JP6049496B2 - 液体吐出ヘッド用基板、液体吐出ヘッド、及び液体吐出ヘッド用基板の製造方法 - Google Patents

液体吐出ヘッド用基板、液体吐出ヘッド、及び液体吐出ヘッド用基板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、液体を吐出する液体吐出ヘッドに用いられる液体吐出ヘッド用基板、液体吐出ヘッド及び液体吐出ヘッド用基板の製造方法に関する。
液体吐出ヘッドとして一般的なインクジェットヘッドは、複数の吐出口と、吐出口に連通する液路と、インクを吐出するために利用される熱エネルギーを発生する電気熱変換素子とを有している。電気熱変換素子は発熱抵抗体及びこれに電力を供給するための電極とで構成される。この電気熱変換素子が電気的絶縁性を有する絶縁保護層(絶縁層)により被覆されることで、インクと電気熱変換素子との間の絶縁性が確保される。インクジェットヘッドに設けられた電気熱変換素子を選択的に駆動することにより、駆動された電気熱変換素子から熱エネルギーが発生し、電気熱変換素子上方のインク接触部分(熱作用部)で、インクが急激に加熱されて発泡が生じてインクが吐出される。
インクジェットヘッドの熱作用部は、発熱抵抗体の加熱により高温になると共に、インクの発泡、収縮に伴うキャビテーションによる衝撃などの物理的作用や、インクによる化学的作用を受ける。これらの影響から電気熱変換素子を保護するために、キャビテーションによる衝撃やインクによる化学的作用に対して比較的強いTaや白金族系(Ir、Ruなど)などの金属材料からなる上部保護層を電気熱変換素子の上側(インク側)に設けている。特に、IrやRuのような白金族系の膜は、キャビテーションによる衝撃に対する耐性が高いため、ヘッドの信頼性・長寿命化という観点では優位となる。
この上部保護層と絶縁保護層との密着性を高めるためにそれらの間に密着層としての中間層を設ける構成が知られている。特許文献1には、密着層としてCr,Ti,V,W,Hf,Zr,Nb,Moを用いることが記載されており、特許文献2には、密着層としてTi,TaNを用いることが記載されている。
特開平5−301345号公報 特開2007−269011号公報
しかしながら、キャビテーションによる衝撃により上部保護層が疲労して亀裂が入ると、亀裂からインクが侵入する恐れがある。そのため、密着層が特許文献1に示されるCr,Ti,V,W,Hf,Zr,Nb,Moや、特許文献2のTiである場合、侵入したインクにより密着層の酸化が進んでしまう。これに伴って密着層が膨脹することで、密着層の上のIr膜は密着層の側から押されてしまうため、Ir膜の耐久性が低下して電気熱変換素子の寿命が短くなる可能性がある。
一方で、特許文献2に記載のTaNは、耐酸化性では優れた材料である。近年要求される高精細印字の実現のために電気熱変換素子が高密度に配置されるが、これに伴って密着層を小寸法なものとする必要がある。しかし、特に密着層の面積が小さい場合には、絶縁保護層から密着層が剥離する可能性が大きくなってしまう。
そこで、本発明は、絶縁層と保護層との間の中間層の酸化を抑制しつつ、絶縁層と保護層との密着性に優れた液体吐出ヘッド用基板及び液体吐出ヘッドを提供することを目的とする。
本発明の液体吐出ヘッド用基板は、基体と、前記基体の上に設けられた一対の配線と、前記基体の上に設けられ、前記一対の配線に接する発熱抵抗層であって、前記一対の配線の間に対応する部分で電気熱変換素子を形成する前記発熱抵抗層と、前記発熱抵抗層及び前記一対の配線を覆い、Siを含む絶縁層と、少なくとも前記絶縁層の前記電気熱変換素子に対応する領域を覆い、Irを含む保護層と、前記絶縁層と前記保護層との間に設けられ、前記絶縁層と前記保護層とに接する中間層と、を有する液体吐出ヘッド用基板において、前記中間層は、TaSi(x=5〜80at.%、y=3〜60at.%、z=10〜60at.%(但し、x+y+z=100))で表わされる材料を含むことを特徴とする。
以上のような中間層の構成によれば、中間層の酸化を抑制しつつ、絶縁層と保護層との密着性に優れた液体吐出ヘッド用基板及び液体吐出ヘッドを提供することが可能となる。
本発明の実施形態に係るインクジェットヘッドユニットとインクジェットヘッドの構成例をそれぞれ示す外観斜視図である。 本発明の実施形態のインクジェットヘッド用基板の模式的平面図と模式的断面図である。 インクジェットヘッド用基板の製造工程を説明するための模式的断面図である。 本発明の実施形態のインクジェットヘッドの模式的断面図である。 本実施例のインクジェットヘッド用基板の密着層(中間層)の組成範囲と、実施例及び比較例の組成を示す図である。
以下に、本発明の実施の形態を、複数の実施例に基づいて詳細に説明する。但し、本発明は、以下に説明する各実施例のみに限定されるものでなく、本発明の目的を達成し得るものであればよいことはもちろんである。
(インクジェットヘッドユニット、インクジェットヘッド)
図1(a)、(b)は、本発明の実施形態に係る液体吐出ヘッドとしてのインクジェットヘッド410とインクジェットヘッドユニット400の構成例をそれぞれ示す外観斜視図である。
図1(a)に示すように、インクジェットヘッドユニット400は、インクジェットヘッド410をインクタンク404と一体化してなるカートリッジ形態のユニットである。インクジェットヘッドユニット400は、インクジェット記録装置に設けられたキャリッジの内部に、装着及び取り外し可能に構成されている。また、インクジェットヘッドユニット400は、インクを一旦貯留し、そこからインクジェットヘッド410に供給するためのインクタンク404を備えている。なお、インクジェットヘッドユニット400は、インクジェットヘッド410とインクタンク404とが別体として構成されていてもよい。
インクジェットヘッドユニット400には、電力を供給するための端子を有するTAB(Tape Automated Bonding)用のテープ部材402が貼り付けられている。インクジェット記録装置からテープ部材402に設けられたパッド403を介し、テープ部材402内部の配線を通って、インクジェットヘッド410に電力が供給される。
図1(b)に示すように、インクジェットヘッド410は、インクジェットヘッド用基板100(液体吐出ヘッド用基板)と吐出口形成部材120とで形成されている。インクジェットヘッド用基板100には、通電されることで熱エネルギーを発生してインクを吐出するためにインクに気泡を発生させる複数の電気熱変換素子108や電気熱変換素子108にインクを供給するインク供給口110等が形成されている。また、吐出口形成部材120は、インクを吐出するインク吐出口121が複数形成されており、インク吐出口121は電気熱変換素子108に対応する位置に配される。吐出口形成部材120はエポキシ樹脂等の樹脂材料で形成される。また、電気熱変換素子108が配される圧力室111(図4)や、インク供給口110と圧力室111とを連通する流路116が、インクジェットヘッド用基板100と吐出口形成部材120とで形成される。
(インクジェットヘッド用基板)
図2(a)は、本発明の実施形態のインクジェットヘッド用基板100の電気熱変換素子108の付近の模式的平面図である。図2(b)は、図2(a)に示すI−I´線でインクジェットヘッド用基板100を切断した模式的断面図である。これらの図を用いて本発明の実施形態を説明する。
図2(b)において、101はシリコンの基体。102はSiO膜,SiN膜等からなる蓄熱層、104はTaSiN等の発熱抵抗層、105はAl,Al−Si,Al−Cu等の金属材料からなる配線としての電極配線層である。熱作用部である電気熱変換素子108は、電極配線層105の一部を除去してギャップを有する一対の配線を形成し、そのギャップから露出された発熱抵抗層104の部分で形成される。電極配線層105は不図示の駆動素子回路ないし外部電源端子に接続されて、外部からの電力供給を受けることができる。
なお、電極配線層105を基体101または蓄熱層102上に形成し、その一部を部分的に除去してギャップを形成し、その上に発熱抵抗層104を配置して電気熱変換素子108を形成してもよい。
106は、電気熱変換素子108および電極配線層105の上側(圧力室111側)に設けられ、SiN、SiCN等の絶縁性材料からなる絶縁保護層(絶縁層)である。107はインク等による化学的作用や気泡の発泡、収縮、消泡といった物理的な衝撃から電気熱変換素子108を保護するための上部保護層(保護層)である。上部保護層107は、少なくとも電気熱変換素子108に対応する領域を覆うように設けられている。上部保護層107は金属材料からなり、特にキャビテーションによる衝撃からの耐性に優れたIr、Ru、Pt等の白金族系の材料からなることが好ましい。109は、絶縁保護層106と上部保護層107との密着性を確保するための、密着層(中間層)である。
(実施例)
本実施例では、以下に説明する製造方法でインクジェットヘッド用基板100を製造した。
図3(a)〜(d)はインクジェットヘッド用基板100の製造工程を説明するための図であり、図2(a)のI−I´線での切断面に対応する図である。
なお、以下の製造工程は、シリコンからなる基体101、ないしは電気熱変換素子108を選択的に駆動するためのスイッチングトランジスタ等の半導体素子でなる駆動回路が予め作り込こまれた基体に対して実施されるものである。しかし簡略化のために、以下の図ではシリコンからなる基体101が図示されている。
まず、基体101に対し、熱酸化法、スパッタ法、CVD法などによって、発熱抵抗層104の下部層としてSiOの熱酸化膜からなる蓄熱層102を形成した(図3(a))。なお、駆動回路の製造プロセス中に蓄熱層を形成することも可能である。
次に、蓄熱層102上にTaSiNの発熱抵抗層104を、反応スパッタリングにより約50nmの厚さに形成し、さらに電極配線層105となるAl層をスパッタリングにより約300nmの厚さに形成した。そして、フォトリソグラフィ法を用い、発熱抵抗層104および電極配線層105に対して同時にドライエッチングを施した。なお、本実施例では、ドライエッチングとしてリアクティブイオンエッチング(RIE)法を用いた。
次に、図3(b)に示すように、再びフォトリソグラフィ法を用いて、ウエットエッチングによりAlの電極配線層105を部分的に除去し、その部分から発熱抵抗層104を露出させて電気熱変換素子108を形成した。
その後、プラズマCVD法を用いて、図3(c)に示すように、絶縁保護層106としてSiN膜、もしくはSiCN膜を約350nmの厚みに形成した。
次に、絶縁保護層106上に、スパッタリング法により密着層109として約50nmの厚さのTaSi(x+y+z=100(at.%))を成膜し、さらにその上に、スパッタリング法により上部保護層107として約50nmの厚さのIrを成膜した。次に、図3(d)に示すような形状に、フォトリソグラフィ法を用いてドライエッチングにより上部保護層107および密着層109を電気熱変換素子108付近のパターンが残るように部分的に除去した。このようにして、インクジェットヘッド用基板100を製造した。
その後、インクジェットヘッド用基板100の上にエポキシ樹脂からなる吐出口形成部材120を設け、圧力室111や流路116を形成し図4に示すインクジェットヘッド410を形成した。
(実施例1〜10)
上述の実施例に記載の構成及び製造方法でインクジェットヘッド410を形成した。具体的には、絶縁保護層106としてのSiN膜(Si=50at.%,N=50at.%)の上に、密着層109としてTaSiを各実施例について表1に示す組成で成膜した。更にその上に上部保護層107としてIr膜を成膜し、その後の工程を経て、インクジェットヘッド410とした。
(実施例11〜20)
絶縁保護層106としてのSiCN膜の上に、密着層109としてTaSiを各実施例について表1に示す組成で成膜した。更にその上に上部保護層107としてIr膜を成膜し、その後の工程を経て、インクジェットヘッド410とした。なお、SiCN膜の組成は、Si=40〜50at.%、C=10〜20at.%、N=40〜50at.%(但し、Si,C,Nの合計は100at.%以下)とした。
(比較例1〜7)
密着層109としてTaSiを各比較例について表1に示す組成で成膜した他は、実施例1〜10と同様である。
(比較例8〜14)
密着層109としてTaSiを各比較例について表1に示す組成で成膜した他は、実施例11〜20と同様である。
(インクジェットヘッドの吐出耐久試験)
実施例1〜20、比較例1〜14、のインクジェットヘッド410に対して、顔料を含むpH8.5程度のインクを充填して吐出耐久試験を行い、一定間隔で電気検査を行うことで耐久性を評価した。k値(気泡が発生する最低電圧に対する駆動電圧の比)1.14、駆動電圧24V、駆動周波数15kHzとして、電気熱変換素子108に電圧パルスを印加して、インクジェットヘッド用基板100のうちの3つのノズルで吐出耐久試験を行った。
比較例1〜14のヘッドでは、実施例1〜20のヘッドの半分程度の回数のパルスで正常な吐出が行われなくなった。
吐出耐久試験の後にすべてのヘッドを解体し、SEMを用いて観察を行った。この観察によって、〈1〉密着層109の酸化状態、〈2〉密着層109と上部保護層107(Ir膜)との密着状態、〈3〉密着層109と絶縁保護層106(SiN膜またはSiCN膜)との密着状態、について評価を行った。
表1には電圧パルスを1×10回印加した後の結果を、表2には電圧パルスを2×10回印加した後の結果をそれぞれ示す。なお、試験の途中で吐出が行われなくなったヘッドについては、不吐となったときまでに印加したパルス回数を示す。
〈1〉密着層109の酸化状態については、試験を行った3カ所すべてで酸化がみられなかったものを○、1カ所で酸化していたものを△、2カ所以上で酸化していたものを×、とした。〈2〉及び〈3〉の密着状態についても、3カ所すべてで密着していたものを○、1カ所で剥がれが発生していたものを△、2カ所以上で剥がれが発生していたものを×とした。
図5の三点グラフに、上記実施例と比較例における密着層109としてのTaSiの組成を示す。
表1に示すように、比較例1、7、8、14のヘッドは、3カ所のうち少なくとも1カ所のノズルにおいて、上部保護層107であるIr膜が破断して盛り上がり、その下の密着層109が酸化・膨張している様子が観察された。
比較例2、3、9、10のヘッドは、3カ所中1カ所のノズルにおいて、密着層109と絶縁保護層106との界面の端部で隙間が観察された。また、比較例3〜6、10〜13のヘッドは、3カ所のうち少なくとも1カ所のノズルにおいて、密着層109と上部保護層107との界面の特に端部において、剥がれが発生していた。
それに対し、実施例1〜20のヘッドは、電圧パルスを1×10回印加した後に、密着層109の酸化もなく、密着層109と上部保護層107、密着層109と絶縁保護層106との間で剥がれがなく、密着層109の密着性も優れていることがわかった。
表1に示す結果から、長期にわたり安定した吐出を継続することができ、長寿命のヘッドを実現するには、Ir膜と、SiN膜またはSiCN膜との間にある密着層109を形成するTaSiを以下の組成とすることが好ましい。すなわち、x=5〜80at.%、y=3〜60at.%、z=10〜60at.%(但し、x+y+z=100)とすることが好ましい。この組成範囲を図5において網点で示している。また、以上の結果より、TaSiのNの割合が上記の下限より少ないと、密着層109が酸化して上層に設けられたIr膜が破断されやすくなってしまうことがわかった。また、Taの割合が上記の下限より少ないと、Ir膜との密着力が低下し、Siの割合が上記の下限より低いと、SiN膜やSiCN膜との密着力が低下し、密着層109との間で剥がれが生じやすくなることがわかった。
更に、表2に示すに、実施例1、8〜11、18〜20のヘッドは、電圧パルスを2×10回印加した後においても、密着層109の酸化が見られなかった。また、密着層109と上部保護層107、密着層109と絶縁保護層106とで剥がれがなく、密着層109の密着性も優れていることがわかった。以上のことから、更なる長寿命のヘッドを実現するためには、密着層109としてのTaSiの組成が、x=20〜60at.%、y=10〜50at.%、z=20〜50at.%(但し、x+y+z=100)であることがより好ましい。この組成範囲を図5において斜線で示している。
なお、上記の耐久試験で用いたインクでなくとも、pH5〜11程度の顔料インク及び染料インクを用いた場合に上述の結果と同等の結果が得られる。
100 インクジェットヘッド用基板(液体吐出ヘッド用基板)
101 基体
104 発熱抵抗層
105 電極配線層(配線)
106 絶縁保護層
107 上部保護層(保護層)
108 電気熱変換素子
109 密着層(中間層)

Claims (5)

  1. 基体と、
    前記基体の上に設けられた一対の配線と、
    前記基体の上に設けられ、前記一対の配線に接する発熱抵抗層であって、前記一対の配線の間に対応する部分で電気熱変換素子を形成する前記発熱抵抗層と、
    前記発熱抵抗層及び前記一対の配線を覆い、Siを含む絶縁層と、
    少なくとも前記絶縁層の前記電気熱変換素子に対応する領域を覆い、Irを含む保護層と、
    前記絶縁層と前記保護層との間に設けられ、前記絶縁層と前記保護層とに接する中間層と、
    を有する液体吐出ヘッド用基板において、
    前記中間層は、TaSi(x=5〜80at.%、y=3〜60at.%、z=10〜60at.%(但し、x+y+z=100))で表わされる材料を含むことを特徴とする液体吐出ヘッド用基板。
  2. 前記中間層は、TaSi(x=20〜60at.%、y=10〜50at.%、z=20〜50at.%(但し、x+y+z=100))で表わされる材料を含むことを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド用基板。
  3. 前記絶縁層は、SiNまたはSiCNからなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液体吐出ヘッド用基板。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッド用基板と、
    液体を吐出する吐出口を備えた吐出口形成部材と、
    を有する液体吐出ヘッド。
  5. 一対の配線と、前記一対の配線に接する発熱抵抗層であって、前記一対の配線の間に対応する部分で電気熱変換素子を形成する前記発熱抵抗層と、を備える基体を用意する工程と、
    前記発熱抵抗層及び前記一対の配線を覆うSiを含む絶縁層を前記基体に設ける工程と、
    前記絶縁層の上に前記絶縁層に接する中間層を設ける工程と、
    前記中間層の上に前記中間層に接し、少なくとも前記絶縁層の前記電気熱変換素子に対応する領域を覆うIrを含む保護層を設ける工程と、
    を含む液体吐出ヘッド用基板の製造方法において、
    前記中間層は、TaSi(x=5〜80at.%、y=3〜60at.%、z=10〜60at.%(但し、x+y+z=100))で表わされる材料を含むことを特徴とする液体吐出ヘッド用基板の製造方法。
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