以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
《第1実施形態》
図1は、本発明のバッテリ制御装置のブロック図である。本例のバッテリ制御装置は、家庭用の屋内又は屋外に設けられている負荷に対して電力を供給する制御装置である。バッテリ制御装置は、交流電源1と、太陽光パネル2と、PV用電力制御器3と、負荷4と、分電盤5と、蓄電装置10と、コントローラ100とを備えている。なお、本図1における矢印線は制御線を意味し、それ以外の実線は電力線を意味する。また、蓄電装置10内部の電力線のみ正負それぞれの電力線(2本の電力線)で記載し、蓄電装置10外部の電力線は便宜上、正負の電力線をまとめて1本の実線で記載している。
交流電源1は、商用電源であり、電力会社から各家庭に分配されている電力源である。交流電源1は24時間、負荷4に対して電力を供給可能な電力である。太陽光パネル2は、家屋の屋上等に設置され、太陽電池を利用して太陽光のエネルギーを電力に変換して発電し、負荷4に電力を供給する発電装置(発電手段)である。なお、太陽光パネル2で発電された電力が負荷4の消費電力以上である場合には、太陽光パネル2で発電された電力の一部はバッテリ13を充電する充電電力として用いられる。
PV用電力制御器3は、電力変換器等を備え、太陽光パネル2により発生した直流電力を交流電力に変換し、分電盤5に供給する。太陽光パネル2で発生する電力は、気象条件等により変化するため、PV用電力制御器3は、太陽光パネル2からの出力に応じて、負荷4への供給に適した電力になるよう、太陽光パネル2の出力電力を制御する。PV用電力制御器3は、太陽光パネル2と分電盤5との間に電力線により接続されている。
負荷4は、負荷A〜Dを含み、エアコン、テレビ、給湯器などの家庭で使用される家電製品である。負荷4の消費電力は、ユーザによる負荷A〜D等の利用状況に応じて変わる。また負荷4は、家屋内に配線された電力線により分電盤5に接続されている。分電盤5は、交流電源1、太陽光パネル2及びバッテリ13から供給される電力を負荷4に分電して供給する装置であり、漏電防止用の遮断機等を有している。
蓄電装置10は、バッテリ用電力制御器11と、リレースイッチ12と、バッテリ13と、電圧センサ14とを備えている。蓄電装置10は、家庭内で利用される交流電源1の消費電力量を抑制するために、負荷4で消費される分の電力を予め蓄電する装置である。
バッテリ用電力制御器11は、電力変換器等を備え、蓄電装置10のバッテリ13から出力される直流電力を交流電力に変換して、分電盤5を介して負荷4へ供給する。また本例では、交流電源1及び太陽光パネル2の電力によりバッテリ13を充電する際には、バッテリ用電力制御器11は充電器として機能し、交流電源1及び太陽光パネル2の電力をバッテリ13の充電に適した充電電力に変換して、バッテリ13に供給する。
リレースイッチ12は、負荷4とバッテリ13との間の電気的な導通及び遮断を切り替えるためのスイッチであり、配電盤5及びバッテリ用電力制御器11を介して、負荷4とバッテリ13との間に接続されている。リレースイッチ12はコントローラ100の制御によりオン、オフを切り替える。
バッテリ13は、リチウムイオン電池等の二次電池を複数接続したバッテリである。バッテリ13は、電気自動車などの車両用として用いられていたバッテリを、定置用のバッテリとして再利用したものであってもよい。電圧センサ14は、バッテリ13の両端に接続され、バッテリ13の電圧を検出するセンサである。
コントローラ100は、太陽光パネル2、PV用電力制御器3、分電盤5及び蓄電装置10を制御するコントローラである。コントローラ100は、温度推定部10と、電力予測部102と、温度調整部103とを有している。
コントローラ100は、太陽光パネル2から発電される電力と、負荷4への供給電力に基づいて、PV用電力制御器3を制御し、太陽光パネル2の電力を、分電盤5を介して負荷4に供給する。また、太陽光パネル2の電力でバッテリ13を充電する際には、コントローラ100はPV用電力制御器3及び分電盤5を制御し、蓄電装置10に電力を供給する。
コントローラ100は、バッテリ13の充電及び放電を制御する機能及びバッテリ13の状態を管理する機能も有している。コントローラ100は、電圧センサ14を用いて、バッテリ13の電圧を検出することで、バッテリ13の充電状態(State of Charge)を測定している。また、バッテリ13は、使用に伴い劣化するため、コントローラ100はバッテリ13の劣化度、満充電時の容量等も管理している。なお、バッテリ13の劣化度等は、バッテリ13の内部抵抗を演算することで測定すればよい。またコントローラ100は、バッテリ13の充放電電流を検出する電流センサ(図示しない)を用いて、バッテリ13の充電状態等を測定してもよい。
コントローラ100は、バッテリ13の管理制御の他に、バッテリ用電力制御器11の制御及びリレースイッチ12のオン、オフ制御を行う。バッテリ13の電力を負荷4に供給する場合には、コントローラ100はバッテリ用電力制御器11を制御して、バッテリ13からの放電電力を負荷4への供給に適した電力に変換し、分電盤5に電力を出力させる。一方、太陽光パネル2の発電電力または交流電源1の電力をバッテリ13に供給する場合には、コントローラ100はバッテリ用電力制御器11を充電器として作用するよう制御して、太陽光パネル2の発電電力または交流電源1の電力をバッテリ13の充電に適した電力に変換して、バッテリ13に出力する。コントローラ100は、バッテリ13の放電制御中または充電制御中、電圧センサ14の検出電圧及び図示しない電流センサの検出値を用いてバッテリ13の電力を管理している。
温度推定部101は、外部から入手する温度情報に基づいて、バッテリ13の温度を推定する。外部から入手する温度情報は、気象庁等から取得され、少なくとも外気温の情報を含んだ気象情報である。温度推定部101は、気象情報から、蓄電装置10の周囲の温度を時系列で予測し、バッテリ13の温度の推移を推定する。例えば、日中、外気温の高い時間帯は、外気温の低い時間帯と比較して、バッテリ13の温度が高くなり、また気温が高い季節は、気温が低い季節よりもバッテリ13の温度が高くなる。実際のバッテリ13の温度は、バッテリ13の充放電の制御によって異なるが、温度推定部101は、バッテリ13の状態を考慮しておらず、バッテリ13の温度に影響を及ぼすバッテリ13の外部情報から温度を推定している。
電力予測部102は、バッテリ13の電力、負荷4の消費電力及び太陽光パネル2の発電電力の過去の電力推移を電力履歴として記録し、当該電力履歴に基づいて、バッテリ13への要求電力(すなわち、バッテリ13からの出力が必要な電力)を予測する。温度調整部103は、図2に示すファン15の動作を制御することで、バッテリ13の温度を調整する。
図2に、蓄電装置10のうち、バッテリ13の温度を調整するための構成を示す。図2に示すように、蓄電装置10は、バッテリ13を冷却するためのファン15と、ファン15により発生した空気の流れを外部に排気するための排気口16とを備えている。ファン15は、温度上昇によるバッテリ13への負荷を軽減させるために設けられている。ファン15により発生した風はバッテリ13に当たり、排気口16から外部に排出される。そして、ファン15の回転数や回転時間を制御することで、バッテリ13の温度を調整する。
次に、本例のバッテリ制御装置の制御内容について説明する。まず、電力系統の制御について説明する。本例は、以下のとおり、バッテリ13の電力及び太陽光パネル2の電力を有効に活用することで、交流電源1から供給される電力を抑制するような電力制御を行っている。
太陽光パネル2の発電電力が負荷4の消費電力より大きい場合には、コントローラ100は、太陽光パネル2で発電された電力を負荷4に供給しつつ、太陽光パネル2で余った電力でバッテリ13を充電するように制御している。また、太陽光パネル2の発電電力が負荷4の消費電力より小さい場合には、コントローラ100は、太陽光パネル2で発電された電力を負荷4に供給しつつ、太陽光パネル2で足りない分の電力を、バッテリ13から放電させて負荷4に供給するよう制御している。
コントローラ100は、交流電源1の電気料金が高い時間帯では、交流電源1の電力の利用を抑えるよう、太陽光パネル2の発電電力及びバッテリ13に充電されている電力を利用する。コントローラ100は、交流電源1の電気料金が安い時間帯(例えば深夜電力の時間帯)では、交流電源1の電力を負荷4に供給する。
また、コントローラ100は、日中、太陽光パネル2で発電される電力量が少ない又は負荷4で消費される電力量が多いことが太陽光パネル2の発電電力特性及び負荷4の消費電力の特性より予測される場合には、事前に電気料金が安い深夜時間にバッテリ13を充電するよう、バッテリ用電力制御器11を制御する。これにより、本例は、効率的なエネルギーマネージメントの下、バッテリ13の充放電電力パターンを実現できる。また、交流電源1の電力よりもバッテリ13から電力を優先的に使うことで、電気料金を下げることができる。
図3に、ある一日における、太陽光パネル2の発電電力の時系列での推移である発電電力特性、負荷4の消費電力の時系列での推移である負荷電力特性及びバッテリ13の充放電電力の時系列での推移である充放電電力特性を示す。図3において、グラフaは発電電力特性を、グラフbは負荷電力特性を、グラフcは充放電電力特性を示す。またグラフcについて、プラス側の電力が放電電力を示し、マイナス側の電力が充電電力を示す。図2に示す一日において、6時(午前6時)から9時30分までの間は、負荷4の消費電力は高いが、太陽光パネル2の発電電力が低いため、バッテリ13の電力を放電させて負荷4を駆動させている。9時30分から16時30分までの間は、太陽光パネル2の発電電力が高く、負荷4を動作しつつ、余った電力でバッテリ13を充電している。そして、16時30分から23時までは、太陽光パネル2からの発電電力は、ほぼゼロになり、バッテリ13からの放電電力で、負荷4を動作させている。23時以降の深夜電力の時間帯では、次の日の電力消費に備えて、交流電源1の電力でバッテリ13を充電させている。また、23時以降の負荷4の消費電力は、交流電源1の電力を割り当てている。
負荷4の消費電力は、季節、気象条件、利用時間帯等に応じて、ある程度の傾向をもっている。そして、消費電力の傾向は、過去の消費電力の利用履歴から把握することができる。電力予測部102は、消費電力量を計測するメータ(図示しない)の値を季節、気象条件、利用時間帯等に対応させて時系列で蓄積し、蓄積したデータから季節、気象条件、利用時間帯等に合致する、過去の消費電力推移のデータを抽出することで、負荷4で消費される消費電力の時系列での推移(以下、負荷電力特性と称す。)を予測する。
太陽光パネル2で発電される電力は、太陽光パネル2の性能及び設置位置と気象条件等により決まる。太陽光パネル2の性能及び設置位置は予め決まっている。そして、気象条件は、例えば気象庁のデータ等を利用する。電力予測部102は、過去の気象データと太陽光パネル2で発電された電力とを対応させつつ時系列で保存している。電力予測部102は、気象予報の情報と合致する、過去の電力推移のデータを抽出することで、太陽光パネル2で発電される電力の時系列での推移(以下、発電電力特性と称す。)を予測する。
バッテリ13の充放電電力は、図3に示すように、太陽光パネル2の発電電力、負荷7の消費電力及び交流電源1の電力により決まる。そのため、電力予測部102は、負荷電力特性及び発電電力特性から、バッテリ13の充放電電力の時系列での推移(以下、充放電電力特性と称す)を演算する。そして、バッテリ13の充放電電力特性が、負荷4の電力消費に対してバッテリ13への要求される電力(要求電力)の時系列での推移となる。これにより、電力予測部102はバッテリ13の電力推移の履歴からバッテリ13への要求電力を予測する。
次に、本例のバッテリ制御装置の制御のうち、バッテリ13の温度特性及び電力特性の演算制御について説明する。まずコントローラ100に格納されているマップについて、図4を用いて説明する。図4は、バッテリ13の充電状態(SOC:State of Charge)に応じて、バッテリ13から放電される限界電力と温度との関係を示すグラフである。図4に示すように、バッテリ13から放電される限界電力(バッテリ13から放電可能な電力の上限値)は、バッテリ13は、SOCと電池の温度に応じて、バッテリ13の性能により予め決まっている。例えば、バッテリ13の充電状態がSOCaである場合に、バッテリ13の温度がT1の時にはバッテリ13からの限界電力はP1となるが、バッテリ13の温度がT2(<T1)に低くなると、バッテリ13の限界電力はP2となり、P1より低くなる。
コントローラ100は、図4に示すマップを参照し、電力予測部102により予想された要求電力から、当該要求電力を出力させるために必要なバッテリ13の必要温度を演算する。図4に示すように、バッテリ13から要求電力に相当する電力を出力させるためには、バッテリ13の温度を所定の温度まで上げなければならない。要求電力は、電力予測部102により時系列で予測されている。そのため、マップ上で、要求電力に対応する温度が必要温度となる。
また、図4のマップ上で、要求電力に対する必要温度の関係は、バッテリ13のSOCに応じて変わる。バッテリ13のSOCは、電力予測部で予測された、バッテリ13の充放電特性から予測することができる。そのため、コントローラ100は、要求電力の時系列の特性である、充放電特性からバッテリ13のSOCの推移を予測した上で、図4のマップを用いて要求電力に対応する温度を必要温度として演算する。
コントローラ100は、温度推定部101で推定される推定温度と、電力予測部102で予測された要求電力から、バッテリ13の温度推移を演算する。バッテリ13を充放電させると、バッテリ13の内部抵抗による発熱作用、バッテリ13に含まれる活物質の反応熱によって、バッテリ13の温度は変化する。そして、充放電電力特性から、充放電時間及び充放電力を予測することができる。また、充放電時間及び電力に対して、バッテリ13の温度変化はバッテリ13に応じて予め決まっている。またバッテリ13の温度特性は、バッテリ13の外部温度に影響されるため、コントローラ100は、温度推定部101の推定温度から外部温度の温度推移を把握する。そのため、コントローラ100は、温度推定部101の推定温度からバッテリ13の環境温度を把握した上で、要求電力から、バッテリ13を充放電制御した場合のバッテリ13の温度を演算により求めることができる。この演算により算出されたバッテリ13の温度は、温度調整部103によってファン15の動作を制御することで調整された温度ではなく、言い換えると、温度調整部103の温度調整制御が無い状態における、温度である。
ここで、コントローラ100で演算された必要温度と、温度推定部101の推定温度及び要求電力の特性(時系列の推移)から演算され、温度調整部103による温度調整がない場合の温度(以下、無制御の温度、と称す。)との関係について、図5を用いて説明する。図5(a)は時間に対する必要温度特性及び無制御温度の特性(時系列の推移)を示すグラフであり、図5(b)は時間に対する要求電力及び限界電力の特性(時系列の推移)を示すグラフである。図5(a)のグラフaは必要温度の特性、グラフbは無制御の温度の特性である。図5(b)のグラフaは要求電力の特性、グラフbは限界電力の特性である。なお、限界電力の特性は、図4に示す関係のマップ上で、無制御の温度特性に対応する電力の特性であって、バッテリ13の温度が無制御の温度特性で推移した場合に、バッテリ13から出力可能な電力の限界値の特性である。
予測された要求電力の特性に基づいて、バッテリ13を制御した場合に、無制御の温度特性が必要温度より高い期間では、バッテリ13の温度は、要求電力をバッテリ13から出力させるために必要な温度よりも高くなっているため、バッテリ13は要求電力を出力することができる。一方、無制御の温度特性が必要温度より低い期間では、バッテリ13の温度が必要温度よりも低いため、バッテリ13は要求電力を出力することができない。図5の例において、時間t1以前及び時間t2以降では、バッテリ13の要求電力がバッテリ13の限界電力より低いため、バッテリ13は要求電力を出力することができるが、時間t1から時間t2の間では、バッテリ13の要求電力がバッテリ13の限界電力より高いため、バッテリ13は要求電力を出力することができない。
本例は、以下のとおり、要求電力が、バッテリ13の出力可能電力を示すバッテリ13の限界電力より高くなる時点より前に、ファン15の動作を制御して、バッテリ13の出力電力を当該要求電力以上にする。
コントローラ100は、要求電力に対応するバッテリ13の必要温度の時系列推移と、無制御の温度の時系列推移とを比較し、必要温度が無制御の温度より高くなる期間を特定する。コントローラ100は、特定された当該各期間のうち、期間の始点に相当する時間(必要温度が無制御の温度より高くなる時点)よりも前の時間で、バッテリ13の温度を上昇させるために、ファン15の動作を停止させるタイミングを設定する。
ファン15を停止させるタイミングは、必要温度が無制御の温度より高くなる時点より前に設定する。そして、コントローラ100は、設定されたタイミングで、ファン15を停止させることで、バッテリ13の温度を無制御温度より上昇させる。
必要温度が無制御の温度より高くなる前に、ファン15を停止させると、バッテリ13の冷却機能が弱まるため、バッテリ13の温度が上昇する。そして、バッテリ13の温度上昇により、バッテリ13から出力される限界電力が高くなり、実際のバッテリ13から出力を要求電力以上に高めることができる。
そして、コントローラ100は、必要温度が無制御の温度より高くなる期間を終えると、ファン15の制御を、バッテリ13の温度の上昇制御から通常の制御に戻す。
図6及び図7を用いて、上記の本例の温度制御について説明する。図6は時間に対する必要温度の特性及び無制御温度の特性を示すグラフであり、図7は時間に対する必要温度の特性及び無制御温度の特性と、本例の制御後の、時間に対するバッテリ13の温度特性とを示すグラフである。図6、図7のグラフaは必要温度の特性を、グラフbは無制御温度の特性を、図7のグラフcは本例の制御後のバッテリ13の温度特性を示す。
図6に示すように、時間tpの時点で、要求電力に対するバッテリ13の必要温度が無制御での温度より高くなる。ファン15の動作を停止させない場合には、バッテリ13の実際の温度はグラフbに沿うように推移するため、バッテリ13の実際の出力は要求電力よりも低くなる。
一方、本例では、図7に示すように、時間tpより前の時点でファン15の動作を停止することで、時間tp以降、バッテリ13の実際の温度がグラフaに沿うように、バッテリ13の温度を制御する。これにより、時間tp以降に、バッテリ13からの出力電力の不足を防ぐことができる。
図8を用いて、本例のコントローラ100の制御フローを説明する。図8は、本例のバッテリ制御装置の制御手順を示すフローチャートである。ステップS1にて、コントローラ100は、蓄積した過去の使用電力に関するデータから、負荷4における負荷電力特性を予測する。ステップS2にて、コントローラ100は、気象庁からの気象データに基づいて、太陽光パネル2の発電電力特性を予測する。
ステップS3にて、電力予測部102は、負荷電力特性及び発電電力特性から、要求電力の特性を予測する。ステップS4にて、コントローラ100は、図4を参照し、要求電力と対応する温度から、要求電力を出力させるために必要なバッテリ13の必要温度の特性を演算する。ステップS5にて、コントローラ100は、温度推定部101により推定されるバッテリ13の温度及び要求電力特性から、当該要求電力でバッテリ13を制御した場合のバッテリ13の温度特性(ファン15の動作を制御することでバッテリ13の温度を制御していない状態の温度特性(無制御の温度特性))を演算する。
コントローラ100は、ステップS4で演算された必要温度の特性と、ステップS5で演算された無制御の温度特性とを比較する。そして、コントローラ100は、必要温度が無制御の温度より高くなることによって、バッテリ13の出力電力が要求電力まで達しない期間(出力未達期間)を特性し、例えば1日あたりの電力推移で、出力未達期間があるか否かを判定する(ステップS6)。
出力未達期間がある場合には、ステップS7にて、コントローラ100は、ファン15を停止させるタイミングを、出力未達期間の始点に相当する時刻より前に設定する。ファン15を停止させるタイミングは、出力未達期間の始点に相当する時刻に対して、バッテリ13の大きさ(体積)等に応じた温度時定数を考慮して予め定められた所定時間だけ前に設定することが望ましい。ステップS8にて、温度調整部103は、ステップS7で設定されたタイミングでファン15を停止し、出力未達期間の終了時にファン15の制御を通常制御に戻す(ステップS8)。これにより、出力未達期間において、バッテリ13の実際の温度は必要以上になり、バッテリ13の出力電力が不足することを防ぐ。
ステップS6に戻り、出力未達期間がない場合には、電力を増加させるために、バッテリ13の温度を制御しなくてもよいため、図8の制御ステップを終了させる。
上記のように、本例は、要求電力がバッテリ13から出力可能な出力可能電力より高くなる前にファン15を制御することで、バッテリ13の温度を高めて、バッテリ13の実際の出力電力を要求電力以上にする。これにより、本例は、バッテリ13の温度推移に対して、フィードフォワードでバッテリ13の温度制御を行うことができるため、バッテリ13の温度時定数によるバッテリ13の昇温の遅れを回避することができる。特に、従来のようにセンサにより電池の状態を検出し、バッテリを所定温度まで昇温させるバッテリ制御装置を、家庭用の電源装置に用いた場合には、バッテリ13の体積が大きくなり、温度時定数が大きくなるため、バッテリ13の温度時定数によるバッテリ13の昇温の遅れの問題が顕著になるが、本例では、バッテリ13の昇温の遅れを回避することができる。その結果として、要求電力に対して、バッテリ13の出力電力の不足を防ぐことができる。
また本例は、図4に示す関係のマップを参照して、要求電力からバッテリ13の必要温度を演算し、温度推定部101の推定温度を用いて、要求電力でバッテリ13を制御した場合のバッテリ13の演算温度を演算し、必要温度が演算温度より高くなる時点より前に、ファン15を制御することで、バッテリ13の実際の温度を必要温度以上にする。これにより、バッテリ13の温度時定数によるバッテリ13の昇温の遅れを回避し、要求電力に対して、バッテリ13の出力電力の不足を防ぐことができる。
なお、本例は、バッテリ13の必要温度と、要求電力でバッテリ13を制御した場合のバッテリ13の温度とを演算し、それぞれの温度を比較して、要求電力がバッテリ13の出力可能電力より高くなる期間を特定したが、以下のとおり、温度推定部101で推定された温度からバッテリ13の出力可能電力を演算し、当該出力可能電力と要求電力とを比較することで、要求電力が出力可能電力より高くなる期間を特定し、要求電力が出力可能電力より高くなる時点より前に、ファン15を制御してもよい。
出力可能電力の演算について、コントローラ100は、温度推定部101で推定されたバッテリ温度の推移と、図4に示す関係のマップを用いることで、推定温度に基づいた、バッテリ13の出力可能電力を演算する。また、充放電によるバッテリ13の温度変化を加味して、出力可能電力を演算する場合には、コントローラ100は、温度推定部101の推定温度からバッテリ13の環境温度を把握した上で、電力予測部102の要求電力からバッテリ13を充放電制御した場合のバッテリ13の温度を演算する。そして、コントローラ100は、図4に示す関係のマップを用いて、演算された当該温度に対応する限界電力を、出力可能電力として演算する。
なお、本例は、バッテリ13の温度を検出する温度センサ(図示しない)を設け、温度調整部103によるバッテリ13の温度制御の際には、当該温度センサの検出値を用いて、ファン15の動作を制御してもよい。図7に示すように、コントローラ100は時間tpより前の時点でファン15の動作を停止させた後に、当該温度センサの検出値によりバッテリ13の温度を管理する。そして、ファン15の停止後、バッテリ13の実際の温度が必要温度より大幅に高くなった場合には、ファン15を動作させて、バッテリ13の温度を必要温度に近づけるよう、バッテリ13の温度を制御する。
また、時間tpより前は、ファン15の動作を停止させて、必要以上にバッテリ13の温度を上昇させなくてもよい。そのため、時間tpより前には、バッテリ13の実際の温度が無制御の温度特性に沿うよう、温度センサの検出値に基づいてバッテリ13の温度を制御する。すなわち、本例は、バッテリ13の必要温度または無制御の温度のうち、高い方の温度に基づいてファン15を制御する。
また本例は、必要温度が無制御の温度より高くなる期間内における、必要温度と無制御温度との間の最大の温度差に応じて、ファン15を停止させるタイミングを設定してもよい。具体的には、コントローラ100は、必要温度と無制御温度との間の温度差が大きくなるほど、ファン15を停止させるタイミングを早めるよう、ファン15を制御する。そして、コントローラ100は、設定されたタイミングで、ファン15を停止させることで、バッテリ13の温度を無制御温度より上昇させる。
また本例は、バッテリ13の出力電力を要求電力以上にするために、ファン15を停止させることで、バッテリ13の温度を調整したが、ファンの風量を調整し、あるいは、ファンの風向を調整することで、バッテリ13の温度を調整してもよい。また、排気口16を塞ぐことでバッテリ13の温度を上昇させてもよい。
上記の温度推定部101が本発明の「推定手段」に相当し、ファン15が本発明の「調整手段」に、コントローラ100が「制御手段」に相当する。
《第2実施形態》
図9は、発明の他の実施形態に係るバッテリ制御装置に含まれる蓄電ユニット200のブロック図である。本例では上述した第1実施形態に対して、ファン15の代わりに、燃料電池ユニット20の排熱を利用して、バッテリ13の温度を制御する点が異なる。これ以外の構成は上述した第1実施形態と同じであるため、その記載を適宜、援用する。
本例のバッテリ制御装置は、図1に示す構成に加えて、燃料電池ユニット20を有している。燃料電池ユニット20は、分電盤5に接続され、コントローラ100により制御されて電力を発電する。また蓄電装置10に含まれるバッテリ13と燃料電池ユニット20とで、蓄電ユニット200を構成する。なお、以下では本実施形態における構成は第1実施形態と同様に、図1に示す太陽光パネル2を備えた構成として説明するが、第1実施形態における太陽光パネル2を燃料電池ユニット20に置き換えた構成としても良い。
燃料電池ユニット20は、燃料処理部21と、燃料電池22と、インバータ(INV)23を備えている。燃料処理部21は、外部から送られるガスから水素を作り、燃料電池22に送る。燃料電池22は燃料処理部21から出力される水素と空気中の酸素とを反応させて発電する発電手段であり、発電した電力をインバータに出力する。そして、インバータ23は燃料電池から出力される直流電力を交流電力に変換して分電盤5に出力する。
バッテリ13の周囲には、開閉装置131、132及び断熱材133が設けられている。バッテリ13は、燃料処理部21の近くに開閉装置131を介して設置されている。開閉装置131はバッテリ13と燃料処理部21との間に設けられ、開閉部分を開閉することで、燃料処理部21から排出される熱をバッテリ13に伝え、又は、遮断するための装置である。開閉装置132は、バッテリ13の上部に設けられ、開閉部分を開閉することで、バッテリ13で発生した熱をバッテリ13の外部へ逃がし、または、遮断するための装置である。開放装置131、132は、コントローラ100の制御により開閉部分を開閉させる。断熱材133は、バッテリ13を外部から断熱するための部材である。
電力予測部102は、バッテリ13の電力、負荷4の消費電力及び太陽光パネル2の発電電力の電力推移に加えて、燃料電池ユニット20の電力推移を電力履歴として記録している。コントローラ100は、燃料電池ユニット20のエネルギーも含めて、家庭用の電力のマネジメントを効率よく行っている。そして、電力予測部102は、電力履歴に基づいて、バッテリ13への要求電力を予測する。
コントローラ100は、要求電力がバッテリ13の出力可能電力より高くなる期間を特定し、要求電力がバッテリ13の出力可能電力より高くなる時点より前に、開閉装置131を開き、かつ、開閉装置132を閉じて、燃料処理部21の排熱をバッテリ13に伝える。これにより、バッテリ13の温度を、要求電力を出力させるために必要な必要温度以上に上昇させる。なお、開閉装置131を開き、かつ、開閉装置132を閉じるタイミングは、出力未達期間の始点に相当する時刻(要求電力がバッテリ13の出力可能電力より高くなる時点)に対して、バッテリ13の大きさ(体積)等に応じた温度時定数を考慮して予め定められた所定時間だけ前に設定することが望ましい。
そして、コントローラ100は、要求電力がバッテリ13の出力可能電力より高くなる期間を終えると、開閉装置131、132の制御を通常制御に戻す。当該通常制御では、コントローラ100はバッテリ13に設けられた温度センサ(図示しない)またはバッテリ13の外部の温度を検出するための温度センサ(図示しない)の検出値からバッテリ13の温度を管理し、バッテリ13の温度が充放電制御に適した温度範囲内に収まるように、開閉装置131、132の開閉動作を制御する。
上記のように、本例は、燃料電池ユニット20から排出される排熱を利用してバッテリ13の温度を調整することで、要求電力がバッテリ13の出力可能電力より高くなる時点より前に、バッテリ13の実際の出力電力を要求電力以上にする。これにより、バッテリの温度を短期間で上昇させることができる。その結果として、要求電力に対して、バッテリ13の出力電力の不足を防ぐことができる。
なお本例は、燃料処理部21の排熱を利用する変形例として、図10に示すように、燃料ユニット20とバッテリ13をパイプ24で結びつつ、バッテリ13にパイプ24を巻き付けて、燃料処理部21の排熱で熱したお湯をパイプ24内で循環させることで、バッテリ13の温度を制御してもよい。図10は、本発明の変形例に係るバッテリ制御装置の蓄電ユニットのブロック図である。
なお、本例は、燃料電池ユニット20の排熱を利用する代わりに、バッテリ13の電力により動作する負荷4に含まれる熱源を利用してバッテリ13の温度を制御してもよい。例えば給湯器などの負荷4は、お湯を沸かす際に熱を発するため、当該熱をバッテリ13の加熱に利用することで、熱エネルギーを有効に活用することができる。また本例は、地熱や水熱などの自然エネルギーからの発熱分を上記の温度制御に利用してもよい。
上記の開放装置131、132が本発明の「調整手段」に相当し、燃料電池ユニット20が「発電手段」に相当する。
《第3実施形態》
図11は、発明の他の実施形態に係るバッテリ制御装置において、時間に対するバッテリの温度特性及び充放電電力特性を示すグラフである。本例では上述した第1実施形態に対して、バッテリ13の温度をバッテリ13の充放電によって自己発熱する熱(バッテリの内部抵抗によって発生する熱やジュール熱)を用いて調整する点が異なる。その他の構成は上述した第1実施形態と同じであり、第1実施形態及び第2実施形態の記載を適宜、援用する。図11(a)は時間に対する必要温度特性及び無制御温度の特性を示すグラフであり、図11(b)は時間に対するバッテリ11の充放電特性を示すグラフである。図11(a)のグラフaは必要温度の特性、グラフbは無制御の温度の特性である。図11(b)のグラフaは制御前の特性、グラフbは制御後の特性である。
コントローラ100は、必要温度特性と無制御の温度特性とを比較して、要求電力がバッテリ13の出力可能電力より高くなる期間(出力未達期間、図11の時間t1から時間t2の間)を特定する。コントローラ100は、出力未達期間がある場合には、出力未達期間の始点に相当する時刻よりも前に、バッテリ13の充放電電力が電力予測部102で予測された充放電電力特性の電力よりも高くなるように、バッテリ用電力制御器11を制御する(図11(b)を参照)。充放電電力を高くすると、バッテリ13に加わる負担が大きくなるため、バッテリ13の温度を高めることができる。
バッテリ13の温度の上昇制御のために、充放電電力を制御するタイミング及び上昇させる電力の大きさは、出力未達期間における、必要温度と無制御の温度との温度差及び出力未達期間の長さに応じて設定される。言い換えると、温度調整部103は、出力未達期間において、バッテリ13の実際の温度が必要温度以上になるように、充放電電力を制御するタイミング及び上昇させる電力の大きさを設定する。これにより、温度調整部103は、バッテリ13の充放電よりバッテリ13の温度を調整する。なお、バッテリ13の温度の上昇制御のために、充放電電力を制御するタイミングは、出力未達期間の始点に相当する時刻(要求電力がバッテリ13の出力可能電力より高くなる時点)に対して、バッテリ13の大きさ(体積)等に応じた温度時定数を考慮して予め定められた所定時間だけ前に設定することが望ましい。本実施形態においてはバッテリ13の自己発熱を利用するため、バッテリ13外部からバッテリ13の温度を制御するもの(ファンの作動制御や燃料電池の熱を利用する等、バッテリ13外部から温度制御するもの)に対して、応答性が高い温度制御が可能である。
上記のように、本例は、バッテリ13への要求電力がバッテリ13の出力可能電力より高くなる時点より前に、バッテリ13の充放電によりバッテリの温度を調整し、バッテリ13の出力電力を要求電力以上にする。これにより、要求電力に対して、バッテリ13の出力電力の不足を防ぐことができる。
上記のバッテリ用電力制御器11が本発明の「調整手段」に相当する。
《第4実施形態》
図12は、発明の他の実施形態に係るバッテリ制御装置において、時間に対する必要温度特性及び無制御温度の特性と、本例の制御後の、時間に対するバッテリ13の温度特性とを示すグラフである。本例では上述した第1実施形態に対して、バッテリ13の温度制御の一部が異なる。その他の構成は上述した第1実施形態と同じであり、第1〜第3実施形態の記載を適宜、援用する。図12のグラフaは必要温度特性を、グラフbは無制御温度の特性を、グラフcは本例の制御後のバッテリの温度特性を示す。
コントローラ100は、要求電力に対応するバッテリ13の必要温度の時系列特性と、無制御の温度の時系列特性とを比較することで、必要温度が無制御の温度より高くなる期間を特定し、バッテリ13の温度を上昇させるための目標温度を設定する。目標温度は、特定された期間内におけるバッテリ13の必要温度の最大温度よりも高い温度に設定される。また、目標温度への到達時点の時刻を、当該最大温度に対する時刻よりも前に設定する。目標温度の高さ及び目標温度への到達時刻は、目標温度に到達後の温度特性がバッテリ13の必要温度の温度特性以上になっている状態を維持するように設定される。
図12を例に、上記の制御を説明すると、まず、コントローラ100は、必要温度の時系列特性(グラフa)と、無制御の温度の時系列特性(グラフb)とを比較して、必要温度が無制御の温度より高くなる期間を特定する。コントローラ100は、当該期間の始点に相当する時刻(tp)より前の時刻に、バッテリ13の温度の上昇制御を行うタイミングを設定する。また、コントローラ100は、当該上昇制御を開始する時刻(ts)から、必要温度が無制御の温度より高くなる期間の終了時刻まで、バッテリ13の実際の温度特性が必要温度特性より高くなるように、この期間における必要温度の特性及び無制御の温度特性に応じて、目標温度(Tn)及び目標温度の到達時刻(tn)を設定する。
バッテリ13に加わる負担を考慮すると、バッテリ13の温度上昇は必要温度の特性に対して小さくする方が好ましい。そのため、時刻(ts)から時刻(tn)までのバッテリ13の温度特性の傾き(温度上昇の傾き)が、必要温度特性の傾き(温度上昇の傾き)より大きくしつつ、時刻(ts)から時刻(tp)までの時間を最小限するように、バッテリ13の温度の上昇制御を行うタイミングを設定する。また、時刻(tn)以降の温度推移について、目標温度(Tn)は必要温度の最大温度(Tm)より高くしつつ、目標温度の到達時刻(tn)を、最大温度(Tm)に対する時刻(tm)より前の時刻にする。さらに、目標温度(Tn)後の温度特性が必要温度特性より低くならないように、目標温度(Tn)及び到達時刻(tn)を設定する。
これにより、バッテリ13の温度が不要に上昇させることなく、バッテリ13の実際の温度を必要温度以上にすることできる。
上記のように、本例は、バッテリ13の必要温度が無制御の温度より高くなる期間において、温度調整部103の制御により上昇させるバッテリ13の目標温度の到達時刻を、必要温度の最大温度の時刻より前の時刻に設定する。これにより、温度を上昇させることでバッテリ13に加わる負担を抑えつつ、バッテリ13の実際の出力電力を要求電力以上にすることができる。その結果として、要求電力に対して、バッテリ13の出力電力の不足を防ぐことができる。
なお、本発明の変形例として、コントローラ100は、必要温度が無制御の温度より高くなる期間の始点に相当する時刻(tp)より前の、バッテリ13の電力の実測値に応じて、目標温度を補正してもよい。必要温度特性及び無制御の温度特性を演算する際に用いる要求電力の特性は、電力予測部102による予測値であるため、実際のバッテリ13の電力及び温度とは異なる場合がある。
本例では、電圧センサ14の検出値またはバッテリ13の電流センサ(図示しない)の検出値からバッテリ13の実際の電力を検出する。そして、バッテリ13の実際の電力がバッテリ13の出力可能電力より高い場合には、上記により設定された目標温度で制御を行うと、バッテリ13の実際の温度は目標温度より高くなるため、コントローラ100は目標温度を低くするように補正する。一方、バッテリ13の実際の電力がバッテリ13の出力可能電力より低い場合には、上記により設定された目標温度で制御を行うと、バッテリ13の実際の温度は目標温度より低くなってしまうため、コントローラ100は目標温度を高くするように補正する。