JP6050634B2 - 数値制御装置の処理能力を考慮する加工時間予測装置 - Google Patents

数値制御装置の処理能力を考慮する加工時間予測装置 Download PDF

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Description

本発明は、数値制御工作機械によりワークの加工を行う加工時間を予測する加工時間予測装置に関する。
数値制御工作機械による加工時間を予め予測することは、工作機械を効率的に運用するために重要であり、そのために、先行技術文献に挙げた技術が公知である。これらの公知技術は、特許文献1〜3のように、数値制御装置が算出する速度を予測することにより、或いは、特許文献4のように、数値制御装置の処理をそのまま利用することにより、加工時間を求めている。
しかしながら、これらの先行技術は、数値制御装置が工具の速度を決めるアルゴリズムは考慮されているが、そのアルゴリズムを実行するために数値制御装置が必要とする時間については、何も考慮されていない。数値制御装置の処理をそのまま利用する方法では、一見、この時間が自動的に考慮されるように思われるが、加工時間予測は、実際の加工時間よりも遥かに短い時間で結果を出す必要があり、数値制御装置と同じように処理を実行することができないので、何らかの対策をとらない限り、この時間(そのアルゴリズムの処理を実行するために数値制御装置が必要とする時間)を考慮していないことになる。これは、従来の加工時間予測技術が、工具経路の曲率などによって速度が制限されることを除いて、数値制御工作機械が指令された通りの速度で加工を行うと仮定していることを意味する。これまでの数値制御装置により制御された工作機械による加工が、この仮定が成り立つ範囲の工具の移動速度で行われており、従来の加工時間予測技術で充分であった。
特許第4980458号公報 特許第4815907号公報 特許第4802170号公報 特許第4891528号公報
公技番号2012−502270
工作機械による加工の高速・高精度化が進むと、加工プログラムで指令されるブロックの長さ(1つのブロックの指令で加工する加工経路の長さ)は短くなり、加工速度は速くなる。このような場合は、数値制御装置が単位時間あたりに実行しなければならない処理が増加し、前記アルゴリズムの処理を実行するために数値制御装置が必要とする時間(処理時間)を無視できなくなる。その結果、実際の加工速度が数値制御装置の処理時間の影響を受けるようになり、従来の加工時間予測技術で想定されていた仮定が成り立たなくなる。
一般に、工作機械を制御する数値制御装置は、加工プログラムを解読して個々のブロックの情報を表すブロックデータを生成し、ブロックデータが表す工具経路を経路切片に分割した後、経路切片のデータを処理して機械の駆動指令を次々と生成する。高速・高精度加工のように、短いブロックで加工プログラムが構成されている場合、指令される加工速度が速くなると、数値制御装置が単位時間あたり処理すべきデータの数も増大する。
しかし、単位時間あたり生成できるブロックデータや経路切片データの数は、数値制御装置のプロセッサの演算能力や生成したデータを保持する中間メモリ(バッファ)の容量によって制限されるため、処理できるデータの数には上限があり、処理すべきデータの数が処理できるデータの数を上回るという事態が生ずる。このような事態になると、処理できるデータの数に依存する実際の加工速度が指令速度を下回るようになり、加工時間も、予想される値より長くなる。
したがって、数値制御装置に備わったプロセッサの演算能力や保持できるデータの数による制約を考慮しない従来の加工時間予測手法は、実際の加工時間よりも短い値を予測してしまう。すなわち、従来の加工時間予測手法は、その適用が、数値制御装置の処理能力が影響しない範囲の指令速度に限定される、という問題があった。
そこで本発明は、このような制限をなくし、従来の手法が適用できない速度領域でも、精度のよい加工時間の予測値を算出することが可能な加工時間予測装置を提供することを課題とする。
そして、本願の請求項1に係る発明は、数値制御装置によって制御される工作機械による加工の加工時間を予測する加工時間予測装置であって、前記数値制御装置が加工プログラムを解読して機械を駆動する指令を生成するための処理を実行する時の実行速度を表す処理能力を、加工プログラムのブロックの文字数を含む数式と、加工プログラムを実行して測定した値、を用いて数値化しておき、該数値化された処理能力を用いて加工時間を算出する加工時間予測装置である。
請求項2に係る発明は、前記処理能力を、前記数値制御装置の演算プロセッサの演算能力と、加工プログラムを構成する各ブロックに対して数値制御装置が生成するブロックデータの数に対する制約と、ブロックデータで表される工具経路を分割したセグメントに対して前記数値制御装置が生成するセグメントデータの数に対する制約の、少なくとも一つに基づいて数値化することを特徴とする請求項1に記載の加工時間予測装置である。
請求項3に係る発明は、前記処理能力を、単位時間あたり生成できるブロックデータの数、または、単位時間あたり生成できるセグメントデータの数、または、単位時間あたりに処理できる前記セグメントデータの数、のいずれか1つによって、処理能力の指標として数値化することを特徴とする請求項1に記載の加工時間予測装置である。
請求項4に係る発明は、前記処理能力の指標の数値化を、更に、数値制御装置の制御軸数と、加工プログラムで使用する数値制御装置の機能と、前記加工プログラムの1ブロックを記述する文字数の、少なくとも一つに基づいて行うことを特徴とする請求項3に記載の加工時間予測装置である。
請求項5に係る発明は、前記処理能力の数値化を、予め測定しておいた基準機能の基準指標値と、加工プログラムで使用する数値制御装置の機能の前記予め測定しておいた基準機能の基準指標値に対する比率と、を用いて行うことを特徴とする請求項1に記載の加工時間予測装置である。
本発明により、従来の加工時間予測技術の課題であった指令速度に関する制約が不要になり、すべての指令速度で精度のよい加工時間の予測が可能になる。高速・高精度加工においては、加工プログラムが短い長さのブロックで構成され、指令速度も大きいので、本発明は、特に、このような加工において有効である。
本発明に係る加工時間予測装置の実施形態を説明するブロック図である。 基準機能記憶部に保持されたデータの例を説明する図である。 本発明における有効データ数の計算フローを説明する図である。 セグメントデータバッファにあるデータと有効データを説明する図である。
以下、本発明の実施形態を図面と共に説明する。
本発明は、演算プロセッサの演算能力を始めとする、数値制御装置の処理能力を考慮して加工時間を算出する、数値制御工作機械による加工の加工時間を予測する加工時間予測装置である。
この加工時間予測装置は、数値制御装置が加工プログラムで与えられた工具経路を分割した工具経路切片に対して生成するセグメントデータを用いて、単位時間あたりに処理できるセグメントデータの最大数によって処理能力を数値化し、数値制御装置が各時点で実際に処理できるセグメントデータの数を予測することによって、加工時間を算出する。従来の数値制御装置の処理能力を考慮しない加工時間予測装置では、指令速度が大きくなると予測値の誤差が増加するのに対し、本発明の加工時間装置では、すべての速度領域で、精度よく加工時間を予測できる。
工作機械を制御する数値制御装置は、加工プログラムを解読してブロックデータを生成し、ブロックデータからブロックを細分化した工具経路の切片(セグメント)を表すセグメントデータを生成して、セグメントデータを基に加工速度を決める。加工速度は、先読みした工具経路の末端で所定の速度(通常は0とする)にならねばならない。生成されたセグメントデータが先読み経路を表し、先読み経路が長いほど現在の速度を大きくできるので、指令速度が大きい時は多くのセグメントデータが必要になる。セグメントデータは、工作機械を制御する数値制御装置に内蔵されたプロセッサを動作させて生成されるので、単位時間あたり生成されるセグメントデータの数は、プロセッサの演算能力に依存する。したがって、数値制御装置が算出する速度を用いて加工時間を求める加工時間予測では、速度の予測に用いるセグメントデータの数を決めるところで、数値制御装置の処理能力を考慮すればよい。
特許文献1では、工具経路をセグメントに分割し、セグメント毎に移動時間を求め、各セグメントの移動時間を足し上げて加工時間とする方法が開示されている。これには、セグメントデータを中間メモリ(バッファ)(図1参照)に蓄積し、蓄積されたセグメントが先読みされた工具経路を表すと考えて速度を決める処理も含まれている。そこで、本発明では、この方法をそのまま採用し、数値制御装置の処理能力に基づいてセグメントデータの数を決める処理を追加することにより、処理能力を考慮した加工時間予測を実現する。
数値制御装置の処理能力は、単位時間あたり生成できるセグメントデータの最大数で表すこととし、これを処理能力の指標とする。加工時間が数値制御装置の処理能力の影響を受ける時は、数値制御装置は、できる限り指令された加工速度を実現しようとして、余裕なしで動いている。一般に、総制御軸数、加工プログラムのブロックの指令に基づいて使用する数値制御装置の機能、および、加工プログラムのブロックの文字数によって、数値制御装置が処理に要する時間は異なるので、処理能力の指標はこれらに依存する。
処理能力の指標の値は、実際に数値制御装置を動作させて計測する。これらの処理能力の指標の値を予め測定して加工時間予測装置に保持し、総制御軸数、加工プログラムにより実際に使用する数値制御装置の機能に応じて、対応する処理能力の指標の値を取り出す。ブロックの文字数に対する依存性には、後述する規則性があるので、ある文字数の時の指標の値を測定しておき、実際の値と記憶した値、および、この規則を用いて、処理能力の指標の値を決める。処理能力の指標の値の測定によって異なる処理能力の指標の間に何らかの関係が認められたならば、記憶する指標の数を減らして、関連する指標の値を記憶した指標から求めるようにする。
図1は、本発明の一実施形態を示すブロック図である。加工時間予測装置1は、例えば、パーソナルコンピュータによって構成され、NC指令解読部10、速度制約処理部20、セグメントデータ生成部30、中間メモリ(バッファメモリ)40、セグメント移動時間計算部50、全移動時間計算部60、基準指標記憶部70、指標計算部80、有効データ数計算部90を備えている。
本実施形態における加工時間予測装置1の構成は、基準指標記憶部70と指標計算部80、および、有効データ数計算部90を除いて、特許文献1の実施形態の構成と同じであり、両者に共通する、NC指令解読部10、速度制約処理部20、セグメントデータ生成部30、中間メモリ40、セグメント移動時間計算部50、全移動時間計算部60の動作も同じである。
次に、工作機械を制御する数値制御装置の処理能力を考慮した加工時間の予測の手順を説明する。前記特許文献1に開示される構成要素の内容と動作について本発明と共通する点は、要点のみを記述する。NC指令解読部10は、NC指令(加工プログラム)2を入力として受け取り、その内容を解読してNC指令(加工プログラム)2に記述されるブロック毎の指令データに変換してブロックデータを生成する。生成されたブロックデータは、ブロックの始点と終点の位置、経路の種類、工具の速度の情報を含む。経路の種類は、経路が直線か円弧かなどの経路の形状や5軸加工における制御方式などの動きの種類を指定する情報を含み、これによって、各加工プログラムのブロックで使用する数値制御装置の機能を特定することができる。
速度制約処理部20は、大域速度制約処理部21、局所速度制約処理部22、データ量依存速度制約処理部23を含む。大域速度制約処理部21は、工具経路の曲率など、工具経路の幾何学的形状に基づいてセグメント全体にわたって速度の上限値を設定する。局所速度制約処理部22は、後述するセグメントデータ生成部30で生成されたセグメントデータについて、隣接するセグメント間の速度、加速度、加加速度の差が予め設定された上限値以下になるように、セグメント終点の速度に対する上限値を設定する。セグメントデータ生成部30は、ブロックを更に分割してセグメントを生成し、個々のセグメントを記述するセグメントデータを中間メモリ(バッファメモリ)40へ格納する。なお、これらの手順は、特許文献1の実施形態と同じである。
本発明を特徴づけるのが、基準指標記憶部70、指標計算部80、および、有効データ数計算部90であり、これらはデータ量依存速度制約処理部23で使用するデータの数を決める。基準指標記憶部70は、基準となる機能(基準機能)について、ブロックの文字数がある値の時に測定した処理能力の指標の値(基準指標値)を、また、基準となる機能以外の機能について、基準機能と同じブロック文字数で測定した処理能力の指標の値を基準指標値に対する比率の形で保持している(図2参照)。比率ではなく、値自体を保持してもよいが、比率は数値制御装置に用いられるプロセッサが異なっても変わらないと考えられるため、異なるプロセッサを搭載した数値制御装置について、基準機能の基準指標値を測定するだけでよい。図2に、基準指標記憶部70に保持されているデータの一例を示す。基準指標値は2.3である。機能Aの指標の比率は0.8、機能Bの指標の比率は0.9、・・・、機能Zの指標の比率は0.5、文字数依存性を決める定数は0.01である。
指標計算部80では、ブロックデータから、移動時間を計算しようとしているセグメントで使用する数値制御装置の機能を特定し、基準指標記憶部70からその機能に対応した指標の値を取得すると共に、同じく、ブロックデータからブロックの文字数を取得し、これらの値を用いて指標の値を計算する。計算には数1式を用いる。
Figure 0006050634
ここで、NAはセグメントで使用する数値制御装置の機能Aに対する指標値、N0は、基準機能の基準指標値、hAは機能Aに対する指標値の基準機能の基準指標値に対する比、kは指標の文字数依存性の測定から得られた定数、nはブロックの文字数を表す。数1式の右辺に現われる諸量の中、nは移動時間を求めるセグメントを含むブロックのブロックデータから読み取り、その他の量は基準指標記憶部70から取得する。
有効データ数計算部90は、指標計算部80で求めた指標の値を用いて、セグメントデータバッファ(中間メモリ40)にあるセグメントの中で先読みした工具経路を構成するセグメントの数(有効データ数N_efc)を求める。これは、セグメントデータバッファ(中間メモリ40)へのデータの取り込みは、加工時間予測装置が加工時間をシミュレーションする工作機械を制御する数値制御装置の処理能力を考慮せずに行い、その代わりに、バッファ(中間メモリ40)にあるデータの中で速度の計算に使うデータの数として有効データ数N_efcを決めることを意味する。したがって、一般に、有効データ数計算部90で求められた有効データ数はバッファ(中間メモリ40)にあるデータの総数とは異なる。
<本発明における有効データ数の計算フロー>
有効データ数計算部90における有効データ数N_efcの計算は、一つのセグメントの移動時間の計算が終わる度に行う。その手順を、図3に示すフローチャートによって説明する。
●[ステップSA01]最初のセグメントか否かを判定する。最初のセグメントの場合はステップSA02へ進み、2番目以降のセグメントの場合はステップSA03へ進む。
●[ステップSA2]有効データ数N_efcとデータ供給の余裕N_cumに所定の初期値を設定し、セグメント移動時間の局所和T_cumを0にリセットして、終了する。
●[ステップSA3]セグメントの移動時間の局所和T_cumを数2式により更新する。
Figure 0006050634
ここで、T_segは、前セグメントの移動時間を表し、その値は移動時間の計算で得られている。数2式の右辺のセグメント移動時間の局所和T_cumは更新前の値を、また、左辺のT_cumは更新後の値を表す。後述する数式においても、右辺と左辺に同じ変数が現われる場合は、右辺の変数は更新前の値を、左辺の変数は更新後の値を表す。
●[ステップSA04]数値制御装置は、一定の周期τ毎に、バッファ(図1の中間メモリ40に対応)にデータを供給する。それを反映するため、セグメント移動時間の局所和T_cumがτを超えたか否かを判定する。局所和T_cumがτを超えた場合(YES)にはステップSA06へ移行し、超えていない場合(NO)にはステップSA05へ移行する。
●[ステップSA05]セグメントの移動時間の局所和T_cumがτを超えていなければ、供給データ数N_sp=0,生成データ数N_cre=0としてステップSA9へ進む。
●[ステップSA06]セグメントの移動時間の局所和T_cumがτを超えた場合は、要求データ数N_reqを求める。数値制御装置は、あるアルゴリズムによって、周期τ毎に、バッファ(中間メモリ40)に供給するデータ数を決めている。したがって、同じアルゴリズムを適用し、求めた数をn_reqとすると、要求データ数N_reqは数3式で与えられる。
Figure 0006050634
ここで、T_segは、前セグメントの移動時間を表し、移動時間の計算で得られている。
●[ステップSA07]データ供給の余裕N_cumを考慮して供給可能データ数N_avを求め、要求データ数N_reqと供給可能なデータ数N_avから供給データ数N_spを決定する。
数式を用いて説明すると、数4式により供給データ数N_spを求める。
Figure 0006050634
ここで、N_avは供給可能なデータ数を表し、データ供給の余裕N_cumと、生成データ数N_creの和(数5式)で与えられる。
Figure 0006050634
ここで、データ供給の余裕N_cumは、生成したデータの数と実際に供給したデータの数との差を足し上げたもので、m番目のセグメントの有効データ数を求める時は数6式で与えられる。
Figure 0006050634
ここで、N_cre(i)とN_sp(i)は、それぞれ、i番目のセグメントの移動時間を計算した時の生成データ数と供給データ数を表す。生成したデータ数N_creは、処理能力の指標N_pfmを用いて数7式で与えられる。
Figure 0006050634
N_pfmは、単位時間あたり生成できるデータの最大数であるから、数7式は前セグメントの移動が行われている間に準備できるセグメントデータの数である。
●[ステップSA08]データ供給を行ったので、セグメント移動時間の局所和T_cum=0 にして、セグメントの移動時間の局所和T_cumをリセットする。
●[ステップSA09]消費したデータ数N_csmを求める。一つのセグメントの移動が終了する毎に有効データ数N_efcを計算するので、N_csm=1とする。
●[ステップSA10]数8式により有効データ数N_efcを求める。
Figure 0006050634
●[ステップSA11]データ供給の余裕N_cumを数9式によって更新する。
Figure 0006050634
有効データ数N_efcを求めた後の処理は、特許文献1の処理と同じである。すなわち、まず、データ量依存速度制約処理部23で、セグメントデータバッファの先頭から有効データ数に等しい数のセグメントデータ(有効データ)を用いて減速曲線を求める。
図4に示すように、一般に、有効データはセグメントデータバッファ(図1の中間メモリ40を参照)に格納されたセグメントデータの一部であり、移動が停止する点の近くなどの特別な場合は、セグメントデータバッファ(中間メモリ40)に格納された全てのデータが有効データになる。
セグメント移動時間計算部50で、セグメントの速度変化を表す速度カーブを求め、セグメントの移動に要する時間を計算する。続いて、全移動時間計算部60において、得られた値をセグメント移動時間の累積値に加算する。これらの手続きの詳細は特許文献1に記載されているので、ここでは説明を省略する。全てのセグメントの移動時間の加算が終了した時、セグメント移動時間の累積値が全移動時間を与える。全移動時間を加工時間としてもよいが、例えば、公開技報文献1の方法などの公知の方法により、加減速による遅れや機械運動の遅れを加算すれば、より精度のよい加工時間予測値が得られる。
なお、本発明の実施形態は、特許文献1の実施形態を拡張するものであるが、本発明の方法はこれに限定されるものではなく、先読みした工具経路の長さを数値制御装置の処理能力と関係付けることができる限り、適用することができる。例えば、スプライン曲線のようなパラメトリック曲線で工具経路が表現されている場合は、パラメトリック曲線を構成する曲線要素をセグメントと考えて、本発明の実施形態の方法を適用すればよい。したがって、それらは、本発明の技術的範囲に含まれる。
なお、処理能力の指標の値は、ブロック長を短い値に揃えた加工プログラムを、非常に速い指令速度で実行することにより、測定する。このような加工プログラムを、指令速度を変えて実行すると、ある指令速度以上の加工では、加工時間が指令速度によらずに一定になる飽和状態が出現する。飽和状態においては、実速度は、ブロック長×消費データ数で決まる一定の値になる。この時の消費データ数は、供給データ数に等しいので、単位時間あたりの消費データ数を求めることにより、処理能力の指標が得られる。
また、飽和状態においては、ブロックデータの生成、セグメントデータの供給、セグメントデータの消費の3つが釣り合っているので、これらの数は等しく、その内の何れも、処理能力の指標として用いることができる。
また、予め、各機能について処理能力の指標を測定しておくとしたが、この時の機能は単一の機能である必要はない。例えば、機能Aと機能Bを組み合わせて使用した時の指標の値を、図2の表に登録しておいてもよい。
本実施形態では、数値制御装置の処理能力として、請求項2に記載の数値制御装置の演算プロセッサの演算能力のみを数値化している。ブロックデータの数に対する制約とセグメントデータの数に対する制約を数値化するには、以下のようにするとよい。
生成したブロックデータは、中間メモリ(図1の中間メモリとは異なる)に保持される。この中間メモリのサイズを、保持されるブロックデータの最大数に相当する数とすることにより、ブロックデータの数に対する制約を数値化することができる。
また、セグメントデータの数に対する制約は、図1の中間メモリ40のサイズを保持されるセグメントデータの最大数に相当する数とすることにより、或いは、有効データ数N_efcの計算において、その値をセグメントデータの最大数以下に抑えることにより、数値化することができる。
1 加工時間予測装置
2 NC指令

10 NC指令解読部

20 速度制約処理部
21 大域速度制約処理部
22 局所速度制約処理部
23 データ量依存速度制約処理部

30 セグメントデータ生成部
40 中間メモリ
50 セグメント移動時間計算部
60 全移動時間計算部
70 基準指標記憶部
80 指標計算部
90 有効データ数計算部

A セグメントで使用する数値制御装置の機能Aに対する指標の値
0 基準指標値
A 機能Aに対する指標の値の基準機能の指標の値に対する比
k 指標の文字数依存性の測定から得られた定数
n ブロックの文字数

N_sp 供給データ数
N_cre 生成データ数
N_req 要求データ数
N_av 供給可能なデータ数
N_cum データ供給の余裕
N_csm 消費したデータ数
N_pfm 処理能力の指標
N_efc 有効データ数
T_cum セグメント移動時間の局所和
T_seg 前セグメントの移動時間

Claims (5)

  1. 数値制御装置によって制御される工作機械による加工の加工時間を予測する加工時間予測装置であって、
    前記数値制御装置が加工プログラムを解読して機械を駆動する指令を生成するための処理を実行する時の実行速度を表す処理能力を、加工プログラムのブロックの文字数を含む数式と、加工プログラムを実行して測定した値、を用いて数値化しておき、該数値化された処理能力を用いて加工時間を算出する加工時間予測装置。
  2. 前記処理能力を、前記数値制御装置の演算プロセッサの演算能力と、加工プログラムを構成する各ブロックに対して数値制御装置が生成するブロックデータの数に対する制約と、ブロックデータで表される工具経路を分割したセグメントに対して前記数値制御装置が生成するセグメントデータの数に対する制約の、少なくとも一つに基づいて数値化することを特徴とする請求項1に記載の加工時間予測装置。
  3. 前記処理能力を、単位時間あたり生成できるブロックデータの数、または、単位時間あたり生成できるセグメントデータの数、または、単位時間あたりに処理できる前記経路切片データの数、のいずれか1つによって、処理能力の指標として数値化することを特徴とする請求項1に記載の加工時間予測装置。
  4. 前記処理能力の指標の数値化を、更に、数値制御装置の制御軸数と、加工プログラムで使用する数値制御装置の機能と、前記加工プログラムの1ブロックを記述する文字数の、少なくとも一つに基づいて行うことを特徴とする請求項3に記載の加工時間予測装置。
  5. 前記処理能力の数値化を、予め測定しておいた基準機能の基準指標値と、加工プログラムで使用する数値制御装置の機能の前記予め測定しておいた基準機能の基準指標値に対する比率と、を用いて行うことを特徴とする請求項1に記載の加工時間予測装置。
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