘキサフルオロリン酸ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシトリピロリジノホスホニウム(PyBOP)または2−(1H−7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェートメタンアミニウム(HATU)などのカップリング剤の存在下、ジクロロメタンまたはジメチルホルムアミド(DMF)などの極性溶媒中で、アンモニアと反応させることができる。
さらなる実施形態では、スキームIVおよびIV’の工程(h)に示すように、化合物(4b)または(4b’)のアミド部分をアミン部分に還元し、それにより化合物(5b)または(5b’)を得る。この還元は、1種類以上の還元剤、例えば、ボラン錯体(例えば、BH−THF)または金属水素化物(例えば、LiAlH、NaBH、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(NaBH(OAc))およびZnBH)を用いて達成され得る。特定の実施形態では、上記1種類以上の還元剤は、アルカリ水素化ホウ素またはアルカリ水素化アルミニウム、好ましくは、NaBHまたはLiAlHを含む。この還元反応に好適な溶媒の非限定的な例は、エタノールまたはTHFである。
特定の実施形態では、化合物(5b)または(5b’)は、化合物(5a)または(5a’)について本明細書に記載したのと同様にして、結晶化によって精製および/または単離され得る。
ある種の実施形態では、スキームIVおよびIV’の工程(i)に示すように、化合物(5b)または(5b’)を式(13)の化合物と反応させ、それにより化合物(8b)または(8b’)を得る。この反応は、塩基なしで行なってもよく、N,N−ジイソプロピルアミン、炭酸カリウムまたは炭酸セシウムなどの塩基を用いて行なってもよい。特定の実施形態では、該反応は、THF、DMFまたはN−メチルピロリドン(NMP)などの非プロトン性溶媒中で行なわれ得る。R26が水素でない場合、化合物(13)とのカップリング後、式(8b)または(8b’)の化合物を得る脱保護工程を行うことができる。
特定の実施形態では、より具体的には、R15がOR27である場合、スキームIVおよびIV’の工程(j)に示すように、化合物(8b)または(8b’)を水素化し、それにより化合物(Ab)または(Ab’)を得る。この水素化反応によりジオール保護基が除去される。R16がニトロである場合、水素化反応によりR16がアミノに変換される。
特定の実施形態では、スキームVの化合物(8d)に示されているように、R16は水素である。この場合、アミノ基は、スキームVの工程(j’)に示すようにR16の位置に導入され得る。これは、まず化合物(8d)をNaNOおよび酢酸と反応させた後、Naまたは(NHSとの反応によって達成され得る。別法では、アミノ基は、まず化合物(8d)をp−クロロフェニルジアゾニウム化合物および酢酸と反応させた後、例えばZn/HCl/HOを用いた還元によってもR16の位置に導入され得る。また、このような反応によってジオール保護基の除去ももたらされ、化合物(8e)が得られる。
特定の実施形態では、より具体的にはR15がOR27である場合には、スキームVの工程(j”)に示すように、アミノ基の導入の後、水素化反応を行うことができ、それにより化合物(Ab)を得る。
特定の実施形態では、化合物(Ab)または(Ab’)をさらにトリエトキシメタンもしくはトリメトキシメタンと反応させ、それにより、スキームVIに示すように2−アミノ−9−[[1,2−ビス(ヒドロキシメチル)シクロプロピル]メチル]−1,9−ジヒドロ−6H−プリン−6−オン(Ac)、または、2−アミノ−9−[[(1S,2R)−1,2−ビス(ヒドロキシメチル)シクロプロピル]メチル]−1,9−ジヒドロ−6H−プリン−6−オン(Ac’)を生成する。ある種の実施形態では、HClが触媒として使用される。
さらなる一態様において、本発明は、式(A):

(式中、Bは、プリニル、ピリミジルまたはそのアザもしくはデアザ類似体、または、−NRからなる群より選択され;各基は独立して、ハロ、アミノ、ヒドロキシル、C1−6アルキル、アミノC1−6アルキル、ニトロ、ホルムアミド、−NHR18またはORから選択される1種類以上の置換基で任意に置換されており;前記プリニルまたはピリミジルの炭素原子は酸化されてC=Oを形成していてもよく、ここで、Rは、C1−4アルキル、C6−10アリールC1−6アルキレンまたはC6−10アリールから選択され、R18は、C6−10アリールC1−6アルキレン、C1−6アルキルカルボニル、ハロC1−6アルキルカルボニル、C1−6アルキルオキシカルボニル、9−フルオレニルメチルオキシカルボニルまたはC6−10アリールC1−6アルキルオキシカルボニルから選択され;
は、水素、C6−10アリール、C6−10アリールC1−6アルキレン、C1−4アルキル、C6−10ハロアリール、C1−4ハロアルキルまたはC6−10ハロアリールC1−6アルキレンから選択され;
は、C6−10アリール、C6−10アリールC1−6アルキレン、C1−4アルキル、C6−10ハロアリール、C1−4ハロアルキルまたはC6−10ハロアリールC1−6アルキレンから選択される)
の化合物、または、その互変異性体、ラセミ化合物、立体異性体、薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物の調製方法であって、
式(10)または(12)の化合物を、式B’−Hの化合物と光延条件下でカップリングさせる工程を含む方法を提供する。

(式中、Hは水素であり、
B’は、Bであるか、あるいはプリニル、ピリミジルまたはそのアザもしくはデアザ類似体、または、−NRからなる群より選択され;各基は独立して、ハロ、アミノ、ヒドロキシル、C1−6アルキル、アミノC1−6アルキル、ニトロ、ホルムアミド、−NHR18またはORから選択される1種類以上の置換基で任意に置換されており;前記プリニルまたはピリミジルの炭素原子は酸化されてC=Oを形成していてもよく、ここで、Rは、C1−4アルキル、C6−10アリールC1−6アルキレンまたはC6−10アリールから選択され、R18は、C6−10アリールC1−6アルキレン、C1−6アルキルカルボニル、ハロC1−6アルキルカルボニル、C1−6アルキルオキシカルボニル、9−フルオレニルメチルオキシカルボニルまたはC6−10アリールC1−6アルキルオキシカルボニルから選択され;
は、水素、C6−10アリール、C6−10アリールC1−6アルキレン、C1−4アルキル、C6−10ハロアリール、C1−4ハロアルキルまたはC6−10ハロアリールC1−6アルキレンから選択され;
は、C6−10アリール、C6−10アリールC1−6アルキレン、C1−4アルキル、C6−10ハロアリール、C1−4ハロアルキルまたはC6−10ハロアリールC1−6アルキレンから選択され;
13は、水素、C1−6アルキル、C6−10アリール、C6−10アリールC1−6アルキレン、C6−10ハロアリール、C1−6ハロアルキル、C6−10ハロアリールC1−6アルキレン、C6−10アミノアリール、C1−6アミノアルキル、C6−10アミノアリールC1−6アルキレンおよびC1−6アルコキシからなる群より選択され、R14は、C1−6アルキル、C6−10アリール、C6−10アリールC1−6アルキレン、C6−10ハロアリール、C1−6ハロアルキル、C6−10ハロアリールC1−6アルキレン、C6−10アミノアリール、C1−6アミノアルキル、C6−10アミノアリールC1−6アルキレンおよびC1−6アルコキシから選択される基であり、各基は、各々が独立して、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルコキシまたはアミノから選択される1種類以上の置換基で任意に置換されている)。
当該技術分野で知られた式(A)の化合物の調製方法では、特定の条件下で式B’−Hの化合物のカップリングの際にラセミ化が起こり得る。光延条件下での反応は、ラセミ化のリスクが排除されるという利点を有する。得られた生成物は、次いで、本明細書において上記した手順、例えばスキームIによる手順による式(A)の化合物の調製に使用することができる。
さらなる実施形態では、化合物(10)は、式(5a)または(14)の化合物である

(式中、nは0〜5の整数であり、Xは、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルコキシまたはアミノから選択される)。
以下の実施例は本発明を説明する。
以下の実施例は、本発明を説明する目的で示しており、決して本発明の範囲を限定することを意図したものではなく、また決して本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきでない。
1)(1R,2R)−1,2−ビス(ヒドロキシメチル)シクロプロパンカルボン酸エチル(2c)の調製

反応器内に、エタノール(82.4L)、続いて(1S,5R)−2−オキソ−3−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン−1−カルボン酸エチル(10.3kg,64.6mol)を添加し、10℃まで冷却した。水素化ホウ素ナトリウム(1.85kg,51.7mol)を反応温度が10〜15℃に維持されるように、1時間かけて分割して添加した。反応温度を20〜25℃まで上げ、1時間維持した。反応の進行をHPLCによってモニタリングした。反応終了後、反応物を0〜5℃まで冷却した。反応物のpHを7.0に、1.5N水性HClを用いて0〜5℃で1時間調整した。酢酸エチル(34.0L)を反応物に添加し、固形物を濾過した。透明な濾液を40〜45℃にて減圧蒸留して大部分の溶媒を除去し、濃縮物をジクロロメタン(103.0L)に溶解させた。ジクロロメタン層を水(2×10.5L)で洗浄した。水層をジクロロメタン(3×10.5L)で再抽出した。ジクロロメタン層を合わせ、ブライン(1×15.0L)で洗浄した。有機層を回収し、40〜45℃にて減圧蒸留して大部分の溶媒を除去した。濃縮物を60〜120メッシュプラグのシリカゲルカラムに通し(溶離剤として石油エーテル、続いて100%酢酸エチルを使用)、5.0kg(47.4%)の標題化合物(2c)を得た。
2)(1R,7R)−4−フェニル−3,5−ジオキサビシクロ[5.1.0]オクタン−1−カルボン酸エチル(4c)の調製

(1R,2R)−1,2−ビス(ヒドロキシメチル)シクロプロパンカルボン酸エチル(10.5kg,60.3mol)のシクロヘキサン(105.0L)溶液を反応器内に添加した。次いで、ベンズアルデヒドジメチルアセタール(11.6kg,76.4mol)を、続いてカンファースルホン酸(73.0g)をこの反応器内に添加した。反応物を加熱還流し、溶媒の一部を共沸蒸留した。反応の進行をHPLCによってモニタリングした。反応が終了したら、反応物を、45℃未満で減圧蒸留して大部分の溶媒を除去した。この濃縮物に石油エーテル(32.0L)を添加し、撹拌して生成物を析出させた。このスラリーを0〜5℃まで冷却し、15分間撹拌した。スラリーを濾過し、冷石油エーテル(11.0L)で洗浄した。生成物をジクロロメタン(210.0L)に溶解させ、水(52.0L)、続いてブライン(53.0L)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム(5.5kg)上で乾燥させ、蒸留して大部分の溶媒を除去した。石油エーテル(21.0L)を添加し、25〜30℃で30分間撹拌し、生成物を完全に析出させた。このスラリーをさらに0〜5℃まで冷却し、60分間撹拌した。スラリーを濾過し、冷石油エーテル(11.0L)で洗浄した。生成物を棚式真空乾燥機内で12時間、45〜50℃未満で乾燥させ、10.25Kg(64.5%)の標題化合物(4c)を得た。
3)[(1S,7R)−4−フェニル−3,5−ジオキサビシクロ[5.1.0]オクタン−1−イル]メタノール(5c)の調製

〈反応〉
反応器内にテトラヒドロフラン(110.0L)を窒素下で仕込んだ後、(1R,7R)−4−フェニル−3,5−ジオキサビシクロ[5.1.0]オクタン−1−カルボン酸エチル(11.0kg,41.9mol)を添加した。混合物を撹拌して透明な溶液を得、10〜15℃まで冷却した。水素化アルミニウムリチウム(テトラヒドロフラン中2M,17.1L,35.6mol)を1時間にわたって、温度を10〜15℃に維持しながら滴下した。反応の進行をHPLCによってモニタリングした。反応終了後、反応物を0〜5℃まで冷却した後、その温度を維持しながら酢酸エチル(55.0L)とブライン(55.0L)を添加して反応を停止させた。反応物の温度を徐々に20〜25℃まで上げ、1時間撹拌した。有機層を分離し、水(55.0L)とブライン(55.0L)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム(6.0kg)上で乾燥させ、溶媒を留去した。残渣に石油エーテル(22.0L)を添加して生成物を析出させ、このスラリーを0〜5℃まで冷却し、30分間撹拌した。スラリーを濾過し、冷石油エーテル(5.0L)で洗浄した。生成物を棚式真空乾燥機内で4時間、40〜45℃未満で乾燥させ、7.6Kgの標題化合物(5c)を粗生成物として得た。
〈精製〉
反応器内に酢酸エチル(27.5L)を添加した後、[(1S,7R)−4−フェニル−3,5−ジオキサビシクロ[5.1.0]オクタン−1−イル]メタノール粗生成物(7.6Kg)を添加し、この懸濁液を撹拌して透明な溶液を得た。この溶液を65℃まで加熱して完全に溶解させた。この溶液を徐々に20〜25℃まで冷却すると、溶液から生成物が晶出し始めた。この懸濁液に石油エーテル(79.0L)を添加し、撹拌した。得られた溶液を0〜5℃まで冷却し、このスラリーをこの温度で1時間維持した。スラリーを濾過し、生成物を冷却石油エーテル(8.0L)で洗浄した。生成物を棚式真空乾燥機内で12時間、40〜45℃未満で乾燥させ、6.1Kg(66.2%)の標題化合物(5c)を得た。
4)メタンスルホン酸[(1R,7R)−4−フェニル−3,5−ジオキサビシクロ[5.1.0]オクタン−1−イル]メチル(6c)の調製

反応器内で、塩化メシル(280g,2.4mol)のジクロロメタン(2L)溶液を、[(1S,7R)−4−フェニル−3,5−ジオキサビシクロ[5.1.0]オクタン−1−イル]メタノール(450g,2.0mol)およびトリエチルアミン(310g,3.1mol)の混合物が入ったジクロロメタン(4.7L)に添加した。27℃の最大内部温度が観察された。混合物を1時間撹拌した。水(4.5L)を添加し、相を分離し、水相をジクロロメタン(2.3L)で抽出した。合わせた有機相を水(2.3L)で洗浄し、続いて減圧下で濃縮し、オフホワイト色の固形生成物を得た。この物質をさらに精製せずにそのまままで次の反応工程に使用した。
5)6−クロロ−9−(((1S,7R)−4−フェニル−3,5−ジオキサビシクロ[5.1.0]オクタン−1−イル)メチル)−9H−プリン−2−アミン(8c)の調製

反応器内に、クロロプリン(具体的には、6−クロロ−9H−プリン−2−アミン)(220g,1.3mol)と炭酸カリウム(800g,5.8mol)を仕込んだ。先の工程の粗生成物をアセトニトリル(16L)に溶解した。この溶液の一部(12.8L)を反応器に、さらなるアセトニトリル(1L)とともに添加した。混合物を加熱還流し、この温度で6時間撹拌した。混合物を放冷し、周囲温度で一晩撹拌した。反応が終了した。固形物を濾過によって取り出した。この濾過ケークをアセトニトリル(0.75L)で2回洗浄した。濾液を約2Lの容量まで減圧濃縮し、そのままで次の工程に供した。
6)2−アミノ−9−[[(1S,2R)−1,2−ビス(ヒドロキシメチル)シクロプロピル]メチル]−1,9−ジヒドロ−6H−プリン−6−オン(Ac’)の調製

塩酸(1N,5L)およびさらなるアセトニトリル(0.5L)を前の工程の懸濁液(2L)に添加した。反応混合物を加熱還流し、蒸留液(約1.5L)を除去した。16時間後、反応を終了させた。反応混合物をメチル−tert−ブチルエーテル(2×1L)で抽出した。得られた水層を、水酸化ナトリウム(6M,1L)の添加によってpH=6.4にした。温度を約35℃まで上昇させると緑色の溶液が得られた。このバッチを冷却すると、約20℃で晶出が起こった。48時間の撹拌後、バッチを10℃まで冷却し、濾過した。結晶物を冷却水(1L)で洗浄した。湿潤生成物(436g)を40℃で36時間減圧乾燥し、185gの標題化合物を粗生成物として得た。
7)2−アミノ−9−[[(1S,2R)−1,2−ビス(ヒドロキシメチル)シクロプロピル]メチル]−1,9−ジヒドロ−6H−プリン−6−オン(Ac’)のそのナトリウム塩を経由した精製
前の工程の粗生成物(185g)をメタノール(0.9L)に懸濁させた。ナトリウムメトキシド(0.26L,メタノール中5.4M)を15℃で添加した。暗色に着色した溶液が得られた。混合物を周囲温度で0.5時間撹拌し、続いて3℃まで冷却した。結晶性の白色物質が、緑がかった灰色の液体中に出現した。このナトリウム塩を濾過によって単離し、冷メタノール(0.3L)で洗浄した。湿潤ケーク(255g)を30〜40℃で減圧乾燥し、115gの標題化合物のナトリウム塩を得た。この標題化合物のナトリウム塩(110g)を周囲温度で水(550ml)に懸濁させた。この懸濁液に塩酸水溶液(2M,170ml)を添加した。発熱を伴うTIn=25℃までの温度上昇が観察され、混合物のpHは6.4であった。スラリーを約25℃で0.5時間撹拌し、次いで4℃まで冷却した。この結晶のスラリーを濾過し、水(100ml)で洗浄した。得られた灰色がかったクレイを30〜40℃で減圧乾燥し、94gの標題化合物を高純度で得た。
特定の実施形態では、本明細書において上記した工程4)および5)は、化合物(5c)と6−クロロ−9H−プリン−2−アミンとの光延条件下でのカップリングに置き換えられてもよく、それにより化合物(8c)を得る。その後、化合物(Ac’)を得るべく、化合物(8c)をさらに反応させることができる。これを以下の非限定的な実施例によって示す。
4’)光延条件下での6−クロロ−9−(((1S,7R)−4−フェニル−3,5−ジオキサビシクロ[5.1.0]オクタン−1−イル)メチル)−9H−プリン−2−アミン(8c)の調製

反応器内で、[(1S,7R)−4−フェニル−3,5−ジオキサビシクロ[5.1.0]オクタン−1−イル]メタノール(750g,3.4mol)(5c)、6−クロロ−9H−プリン−2−アミン(7c)(479g,2,8mol)およびトリフェニルホスフィン(930g,3.5mol)の混合物の入った2−メチルテトラヒドロフラン(7.4L)を室温で30分間撹拌し、次いで、65℃(+/−5℃)まで加熱した。この混合物に、DIAD(711g,3.5mol)の2−メチルテトラヒドロフラン(740mL)溶液を1時間にわたって投入した。混合物を還流下で1時間撹拌し、次いで室温まで一晩放冷した。固形物を濾過によって除去した。反応器を2−メチルテトラヒドロフラン(740mL)ですすぎ、この液を用いてフィルター上の固形物を洗浄した。濾液をそのままで次の工程(6’)に供した。
6’)2−アミノ−9−[[(1S,2R)−1,2−ビス(ヒドロキシメチル)シクロプロピル]メチル]−1,9−ジヒドロ−6H−プリン−6−オン(Ac’)の調製

前の工程(4’)の濾液を反応器に仕込んだ。この濾液を内包する容器を2−メチルテトラヒドロフラン(740mL)ですすぎ、次いで、これを反応器に添加した。この溶液に2M塩酸水溶液を添加した。反応器の内容物を70℃(+/−5℃)まで加熱した。2時間後、混合物を室温まで冷却した。水相と有機相とが分離した。次いで、水相を2−メチルテトラヒドロフラン(2×3.7L)で抽出した後、tert−ブチルメチルエーテル(3.8L)で抽出した。バッチ温度を40℃未満に維持しながら、得られた水相のpHを水酸化ナトリウム水溶液の添加によって6.5(+/−0.5)にした。混合物を室温まで放冷し、一晩撹拌した。粗生成物を濾過によって単離し、水(1.5L)で洗浄した。単離した湿潤生成物を40(+/−5)℃で減圧乾燥し、357gの2−アミノ−9−[[(1S,2R)−1,2−ビス(ヒドロキシメチル)シクロプロピル]メチル]−1,9−ジヒドロ−6H−プリン−6−オン(Ac’)を粗生成物として得た。

Claims (13)

  1. 式(5):
    (式中、nは0〜5の整数であり、XはC1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルコキシまたはアミノから選択され;R11はヒドロキシルまたはアミノである)
    の化合物、または、その互変異性体、ラセミ化合物もしくは立体異性体。
  2. 式(5’):
    の化合物である、請求項1に記載の化合物。
  3. 請求項1または2に記載の式(5):
    (式中、n、XおよびR11は請求項1に定義したものと同じ意味を有する)
    の化合物、または、その互変異性体、ラセミ化合物もしくは立体異性体の調製方法であって、
    式(4):
    (式中、R12は−ORまたはアミノであり、Rは、C1−6アルキル、C6−10アリール、C6−10アリールC1−6アルキレン、C6−10ハロアリール、C1−6ハロアルキルまたはC6−10ハロアリールC1−6アルキレンから選択される)
    の化合物の−COR12部分を変換させ、それにより式(5)の化合物を得る工程を含む方法。
  4. 前記式(4)の化合物は、化合物(4a)であり、
    前記式(4)の化合物の調製は、式(2)の化合物を式(3)の化合物と反応させ:
    それにより化合物(4a):
    (式中、R19はOR23であり、R23は、C1−6アルキル、C6−10アリール、C6−10アリールC1−6アルキレン、C6−10ハロアリール、C1−6ハロアルキルまたはC6−10ハロアリールC1−6アルキレンから選択され、RおよびRは、各々独立して、C1−6アルキル、C6−10アリールC1−6アルキレンまたはC6−10アリールから選択される)
    を得ることを含む、請求項3に記載の方法。
  5. 化合物(4a)のエステル部分をアミド部分に変換させ、それにより式(4b):
    の化合物を得る工程をさらに含む、請求項4に記載の方法。
  6. 式(A):
    (式中、Bは、プリニル、ピリミジルまたはそのアザもしくはデアザ類似体、または、−NRからなる群より選択され;各基は独立して、ハロ、アミノ、ヒドロキシル、C1−6アルキル、アミノC1−6アルキル、ニトロ、ホルムアミド、−NHR18またはORから選択される1種類以上の置換基で任意に置換されており;前記プリニルまたはピリミジルの炭素原子は酸化されてC=Oを形成していてもよく、ここで、Rは、C1−4アルキル、C6−10アリールC1−6アルキレンまたはC6−10アリールから選択され、R18は、C6−10アリールC1−6アルキレン、C1−6アルキルカルボニル、ハロC1−6アルキルカルボニル、C1−6アルキルオキシカルボニル、9−フルオレニルメチルオキシカルボニルまたはC6−10アリールC1−6アルキルオキシカルボニルから選択され;
    は、水素、C6−10アリール、C6−10アリールC1−6アルキレン、C1−4アルキル、C6−10ハロアリール、C1−4ハロアルキルまたはC6−10ハロアリールC1−6アルキレンから選択され;
    は、C6−10アリール、C6−10アリールC1−6アルキレン、C1−4アルキル、C6−10ハロアリール、C1−4ハロアルキルまたはC6−10ハロアリールC1−6アルキレンから選択される)
    のシクロプロパン誘導体の調製のための請求項1または2のいずれかに記載の式(5)の化合物の使用。
  7. 式(A):
    (式中、Bは、プリニル、ピリミジルまたはそのアザもしくはデアザ類似体、または、−NRを含む群から選択され;各基は独立して、ハロ、アミノ、ヒドロキシル、C1−6アルキル、アミノC1−6アルキル、ニトロ、ホルムアミド、−NHR18またはORから選択される1種類以上の置換基で任意に置換されており;前記プリニルまたはピリミジルの炭素原子は酸化されてC=Oを形成していてもよく、ここで、Rは、C1−4アルキル、C6−10アリールC1−6アルキレンまたはC6−10アリールから選択され、R18は、C6−10アリールC1−6アルキレン、C1−6アルキルカルボニル、ハロC1−6アルキルカルボニル、C1−6アルキルオキシカルボニル、9−フルオレニルメチルオキシカルボニルまたはC6−10アリールC1−6アルキルオキシカルボニルから選択され;
    は、水素、C6−10アリール、C6−10アリールC1−6アルキレン、C1−4アルキル、C6−10ハロアリール、C1−4ハロアルキルまたはC6−10ハロアリールC1−6アルキレンから選択され;
    は、C6−10アリール、C6−10アリールC1−6アルキレン、C1−4アルキル、C6−10ハロアリール、C1−4ハロアルキルまたはC6−10ハロアリールC1−6アルキレンから選択される)
    の化合物、または、その互変異性体、ラセミ化合物、立体異性体、薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物の作製方法であって;
    式(8):
    (式中、nは0〜5の整数であり、XはC1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルコキシまたはアミノであり;
    B’は、Bであるか、あるいはプリニル、ピリミジルまたはそのアザもしくはデアザ類似体、または、−NRからなる群より選択され;各基は独立して、ハロ、アミノ、ヒドロキシル、C1−6アルキル、アミノC1−6アルキル、ニトロ、ホルムアミド、−NHR18、−NR2425またはORから選択される1種類以上の置換基で任意に置換されており;前記プリニルまたはピリミジルの炭素原子は酸化されてC=Oを形成していてもよく、ここで、Rは、C1−4アルキル、C6−10アリールC1−6アルキレンまたはC6−10アリールから選択され、R18は、C6−10アリールC1−6アルキレン、C1−6アルキルカルボニル、ハロC1−6アルキルカルボニル、C1−6アルキルオキシカルボニル、9−フルオレニルメチルオキシカルボニルまたはC6−10アリールC1−6アルキルオキシカルボニルから選択され、R24およびR25は、独立して水素またはC1−6アルキルであり;
    は、水素、C6−10アリール、C6−10アリールC1−6アルキレン、C1−4アルキル、C6−10ハロアリール、C1−4ハロアルキルまたはC6−10ハロアリールC1−6アルキレンから選択され;
    は、C6−10アリール、C6−10アリールC1−6アルキレン、C1−4アルキル、C6−10ハロアリール、C1−4ハロアルキルまたはC6−10ハロアリールC1−6アルキレンから選択される)
    の化合物を加水分解または還元する工程を含む方法。
  8. 前記式(8)の化合物は、式(5a)の化合物と、式B’−Hの化合物とのカップリングによって調製される
    (式中、Xおよびnは請求項1に定義したものと同じ意味を有し、B’は請求項7に定義したものと同じ意味を有し、Hは水素である)
    請求項7に記載の方法。
  9. 式(5a)の化合物と化合物B’−Hとのカップリングの前に、式(5a)の化合物のヒドロキシル部分を変換させ、式(6):
    (式中、LGは、ハロ、メシラート、トシラート、アジド、ノシラート、トリフラート、シアノまたはイミダゾリルから選択される脱離基を表す)
    の化合物を得る、請求項8に記載の方法。
  10. 式(5b)の化合物を式(13)の化合物:
    (式中、R15は−OR27またはR28であり、R16は、アミノ、ニトロ、ホルムアミドおよび水素からなる群より選択され、R17は、ハロ、C1−6アルコキシ、C1−6アリールオキシ、C6−10アリールC1−6アルキレンオキシ、C1−6アルキルスルフィニル、C6−10アリールスルフィニル、C6−10アリールC1−6アルキレンスルフィニル、C1−6アルキルスルホニル、C6−10アリールスルフィニル、C6−10アリールC1−6アルキレンスルホニル、C1−6アルキルチオ、C6−10アリールチオ、C6−10アリールC1−6アルキレンチオ、C1−6アルキルスルホナート、C6−10アリールスルホナート、ハロC1−4アルキルスルホナート、C1−6アルキルホスホナートおよびC6−10アリールホスホナートから選択され;
    27は、水素、C1−6アルキル、C6−10アリールおよびC6−10アリールC1−6アルキレンからなる群より選択され、R28は、ハロ、C1−6アルコキシ、C1−6アリールオキシ、C6−10アリールC1−6アルキレンオキシ、C1−6アルキルスルフィニル、C6−10アリールスルフィニル、C6−10アリールC1−6アルキレンスルフィニル、C1−6アルキルスルホニル、C6−10アリールスルフィニル、C6−10アリールC1−6アルキレンスルホニル、C1−6アルキルチオ、C6−10アリールチオ、C6−10アリールC1−6アルキレンチオ、C1−6アルキルスルホナート、C6−10アリールスルホナート、ハロC1−4アルキルスルホナート、C1−6アルキルホスホナートおよびC6−10アリールホスホナートから選択され;
    26は、水素、C6−10アリールC1−6アルキレンまたはCOR30(ここで、R30は、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、9−フルオレニルメチルオキシまたはC6−10アリールC1−6アルキルオキシから選択される)から選択される)
    と反応させる工程をさらに含む、請求項7に記載の方法。
  11. 化合物(5a)または(5b)を請求項3または5のいずれかに記載の方法を用いて調製する、請求項8〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記式(5a)または(5b)の化合物を結晶化し、精製する工程をさらに含む、請求項11に記載の方法。
  13. 式(A)の化合物は、式(A’):
    の化合物である、請求項7〜12のいずれか1項に記載の方法。
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